2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    4,315名(単体) 6,910名(連結)
  • 平均年齢
    44.6歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.7年(単体)
  • 平均年収
    9,410,230円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

建築

2,700

(20)

土木

1,064

(12)

国内投資開発

41

国内グループ会社

1,385

(362)

海外グループ会社

1,226

(1,740)

環境・エネルギー

29

全社(共通)

465

(25)

合計

6,910

(2,159)

 

(注) 1  従業員数は就業人員数であります。また、連結の臨時従業員(嘱託及びパートタイマー等)の総数が従業員数の100分の10以上であるため、( )内に年間の平均人員数を外数で記載しております。

2  全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない提出会社の管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

総合職・エリア総合職

平均年間給与(円)

4,315

44.6

18.7

9,410,230

9,683,713

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

建築

2,700

土木

1,064

国内投資開発

35

国内グループ会社

15

海外グループ会社

13

環境・エネルギー

23

全社(共通)

465

合計

4,315

 

(注) 1  従業員数は就業人員数であります。

2  平均年間給与は、当事業年度に支給した実績に基づくもので、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

なお、「総合職」及び「エリア総合職」期間の定めなく基幹業務に従事する者であります。

勤務地について、「総合職」は日本国内全域、海外を問いませんが、「エリア総合職」は所属する支店の

管轄地域内に限定しております。

3  全社(共通)として記載している従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属している

ものであります。

 

 

(3) 労働組合の状況

戸田建設職員組合と称し、1946年8月に結成され、2025年3月末現在の組合員数は3,102名となり、上級団体には別段属しておりません。

対会社関係においても結成以来円満に推移しており、特記すべき事項はありません。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 ① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

4.7

100

65.8

66.4

69.6

(注3)

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 労働者の男女の賃金の差異について、女性労働者は若年層が多いことから、全労働者における差異は64.5%でありますが、同一役職間において比較すると差異は縮小します。また、参考として職群別における男女の賃金の差異は下記のとおりとなります。

(参考) 職群別における男女の賃金の差異(%)

職群

20代以下

30代

40代

50代

総合職

99.8

93.2

95.0

89.7

エリア総合職

102.0

98.6

91.2

90.4

 

※ 上記職群については、「5 従業員の状況 (2) 提出会社の状況 注2」に記載しております。

※ 参考値であるため、2025年4月の基本給をベースに算出しております。

 

 ② 連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

戸田ビル
パートナーズ㈱

9.9

100

60.7

82.5

48.4

(注3)

佐藤工業㈱

2.2

66.7

TGCゼネラルサービス㈱

26.7

戸田道路㈱

50.0

 

(注) 1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3 管理職に占める女性労働者の割合については、前事業年度(8.6%)と比較して増加し、また候補者も控えていることから今後も割合は増加する見込みであります。労働者の男女の賃金の差異については、施工管理職などの職種は男性労働者が多く、当該職種に従事すると支給される手当が複数あるため、それが差異として表れていると考えております。

4 「-」と記載している箇所については、非公表であります。

 

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 (基本方針)

当社グループでは、経営方針において「社会の発展への貢献」「社業の持続的成長」「ステークホルダー価値の向上」を掲げております。従前より、事業活動がお客様、社員、協力会社、地域社会、株主・投資家や地球環境に与える影響に十分に配慮して行動するとともに、対話を通じた信頼関係構築に努めるなど、常にステークホルダーを意識して、サステナビリティの考え方に沿った経営を行ってまいりました。また、TCFDへの賛同、TNFDフォーラムへの参画を通じて気候変動、さらには自然課題に対して、その提言に即した分析及び開示を行っております。

当社グループは、2015年に策定したグローバルビジョンのもと、全てのステークホルダーにとって「”喜び”を実現する」存在であり続けたいと考えて事業を営んでおります。持続可能な社会の実現のため、マテリアリティ(重要課題)を改めて特定し、2050年に向けて目指す経営の姿を「サステナビリティビジョン2050」として定めました。

