人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数1,452名(単体) 5,563名(連結)
-
平均年齢43.9歳(単体)
-
平均勤続年数13.5年(単体)
-
平均年収8,445,877円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2024年12月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
健康・食品事業 |
441 |
[417] |
乳業事業 |
670 |
[678] |
栄養菓子事業 |
735 |
[940] |
食品原料事業 |
198 |
[11] |
国内その他事業 |
744 |
[619] |
海外事業 |
1,986 |
[578] |
全社(共通) |
789 |
[173] |
合計 |
5,563 |
[3,416] |
(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(2)提出会社の状況
|
|
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2024年12月31日現在 |
|
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
|
1,452 |
[641] |
43.9 |
13.5 |
8,445,877 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
健康・食品事業 |
250 |
[134] |
乳業事業 |
270 |
[165] |
栄養菓子事業 |
306 |
[185] |
国内その他事業 |
10 |
[-] |
海外事業 |
3 |
[-] |
全社(共通) |
613 |
[157] |
合計 |
1,452 |
[641] |
(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。
(3)労働組合の状況
労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
提出会社
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)2 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)3、5 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)2、4 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
8.1 |
107.3 |
47.3 |
74.3 |
36.1 |
連結子会社
当事業年度 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)2 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)3、5 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)2、4 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
グリコマニュファクチャリングジャパン㈱ |
2.4 |
100.0 |
64.8 |
78.7 |
77.9 |
グリコチャネルクリエイト㈱ |
- |
100.0 |
65.4 |
83.5 |
89.7 |
グリコ栄養食品㈱ |
4.8 |
83.3 |
68.1 |
65.8 |
- |
関西フローズン㈱ |
- |
10.0 |
63.8 |
77.1 |
66.4 |
東北フローズン㈱ |
10.0 |
0.0 |
68.8 |
78.1 |
78.5 |
当社及び国内連結子会社(注)6
当事業年度 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)2 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)3、5 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)2、4 |
||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||
6.7 |
86.1 |
56.8 |
79.4 |
65.9 |
(注)1.出向者は出向元の労働者として集計しております。
2.管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものです。「-」は該当者がいないことを示しています。なお、当社グループは、意思決定プロセスにより多くの女性社員が参画することで、イノベーションを創出できる組織になれるよう、取り組んでまいります。
3.男性労働者の育児休業取得率については「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。「-」は該当者がいないことを示しています。
