2024年6月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

以下には、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主要な事項について記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。また、当社グループがコントロールできない外部要因や必ずしもリスク要因に該当しない事項についても記載しております。

当社グループは組織全体での観点からリスクを管理することを目的に、リスクマネジメント委員会を設置しております。リスクマネジメント委員会の組織や運営に関しては、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスク回避あるいは発生時に迅速に対応する所存ですが、当社の経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に対する投資判断は、本項記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 

(1) 法的規制について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:大)

当社グループの事業は、いわゆる規制業種として、「電気事業法」、「建設業法」、「電気工事業法」及び「ガス事業法」等の特有の法的規制を受けており、また、事業運営においては、「個人情報保護法」、「下請法」、「景表法」、「特定商取引法」及び「不正競争防止法」等の規制を受けております。当社グループは、法令等の改廃状況のチェック体制を構築し、関係する法令等の動向を注視する等、法的規制の遵守に努めております。

しかしながら、これら関係法令について、当社グループの想定外の改正や新たな制定等が生じた場合、当社グループの事業に制約が生じる又は対応のために多額の費用や時間を要する等の可能性があり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、将来において、当社グループがこれらの法令等に違反する行為を行った場合には、違反の意図の有無にかかわらず、行政機関から行政処分や行政指導等を受ける可能性があり、万が一、当社グループが取得している許認可等が取り消された場合は、当社グループの事業展開や社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループが取得している主要な許認可等の状況は以下のとおりでありますが、本書提出日(2024年9月27日)現在において、当該許可の取り消しとなる事由に該当する事実はありません。

許認可等の名称

取得・

登録者名

所 管

官庁等

許認可等の内容
及び許認可番号

有効期限

関連法令

取消又は

罰則条項

小売電気事業者(登録)

当社

経済産業省

登録番号 A0355

電気事業法

第78条

電気工事業者

(登録)

当社

経済産業省

経済産業大臣届出第29010号

電気工事業の業務の適正化に関する法律

第28条

ガス小売事業者(登録)

当社

経済産業省

登録番号 A0063

ガス事業法

第10条

建設業許可(特定)(登録)

当社

国土交通省

国土交通大臣許可(特-3)第22158号

2026年10月5日

建設業法

第29条

小売電気事業者(登録)

中央電力
エナジー
株式会社

経済産業省

登録番号A0020

電気事業法

第78条

電気工事業者

(登録)

中央電力
ソリューション
株式会社

経済産業省

大阪府知事登録第2019-0162号

種類:一般電気工作物等及び自家用電気工作物

2029年9月19日

電気工事業の業務の適正化に関する法律

第28条

 

 

(2)エネルギー政策の動向について 

(発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期、影響度:中)

当社グループが事業展開するエネルギー分野においては、東日本大震災を契機として、再生可能エネルギー固定価格買取制度の創設、電力・ガス小売の全面自由化や送配電事業の法的分離の実施、ベースロード市場(※1)や容量市場(※2)の整備等大規模な改革が政府主導で行われており、近年においては、2020年における電気事業法及び再エネ特措法の改正により、電力データの活用促進や分散型電源の推進に向けたアグリゲーター事業者の法的位置付けの整理、計量法規制の合理化、再生可能エネルギーの買取価格の市場連動型(FIP制度)の導入、政府として150兆円超のGX(※3)投資を官民で実現していくため、国として20兆円規模の大胆な先行投資支援を実行する方針(GX実現に向けた基本方針)等が制定されております。

当社グループの事業は、上記のとおり政府又は地域のエネルギー政策により影響を受けております。今後も2050年カーボンニュートラルに向けた環境配慮を含む施策の推進や、市場競争環境の公平性の強化及び市場活性化を促す目的から、各種制度変更等が進められる可能性があり、その動向により当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは政府または地域のエネルギー制度や施策に関する検討状況のレポートを外部の委託先より毎月取得する等、早期に情報を取得し対応策を検討できる状態を構築しております。