 

 (サステナビリティ推進体制の構築と運用)

サステナビリティ推進の監督・指導を行う「サステナビリティ委員会」を取締役会の諮問機関として設置しております。また、執行側に「サステナビリティ戦略委員会」を設置し、「ESG+B」の4つの観点から取り組むテーマを定め、経営資源の適切な配分のもと事業戦略に反映させるべく議論を深めてまいります(E:環境エネルギー、S:社会活動、G:ガバナンス、B:ベネフィット)。サステナビリティ戦略委員会が特定した課題の解決へ向けた取り組みは、本部・事業部など執行部門が優先順位を決めて実行しております。

 

 (環境課題に対するこれまでの取り組み)

当社では2010年より、作業所の建設機械で使用する燃料や電力から発生するCO2排出量を把握して、それらの脱炭素化に努める活動を継続しております。この活動は「TO-MINICA(低炭素施工システム)」と命名され、全国の作業所で活用されております。その一環として、バイオディーゼル燃料や再エネ電力利用の推進に取り組んできた他、2022年7月には、作業所の仮設事務所において『ZEB』認証を国内で初めて取得し、その後もZEB仮設事務所の実績は増えております。

建物のライフサイクルCO2の観点では、建物の運用時のエネルギー使用によるCO2排出量や、建設資材の製造に関わるCO2排出量の削減が重要であります。2021年には、当社の筑波技術研究所に「グリーンオフィス棟」が竣工しました。この建物は『ZEB』認証を受けており、見学会等を通じてお客様にZEB建設の重要性を実物件としてお伝えしております。それに加えて、建物内で働く人々の健康と、ウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好であること)を考慮した設計を行い、WELL認証でプラチナを取得しており、快適な空間についてもお客様にご提案しております。

また、2024年9月に竣工したTODA BUILDINGでは、国内で初めて超高層複合用途ビルにおいて建物全体でZEB Ready認証を取得しております。TODA BUILDINGでは、コージェネレーションシステムやエコボイド等の採用により省エネ性能の向上を図るとともに、災害時のエネルギー供給や換気量の確保といったBCP対策の強化にも貢献する計画としております。2025年度は建物使用時の中央監視データを用いて、TODA BUILDINGのZEB Ready認証取得による省エネ効果の検証を予定しております。

社会的な環境課題の解決には、こうした企業としての対応に加え、個々人の環境意識を高め、行動変容を促すことも重要であります。そのために、当社グループ所属社員及び協力会社を含めて、環境課題解決への優れた取り組みを表彰する制度を運用し、環境を中心として社会課題解決の効果を最大化することを目指しております。

 

環境意識の向上を目的とした表彰制度等

表彰制度等

対象

内容

インセンティブ

戸田環境・社会貢献賞

当社

環境、社会貢献分野で優れた活動を表彰

表彰及び賞金授与

カーボンニュートラル貢献賞

当社

低炭素型燃料の利用量の多い作業所を表彰

表彰及び賞金授与

環境アクション表彰

利友会会員会社

環境分野で優れた活動を行った会社を表彰

表彰及び賞金授与

eco検定の推奨

当社グループ(日本国内)

東京商工会議所が運営するeco検定の受験費用の補助

合格者への受験料全額補助

 

※ 当社の建設事業における協力会社組織

 

 

(1) 気候変動への取り組み

当社グループでは、マテリアリティ(重要課題)のひとつとして「脱炭素社会の実現」を特定しております。

気候変動に関連するリスクを適切に把握、対処して企業としてのレジリエンスを高めていくとともに、事業機会を特定し、それに戦略的に取り組み、脱炭素社会の実現に向けた社会変化が、当社の事業運営に統合されるよう努めております。

 

 (ガバナンス/リスク管理)

当社は気候変動に関連するリスクと機会を「戦略的影響度(影響度と発生可能性)」及び「財務的影響度」から評価しております。当社グループの重要リスクは、これらのリスクと機会の中から、環境エネルギー委員会での議論を経て特定され、サステナビリティ戦略委員会に報告されます。

