人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数979名(単体) 1,641名(連結)
-
平均年齢40.4歳(単体)
-
平均勤続年数15.0年(単体)
-
平均年収9,588,443円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
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2024年3月31日現在 |
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セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
日本 |
1,210 |
[398] |
北米 |
7 |
[1] |
欧州 |
2 |
[1] |
中東 |
1 |
[-] |
報告セグメント計 |
1,220 |
[400] |
その他 |
- |
[-] |
全社(共通) |
421 |
[94] |
合計 |
1,641 |
[494] |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に外数で記載しております。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、東南アジア等を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
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2024年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
|
979 |
[217] |
40.37 |
15.00 |
9,588,443 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
日本 |
558 |
[123] |
北米 |
- |
[-] |
欧州 |
- |
[-] |
中東 |
- |
[-] |
報告セグメント計 |
558 |
[123] |
その他 |
- |
[-] |
全社(共通) |
421 |
[94] |
合計 |
979 |
[217] |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に外数で記載しております。
2.平均年齢、平均勤続年数及び平均年間給与の算出にあたっては、従業員のうち他社からの出向者等を除外しております。
3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
4.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、東南アジア等を含んでおります。
5.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。
(3) 労働組合の状況
当社の従業員は、JEC連合・石油開発労働組合を組織しており、2024年3月31日現在の組合員数は728人(当社在籍者で、関係会社等への出向者を含む。)であります。
また、労使関係は良好であり、特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
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提出会社 |
連結子会社 |
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㈱ジャペックスパイプライン (注)3. |
エスケイ産業㈱ (注)3. |
北日本防災警備㈱ (注)4. |
||
管理職に占める女性労働者の割合(注)1. |
6.0% |
-% |
-% |
- |
男性労働者の育児休業取得率 (注)2. |
60.0% |
- |
- |
100.0% |
労働者の男女の賃金の差異 (注)1. |
全労働者 70.9% うち正規雇用労働者 72.3% うち非正規雇用労働者 56.3% |
- |
- |
- |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家庭介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)に基づき選択的に所定事項の公表を要する連結子会社のうち㈱ジャペックスパイプライン及びエスケイ産業㈱が、管理職に占める女性労働者の割合を公表しております。
