2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,062名(連結)
  • 平均年齢
  • 平均勤続年数
  • 平均年収

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

①人的資本に関する基本的な考え方(ガバナンス・戦略)

当社は、「最高のM&Aをより身近に。」というパーパスのもと、中小企業の事業承継および成長戦略を支援することで、持続的な地域経済・社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。この経営戦略を実行する上で、人材は最も重要な経営資本(人的資本)であり、人材への投資およびその質の向上が、中長期的な企業価値の向上に直結するとの認識のもと、人材戦略を策定しております。

当社が展開するM&A仲介・支援事業は、高度な専門性に加え、経営者の想いや企業文化への深い理解、公正性・中立性を備えた判断、社会的責任を踏まえた倫理観が不可欠な知的集約型ビジネスです。このため、人的資本を単なる労務コストではなく、持続的競争優位を生み出す成長投資の中核として位置付け、経営戦略と人材戦略を一体的に推進しております。

当社は、過去の経営課題を踏まえ、成果至上主義に依存した人材マネジメントから脱却し、信頼・品質・付加価値を重視する事業運営への転換を進めてきました。2026年3月期においては、この基盤を前提として、人的資本経営を「統制・再発防止の段階」から「成長投資としての実行・可視化の段階」へと進化させ、企業価値向上との連動をより明確にしております。

 

②人材戦略の全体像(価値創造ストーリー)

当社の人材戦略は、経営戦略の達成に向け、「どのような人材を確保・育成し、どのような行動を促し、その結果としてどのように企業価値を創出するか」という価値創造ストーリーに基づき設計しております。

具体的には、

・中長期視点に基づく人材ポートフォリオの構築

・専門性・倫理観・公共性を兼ね備えた人材の計画的育成

・属人的判断に依存しない、組織として再現性のある価値提供体制の確立

を柱とし、中小企業M&A市場の拡大・高度化という事業環境の変化を持続的成長につなげていくことを目指しております。

 

③採用および人材育成に関する方針(戦略)

a.採用方針

新卒採用については、短期的な即戦力性よりも、当社のパーパスおよび価値観への共感、高い職業倫理意識、長期的な成長可能性を重視したポテンシャル採用を基本としております。

中途採用については、金融、会計、税務、事業会社等で培われた専門的知見や実務経験を活かしつつ、個人の成果にとどまらず、組織全体の価値創造や品質向上に貢献できる人材の獲得を重視しております。

b.人材育成方針

人材育成においては、全社員を対象とした共通の基礎教育(理念・パーパス・コアバリュー、業務標準、コンプライアンス)を軸として、役割・経験に応じた専門教育および階層別研修を体系的に実施しております。

これにより、専門性の深化とともに、判断および行動の質を組織として担保する仕組みを整備し、安定的かつ高品質なM&A支援の提供を実現しております。

また、人材の多様性を確保する社内環境整備については引き続き検討してまいります。

 

④報酬および評価に関する基本方針(戦略・指標)

 当社の報酬制度は、短期的な業績評価に基づくインセンティブに加え、中長期的な企業価値向上への貢献を重視した設計としております。評価にあたっては、成約実績のみならず、案件品質、顧客満足度、業務プロセス遵守状況、組織への貢献度等を総合的に勘案しております。

「株式報酬信託制度の導入」

 当社は、2033年3月期に向けた中長期的な業績および企業価値向上を目的として、役員および従業員を対象とする株式報酬信託制度の導入を予定しております。

 本制度は、当社が拠出した自己株式を信託を通じて管理し、業績や役割に応じて付与されるポイントに基づき、当該ポイント数に相当する株式を交付する仕組みであります。

 これにより、役職員が中長期的な視点で企業価値および株主価値を意識した行動を取ることを促進し、経営陣・従業員と株主・投資家との価値共有を強化しております。本制度は、人材戦略と資本戦略を接続する中長期インセンティブ施策として位置付けております。

 

⑤リスク管理および人的資本に関する課題認識(リスク管理)

人的資本に関する主なリスクとして、専門人材の不足、品質管理の形骸化、価値観の不一致による組織力低下等を認識しております。これらのリスクに対しては、採用基準の明確化、教育体系の高度化、評価制度の透明性向上等の施策を通じて、未然防止および影響範囲の低減を図っております。

また、人的資本施策の進捗や実効性については、経営層が定期的にモニタリングを行い、必要に応じて施策の見直しを実施しております。

 

⑥人的資本に関する指標および今後の開示方針(指標・目標)

