2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 11,424 100.0 2,070 100.0 18.1

事業内容

3【事業の内容】

(1)当社グループの事業内容

当社グループの事業領域は、投資運用事業の単一セグメントであり、投資信託委託業務、投資顧問業務(投資一任契約に係る業務)、ベンチャーキャピタル業務及びその他業務から構成されます。

なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に定める特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準につきましては連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

① 投資信託委託業務

投資信託とは、お客様から投資いただいた資金を国内外の株式等に投資し、その運用成果をそれぞれのお客様の投資額に応じて分配する仕組みの金融商品です。投資信託委託業務では、当社グループの主要子会社であるレオス・キャピタルワークス株式会社を中心に、投資信託の設定、運用及び販売を行っております。

 

当社グループが運用を行っている投資信託は2025年3月末現在、以下のとおりです。

 

販売経路別

公募投資信託

(直接販売)

公募投資信託

(間接販売)

私募投資信託

投資資産別

国内株式

ひふみマイクロスコープpro

ひふみマイクロスコープpro

レオス日本小型株ファンド

(一般投資家私募)

内外株式

ひふみ投信

ひふみプラス

ひふみ年金 ※

まるごとひふみ100

内外株式/

未上場株式

ひふみクロスオーバーpro

ひふみクロスオーバーpro

海外株式

ひふみワールド

ひふみワールド+

ひふみワールド年金 ※

内外資産複合

(バランスファンド)

ひふみらいと

まるごとひふみ15

まるごとひふみ50

まるごとひふみ50

(適格機関投資家専用)

(※)ひふみ年金、ひふみワールド年金は、確定拠出年金(iDeCo/企業型DC)専用の投資信託です。

 

公募投資信託(直接販売)は、当社グループが運用を行ない、インターネットを通じて販売する投資信託です。運用会社がお客様に直接販売する形式を採用することで、独自の営業活動やお客様とのコミュニケーションが可能となり、当社グループの運用理念をしっかりとお伝えすることができます。また、当社グループに口座をお持ちのお客様には、「学べる投資信託」や「投資信託を保有して楽しい」と感じていただけるようなイベントやセミナーを開催し、密なコミュニケーションを通じてお客様の資産形成をサポートしています。

公募投資信託(間接販売)は、販売会社(証券会社、銀行等)が当社グループの投資信託をそれぞれの顧客に提供する形式の投資信託です。お客様が購入しやすい環境を整えるため、地方銀行やネット証券等、さまざまな金融機関を販売会社として採用し、販売チャネルの多様化を図っています。

 

(ア)投資信託委託業務の仕組みについて

投資信託委託業務においては、レオス・キャピタルワークス株式会社が委託会社として投資信託を組成し、お客様(受益者)からお預かりした資金を運用し、その成果をお客様に配分しております。

委託会社では、経済・金融情勢等のデータを収集・分析し、運用の専門家がこれまでの経験等を駆使しながら、どの企業に投資するのかを考え、受託会社(信託銀行)に対して運用を指図します。

当社グループでは、お客様からお預かりした運用資産残高に一定率を掛け合わせることで算定される信託報酬から、信託銀行への手数料を差し引いた金額を委託者報酬として受け取ります。さらに、間接販売においては、委託者報酬の一部から、各販売会社が販売する当社グループの投資信託の運用資産残高に一定率を掛け合わせた代行手数料をそれぞれの販売会社に支払っております。

 

(a)投資信託(直接販売)の仕組み図

 

(b)投資信託(間接販売)の仕組み図

 