4.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)に基づき選択的に所定事項の公表を要する連結子会社のうち北日本防災警備㈱が、男性労働者の育児休業取得率を公表しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
<基本的な考え・取り組み>
当社は、「エネルギーの安定供給」が使命であり、事業活動そのものがCSRであると考えています。この考えのもと、持続可能な社会実現に向けた社会的課題の解決に積極的に取り組むという、サステナビリティ活動に関する方針と中長期の価値創造を実現するための5つのCSR重点課題「SHINE」にもとづいたサステナビリティ活動を推進しています。そして、重点課題および個別課題に沿ったCSR実行計画を毎年設定し、その達成状況のレビューならびに次年度の目標設定を社長が委員長であるサステナビリティ委員会で行うことでPDCAサイクルを回しています。
2023年、CSR重点課題「SHINE」と経営計画とをつなぐものとしてマテリアリティを定義し、自らの持続的成長のために今特に取り組むべき4つの課題をCSR重点課題「SHINE」の中から特定しています。
「SHINE」が意味する5つのCSR重点課題および4つのマテリアリティの対応関係は次のとおりです。
CSR重点課題 |
個別課題 |
マテリアリティ |
ESG |
対応するSDGSの要素 |
|||||
[S] エネルギー安定供給 Stable and sustainable energy supply |
①エネルギー安定供給 ②新技術の開発 ③気候変動への対応 |
・エネルギー安定供給 ・カーボンニュートラル事業の確立 ・デジタル・トランスフォーメーション(DX) |
E、S |
|
|||||
[H] 企業文化としてのHSE HSE as our culture |
④労働安全衛生の確保 ⑤汚染防止・資源循環 ⑥生物多様性・生態系保全 |
|
E、S |
|
|||||
[I] 誠実性とガバナンス Integrity and governance |
⑦ガバナンス ⑧危機管理 ⑨コンプライアンス |
|
G |
|
|||||
[N] 社会との良好な関係構築 Being a good Neighbor |
⑩ステークホルダーとの共生・発展 |
|
S |
|
|||||
[E] 選ばれる魅力ある職場 The Employer of choice |
⑪人材育成とダイバーシティ推進 ⑫公正で働きやすい職場 |
・人材育成とダイバーシティ推進 ・デジタル・トランスフォーメーション(DX) |
S |
|
・「エネルギー安定供給」は、個別課題①のうち、石油・天然ガスの開発にかかるものと対応します。
・「カーボンニュートラル事業の確立」は、個別課題②と③のうち、CCS/CCUS等にかかるものと対応します。
・「人材育成とダイバーシティ推進」は、個別課題⑪と⑫のうち、人材育成、ダイバーシティおよびこれに関連するものと対応します。
・「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」は、SHINEのどの個別課題ともかかりますが、具体的な設定目標としては個別課題①と⑫と対応します。
また、各マテリアリティの内容は次のとおりです。マテリアリティの進捗に関しては、当社ウェブサイトや統合報告書で適宜公表していく予定です。
<「事業を通じた社会貢献」に向けた課題> エネルギー安定供給 ・2050年カーボンニュートラル社会においても、石油・天然ガスは社会に必要不可欠なエネルギーであり続けると考えます。 ・この考えのもと、今後も石油・天然ガスの開発を通じて、エネルギー安定供給に取り組みます。
カーボンニュートラル事業の確立 ・将来においてもエネルギーの安定供給を実現するため、CCS等を事業として確立し、カーボンニュートラル社会に貢献します。
<「経営基盤の強化」に向けた課題> 人材育成とダイバーシティ推進 ・人材は価値創造の源泉であり、当社の経営計画実現の要です。 ・人材育成により従業員一人ひとりの価値創出能力を高めるとともに、ダイバーシティを進めることで会社全体としての総合力強化を図ります。
デジタル・トランスフォーメーション(DX) ・データとデジタル技術の戦略的活用により付加価値の高い業務に専念できる職場環境を実現し、さらなる企業価値向上へと挑戦を続けていきます。 |
<ガバナンス>
取締役会による監督のもと、適切な意思決定を行う体制を構築しています。持続的な成長を果たすうえでの中長期の経営課題とそれに付随するサステナビリティ関連事項の審議を行うサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会で審議した事項は、取締役会に適宜報告され、重要事項は決議されます。
