2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 3,140 100.0 -183 - -5.8

 

3 【事業の内容】

当社及び当社の関係会社は、当社、親会社1社及び関連会社1社で構成されております。また、当社は親会社の子会社3社(関連当事者)と継続的に事業上の取引を行っております。当社は、建設業法に基づく土木工事業、建築工事業、とび・土工工事業、塗装工事業及び防水工事業の5種類について特定建設業の大臣許可を受け、気泡コンクリート(注)の現場施工、地盤改良工事の施工、その他工事の施工及び工事用資材(起泡剤等)の商品の販売等を主な内容として事業活動を展開しております。

親会社の株式会社麻生は、医療関連事業、環境関連事業、建築資材製造販売、不動産事業を主な事業内容としており、当社は親会社の子会社である麻生商事株式会社及び日特建設株式会社より工事を受注し、また、親会社の子会社である麻生セメント株式会社及び麻生商事株式会社より工事用材料等を一部仕入れております。

当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、当社は、建設業の単一セグメントであります。

 

     (注)   気泡コンクリート…

セメント、骨材、水及び起泡剤の材料から構成され、スラリー(泥状物)状のモルタル(セメント・原料土・水を練り混ぜた物)に発泡させた気泡を混入して作られたコンクリートであります。作られた気泡コンクリートは、エアモルタルと呼ばれています。なお、原料土を使用しない気泡コンクリートをエアミルクといいます。

 

 

気泡コンクリート工事

当社が、得意先から工事を受注し、軽量盛土工事、管路中詰工事及び空洞充填工事の施工を行っております。各工事に用いられている主な工法及び用途は以下のとおりであります。なお、工事の施工に当たり親会社の子会社である麻生セメント株式会社及び麻生商事株式会社より、主要資材でありますセメントの一部及びその他材料を仕入れております。

軽量盛土工事

主な工法…FCB工法(気泡混合軽量盛土工法)(注1)、PCW工法(注2)等

主な用途…軟弱地盤上の盛土、急斜面及び地滑り地での盛土、道路拡幅用地に制限がある場所等での拡張盛土、橋台裏込め盛土、落石防護工事等

(注) 1 FCB工法(気泡混合軽量盛土工法)…

軽量性、自立性、流動性(施工性)があるエアモルタルを用い、軟弱地盤や地滑り地域等における盛土が可能な工法であります。

2 PCW工法  ……………………………

PCWパネル(プレキャスト化粧板)をボルトナット方式で連結し自立させ、その背面にエアモルタル、エアミルクを打設することにより、現道あるいは現地形を極力掘削することなく、盛土構造物を構築する工法であります。

 

 

管路中詰工事

主な工法…FRPM管によるシールド二次覆工(注)等

主な用途…下水道工事のシールド二次覆工等

(注) FRPM管によるシールド二次覆工 …

下水道管渠に広く使用されているFRPM管(強化プラスチック複合管)をセグメント(一次覆工)で覆工されたトンネル内に挿入し、管とセグメントの空隙にエアモルタルを注入し二次覆工する工法であります。

 

 

 

空洞充填工事

主な工法…エアパック工法(注1)、NLG工法(注2)等

主な用途…トンネルや深礎杭の裏込め、地下壕埋戻し、廃棄管や廃坑の充填、家屋床下充填、タンク底盤充填等

(注) 1 エアパック工法…

湧水、溜水、流動水状態の裏込め注入や水に接する部分にあるトンネル等の空隙充填に用いられる可塑状グラウト工法であります。

2 NLG工法…………

長距離圧送が求められる長いトンネル等の背面空洞補修や、構造物と地山との空洞等の充填に用いられる、湧水場所や水中での施工が可能な非エア系可塑状グラウト材を使用した可塑状グラウト工法であります。

 

 

地盤改良工事

当社が、得意先から工事を受注し、工事の施工を行っております。主な工法としては、アスコラム工法(注1)、鋼管ソイルセメント杭工法(HYSC杭工法)(注2)、パワーブレンダー工法(注3) 、拡縮コラム工法(注4)及びL&Rジオファイン工法(注5)等があります。なお、親会社の子会社である麻生セメント株式会社及び麻生商事株式会社より主要資材でありますセメント、ソリッドエース(セメント系固化材)の一部を仕入れております。