(イ)投資信託の特徴

(a)「ひふみ」ブランド

2023年当時の岸田政権は資産所得倍増プランを掲げ、NISA制度の抜本的な拡充等、「貯蓄から投資へ」のシフトを大胆かつ抜本的に進めていきましたが、日本銀行が毎年公表する家計金融資産におけるリスク資産の割合は依然として低水準に留まっており、日本の家計における投資へのハードルは依然として高く、多くの方が投資に対して慎重である現状です。当社グループでは、このハードルを少しでも下げ、より多くの方々に資産形成への第一歩を踏み出していただきたいと考えております。そのため、わたしたちは投資信託を単なる金融商品ではなく、お客様に長く大切にされる「資産形成のパートナー」として成長させたいという思いを込め、当社グループが運用するすべての公募投資信託に「ひふみ」というブランド名を冠しています。

「ひふみ」ブランドには、「次のゆたかさの、まんなかへ」という想いが込められています。投資を通じてお金を循環させ、社会を動かしていくことこそが金融の力であり、それを促進することが当社グループの役割です。「ひふみ」は、同じ想いを持つお客様と投資先企業をつなぐ存在であり、お客様の夢や希望を実現するための資産形成の中心的な役割を担いたいと考えています。この「ひふみ」ブランドを支えるのが、当社グループの「運用力」「発信力」「販売力」という3つのチカラです。

 

(b)運用力

当社グループの運用の特長は、独自に発掘した成長企業に投資し、「守りながらふやす」運用を行うことです。

当社グループのファンドマネージャーやアナリストは、企業の規模や業種にかかわらず、実際に企業を訪問し、その活動を調査しています。企業が目指す未来や、提供する製品・サービスが社会に与える影響、そしてその企業が属する産業の将来像について、経営陣と意見を交換します。こうして得られた定性的な情報に加え、国内外の産業動向、企業の成長性やバリュエーションといった定量的なデータを分析し、投資先を選定しています。わたしたちは、市場価値に対して中・長期的な将来価値が割安だと判断される銘柄や、安定した業績を上げている成長企業に対し、長期的な投資を行っています。

また、2019年10月には、海外株式に投資する「ひふみワールド」の運用開始を契機に、海外企業の成長性を独自のルートで発掘する体制を整備するとともに、2024年9月には一部未上場企業に投資する「ひふみクロスオーバーpro」の運用も開始し、調査対象は未上場企業にまで広がっています。

一方で、「守る」とは、投資対象企業の株価変動(リスク)をさまざまな手法で低減し、基準価額の変動を抑えることを意味します。わたしたちは、マーケットの変化に柔軟に対応し、相場の上下によるお客様の不安をできるだけ軽減し、長期にわたり安心して投資いただける運用を目指しています。具体的には、IT企業等の成長企業から、地道に収益を上げる銘柄まで幅広い銘柄を組み合わせることで、投資リスク(価格変動)に対してどれだけのリターン(収益率)を得られるかを示す「シャープレシオ」(リターンをリスクで割った数値)を高位に保つことを目標としています。

これまでの実績として、「ひふみ投信」は、株式会社格付投資情報センター(R&I)が「シャープレシオ」を定量評価に用いて選定する「R&Iファンド大賞」を、直近7年間(2019年~2025年)にわたり継続して受賞しています。

 

(c)発信力

当社グループは、投資信託の運用に携わる運用者が、お客様とFace to Faceでコミュニケーションを取る「顔が見える運用」を大切にしています。セミナー、イベント、運用報告会等を通じて、お客様に投資の楽しさや重要性をお伝えしています。例えば、毎月月初に「ひふみ投信」等の運用結果を報告し、運用責任者やアナリストが経済・株式相場をどのように見て運用しているかを解説する「ひふみアカデミー」等のセミナーを開催しています。また、当社グループのメンバーとともに投資先企業を訪問する社会科見学を実施し、経済や投資、企業をより身近に感じていただく取り組みも行っています。これらの活動を通じて、「投資イコール悪」というイメージを払拭し、長期・分散・つみたて投資の促進を目指しています。