サステナビリティ委員会は、社長を委員長として、各部門の役員を委員として組織し、常勤監査役がオブザーバーとして出席しています。
会議体 |
委員長 |
開催頻度 (2023年度) |
主な審議事項 |
サステナビリティ委員会 |
社長 |
16回 |
・経営計画の策定・レビュー ・倫理行動規範を含むサステナビリティに関する基本方針 ・ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する重要事項 ・CSR重点課題、CSR実行計画の設定・レビュー ・統合報告書など社外へのサステナビリティ情報開示 |
(注)サステナビリティを含む取締役会の活動状況については、後記「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況 (1)コーポレート・ガバナンスの概況」をご参照ください。
なお、投資決定に際しては、投資評価委員会がESGや地政学を含む多角的な観点からリスクを評価し、その結果を基に経営会議および取締役会がリスクと機会を考慮して合理的な判断を行います。また、ESGに関する活動状況を毎年、取締役会に報告しています。
また、当社の各取締役および各監査役の知識・経験・能力を一覧化したスキル・マトリックスの項目において、ESG・サステナビリティに関するスキルを記載しています。
<リスク管理>
当社は、経営リスク委員会を設置し、サステナビリティに関わるリスクを含む全社的な主要リスクのマネジメントを行っています(統合リスクマネジメント)。
会議体 |
委員長 |
開催頻度 (2023年度) |
主な審議事項 |
経営リスク委員会 |
社長 |
1回/3カ月 |
・全社的なリスクに関すること(抽出・評価) ・実行・操業段階にある主要プロジェクトの進捗管理、課題対応 ・コンプライアンス違反事例の検証 |
統合リスクマネジメントにおいては、リスクマトリックスを作成し、全社的なリスクの抽出・評価を行っています。社内各部門が事業の内容や展開エリア、関連規制等に基づきリスクを抽出し、各リスクを「発生の蓋然性」と「発生時の影響度」の視点で定量的に評価します。リスク評価結果は、毎年、経営リスク委員会で審議のうえ、取締役会に報告され、「主要なリスク」と位置づけられたものを後記「3 事業等のリスク」で開示しています。
経営リスク委員会で抽出されたリスクのうち、特に長期的対応が必要と認識された経営課題は、JAPEX2050・JAPEX経営計画2022-2030およびESGを扱うサステナビリティ委員会において、対応方針を議論しています。さらに、当社のサステナビリティ委員会では経営計画の策定およびその進捗管理の過程において、サステナビリティに関わる機会を含めて事業ポートフォリオを評価し、管理しています。
なお、気候変動に関するリスクおよび機会の管理の取り組みについては、後記「(2)気候変動<リスク管理>」をご参照ください。
(2)気候変動
当社は、気候変動対応を経営上の最重要課題のひとつに位置づけています。気候変動に対する世界的なイニシアティブや、政府の掲げる「2050年カーボンニュートラル」への貢献を目指し、子会社・関連会社を含むJAPEXグループ全体で、GHG排出量削減やCCSなどの新技術開発を通じた事業ポートフォリオの変革に取り組んでいます。
<ガバナンス>
取締役会による監督のもと、適切な意思決定を行う体制を構築しています。
気候変動のリスクや機会を含む業務執行上の重要事項は各種委員会および経営会議で審議された後、取締役会にて決議あるいは報告が行われます。気候変動対応を含む中長期的な方針や計画などの執行上の重要事項が決議対象であり、「JAPEX2050~ カーボンニュートラル社会の実現に向けて~」(JAPEX2050)、「JAPEX経営計画2022-2030」は取締役会で決議された事項です。そのほかに、GHG排出削減目標の進捗、ESG外部評価結果やESG活動状況などが取締役会において毎年報告されます。
気候変動対応は、経営会議に加えて、サステナビリティ委員会、経営リスク委員会、投資評価委員会においても扱うこととしています。各会議体での審議、報告、事業部門と各会議体の相互の情報連携や統制管理により、気候変動対応のPDCAサイクルを構築しています。
2022年度からは、気候変動ガバナンス強化のため、役員報酬を全社気候変動対応目標の達成度の結果に連動させることとしています。
<戦略>
当社は化石資源を扱う事業特性から、気候変動対応を経営上の重要課題のひとつと位置づけており、気候変動が当社事業に及ぼす中長期的な影響を評価するため、シナリオ分析を実施しています。2022年3月の「JAPEX経営計画2022-2030」の策定にあたっては、中長期的な財務影響分析として、国際エネルギー機関の「World Energy Outlook」のなかで示される4つのシナリオ(NZE※1、SDS※2、APS※3、STEPS※4)で公表されている炭素価格および油価をパラメータとしたシナリオ分析を実施し、その結果をサステナビリティ委員会での経営計画の検討に活用しました。
