2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

菓子事業 食品事業 不動産賃貸事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
菓子事業 26,834 72.0 2,545 73.7 9.5
食品事業 9,497 25.5 453 13.1 4.8
不動産賃貸事業 917 2.5 453 13.1 49.4

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社が営んでいる主な事業内容は、次のとおりであります。なお、区分方法についてはセグメント情報における事業区分と同一であります。

 

(1) 菓子事業

当社が和菓子類、洋菓子類及びパン類を製造販売しております。

(2) 食品事業

当社が業務用食材類、市販用食品類及び調理缶詰類を製造販売するほか、レストランの経営を行っております。

(3) 不動産賃貸事業

当社が商業ビル及び土地の賃貸事業を行っております。

 

以上の事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。

 


業績

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当期におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大に加え、政策による雇用・所得環境改善の効果もあり、緩やかな回復が見られました。一方で、米国の経済政策転換や中国経済の低迷、地政学リスクなど依然として先行きが不透明な状況が続きました。

このような状況の中、当社は経営理念「真の価値を追求し、その喜びを分かち合う」のもと、「中期経営計画-中村屋2027ビジョン-」に掲げた戦略に基づき、経営目標達成に向けた取組みを進めました。

具体的には、中華まんビジネスにおいて、春夏向けの新商品を発売することでさらなる需要の掘り起こしを図り、売上の拡大につなげました。菓子ビジネスでは、日常使いの“デイリー菓子”について、他社とのコラボレーション商品の展開や高付加価値商品の取扱販路を拡げることで増収を図るとともに、親しい間柄で贈り合うギフトの需要拡大に対応しました。食品ビジネスでは、消費者の嗜好や利用シーンの変化に対応すべく、主力のレトルトカレーや中華調理用ソースの改良や品揃え強化を行うとともに、業務用販路において拡大する中食業態への提案を強化し、売上確保に努めました。また、2024年10月にリニューアル10周年を迎えた新宿中村屋本店では、期間限定商品の発売や記念イベントを実施しました。SNSなどでの反響も大きく、新たな中村屋ファンの獲得とブランドイメージの発信につなげました。

これらの取組みに加え、原材料価格の高騰をはじめとする様々な利益圧迫要因に対し、商品の価格や規格の見直しを実施するとともに、アイテムの絞り込みによる製造コスト低減や工場稼働率の平準化を推進し、収益体質の強化を図りました。

以上のような取組みを行いましたが、消費意欲を充分に喚起するまでには至らず、当事業年度における売上高は、37,247,627千円、前年同期に対し522,333千円1.4%の減収となりました。

利益面につきましては、売上高は減収となったものの、収益体質の強化を図った結果、営業利益は1,070,417千円、前年同期に対し239,944千円28.9%の増益経常利益は1,277,064千円、前年同期に対し281,482千円28.3%の増益当期純利益は884,947千円、前年同期に対し479,838千円118.4%の増益となりました。

 

セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。

 

① 菓子事業

菓子類では、ギフト商品全般のパッケージデザインを見直し、手軽さと上質感の向上を図ると同時に、「月の菓」をはじめとする主力商品の品質改良を実施しました。また、焼菓子の新商品「月のしらべ」「あんバタパイ」を発売し、品揃えの強化を進めました。夏のデザート類では、手軽な価格帯の「夏いろか」を新発売することで、変化するギフト需要への対応に努めました。

日常使いの“デイリー菓子”類では、「ご褒美喫茶」シリーズの品質・パッケージ改良や他社とのコラボレーション商品を展開し、拡販を図りました。また、メディアに取り上げられ話題となった「逸品どら焼」に続いて「逸品カステラ」を新たに発売し、素材や製法にこだわった独自価値の高い商品のラインナップを増やしました。

中華まん類では、量販店販路を中心に個包装のまま電子レンジで温められる手軽さをアピールし、年間を通じた拡販を目指すとともに、お客様により様々なシーンで中華まんを楽しんで頂けるよう「担々肉まん」「塩レモン肉まん」「てりやきチキンまん」などの新商品を発売しました。あわせて主力商品「肉まん」「あんまん」の品質改良を行い、商品力の強化に努めました。コンビニエンスストア販路では、「肉まん」「ピザまん」など基本商品の改良や「明太もちチーズまん」「ルーローまん」といったバラエティ豊かな商品の発売により売場展開の強化を目指すとともに、人気キャラクターとコラボレーションした商品を期間限定で展開し、顧客層の拡大を図りました。