当社は、人的資本に関する取り組みについて、経営戦略との連動性を踏まえ、段階的に指標および開示内容の高度化を進めております。具体的な数値指標については、事業特性や投資家との対話を踏まえながら、適切な形で開示していく方針であります。

今後も、人的資本に関する開示を通じて投資家との建設的な対話を深め、人的資本戦略の改善と企業価値向上の好循環を実現してまいります。

 

(2) 【従業員の状況】

① 連結会社の状況

2026年3月31日現在

事業部門の名称

従業員数(名)

マーケティング本部、営業本部、バリュー推進本部

977

(  72  )

コーポレート本部、内部監査室

85

(  17  )

合計

1,062

( 89 )

 

(注) 1 当社グループは、単一セグメントであるため、事業部門別の従業員数を記載しております。

2 従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

3 臨時従業員には、パートタイマー、派遣社員を含んでおります。

4 上記のほか、受入出向者が14名おります。

 

② 提出会社の状況

当社の事業は連結子会社である株式会社日本M&Aセンターの従業員が兼務しており、専属の従業員がいないため、従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は記載しておりません。

 

③ 最大人員会社の状況

当事業年度における従業員数が最も多い会社

株式会社日本M&Aセンター

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(百万円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率(%)

918

34.2

4.6

13

8.7

(84)

 

(注) 1.従業員数欄の(外書)は、臨時従業員の年間平均雇用人員であります。

2.臨時従業員には、パートタイマー、派遣社員を含んでおります。

3.上記のほか、受入出向者が13名おります。

 

④ 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

⑤ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

ア  連結子会社

当事業年度

補足説明

名称

管理的地位にある労働者に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の

賃金の額の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

 

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

㈱日本M&A
センター

9.3

38.8

38.8

(注1,2)

53.8

55.2

31.0

  (注3)

㈱企業評価総合研究所

71.4

100.0

100.1

(注1)

80.8

82.5

-

㈱スピア

80.0

(注1,2)

86.5

88.6

105.2

-

㈱AtoG
Capital

100.0

(注1)

-

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男女ともにコンサルタント職の平均給与が高いことに加え、女性コンサルタントに比べて男性コンサルタントの比率が高いことから、男女の賃金差異が生じております。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

温室効果ガスは地球温暖化を引き起こす要因であり、世界的に気候変動課題への関心が高まっています。こうした課題に向けて2015年に「パリ協定」で、温室効果ガス排出量削減目標が国際的に採択されました。先進国・開発途上国を含め、世界的に取り組みが推進されており、1.5℃目標(世界の平均気温上昇を産業革命以前から1.5℃以内に抑える)の達成に向けて気候変動課題に取り組んでいます。

当社グループは、国内最大級の中堅中小企業M&A支援会社として、パリ協定に基づく脱炭素社会の実現に貢献する責任があると認識しています。気候変動への対応は、長期的な企業価値の維持・向上に資する重要な要素であり、当社は事業活動を通じて社会課題の解決に寄与していくべきだと考えています。

 

(1)ガバナンス

当社は、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題への対応を推進するため、取締役会直属の組織としてサステナビリティ推進委員会を設置しています。同委員会は、取締役副社長が委員長を務め、委員長が任命した各部門のメンバーで構成されています。

気候変動課題の対応として、シナリオ分析を通じてリスク・機会の評価、対応方針の検討、進捗状況の確認などを行い、全社的な取り組みを推進しています。当該活動は年1~2回開催されるサステナビリティ推進委員会を通じて報告されます。委員会での活動および審議内容は、委員長を通じて年1~2回、取締役会に報告されます。取締役会は、気候変動を含むサステナビリティ課題に関する事項を検討し、企業戦略や目標の策定について監督・意思決定を行っています。

 


 

また、当社のコーポレート・ガバナンスの詳細につきましては、第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等に記載のとおりです。

 

(2)戦略

気候変動の将来的な影響は、経済情勢や政策動向などの外部要因に大きく左右されるため、事業への影響評価には様々な不確実性を考慮する必要があります。こうした不確実性の分析を通じて、企業のレジリエンス性を適切に把握するため、当社は2024年度にTCFD提言に基づくシナリオ分析を実施しています。

シナリオ分析では気温上昇に関する複数のシナリオ(1.5℃、2℃および4℃)と時間軸(2030年、2050年)を前提に、国内事業を対象に評価を行いました。これらの分析を通じて将来的なリスクと機会を把握し、持続可能な事業運営の実現を目指してまいります。