(※1)新電力と呼ばれる小売電気事業者が石炭火力・大型水力・原子力・地熱等の安定電源の電気を年間固定価格で購入可能とする市場。

(※2)実際に発電された電力量(kWh)を取引する「卸電力市場」ではなく、将来の供給力(kW)を確保するための市場。国内では2024年より導入された。

(※3)グリーントランスフォーメーション:化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のこと

 

(3) 電力価格の変動

(発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期、影響度:中)

 当社グループの電力調達については、主に複数の電力事業者(小売電気事業者、一般送配電事業者及び発電事業者等)との相対契約(固定)にて調達しており、一部は卸電力取引所よりスポット調達等を実施しております。電力価格は、原油・天然ガス等の資源価格(原燃料費)の動向、為替変動、季節や時間帯及び気候変動による需要動向、原子力発電所や太陽光発電等の稼働状況等、様々な要因によって変動しており、特に近年はロシア・ウクライナ情勢等に起因する国際エネルギー情勢を反映した資源価格の高騰により、電力価格の高騰が生じておりました。

 当社グループでは、上記の相対契約での調達に加え、顧客に調達価格に連動した料金で提供する等、多様な手段によりリスクの低減に努めております。今後において当社グループが調達する電力価格が高騰し、規制や競合その他の何らかの要因により販売価格への転嫁が困難となった場合、事業採算が悪化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 特定の電力調達先への依存について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:中期、影響度:中)

当社グループの電力調達のうち、最大の取引先である関西電力株式会社が占める割合は2024年6月期においては37.79%であり、その依存度は高い状況となっております。当社グループは、同社との間で当社グループが電力需要家となる電力調達契約である「法人特約契約書」及び当社グループが小売事業者となる卸電力調達契約である「卸電力売買契約書」の2形態の契約を締結しており、同社は当社グループの安定調達先となっております。同社との取引については、大口需要家としての割引等の適用はあるものの、他の一般事業者と同等の条件であると認識しております。

当社グループは、継続した取引等において同社との良好な関係を構築しているものと考えておりますが、今後において何らかの要因により同社からの電力安定調達が困難となった場合は、代替調達先の確保が必要となるほか、状況によっては電力調達コストの上昇等が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 非化石証書コストの上昇について

(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

当社グループは、グリーンエネルギー事業(電力小売サービス)における調達電力の再生可能エネルギー比率の向上を進めており、当該取り組みにおいて非化石価値取引市場を通じて「非化石証書」を調達することにより「実質100%再生可能エネルギー電力」の調達及び供給を目指しております(2024年6月期末時点:82.5%)。

当該取り組みにより中期的に非化石証書を継続購入することとなりますが、中長期的にその調達コスト上昇が生じる可能性があります。当該状況が生じた場合は、顧客に再生可能エネルギーの必要性を提起し相応の費用負担を要請して行く方針でありますが、十分な価格転嫁が困難となる場合には事業採算が悪化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 電力需給管理について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

 当社グループは顧客に対する電力供給について、一般送配電事業者を通じて行っており、送電線網の利用に際しては、当社グループの電力調達量(供給)にかかる計画値と、顧客における使用電力量(需要)にかかる実績値を30分単位で一致させる義務(同時同量制度)を負っております。事前に送配電事業者に提出した需要計画と実際使用量に差異(余剰・不足)が発生した場合、差異にかかる「インバランス料金」を送配電事業者との間で精算する必要が生じることとなります(インバランス制度)。 

当社グループにおいては、年間計画に加えて地域毎の月次・週次・日時・時間帯別に気象情報や電力使用量の統計データに基づく需要予測を実施する等、電力需給管理の精度向上に努めております。また、天候変化等に伴う需要変化に対しては適宜の計画調整や追加市場調達等により差異解消に努めております。しかしながら、インバランス発生を完全に回避することは困難であり、気候変動その他何らかの要因による差異拡大や電力価格高騰による多額のインバランス料金が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 競合及び競争の激化について