取締役会はサステナビリティ戦略委員会から気候変動関連の事項について報告を受け、必要に応じてサステナビリティ委員会にて議論を行い、気候変動関連の課題への取り組み状況の監督を行っております。

 

 

気候変動に関連する課題への取り組み体制

 

 


 

 

 

 (戦略)

当社では、気候変動関連のリスクと機会を短期(3年以下)、中期(3~10年)、長期(10年以上)の時間軸で評価し、特定された重要リスクへの対応策の実施を推進しております。

 

気候変動関連の重要リスクと対応策

リスクと機会の分類

重要項目

時間軸

リスク・機会の考察

リスク・機会に対する対応策

 

リスク

物理

慢性

気温上昇

中/長

・気温上昇による労働生産性の低下及び作業者の健康リスク

・施工の省力化・無人化の推進

・作業者の健康管理デバイスの導入

急性

水害等リスク

短/中/長

・保有不動産の水害等による被災

・保有不動産及び不動産取得時の水害等のリスク評価

・水害対策と適切な保険加入

移行

新たな

規制

発注者ニーズの変化

短/中/長

・ホールライフカーボン削減の技術提案力不足に伴う受注機会逸失リスク

・低炭素製品の特定と調達の推進

・低炭素建材の研究開発と適用拡大

・省エネ性能の高い建物の設計の推進

・TO-MINICAによる低炭素施工の推進

炭素価格

中/長

・炭素価格増による建設コスト増加及び建設投資の縮小

機会

製品/サービス

省エネ建築

短/中/長

・ZEBの普及に伴う売上高の増加

・技術開発の推進と施工実績の蓄積

・カーボンマイナス建築実現に向けた研究開発

市場

エネルギー

ミックス変化

短/中/長

・太陽光・陸上風力発電所等への建設投資の増加

・再エネ発電所建設及び再エネ事業への資源集中

中/長

・洋上風力発電所の拡大

・浮体式洋上風力による発電実績の蓄積

・洋上風力発電への資源集中と施工技術開発

水害対策工事

中/長

・水害対策に関連したインフラ投資の増加

・防災・減災工事への資源集中

 

 

また、当社では「カーボンニュートラル実現に向けた行動計画」を策定し、事業活動における脱炭素への取り組みを推進しております。

 

 


 

 

 

 (指標と目標)

当社は温室効果ガスの削減目標を設定し、SBT(Science Based Targets:科学的根拠に基づく目標)認定を取得しております。また、「中期経営計画2024ローリングプラン」、環境大臣との「エコ・ファーストの約束」においてもSBTに整合した目標を設定しております。

2024年度を目標年とした「中期経営計画2024ローリングプラン」におけるスコープ1+2(総量)の削減目標は、2024年度実績において目標値を上回る▲28.5%となり、目標を達成する結果となりました。特にスコープ2の削減が進んでおり、事業活動での電力使用における再エネ電力の割合は68.7%まで向上しております。建設工事を対象としたスコープ1+2(原単位)の削減目標は、目標値を若干下回る11.3t-CO2/億円となりました。建設工事は工期が複数年に亘るプロジェクトも多く、工期の中で該当年度に施工している工種が温室効果ガス排出量に影響を及ぼします。2024年度にスコープ1+2(総量)の目標を達成した背景には、当連結会計年度に大量のエネルギーを使用する掘削等の土工事が少なかったことも影響しました。そのため、今後も更なる温室効果ガス削減に取組む必要があると考えております。