気候変動の視点でのリスク資産および機会への投資割合については、継続的に評価を行っており、最も条件が厳しいNZEシナリオにおいても、持続可能な事業ポートフォリオの策定を目指します。
※1 Net Zero Emissions by 2050 Scenario:ネットゼロシナリオ
※2 Sustainable Development Scenario:持続可能な開発シナリオ
※3 Announced Pledges Scenario:発表誓約シナリオ
※4 Stated Policies Scenario:公表政策シナリオ
<リスク管理>
前記「(1)サステナビリティ全般<リスク管理>」に記載の全社的なリスクの抽出・評価プロセスである統合リスクマネジメントのなかで気候変動リスクを管理しています。また、サステナビリティ委員会では経営計画の策定およびその進捗管理の過程において、気候変動における機会を含めた事業ポートフォリオを管理しています。
上記により整理された気候変動に関わるリスクおよび機会は以下のとおりです。
気候変動に関わるリスク
リスク区分 |
発生時期 |
影響 |
影響度 |
対策 |
|
移行リスク |
政策・法規 |
長期 |
炭素税等の環境関連法規による追加的費用負担増加 |
大 |
・2050年ネットゼロ目標に基づくGHG排出削減 ・投資実行段階におけるインターナル・カーボンプライシング等による移行リスクの評価 ・シナリオ分析結果に基づく持続可能な事業ポートフォリオへの転換 |
市場および技術 |
長期 |
石油・天然ガス需要減少、価格低下等に伴う収益の減少 |
大 |
||
評判 |
中期 |
グローバルな気候協定によるE&P事業への資金調達難 |
大 |
||
物理的リスク |
急性 |
中期 |
気象の極端な変動における陸上・海上施設への影響等 |
小 |
ハザードマップ等を用いた気象災害リスク評価の結果、影響は限定的 |
慢性 |
中期 |
海面上昇による陸上・海上施設への影響、水資源枯渇の影響等 |
小 |
科学的データ等を用いた海面上昇等のリスク評価の結果、影響は限定的 |
(注)中期:5年以内、長期:5年超
気候変動に関わる機会
機会の区分 |
影響時期 |
影響度 |
JAPEX経営計画2022-2030での項目 |
具体的な進捗 |
|
資源効率 |
より効率的な生産および流通プロセスの使用 |
長期 |
中 |
生産現場でのCCS/CCUSなど脱炭素技術の併用 |
・海外CCS事業検討(米ワイオミング州南西部の鉱区を保有するBlue Spruce Operating LLCへ資本参加) ・海外CCS/CCUS実現可能性検討(インドネシア・スコワティ油田CO2-EOR(石油増進回収法)(プルタミナ・レミガスと共同)) |
製品・サービス |
低排出商品およびサービスの開発・拡張 |
長期 |
大 |
CCS/CCUSの早期の実用化と事業化 |
・「先進的CCS事業の実施に係る調査」に関する公募にて、当社が他社と共同提案した苫小牧エリアと東新潟エリアにおけるCCS実現可能性調査の継続 ・海外CCS/CCUS実現可能性検討(マレーシアCCUS(ペトロナスなどと共同)) ・国内鉱山における随伴CO2地下貯留検討 |
中期 |
中 |
LNG供給インフラ開発案件への参入 |
・ベトナム北部LNG基地プロジェクトへの参入 ・ベトナム北部工業団地向けのLNGを活用したエネルギーサービス事業実現可能性調査 |
||
中期 |
小 |
環境負荷の低いエネルギー供給や、既存インフラを活用した受託事業等を通じたサービス範囲の拡大 |
・国内でのカーボンニュートラルLNGの拡販 |
(注)中期:5年以内、長期:5年超
<指標と目標>
自社操業の排出量(Scope1+2)について、以下のとおり2050年ネットゼロ目標、およびマイルストーンとしての2030年度目標を設定しています。なお、以下の目標は、CCSの実用化及び事業化などの気候変動に関わる機会を踏まえて設定しています。
・2050年:ネットゼロ達成
・2030年度:当社操業のGHG排出量(Scope1+2)の排出原単位(GHG排出原単位※)を、2019年度比で40%削減
※当社の供給するエネルギー1TJ(テラジュール)当たりの、CO2排出量(トン-CO2)
また、自社サプライチェーン排出量(Scope3)については、削減に寄与する事業領域の強化を目指す定性目標を設定しています。
下表のとおり、2023年度におけるGHG排出原単位の削減率は2019年度比で14%となり、前年度比でも減少しております。