当社グループが独自で運営するYouTubeチャンネル『お金のまなびば!』では、お金や投資についてたのしく・わかりやすくをモットーに、お金や投資について配信しています。お客様の資産形成ニーズや不安に寄り添い、できるだけ平易な言葉を使って、理解しやすい内容を心がけています。例えば、当社代表の藤野による「ゆたかな老後に向けてできること・やるべきこと」の解説や、各業界で活躍するゲストとお金について語る対談「『ひらめき』天才の思考法とは?」、お笑い芸人やフリーアナウンサー等著名人とお金を語り合う「マネーキャンプシリーズ」、そして「はじめてのじぶん資産形成講座」等が好評です。視聴者は10代から60代以上と幅広く、2025年4月末時点でチャンネル登録者数は67万人を突破しました。

 

(d)販売力

当社グループの販売手法の強みは、直接販売と間接販売という2つの販売チャネルを持っていることです。特に、直接販売のチャネルを持つことは非常に重要です。お客様と直接コンタクトを取ることで、当社グループのメッセージを確実に伝え、商品ブランドをしっかりと育てることができるからです。さらに、長期的な資産形成を促進するため、直接販売する一部の公募投資信託には、日本初の仕組みである「資産形成応援団(信託報酬一部還元方式)」を導入しており、長期保有するほど信託報酬率が低減するコスト体系を提供しています。この仕組みは、5年以上当社グループの投資信託を保有している場合に、信託報酬をあらかじめ決められた応援率分、実質的に割り引く制度です(注)。

また、当社グループは、2025年3月末時点で、日本の大手金融機関や地方銀行、ネット証券等109社の販売会社と取引を行い、幅広いサポートを受けています。これにより、お客様が当社グループの口座をお持ちでなくても、既にお使いの金融機関の口座や、お近くの店舗がある金融機関で、当社グループの投資信託を購入し、資産形成を始めることが可能です。今後もさらに多くの販売会社との取引を開拓し、幅広いお客様の資産形成に貢献してまいります。

(注)実際には、当社グループが一旦通常の信託報酬額を受け取り、応援率分を半年ごとにお客様口座に入金することで新規投資信託の買付に充当され、自動的に投資信託の口数が増加することになります。

 

② 投資顧問業務(投資一任契約に係る業務)

 投資一任契約とは、お客様から投資判断を任され、お客様に代わりお客様の資産運用を行う契約のことで、この契約に基づき投資資金を受託、運用する業務を行っています。

 

(ア)当社グループ投資顧問業務の特徴

当社グループでは、投資一任契約に基づき、国内企業年金基金や海外ソブリンウェルスファンド等を受託し運用しております。

 

(イ)投資顧問業務の仕組みについて

投資顧問業務においては、レオス・キャピタルワークス株式会社とお客様(投資家)との間で投資一任契約を締結し、投資家から投資判断や投資に必要な権限を委任され、投資家を代理して証券会社への売買発注等を行います。

投資顧問業務の収益は、お客様からお預かりした運用資産の残高に一定率を掛け合わせることで算定される投資顧問報酬と、運用成績に応じて受け取る成功報酬から構成されます。

 

 

 

 

③ ベンチャーキャピタル業務

レオス・キャピタルパートナーズ株式会社を中心に、投資事業有限責任組合を通して非上場株式等に投資する、ベンチャーキャピタル業務を行っております。

 

④ その他業務

2024年11月にスコラ株式会社との合弁でフィナップ株式会社を設立し、オンラインを活用した金融教育コンテンツを提供しております。また、2025年3月に「共助で支える」仕組みを具体化する子会社として株式会社Kiffyを設立し、寄付プラットフォームを運営しております。

 

(2)投資信託委託業務及び投資顧問業務の運用資産残高の推移について

当社グループの2018年3月末以降の投資信託委託業務及び投資顧問業務における運用資産残高の推移は次のとおりです。なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。

(単位:億円)

 

2018年

3月末

2019年

3月末

2020年

3月末

2021年

3月末

2022年

3月末

2023年

3月末

2024年

3月末

2025年

3月末

公募投資信託

(直接販売)

