2024年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    773名(単体)
  • 平均年齢
    42.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    19.0年(単体)
  • 平均年収
    5,772,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

2024年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

773

(487)

42

19

5,772

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

菓子事業

466

(162)

食品事業

98

(265)

不動産賃貸事業

2

(-)

全社(共通)

207

(60)

合計

773

(487)

 

(注) 1.従業員は就業人員であり、臨時従業員数は(  )内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

(2) 労働組合の状況

当社に、全中村屋労働組合があります。なお、労使関係は安定しており特記すべき事項はありません。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

補足説明

管理職に

占める

女性労働者

の割合(%)

(注1)

男性労働者の

育児休業

取得率(%)

(注2)

労働者の男女の

賃金の差異(%)(注1)

全労働者

正規雇用

労働者

パート・

有期労働者

15.8

16.7

52.2

75.3

79.9

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) サスティナビリティ全般

① ガバナンス

当社は、「真の価値を追求し、その喜びを分かち合う」という経営理念のもと、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献することを目的として、2023年2月に代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。さまざまな社会課題の中から、当社とステークホルダーにとっての重要度を分析し、5つのマテリアリティを抽出するとともに、推進体制として、環境部会、品質安全部会、人財部会を設置し、評価指標の達成に向けて取組みを進めております。マテリアリティや評価指標については、取締役会で審議されるとともに、定期的に取組みの進捗状況を報告し、監督を受ける体制としております。

 

 

② 戦略

当社は、抽出したマテリアリティに関する基本的な考え方と方針を定め、活動を推進しております。

(地球温暖化・気候変動の抑制)

中村屋は、人びとが喜びを分かち合える持続可能な社会の実現に貢献するため、地球温暖化・気候変動の抑制に取り組みます。

(地球温暖化・気候変動の抑制方針)

私たちは、中村屋で働く一人ひとりの環境問題への意識向上を図り、全ての企業活動において、温室効果ガスの削減に努めます。

(循環型社会の実現)

中村屋は、地球にやさしく笑顔溢れる社会の実現に貢献するため、循環型社会の実現に取り組みます。

(循環型社会実現方針)

私たちは、企業活動で生じる食品廃棄物について、リデュース(ごみの減量)・リユース(再利用)・リサイクル(再資源化)の3Rを推進し、ゼロエミッション(廃棄物ゼロ)を目指します。

(食の安全・安心の確保)

中村屋は安全・安心な商品やサービスを開発・提供し、お客様に感動と笑顔をお届けするために、品質保証体制の継続的改善と品質重視の文化醸成に取り組みます。

(品質方針)

中村屋は、企画・開発から生産・営業まですべてのバリューチェーンの業務プロセスにおいて、そこにかかわるすべての人が、お客様視点に立った品質保証を優先し実行することで、おいしさとともに、信頼され満足いただける安全・安心な商品・サービスをお届けします。

(従業員が働きやすい会社の実現)

中村屋は、従業員一人ひとりが覚悟と熱意をもって仕事に挑戦し、成長することで働く喜びが生まれる職場環境を目指します。

(社内環境整備方針)

私たちは、多様な働き方が出来る制度・仕組みを整えるとともに、快適に働ける職場環境を提供します。

(多様な人財の活用)

中村屋は、多様性を尊重した上で、挑戦する人が成長し、持てる力を存分に発揮できる風土を醸成するとともに、一人ひとりが働く喜びを実感できるような、人財活用・育成を目指します。

(人財育成方針)

私たちは、一人ひとりの挑戦や成長を支援する制度・仕組みをつくり、真の価値を創造する担い手を育成します。

 

③ リスク管理

当社は、「コンプライアンス・リスク管理委員会」において、リスク環境の変化に対応するため、危機管理基本規程に基づく、リスクアンケートを定期的に実施し、重要なリスクの選定と対応すべきリスクの優先づけを行い、対応策を講じることとしております。

 

 

④ 指標及び目標

当社では、5つのマテリアリティに基づき、評価指標を設定し、目標達成に向けて取組みを推進しております。

戦略

指標

2023年度目標

2023年度実績

2024年度目標

地球温暖化・気候変動の抑制

エネルギー原単位

2022年度比
2%削減

2022年度比
6.7%削減

CO₂排出量

2018年度比
23%削減

循環型社会の実現

食品廃棄物売上げ100万円あたりの重量

2013年度比
2%削減

2013年度比
16.1%削減

2015年度比
25%削減

食の安全・安心の確保

「食品安全マネジメントシステム運用」※1

規格の認証・

適合証明維持

自社4工場のFSSC22000認証、JFS-B適合維持

内部監査の実施
食品安全教育の実施

従業員が働きやすい会社の実現

サーベイ結果
(職場推奨度)

2022年対比
3.75%アップ

2022年対比
4.96%アップ

サーベイ結果
(良い職場の実感)

2023年対比
1.20%アップ

多様な人財の活用

サーベイ結果
(働く喜びの実感)

2022年対比
1.25%アップ

2022年対比
2.27%アップ

2023年対比
1.25%アップ

 

※1 食品安全マネジメントシステム規格のFSSC22000、JFS‐Bに基づいた運用

 

(2) 気候変動

当社では、気候変動問題を重要な課題の一つとして認識し、前事業年度よりTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った気候変動への対応に着手しております。

 

① ガバナンス

当社では、地球温暖化・気候変動の抑制をサステナビリティに関するマテリアリティの一つとして、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会の下部組織である環境部会にて取組みを進めておりますが、TCFD提言で要請されている気候変動に係る情報開示については、「コーポレート・ガバナンス推進委員会」にて、その枠組みを策定し、サステナビリティ委員会に提案する形を取っております。

