2024年9月期有価証券報告書より
  • 社員数
    669名(単体) 1,758名(連結)
  • 平均年齢
    37.1歳(単体)
  • 平均勤続年数
    8.0年(単体)
  • 平均年収
    669,000,000円(単体)

従業員の状況

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2024年9月30日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

HOME'S関連事業

808

〔112〕

海外事業

847

〔-〕

その他

103

〔 18〕

合計

1,758

〔130〕

 

(注) 1 従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除く)であります。

2 臨時従業員数は〔 〕に、年間の平均人員を外数で記載しております。

3 当社グループは、事業の種類毎の経営組織体系を有しておらず、同一の従業員が複数の種類の事業に従事しております。

 

(2) 提出会社の状況

2024年9月30日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(万円)

669

〔100〕

37.1

8.0

669

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

HOME'S関連事業

649

〔 92〕

海外事業

-

〔-〕

その他

20

〔  8〕

合計

669

〔100〕

 

(注) 1 従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除く)であります。

2 平均年間給与は、従業員1人当たりの本給、賞与及び基準外賃金の合計額で算定しております。

3 臨時従業員数は〔 〕に、年間の平均人員を外数で記載しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社は、ネクスト従業員労働組合が結成されております。労使関係に特記すべき事項はありません。

なお、連結子会社には、労働組合はありません。

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 

 提出会社

当事業年度

女性管理職比率(%)(注1)

男性育児休業

取得率(%)(注2)

男女間賃金格差(%)(注3)

全体

正社員

契約社員

全体

正規社員

非正規社員

22.8%

62.5%

62.5%

79.6%

83.4%

53.6%

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。

  2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。

  3.正規労働者の給与体系は男女同一の体系を適用しており、差異は男女の等級構成によるものと、短時間勤務者の男女の人数差によるものです。非正規労働者の差異は、短時間勤務者の男女の人数差があること、高度な専門性を必要とする職務を担う契約社員に男女の人数差があるためです。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1.サステナビリティ全般

LIFULLグループは、社是「利他主義」のもと、「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」を経営理念とし、企業活動を行っています。

当社が掲げる公益志本主義の考え方に則り全ての社中(※)に貢献しながら、事業を通じて様々な社会課題を解決することで、社会とLIFULLグループの持続的な発展、さらにはWell-beingな社会の実現に取り組んでまいります。

 

※社中(Company):

 当社ではあえてステークホルダー(利害関係者)ではなく社中(カンパニー)と呼びます。広い意味でのカンパニー(仲間)です。利害が対立する関係ではなく、同じ方向を向いて一緒に歩んでいく大切な仲間という意味です。 社中であるコンシューマー、クライアント、従業員、パートナー、株主、社会、地球環境に配慮した経営をしてまいります。

 

 (1)ガバナンス

当社取締役会は、サステナビリティに関する方針や重要案件の審議・決定を行うとともに、取り組み状況の評価・管理を行います。サステナビリティ推進部門は、担当執行役員であるグループ経営推進本部長の監督の下、当社グループを横断しサステナビリティに関するリスクと機会の特定のために必要な情報のヒアリングを実施して取締役会へ報告、提言を行います。決定した対応施策等の推進においては、サステナビリティ推進部門と各管轄部門、各子会社が参加するサステナビリティ推進会議(原則年4回実施)で連携をとり、グループ横断で迅速に活動を進めることのできる体制を整備しています。

 



 

 (2)戦略

サステナビリティ方針のもと、事業と社会課題の紐づけやマッピングを行い、「事業を通じて解決する社会課題」「事業活動を支える基盤」「グローバルな課題への取組み」の3つのカテゴリーで8つの重点テーマを定め、サステナビリティ課題(マテリアリティ)を特定しました。

 

(事業を通じて解決する社会課題)

テーマ1:住生活

・あらゆる住み替えの選択の自由と利便性の向上
 ・住宅弱者の解消
 

テーマ2:地方創生

・空き家、遊休不動産などの新たな利活用促進
 ・関係人口の拡大
 ・投融資促進のための新たな仕組みの創設
 

テーマ3:超高齢社会

・老後の介護の不安の解消
 

(事業活動を支える基盤)

テーマ4:人材

・社会課題を解決するリーダーの輩出
 ・DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の推進
 ・社員のWell-being

 

テーマ5:情報セキュリティ

・各国における個人情報保護関連法への対応
 ・サイバー攻撃等への技術的・組織的対応力の強化
 ・仕組みとしてのセキュアな環境の整備
 

 

テーマ6:ガバナンス

・公正な事業活動を率先する人材・組織の育成
 ・ガバナンス体制の強化
 ・リスクマネジメントの強化

 

(グローバルな課題への取組み)

テーマ7:環境

・環境負荷の低減

 

テーマ8:人権

・人権の尊重・DEIの推進

 

 (3)リスク管理

株式会社LIFULL社長執行役員を委員長とするリスク管理委員会を設置し、LIFULLグループに重大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを一元的に管理することで、LIFULLグループ全体でのリスク管理体制を構築しています。事業活動全般に関わるリスクについては「事業等のリスク」欄に、気候変動に関わるリスクについては「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応」に記載しています。

 

 (4)指標・目標

各サステナビリティ課題に関する指標・目標は以下のとおりです。

 ※2024年9月期実績は集計中のため、コーポレートサイトにて順次開示いたします。

 

住生活

サステナビリティ課題

中期ターゲット(※1)