想定シナリオ

1.5℃シナリオ

2℃シナリオ

4℃シナリオ

世界観

世界の平均気温上昇が産業革命前と比べて1.5℃までに抑えるシナリオ。
 脱炭素を目指した政策や規制が強化されるとともに、低炭素製品・サービスの需要が拡大する。

世界の平均気温が産業革命前と比べて最大2℃上昇するシナリオ。
 現行政策の範囲で低炭素化は進展するが、そのペースは不十分であり、気候変動リスクが引き続き高まる。

世界の平均気温が産業革命前と比べて最大4℃上昇するシナリオ。
  世界的に気候変動対策が十分に進展せず、物理的な被害が顕著に拡大する。

参照シナリオ

IEA 『WEO2024』NZEシナリオ, APSシナリオ
 IEA 『WEO2019』SDSシナリオ

IEA 『WEO2024』 STEPSシナリオ

IEA 『WEO2024』 STEPSシナリオ

IPCC 『第5次報告書』RCP2.6シナリオ

IPCC 『第5次報告書』RCP8.5シナリオ

IPCC 『第5次報告書』RCP8.5シナリオ

 

 

時間軸の定義

短期:2025年~2027年(現行の中期経営目標の最終年と整合)

中期:2027年~2030年(SDGsの目標年と整合)

長期:2030年~2050年(パリ協定の目標年と整合)

影響額の定義

大:連結経常利益額の3%以上

中:連結経常利益額の1%以上

小:連結経常利益額の1%未満

 

 

 

以下に、シナリオ分析によって特定された気候関連のリスクや機会、およびその対応策を示します。

気候変動課題を考慮したM&A需要の増加については、業種別に機会を考察しています。


また、人材の多様性を確保する社内環境整備については引き続き検討してまいります。

 

 

(3)リスク管理

当社では、気候変動に関連するリスクを「物理リスク(急性および慢性)」と「移行リスク(政策・法規制、技術、市場、評判)」に分類し、それぞれについて外部情報をもとに関連するリスクを特定しました。特定したリスクは、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などのシナリオを用いて評価を行い、影響規模を定量的に試算可能なリスクについては、概算により財務的影響を見積もり、影響の大きさを識別しています。気候変動関連リスク・機会の評価をもとに、当社はサステナビリティ推進委員会にてリスクや機会への対応を検討し、定期的に対応状況の進捗を確認しています。また、その結果を取締役会に必要に応じて報告することで管理しています。

重大な財務的影響を及ぼす可能性のある気候関連リスクは、CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)が委員長を務めるリスクマネジメント委員会と連携し、グループ全体のオペレーショナルリスク対応を担い、全社的なリスクマネジメントプロセスに統合して評価・管理されます。委員会では、影響度が大きく顕在化の可能性が高いリスクに対し、対応策の検討、進捗状況のモニタリング、必要に応じた改善を実施し、外部専門家の助言も活用しています。これらの取り組みの結果は、経営会議および取締役会に報告され、経営判断に反映されます。

 

(4)指標及び目標

当社は、気候変動リスクや機会への対応を進めると同時に、パリ協定や国内の2050年カーボンニュートラル水準に向けた脱炭素化課題への目標のモニタリングのため、排出量の削減目標を現在再検討しています。具体的な対応としてはScope 1、Scope 2、およびScope 3排出量の算定範囲を拡大し、開示することを目指しています。

 

CO2排出量推移(t-CO2)

 

2023年度

2024年度

2025年度

Scope1

0

0

0

Scope2

39.1

42.5

62.1

 

Scope3

2,934.2

2,667.0

3,515.1

 

〈算定方法〉GHGプロトコルに基づき算定

〈算定対象範囲〉日本M&Aセンター国内拠点(サテライトオフィス、海外拠点は算定対象外)

〈組織境界〉支配力基準(支配下の事業からのGHG排出量を100%算定)

〈算定ロジック〉Scope 3はカテゴリ6とカテゴリ7の排出量を算定。

 

また人材育成に関しては協力しあう風土づくりや女性社員の意識醸成に取り組み、女性活躍の土壌を耕します。

各階層に向け個別に施策を実施することで目標達成を目指します。

 

女性活躍推進プロジェクト(単位:%)

 

2025年

2027年

2030年

女性役員比率

14.3

21.4

31.3

女性管理職(課長以上)比率

12.8

21.1

21.9

 

女性社員比率

28.6

28.9

30.2