2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

東部 中部 西部
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
東部 N/A N/A 964 38.8 N/A
中部 N/A N/A 1,257 50.6 N/A
西部 N/A N/A 265 10.7 N/A

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社、親会社1社で構成され、空気調和、冷暖房、給排水衛生設備、電気工事業を主に営んでおります。

当社グループの事業に係る位置づけは、次のとおりであります。

 親会社

株式会社関電工は、当社の親会社であり、取引先等の設備工事に関して当社と営業・工事施工の連携を行っております。

 当社

日本全国において、空気調和、冷暖房、給排水衛生設備、電気工事等の事業活動を行っております。

 

当社は単一性の業種であり、セグメントの内容は下記のとおりであります。

東部

東部地区を中心とした東部支社、東関東支店他

中部

中部地区を中心とした中部支社、豊田支店、岐阜支店他

西部

西部地区を中心とした西部支社、神戸支店、中国支店他

 

事業の系統図は、次のとおりであります。

 

事 業 系 統 図

 


 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

a.経営成績

 当事業年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化が加速しており、企業収益は総じて高水準を維持し、株式市場では史上最高値を更新して好調に推移しております。

 建設業界におきましては、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資も活発な経済活動により、増加基調が続いております。

 このような状況のもと、当社は、目標達成と持続的成長に向け、事業規模の拡大を目指した受注の促進、労働環境の改善と組織作り、人的資源の強化、DXの活用・推進による業務改善・効率化の促進、工事品質管理・工事原価管理の継続強化、カーボンニュートラルとSDGs達成による社会貢献などの施策を推進してまいりました。

 

 その結果、受注高につきましては、283億67百万円(前期比19.3%増)となりました。工事種別では、一般ビル工事は、スポーツ施設等の増加により219億22百万円(前期比20.9%増)、産業施設工事は、工場関連施設の増加により43億16百万円(前期比8.2%増)、電気工事は、工場関連施設の増加により21億28百万円(前期比29.4%増)となりました。セグメント別の前事業年度比較では、東部・中部・西部すべてにおいて増加しました。
 完成工事高につきましては、224億82百万円(前期比8.0%増)となりました。工事種別では、一般ビル工事は、事務所ビル等の増加により163億60百万円(前期比12.4%増)、産業施設工事は、工場関連施設の減少により41億17百万円(前期比8.2%減)、電気工事は、工場関連施設の増加により20億5百万円(前期比13.3%増)となりました。セグメント別の前事業年度比較では、東部・中部は増加しましたが、西部は減少しました。
 また、2024年3月期を最終年度とする現中期経営計画は、受注高と利益面において達成することができました。
 損益につきましては、営業利益は13億33百万円(前期比28.1%増)、経常利益は13億54百万円(前期比26.0%増)、当期純利益は8億45百万円(前期比19.6%増)となりました。

 次期以降の繰越高は、252億88百万円(前期比30.3%増)となりました。

 

  2023年度 計画値と実績値の差異            (単位:百万円)

 

2023年度

(計画)

2023年度

(実績)

計画比

増減率

完成工事高

23,500

22,482

△1,018

△4.3%

営業利益

1,100

1,333

233

21.2%

経常利益

1,120

1,354

234

20.9%

当期純利益

754

845

91

12.2%

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

〔東部〕

東部の業績につきましては、完成工事高は一般ビル工事が堅調に推移したため85億57百万円(前期比34.9%増)となりました。セグメント利益は9億64百万円(前期比136.0%増)となりました。

〔中部〕

中部の業績につきましては、完成工事高は産業施設工事が堅調に推移したため97億75百万円(前期比9.4%増)となりました。セグメント利益は12億57百万円(前期比24.2%増)となりました。

〔西部〕

西部の業績につきましては、完成工事高は一般ビル工事が低調であったため41億49百万円(前期比25.0%減)となりました。セグメント利益は2億65百万円(前期比60.9%減)となりました。

 

b.財政状態

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ19億71百万円増加し、203億26百万円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ12億92百万円増加し、86億95百万円となりました。

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ6億78百万円増加し、116億30百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益の計上がありましたが、売上債権の増加等により、△5億86百万円(前年同期比16億53百万円の減少)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、△52百万円(前年同期比3百万円の減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、△4億27百万円(前年同期比68百万円の減少)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の当事業年度末残高は、前年同期比10億66百万円(19.5%)減の44億15百万円となりました。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

a.受注実績

 