(発生可能性:大、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

当社グループが事業展開をしている電力業界においては、2016年4月の電力小売全面自由化以降、多数の電力小売事業者(新電力)が参入し、家庭向け(低圧電灯)、法人向け(特高・高圧)ともに地域電力事業者からの切替数の拡大が図られております。当社グループの事業は、これら事業者と競合が生じており、近年は電力価格高騰により事業者間の直接的な競合は小休止の状況にありましたが、電力価格が落ち着きを取り戻す中において、今後、事業者間競争が激化する可能性があります。

当社グループの事業のうち、分散型エネルギー事業(マンション一括受電サービス)においては、長期契約を締結することにより既存顧客の解約の抑制が実現しておりますが、一方で競合事業者が多様な料金プランを展開していることに起因して、当社グループの新規顧客獲得数は過年度と比較して鈍化しております。また、グリーンエネルギー事業(電力小売サービス)においては、比較的事業者間競争が生じやすい環境にありますが、当社グループの取り組みとしては価格競争を行うのではなく、従来からの固定料金プランに加えて顧客ニーズに対応した市場価格連動プランの提供等による価格面以外による競争力確保に努めております。しかしながら、今後において競合環境が一層激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 解約について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:中期、影響度:大)

当連結会計年度末現在、分散型エネルギー事業(マンション一括受電サービス)において2,245棟178,502戸のマンションストックを有しております。当該サービスにおいては契約期間10~15年の長期契約を締結することにより、長期安定収益の確保を図っており、事業サービス開始以降、当初契約期間満了後も解約実績は限定的なものとなっております。

しかしながら、今後、顧客に対する訴求力の高い他社競合サービスの提供や当社サービスに対する顧客満足度の低下等により解約が増加する事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) マンション防災サービスによる顧客獲得について 

(発生可能性:中、発生可能性のある時期:中期、影響度:中)

当社グループでは、分散型エネルギー事業における新たな取り組みとして、マンション向けに蓄電池、太陽光発電、EV充電等の電気設備を設置し、日常生活の利便性に加えて大規模災害時等のレジリエンスの向上を図る「マンション防災サービス」を2023年4月にリリースし、募集活動を開始しております。

当該サービスは、「マンション一括受電サービス」が電気料金にかかる経済性等を訴求するものであるのに対して、災害時における電力供給等の防災対応にかかる付加価値を訴求するサービスであります。当社グループは、顧客ニーズに応じたマーケティング及び営業活動を推進しておりますが、当連結会計年度末現在においては、募集開始より間がないこともあり、サービス開始前に先行的に蓄電池を導入した2棟を除き、サービス開始実績はありません。

当社グループは、事業展開における注力領域としてサービス拡大を推進していく方針でありますが、顧客獲得活動において、上記の付加価値を反映した電気料金が設定されることへの抵抗感やマンション管理組合の総会決議及び全世帯同意が必要となること等がサービス導入の障壁となり、今後の分散型エネルギー事業全体の新規顧客獲得が当社グループの想定どおりに進捗しない可能性があります。

 

(10) 他社からのサービス提供物件の譲り受けについて

(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

当社グループは、2023年10月に他社が一括受電サービスを提供するマンション顧客(13棟/1,121戸)の引継ぎを行っております。当該引継ぎは、他社において顧客との契約を解消すると同時に当社グループにて新たな契約を締結し、他社が設置する受変電設備等のみを当社グループが取得する形態により実施しております。

当社グループにおいては、他社のサービス提供顧客の引継ぎや事業譲渡等について打診を受ける場合があり、今後においては個別案件毎に適宜検討の上で当該引継ぎや事業譲受を実施する可能性があります。