2022年9月期実績

2023年9月期実績

あらゆる住み替えの選択の自由と利便性の向上

物件データベースの拡充:物件DB数 3,000万件(※住宅ストック約6,000万の50%をカバー)

28,059,988件

28,352,687件

安心、安全を届けるための新しい情報の拡充

・「LIFULL HOME'S FRIENDLY DOOR」に「障害者」の検索カテゴリー追加

・LIFULL HOME'S iPhoneアプリの地図検索に「洪水ハザードマップ」×「なぞる」機能追加

・LIFULL HOME'S加盟店向けに「障害者接客チェックリスト」提供開始

・「LIFULL HOME'S 難民・避難民に対する住まいの支援窓口」特設ページを開設

・おとり広告撲滅でイタンジ、ミサワホーム不動産と連携開始

・LIFULL HOME'S加盟店向けに「外国籍接客チェックリスト」提供開始

・「外国籍接客チェックリスト」をLIFULL HOME'S加盟店向けに提供開始

・「高齢者接客チェックリスト」をLIFULL HOME'S加盟店向けに提供開始

・おとり広告撲滅に向けて、新たに不動産管理会社5社と情報連携を開始

・「LIFULL HOME'S FRIENDLY DOOR」に「家族に頼れない若者」「フリーランス」のカテゴリー追加

・住宅弱者の住まい探し支援に特化したAIチャット「接客サポートAI by FRIENDLY DOOR(BETA版)」を提供開始

住宅弱者の解消

「FRIENDLY DOOR」の参画店舗数6,000店舗

4,049店舗

5,096店舗

 

 

地方創生

サステナビリティ課題

中期ターゲット(※1)

2022年9月期実績

2023年9月期実績

空き家、遊休不動産などの新たな利活用促進

LIFULL HOME'S空き家バンクの累計登録物件数:10万件

2万件

・自治体の参画と、空き家バンクサイト利用促進

 └ 令和3年度国交省空き家対策モデル事業による、自治体向けセミナー開催やフライヤー配布

 └ 空き家バンクサイトに理想の暮らしから探せる機能の導入

2.3万件

・令和4年度国土交通省空き家対策モデル事業による、全国版空き家バンクの物件数増加及びマッチング促進事業

・空き家バンクを運営する自治体の空き家対策業務の負担・実態の調査

新たな再生事例の創出

・那須(栃木県)で、築古の空き別荘をデジタル技術により貸別荘として再生する実証実験を開始(2022年10月~)

 

関係人口の拡大

増加関係人口(※2):のべ9.3万人

4.6万人

7.6万人

投融資促進のための新たな仕組みの創設

地方創生分野におけるLIFULLグループの金融商品やサービスを通じた投融資総額の拡大

2,500万円

(5物件を購入し再生し売却)

900万円

(1物件を購入し再生)

 

 

超高齢社会

サステナビリティ課題

中期ターゲット(※1)

2022年9月期実績

2023年9月期実績

老後の介護の不安の解消

老人ホーム・介護施設検討におけるインターネット利用シェア:30%

18.3%

31.7%

 

 

人材

サステナビリティ課題

中期ターゲット(※1)

2022年9月期実績

2023年9月期実績

社会課題を解決するリーダーの輩出

社会課題解決につながる事業提案ができる人材を増やす

新規事業承認実績:1件

新規事業承認実績:1件

DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)の推進

性別や年齢、国籍等の違いに関わらず自分らしく活躍する社員を増やす

インクルージョンサーベイでのポジティブ評価(※3):72%

インクルージョンサーベイでのポジティブ評価:78%

ジェンダーバイアスにより管理職やスペシャリスト(※4)を諦める人を減らす

社員キャリア志向調査の結果:
-管理職意向(※5) 男性39%、女性24%
-スペシャリスト意向(※6) 男性44%、女性27%

社員キャリア志向調査の結果:
-管理職意向 男性43%、女性19%
-スペシャリスト意向 男性38%、女性30%

社員のWell-being

エンゲージメントを高める

組織サーベイ結果:総合スコア3.8点/5点

組織サーベイ結果:総合スコア3.8点/5点

健康診断受診率100%

健康診断受診率:99.74%

健康診断受診率:100.00%

ストレスチェック受検率を高める

ストレスチェック受検率:92.07%

ストレスチェック受検率:94.30%

 

 

情報セキュリティ

サステナビリティ課題

中期ターゲット(※1)

2022年9月期実績

2023年9月期実績

各国における個人情報保護関連法への対応

各国での個人情報保護関連法改正への対応体制の強化

・60以上の国や地域に事業展開するLIFULL CONNECTを対象とした体制整備に着手

・60以上の国や地域に事業展開するLIFULL CONNECTおよびLIFULLの機能子会社であるLIFULL Tech Vietnam、LIFULL Tech Malaysiaについて、各社の対応体制および対応状況に関するチェックを実施

・対応が必要なタスクについて本社機密情報管理委員会でモニタリングを実施

本社機密情報管理委員会による半期ごとのチェッククリア

チェッククリア(LIFULL CONNECTの事業展開国での情報収集体制が構築されていることを確認)

チェッククリア(同左)

