2024年5月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

(単一セグメント)
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 945 100.0 351 100.0 37.1

事業内容

3【事業の内容】

 当社は、金融・経済情報プラットフォーム事業の単一セグメントであり、事業としてSNS「PostPrime」を運営しております。

 

(1)当社SNSのコンセプト

 当社は、金融・経済情報プラットフォーム事業の主力事業として、SNS「PostPrime」を運営しております。

 SNSは、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、一般的にユーザーが会員登録することによって、自らが情報発信したり、別のユーザーが発信する情報の入手や検索が容易にできるようになるサービスであり、ユーザー間での情報交換などの交流を促進する機能を備えていること等に特徴があります。

 当社が事業として運営しているSNS「PostPrime」は、当初から金融・経済を中心としたコンテンツを標榜していたことから、SNSの中でも、とくに金融・経済の分野に強みを持つことに特徴があります。

 これまでのところ、SNS「PostPrime」が着実に登録ユーザー数を増加させてきた背景には、金融・経済の分野の情報の特殊性と、それゆえの社会的なニーズがあると当社は考えております。

 金融・経済の分野の情報の特殊性としては、「専門性」「情報の非対称性」「速報性」などがあげられると考えられます。

 「専門性」が高く金融機関等で経験を積んでいない、または金融に関する教育を受けていない一般的な人々にとっては、金融・経済分野自体がわかりにくいという特殊性があります。もちろん、金融・経済の分野の専門紙・専門誌や、情報ベンダー等も多く存在しておりますが、それらも専門性が高く一般的には難解な情報となっている場合も多いと考えられます。この点、SNSはユーザーからユーザーへの情報発信であり、ユーザー目線での情報発信も多く、また、より多くの支持を集める情報発信は初心者にもわかりやすい情報発信となっているという傾向がみられます。加えて、SNS「PostPrime」では、文章だけではなく、画像、音声、動画、ライブ配信などの様々な情報発信の方法が活用でき、ユーザーがわかりやすい情報発信をするための機能が充実している上、ユーザーからユーザーへのコメント機能やライブチャット機能等の利用によって質問などをすることも可能となっています。

 また、「情報の非対称性」についてですが、「専門性」が高いがゆえに、金融商品を提供する金融機関と、金融商品を購入する消費者の間で情報格差が生まれてしまい、圧倒的な情報収集を行っている金融機関が金融商品を販売するにあたって、金融機関に有利で、消費者に不利となる可能性がある場合が発生してしまうという構造的な問題があります。この点、SNSでは、多くのユーザーから、金融機関を利用する側としての情報発信がなされており、ユーザーが多方面からの情報を入手できるようになることから、金融機関と消費者の間の情報格差を解消することに役立つと考えられます。

 最後に、「速報性」について、金融・経済の分野の情報は、株式市場や為替相場等のマーケットをタイムリーに大きく動かすような情報もあり、旧来のメディアである金融・経済の分野の専門紙・専門誌では、スピードの面で対応しきれない面があります。なお、金融・経済の分野の情報ベンダーもありますが、「専門性」の問題もあり、まだ一般的な個人による利用が拡大しているとは必ずしもいえない状況と考えております。この点、SNSはユーザーによる情報発信が容易なサービスであり、一般的に「速報性」の高い情報発信がなされるメディアとして認知されています。

 これらのような旧来のメディアにはなかった様々な利点がある一方で、SNSは、匿名であることが多いユーザーによる情報発信の集積であることもあり、発信される情報の質が担保されているのかが問題になってきます。この点、SNS「PostPrime」には、発信される情報の質を担保するための仕組みがあり、そのことがSNS「PostPrime」の大きな特徴になっております。

 以上のように「専門性」「情報の非対称性」「速報性」といった金融・経済の分野の情報の特殊性については、それぞれ解決が望まれる社会的な課題があり、金融・経済の分野に強みを持つSNS「PostPrime」は、それらの課題に直面するユーザーの課題解決への貢献を通じて、サービスの展開を進めてまいりたいと考えております。

 

(2)SNS「PostPrime」の概要

①SNS「PostPrime」のサービスの概要

 当社が運営するSNS「PostPrime」では、ユーザーは無料で会員登録することができます。

 会員登録したユーザーは、文章、画像、音声、動画、ライブ配信などの様々な情報発信の方法を選択して、無料で投稿することができるとともに、他のユーザー等の投稿を視聴・閲覧することができます。

