2026年5月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 1,558 100.0 120 100.0 7.7

3【事業の内容】

 当社は、「我々は、完全成功報酬制のM&A仲介会社として、質量ともに圧倒的なリーディング企業になり、優良企業の存続・発展、起業家精神の高揚、経済全体の生産性の向上に貢献する。」及び「我々は、様々な経営課題を解決することで、経営と経営者に付加価値を与え、企業や組織の経営力の向上に貢献し、社会に活力を与え、そして最も信頼される経営支援会社になる。」というビジョンの下、日本社会が抱える重要課題である中小企業の後継者不足問題等をM&Aで解決するために、創業以来、中小企業を中心としたM&A仲介サービスを提供しております。当社はM&A仲介事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(1) M&A仲介サービスについて

 当社のM&A仲介サービスは、会社売却を希望されている経営者に、初期のご相談から、売却見込額の査定、買い手候補企業・譲渡スキームの提案、必要資料の準備、買い手候補の選定、買い手候補への提案、買い手候補との面談、条件交渉、基本合意、デューデリジェンスのアレンジ、最終契約に至るまでワンストップで支援するサービスです。

 

(2) 当社の特徴

①完全成功報酬制の料金体系

 当社は、売り手・買い手ともに、着手金(一般的に仲介契約書締結時に発生)、中間金(一般的に基本合意書締結時に発生)を徴収せず、成功報酬のみでM&Aを支援しております。

 M&Aは必ず成立するというものではなく、交渉が進んでいても、最後の最後まで破談する可能性があります。最終的にM&Aが成立しなかった場合でも、着手金や中間金は返金されないケースが多くなっております。当社のM&A仲介サービスでは、M&Aが成立しなければ報酬は一切発生しませんので、顧客は不要なリスクを負うことなく、安心して利用することができます。

 

②低廉な最低成功報酬額(※1)

 M&A仲介業界では、各M&A仲介会社が成功報酬額の下限である最低成功報酬額を設定しております。上場している大手M&A仲介専門会社(※2)4社は、この最低成功報酬額として20百万円~25百万円を採用しております(2026年7月末日時点の各社HPを基に当社調べ)が、当社は15百万円と低い水準となっております。このため、国内中小企業M&A市場におけるボリュームゾーンである小規模案件について、当社の低廉な最低成功報酬額は、価格競争力を有します。

※1 最低成功報酬額とは、譲渡価格に一定の料率を乗じて算定される成功報酬について下限を設けるもので、小規模案件に適用されます。例えば、譲渡価格120百万円の案件であれば、最低成功報酬の設定がなければ成功報酬額は120百万円×5%=6百万円となりますが、最低成功報酬が15百万円と設定されていれば譲渡価格120百万円の案件であっても、成功報酬額は15百万円に固定されます。最低成功報酬額の設定は各社で大きく異なっております。

※2 M&A仲介専門会社とは、「連結又は単体売上高の90%以上がM&A仲介に係る売上高で構成されている会社」と定義しております。

 

 

③売買金額ベースの成功報酬算定方式

 上場している大手M&A仲介専門会社4社の中には、成功報酬の算定基準を移動総資産ベースとする会社もある中、当社は売買金額ベースの算定基準を採用しております。売買金額ベースの算定方式は移動総資産ベースの算定方式と比して顧客の負担額が下がるため、顧客にとってのコストメリットがあり、価格訴求力を有しております。

 

 

(3) 業務フロー

 当社のM&A仲介サービスは、M&Aの初期相談から最終のクロージングまで、コンサルタント1名が一気通貫で支援する体制をとっております。プロセスごとに担当を分ける分業制に対して、当社の一気通貫の支援体制では、全てのプロセスに精通したコンサルタントが最初から顧客の相談に乗ることで、顧客との信頼を醸成できることに加え、論点が早い段階で明確になり、顧客に寄り添った質の高いサービスが提供可能になります。

 また担当者間の非効率な情報共有、ミスコミュニケーションも発生せず、スピードと効率性が向上します。一方で、作成資料はダブルチェックする管理体制を整備しており、業務の質を担保するよう努めております。業務フローの各プロセスは以下の通りです。

 

① ソーシング

 インターネット等への広告出稿、ダイレクトメール、及びコールドコール(架電リストに対して行う新規の電話営業)によるダイレクトソーシング、並びに、金融機関等の提携先からの紹介によるネットワークソーシングを通じて、会社・事業の売却を希望する経営者又は企業(売り手)と会社・事業の買収を希望する企業(買い手)から幅広くM&Aに関する相談を受けます。

 なお、現在、当社では、広告出稿、ダイレクトメール及びコールドコールにより顧客を直接開拓するダイレクトソーシングを得意としておりますが、今後の更なる成長のために、これらの手法ではアクセスしにくい潜在顧客との接点を増やすべく、金融機関等の提携先からの紹介であるネットワークソーシングの強化を進めております。

 