サイバー攻撃等への技術的・組織的対応力の強化

情報セキュリティテスト合格率100%

100%

100%

サイバーBCP演習の定期実施

・サイバーBCP演習計画に基づき全8回の演習を実施

・演習で検出された課題への対応を進める

・前年度の演習で生じた課題への対応や、危機対策本部設置基準、対応マニュアルなどの見直しを実施

・サイバー単独のBCPからオールハザード型 BCPへの移行にともない、演習は30期に実施予定

仕組みとしてのセキュアな環境の整備

M&Aした会社における半年以内のグループ会社セキュリティ基準への準拠率100%

・対象となる子会社等はなし

・22年9月期に新たに孫会社となった3社についてセキュリティ規準の準拠対応中

97.5%

・22年9月期にグループ入りした対象3社はすべて準拠済み

・23年9月期にグループ入りした対象2社は一部項目で準拠対応中

社内ITシステムDX推進計画の遂行

社内ITシステムのDX推進計画におけるセキュリティ強化策として予定していたCASB(Cloud Access Security Broker)の導入を予定通り完了

社内ITシステムのDX推進計画におけるセキュリティ強化策として予定していた内部不正対策の仕組みについては予定通り運用を開始

 

 

ガバナンス

サステナビリティ課題

中期ターゲット(※1)

2022年9月期実績

2023年9月期実績

公正な事業活動を率先する人材・組織の育成

コンプライアンス及び内部統制に関する継続的な教育の実施

・コンプライアンス研修6回実施(SNS、ハラスメント、個人情報保護×4)

・コンプライアンス研修3回実施(複合的なテーマで実施)

・子会社におけるコンプライアンス研修の実施サポート

重大なコンプライアンス違反0件

0件

0件

ガバナンス体制の強化

取締役会実効性評価の実施と指摘事項への対応

・取締役会実効性評価を実施

・指摘事項をふまえスキルマトリックスなどの作成などの対応を進める

・取締役会実効性評価を実施

女性役員比率50%(2030年度)

18%

17%

リスクマネジメントの強化

グループ各社でのリスクベースの経営を促進する

子会社での全社的リスク管理(ERM)の新規導入(国内5社)

子会社での全社的リスク管理(ERM)の新規導入(国内1社、海外1社)

 

 

グローバルな課題への取組みのうち、環境(環境負荷の低減)については、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応」欄に記載しております。人権(人権の尊重・DEIの推進)については、目標、指標は設定しておりません。

 

※1 中期ターゲットの期日は、記載のあるもの以外は2025年9月期末

※2 LIFULLグループの活動により移住や地方交流などの地域活性に関わった人の合計

※3 誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価、「4 まあ発揮できる環境」+「5 発揮できる環境」の合計

※4 「スペシャリスト」とは、特定の職種において高度な専門性を発揮し、会社に大きく貢献できると評価された人材。当社では、組織マネジメントによる貢献を期待されるマネジメント職と同様に、高度な専門性による貢献を期待されるスペシャリストを、当社の中核人材のひとつに位置付けています。

※5 「あなたがLIFULLで働く上で、将来的に管理職になりたいと思いますか?」という設問に対して「なりたい」と回答した割合

※6 5と同じ調査でスペシャリストになりたいと回答した割合
 
 

2.気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

当社は、気候変動問題を重要視し、サステナビリティ課題(マテリアリティ)の1つとして「環境負荷の低減」を設定しております。あわせて、2023年10月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、TCFD提言に基づいた体制整備と情報開示を進めております。

 

(1)ガバナンス

当社取締役会は、気候変動を含むサステナビリティに関する方針や重要案件の審議・決定を行うとともに、取り組み状況の評価・管理を行います。サステナビリティ推進部門は、担当執行役員であるグループ経営推進本部長の監督の下、当社グループを横断し気候変動に関するリスクと機会の特定のために必要な情報のヒアリングを実施して取締役会へ報告、提言を行います。決定した対応施策等はサステナビリティ推進部門と各管轄部門、各子会社が連携して遂行します。

 

(2)戦略

当社は、TCFD提言に基づきシナリオ分析を行い、気候変動がもたらすリスクと機会、及び対策について下表のとおり特定しました。分析にあたっては、脱炭素社会への移行によるCO2排出量削減に向けた動きが急速に進行した社会を想定した1.5℃シナリオを採用しました。

 

想定されるリスク

事業インパクト

リスクへの対応

移行リスク

政策・規則

炭素税の導入による負担増

・省エネルギー施策による炭素排出量の削減

・再生可能エネルギー導入による脱炭素化の推進

市場・サービス

再生可能エネルギーへの転換(炭素税及び規制の導入を含む)によるコスト増

・省エネルギー性能の高いPCやオフィス機器等の導入

・エネルギー効率の高いクラウドサービス等の導入

気温上昇による社内電力需要の高まりによるコスト増

発電コスト増加に伴う電気代高騰によるコスト増

気温上昇による運転コスト増に伴うサーバー運用コスト増

 

評判

環境意識の高まりによる行動変容・価値観の変化に対応できない場合のレピュテーション低下や、事業の収益性の悪化 

・市場動向に合わせた商品・サービス開発

・情報開示の充実とステークホルダーとの適切なコミュニケーション

気候変動への対策不足による、ステークホルダーからのレピュテーション・市場における評価の低下

物理リスク

異常気象による本社・事業所の水没等のリスクについては、現在のオフィス立地では可能性は低いため関連はないと判断しました。

 

 

機会

環境配慮サービスの提供機会の増加

 

 