4.男女の賃金の差異については、当社及び国内連結子会社では同一雇用形態において男女の賃金に差を設けていないため、主に正規・非正規の雇用形態別、及び正規における等級別の人員構成の差によるものです。「-」は該当者がいないことを示しています。
5.該当男性労働者の配偶者が子を出産した年と男性労働者が育児休業を取得した年が異なるため、江崎グリコ㈱の男性育児取得率は100%を超えています。同様の理由から、グリコ栄養食品㈱の男性育児取得率は100%を下回っています。
6.「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社のうち、海外連結子会社を除いた会社を対象としております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
当社グループは、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティに対する取組みを重要な経営課題と認識しております。また、「すこやかな毎日、ゆたかな人生」という存在意義(パーパス)を設定し、生活者自身がそれぞれの「すこやかな毎日、ゆたかな人生」を送れるよう、創意工夫により「おいしさと健康」を価値として提供し続けることを目指して事業運営を行っております。
多様なステークホルダーの皆様とともに存在意義(パーパス)の実現を通して、地球環境、サプライチェーン上の人権問題、心身の健康等の社会課題の解決に取り組み、企業の持続的成長とともに持続可能な社会の実現を図ってまいります。
①ガバナンス
当社グループは、長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指し、代表取締役社長を委員長とするCSR委員会を設置し、グループ全体でCSR活動を通じてサステナビリティに対する取組みを推進する体制を敷いております。
CSR委員会は、環境、地域貢献、人財等のテーマ別の5つの分科会で構成され、中長期的な環境(E)・社会(S)と企業経営双方の持続可能性の観点から、当社グループのCSR推進の方向性の策定や各部門でのCSR活動の進捗状況の確認、活動内容の審議等を行っております。また、その活動状況について、取締役会等にて報告を行い、CSRを経営に反映させながらグループ一体となって推進しております。
②リスク管理
当社グループでは、リスクの洗い出しやレベル評価、リスクへの対応検討と進捗モニタリングを行い、リスクの適切な管理・対応を実施しております。
(2)気候変動
気候変動は生活者の健康や生活の質に重大な影響を及ぼす環境問題であると認識しております。
当社グループでは、気候変動への取組として、環境負荷削減や省エネルギー活動の推進、再生可能エネルギー利用の推進等、気候変動関連の施策を充実化するとともに、TCFD提言に沿った情報開示を段階的に拡充し、企業価値の向上に努めてまいります。
①ガバナンス
当社グループは、気候変動をはじめとする社会課題の解決に向けた取組みを強化しており、中長期視点で「事業を通じて社会に貢献する」経営に取り組んでおります。気候変動に関しては、CSR委員会が中心となり、グループ全体でCSRを推進する体制を構築しております。
②戦略
気候変動シナリオの分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やTCFD提言を踏まえ、①4℃シナリオ、②2℃シナリオ、③1.5℃シナリオの3つのシナリオとともに、時期として①中期(2030年)、②長期(2050年)における当社グループに及ぼす影響を分析しました。その結果、2℃シナリオと1.5℃シナリオでは脱炭素に向けた取組みが加速し始め、炭素税対応コストの増加等の移行リスクが増大する一方、消費者の意識変化に伴う新たな事業機会が顕在化することが分かりました。また、4℃シナリオでは原料の調達コストが増加するとともに、水リスクなどの物理リスクによる影響が大きくなることが判明しました。これら分析結果を踏まえ、当社では温室効果ガス削減を迅速に対応しつつ、その他の重要と評価されたリスク・機会への対応も進めてまいります。
シナリオ |
リスクまたは機会 |
リスク項目 |
時期 ※1 |
事業インパクト ※2 |
リスク対応策(検討含む) |
1.5℃ ※3 |
脱炭素に向けた取組みが加速し始め、主に移行リスクが肥大化する一方、消費者の意識変化に伴う新たな事業機会が顕在化する |
炭素税対応コストの増加 |
中期 |
大 |
・再生可能エネルギーへの切り替え ・コージェネレーションシステムによる効率化、冷凍機の更新等 |
長期 |
大 |
||||
包材調達コストの増加 |
中期 |
小 |
・バイオマス包材の採用 ・リサイクルしやすいモノマテリアル包材の活用 |
||
長期 |
中 |
||||
主要原材料調達コストの増加 |
中期 |
小 |
・気候変動に対応する主要原料の新品種などの開拓 ・原料生産への支援による優位調達の実現 |
||
長期 |
中 |
||||
4℃ |
1.5℃シナリオと比べると物理リスクが肥大化するため、それらに適応するための対応コストが拡大する |
主要原材料調達コストの増加 |
中期 |
小 |
|
長期 |
中 |
||||
水リスクによる操業停止に伴う売上減少 |
中期 |
- |
- |
||
長期 |
中 |
・サプライチェーン全体でのレジリエンスを強化 ・BCPの見直し |
※1 時期・・・中期:2030年 長期:2050年