 「プライム登録」は、他のユーザー等の投稿を有料で視聴・閲覧するために登録するサービスとなっており、登録するには、一定の視聴・閲覧期間に対応する料金を支払う必要があります。

 また、ユーザーは「メンバーシップ」という有料で特典が付与されるサービスに申し込むことによって、「プライム登録」の支払にあたり、メンバーシップのグレードに応じた割引が受けられる他、ユーザーによる株式指数等に関する予想の投票を集計した結果について、グレードに応じて、より有利な情報を閲覧できるようになります。

 これらの他にも、ユーザー間での情報連携などの交流を促進する機能として、ユーザーからユーザーへのコメント機能やライブチャット機能等、無料で使用できる機能があるなど、様々な無料または有料の機能があります。

 さらに、SNS「PostPrime」のユーザーは、一定の要件をクリアし、後述する「プライムクリエイター」になることによって、自らの投稿の一部を有料投稿として設定することができ、自らの情報発信によって収益を獲得することが可能になります。

 「プライムクリエイター」になるためには、ユーザーとして活動中に、他ユーザーからの閲覧数、いいね数、コメント数等の評価だけではなく、ユーザー本人による投稿数や他のユーザーに対するいいね数、コメント数等の行動まで含めたデータを評価する「バッジシステム」によって、一定のレベルに達することが必要とされています。その後、「プライムクリエイター」になるための申請を行い、過去の投稿に対するチェックなどを含めた当社の審査を通過することにより、「プライムクリエイター」として承認され、自身の投稿を収益化できるようになります。

 

(「PostPrime」サービス概要)

 

 

(「PostPrime」の画面イメージ)

 

 

(プライム登録までの流れ)

(メンバーシップ登録までの流れ)

 

②SNS「PostPrime」の特徴

 当社が主力事業として運営しているSNS「PostPrime」には、主に3つの特徴があります。

 それは、「SNS」であること、その中でも、「とくに金融・経済分野のコンテンツが多いという強みを持っている」こと、「発信される情報の質を担保するための仕組み」があることです。

 SNS「PostPrime」では、情報発信の方法として、ユーザーがわかりやすい情報発信をするための機能が充実しており、文章だけではなく、画像、音声、動画、ライブ配信などの様々な情報発信の方法を無料で選択することができます。さらに、ユーザー間での情報連携などの交流を促進する機能として、ユーザーからユーザーへのコメント機能やライブチャット機能等があり、ユーザーは疑問点を解消するために質問などをすることも可能となっています。

 次に、SNS「PostPrime」は、SNSの中でも、とくに金融・経済分野のコンテンツが多いという強みを持っているSNSとなっております。

 この特徴によって、金融・経済の分野についてのより有益な情報を入手したいユーザーにとって、SNS「PostPrime」を利用すれば、金融・経済の分野についてのより有益な情報を入手することが容易になるという意味で、SNS「PostPrime」を利用する動機になっていると考えております。

 さらに、SNS「PostPrime」がSNSであり、旧来のメディアにはなかった様々な利点があるということによって、「専門性」「情報の非対称性」「速報性」といった金融・経済の分野の情報の特殊性ゆえの課題に対して、金融・経済の分野についてのより有益な情報を入手したいユーザーが、よりわかりやすく、よりユーザー視点に立った情報を、より迅速に入手することが容易になっております。

 

(ライブ投稿のイメージ)              (チャート機能)

 

 

 また、SNS「PostPrime」には、発信される情報の質を担保するための仕組みがあります。

 それらの仕組みとしては、まず、SNS「PostPrime」のシステム上で良質な投稿を優先表示させる仕組みである当社独自の「バッジシステム」があげられます。

 SNS「PostPrime」のユーザーは、他のユーザーからの閲覧数、いいね数、コメント数等の評価だけではなく、ユーザー本人による投稿数や他のユーザーに対するいいね数、コメント数等の行動まで含めたデータを自動収集した結果の相対評価として自動的に「バッジ」が付与されます。「バッジ」は10段階に設定されており、相対評価によってレベルアップが可能となっています。この「バッジシステム」による「バッジ」、投稿の閲覧状況等によって、SNS「PostPrime」のシステム上で良質な投稿を優先表示させることになりますので、SNS「PostPrime」のユーザーは、良質な投稿や行動をするインセンティブを持つことになります。