(3)リスク管理

当社グループでは、企業経営・事業継続に影響を及ぼす事業リスクの特定・評価・管理が重要な課題であると認識し、リスク管理委員会において、管理体制を整備しています。気候変動リスクの管理はサステナビリティ推進部門が担当し、リスク管理委員会との連携を図っています。担当執行役員であるグループ経営推進本部長は気候変動リスクについて年1回取締役会への報告を行っています。

 

(4)指標と目標

当社では、二酸化炭素排出量を気候変動に関わる評価指標として、GHGプロトコルに基づき算定しています。2024年9月期の排出量につきましては、原単位データが入手でき次第、2025年2月中にコーポレートサイトにて開示予定です。

 

(当社グループにおけるCO2排出量)

 

2021年9月期

2022年9月

2023年9月

備考

Scope1

直接排出

0

0

0

 

Scope2

電力(tCO2)

431.8

536.2

614.4

オフィス出社頻度の高まりにより排出量増加

 

 

■集計対象

①Scope1 当社事業活動において直接的なエネルギーの燃焼は行っておりません。

②Scope2 本社および国内、海外拠点のオフィス、または住まいの窓口等の事業施設、店舗における他社から供給された電気の使用によるもの

 

 ■算出方法

Scope2 「電気事業者別排出係数一覧」を参照し、算定しているものです。

国内電力:電気事業者別排出係数

海外電力:国際エネルギー機関が公表する国別の排出係数
 

(Scope3カテゴリー別CO2排出量)

カテゴリー

主要品目

2021年9月期

2022年9月期

2023年9月期

備考

業務用機器の購入(tCO2)

(算定開始前)

369.7

150.6

外部サービス(MtCO2)(※)

145.9

107.5

38.98

サービスプロバイダーの脱炭素への取組みにより排出量は減少。今後も更に減少する見込み

出張(tCO2)

111.1

115.1

253.9

顧客訪問や海外出張の増加、ならびに海外研修の再開により排出量が増加

通勤(tCO2)

25.8

32.11

77.00

国内でのオフィス出社頻度の高まりにより排出量増加

 

 

※カテゴリー1「外部サービス」のみ、単位をMtCO2に切り上げて表記しております(クラウドサービス等の利用における排出量が圧倒的に多いため)


 ■集計対象

カテゴリー1(業務用機器):業務用PC、スマートフォン等の端末の購入

カテゴリー1(外部サービス):AWS等外部のクラウドサービスの利用

カテゴリー6:国内および海外への従業員の出張のための移動(宿泊に伴う排出は除く)

カテゴリー7:従業員のオフィスへの通勤のための移動(通勤交通費を支給していない海外グループ会社、および交通手段別の原単位データを収集していない海外グループ会社は除く)
 

■算出方法:

カテゴリー1(購入品):「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位DB」を参照し、購入金額に基づき算定しているものです。

カテゴリー1(サービス):サービスプロバイダーより提供されたCO2排出量を記載しているものです。

カテゴリー6:「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位DB」を参照し、出張に伴う旅費交通費の交通手段別に排出原単位を乗じて算出したものです。

カテゴリー7:「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位DB」を参照し、通勤交通費の交通手段別に排出原単位を乗じて算出したものです。

 

 

3.人的資本・多様性

(1)LIFULLの人材戦略

当社は経営理念「常に革進することで、より多くの人々が心からの『安心』と『喜び』を得られる社会の仕組みを創る」を掲げ、事業活動に取組んでおります。様々な社会課題をビジネスによって解決し、あらゆる人々の暮らしに安心と喜びをもたらすことが当社の使命であり、人的資本をはじめとした各種資本の適切な投下により、多様な事業を通じた社会課題解決と利益創出の好循環を生み出すことを目指しています。

当社の人材戦略においては、社員が経営理念の実現を目指して内発的動機に基づき挑戦することを核とし、以下7つの重点テーマをおいています。

・すべての社員が経営理念を心から実現したいと考えている状態を目指し(①経営理念の共有)、

・経営理念の実現のために社員に期待する思考、行動習慣となる企業文化を設計し浸透させ(②企業文化の設計・浸透)、

・経営理念実現に必要な人材を確保し(③人材の確保)、

これらを基盤として、

・社員一人ひとりの内発的で多様な問題意識を起点とした挑戦を奨励し(④内発的動機に基づく挑戦)、そのために、

・社員が安心して挑戦できる土台を整えつつ、社員の仕事・人生の充実を図り(⑤Well-being)、

・個々人のアウトプットをチームの成果として最大化する仕組みをつくり(⑥チームの成果の最大化)

・さらに仲間同士で違いを歓迎し、化学反応を起こす関係性を醸成すること(⑦違いを歓迎するチーム)

に注力しています。

 


 

 

(2)指標及び目標

経営理念の実現を目指す上で重視している主な指標は「社会課題解決に挑む事業数」と「社中分配前利益(※)」です。人材戦略においてもこの2指標をモニタリングしながら、7つの重点テーマにおける各種施策、取組みを推進しています。

足元では利益の成長を全社的な課題としており、⑥チームの成果の最大化の中の指標として「一人当たり社中分配前利益」を定め、生産性の向上を図るために「KPIマネジメント」をはじめとした各種施策・取組みを進めてきました。これらの結果、2023年9月期に12.0百万円だった一人あたり社中分配前利益は2024年9月期において12.9百万円(前期比+7.5%)に向上しております。

引き続き収益向上に取組み、創出した利益を社会課題解決に向けた新しい事業に投資して、経営理念の実現を目指してまいります。

 