(注) 1 アスコラム工法………………

深層の軟弱、粘性等の地盤中にスラリー状のセメント系固化材を注入しながら、土と固化材を混合撹拌し、強固で均一な改良コラムを築造する工法であります。また、アスコラム工法を大口径対応させたRASコラム工法や従来のアスコラム工法より軽装な機構にしたアスコラムTYPEⅡ工法があります。

2 鋼管ソイルセメント杭工法…

(HYSC杭工法)

深層の土壌中にセメントミルク、その他の混合液を混合させてソイルセメント柱を築造し、当該箇所に鋼管杭を建込む工法であります。

3 パワーブレンダー工法………

浅層及び中層の改良対象土とセメント系固化材を垂直連続撹拌混合する工法であり、汚染土壌処理工法としても活用できます。

4 拡縮コラム工法………………

拡縮機構と正逆同時回転機構に特徴のある深層混合処理工法であります。

5 L&Rジオファイン工法………

拡縮機構と3液スイベルを備えた機械撹拌方式を採用し、重金属で汚染された土壌を原位置で直接不溶化する工法であります。

 

 

その他工事

当社が、得意先から工事を受注し、気泡コンクリート工事、地盤改良工事等に付帯する工事(型枠工事等)の施工を行っております。

 

商品販売

当社が、得意先から直接受注し、専門商社等から調達した工事用資材(起泡剤等)等を販売しております。

 

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 


 

業績状況

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行により社会・経済活動は正常化に向かい、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加もあり緩やかな景気回復の動きが見られましたが、ウクライナや中東情勢による資源・エネルギー価格の上昇や、各国との金融政策の相違による円安の進行の影響もあり物価上昇が進むなど、景気は先行き不透明な状況が続きました。

建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移し、また都市部での再開発事業を中心に民間企業の需要は好調でしたが、依然として受注競争は激しく、人材不足による公共工事の発注の遅れや労務単価の上昇傾向、資材価格の高止まりもあり、厳しい経営環境が続きました。

このような状況の下、当社は、前事業年度に引き続き3か年中期経営計画の目標達成に向け営業と施工の効率化に取組み、受注高の獲得と収益性の改善をはかってまいりました。

しかしながら、主力工事である気泡コンクリート工事の受注高が、想定していた工事の受注時期の遅れなどから当初の計画どおりに推移せず、また地盤改良工事においても受注競争の激化により失注が多くなり、工事全体の受注高は3,393百万円(前事業年度比8.4%減)と減少し、また当事業年度内に施工を見込んでいた複数の大型工事での前工程の遅れから工期が翌事業年度にずれ込むなどしたこともあり、売上高は3,139百万円(前事業年度比12.1%減)となりました。

各段階の損益につきましては、全役職員一丸となり工事原価や販管費の低減に取組んでまいりましたが、売上高の絶対額不足により、営業損失△182百万円(前事業年度は営業損失△24百万円)、経常損失△174百万円(前事業年度は経常損失△17百万円)となりました。

また以上の業績動向を受け、連続赤字の大阪支店の固定資産について、将来の回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失119百万円を特別損失として計上し、併せて事業環境と今後の業績動向等を総合的に勘案し、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額84百万円を計上したことから、当期純損失△386百万円(前事業年度は当期純損失△17百万円)となりました。

主要な工事の状況は次のとおりであります。

(気泡コンクリート工事)

受注高は、軽量盛土工事の受注高が1,571百万円(前事業年度比17.6%増)と増加しましたが、管路中詰工事において見込んでいた大型工事の発注遅れなどにより、受注高が446百万円(前事業年度比41.8%減)、空洞充填工事も見込んでいた一部工事の発注時期の遅れから、受注高が662百万円(前事業年度比0.5%減)と減少したことから、気泡コンクリート工事全体の受注高は2,680百万円(前事業年度比3.2%減)となりました。