1,355

1,307

1,193

1,763

1,864

1,885

2,409

2,239

公募投資信託

(間接販売)

5,853

6,256

5,371

6,699

8,169

8,414

9,822

9,183

私募投資信託

72

82

51

66

52

15

21

13

投資信託合計

7,282

7,646

6,616

8,529

10,086

10,315

12,253

11,436

投資顧問合計

1,170

1,070

855

1,079

993

1,127

1,435

1,317

全社合計

8,452

8,716

7,471

9,608

11,079

11,443

13,688

12,753

(注)当該数値は、東陽監査法人による監査を受けておりません。

 

[事業系統図]

(注)1.お客様から販売会社に支払われる手数料は販売会社が設定するものであり、当社グループの収益に寄与するものではありません。

2.レオス・キャピタルワークス株式会社が運用する投資信託のうち、ひふみクロスオーバーproに関しては、レオス・キャピタルパートナーズ株式会社が運営及び管理を行う投資事業有限責任組合に投資を行ないます。また、同投資事業有限責任組合の管理手数料は、レオス・キャピタルワークス株式会社がレオス・キャピタルパートナーズ株式会社に支払います。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

なお、当社は、2024年4月1日に単独株式移転により、レオス・キャピタルワークス株式会社の完全親会社として設立されたため、前連結会計年度及び前年同期比較は行っておりません。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。また、当社グループは、投信投資顧問事業(2024年4月1日よりセグメント名を投資運用事業に変更しております。以下同じ。)の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は10,739百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金2,502百万円、未収委託者報酬4,295百万円等流動資産が9,442百万円、有形固定資産558百万円等固定資産が1,297百万円であります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は3,731百万円となりました。その主な内訳は、未払費用1,770百万円、預り金520百万円等流動負債が3,374百万円、資産除去債務219百万円等固定負債が357百万円であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は7,008百万円となりました。その主な内訳は、利益剰余金6,842百万円、自己株式△1,193百万円等株主資本が6,614百万円、非支配株主持分が391百万円であります。自己資本比率は61.6%となりました。

 

② 経営成績の状況

当期の日経平均株価は過度の円安への警戒や個別企業の弱気な業績見通しを背景に上値の重い展開で始まりました。一方、利下げサイクル入りへの期待やAI分野の成長期待から過去最高値を更新していた米国株は引き続き堅調に推移する環境下、日経平均株価も7月に入ると出遅れていた反動もあってか大きく上昇し、42,000円超えと過去最高値を更新しました。しかし、7月半ばからは売り優勢にシフトします。米国ではCPI(消費者物価指数)が予想から大きく下振れたことで利下げ期待が高まり長期金利が大きく低下したことで、株式市場では出遅れていた銘柄群に資金が向かった一方、これまで強い動きを続けてきた半導体関連を中心にメガテック株から資金が流出しました。また、日銀の利上げ懸念から為替が円高に反転し、米国テック株の崩れと円高が日本株には重石となりました。7月末の日銀会合では利上げが決定された一方、FOMCでFRB議長がハト派メッセージを送ったことで、円高と日本株売りが加速し、同タイミングで米国の弱いマクロ指標を背景にした景気減速懸念も加わり8月5日の日経平均株価は△12.4%と1987年のブラックマンデー以来の下落率を記録し、32,000円割れまで急落しました。それでも景気減速懸念と株売りは行き過ぎとの見方からすぐにリスクアセット全般で反発に転じました。実際、米国の雇用データは底堅い数字が続き、一時見られていた弱いデータも天候等一時的要因の影響と楽観的な見方が広がり、米国株は再度最高値を更新していきました。ただし、日銀の利上げ警戒が続く中で日本株の上昇は短命に終わり、日経平均株価は4万円の大台で頭打ちとなります。トランプ新政権による米国ファースト政策、欧州では防衛、インフラ強化期待等を背景に欧米株は強い動きが続きましたが、日本株は蚊帳の外で10月から2月まで横ばいが続きました。2月に入るとDeepSeekといった中国発の低コストでのAI開発企業の台頭を受けてAI分野の投資コストが低減するとの懸念からAI関連株が売られ始め、米国株が冴えない動きとなりました。また、当初は交渉手段の一つと楽観的な見方が強かったトランプ政権による関税政策ですが、強気姿勢が目立ち始めたことでグローバルの景気減速懸念を徐々に高めていき、当期の終盤は日米共にやや株売りが優勢となり、日経平均株価は前期比△11.8%の35,617.56円で期末を迎えました。