気候変動に係るリスクと機会については、最終的に取締役会で審議されるとともに、定期的に進捗状況を取締役会に報告し、監督を受ける体制としております。

 

② 戦略

気候変動に伴って将来生じる可能性のあるリスク・機会について、確からしさと影響の大きさ2つの視点から特定するとともに、重要度を評価しました。このうち、重要度が高く試算可能なリスクを対象とし、2030年(短期)、2050年(中期)、2100年(長期)時点での財務影響を算定しました。

当社では、特に重要度の高いリスクの軽減および機会の創出に向けて対応策の検討を進めており、 1.5℃/2℃、4℃シナリオに対して、レジリエンスを有するように努めています。

◆重要なリスクと機会

主なリスク・機会

当社への影響

重要度

時期※

1.5℃/2℃シナリオ

4℃

シナリオ

移行リスク

炭素税の導入

操業コスト(電気料他)の増加

中~高

 

短中期

仕入原価の増加

中~高

 

消費者意識変化

環境配慮型商品の需要増加

中~高

 

物理的リスク

台風・豪雨・洪水等の増加・激甚化

仕入原価の増加

 

中~高

中長期

操業停止

 

物流機能停止

 

平均気温の上昇、気候パターンの不安定化

仕入原価の増加

 

中~高

機会

消費者意識変化

エネルギーコストのかからない商品の需要増加

 

短中期

台風・豪雨・洪水等の増加・激甚化

備蓄食品の需要増加

 

中長期

平均気温の上昇

冷菓の需要増加

 

中~高

 

※時期:2030年(短期)、2050年(中期)、2100年(長期)

◆事業インパクト評価

特定されたリスクのうち、重要度が高く、試算可能なリスクについて、移行リスクとして炭素税導入による追加コスト、物理的リスクとして洪水発生時の拠点の浸水による追加コスト・被害額を試算しました。試算に当たっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と国際エネルギー機関(IEA)の情報に基づき、1.5℃/2℃上昇、4℃上昇を想定したシナリオを使用しました。

重要度が高く、試算可能なリスクについて、移行リスクとして炭素税導入による追加コスト、物理的リスクとして洪水発生時の拠点の浸水による追加コスト・被害額を試算しました。

(a)炭素税導入による追加コスト[移行リスク]

国際エネルギー機関(IEA)の情報に基づき、単体の事業所等のエネルギー消費に伴い排出される温室効果ガス排出量に応じて課税される追加コストを試算しました。

その結果、影響が最大となる1.5℃上昇シナリオで追加コストが大きくなり、2050年の影響は、約778百万円、2023年度売上に対して最大約2.19%となりました。

(b)洪水発生時の工場・営業所の浸水による追加コスト[物理的リスク]

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が提供する将来予測データを用いて、当社の工場・営業所が洪水で浸水被害を受けた場合の追加コスト・被害額(事業を継続するのに必要な代替オフィスの借り上げ費、事業停止による売上減少額、浸水による建物・償却・在庫資産の毀損額)を試算しました。

その結果、4℃上昇シナリオで財務影響が最も大きくなり、2100年の影響は約2,531百万円、売上に対して7.12%となりました。

 

③ リスク管理

当社では、気候変動関連のリスク管理については、「コーポレート・ガバナンス推進委員会」において、TCFD提言に沿って、外部アドバイザーの助言を受けながら、気候関連リスクとリスクに対応する対応策を洗い出しております。その内容は、サステナビリティ委員会を介し、定期的に取締役会へ報告し、監督を受ける体制としております。また、特定したリスクは、確からしさと影響の大きさから重要度を評価し、重要と評価されたリスクと対応策については、取締役会に報告し、全社的なリスクとともに危機管理基本規程に基づき、「コンプライアンス・リスク管理委員会」にて管理することとしております。

 

④ 指標及び目標

当社では、2022年度における当社事業(単体)に伴う温室効果ガス排出量を、国際基準であるGHGプロトコルに準拠して算定しました。2022年度におけるScope1、Scope2の排出量は以下のとおりです。

区分

排出量(t-CO2

Scope1(燃料の燃焼・フロンの漏えい)※1

9,808

Scope2(電気の使用)※2

ロケーション基準※3

11,659

マーケット基準※4

11,365

計(Scope1+Scope2)

ロケーション基準

21,467

マーケット基準

21,173

 

※1 Σ(各燃料の年間使用量×各燃料の単位発熱量×各燃料のCO₂排出係数) 各燃料の単位発熱量、各燃料のCO₂排出係数は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」に基づく「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver4.9)(令和5年4月)」に記載の値を採用。都市ガスの単位発熱量は「-2023年度版-省エネルギー法 定期報告書・中長期計画書 別途資料2」に記載の都市ガス供給事業者(旧一般ガス事業者)の供給熱量一覧(2022年3月31日時点)に基づく値を採用。

※2 IPCC報告書における最新のフロン等の地球温暖化係数に基づき算定。

※3 平均的な排出係数(令和3年度全国平均係数)に基づき算定

※4 「地球温暖化対策の推進に関する法律で定められた」電気事業者別の調整後排出係数(令和5年度報告用)に基づき算定。

当社では、気候関連のリスクと機会をマネジメントするため、2030年度における温室効果ガス排出量(Scope1およびScope2の総量)を2018年度比で38%削減することを目標としています。

今後は、2050年カーボンニュートラルに向けて、当社事業に伴う温室効果ガス排出量の更なる削減に努めてまいります。