2026年6月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 14,369 100.0 4,200 100.0 29.2

3【事業の内容】

 当社は感染症臨床検査用の抗原検査キットメーカーとして、創業以来30年以上の長きにわたり、様々な分析技術を応用した体外診断用医薬品等を製造し、国内を中心として海外にも販売しております。高品質な製品と顧客サービスを提供する企業として、医薬品卸売販売業者を通じてエンドユーザーとして病院及び開業医のみならず、WHO等の国際機関、研究機関やバイオベンチャー企業等にも製品を提供し、事業活動を行っております。

 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 当社主力製品は、イムノクロマト法※を利用することで、特別な装置を必要とせず患者のそばで迅速な診断を可能な抗原検査キットであります。他の検査手法としては例えばPCR検査が挙げられますが、PCR検査は検出する対象が核酸であるため、イムノクロマト法を利用した抗原検査キットの検出対象であるウイルスタンパク質とは性質が異なり、また検査の特性・目的も異なります。判定時間・手技の簡易さ・検査コスト等の観点から、当社は感染症検査のマーケットのニーズには、イムノクロマト法を利用した製品がより適していると考えております。

 

※ イムノクロマト法:この方法を利用した代表的な検査薬としては、薬局等で広く販売されている妊娠診断薬が挙げられます。この検査法のおおまかな原理は、以下のとおりになります。①テストプレートの試料滴下部に検体を滴下すると、検体はテストストリップへ浸透します。検体中の標的抗原は、コロイド等に標識された標識抗体との反応が始まります。この標識抗体は、標的抗原に対して特異的に結合する抗体を使用しております。②標的抗原と標識抗体を含む溶液はメンブレン内を毛細管現象により展開しながら、さらに標的抗原と標識抗体との反応が進みます。③標識抗体と反応した標的抗原の複合体は、メンブレン上に固定化された抗体(判定ライン)と標的抗原が反応し標識抗体と標的抗原の複合体が捕捉されます。この結果、判定ライン上に標識物が集積しラインとして目視判定が可能となります。④標的抗原と反応しなかった標識抗体は、標識抗体認識抗体(コントロールライン)と反応し、標識物が集積しラインとして目視判定が可能となり、検査が正常に機能したことを示します。陽性であれば2本のライン、陰性であれば1本のラインが出現、出現したラインを目視で確認するだけの簡便な検査法であります。

 

<イムノクロマト法の原理>

 

※ 各部の名称:テストストリップは標識抗体を含むパット部から吸収パッドまですべての部材を含むものを指しております。①検体滴下部では、滴下した標的抗原と抗体が結合する反応が起こります。メンブレンは図中のとおり、検体と標識抗体が展開される部位を指します。また、図の下段で示しているとおり、図①~④の一連の反応が起こるテストストリップはプラスチック製のカバーで覆われますが、これらを総合してテストプレートと呼びます。

 

 当社の製品の特長としては、以下の事項が挙げられます。

検体抽出液の共通使用

検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・SARS-CoV-2/Flu・Flu・アデノ・hMPV・RSV Neo・Flu/RSVで共通使用が可能

 

 

 

検体抽出液の共通化の大きなメリットは、1回の検体採取、1回の抽出操作で、複数項目を検査できる点にあります。新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症の診断においては鼻咽頭ぬぐい検体が使用されますが、検体採取において鼻咽頭部(鼻腔の最奥)までスワブを挿入する必要があり、軽微ながらも痛みを伴うことがあります。検体採取を一度で完了させることができることは、被検者と医療従事者双方において検体採取における負担が軽減され、また業務効率の観点からも有益であると考えております。

ブラックライン

独自開発のナノテクノロジー「白金-金コロイド」採用により判定ライン・コントロールラインを視認性の高いブラックラインで表示

 

 

他社イムノクロマト法製品においては、標識物が金コロイド粒子又はカラーラテックスが主流となっておりますが、当社は独自の白金―金コロイド粒子を用いております。当社技術の白金―金コロイド粒子を用いると判定ラインは黒色となりますが、金コロイド粒子では赤紫色、カラーラテックスでは主に赤色と青色となります。従来技術の色調と比較し、当該技術を用いた黒色のラインは背景となるメンブレンの白色とのコントラスト差が大きくなるため、判定ラインの視認性が高くなると考えております。