セグメントの名称

前事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

(百万円)

当事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

(百万円)

 東部

8,930

9,422( 5.5%増)

 中部

9,735

12,760(31.1%増)

 西部

5,103

6,185(21.2%増)

合計

23,769

28,367(19.3%増)

 

 

b.売上実績

 

セグメントの名称

前事業年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

(百万円)

当事業年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

(百万円)

 東部

6,342

8,557(34.9%増)

 中部

8,936

9,775( 9.4%増)

 西部

5,529

4,149(25.0%減)

合計

20,809

22,482( 8.0%増)

 

(注) 1 当社では建設事業以外は受注活動を行っておりません。

2 当社では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 

c.建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

(1) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 

期別

工事別

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越
工事高
(百万円)

前事業年度
自 2022年
  4月1日
至 2023年
  3月31日

東部

7,786

8,930

16,717

6,342

10,374

中部

4,690

9,735

14,426

8,936

5,489

西部

3,965

5,103

9,068

5,529

3,539

16,443

23,769

40,213

20,809

19,403

当事業年度
自 2023年
  4月1日
至 2024年
  3月31日

東部

10,374

9,422

19,796

8,557

11,238

中部

5,489

12,760

18,249

9,775

8,473

西部

3,539

6,185

9,725

4,149

5,575

19,403

28,367

47,771

22,482

25,288

 

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減のある場合は、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

 

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

合計(%)

前事業年度
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日

東部

31.6

68.4

100.0

中部

56.9

43.1

100.0

西部

77.6

22.4

100.0

当事業年度
自 2023年4月1日
至 2024年3月31日

東部

57.0

43.0

100.0

中部

39.1

60.9

100.0

西部

98.8

1.2

100.0

 

(注) 百分比は請負金額比で示しております。

 

(3) 完成工事高

 

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度
自 2022年4月1日
至 2023年3月31日

東部

1,750

4,592

6,342

中部

2,213

6,723

8,936

西部

660

4,868

5,529

4,624

16,184

20,809

当事業年度
自 2023年4月1日
至 2024年3月31日

東部

1,261

7,296

8,557

中部

2,526

7,249

9,775

西部

318

3,831

4,149

4,106

18,376

22,482

 

(注) 1 前事業年度の完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。

株式会社鴻池組

 

住之江工場更新工事(土木・建築工事)の内給排水空調設備工事

大成建設株式会社

 

学校法人安田学園白島キャンパス建替計画3期工事

株式会社守谷商会

 

医療法人宏正会 日進和合病院新築工事

国土交通省

 

環境省新庁舎改修(21)機械設備工事

東洋建設株式会社

 

ミリオンプロジェクト

 

2 当事業年度の完成工事高のうち主なものは、次のとおりであります。

鹿島建設株式会社

 

西神戸工場 新総合ビル建設工事(1期工事)の内設備工事

青木あすなろ建設株式会社

 

(仮称)株式会社タカギ東日本工場新築工事

関東建設工業株式会社

 

(仮称)みどりの南小学校・中学校建設工事

松村工業株式会社

 

本巣市新庁舎建設工事

国立大学法人信州大学

 

信州大学(松本)医学部臨床実験施設改修空気調和設備工事(Ⅱ期)

 

 

3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。

 

      前事業年度

       該当する相手先はありません。

      当事業年度

       川崎重工業株式会社   2,456百万円  10.9%

 

 

(4) 次期繰越工事高(2024年3月31日現在)

 

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

 東部

6,744

4,494

11,238

 中部

5,506

2,967

8,473

 西部

632

4,943

5,575

合計

12,883

12,404

25,288

 

(注) 次期繰越工事高のうち主なものは、次のとおりであります。

国土交通省

 

環境省新庁舎改修(21)機械設備工事

 

2026年12月完成予定

東亜建設工業株式会社

 

(仮称)CPD西宮北物流施設計画[B・C地区]

 

2025年7月完成予定

独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院

 

独)地域医療機能推進機構中京病院建替整備工事(機械)

 

2026年10月完成予定

 

法務省

 

女子中間ケアセンター(仮称)新営(機械設備)第1期工事

 

2025年8月完成予定

清須市

 

清須市清洲勤労福祉会館ヒートポンプ等改修工事

 