主な理由は、供給するエネルギーは概ね前年度比で変わらないこと(原単位分母の維持)、生産現場における省エネ施策の実行や再エネ電源の導入(非化石証書購入含む)によりGHG排出量が減少したこと(原単位分子の減少)です。
GHG排出原単位推移
目標 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
GHG排出原単位 (トン-CO2/TJ) |
3.97 |
3.44 |
3.20 |
3.56 |
3.40 |
基準年からの削減率(%) |
- |
△13% |
△19% |
△11% |
△14% |
※GHG排出量(Scope1+2)は、2020年度から信頼性向上のため第三者保証を取得しておりますが、2023年度の同数値については、有価証券報告書提出日現在において当該第三者により検証中であるため、同年度のGHG排出原単位及び基準年からの削減率は、暫定値を記載しております。
(3)人的資本
<ガバナンス>
人的資本に関する取り組みは、経営上の重要な事項としてサステナビリティ委員会で審議され、取締役会に適宜報告されます。同委員会、取締役会においては、後記「<戦略>」に記載の各種方針等に関する議論のほか、2023年度は主に、年功に偏りがちな「職能に基づく人事制度」から「役割を基軸とした人事制度」への改定につき議論を行いました。
<戦略>
当社は、「JAPEX経営計画2022-2030」のもと、総合エネルギー企業への成長を目指すため、人材戦略を支える基本的な考え方を次のとおり定めています。会社・従業員の行動や人材育成のための環境整備については「人材育成基本方針」、「社内環境整備方針」を、加えて人材の多様性の確保については「JAPEXダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針」を制定しております。また、社長を責任者として健康経営を推進するにあたり、「JAPEX健康経営宣言」を制定しています。
[人材育成基本方針] 会社と従業員は共に総合エネルギー企業への持続的成長を目指して、 1.従業員は、変化に柔軟に対応する自律したプロフェッショナルとして力を発揮し、事業への貢献を通じて個人の成長を実現する。 2.会社は、従業員に成長の機会を提供し、エネルギーや気候変動に関する技術的、社会的課題の解決にチャレンジできる人材へ育成する。
[社内環境整備方針] 会社は、人材育成のために整備する環境として、 1.持続的成長のために、新しく高い目標にチャレンジする仕事の機会を提供する。 2.個人の知識・経験を高め、能力を最大限発揮するためのキャリア支援を行う。 3.それぞれの個性を活かして活躍し、仕事へのやりがいを感じられる風土づくりを行う。 4.自律的に学習し、成長する文化を醸成する。 |
[JAPEXダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)方針] 私たちは、事業環境の変化に対応し、総合エネルギー企業としてさらなる成長を図るために、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」推進を重要な経営課題ととらえ、多様な従業員一人ひとりが持てる能力を十分発揮して活躍・成長し、新しい価値を生み出すことにより、企業競争力の強化および持続的な発展を目指します。
性別・国籍・年齢・障がいの有無や、キャリア・パーソナリティ・価値観などの違いを尊重し、こうした特徴や違いに起因する社会的な不均衡を是正することによって、すべての従業員が生産性高く活躍できる組織風土を実現します。
①多様性を活かす組織風土の醸成 すべての従業員が多様性をポジティブに受け入れ、違いを尊重し、それぞれの特長や資質を活かす組織風土の醸成を通じて、生産性の向上やイノベーションの創出を図ります。 ②多様な人材の活躍促進 性別・国籍・年齢等によらず優秀な人材の確保を進め、適時適切な配置・育成、各々の従業員に合わせたキャリア・能力開発支援を行うことで、あらゆる人材が自律的なプロフェッショナルとして力を発揮し活躍できる仕組みを整え、個々人のエンゲージメントを高めます。 ③多様性を尊重する環境の整備 育児や介護、障がい、LGBTQ+など個人の置かれた状況や特性に配慮し、どのような場合でも最大限に力を発揮できる職場環境の整備を推進します。 |
[JAPEX健康経営宣言] JAPEXグループはエネルギーの安定供給を通じた社会貢献を使命とし、企業としての持続的な発展と企業価値の最大化を図ることとしており、この実現には、HSE(労働安全衛生・環境)に留意した行動が最優先事項であると認識しています。
企業の成長、持続的発展のためには「従業員一人ひとりの健康が大事である」という考えのもと健康経営を推進することを宣言します。