※当社では、ステークホルダー(コンシューマー、クライアント、従業員、パートナー、株主、社会、地球環境)を広い意味での仲間という意味で「社中」と呼びます。社会への貢献や事業活動の本質的な成果を図る指標として、従業員やパートナーへ配布する前の利益を「社中分配前利益」と定義し、追っています。具体的には売上総利益から事業上必要なコストが差し引かれたもので、人件費や外注費といった社中分配にあたるコストが発生する手前の利益がそれにあたります。

 

指標

2022年9月期実績

2023年9月期実績

2024年9月期実績

社会課題解決に挑む事業数※

24

23

社中分配前利益(百万円)

7,446

9,746

9,886

 

※期末時点で継続する社会課題解決を目標に掲げる事業数。2023年9月期末より計測開始しています。

 

その他、人材戦略の各重点テーマにおける指標及び目標は以下のとおりです。

 

重点取組み

指標

目標

実績

(2023年9月期)

実績

(2024年9月期)

経営理念の共有

企業文化の設計・浸透

役員が理念浸透にかける時間(年間)

 

126時間

95時間

「会社の経営理念の実現に貢献したい」と回答した社員(※1)

100%

81.0%

84.5%

経営陣の経営理念体現度評価(※2)

100%

87.4%

88.6%

個人への投資

内発的動機付けに基づく挑戦

異動希望(キャリア選択)が実現した割合

 

62%

78%

挑戦スコア(※3)

100%

77.6%

82.0%

Well-being

健康診断受診率

100%

100%

100%

ストレスチェック受検率

 

94.3%

93.4%

Well-beingスコア(※4)

 

3.40点

3.45点

組織サーベイの総合スコア

 

3.8点

3.9点

チームへの投資

チームの成果の最大化

KPIマネジメントの実行度(※5)

 

78.7%

事業責任者経験者数(※6)

 

29人

25人

一人あたり社中分配前利益

 

12.0百万円

12.9百万円

違いを歓迎するチーム

女性管理職比率(※7)

 

19.2%

22.8%

外国籍の従業員比率(※7)

 

3.9%

3.5%

中途社員比率(※7)

 

73.0%

75.2%

障害者雇用率(※7)

 

3.04%

3.04%

キャリア志向(※8)

男性:管理職

 

43%

50%

女性:管理職

 

19%

29%

男性:スペシャリスト

 

38%

34%

女性:スペシャリスト

 

30%

31%

インクルージョンスコア(※9)

100%

78%

86%

 

※1 「会社の理念の実現に貢献したいか」を5段階で評価。4点または5点をつけた社員の割合

※2 「各経営陣が経営理念を常に語っているか」、「経営理念と一貫性のある戦略を定め、分かりやすく説明しているか」、「経営理念を実現したいと心から思う組織長を登用しているか」等、経営理念実現に向けた経営陣の経営理念体現度を評価するアンケート

※3 現在の仕事は、チャレンジングかを5段階で評価。「1 チャレンジング」及び「2 ややチャレンジング」と感じている社員の割合

※4 目的、幸福、満足、ストレスに関する4つの設問の平均点

※5 「KPIマネジメントを適切に実行できている」と感じている社員の割合

※6 2019年9月期から2024年9月期の期間中に「社会課題解決に挑む事業」の責任者を経験した従業員の人数(退職者を除く)

※7 従業員比率等は2024年9月末時点の実績を記載しております。

※8 「あなたがLIFULLで働く上で、将来的に管理職(またはスペシャリスト)になりたいと思いますか?」という設問に対して「なりたい」と回答した社員の割合

※9 インクルージョンサーベイでのポジティブ評価(2024年9月時点):誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価。「4 まあ発揮できる環境」及び「5 発揮できる環境」の合計の比率

 

(3)各重点テーマにおける取組み

①経営理念の共有

当社では、社員は経営理念を実現するために集まった同志であり、会社は経営理念を実現するために組成されたチームと考えています。すべての社員が常に経営理念を意識し、経営理念の実現を目指して行動できるよう、下記をはじめとした各種の取組みを行っております。

 

(経営陣による共有機会)

毎月の全社総会の他、新卒入社者・派遣社員も含む中途入社者に向けて行う入社式、育児や介護からの復職者等に対するビジョンシェアリング、入社半年を過ぎた社員を対象に経営陣が持ち回りで講師となり教育する研修「ビジョンカレッジ」等、経営陣が率先して経営理念の共有を推進しています。経営陣の理念共有にかける総時間は年間95時間以上に及びます。(2024年9月期実績)

 

(役員の心得アンケート/経営陣の経営理念体現評価)

経営理念と一貫性のある経営を行うため、執行役員向けに5箇条の指針(役員の心得)を定めています。 半年に一度、 社員アンケートを実施し、各経営陣が経営理念を常に語っているか、経営理念と一貫性のある戦略を定め、分かりやすく説明しているか、経営理念を実現したいと心から思う組織長を登用しているか等、各指針の体現度について評価する機会を設けています。2024年9月期評価では88.6%の社員が、経営陣が経営理念を実現するための行動ができていると評価しています。

 

(人事制度)

人事評価制度には社是・経営理念・ガイドラインの体現度合いを評価する項目を設け、半年に一度フィードバックを行うことで、常に理念を意識して行動するように促しています。

 

(ビジョンツリー)