新宿中村屋本店「スイーツ&デリカBonna」では、リニューアル10周年イベントとして、期間限定で「できたて手包み肉まん」「できたてサンド月餅」の実演販売を行いました。

店舗展開では、キャラメルスイーツ専門店「CARAMEL MONDAY」において、季節限定商品の発売やターミナル駅構内・商業施設での催事出店を継続的に実施することで、ブランド認知度の向上ならびに土産需要への対応に努め、売上拡大を目指しました。

以上のような営業活動を行った結果、菓子事業全体の売上高は26,833,570千円、前年同期に対し663,370千円2.4%の減収、営業利益は2,545,351千円、前年同期に対し79,293千円3.0%の減益となりました。

② 食品事業

市販食品では、より多様化する消費者のニーズに対応するための取組みを進めました。レトルト食品類においては、主要商品の品質向上を図るとともに、「インドカリー」シリーズに電子レンジ調理対応の新商品「バターチキン」を投入し、簡便性が高い商品のラインナップを充実させることで、売上の拡大に努めました。また、2024年2月の発売以来ご好評を頂いている、味わいの濃さ・深さを追求した「THE 濃厚」シリーズでは、新商品「ブラックスパイシー」を発売し、新たな顧客層の獲得に努めました。中華調理用ソース「本格四川」シリーズでは、パッケージデザインのリニューアルを行い、ブランド訴求を強化しました。

業務用食品では、レストランで培った調理技術を活かし、中食・内食販路へ向けた開発・提案を継続して推進しました。コンビニエンスストア向けでは、夏のキャンペーン限定の新商品「チキンカレー」を発売し、売上の確保につなげました。また、会員制倉庫型小売チェーン向けでは、レトルトカレーの展開に加え、フードコートのメニューとしてスープが採用となり、拡販につながりました。さらに、専門店小売業チェーン向けでは、前年メディアに取り上げられ高い評価を得たPB商品のレトルトカレーが引き続き好調に推移し、売上の拡大に大きく貢献しました。

直営レストランでは、新宿中村屋本店「カジュアルダイニングGranna」「レストラン&カフェManna」において、リニューアル10周年を記念し、スパイスを使ったインドの食文化をお楽しみ頂けるオリジナルカリーのセットやコースを期間限定で販売しました。「オリーブハウス」では、季節感のあるメニューを発売し、お客様の満足度向上に努めることで集客力の強化を図りました。

以上のような営業活動を行った結果、食品事業全体の売上高は9,497,097千円、前年同期に対し53,678千円0.6%の増収、営業利益は453,453千円、前年同期に対し64,603千円16.6%の増益となりました。

 

③ 不動産賃貸事業

不動産賃貸事業では、商業ビル「新宿中村屋ビル」において快適で賑わいのある商業空間の提供に努め、満室稼働の維持につなげました。

また、武蔵工場の敷地の一部に設定した事業用定期借地権や、旧東京事業所跡地の一般定期借地権による地代収入により、安定した売上を確保しました。

以上のような営業活動を行った結果、売上高は916,960千円、前年同期に対し87,359千円10.5%の増収、営業利益は452,581千円、前年同期に対し70,090千円18.3%の増益となりました。

 

(2) 当期の財政状態の概況

資産、負債及び純資産の状況

当事業年度末における総資産は、現金及び預金の増加1,478,205千円があったものの、売掛金の減少627,200千円、建物の減少461,585千円、機械及び装置の減少246,926千円、原材料及び貯蔵品の減少222,741千円等により、前事業年度末に比べ8,575千円減少し、43,508,953千円となりました。

負債は、長期前受収益の増加3,155,108千円等があったものの、短期借入金の減少2,500,000千円、退職給付引当金の減少754,527千円、未払法人税等の減少256,473千円等により、前事業年度末に比べ440,805千円減少し、16,471,006千円となりました。