・労働安全、健康を常に意識し、その確保と労働災害の防止に努めます。 ・健康維持・増進に努めるために、ワーク・ライフ・バランスの推進をはじめ、心身ともに快適で働きやすい職場環境づくりに取り組みます。 ・個人の多様な価値観、個性、プライバシーを尊重し、差別的取扱いやハラスメント等の防止に取り組みます。 ・従業員と従業員家族が健やかに過ごし健康寿命を延ばすことができるよう、健康保険組合・労働組合と協働して心身の健康づくりを推進します。 |
これらの考え方をもとに、以下のような各種施策を実施しています。
・人材育成に関すること
「JAPEX経営計画2022-2030」の実現に向け、DX推進や新しい事業分野への転換を進める人材育成のためのリスキリングプログラムを開始しました。DXについては、2022年度から役員を含む全社員が当該プログラムを受講し、関連する資格を取得した場合は支援を行うことにより、自律的な学習風土を醸成しています。2023年度は高度デジタル人材育成のための教育プログラムを導入し、全社員の1割程度に相当する約100名が参加しました。また、新たな事業を推進する人材を育成するため、財務などの専門性向上を目的としたプログラムも開始しました。加えて、従業員の主体的・自律的な学びによる自己成長・キャリア開発の後押しを企図し、社内講師による講義動画などを中心とした教育コンテンツを体系的に展開する社内大学(JAPEX UNIVERSITY ジャペックス ユニバーシティ)を2022年度に設立し、2023年度末時点で約100講座が展開されています。あわせて、ビジネススキルセミナーを拡充しており、2023年度は、新たに①ロジカルシンキング、②問題解決初級、③契約法務、④ビジネスコミュニケーションの研修を実施しました。今後もこれらの様々な教育プログラムの更なる拡充と体系化を進め、「変革」「挑戦」に資する人材育成を戦略的に行っていきます。
・キャリア形成に関すること
個人が主体的にキャリアを描き、実現するためのサポートとして、社内人材公募制度の充実を図るとともに、社内各部の業務や求める要件を具体的に記載した「業務に関する説明書」を社内で公開しました。また、年代ごとのキャリア研修を実施するほか、社内にキャリア相談窓口を開設し、個別の相談に応じる体制を整えています。加えて、役員、部長等のキャリアを社内公開し、希望者は、直接話が聞ける仕組みを整えました。
・ダイバーシティ推進に関すること
「JAPEX経営計画2022-2030」実現に繋がりうる柔軟な見方や考え方を取り入れるため、多様な経験を持つキャリア採用者を積極的に採用するとともに、中核的ポジションへ就けるよう、管理職への登用を進めています。女性活躍については、相対的に不足している総数と管理職数を課題と捉えて新規学卒採用と管理職登用で目標を定めています。また、多様な人材が活躍できるよう、社員の個別の事情に合わせた働き方の推進に力をいれており、在宅勤務制度やフルフレックスタイム制度を導入しているほか、転居を伴う異動は本人同意を原則としています。男性の育児休業取得にも力を入れ、育児休業取得に積極的な風土醸成を目指しています。このほか、ダイバーシティ推進の障壁を取り除くため、数年前よりアンコンシャスバイアス研修を管理職から開始して一般社員も含め全社員に拡大したほか、2023年度は全従業員を対象にLGBTQ+研修を実施しました。
・従業員の健康維持・増進に関すること
従業員の健康への配慮が成長と持続的発展に資するという考えのもと、健康経営宣言を制定し、社長を責任者とする推進体制を整えています。健康診断や健康サーベイ等の結果を踏まえ、当社が3大健康課題と捉えている「生活習慣改善」「禁煙」「女性の健康課題」について重点的に取り組んでいます。各人がいつでも健診結果や健康関連データを管理できるシステムや健康に関するe-Learningの導入、本社等の一部事業所における終日オフィス内禁煙の導入、禁煙サポート品の会社補助、全従業員を対象とした女性特有のがんに関するセミナー実施等、従業員の健康維持・増進の取り組みを強化しています。
こうした取り組みが評価され、2024年3月に「健康経営銘柄」に初めて選定されました。また、「健康経営優良法人~ホワイト500~」にも2019年以来4度目の認定をされました。
・エンゲージメントに関すること
個人を取り巻く環境変化に対応しつつ、経営計画を実現するためには、これまで以上に従業員と会社の信頼関係・結びつき(エンゲージメント)を強化していく必要があると捉え、エンゲージメント調査を実施しました。エンゲージメント調査結果を踏まえ、改善に向けた行動計画を各部室で策定して取り組みを進めています。今後も定期的に調査を実施し、全社的なエンゲージメントの更なる向上を目指します。
なお、人的資本に関する取り組みについては、当社グループに属する各社において個別具体的な取り組みが行われており、当社グループとしての記載が困難であるため、提出会社の取り組み・方針を基本として記載しています。