 

 ユーザーからは、当社製品の使用感として、①独自のブラックラインを用いた判定ラインの見易さ(視認性)、②診断の正確性(感度・特異度)、③キットに同梱されている綿棒(コパン社製)の使いやすさと患者に対する侵襲性の低さ、④高感度を保ったうえでの判定時間の短さ、が主に評価され、これらの理由から当社製品を選択頂いているケースが多いものと認識しております。

 

 

 当社の主な製品は、以下のとおりであります。

製品名

一般的名称

製品の特長

イムノエース®Flu

インフルエンザウイルス抗原検査キット

・判定時間※は5分(陽性は3分から判定が可能)

・判定ラインはブラックライン

・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用

・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・アデノ・hMPV・RSV Neoと共通使用が可能

イムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ

新型コロナウイルス抗原検査キット

・判定時間は10分(陽性は10分より前でも判定部[T]及び[C]の両方にラインが認められた場合には判定可能)

・判定ラインはブラックライン

・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用

・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®Flu・アデノ・hMPV・RSV Neo・Flu/RSVと共通使用が可能

イムノエース®SARS-CoV-2 Saliva

新型コロナウイルス抗原検査キット

・唾液を検体とした抗原定性検査キット

・判定時間は20分(陽性は20分より前でも判定部[T]及び[C]の両方にラインが認められた場合には判定可能)

・判定ラインはブラックライン

・スワブによる侵襲がなく、くしゃみによる飛沫発生もない

イムノエース®SARS-CoV-2/Flu

新型コロナウイルス抗原検査キット

インフルエンザウイルス抗原検査キット

・SARS-CoV-2とFluを同時に検査

・判定時間は15分(陽性は15分より前でも判定部[T]又は[A]又は[B]及び[C]の両方にラインが認められた場合には判定可能)

・判定ラインはブラックライン

・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用

・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース® アデノ・hMPV・RSV Neoと共通使用が可能

イムノエース® アデノ

アデノウイルス抗原検査キット

・判定時間は5分(陽性は3分から判定が可能)

・判定ラインはブラックライン

・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み咽頭・角結膜用スワブを採用

・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・SARS-CoV-2/Flu・Flu・hMPV・RSV Neo・Flu/RSVと共通使用が可能

イムノエース®Strep A Neo

A群β溶血連鎖球菌抗原検査キット

・判定時間は5分

・判定ラインはブラックライン

・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み咽頭・角結膜用スワブを採用

イムノエース®hMPV

ヒトメタニューモウイルス抗原検査キット

・判定時間は5分(陽性は3分から判定が可能)

・判定ラインはブラックライン

・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用

・検体抽出液は(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・SARS-CoV-2/Flu・Flu・アデノ・RSV Neo・Flu/RSVと共通使用が可能

イムノエース® マイコプラズマ

マイコプラズマ抗原検査キット

・判定時間は15分(陽性は5分から判定が可能)

・判定ラインはブラックライン

・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み咽頭・角結膜用スワブを採用

・取り違い防止のため、アルミシールにMycoと印字し、紫に着色した検体抽出液容器(本体及びノズル)を採用

イムノエース®RSV Neo

RSウイルス抗原検査キット

・判定時間は5分(陽性は3分から判定が可能)

・判定ラインはブラックライン

・ナイロン軸で植毛タイプの滅菌済み鼻腔用スワブを採用

・検体抽出液(鼻咽頭ぬぐい液)はイムノエース®SARS-CoV-2 Ⅲ・SARS-CoV-2/Flu・Flu・アデノ・hMPVと共通使用が可能

イムノエース® ノロ

ノロウイルス抗原検査キット

・判定時間は10~15分

・判定ラインはブラックライン

・滅菌済みスポンジスワブを採用

・検体抽出液容器の取り違い防止(検体抽出液容器・ノズルを淡橙に着色)を採用

・スワブ輸送用チューブを付属

※ 判定時間:各キットで定められた陽性・陰性判定を実施する時間のこと。通常、抗原検査キットにおいては陰性であることを確認(判定)することで本検査を終了しております。キットによっては判定時間まで待つことなく陽性判定を行うことができ、このような場合は判定時間に関わらず陽性判定できます。