2024年度を目標年としたスコープ3(総量)の削減目標について、国内事業では設計施工物件を中心として、ZEBに代表される建物の省エネ性能の向上により、目標の削減率を達成する結果となりました。一方、海外グループ会社において建築の竣工物件が多かったことから連結数値(総量、原単位とも)での目標は未達の結果となりました。スコープ3のなかでもカテゴリ11(販売した製品の使用によるCO2排出量)は、当該年度に竣工した建物の将来にわたる運用期間中の排出量を一括して計上することから、当社スコープ3に占める割合が最も大きくなります。この運用期間中の排出量の大半は電気の使用に由来するため、化石燃料により発電された電気が多くの割合を占める国・地域では、電気の排出係数が大きく、同量の電気を使用した場合でも計上されるスコープ3は大きくなります。今後は、特に電気の排出係数の大きな国・地域を含む海外の建築物件に対して国内のノウハウや知見を展開していくことが中長期的課題であると考えております。

 

温室効果ガスの削減目標と実績

 

対象

単位

基準年

(2020年度)

実績

(2024年度)

目標

(2024年度)

排出量

進捗率

排出量

中期経営計画2024

ローリングプラン

スコープ1+2

総量

t-CO2

96.4

▲28.5%

68.9

▲16.8%

スコープ1+2

(建設工事のみ対象)

原単位

t-CO2/億円 ※1

16.8

11.3

11.2以下

スコープ3

総量

t-CO2e

6.66百万

▲0.7%

6.61百万

▲10.0%

カテゴリ1

原単位

t-CO2e/億円 ※2

649.9

581.2

540.7以下

カテゴリ11

t-CO2e/ ※3

4.0

3.7

3.5以下

 

 

 

対象

単位

基準年

(2020年度)

実績

(2024年度)

目標

(2030年度)

排出量

進捗率

排出量

SBT

エコ・ファーストの約束

スコープ1+2

総量

t-CO2

96.4千

▲28.5%

68.9千

▲42%

スコープ3

t-CO2e

6.66百万

▲0.7%

6.61百万

▲25%

 

 

 

『参考』スコープ3カテゴリ11 内訳

対象

単位

基準年

(2020年度)

前期

(2023年度)

2024年度

排出量

排出量

排出量

基準年比

スコープ3

カテゴリ11

総量

t-CO2e

5.07百万

4.31百万

5.03百万

▲0.7%

総量(国内)

t-CO2e

2.50百万

1.78百万

1.56百万

▲37.5%

総量(海外)

t-CO2e

2.57百万

2.53百万

3.47百万

+35.1%

 

 

再生可能エネルギー利用率の目標と実績

 

対象

単位

2024年度実績

目標

2040年度

2050年度

RE100

再エネ電力利用率

68.7

50

100

 

 

(注) 温室効果ガス排出量及び再生可能エネルギー利用率の算定は、全連結子会社(47社(2025年3月期時点))を対象としたグループ連結で行っております。

M&A等による連結対象範囲の変更については、基準年(2020年度)以降の数値を毎年見直しております。

※1 完成工事高1億円当たりの排出量

※2 建材資材の取引金額当たりの排出量

※3 竣工延床面積1㎡当たりの排出量

 

 

 

(2) 人財の育成及び社内環境整備に関する方針

経営戦略を実現させる主体は「人財(従業員)」に他なりません。ゆえに人財戦略=投資と位置付け、対象領域として人事制度刷新、働き甲斐改革、人財開発、ウェルネス・DE&I、グローバリゼーションの5つの領域を定めました。今後、各領域が連動して施策を展開することにより、経営ビジョンを実現できる価値の高い人財(次世代経営人財)を継続的により多く輩出することを目指しております。また、健康と安全に配慮した働きやすい環境を確保するとともに、多様性と人格・個性を尊重し、資質・能力を最大限発揮できる職場環境の実現に向け以下の5つの重点領域に取組んでおります。

 

※ 関連する指標のデータ管理が、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、「人財の育成及び社内環境整備に関する方針」に記載の指標は提出会社単体の数値を記載しております。今後、連結グループ会社全体のデータを分析し、目標を設定した上で連結会社ベースでの開示を行ってまいります。

 


 

 (人財開発)

① 研修体系(Off-JT)の刷新

人財開発・育成の基本方針を、「多様多彩な人財を育成・確保し、事業基盤を強化する」と定めており、一人ひとりの能力向上促進に向け、OJT(On The Job Training)による育成を主体としております。