完成工事高につきましては、空洞充填工事の完成工事高が、前事業年度からの繰越工事が多かったことにより578百万円(前事業年度比13.6%増)と増加しましたが、軽量盛土工事の完成工事高が前工程の遅れにより事業年度内に施工を見込んでいた一部大型工事の工期のずれ込みなどから1,179百万円(前事業年度比11.1%減)に、また管路中詰工事の完成工事高も受注高の減少から519百万円(前事業年度比30.1%減)と減少し、気泡コンクリート工事全体の完成工事高は2,277百万円(前事業年度比11.7%減)となりました。

(地盤改良工事)

価格競争が激しく見込んでいた複数の大型工事の失注により、受注高は712百万円(前事業年度比24.0%減)となりました。

完成工事高につきましても、受注高の減少により839百万円(前事業年度比13.7%減)となりました。

 

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ122百万円減少し、2,980百万円となりました。その主な要因としましては、完成工事未収入金及び契約資産が141百万円、電子記録債権が39百万円、原材料及び貯蔵品が18百万円増加しましたが、現金預金が85百万円、有形固定資産が153百万円、繰延税金資産が88百万円減少したことなどによるものであります。

負債合計は、前事業年度末に比べ286百万円増加し、1,993百万円となりました。その主な要因としましては、未払金が36百万円、支払手形が21百万円、未払消費税等が15百万円減少しましたが、長期借入金が289百万円、電子記録債務が40百万円、退職給付引当金が17百万円増加したことなどによるものであります。

純資産合計は、前事業年度末に比べ408百万円減少し、986百万円となりました。その主な要因としましては、当期純損失の計上と配当金の支払いを行ったことにより利益剰余金が減少したことなどによるものであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金は246百万円(前事業年度は232百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費94百万円、減損損失119百万円の計上と仕入債務が34百万円増加したものの、税引前当期純損失を299百万円計上したことと売上債権及び契約資産が183百万円増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は82百万円(前事業年度は119百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に取得した資金は243百万円(前事業年度は44百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金による収入、長期借入金の返済及び配当金の支払いなどによるものであります。

これにより「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度末に比べ85百万円減少し、712百万円(前事業年度比10.8%減)となりました。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

商品販売については、販売と仕入及び受注との差異が僅少なため、「① 財政状態及び経営成績の状況」における経営成績の記載を参照願います。

 a. 受注高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

期別

工事別

前期繰越
工事高
(千円)

当期
受注高
(千円)

計
(千円)

当期完成
工事高
(千円)

次期繰越工事高

当期施工高
(千円)

手持工事高
(千円)

うち施工高
(%、千円)

前事業年度

 

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

気泡コンクリート工事

926,478

2,769,255

3,695,733

2,578,013

1,117,720

―

―

2,577,082

地盤改良工事

263,408

937,051

1,200,460

972,063

228,397

―

―

972,063

その他工事

―

―

―

―

―

―

―

―

計

1,189,886

3,706,307

4,896,193

3,550,076

1,346,117

―

―

3,549,145

当事業年度

 

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

気泡コンクリート工事

1,117,720

2,680,677

3,798,398

2,277,044

1,521,354

―

―

2,277,044

地盤改良工事

228,397

712,625

941,023

839,147

101,876

1.5

1,493

840,640

その他工事

―

―

―

―

―

―

―

―

計

1,346,117

3,393,303

4,739,421

3,116,191

1,623,230

0.09

1,493

3,117,684

 

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがいまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。

 

 

 b. 受注高の受注方法別比率

工事の受注方法は、次のとおり特命と競争に大別されます。

 

期別

工事別

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2022年4月1日
 至 2023年3月31日)

気泡コンクリート工事

100.0

―

100.0

地盤改良工事

100.0

―

100.0

その他工事

―

―

―

当事業年度

(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日)

気泡コンクリート工事

100.0

―

100.0

地盤改良工事

100.0

―

100.0

その他工事

―

―

―

 

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

 

 c. 完成工事高

 

期別

工事別

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

前事業年度

(自 2022年4月1日
  至 2023年3月31日)

気泡コンクリート工事

1,826,568

751,444

2,578,013

地盤改良工事

610,762

361,300

972,063

その他工事

―

―

―

計

2,437,331

1,112,744

3,550,076

当事業年度

(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日)