 

 

[事業系統図]

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は前事業年度末に比べ8,105百万円増加し、44,620百万円となりました。

 流動資産は、前事業年度末と比べ3,787百万円増加し、19,264百万円となりました。これは主に、未収入金が3,919百万円増加、未収消費税等が1,144百万円増加したこと等によるものであります。

 固定資産は、前事業年度末と比べ4,317百万円増加し、25,355百万円となりました。これは主に、新工場建設に伴う有形固定資産が2,968百万円増加、無形固定資産が245百万円減少、投資有価証券の取得により投資その他の資産が1,594百万円増加したことによるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債合計は前事業年度末に比べ6,102百万円増加し、25,200百万円となりました。

 流動負債は、前事業年度末と比べ5,723百万円増加し、15,253百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が4,617百万円増加、短期借入金が3,000百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べ378百万円増加し、9,946百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が1,135百万円増加、長期借入金が782百万円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は前事業年度末に比べ2,002百万円増加し、19,420百万円となりました。

 これは主に、国庫補助金に伴う固定資産圧縮積立金が増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度(2025年7月1日~2026年6月30日)における体外診断用医薬品業界の事業環境につきましては、例年より早い9月下旬からインフルエンザの流行期入りし、長期間にわたり流行が継続した一方で、新型コロナウイルス感染症の流行規模は前期を大幅に下回る水準で推移いたしました。

 この結果、当事業年度の売上高は14,369百万円(前期比22.9%減)、営業利益は4,200百万円(同49.2%減)、経常利益は3,952百万円(同51.9%減)となりました。また、特別利益として国庫補助金4,363百万円を計上したことにより、当期純利益は5,495百万円(同13.0%減)となりました。

 なお、当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

<四半期売上高推移>(百万円)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

24年6月期

6,943

4,673

4,754

2,063

18,434

25年6月期

6,419

5,561

5,626

1,020

18,627

26年6月期

2,368

5,908

2,386

3,705

14,369

 四半期売上高の推移につきましては、前第4四半期会計期間は市中在庫の調整の影響を受けて売上高が低迷していたのに対して、当第4四半期会計期間の売上高は3,705百万円(前年同期比263.3%増)となりました。

 

<事業年度別 P/L比較>(百万円)

 

24年6月期

25年6月期

26年6月期

前年

同期比

売上高

18,434

18,627

14,369

△22.9%

(内、自治体向け売上)

159

-

-

-

売上総利益

12,498

12,774

8,821

△30.9%

売上総利益率(%)

67.8%

68.6%

61.4%

△7.2%

営業利益

8,030

8,265

4,200

△49.2%

営業利益率(%)

43.6%

44.4%

29.2%

△15.2%

経常利益

7,840

8,219

3,952

△51.9%

経常利益率(%)

42.5%

44.1%

27.5

△16.6%

当期純利益

5,774

6,315

5,495

△13.0%

当期純利益率(%)

31.3%

33.9%

38.2%

4.3%

 当事業年度における損益につきましては、売上高の減少の影響により、営業利益、経常利益及び当期純利益は、それぞれ前期を下回りました。

 

<第4四半期会計期間 P/L比較>(百万円)

 

24年6月期

25年6月期

26年6月期

前年

同期比

売上高

2,063

1,020

3,705

263.3%

(内、自治体向け売上)

-

-

-

-

売上総利益

1,188

89

1,779

-

売上総利益率(%)

57.6%

8.8%

48.0%

39.2%

営業損益

△195

△1,065

690

-

営業損益率(%)

△9.5%

△104.5%

18.6%

-

経常損益

△408

△1,076

608

-

経常損益率(%)

△19.8%

△105.5%

16.4%

-

四半期純損益

△132

△330

3,051

-

四半期純損益率(%)

△6.4%

△32.4%

82.3%

-

 当第4四半期会計期間における損益につきましては、前第4四半期にみられた市中在庫調整の影響が解消したことから、売上高は前年同期を大幅に上回りました。これに伴い、営業利益及び経常利益は黒字となりました。また、特別利益として国庫補助金4,363百万円を計上したことにより、四半期純利益は3,051百万円となりました。

 

<事業年度別 主要製品別売上高 >(百万円)