当社では、社内のすべての組織で経営理念に紐づいた組織ビジョンを策定しています。各組織のビジョンは所属している社員が意見を出しあい、各組織でどんなゴールをどう実現していくか言語化しています。社員一人ひとりが組織ビジョンの策定に参加することで、それを実現するための業務に主体的に取り組むようになります。各組織で策定したビジョンは「ビジョンツリー」という形でまとめ、経営理念から自分の所属組織まで順番に読んでいくことで、経営理念と日々の業務との繋がりを理解することができる仕組みになっています。

 

これらの活動の結果、84.5%の社員が「経営理念の実現に貢献したい」 と回答しています。

※2024年6月時点の組織サーベイ

 

②企業文化の設計・浸透

当社では、経営理念を実現するために社員に期待する行動を定義した「ガイドライン」を策定しています。事業戦略や外部環境の変化により社員に期待するべき行動も変わってくるため、ガイドラインは4~5年に一度の見直しを行っており、現行版は2023年10月に改定したものとなります。時々の変化を反映したガイドラインを運用することで、常に状況に応じた行動の変容を促し、変化に強い企業文化を作りあげています。また、人事評価における評価項目や同僚同士で行う360度フィードバックにおける項目には、ガイドラインの体現度合いを取り入れています。

 

人材の確保

当社では、経営理念の実現に向けて、必要に応じて新卒採用、中途採用、海外開発拠点の強化を行い、世界中で優秀な人材を確保しています。

特に、当社の事業にとって重要な職種の一つであるエンジニアについてはグローバルでの開発体制の構築を目指し、2017年にベトナムのVietnam Creative Consulting Co.,Ltdを子会社化(現LIFULL Tech Vietnam)、さらに2023年にマレーシアに子会社(LIFULL Tech Malaysia)を設立しています。現在、国内拠点と海外拠点の連携を強化してグローバル開発体制を構築し、開発力を最大化するスキームを設計しています。エンジニアの社員数は1年で13%増加し、2024年9月末時点で225名となっています。

 

これらの企業文化設計を基盤として、以下の「個人への投資」と「チームへの投資」を行っています。

 

④個人への投資「内発的動機付けに基づく挑戦」

当社は人材戦略の核に「内発的動機」を置いています。人はやりたいことに取り組んでいるときにこそもっとも熱中して成果を上げ、自発的に学び、大きく成長します。よって、内発的動機に基づく挑戦機会づくりに投資することが、経営理念実現に向けたもっとも効果的な人的資本投資であるともに、社員のキャリアビジョンの実現にも効果的であると考え、様々な機会を設けています。

 


 

ア)経営理念実現に向けた挑戦機会

様々なかたちの挑戦機会を提供することで、社員がガイドラインに則した「大胆な挑戦」をし、戦略的に多様な事業を生み出し続けていくための文化づくりを行っています。

 

(Social Innovation Forum)

社会課題の解決とイノベーションを生み出す文化の醸成を目的とする全社イベントです。全社員が参加対象で、各自が自身の視点から社会課題を見つめ、解決のアイデアを発想するグループディスカッションを中心としたプログラムです。部署や職種に関わらず、全員が同じ時間を共有しながら課題に向き合い、ディスカッションによって意見を掛け合わせていくことで、アイデアを磨きます。  

 

(SWITCH/新規事業提案制度)

内定者を含めた社員が誰でも新規事業を提案できる制度で、役職や職種、社歴などに関係なく多くの社員が挑戦できる場となっています。「LIFULL 介護」や「LIFULL FaM」など、この制度から様々な子会社・新規事業が生まれています。

 

(クリエイターの日)

変化の激しい技術開発領域やクリエイティブ領域における知識や能力を高めるため、通常業務を離れて、新たな技術やそのアウトプットに取り組むための社内制度です。技術・アイデアの醸成や様々なプロジェクト発足の機会となっています。

 

(クリエイティブアワード)

プロジェクトの成果やプロセスを社内で発表し、社員の投票によりグランプリを決める表彰制度です。新しい価値の創出や、既存の機能等の改良・改善といった視点で高評価を獲得したプロジェクトについての知見の共有や、より多くの社員の挑戦意欲の向上に役立っています。

 

イ)キャリアビジョン実現に向けた挑戦機会

当社では、社員の内発的動機付けを人材戦略の中心に据えているため、仕事の任命はできる限り本人のキャリアビジョンを尊重して行います。社員のキャリアビジョンの実現を支援する制度や取組みを以下のように整備しています。

 

(キャリア選択制度)

社員個人のキャリアビジョン実現の支援策として、半期に一度自身のキャリアビジョンに沿った部署の異動を希望することができるキャリア選択制度があります。2024年9月期は希望した社員のうち78%の社員の異動希望が叶い、希望の部署に異動をしています。

 

(キャリフル/社内兼業制度)

部署の異動を伴わない社内兼業制度「キャリフル」では、業務時間の10%を使って所属する部署以外での仕事を経験することができます。2024年9月期は53名の社員が本制度を利用し、自身のキャリア形成や成長の機会として活用しています。

 

(キャリアライズ/兼業届出制度)

当社では、自身の成長や会社の成長に繋がる場合に兼業を許可しています。2024年9月期はこの「キャリアライズ」を利用して118名の社員が兼業を行っています。

 

(テクニカルスキル)