※日経平均株価に関する著作権、知的財産権その他一切の権利は株式会社日本経済新聞社に帰属します。

 

一方、一般社団法人投資信託協会が公表する「投資信託概況」によると、2025年3月末の株式投信(除ETF)の純資産総額は、2024年3月末から11.7%増の135兆6,425億円となりました。

このような環境下、当社グループの中核を担うレオス・キャピタルワークス株式会社においては、2024年1月から開始した新NISA制度による投資への関心の高まりも相まって、当社はオンライン・対面を問わず、様々なセミナーを開催し、多くのお客様とのリレーションを深めてまいりました。さらに、幅広い層に向けて「ひふみ」ブランドの認知度向上を図るため、チャンネル登録者数約60万人を擁するYouTubeチャンネル『お金のまなびば!』においてお金や投資について幅広く発信するとともに、広告投資を拡大し、運用資産残高の拡大を目指しました。

第2四半期以降は、2024年9月に運用を開始した「ひふみクロスオーバーpro」について、間接販売を中心に残高拡大に向けた積極的な広告投資を行ない、「ひふみクロスオーバーpro」の運用資産残高は250億円を突破しました。一方で、直接販売における広告宣伝投資については、新規口座開設数の獲得よりも既存顧客の長期保有につながる施策に注力したことから、直接販売する投資信託のいずれかを保有する顧客数は61,298名(前年度比1,119名減)となりました。

また、当社グループの経営理念と運用哲学に共感していただける販売パートナーの開拓を継続し、間接販売における「ひふみ」シリーズの取扱い社数は、2025年3月末時点で延べ301社となりました。

さらに、2024年12月には日本の金融リテラシーのアップデートを目指してオンラインでの金融・経済・投資教育事業を展開するフィナップ株式会社を、2025年3月には「共助で支える」仕組みを具体化する子会社として、寄付プラットフォームを運営する株式会社Kiffyを設立しました。

 

以上の結果、当連結会計年度末における運用資産残高については、「ひふみproシリーズ」の運用資産残高が増加しましたが、当連結会計年度の投資信託の純流出額(解約額から設定額を控除した金額)は10億円となり、基準価額の下落も伴い、2024年3月末から6.8%減の1兆2,753億円となったことで、当連結会計年度の連結業績は、営業収益11,424百万円、広告宣伝費等の増加により営業費用及び一般管理費が9,354百万円となって営業利益2,070百万円、為替差損等の営業外費用の計上により経常利益2,069百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,485百万円となりました。なお、当社グループは、投資運用事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首残高に比べ1,064百万円減少し、2,504百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果増加した資金は953百万円となりました。

その主なものは、税金等調整前当期純利益が2,069百万円、減価償却費が442百万円となった一方、顧客分別金信託の増加による支出が300百万円、未収委託者報酬の増加による支出が161百万円、預り金の減少による支出が531百万円、法人税等の支払額が617百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動の結果減少した資金は391百万円となりました。

その主なものは、有形固定資産の取得による支出が250百万円、無形固定資産の取得による支出が110百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果減少した資金は1,626百万円となりました。

その主なものは、自己株式の取得による支出が1,203百万円、配当金の支払額が583百万円、非支配株主からの払込みによる収入が139百万円等であります。

 