② 案件化

 売り手から売却相談を受けた場合、秘密保持契約書(※1)を締結した上で、売却可能性の診断、企業価値評価、及び買い手候補の提案を行い、売り手と仲介契約書(※2)を締結します。仲介契約書を締結後、資料パッケージ(※3)の作成、買い手候補への打診を行います。

※1 秘密保持契約書:当社及び顧客が、M&Aの検討に際して相互に開示する情報に関して、秘密保持を約する契約書です。

※2 仲介契約書:当社が提供する業務内容、成功報酬等を定めた契約書です。

※3 資料パッケージ:企業(売り手)の会社概要、財務内容、希望条件等を含む案件概要書及び附属資料一式を指します。

 

③ 買い手への提案

 買い手から買収相談を受けた場合、買収希望をヒアリングした上で、買収ニーズを当社の社内データベースに登録します。その後、買い手の買収ニーズに合致する具体的な売却案件が出てきた際に、ノンネームシート(※1)による提案を行い、秘密保持契約書を締結した上で、詳細資料による提案を行います。その後、売り手とのトップ面談(※2)まで進む場合には、買い手と仲介契約書を締結します。

 このように、売り手の売却ニーズありきで、買い手候補に売却案件を紹介することが一般的ですが、これとは逆に、買い手の買収ニーズありきで、売り手候補にM&Aの打診をしていくこともあります。

※1 ノンネームシート:秘密保持契約書を締結する前の段階で買い手候補企業に提示する一枚ものの資料で、会社名等の具体的な会社が特定できる情報は記載せず、会社所在地、事業内容、売上規模等の情報を記載したものです。

※2 トップ面談:売り手と買い手が直接顔を合わせ、話し合い及び質問をすることで相互理解を深める面談です。

 

④ マッチング及びエグゼキューション

 当社は、売り手と買い手を中立的に仲介する立場として、売り手と買い手のマッチング、トップ面談の設定、意向表明書(※1)の授受、基本合意書(※2)の締結、デューデリジェンス(※3)の設定、最終条件の交渉、株式譲渡契約書(※4)等の契約書類等の調整、譲渡の実行・譲渡対価の支払(クロージング)まで、M&Aにおける一連のプロセスを支援し、クロージングが完了した段階で、売り手と買い手の双方から成功報酬を受領します。

 また、当社が売り手のファイナンシャル・アドバイザー(※5)、提携先が買い手のファイナンシャル・アドバイザー(又はその逆)の立場でM&Aを支援することもあり、この場合、M&Aが成立すれば、当社は売り手(又は買い手)からのみ成功報酬を受領します。

 なお、提携先から売り手又は買い手の紹介を受けていた場合は、クロージング後に、業務提携契約に定めた紹介料(売り手又は買い手から受領した成功報酬の一定割合)を当社から提携先に支払います。現状、主としてダイレクトソーシングによる案件開拓を行っていることから、当社の成約組数に占める提携先からの紹介案件比率は低くなっておりますが(2026年5月期において紹介料の支払が発生した案件は全成約49組中11組)、金融機関等との提携を担当するコンサルタントを置くなど提携先からの案件開拓の強化を進めております。

※1 意向表明書:買収目的、買収スキーム、買収価格、スケジュール等、記載した条件を基準に買収検討を進めたい旨を買い手が売り手に対して表明する書面です。

※2 基本合意書:売り手と買い手の間で合意した基本的条件や独占交渉期間等を定める契約書です。

※3 デューデリジェンス:M&A実行前に、買い手及び買い手が起用した専門家が、企業(売り手)に対して実施する調査であり、法務デューデリジェンス、財務デューデリジェンス、ビジネスデューデリジェンス等があります。

※4 株式譲渡契約書:譲渡価格、譲渡日、表明保証等、全ての最終的なM&Aの取引条件について定める契約書です。

※5 ファイナンシャル・アドバイザー:売り手側又は買い手側どちらか一方のみに対して助言を行うM&Aの専門家を指します。

 

 当社の通常の業務フローは以下のとおりです。

 

 

※ダイレクトソーシングとは、広告出稿、ダイレクトメール等によるインバウンドマーケティング及びコールドコール等によるアウトバウンドマーケティングを含む、提携先からの紹介ではない、当社が直接案件開拓する手法を指します。

 

 当社の事業系統図は以下のとおりです。

 

 

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当社の事業領域である中小M&A市場の現況としては、後継者不在を背景とした事業承継の解決策としてのM&Aニーズは根強く、中小企業庁が開催した「中小M&A市場の改革に向けた検討会(第3回)」の配布資料である『中小M&A市場の改革に向けた方向性について』(2025年10月7日公表)においても、経営者が60代以上かつ事業承継の意向が未定の法人企業が約26万者存在することを踏まえると中小M&Aはいまだ拡大を図っていく必要があると考えられる、と報告されております。また、単に事業承継を実現するための選択肢としてだけではなく、中小企業が成長を実現するための戦略的な手段としてもM&Aの推進を図っていく重要性が一層高まっているとも報告されております。このような社会課題解決のために政府主導で事業承継及びM&Aに対する支援策はより一層強化されていく流れもあり、中小M&A市場は継続して拡大していくと考えております。