純資産は、固定資産圧縮積立金の減少113,253千円等があったものの、繰越利益剰余金の増加649,785千円等により、前事業年度末に比べ432,230千円増加し、27,037,947千円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ、1,479,153千円増加し、2,615,667千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、5,165,354千円の収入(前事業年度は4,707,494千円の収入)となりました。これは主に、退職給付引当金の減少額△754,527千円等があったものの、長期前受収益の増加額3,155,108千円、減価償却費1,486,930千円、税引前当期純利益1,217,738千円等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、653,747千円の支出(前事業年度は109,963千円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入182,344千円等があったものの、有形固定資産の取得による支出△685,573千円等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、3,032,451千円の支出(前事業年度は4,678,877千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の減少額△2,500,000千円、配当金の支払額△346,737千円等があったことによるものです。

 

 

(4) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

菓子事業

14,139,825

3.3

食品事業

4,238,634

3.8

合計

18,378,459

3.4

 

(注) 金額は製造原価によっております。

 

② 受注状況

当社は受注生産をしておりません。

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

菓子事業

26,833,570

△2.4

食品事業

9,497,097

0.6

不動産賃貸事業

916,960

10.5

合計

37,247,627

△1.4

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

14,178,365

37.5

14,373,356

38.6

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績の分析

(売上高)

売上高は37,247,627千円、前事業年度と比較し522,333千円1.4%の減収となりました。

菓子事業においては、日常使いの“デイリー菓子”について、他社とのコラボレーション商品の展開や高付加価値商品の取扱販路を拡げることで増収を図るとともに、親しい間柄で贈り合うギフトの需要拡大に対応しました。中華まんにおいては、春夏向けの新商品を発売することでさらなる需要の掘り起こしを図り、売上の拡大につなげました。また、コンビニエンスストア販路では、中華まんの基幹商品に加えバラエティ商品や人気キャラクターとのコラボレーション商品を期間限定で発売し、売場展開強化と顧客層の拡大に努めました。しかしながら、歳末ギフトや季節菓子を絞り込んだ影響もあり、前事業年度と比較し663,370千円2.4%の減収となりました。

食品事業においては、消費者の嗜好や利用シーンの変化に対応すべく、主力のレトルトカレーや中華調理用ソースの改良や品揃え強化を行うとともに、業務用販路において拡大する中食業態への提案を強化し、売上確保に努めました。また、2024年10月にリニューアル10周年を迎えた新宿中村屋本店では、期間限定商品の発売や記念イベントを実施しました。SNSなどでの反響も大きく、新たな中村屋ファンの獲得とブランドイメージの発信につなげた結果、前事業年度と比較し53,678千円0.6%の増収となりました。

不動産賃貸事業においては、新宿中村屋ビルの満室稼働に加え、前事業年度の期中に締結した旧東京事業所跡地の再開発に伴う一般定期借地権設定契約を締結した結果、前事業年度と比較し87,359千円10.5%の増収となりました。

(売上原価)

売上原価は、原材料価格や輸送費の高騰など様々なコストアップ要因に対し、価格の改定や商品企画の見直しによる価値向上を実施するとともに、自社工場の平準化生産や商品の絞り込みによる効率化を推進した結果、対売上高比率は63.2%と前事業年度と比較し0.4ポイントの低減となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費は、各事業の商品絞り込みによるリソースの集中化を図るとともに、多様な働き方を推進した結果、対売上高比率は33.9%、前事業年度より0.3ポイント改善となりました。

(特別損益)

特別損益は、投資有価証券売却益122,767千円を特別利益に、固定資産売却損127千円、固定資産除却損7,218千円、減損損失174,748千円を特別損失に計上し、当期純利益は884,947千円(前事業年度は当期純利益405,109千円)となりました。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び流動性についての分析

当社の資金の状況は、当事業年度末には2,615,667千円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、長期前受収益の増加等により、資金の収入は5,165,354千円となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、資金の支出は653,747千円となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少等により、資金の支出は3,032,451千円となりました。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行っております。

 

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果は異なることがあります。

また、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。