主要製品別売上高

24年6月期

25年6月期

26年6月期

前年

同期比

新型コロナ単品

検査キット

4,712

4,854

3,460

△28.7%

新型コロナ/インフル

エンザコンボ検査キット

6,375

7,921

5,529

△30.2%

インフルエンザ

検査キット

4,087

3,314

2,697

△18.6%

その他

3,259

2,537

2,682

5.7%

合計

18,434

18,627

14,369

△22.9%

 当事業年度における主要製品別の売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の流行規模が前期を大幅に下回る水準で推移したことなどにより、主要製品の売上高はいずれも前期を下回りました。

 

<第4四半期会計期間 主要製品別売上高>(百万円)

主要製品別売上高

24年6月期

25年6月期

26年6月期

前年

同期比

新型コロナ単品

検査キット

755

183

863

371.2%

新型コロナ/インフル

エンザコンボ検査キット

333

192

1,356

602.8%

インフルエンザ

検査キット

220

61

457

645.8%

その他

753

582

1,028

76.5%

合計

2,063

1,020

3,705

263.3%

 当第4四半期会計期間における主要製品別の売上高につきましては、前第4四半期会計期間における市中在庫調整の影響が解消したことなどから、主要製品の売上高はいずれも前年同期を大幅に上回りました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ5,703百万円減少し、3,563百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度に比べ9,643百万円少ない、2,825百万円の支出となりました。これは主に、売上債権の増加や消費税還付に伴う未収消費税等が増加したことに加え、仕入債務が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度に比べ3,082百万円少ない、6,175百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出及び投資有価証券の取得による支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度に比べ1,016百万円多い、3,297百万円の収入となりました。これは主に、新工場建設に伴う長期借入れによる収入及び配当金の支払額によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

事業区分の名称

当事業年度

(自 2025年7月1日

 至 2026年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

体外診断用医薬品事業(注2)

14,082,158

65.2

合計

14,082,158

65.2

 (注)1.金額は販売価格によっております。

    2.当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、新型コロナウィルス感染症の流行の縮小により、生産実績が大幅に減少したことによるものです。

 

b.受注実績

 当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

事業区分の名称

当事業年度

(自 2025年7月1日

 至 2026年6月30日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

体外診断用医薬品事業

14,369,220

77.1

合計

14,369,220

77.1

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2024年7月1日

至 2025年6月30日)

当事業年度

(自 2025年7月1日

至 2026年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

スズケングループ

11,058,579

59.4

10,014,928

69.7

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。

 なお、採用している重要な会計方針及び見積りに関しましては、「第5 経理の状況」に記載のとおりであります。

 

② 経営成績等の分析

 当事業年度(2025年7月1日~2026年6月30日)における体外診断用医薬品業界の事業環境につきましては、例年より早い9月下旬からインフルエンザの流行期入りし、長期間にわたり流行が継続した一方で、新型コロナウイルス感染症の流行規模は前期を大幅に下回る水準で推移いたしました。

 これらの結果として、当事業年度の売上高、各段階利益は前期比で減収減益となって着地しました。

 

a.売上高

 当事業年度における売上高は14,369百万円となり、前事業年度に比べ4,258百万円減少(対前期比22.9%減)いたしました。これは主に、当事業年度にて新型コロナウイルス感染症の流行規模が縮小した影響を受けたものの、インフルエンザキット及びコンボキットの販売は引き続き堅調に推移し、国内売上を13,890百万円計上、輸出売上を478百万円計上したこと等によるものであります。

 

b.売上原価、売上総利益

 当事業年度における売上原価は5,547百万円となり、前事業年度に比べ305百万円減少(対前期比5.2%減)いたしました。これは主に、製品売上減少に伴い材料費が753百万円減少(対前期比23.8%減)、労務費が90百万円増加(対前期比9.2%増)、製造経費が16百万円減少(対前期比0.6%減)したことによるものであります。

 この結果、当事業年度における売上総利益は8,821百万円となり、前事業年度に比べ3,953百万円減少(対前期比30.9%減)いたしました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業損益

 当事業年度における販売費及び一般管理費は4,621百万円となり、前事業年度に比べ111百万円増加(対前期比2.5%増)いたしました。これは主に、人件費総額が38百万円増加(対前期比2.7%増)に加え、その他の項目で73百万円増加(対前期比2.4%増)したこと等によるものであります。