Off-JTでの人財育成では、現行職務のスキルアップを主目的とする研修プログラムと、一人ひとりのキャリアアップの志向に合わせて選択できる開発プログラムを整備し、中長期的な個人の成長を促しております。

② 次世代経営人財

次世代経営人財候補者が常時50名程度プールされている状態を実現するために、全社横断的な取り組みを実施しております。毎年度、各事業本部からポテンシャル人財を選抜し、伴走型コーチングを中心とした効果的な育成施策を展開することにより、経営人財への育成を目指しております(次世代経営人財累計80名)。育成にあたり人事統轄部に所属する社内のキャリアコーチが1on1の定期的・継続的なコーチングを実施し、経験学習サイクルを促進しております。

 

③ 協力会社の集う力を高める活動

サプライチェーン全体で建設業の担い手不足を解消し、協力会社連携・外国人採用など「協力会社の集う力」を高めていく人財の育成を行っております。

また、2022年7月に制定した戸田建設グループ人権方針に基づき、当社社員及び協力会社の社員の人権の尊重に対し取組んでおります。

 

 (人事諸制度の刷新)

若手からシニア層に至る従業員一人ひとりが、働き甲斐を実感でき、前向きに自己実現を図ることで、エンゲージメントが向上し、経営戦略の実現や企業価値の向上に資するよう、納得性、公平性の向上を図るため導入した役職と連動した等級・報酬制度の新人事制度を2023年度より導入しました。同時に、より納得性・公平性の高い新たな評価制度への移行や65歳までの選択定年(定年延長)制度の導入など、将来に向けて企業風土の改善や持続的な企業価値の向上の基盤となる人事制度へと刷新しました。

 

 (働き甲斐改革)

① 働きやすさ・やりがい

従業員一人ひとりが日々の仕事に働き甲斐を感じて、気持ちをひとつにチャレンジ精神を持っていきいきと仕事に臨むことができる環境を構築することで、新しい価値が生み出されます。また、従業員一人ひとりが思い描く理想の「ライフ(人生)」を実現する手段のひとつとして「ワーク(仕事)」を考え、家族や趣味、学びなどの手段とともに「Work in Life」の考え方を重視しております。

2024年度から適用された時間外労働の上限規制を踏まえ、近年、総実労働時間の短縮や休暇取得日数の増加などの取り組みを全社的に推進しております。さらに、経営者目線で事業案を考え、これまでの業務ではチャレンジできなかった領域に踏み出すことができるなど、従業員がより大きなやりがいや成長を実感できる機会を提供することを目的として、2022年度より社内ベンチャー制度を導入しました。

今後も引き続き、従業員が「Work in Life」を追求して、日々の業務に働き甲斐を実感できるような環境づくりを進めてまいります。

② 健康経営の推進

当社が持続的に成長し続けていくためには従業員が心身ともに「健康」であり続けることが必要不可欠であります。当社グループは、重要施策として「健康経営の推進」を掲げ、トップメッセージを通じて、心身ともに健康で成長と働き甲斐が実感できる職場環境を醸成するための各種取り組みを実施してまいりました。その結果、健康経営優良法人2025(ホワイト500)に継続認定されております。また、各種施策を通して抽出された健康関連の目標達成に向けた重要指標(KPI)を設定し、健康経営推進ワーキングによる活動を中心に各種取り組みを進めております。従業員のウェルビーイング(心身の健康と幸福)を実現するため、さらなる健康意識の向上に向けて取り組んでおります。

 

 (ウェルネス/ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進)

経営戦略上の位置付けとして、2031年の創業150周年に向けて「未来ビジョンCX150」を策定し、「多様性を力に」を掲げ、価値のゲートキーパーとして、協創社会を実現することを目指し歩みを進めております。