 次に、SNS「PostPrime」のユーザーは、一定の要件をクリアすることによって、自らの投稿の一部を有料投稿として設定することができ、自らの情報発信によって収益を獲得することができるようになることがあげられます。

 「バッジシステム」における「バッジ」がレベル4に到達したユーザーは、自らの投稿の一部を有料投稿として設定することができる「プライムクリエイター」になるための申請が可能となります。そして、ユーザーによる申請後、過去の投稿に対するチェックなどを含めた当社独自の審査をクリアすることができれば、「プライムクリエイター」となり、自らの情報発信によって収益を獲得することができるようになります。自らの情報発信によって収益を獲得することを目指すユーザーは、良質な投稿を継続しなければなりませんので、このことも、SNS「PostPrime」のユーザーが、良質な投稿や行動をするインセンティブを持つことになります。

 さらに、「プライムクリエイター」となった後も、「バッジシステム」によって、「バッジ」がレベルアップすることでSNS「PostPrime」のシステム上で投稿をより優先的に表示させることができますので、SNS「PostPrime」のユーザーが、良質な投稿や行動を継続させていくインセンティブを持つことになります。

 「SNS」であること、その中でも、「とくに金融・経済分野のコンテンツが多いという強みを持つ」こと、「発信される情報の質を担保するための仕組み」があることといった3つの主な特徴によって、SNS「PostPrime」において、金融・経済の分野についてのより有益な情報を入手したいユーザーが、よりわかりやすく、より迅速に、よりユーザー視点に立った情報であり、かつ質を担保する仕組みの中で発信された情報を入手することを容易にできると考えております。

 

(「バッジシステム」について)

 

 ■バッジの基準となるデータについて

 以下の3つの指標とその他データを集計し、レベル分けを行います。インタレスト、エンゲージ、フォロワーの基準は、AND条件であり、全て満たす必要があります。過去の一定期間のデータを使用します。バッジとその基準となるインタレスト、エンゲージは、一定期間ごとに、更新されます。フォロワーは、フォローされた瞬間に更新されます。

インタレスト

…他のユーザーからの関心度を示します。ユーザーによる投稿への閲覧数・いいね数・コメント数・保存数・シェア数に基づいて算出されます。

 

エンゲージ

…ユーザーの行動力を示します。ユーザーによる投稿数に加え、他のユーザーの投稿への閲覧数・いいね数・コメント数・保存数・シェア数に基づいて算出されます。

 

フォロワー

…フォロワー数を示します。

 

(3)当社の収益構造

①「プライム登録売上」

 SNS「PostPrime」において、ユーザーは、他のユーザー等による文章、画像、音声、動画またはライブ配信による投稿を視聴・閲覧することができますが、他のユーザー等の投稿の視聴・閲覧については、無料で視聴・閲覧できるものと、有料で視聴・閲覧できるものがあります。

 有料でのみ視聴・閲覧できる投稿は、「プライムクリエイター」によって有料投稿として設定されたものです。

 

 当社は、ユーザーが支払った一定の期間に対応する料金から「プライムクリエイター」の「バッジ」レベルに応じた還元率をもって、「プライムクリエイター」にロイヤリティを支払います。当社の利益は、ユーザーが支払った一定の期間に対応する料金からロイヤリティを除いた金額となります。

 なお、ユーザーが上記プロセスを経て「プライムクリエイター」となり有料投稿を行うほか、当社自身が「日本株News」等の有料投稿を行う複数アカウントを運営しております。ユーザーは、当社アカウントによる有料投稿を「プライム登録」することによってその投稿を視聴・閲覧できるようになります。

 

②「メンバーシップ売上」

 SNS「PostPrime」において、ユーザーが「メンバーシップ」に加入し一定の期間に対応する料金を当社に支払うことによって、ユーザーが「プライム登録」の支払にあたり、メンバーシップのグレードに応じた割引が受けられる他、ユーザーによる株式指数等に関する予想の投票を集計した結果について、グレードに応じて、より有利な情報を閲覧できるようになるなどの特典が付与されるサービスです。

 

(メンバーシップの月額価格と特典) ※2024年7月末日時点

※ SNS「PostPrime」は、インターネットブラウザ(WEB)以外に、iOS、Androidアプリから利用することが可能です。

 

(メンバーシップ機能の例)          (メンバーシップ加入により利用できる投票機能)

  

 

