2024年3月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に係る事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)少子化の影響について

当社の事業主体である幼児体育指導関連事業は、主に私立幼稚園・保育園・こども園及びその園児並びに卒園児である小学生が対象ですが、最近の出生数の減少という少子化の問題に直面しております。

このような状況下で当社におきましては、幼稚園・保育園及びこども園に対しては、園児獲得、経営の安定に向けて他園との差別化を推し進め、通園児・その保護者に対しては、高品質できめ細やかなサービスの展開に努めてまいります。

しかしながら、これらの差別化、高品質化に向けた施策が効果的に行われない場合は、少子化の影響を直接被ることになり、契約園数や会員数の伸び悩みといった事象に見舞われ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)売上高の変動に係るもの

当社の幼児体育指導関連事業のうち、とりわけ、イベント企画業務については、園児を対象とした遠足・合宿等を春・夏・冬休みといった限られた期間に集中的に実施することから、天候等の影響により、中止とせざるを得ない状況になることがあります。このように、天候不順・災害等の予期せぬ要因により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、オンライン映像指導等を実施し、代替できる仕組みを構築しております。

 

(3)特有の法的規制に係るもの

当社は、幼児体育指導関連事業において、旅行業に関しては「旅行業法」による規制、幼稚園・保育園・こども園に対する職員の派遣(労働者派遣事業)に関しては「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」による規制、また、有料職業紹介事業に関しては「職業安定法」による規制を受けております。

将来、これらの規制等の変更により、当社の持つ許認可等に予期せぬ措置が及んだ場合に、当社の業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、担当部署で、関連する法規制を総務省の法令データベースサービス等を随時利用して監視するようにしています。

 

(4)新たな法規制等の導入や変更について

当社が行う幼児体育指導関連事業、並びにコンサルティング関連事業において、学校法人法、社会福祉法人法等、幼児教育に関する法規制等が新たに導入、変更、廃止された場合には、当社の業績及び事業に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社は、担当部署で、関連する法規制を総務省の法令データベースサービス等を随時利用して監視するようにしており、また、過年度において設立または継承してきました学校法人または社会福祉法人から情報を入手するようにしています。

 

 

(5)重要な訴訟事件等の発生に係るもの

当社は、実技を通して指導を行うことを主な業務としておりますので、指導を受ける児童は、転ぶ、ぶつかる、落ちる等の事故にあう可能性があります。

正課体育指導中においては、当社の指導員の過失により事故等が発生した場合には、当社に責任が発生する可能性があります。また、課外体育指導中及びイベント・合宿等の旅行中の事故についても、当社に責任が発生する可能性があります。

このように、当社の業務中に事故が発生した場合には、損害賠償責任等の金銭的な負担が発生する可能性があり、当社の業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、コンプライアンス規程において、リスク管理・統括する機関として、コンプライアンス委員会が設けられており、事後対応と再発防止策の検討等を行っております。さらには、訴訟案件に発展しそうな事案につきましては、顧問弁護士及び損害保険会社と連携し、善後策を講じる体制が組まれております。

 

(6)個人情報保護法について

個人情報の保護に関する法律(以下「個人情報保護法」)は、個人情報を利用して事業活動を行う法人、団体等に対して、個人情報の適正な取得、利用及び管理等を義務付け、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権益保護を図ることを目的とした法律であり、2005年4月1日より全面施行されております。

当社は、業務の性質上、園児及びその保護者等の個人情報を保有・管理しております。当社においては、各々の部署が同法の定める義務規則を遵守し業務を遂行しているかを内部監査上の監査項目として厳格な監査を実施しており、個人情報保護に向けて組織的に対応し、システムによる管理体制を強化しておりますが、当該法令に違反し、同法に基づく勧告若しくは命令又は罰則を受けるようなこととなった場合には、当社の信用の低下、当社に対する損害賠償請求等によって、当社の業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、全従業員のPCの操作ログの収集や、媒体を使ったデータの持ち出しができないように制御できる管理システムを構築し、個人情報の外部流出を防ぐ管理体制をとっております。

 

(7)情報システムについて

当社では、システム管理体制の整備に努めておりますが、運用上のトラブルの発生等により、当社の業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。