実施に際しては、必要と考えられる調査や収益性判断を行うほか、対象顧客への十分な説明及び合意を得た上で実施する方針でありますが、事後的に何らかの瑕疵等が判明する又は顧客との関係が悪化する等、トラブルに発展する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 事業上のトラブル及びサービス品質等について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

当社グループの事業展開において、顧客マンションに受変電設備等の設備機器等を設置するほか、業務における顧客管理システムや料金計算・請求管理システム、電力需給管理システムを自社にて構築して業務オペレーションを行っております。また、一部システムについてはエネルギーDX事業における受託業務に活用しております。

これら設備機器や各種システムに不具合や人的ミスにより障害が発生した場合、電力供給を含むサービス提供の停止又は中断、料金誤請求その他のトラブルが発生する可能性があります。また、業務におけるオペレーション又はその管理体制の不備等に起因して、サービス上の瑕疵やその品質低下につながる可能性があります。そのためBCPプランの作成、データのバックアップや業務の標準化をおこなっておりますが、当該事象が発生及び頻発した場合には、事業サービスに対する信頼性低下等による顧客の離反等に繋がる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 情報管理について

(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

当社グループは、分散型エネルギー事業におけるマンション居住者等の各種個人情報やグリーンエネルギー事業における法人顧客等の情報、エネルギーDX事業における顧客企業及び受託業務において取り扱う顧客情報等、多くの重要情報を取り扱っております。

当社グループは、これら重要情報の適切な取り扱いを図るため、2018年1月にプライバシーマークを取得したほか、社内規程やマニュアル・基準等の整備、従業員に対する教育啓発、委託先管理の徹底等、情報セキュリティ対策の強化を推進しております。しかしながら、システム障害や従業員のミス又は故意により、又は外注先管理の不備等に起因して、重要情報等の流出・漏洩があった場合には、当社グループの信用失墜や損害賠償請求等の発生により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 労働災害について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

当社グループの電気設備工事等の施工や保安管理業務において、人的ミスやその他の要因により労働災害等が発生する可能性があります。保安管理業務において月次で電気主任技術者の会議を実施し安全衛生に関する周知や情報交換を実施すること等により、事故・労働災害等の発生に努めておりますが、重大な労災事故が発生した場合には、補償等の費用発生やレピュテーションの悪化により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 訴訟等について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

当社グループにおいて、提供サービスに関連して顧客、取引先及びその他第三者との間で予期せぬトラブルが生じた場合、訴訟に発展する可能性があります。サービス開始時の説明を徹底すること、網羅的にクレーム情報等を集約する等の仕組みを構築しておりますが、かかる訴訟の内容及び結果によっては、訴訟対応費用の発生や社会的信用の失墜等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点で継続中の訴訟等はありません。

また、当社グループやサービス又は役職員に対して、否定的な風評等が拡大した場合には、社会的信用の低下等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 自然災害について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:大)

当社グループの事業運営において、大規模な地震・津波、台風等の自然災害又は感染症の流行等により、当社グループの設備や人材等が直接的な被害を受けた場合、又は電力調達先を含む取引先及びそのサプライチェーンに被害が生じた場合、当社グループの事業運営影響を生じる可能性があります。そのためBCPプランの作成、データのバックアップ等の対策を図っておりますが、事象の規模によっては当社グループの事業運営に重大な支障が生じる可能性があります。

 

(16) 経営成績について

当社グループの分散型エネルギー事業(マンション一括受電サービス)及びグリーンエネルギー事業(電力小売サービス)の業績は、各期の気候変動(冷夏・猛暑、暖冬・厳冬等による気温変化等)に伴う電力使用量(電力販売量)の増減により影響を受けております。