③アフィリエイト広告

 アフィリエイト広告とは、広告主がアフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)と呼ばれる仲介業者を通じて、ウェブメディアの運営者等に対して広告を出稿し、一定の成果条件を達成した場合に成果報酬が支払われるというインターネット広告の一形態です。

 当社は、SNS「PostPrime」おいて、アフィリエイト広告の出稿を受け、掲載しております。

 当社は、アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)を通じて掲載した広告について、一定の成果条件を達成した場合に成果報酬を受領しております。

 

④その他

 a.「ありがとう」

 SNS「PostPrime」において、ユーザーが「ありがとう」を購入することによって、特定のプライムクリエイターの投稿内容に対し特別の感謝を伝えることができるとともに、ユーザー自身のプロフィール画像を優先的に目立たせて表示することなど、ユーザーが自身の投稿や表示について特別な取り扱いを受けることができます。当社は、ユーザーが支払った「ありがとう」に係る料金から、対象となった「プライムクリエイター」の「バッジ」レベルに応じた還元率をもって、当該「プライムクリエイター」にロイヤリティを支払います。

 b.「プライムパートナーズ」

 SNS「PostPrime」において、プライムクリエイターの概要欄にアフィリエイト広告を出稿、掲載し、一定の成果条件を達成した場合に当社が得た成果報酬の一部を当該プライムクリエイターへ支払います。

 c.「コース」

 SNS「PostPrime」において、プライムクリエイターまたは当社アカウントが金融・経済等の知見・ノウハウをまとめた動画等のコンテンツを一般ユーザーが購入することができるサービスです。プライムクリエイターによって提供されたコンテンツがユーザーに購入された場合、当社は、ユーザーが支払った金額から、対象となった「プライムクリエイター」の「バッジ」レベルに応じた還元率をもって、当該「プライムクリエイター」にロイヤリティを支払います。

 d.人材紹介

 SNS「PostPrime」において、会員登録しているユーザーのうち転職を検討しているユーザーについて、当該ユーザーからの同意を個別に得たうえで求人企業とのマッチングを行い、入社に至った場合に当社が一定の成功報酬を得ることになります。

 e.他のメディア

 当社が運営するYouTubeチャンネルにおける動画配信及びライブ配信について、Google LLCより、視聴に応じた広告収入等を受領するほか、YouTubeチャンネルにおいて、アフィリエイト広告を掲載し、成果報酬を受領しております。

 

[事業系統図]

 以上を踏まえた当社の事業系統図は、次のとおりであります。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は1,228,099千円となり、前事業年度末に比べ343,343千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が232,935千円、有価証券が72,115千円増加したことによるものであります。固定資産は51,436千円となり、前事業年度末に比べ18,155千円増加いたしました。これは主に繰延税金資産が17,925千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、1,279,535千円となり、前事業年度末に比べ361,498千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は411,126千円となり、前事業年度末に比べ98,643千円増加いたしました。これは主に未払法人税等が63,452千円増加したこと、未払金が28,411千円増加したこと及び契約負債が11,081千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、411,126千円となり、前事業年度末に比べ98,643千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は868,408千円となり、前事業年度末に比べ262,854千円増加いたしました。これは主に当期純利益263,154千円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。

 この結果、自己資本比率は67.6%(前事業年度末は65.6%)となりました。

 

②経営成績の状況

 当事業年度における我が国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、緩やかな回復傾向である一方で、ロシア・ウクライナ危機の長期化や、エネルギーや食料品を中心とした物価の上昇、世界的な金融資本市場の変動等の影響によって、引き続き先行きが不透明な状況が継続しております。

 このような状況の下、当社では、中長期的な企業価値の向上と持続的成長の実現に向け、当社が主力事業として運営するSNS「PostPrime」において、より多くのユーザーに利用していただけるようにするため、ユーザーにとって魅力的かつ有益な新機能や新サービスの開発に継続的に取り組んでおります。

 当事業年度においては、AIアニメキャラクター、投票・チャートの全機能を使用できるプラチナ・メンバーシップ、プライムクリエイターまたは当社アカウントが金融・経済等の知見・ノウハウをまとめた動画等のコンテンツを一般ユーザーが購入することができるサービスである「コース」をリリースするとともに、既存サービスの改善に取り組みました。

 以上の結果、当事業年度における売上高は、945,278千円(前期比20.1%増)、営業利益は351,016千円(前期比42.1%増)、経常利益は383,667千円(前期比47.3%増)、当期純利益は263,154千円(前期比41.4%増)となりました。