2025年7月完成予定

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社は、適正な利益確保を重視し、株主価値の向上を図るため自己資本当期純利益率(ROE)8.0%以上の達成を目指しました。その結果、自己資本当期純利益率(ROE)は7.5%となり、目標未達でありました。

なお、当社の当事業年度の経営成績等は次のとおりであります。

 

(a) 経営成績の分析

(完成工事高)

当事業年度末における完成工事高は、224億82百万円(前期比8.0%増)となり、前事業年度に比べて16億73百万円増加しました。セグメント別の完成工事高については、第2 [事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 をご参照下さい。

(営業利益)

当事業年度における営業利益は、13億33百万円(前期比28.1%増)となり、前事業年度に比べて2億92百万円増加しました。営業利益率は前事業年度から0.9ポイント増加し、5.9%となりました。

(経常利益)

当事業年度末における経常利益は、13億54百万円(前期比26.0%増)となり、前事業年度に比べて2億79百万円増加しました。経常利益率は前事業年度から0.8ポイント増加し、6.0%となりました。

 

(b) 財政状態の分析

(流動資産)

当事業年度末における流動資産の残高は、157億17百万円(前事業年度末は137億97百万円)となり、19億19百万円増加しました。主な増加の要因は、完成工事未収入金が増加したことによるものであります。

(固定資産)

当事業年度末における固定資産の残高は、46億8百万円(前事業年度末は45億57百万円)となり、51百万円増加しました。主な増加の要因は、無形固定資産のリース資産が増加したことによるものであります。

(流動負債)

当事業年度末における流動負債の残高は、72億18百万円(前事業年度末は59億31百万円)となり、12億87百万円増加しました。主な増加の要因は、工事未払金が増加したことによるものであります。

(固定負債)

当事業年度末における固定負債の残高は、14億76百万円(前事業年度末は14億71百万円)となり、5百万円増加しました。主な増加の要因は、リース債務が増加したことによるものであります。

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、116億30百万円(前事業年度末は109億51百万円)となり、6億78百万円増加しました。主な増加の要因は、当期純利益の計上によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況をご参照下さい。

なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは、下記のとおりであります。

 

 

第93期

第94期

第95期

第96期

第97期

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

自己資本比率(%)

54.7

58.2

54.8

59.7

57.2

時価ベースの自己資本比率(%)

33.9

32.1

25.4

33.8

38.5

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

2,252.3

1,936.0

657.8

 

(注)1 自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い

*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

*有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、長期借入金(1年以内返済)および長期借入金を対象としております。また、利払いについてはキャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。

2 第93期および第97期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率、インタレスト・カバレッジ・レシオは、「営業活動によるキャッシュ・フロー」がマイナスのため表示しておりません。

3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率は、「有利子負債」がないため表示しておりません。

 

資本の財源及び資金の流動性

当社の運転資金需要のうち主なものは、工事原価のほか、販売費及び一般管理費等の費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

運転資金および投資資金については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金または金融機関からの借入を基本としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5[経理の状況] 1 [財務諸表等][注記事項](重要な会計方針)に記載しております。財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に影響を及ぼすと考えております。

 

a.工事契約に係る収益の認識方法及び工事損失引当金の計上

当社のすべての工事について工事契約を締結しております。当該契約については、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の総額に占める割合に基づいて行っております。また、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行時期を充足する際に発生する費用を回収することが見込まれる場合には、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができる時まで、一定の期間にわたり充足される履行義務について原価回収基準により収益を認識しております。なお、契約における取引開始日から完全に履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い工事契約等については、引渡時点において履行義務が充足されると判断し、当該時点で収益を認識しております。

また、工事損失引当金については事業年度末手持工事のうち、損失が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることが出来る工事について、将来の損失見込額を計上しております。

しかしながら、この見積りには設計変更や工期変更等による見積工事原価総額の見直し、および原材料価格や人件費の高騰や、作業人員若しくは建設資材の不足、または工事の完工が遅れる場合等の様々な要因により変動する可能性があり、実際の完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上額と異なる可能性があります。

 

 

b.繰延税金資産

当社は、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得に依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減少され税金費用が計上される可能性があります。

 

c.退職給付引当金

従業員の退職給付費用については、各会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率等の重要な見積りを加味して計上しております。