電力使用量(販売電力量)は夏季及び冬季(現在の6月決算においては、第1四半期及び第3四半期が該当します)に増加する傾向があり、また、各四半期の売上高は、季節要因による電力販売量の変動に加えて、各期における気候変動や各時点の電力料金の動向等の要因により変動が生じております。一方で、利益面では、電力調達価格の変動やその他費用項目の増減等も複合的に影響しており、当社グループの各期における四半期業績変動は必ずしも季節要因のみに連動して推移するものではありません。当社としてはこれらの変動要因を考慮した予算と余裕のあるキャッシュフロー計画を策定するとともに、必要に応じ機動的に資金を確保するための当座貸越枠を設定しております。

なお、当社グループの最近連結会計年度3期分の四半期業績等の推移は以下のとおりでありますが、当社グループの2023年6月期決算については、決算期変更を実施したことから15か月決算となっております。また、当該連結決算期においては、第1四半期に資源価格上昇を受けた電力調達価格の高騰に対して、燃料費等調整価格の上限設定により一部販売価格への転嫁が困難となったこと等から営業損失を計上するにいたりましたが、燃料費等調整価格の上限設定の撤廃を第2四半期に実施したことにより以降の業績は回復しております。

 

(単位:百万円)

 

2022年3月

2023年6月

2024年6月

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第5四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

7~9月

10~12月

1~3月

4~6月

連結売上高

6,039

7,979

7,074

9,897

7,594

11,507

10,274

11,303

8,188

11,207

9,061

10,208

8,232

連結営業利益又は連結営業損失(△)

156

640

129

922

△149

305

494

402

583

1,274

493

928

97

連結経常利益又は経常損失(△)

119

605

92

896

△176

280

471

716

681

1,245

484

945

92

連結当期純利益又は連結当期純損失(△)

63

605

△25

875

△183

172

339

425

592

885

329

680

91

販売電力量

(百万kWh)

246

315

262

353

255

342

264

320

269

395

315

385

277

平均販売単価(円/kWh)

24.1

21.8

28.0

28.8

28.8

33.0

38.1

34.6

29.2

27.6

27.7

25.6

28.4

燃料費等調整額

平均単価

(円/kWh)

△1.9

△1.4

△0.4

1.1

2.3

3.9

8.0

10.0

6.9

1.1

△0.8

△2.9

△2.3

 

※上記のうち2022年3月期及び2023年6月期の各四半期業績数値については監査法人の監査を受けておりません。

※上記販売電力量は、分散型エネルギー事業(マンション一括受電サービス)及びグリーンエネルギー(電力小売サービス)における顧客に提供した電力量の合計数値であり、販売電力単価は上記2サービスの売上高を販売電力量で除した平均値を記載しております。

※燃料費等調整額単価は、上記2サービスの売上高に含まれる燃料費等調整額分の合計額を、販売電力量(燃料費等調整額が発生しない市場価格連動型料金プランを除く)で除した平均値を記載しております。

 

(17)  有利子負債及び資金調達等について

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:中期、影響度:中)

当社グループは、主として分散型エネルギー事業におけるマンションに設置する受変電設備等の新設及び更新にかかる設備投資資金等の調達を目的として、金融機関借入等を実施しており、2024年6月末における連結総資産額に占める有利子負債(借入金及びリース債務の合計)の割合は24.16%の水準となっております。当社グループにおいては、収益・支払それぞれのサイトを踏まえた余裕をもった流動性預金を確保することで本リスクに備えておりますが、今後において大幅な金利上昇等が生じた場合には金利負担の増加により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

今後は「マンション防災サービス」にかかる太陽光発電や蓄電池設備を含めた設備投資資金について、そのサービス拡大に応じた資金需要が生じる可能性があり、一部は金融機関借入にて調達する可能性があります。

なお、将来において、当社グループの企図する条件での資金調達に支障が生じた場合には、当社グループの事業活動の制約要因となる可能性があります。

 

(18) 大株主との関係について 

①中村誠司氏との関係について 

(発生可能性:小、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:大)