社員が自ら専門性を高め、強みを発揮しながら成果を創出できるよう、約50の職種別テクニカルスキルの定義を策定しており、計画的に改定しています。社員は半期に一度、目標設定し、テクニカルスキルの発揮状況の自己評価をおこないます。上司はテクニカルスキルの定義に基づいたフィードバックを行うことで、社員の成長を支援しています。また、すべての社員のスキルを可視化することで、チーム組成時に最適な候補人材を選出することが可能になっています。

 

(LIFULL大学)

普段の業務や必須研修以外に、社員が自分の意志で学びたい分野の知識・経験を得られる学びの場として、社内大学「LIFULL大学」を設置しています。各学びの場を「ゼミナール(ゼミ)」と名付け、年間約40のゼミを開催しています。講師は原則として自薦や他薦により社員が務めます。2024年9月期は、不動産業界ゼミ、ゼロから学ぶプロジェクトマネジメントゼミ、統計学の基本ゼミ、ファシリテーションゼミ、keelai(社内向け汎用AI)を使いこなすゼミ、マインドフルネスゼミ、D&Iに関わるバイアスへの気づきゼミ、(子供の)入園入学予習ゼミ等、様々なゼミが社員の自発的な提案に沿ったテーマで開催されました。

 

ウ)プロジェクト文化

当社には全社横断の「プロジェクト」が複数あり、有志社員によって運営されています。経営理念の共有・浸透を掲げるビジョンプロジェクト、ダイバーシティ推進のためのD&I+委員会、社会貢献活動支援(One P's)委員会、クリエイティブアワード運営委員会等、会社全体の課題に目を向け、改善・提案していくために、多数の社員が自発的に参加、活動しています。プロジェクトに参加する社員ののべ人数は、2024年9月末時点で全社で99人に上り、ボトムアップで会社をより良くするための様々な取組みを行っています。

 

エ)人材の抜擢

現在当社では積極的な組織長への登用(抜擢)を行っています。抜擢によって、リーダーのポテンシャルを有する人材の発掘や、抜擢された人材の周囲の人材によい刺激を与えることを目的としています。2024年10月には、全社員の5%が新たに一つ上の組織階層に登用されました。

 

これら「内発的動機付けに基づく挑戦」を推奨する様々な機会や各取組みを通して、現在の仕事は、チャレンジングかを5段階で評価した結果、「チャレンジできている」と感じている人の割合は82.0%となりました。

 このように挑戦の機会を創出し、実力主義による多様な人材を登用することで、経営理念の実現に向けた事業創出を可能とする人材の輩出を目指しています。

 

⑤個人への投資「Well-being」

当社では、Well-beingを追求することは、社員の内発的動機に基づく挑戦や生産性の向上に繋がり、その結果として事業の持続的成長や企業価値の向上につながるものと考えています。

 

ア)心身の健康支援

「まなぶ、はかる、しえんする」の3つの活動を柱に、社員が内発的動機に基づいてセルフケアができるような支援をおこなっています。「まなぶ」においては、健康診断結果の読み方、産業医によるテーマ別のセミナーの定期開催等、自身でメンタルヘルス、フィジカルヘルスの向上に取り組めるように、専門家から様々な知見を得られる機会を提供しています。

「はかる」については、フィジカル、メンタル、エンゲージメント等の状態を定期的に測定して社員にフィードバックすることで、個々の課題、原因、打ち手を明確にします。2023年4月から2024年3月の健康診断の受診率は100%(前期比+0ポイント)、2022年4月~2023年3月の睡眠習慣(適正な睡眠習慣を有する者の割合)75.7%(前期比▲0.6ポイント)、飲酒習慣(不適正な飲酒習慣を有する者の割合)15.0%(前期比▲2.1ポイント)、喫煙習慣(不適正な喫煙習慣を有している者の割合)率は18.1%(前期比+0.9ポイント)となっています。

また、2024年9月期のストレスチェックの受検率は93.37%(厚生労働省の基準値:78%)、高ストレス判定率は10.49% (同・基準値:14.2%)と昨年よりも0.03ポイント増加しています。

また、仕事の量的負荷は8.8点(同・基準値:8.4)と基準値を上回っていますが、仕事のコントロールは9.0点(同・基準値:7.9)、上司の支援は8.7点(同・基準値:7.5)、同僚の支援は8.5点(同・基準値:8.1)と、健全な負荷がかかりつつも、自身で仕事のコントロールができ、上司・同僚からの支援がしっかり得られている状態を維持しています。

 

イ)多様で柔軟な働き方の推進

フレックスタイム制、週休3日制度、事由を問わない短時間勤務、社員が自身のLIFEをFULLにするための休暇制度等、多様な事情を抱える社員が力を発揮できるよう制度を整えています。近年では、ハイブリッドワークの環境下においても、新入社員が帰属意識を感じられるよう「コミュニケーションルール」を定め、全社・各チーム・上司それぞれの関係性において、心理的安全を確保するための基本のコミュニケーション設計を行い運用しています。

 

これらの活動の結果、Well-beingスコア※は、5点満点中3.45点(前期比+0.05ポイント)となりました。

 ※Well-beingスコア:目的、幸福、満足、ストレスに関する4つの設問の平均点

 

⑥チームへの投資「チームの成果の最大化」

当社では「生産性の向上」を全社的な組織課題と位置づけ、その向上に向けて様々な取組みを行っています。

 