④ 営業の実績

(ア)営業収益の実績

当社グループは投資運用事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の営業収益の実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

投資運用事業

11,424,106

 

(イ)運用資産残高の実績

当社グループは、主として、投信投資顧問事業を行っており、営業収益は、投資信託の運用から得られる委託者報酬と投資一任契約等による投資顧問報酬の2種類の収入によって構成されています。委託者報酬及び投資顧問報酬は、運用資産の残高に一定率を掛け合わせることで算定されます。投資顧問業務の一部では、運用成績に応じて発生する成功報酬がありますが、成功報酬が発生する運用資産残高は、当社グループの運用資産残高のごく一部です。

したがって、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産残高となります。当社グループの2020年3月末以降の投資信託委託業務及び投資顧問業務における運用資産残高実績は次のとおりであります。なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。

 

(単位:億円)

 

2020年

3月末

2021年

3月末

2022年

3月末

2023年

3月末

2024年

3月末

2025年

3月末

公募投資信託

(直接販売)

1,193

1,763

1,864

1,885

2,409

2,239

公募投資信託

(間接販売)

5,371

6,699

8,169

8,414

9,822

9,183

私募投資信託

51

66

52

15

21

13

投資信託合計

6,616

8,529

10,086

10,315

12,253

11,436

投資顧問合計

855

1,079

993

1,127

1,435

1,317

全社合計

7,471

9,608

11,079

11,443

13,688

12,753

(注)当該数値は、東陽監査法人による監査を受けておりません。

 

2025年3月末における運用資産残高については、「ひふみproシリーズ」の運用資産残高が増加しましたが、2025年3月期の投資信託の純流出額(解約額から設定額を控除した金額)は10億円となり、基準価額の下落も伴い、2024年3月末から6.8%減の1兆2,753億円となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであり、翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響は、翌連結会計年度以降においても同様に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 経営成績等の分析

(営業収益)

2025年3月末における運用資産残高は2024年3月末から6.8%減の1兆2,753億円となり、営業収益は11,424百万円となりました。

(営業費用及び一般管理費、営業利益)

営業費用及び一般管理費は9,354百万円となりました。主な内訳は、間接販売による販売パートナーへの支払手数料4,490百万円、役員報酬や給与手当等の人件費1,693百万円等となります。この結果、営業利益は2,070百万円となりました。

(営業外損益、経常利益)

為替差損や支払手数料等の営業外費用の計上により経常利益は2,069百万円となりました。

(特別損益、法人税等合計、親会社株主に帰属する当期純利益)

特別損益の計上はなく、親会社株主に帰属する当期純利益は1,485百万円となりました。

 

③ 財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析

財政状態の分析及びキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態の状況及び③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループの主な資金需要は、事業活動の維持拡大に必要な事業資金及び設備投資資金、顧客分別金信託の追加設定に必要な資金であります。主な設備投資については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載のとおりです。必要な資金については、原則自己資金を基本方針としておりますが、顧客分別金信託の追加設定に必要な資金が生じた場合には金融機関からの短期借入で賄います。

 

⑤ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析について

当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「(1)経営成績等の状況の概要 ④ 営業の実績 (イ)運用資産残高の実績」に記載のとおり、運用資産残高であります。運用資産残高の概要・分析については、当該項目をご参照ください。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

当社グループは、投資運用事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

【関連情報】

(1)製品・サービスごとの情報

投信投資顧問業の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省

略しております。

 

(2)地域ごとの情報

① 営業収益

本邦の外部顧客への営業収益が連結損益計算書の営業収益の90%を超えるため、記載を省略しておりま

す。

② 有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、

記載を省略しております。

 

(3)主要な顧客ごとの情報

外部顧客への営業収益のうち、連結損益計算書の営業収益の10%以上を占める相手先がないため、記載

を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

 該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

 該当事項はありません。