 一方、中小M&A市場において売却案件の供給量が増加したこと等の背景もあり、買い手側が案件を慎重に検討し選別する姿勢を強めていること等を要因として、成約率が低下している状況にあります。

 当社は、上記環境に対応するため、「買い手情報リサーチチームによる買い手情報の収集強化」「コンサルティング部長の緊密な指導・営業支援による質の高い売却案件の獲得」「金融機関等との提携強化」「同業他社とそれぞれ売りFA/買いFAとして連携することにより成約組数を積み増す取り組み」に継続的に取り組んでおり、また、「インサイドセールス部門の新設によるコンサルタントの営業活動のサポート体制構築」により、案件成約及び成約率の向上を目指しております。

 しかしながら、大型案件を含む複数案件で検討期間の長期化や不成立が重なり、成約組数は前事業年度を上回ったものの、1組当たり売上高は31,797千円(前事業年度は44,004千円)となり、前事業年度と比較して減少しました。

 人員面につきましては、当事業年度末のM&Aコンサルタント数は49名(前事業年度末は42名)となりました。

 この結果、当事業年度においては、成約組数が49組(前事業年度は43組)、売上高1,558,064千円(前期比17.7%減)、営業利益119,931千円(同75.9%減)、経常利益127,630千円(同73.8%減)となり、当期純利益85,842千円(同72.4%減)となりました。

 なお、当社はM&A仲介事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② 財政状態の状況

(資産の部)

 当事業年度末の流動資産につきましては、前事業年度末に比べ119,947千円増加し、2,078,504千円となりました。これは主として、現金及び預金が109,691千円増加したことなどによるものであります。

 当事業年度末の固定資産につきましては、前事業年度末に比べ7,083千円減少し、159,797千円となりました。これは主として、建物が3,513千円減少し、敷金及び保証金が2,456千円減少したことなどによるものであります。

 

(負債の部)

 当事業年度末の流動負債につきましては、前事業年度末に比べ93,831千円増加し、317,755千円となりました。これは主として、決算賞与等の未払金が106,870千円増加し、未払費用が7,746千円減少したことなどによるものであります。

 

(純資産の部)

 当事業年度末の純資産につきましては、前事業年度末に比べ19,032千円増加し、1,920,546千円となりました。これは主として、利益剰余金が当期純利益の計上により85,842千円増加し、剰余金の配当により96,300千円減少した一方で、資本金及び資本剰余金が役職員によるストック・オプションの行使によりそれぞれ14,744千円増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は822,388千円であり、前事業年度末に比べ1,090,308千円の減少となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は176,469千円(前事業年度は224,300千円の使用)となりました。これは主に、法人税等の支払額が56,568千円あった一方で、税引前当期純利益が127,630千円、未払金の増加額が106,837千円あったことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は1,200,000千円(前事業年度は6,800千円の使用)となりました。これは、定期預金の預入による支出が1,200,000千円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は66,778千円(前事業年度は228,036千円の獲得)となりました。これは、株式の発行による収入が29,489千円あった一方で、配当金の支払額が96,267千円あったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当社はM&A仲介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

 当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自2025年6月1日

至2026年5月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

M&A仲介事業

1,558,064

82.3

合計

1,558,064

82.3

(注) 最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自2024年6月1日

至2025年5月31日)

当事業年度

(自2025年6月1日

至2026年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

日本グロース・キャピタル株式会社

280,781

14.8%

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益・費用に影響を与える見積り及び判断を必要としております。

 当社は、財務諸表の基礎となる見積りについて過去の実績に基づき合理的であると考えられる判断を行ったうえで計上していますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、見積りと実際の結果とが異なる場合があります。

 当社の財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりです。

 また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の分析

 当社の経営成績等については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、資金需要のうち主なものは、事業拡大のための広告宣伝費、採用費、人件費等であります。また、資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローによって確保しております。

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析

 当社では経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として売上高及び成約組数を重視しております。また、これらに影響を与える指標として、成約1組当たりの売上高、コンサルタント1人当たりの成約組数、及び平均コンサルタント数を把握・管理しております。

 当事業年度における売上高は1,558,064千円(前期比17.7%減)、成約組数は49組(同14.0%増)となりました。また、成約1組当たりの売上高31,797千円(同27.7%減)、コンサルタント1人当たりの成約組数は1.1組(同増減なし)、平均コンサルタント数(※)は45.5人(同19.7%増)となりました。

 成約1組当たりの売上高は、大型案件を含む複数案件で検討期間の長期化や不成立が重なったことで減少しましたが、成約組数と平均コンサルタント数は、前事業年度と比較して増加しております。

 しかしながら、売上高について、前事業年度を下回る結果となっております。

(※)平均コンサルタント数は、前期末と当期末のコンサルタント数の和を2で除して算定しております。