※2 事業インパクト・・・大 :40億円以上 中: 20~40億円 小: 20億円以下
※3 1.5℃シナリオと2℃シナリオの事業インパクトに大きな差異が無いため、1.5℃シナリオのみ記載しております。
③リスク管理
当社グループでは、事業に対して影響を及ぼすリスクに的確に対処するため、社長室及びクライシスマネジメント委員会が主体となり、グループ全体でリスクマネジメントを推進しております。また、リスク分析及び評価を定期的に実施し、事業に及ぼす重大なリスクを特定し、必要な対策を関連部門とともに推進しております。この中で気候変動に関しては、CSR委員会が中心となり、温室効果ガスの削減策について議論しながら、経営に反映しております。
④指標及び目標
当社グループでは、以下の目標の達成に向けて取組み、持続可能な社会に貢献することを目指して活動しております。
1)企業活動で使用する電気、ガス等の使用量を管理し、CO2の排出量を削減している他、工場等で新しい設備を導入する際には、省エネルギーやノンフロン等環境面に十分に配慮した設備への切り替えを進めております。2050年までに、再生可能エネルギーへの切り替えやコージェネレーションシステムによる効率化、冷凍機の更新等を通じ、温室効果ガス(CO2やフロンガス等)を100%削減することを目指します。
2)一部の工場において、排水を冷凍設備の冷却に再利用する等、水資源の使用量削減に取り組んでおります。2050年までに、空冷式システムの採用や水処理技術の向上等を通じ、水の使用量原単位を20%削減及び水質汚染ゼロ化を目指します。
3)容器・包装の機能を追求するとともに、減量化による環境負荷の低減にも取り組んでおります。2050年までに、生産技術向上及び規格見直しによる減量化やバイオマス素材への転換等を通じ、プラスチックをリサイクル原料に、紙を森林認証紙にそれぞれ100%切り替えることを目指します。
4)製造工程での廃棄物の削減に注力するとともに、需給予測精度の向上による過剰在庫を持たない仕組みを通じて、食品廃棄物の削減に取り組んでおります。2050年までに、サプライチェーンの効率化や需給予測精度の向上等、廃棄が発生しない取組みに注力する他、商品の微細な欠け等、品質に問題がない商品を不揃い品としてアウトレット販売を行う等により、食品廃棄物を95%削減することを目指します。
(3)人的資本及び多様性
①戦略
1)人事に関する基本的方針
当社グループは、企業発展の源泉となる最大の資本は「人」であり、個々人の能力開発・育成を図り、意欲にあふれる人財が束となって変革を推し進めること、またそうした変革を推進する人財が次々と育つ企業風土を醸成することが重要であると考えております。さらに、多種多様な社会課題の解決のために、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)にも真摯に取り組み、様々な個性を持つ社員一人ひとりが、適切な配置や機会の提供を受けることで自身の能力や経験を生かして活躍できると考えております。こうした考え方に基づいて、社会から支持、信頼、尊敬される企業であることを通じ、当社グループの持続的な発展と社員の幸福の実現を目指しております。
2)当社グループにおける人的資本に関する取組みの全体像
当社グループでは、長期経営構想の制定に際して経営理念体系を見直し、存在意義(パーパス)「すこやかな毎日、ゆたかな人生」を最上位に位置付けるとともに、ありたい会社の姿(ビジョン)として「Glicoグループは人々の良質なくらしのため、高品質な素材を創意工夫することにより『おいしさと健康』を価値として提供し続けます」と定めました。
これらパーパスやビジョンを実現し、当社グループが持続的に成長するために重点項目「9クリティカルズ」を定義し、全ての部門ミッションと連動させて、全社を挙げて取り組んでいます。
■9クリティカルズ
パーパスの追求 |
事業を通じて、生活者に対してどのように貢献するのか、パーパスに込めた不変の創業精神を追求する。 |
価値の創出 |
価値はお客様が判断する。当社グループのあらゆる部門が一体となり、お客様に価値をお届けする活動に注力する。 |
人財強化 |
価値創出力を高めるために必須となるスキルを定義し、当社グループ全体で人財開発に取り組む。 |
組織開発 |
主体的に組織連携を図ることのできる強い組織(One Glico)を実現し、脱サイロ化を図る。 |
俊敏な組織 |
変化をいち早く捉え、それをビジネスチャンスに変えて、アウトプットを出す俊敏性の高い組織づくりに取り組む。 |
グローバル展開 |
グローバル展開を加速させて事業成長に結びつける。 |
積極投資 |
人財開発や研究開発、グローバルでの事業成長を加速させるための基盤整備や能力向上に、積極的に投資を行う。 |
D&I |
バックグラウンドの異なる人財が、個々の違いを受け入れて、互いに認め合いながら適材適所で活躍できるD&Iを戦略的に推進する。 |
サステナビリティ |
持続的な成長を果たすために必要な要素、それらに影響を与える長期的な変化を捉える。 |
さらにこの9クリティカルズに基づいた各部門のミッションの達成のために、組織のあるべき姿を「顧客起点で価値を共創するイノベーターズ」と定めました。ここで示す「イノベーター」とは、「内発的動機を力に前例にとらわれず、成果に向けてチャレンジする人財」と定義しました。また、あるべき人財像としては、当社グループにおける不変の行動指針である「七訓」を基盤としつつ、「オーナーシップマインド」、「顧客志向」、「グロースマインドセット」、「変化対応力」、「グローバルマインドセット」の5つの要素を兼ね備えた人財と定めました。