 なお、当社は金融・経済情報プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ437,182千円増加し、1,138,225千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動により獲得した資金は、320,310千円(前年同期は359,801千円の獲得)となりました。

 これは主に、税引前当期純利益の計上383,967千円、法人税等の支払額75,286千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動により獲得した資金は、109,476千円(前年同期は19,494千円の支出)となりました。

 これは主に、投資有価証券の償還による収入154,819千円、投資有価証券の取得による支出41,400千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動により獲得した資金は、260千円(前年同期は3,210千円の獲得)となりました。

 これは、新株予約権の発行による収入260千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度における当社の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は金融・経済情報プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2023年6月1日

  至 2024年5月31日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

金融・経済情報プラットフォーム事業

945,278

120.1

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。下記表の主な取引先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

相手先

前事業年度

(自 2022年6月1日

  至 2023年5月31日)

当事業年度

(自 2023年6月1日

  至 2024年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Apple Inc.

129,925

16.5

141,186

14.9

Performance Horizon Group

株式会社

125,935

16.0

122,070

12.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①経営成績の状況に関する認識及び分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は945,278千円(前期比20.1%増)となりました。

 これは主に、プライムクリエイターや当社チャンネルに対するプライム登録件数増加、2023年7月にリリースしたプラチナ・メンバーシップ機能により売上が伸長したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は103,924千円(前期比33.0%増)となりました。

 これは主に、プライムクリエイターに対する支払ロイヤリティの増加によるものであります。この結果、当事業年度の売上総利益は841,353千円(前期比18.7%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は490,337千円(前期比6.1%増)となりました。

 これは主に、事業規模拡大に伴うシステム利用料、人件費等の増加によるものであります。この結果、当事業年度の営業利益は351,016千円(前期比42.1%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当事業年度の営業外収益は32,651千円(前期比141.6%増)となりました。

 これは主に、為替差益、有価証券利息を計上したことによるものであります。なお、当事業年度に営業外費用は計上していません。この結果、当事業年度の経常利益は383,667千円(前期比47.3%増)となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

 当事業年度の特別利益は300千円(前期は特別利益の計上はありません)となりました。これは新株予約権戻入益によるものであります。また、当事業年度に特別損失は計上しておらず、当事業年度の法人税等合計は120,813千円(前期比62.3%増)となりました。この結果、当事業年度の当期純利益は263,154千円(前期比41.4%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものはなく、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④資本の財源及び資金の流動性

 当社の事業活動における主な資金需要は、プライムクリエイターへのロイヤリティの支払の他、事業の継続及び持続的な成長にかかる資金(主に人件費、システム利用料、外注費、支払報酬料、広告宣伝費等)、であります。これらの事業活動に必要な資金について、これまでは営業活動によるキャッシュ・フローで十分にまかなえてきましたが、必要に応じて長期資金需要に対しては株式市場、短期資金需要に対しては金融機関からの調達を実施する可能性があります。

 なお、当社の事業は、販売に先行する支払となるような仕入等は無く、提供サービスに対する対価をお客様から受領するビジネスモデルであります。現時点で、短期的な資本の財源及び資金の流動性に問題はありませんが、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常にモニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めてまいります。

 なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,138,225千円であり、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保しております。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載したとおり、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。

 

⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、売上高と営業利益を重要な経営指標と位置づけ企業価値の向上を図ってまいります。また、これらの経営指標をより具体的に可視化するための指標(KPI)として以下を設定しております。当該指標については、当事業年度において継続的に増加しており、順調に推移しているものと認識しております。

a.プライム登録件数

SNS「PostPrime」におけるプライム登録件数

b.メンバーシップ加入件数

グリーンメンバーシップ、シルバーメンバーシップ、ゴールドメンバーシップ及びプラチナメンバーシップの総加入件数

c.平均課金単価

毎月のプライム登録及びメンバーシップの売上合計を各月末残高件数で除した値に関する対象期間の平均値

KPI

前事業年度

当事業年度

プライム登録件数(件)

23,852

27,074

メンバーシップ加入件数(件)

8,048

9,362

平均課金単価(円)

1,869

1,893

(注)1.プライム登録件数は、各事業年度末時点の残高件数を記載しております。

2.メンバーシップ加入件数は、各事業年度末時点の残高件数を記載しております。

 

⑦経営者の問題意識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。