<リスク管理>
当社は全社的なリスクの抽出・評価プロセスである統合リスクマネジメントのなかで人的資本に関するリスクを管理しています。詳細は前記「(1)サステナビリティ全般<リスク管理>」をご参照ください。
<指標と目標>
[DE&I方針に目標及び実績]
①従業員における女性管理職登用目標と実績 |
|||
目標 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2025年度までに25名以上 |
19名 |
18名 |
18名 |
②新規学卒における女性採用比率目標と実績 |
|||
目標 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2025年度までに毎年30%以上 |
33.3% |
33.3% |
35.0% |
③管理職における中途採用者比率目標と実績 |
|||
目標 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2025年度まで20%以上を維持 |
24.5% |
25.9% |
29.0% |
④採用に占める中途採用者比率目標と実績 |
|||
目標 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2025年度まで毎年50%以上 |
56.4% |
52.1% |
62.7% |
⑤男性社員の育児休業取得率 |
|||
目標 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2025年度までに80%以上 |
75.6% |
58.9% |
60.0% |
(注)人的資本に関する取り組みについては、当社グループに属する各社において個別具体的な取り組みが行われており、当社グループとしての記載が困難であるため、提出会社(提出会社から他社への出向者を含む。)の目標及び実績を記載しています。
(4)人権の尊重
<人権方針>
持続可能な開発目標の実現に向けた社会的課題の解決へ取り組むにあたり、「JAPEXグループ倫理行動規範」のもと、事業活動に関わるステークホルダーの人権の尊重をバリューチェーン全体で推進するという、当社の基本姿勢を定めた「JAPEXグループにおける人権方針」を制定しています。JAPEXグループとして人権を尊重する意思を改めて示すとともに、当社の事業活動に関わる人権課題を明示することで、当社グループの役員・従業員に加え、ステークホルダーの当社の人権に係る取り組みへの理解促進を目的としています。
JAPEXグループにおける人権方針
https://www.japex.co.jp/sustainability/social/humanrights/
<人権デュー・デリジェンス>
国連「ビジネスと人権に関する指導原則」にもとづき、人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築し、事業活動に関係する人権への負の影響について特定、防止、軽減に取り組んでいます。バリューチェーンにおいて、人権への負の影響を引き起こしたり助長したりすることを回避することに努めています。
2023年度は、国内子会社および関連会社(17拠点)を対象とした、人権リスクとそれに対する対応状況の把握・評価を実施しました。この調査によりいくつかの課題が明らかになりました。具体的には、人権デュー・デリジェンスの実施体制、差別の禁止、結社の自由・団体交渉権の分野で対応が不十分であることが判明しました。これらの課題に対処するため、必要な会社には個別に対応策を報告し、予防・軽減策の取り組みの提案を行っています。さらに、子会社および関連会社の役員を対象とした経営層向けの人権勉強会を実施しています。
<内部通報制度>
JAPEXグループでは、「人権の尊重」「公正な調達・取引」「政治・行政との健全かつ正常な関係の保持」といった、コンプライアンス遵守事項についての報告・相談制度を設けています。当社顧問弁護士への報告・相談が可能な社外窓口の設置や、匿名での報告・相談を可能にする秘密保持の徹底、不利益取り扱いの禁止など、報告・相談者の保護を図っています。
(5)調達方針
持続可能な社会実現に向けた社会的課題解決へ取り組むにあたり、JAPEXグループの調達活動におけるCSR要素への取り組みについて定めたCSR調達方針を制定しています。これに加え、JAPEXグループの取引先と協働してCSR調達を推進していくための具体的事項を「CSR調達ガイドライン」に示すことで、本方針への理解と協力を求め、より良いパートナーシップの構築を目指します。
CSR調達方針・ガイドライン
https://www.japex.co.jp/sustainability/social/procurement/