また、コンピュータウィルスの侵入や不正アクセス等の外的要因を遮断するための対策、管理を強化し、システムを管理、監視するデータセンターの安全性の向上、システムバックアップ体制の整備に努めておりますが、システム障害の要因は予測不能な面もあり、重要なシステム障害が発生した場合には、当社の業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、日々サーバーの死活監視を実施すると同時に、データの自動バックアップを行い、システム障害の発生に備えています。万が一障害が発生した場合でも、第三者に機能回復作業を委託しており、短期間での回復が可能であります。

 

(8)ノウハウの流出について

当社は、幼稚園・保育園・こども園での正課体育指導、園児に対する課外体育指導並びに幼稚園・保育園・こども園に対するコンサルティング業務を行なっており、これら業務のすべてを創業以来独自の手法により展開してまいりました。これらの蓄積された当社特有の指導ノウハウ等に関わる情報が、何らかの形で社外に流出した場合、市場での優位性を確保できなくなり、結果として当社の業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。

しかしながら当社では、指導ノウハウ等、独自性があり、模倣できるものではないと考えているため、影響は軽微であります。

 

 

(9)特殊な契約にかかわるものについて

当社は、幼稚園・保育園・こども園に対して正課体育指導を行う場合には、その設置者である学校法人あるいは社会福祉法人と正課体育指導契約を締結します。

その契約の条項には、当社の定める契約金額等の諸条件を満たす場合に限って、「契約する園が、競合となる近隣の園4園までを指定して、当社がそれらの園と同種の契約をできないようにすることができる」という規定があります。

当該制限条項が将来的に当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、特殊の契約以外の新規園については、制限条項を設けないことにしています。

 

(10)流行性疾患の蔓延に伴う事業機会の滅失について

近年蔓延いたしました新型コロナウイルス感染症や新型インフルエンザに代表されます流行性疾患が、全国規模または地域的に蔓延した場合、当社の主要顧客であります幼稚園・保育園・こども園においては、園児たちの安全性を確保する意味合いから、即時に休園措置がとられることが通例であります。このような事態に備え、当社においては、振替措置等の対策を講じ、業績への影響を最小限に抑えるよう努めておりますが、万が一、事態が長期化または深刻化するような場合には、振替措置に至らず、結果として、体育指導の中止を余儀なくされ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の事業所内において流行性疾患が蔓延し、活動停止を余儀なくされるような場合においても、同様に振替措置に至らず、結果として、体育指導サービスの提供機会がなくなり、当社の業績及び事業に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、事業復旧の早期化・省力化を図るため、事業運営機能のオフィスの分散化を実施しております。また、有事の際には、テレワーク等勤務体制の変更、従業員の行動基準の策定や事業リスクの最小化に向けた施策を推進します。

 

(11)寄附金の拠出に伴う経営成績への影響について

当社は、経営戦略の一端として、学校法人、社会福祉法人を設立する経営方針を有しており、過年度において学
校法人4件、社会福祉法人4件を設立または承継してきました。

学校法人または社会福祉法人を設立するための資金を拠出する場合、または既存の学校法人または社会福祉法人
に対して資金供与を行う場合の会計処理は、営業上の投資としての会計処理ではなく、寄附金として一括費用計上
を行うこととなるため、学校法人または社会福祉法人の設立または資金供与を行う場合は、当社の業績に重要な影
響を与える可能性があります。

当社は、原則として学校法人または社会福祉法人の設立に際し、新たな資金供与は行わず、既存の学校法人、社会福祉法人の園で新たに設立できるように努めております。

配当政策

3 【配当政策】

当社は、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを剰余金の配当等に関する基本方針としております。当社は今後、配当性向30%以上を目指し、安定的な配当の継続並びに1株当たりの配当の増額に努めてまいります。毎事業年度における配当の回数につきましては、定時株主総会において1回、もしくは中間配当を含めた2回を基本的な実施方針としております。

配当の決定機関は株主総会でありますが、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を取締役会の決議によって行うことができる旨、定款で定めております。

2024年3月期の配当につきましては、上記基本方針に基づき、1株当たり23円の配当を実施することを2024年6月25日開催の定時株主総会において決議しました。内部留保資金につきましては、今後の事業拡大のために有効に投資してまいりたいと考えております。

(注)    2024年3月期の剰余金の配当の決議内容

株主総会決議日

2024年6月25日

 

配当金の総額

248,459

千円

 

1株当たり配当額

23