多様化したニーズを的確に把握し、社会に必要な価値を提供するためには、従業員の多様な価値観と能力が不可欠であると考えております。そのため、性別やLGBTQ+(性的マイノリティ)、国籍、人種、宗教、スキルなどの多様な背景を持つ人財が活躍できるよう、人権方針の策定や働きやすい環境の整備など、様々な取り組みを推進しております。

① 就業環境・制度の整備(フレックスタイム制度、テレワーク制度、両立支援制度の拡充)

・フレックスタイム制度

2018年よりフレックスタイム制度を導入し、ライフスタイルに合った柔軟な働き方を選択可能とすることで、労働生産性の向上にも繋げております。

・テレワーク制度

2021年に育児・介護等の用途に限定していた在宅勤務制度を全面的に見直し、社内外のサテライトオフィスでの勤務も可とするなど、多様な働き方への対応により、より働きやすい環境整備を行っております。

・両立支援制度

育児休業を取得する女性の復職を支援するため、企業主導型保育園の契約や「ならし保育休暇制度」などを導入し、復職後も柔軟な働き方を推進し、長期的なキャリア形成をサポートしております。また、2020年度より5年連続、男性育児休業取得率100%を達成しており、男性の積極的な育児への参加を可能とする社内風土を醸成してまいりました。さらに2022年の法改正に伴い男性の「産後パパ育休制度」を導入し、28日間を特別休暇(有給)とするなど、より利用しやすい育児休業制度の整備を実施しました。

選択定年(定年延長)制度によりシニア職の増加が見込まれることから、介護休業制度の充実や介護のハンドブックの活用により利用しやすい環境を整備しております。

② 心理的安全性の確保

管理職以上にアンコンシャス・バイアス研修を実施して、心理的安全性の高い組織の醸成を図っております(2024年度までに約1,700名受講)。

③ 女性活躍

女性の「キャリア形成」のため、女性経営者育成研修、大学講座等への派遣を行っております。当社の女性管理職比率は2024年度には4.7%に向上しております。また、次代の課長代理級を担う主任級の比率も年々上昇して2024年度に21.2%となり、女性活躍推進の基盤に厚みが増しつつあります。また女性の上級管理職の登用についても力をいれております。

女性従業員の登用状況

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

2024年度

女性従業員比率(%)

14.8

15.4

16.1

16.6

17.0

女性管理職比率(%)

2.6

3.1

3.7

4.3

4.7

女性上級管理職比率(%)

0.4

0.4

0.8

0.9

0.9

女性役員比率(%)

11.8

11.8

16.7

16.7

22.2

 

④ LGBTQに関する取り組み

LGBTQ+(性的マイノリティ)が働きやすい制度・環境の整備として、「同性パートナーシップ制度」の導入やLGBTQ+ガイドブック発行、研修の実施など、取り組みを推進しております。またALLY(理解者)の輪を広げ、誰もが安心して働くことができる職場風土づくりのため、オリジナルALLYシールを希望者に配布しております(2024年度までに2,618名に配布)。
 また、LGBTQ+への理解を深めるため、2023年度は全従業員を対象に無記名でLGBTQ+について意識調査と研修を実施し、3,345名が受講、2024年度には全役職員を対象にLGBTQ+ eラーニング(実践編②)を実施し、4,318名が受講しております。
 このような取り組みが評価され、セクシュアル・マイノリティへの取り組みの評価指標「PRIDE指標」において、2年連続シルバーを獲得しております。

 

 

 (グローバリゼーション)

グローバル人財の育成

当社は重点管理事業として位置付けている海外事業のさらなる推進に向けて、その担い手となる従業員の教育や就労環境の整備に取り組んでおります。また、進展するグローバル化の環境(多国籍・多言語・多文化など)に適応して着実に成果発揮できる「グローバル人財」の育成に注力しております。近年、研修体制を強化して、従業員の経歴や専門知識・能力・技術・人脈などに加えて、さらに必要とされる「語学力・自己発働思考・異文化理解力」の3点を習得できる環境を整備しております。

今後も国内外で活躍して企業価値の向上を牽引するグローバル人財を計画的・継続的に創出してまいります。