ア)KPIマネジメント

当社では、当社社外取締役でKPIマネジメントの第一人者である中尾隆一郎の指導のもと、全社でKPIマネジメントを実践しています。KPIマネジメントとは、KPI(重要業績評価指標)をもとに目標達成までを管理するマネジメント方法です。全組織において、目標達成に向け最も投資対効果の高い先行指標を特定し、リソースを集中するノウハウを浸透させることで、効果的に成果を上げるようになっています。2024年9月時点で、78.7%の社員が、KPIマネジメントを適切に実行できていると回答しています。

 

イ)日次採算性向上

KPIマネジメントを支える仕組みとして、社員が各業務にかかる工数を記録し、振り返りができる「工数管理」を導入しました。時間配分を見直し、KGI(経営目標達成指標)達成につながるコア業務により多くの時間を充てられるよう改善することで、生産性を高めています。

 

ウ)ハイブリッドワーク

当社では週3日オフィス勤務を基本のルールとしています。管掌執行役員の承認のもと、「チームの成果が最大化」を目的に、チームごとに最適なルールに変更することも可能です。

 

エ)サクセッションプラン

経営に大きな影響を及ぼす経営者や主要事業・機能責任者の後継者育成計画を立案し、育成しています。取締役候補については指名委員会、執行役員以下の主要事業・機能責任者については未来人材会議という会議体をそれぞれ定期的に開催し、後継者候補人材の特定、育成状況のモニタリング、今後の育成計画の決定などを行っています。

 

オ)社会課題解決に挑む事業の責任者を経験した人数

2019年9月期から2024年9月期の期間中に「社会課題解決に挑む事業」の責任者を経験した従業員の人数は25人となりました(退職者を除く)

 

これらのチームの成果の最大化による生産性向上の取組みの結果、2024年9月期の一人あたり社中分配前利益は、12.9百万円(前期比+7.5%)と改善しました。

 

⑦チームへの投資「違いを歓迎するチーム」

当社では、多様な個性を持つすべての社員が内発的動機に基づき挑戦できるよう、互いの違いを歓迎し、それぞれの力を最大限発揮できるチームをつくっています。

 

ア)心理的安全性向上に向けた取組み

当社では、社員が上司や他のメンバーに対し、自分の考えや感情を率直に伝えることができ、間違ったことや反対意見を述べても安全だと感じられる雰囲気「心理的安全性」を重視しています。ガイドラインでは「敬意をもって意志を伝え、決定には全力を尽くす」という条文を定め、相手に敬意を払いながら自分の意志を率直に伝えることを求めています。

これを可能にするための施策として「チームビルディングプログラム」を全社的に行っています。互いのことを理解し、チームが「率直なコミュニケーションができる安全な場」と感じられるよう、各部門長がチームや個々の状態に合わせたプログラムを検討し、実施しています。また、各部署内でのランチ会や飲み会などのコミュニケーション予算として月3,500円を支援しています。さらに、ハイブリッドワークの環境下においても社員同士や新入社員が帰属意識を感じられるよう「コミュニケーションルール」を定め、上司との1on1の頻度や出社して顔を合わせる「コミュデイ」等、全社・各チーム・上司とメンバーそれぞれの関係性において、心理的安全を確保するための基本のコミュニケーション設計を行い運用しています。また、全社的な部門を超えたコミュニケーションの機会としてサークル活動を支援しています。1サークルに月1万円の支援金を支給しており、2024年9月末現在、約70のサークルが活動しており、社員の約52%が参加しています。事業年度の初めには全社員が参加するキックオフイベントを開催しており、部門を超えた交流機会となっています。

 

イ)多様な人材の活躍

当社では、多様な個性やバックグラウンドを持つ従業員一人ひとりが、互いの違いを歓迎し、それぞれの能力を存分に発揮できる組織風土を育むことでイノベーションを促進しています。

正社員の女性比率は2024年9月期39.9%となっております。女性管理職比率は2022年9月期18.6%、2023年9月期19.2%、2024年9月期22.8%と改善しています。管理職の登用に関し、当社では男女問わず公平な機会を提供し、能力と人格を兼ね備えた人物を昇進の対象とするというポリシーから女性管理職比率の数値目標は設定しておりませんが、管理職やスペシャリストを目指す社員の割合(キャリア志向調査:2024年9月期時点、管理職意向:女性29%・男性50%、スペシャリスト意向:女性31%・男性34%)の性差を課題と捉え、管理職やスペシャリストを目指す女性社員の割合が男性社員と同程度になることを目標に、研修プログラム等を実施しています。

 

また、採用・登用にあたっては、ジェンダーなどの属性のみならず、知識・経験の多様性を重視しています。全社に占める中途社員比率は2024年9月期では75.2%でした。

 

当社の障害者雇用率は2024年9月期末で3.04%(法定雇用率2.5%)です。社内にジョブコーチの資格をもつ障害者職業生活相談員を選任しており、障害者が自身の特性や強みを発揮しながら、安心して仕事ができるようサポートしています。

 

その他、50歳になった社員のキャリアプランや人生設計を支援する「elFULL(エルフル)プログラム」の定期開催、事実婚パートナー、同性パートナーに対する各種休暇制度や慶弔見舞金制度の適用等も行っています。

 

これらの活動によって、86%※の社員が「今の職場は誰もが持ち得る力を最大限発揮できる環境だと感じている」と回答しています。

※インクルージョンサーベイでのポジティブ評価(2024年9月時点):誰もが自分らしく活躍できる環境であるかを5段階で評価。「4 まあ発揮できる環境」及び「5 発揮できる環境」の合計の比率。