気泡コンクリート工事

1,488,075

788,969

2,277,044

地盤改良工事

456,413

382,733

839,147

その他工事

―

―

―

計

1,944,488

1,171,703

3,116,191

 

(注) 1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものも含めて記載しております。

2 完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度 請負金額5,000万円以上の主なもの

(注文者)

(工事名)

大成建設株式会社

横浜環状南線桂台トンネル工事

八代港湾工業株式会社

熊本3号 岡山地区改良外工事

株式会社奥村組

西部幹線(長府玖の浦~長府供給所)建設工事

共栄株式会社

道路橋りょう整備(再復)工事(道路改良)深層混合処理工

西松建設株式会社

黒川第一発電所(復旧)工事のうち土木本工事(第2工区)

 

当事業年度 請負金額5,000万円以上の主なもの

(注文者)

(工事名)

日特建設株式会社

黒川第一発電所総合更新(復旧)工事のうち土木除却工事(第3工区)

飛島建設株式会社

導水管更新に伴うトンネル築造工事

株式会社ナカノフドー建設

株式会社ライフドリンクカンパニー御殿場工場・倉庫建設工事

村井建設株式会社

北海道横断自動車道釧路市鶴野西改良工事

白崎建設株式会社

北海道横断自動車道釧路市鶴野改良工事

 

3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先は、次のとおりであります。

  前事業年度

            (注文者)

(金額)

(割合)

日特建設株式会社

392,342千円

11.1%

 

 

 

 

 

当事業年度

            (注文者)

(金額)

(割合)

日特建設株式会社

349,928千円

11.2%

 

 

 

 

 

 d. 手持工事高(2024年3月31日現在)

 

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

気泡コンクリート工事

265,005

1,256,348

1,521,354

地盤改良工事

46,888

54,988

101,876

その他工事

―

―

―

計

311,893

1,311,336

1,623,230

 

(注) 1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものも記載しております。

2 手持工事のうち請負金額2,000万円以上の主なものは、次のとおりであります。

(注文者)

(工事名)

(完成予定)

株式会社大林組

中央自動車道(特定更新等)勝沼工事

2025年12月

大成建設株式会社

横浜環状南線桂台トンネル工事

2025年3月

ライト工業株式会社

山陽自動車道(特定更新等)黒河内山トンネル(下り線)履工補修

2024年8月

日特建設株式会社

中国自動車道(特定更新等)高尾トンネル他7トンネル覆工補強工

2026年8月

青木あすなろ建設株式会社

北区昭和町から荒川区荒川地先間配水本管新設工事(シールド工事)

2024年8月

 

 

  (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は1,561百万円で、前事業年度末に比べ115百万円増加しております。その主な要因としましては、現金預金が85百万円減少しましたが、完成工事未収入金及び契約資産が141百万円、電子記録債権が39百万円増加したことなどによるものであります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産の残高は1,418百万円で、前事業年度末に比べ237百万円減少しております。その主な要因としましては、連続赤字になり投資額の回収が見込めなくなった大阪支店の固定資産について、減損損失を119百万円計上したことや、併せて事業環境や今後の業績動向等を総合的に勘案し、繰延税金資産を84百万円取り崩したことなどによるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は970百万円で、前事業年度末に比べ24百万円増加しております。その主な要因としましては、未払金が36百万円、支払手形が21百万円、未払消費税等が15百万円減少しましたが、電子記録債務が40百万円、一年以内返済予定の長期借入金が39百万円増加したことなどによるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は1,023百万円で、前事業年度末に比べ261百万円増加となりました。その主な要因としましては、前事業年度末に比べ長期借入金が250百万円増加したことなどによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は986百万円で、前事業年度末に比べ408百万円減少しております。その主な要因としましては、当期純損失△386百万円の計上と配当金の支払い34百万円を行ったことにより、利益剰余金が減少したことなどによるものであります。

 

 ② 経営成績の分析

(受注高)