当社創業者である中村誠司氏は、2024年6月末において、同氏の資産管理会社であるTeam Energy GI株式会社の所有株式を含めて当社発行済株式総数の57.19%を所有する大株主であり、今後も引続き大株主となる見込みであります。

同氏は、資産管理会社を通じて、当社以外にも複数社の事業会社に対して資産管理会社を通じた出資を実施しているほか、一部出資企業については直接の経営関与を行っております。当社グループは、同氏が出資する各企業とは独立した経営を行っており、今後も原則としてそれら企業との取引は行わない方針であります。

なお、同氏は当社グループの経営に関与する意向はない旨を示しており、当社グループにおいても、経営及び事業運営における同氏からの特段の指示、報告又は承認事項等は生じておらず、自ら経営責任を負った事業経営を行っております。当社グループは、同氏との間で現在と同様の良好な関係を維持していくことで合意しておりますが、同氏は大株主として当社株主総会における取締役の任免等を通じて当社グループの経営判断に影響を及ぼし得る立場にあることから、議決権の行使にあたり、同氏の利益は当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。

 

②ふるさと熱電株式会社に対する出資について

(発生可能性:大、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:小) 

当社は、中村誠司氏及びTeam Energy GI株式会社が株式の62.81%を保有し、同氏が取締役を務めるふるさと熱電株式会社に対して、一部出資(5%)を行っております。

同社は、九州地域において地熱発電事業等を行う企業であり、過年度において同社再生可能エネルギー電力にかかる協業等を目的として、当社が同社株式の20%を保有する関連会社としておりましたが、2024年6月期末現在、協業関係及び資本関係解消のため関連当事者関係解消のため同社株式を段階的に売却することとしております。現在保有する株式(5%)についても、今後第三者へと売却する方針です。

なお本書提出日時点において、一部株式保有以外に同社との事業上の関係はありません。

 

(19) 人材確保

(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期無し、影響度:中)

当社グループは、今後における事業体制の一層の強化を図るため、優秀な人材確保を図っていくことが重要であると認識しております。また、事業の持続的な発展のためには、継続的かつ一定数の人材確保と技術・知見の継承が不可欠であると考えております。

しかしながら、当社グループが必要とする優秀な人材確保が計画どおりに進展しない場合や人材確保にかかる費用増加が生じた場合、また、既存人材の育成が図られない場合や社外流出が生じた場合、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

労働時間の適正化や法令に基づく適正な労務管理、ハラスメント等の労務関連リスクも社会問題化する中、当社グループにおいては、管理体制の強化に加え、研修の実施等を通じた従業員のコンプライアンスモラル醸成及び働きやすい職場環境の整備に努めております。当社グループのこれら施策について十分な効果が生じなかった場合、事業運営に支障が生じる可能性があります。

これらのリスクに対応するため、人材の確保では企業認知度の向上に資する施策を行っております。また、人材育成では多様な研修企画を実施し、社員のコンプライアンスモラルの醸成と働きやすい職場環境の整備に努めてまいります。

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主への利益の還元を経営の最重要政策の一つと位置付けております。利益の配分につきましては、将来の企業成長に必要な内部留保の確保に配慮しながら、株主の皆様には長期にわたって安定的な配当を継続することを基本方針としています。優先順位については、(1)設備投資、M&A・提携、人財育成等将来の企業成長に向けた投資、(2)配当としています。配当については、連結配当性向30%以上を目標としています。

当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、取締役会又は株主総会であります。

当事業年度の剰余金の配当につきましては、継続的な安定配当の基本方針のもと、1株当たり33円に、当社の設立30周年の記念配当として1株当たり10円を加え、43円とさせていただきました。この結果、当事業年度の連結配当性向は39.5%となりました。

内部留保資金の使途につきましては、事業拡大を目的とした中長期的な事業原資として利用していく予定であります。

 

(注)  基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額
(千円)

1株当たり配当額
(円)

2024年9月27日

定時株主総会決議

802,521

43.00