 この結果、当事業年度における営業利益は4,200百万円となり、前事業年度に比べ4,064百万円減少(対前期比49.2%減)いたしました。

 

d.営業外収益、営業外費用、経常損益

 当事業年度において、営業外収益が24百万円発生いたしました。主な要因は、受取利息を14百万円、受取配当金7百万円計上したこと等によるものであります。また、営業外費用が272百万円発生いたしました。主な要因は、借入に伴い発生する支払利息を264百万円計上したこと等によるものであります。

 この結果、当事業年度における経常利益は3,952百万円となり、前事業年度に比べ4,267百万円減少(対前期比51.9%減)いたしました。

 

e.特別損益、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額、当期純損益

 当事業年度において、特別利益が4,365百万円発生いたしました。主な要因は、国庫補助金が4,363百万円発生したことによるものであります。また、特別損失が422百万円発生しました。主な要因は、関係会社株式評価損が391百万円発生したこと等によるものであります。

 法人税、住民税及び事業税が1,288百万円、法人税等調整額が1,112百万円発生いたしました。

 この結果、当事業年度における当期純利益は5,495百万円となり、前事業年度に比べ820百万円減少(対前期比13.0%減)いたしました。

 

③ 財政状態の分析

 当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は金融機関からの借入により資金調達することとしております。また、当社は、資金の効率的な活用と借入金利息の削減を目的として、月次での資金計画等により資金管理を行っております。

 なお、財政状態の分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

 当社のキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.資本の財源

 当社の資金需要については、人件費や外注費、支払手数料、広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等の営業活動に必要な運転資金が主なものであります。これらの資金需要に対する資本の財源は、手許資金、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により必要とする資金を調達しております。なお、当面の資金繰りのための資金は十分に確保していると判断しております。

 

b.資金の流動性に関する分析

 月次での資金計画等により資金管理に努めており、また、当座貸越契約により、必要に応じて資金調達ができる体制を整えることで十分な流動性を確保しております。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因について、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦ 経営戦略の現状と見通し

 当社の経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

(参考情報)

 当社は経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算出されたEBITDA及びEBITDAマージンを重要な経営指標として位置づけており、過去の推移は以下のとおりであります。

 

・EBITDA及びEBITDAマージン

(単位:千円)

 

当社

(単体)

 

第7期

第8期

第9期

第10期

第11期

決算期

2022年6月期

2023年6月期

2024年6月期

2025年6月期

2026年6月期

売上高

17,456,987

15,673,099

18,434,863

18,627,990

14,369,220

うち、厚生労働省との買取取引に係る売上高

8,411,808

-

-

-

-

厚生労働省との買取取引分を除く売上高

9,045,179

-

-

-

-

売上総利益

14,682,308

9,199,913

12,498,332

12,774,997

8,821,472

うち、厚生労働省との買取取引に係る売上総利益

7,762,670

-

-

-

-

厚生労働省との買取取引分を除く売上総利益

6,919,637

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営業利益又は営業損失

11,189,556

4,967,275

8,030,094

8,265,025

4,200,408

厚生労働省との買取取引分を除く営業利益

3,426,885

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+減価償却費

567,260

639,973

676,163

715,426

1,125,023

+特許権償却費

-

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+のれん償却費

-

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EBITDA

11,756,816

5,607,249

8,706,258

8,980,452

5,325,431

厚生労働省との買取取引分を除くEBITDA

3,994,146

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EBITDAマージン

67.3%

35.8%

47.2%

48.2%

37.1%

厚生労働省との買取取引分を除くEBITDAマージン

44.2%

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 (注)1.EBITDA=営業利益又は営業損失+減価償却費+特許権償却費+のれん償却費

2.EBITDAマージン=EBITDA÷売上高

3.厚生労働省との買取取引分を除く営業利益=営業利益-厚生労働省との買取取引に係る売上総利益

4.厚生労働省との買取取引分を除くEBITDA=厚生労働省との買取取引分を除く営業利益+減価償却費+特許権償却費+のれん償却費

5.厚生労働省との買取取引分を除くEBITDAマージン=厚生労働省との買取取引分を除くEBITDA÷厚生労働省との買取取引分を除く売上高