当事業年度における受注高は、3,393百万円(前事業年度比8.4%減)となりました。

当社主力の気泡コンクリート工事のうち、軽量盛土工事の受注高は見込んでいた大型工事の受注もあり1,571百万円(前事業年度比17.6%増)と増加しましたが、管路中詰工事と空洞充填工事の受注高が見込んでいた大型工事の発注時期の期ずれにより、それぞれ446百万円(前事業年度比41.8%減)、662百万円(前事業年度比0.5%減)と減少したことから、気泡コンクリート工事全体の受注高は2,680百万円(前事業年度比3.2%減)となりました。

気泡コンクリート工事の施主は官公庁の比率が高く、また当社が請負う工事はほぼ下請工事となるため、当社の受注は施主の発注時期や元請業者の各工程の進捗状況により左右されることがあり、中でも軽量盛土工事は、民間工事にカウントしているNEXCO各社の発注動向に左右される傾向があります。

地盤改良工事におきましては、価格競争が激しく見込んでいた複数の大型工事の失注などにより受注高は712百万円(前事業年度比24.0%減)となりました。

地盤改良工事の営業強化のため取組んでいる気泡コンクリート工事との営業一体化につきましては、情報の共有化や営業の効率化の面で徐々に浸透してきておりますが、結果が出るまでは時間が必要だと考えております。

(売上高)

当事業年度における売上高は、3,139百万円(前事業年度比12.1%減)となりました。

気泡コンクリート工事の完成工事高は、空洞充填工事の完成工事高が、前事業年度からの繰越工事が多かったことにより578百万円(前事業年度比13.6%増)と増加しましたが、軽量盛土工事の完成工事高が想定していた工事の前工程の遅れによる工期のずれ込みなどから1,179百万円(前事業年度比11.1%減)に、また管路中詰工事の完成工事高も受注高の減少から519百万円(前事業年度比30.1%減)と減少したことにより、気泡コンクリート工事全体の完成工事高は2,277百万円(前事業年度比11.7%減)となりました。

地盤改良工事の完成工事高も、受注高の減少により839百万円(前事業年度比13.7%減)となりました。

(売上総利益)

当事業年度における売上総利益は、514百万円(前事業年度比23.1%減)となりました。

売上高不足による間接工事原価の負担増から売上総利益率も低下し、計画に対して大幅な未達成となりました。

(販売費及び一般管理費)

当事業年度における販売費及び一般管理費は、697百万円(前事業年度比0.4%増)となりました。

前事業年度に引き続き、施工力を強化するための工事部社員等の人材採用による人件費の増加を計画しましたが、見込んでいた人員増が予定どおり出来なかったことや、期中での業績見通しに対応して人件費等のコスト低減をはかったことなどから、販売費及び一般管理費は計画に対し大幅に減少いたしました。

(営業利益)

当事業年度における営業損失は、△182百万円(前事業年度は営業損失△24百万円)となりました。

コスト低減に努めましたが、大幅な売上高不足により販売費及び一般管理費を吸収出来ず、営業損失の計上となりました。

(経常利益)

当事業年度における経常損失は、△174百万円(前事業年度は経常損失△17百万円)となりました。

配当金収入や受取技術料があったことから営業外収益は15百万円、支払利息等の営業外費用は7百万円を計上しております。

(当期純利益)

当事業年度における当期純損失は、△386百万円(前事業年度は当期純損失△17百万円)となりました。

連続赤字の大阪支店の固定資産について、将来の回収可能性を検討した結果、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失119百万円を特別損失として計上し、併せて事業環境と今後の業績動向等を総合的に勘案し、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額84百万円を計上しております。

 

 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の主な工事は、主に建設業者から下請けとして受注したもので、施主としましては官公庁の比率が以下のとおり高くなっております。

当社の気泡コンクリート工事におきましては、公共工事の発注から当社の事業領域である工事を受注するまでタイムラグがあり、必ずしも公共投資の動向に連動しない場合もありますが、全体として当社の経営成績は公共投資の動向に影響を受ける傾向があります。

 

 

(最近2期間における受注高のうち官公庁が占める比率)

期別

工事別

官公庁受注高
(千円)

構成比
(%)

民間受注高
(千円)

構成比
(%)

計
(千円)

構成比
(%)

前事業年度

 

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

気泡コンクリート工事

1,870,035

67.5

899,220

(111,270)

32.5

2,769,255

100.0

地盤改良工事

516,094

55.1

420,957

(5,410)

44.9

937,051

100.0

その他工事

―

―

―

(―)

―

―

100.0

計

2,386,129

64.4

1,320,177

(116,680)

35.6

3,706,307

100.0

当事業年度

 

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

気泡コンクリート工事

1,328,115

49.5

1,352,562

(1,146,590)

50.5

2,680,677

100.0

地盤改良工事

391,079

54.9

321,546

(―)

45.1

712,625

100.0

その他工事

―

―

―

(―)

―

―

100.0

計

1,719,195

50.7

1,674,108

(1,146,590)

49.3

3,393,303

100.0

 

(注)  民間受注高の( )は、施主がNEXCO各社のもので内数であります。

 

 ④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの分析)

当事業年度における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度の期末残高798百万円から85百万円減少(前事業年度は68百万円の増加)して712百万円(前事業年度比10.8%減)となりました。

営業活動により使用した資金は246百万円(前事業年度は232百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費94百万円、減損損失△119百万円の計上と仕入債務が34百万円増加したものの、税引前当期純損失を△299百万円計上したことと売上債権及び契約資産が183百万円増加したことなどによるものであります。

投資活動に使用した資金は82百万円(前事業年度は119百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産による支出であります。

財務活動に取得した資金は243百万円(前事業年度は44百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金による収入、長期借入金及びリース債務の返済などによるものであります。

(資金需要)

当社の運転資金需要のうち主なものは、当社の工事施工のための材料費、労務費、外注費、経費のほか販売費及び一般管理費によるものです。

販売費及び一般管理費の主なものは、人件費及び営業活動のための通信交通費等であります。

(財務政策)

当社は現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または金融機関からの借入れによる資金調達のほか、借入条件等を勘案し社債による調達も行うこととしております。

短期運転資金につきましては、内部資金または金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金及び施工機械等への設備投資資金につきましては、金融機関から固定金利を原則とした長期借入金にて調達しております。2024年3月31日現在、長期借入金の残高は925百万円であります。

 

 ⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 ⑥ 戦略的現状と見通し

建設業界におきましては、インフラ整備を通じて安心、安全を守る地域(国土)づくり、慢性的な技術者、技能者の不足に対し、建設業界を支える担い手の確保と育成、社会保険未加入対策、「働き方改革」で唱えられる雇用環境労働条件の改善、i-Constructionに推奨される建設業の生産性向上等が求められており、引き続き当社にとっても対応していかなければならない課題であると認識しております。

昨今では、ウクライナや中東情勢の長期化による原油価格、原材料価格の動向、円安による資材価格などの物価動向、働き方改革の推進による人件費の上昇など様々な課題があり、また長期的な人口の減少傾向から将来的な建設市場の縮小が懸念されており、このような環境の中で当社としまして、会社の成長、企業価値の向上をはかるためには、社会、経済の要求に対し、安心・安全の確保や地域社会への貢献を念頭に「いいもの」を提供し続けることが大変重要であると考えており、そのためには新たな市場創造や受注確保を推進する営業体制の強化、それを支援する事業推進部門の強化、技術の深化(進化)・技術の革新に取組む技術開発部門の体制強化、人材確保や育成を推進する人事総務部門の強化などに取組んでおります。

営業活動の支援としては、当社工法等の認知度向上をはかるため設計コンサルタント会社への技術・工法セミナーの開催や展示会への出展を行っております。

技術の深化(進化)としましては、社会環境の要求に応えられる施工能力と技術、施工体制の強化をはかり、当社の技術と施工の強みを最大限発揮することで「いいものづくり」の実現に取組んでおります。

また、技術革新の実現としましては、AIの導入も含め建設業界に求められているi-Constructionの推進への取組みが不可欠と考えており、このような技術の深化(進化)や技術革新の実現のためには、社内体制づくりが大変重要であり、技術開発部門を強化するための人材採用や、産官学との共同研究に注力しております。

今後も引き続き技術開発部門の人材採用に取組み研究開発活動に注力するとともに、当社保有の工法や開発した材料の普及に取組むことで、新しい市場創造が可能であると考えております。