■5つの要素
オーナーシップ マインド |
社員全員が創業者マインドを持ち、自立して行動する。 |
顧客志向 |
社員全員が常にお客様起点の発想と、新たな価値を創造・実現できるスキルを持つ。 |
グロース マインドセット |
社員全員が協同一致で「One Glico」を実践するマインドを持つ。 |
変化対応力 |
市場や環境の変化に常にアンテナを張り、現場、現物、現実を正確に把握しながら迅速に対応を図る。 |
グローバル マインドセット |
社員全員がグローバル目線で事業構想を考えることができ、また異なる意見や価値観を異質とせず受容することができる。 |
■人的資本ストーリー
現行の中期経営計画では、2025年から2027年を長期経営構想の実現に向けた加速のフェーズとし、人的資本に対する取組みを主要戦略の一つと位置付けました。この人財戦略を事業戦略、研究戦略と連動させることで長期経営構想を実現し、その先に見据えるグローバル10億人のウェルビーイングへの貢献を目指します。そのための取組みとして、かねてより注力してきた能力開発・育成への取組みに加え、社員一人ひとりの「内発的動機」を原動力として、その力を成果へと結び付ける仕組みの構築に取り組みます。具体的には、担当業務の内容や目標、学びの内容を自律的に選択できる機会を拡充します。また、チャレンジ行動や成功体験を増やすことで自己効力感を高めます。さらに、部門間の協力関係や個々の強みを生かし合うインクルーシブアクションの強化に繋がる施策を進める計画です。
また、長期経営構想を実現するための必要人財やケイパビリティの定義設定、採用・育成・配置等に関する人財計画の策定を進めます。さらに、これらの施策の実行力を高めるために、組織マネジメント力の強化や人事組織の体制の見直しを進めてまいります。
こうした人財戦略の進捗を測る指標として、「パーパス行動の体現度合い」を重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator)に設定し、その水準を継続的にモニタリングすることで、組織力の向上を図ります。
当社グループは、パーパスに共感・共鳴した社員が、その「内発的動機」をもとに個々の強みを生かし合いながら期待される行動を体現し、これを組織の力として転換することで新たな価値の創造・創出や生産性の向上に結びつけることが必要と考えております。なお、「パーパスを実現するために行動していると回答した者の割合」については年々上昇しており、2024年時点において60%に達しましたが、「パーパスを理解していると回答した者の割合」に対して相対的に低い状態にあり、これを継続して高めていくことが当社グループの今後の成長の大きな鍵になると考えております。
■2024年10月実施・社員アンケート結果
※当社及び国内主要子会社にてアンケートを実施
3)人財育成方針及び社内環境整備について
当社グループは、全ての社員が備えるべき5つの要素(人財のあるべき姿)を開発するための教育投資を行うとともに、培った能力を十分に発揮できるような社内環境整備への積極的な投資を実行し、課題に沿った各種アクションを実行、加速してまいります。
a.オーナーシップマインド:社員全員が創業者マインドを持ち、自立して行動する。
当社グループのパーパス実現のために、全ての社員が、「創業者マインド」をもち、それぞれの「内発的動機」をもとにお客様の「すこやかな毎日、ゆたかな人生」に貢献することを追求していきます。全ての社員が主体的に新しい挑戦に取り組めるよう、以下の取組みを進めております。
・次世代イノベーター育成研修
起業家マインドとグローバルに通じるイノベーション創出力の強化を目的に2019年より開始しました。今後もこうした起業家精神を育む機会を強化してまいります。
・選抜リーダーシップ研修
3つの層からメンバーを選抜して実施しております。
ⅰ.CLC(Change Leader’s Camp)研修:2014年に部門長及び部門長候補を対象に経営リテラシーやリーダーシップの獲得を主目的として開始しました。4年目以降はACLC(Advanced Change Leader’s Camp)研修を実施しております。
ⅱ.LDC(Leadership Development Camp)研修:係長クラスから経営職を目指すメンバーを対象とした研修です。
ⅲ.LLC(Leadership Learning Camp)研修:主任クラスから係長クラスを目指すメンバーを対象とした研修です。
・社内公募制度
社員個々の自律的キャリア形成の促進とキャリアニーズに応えることを目的に2010年より導入しております。
・JICA民間ボランティア制度への派遣
国際感覚を備えた人財の育成と同時に、異なる文化や環境の中で自ら課題を設定し、1年という限られた期間の中で持続性のある解決策を仕組み化して生み出す体験として、2016年以降、独立行政法人国際協力機構JICA(Japan International Cooperation Agency)の民間連携ボランティア制度を活用し、これまでに社内公募により海外8カ国8地域へ社員を派遣しております。
・smile.box(社内提案制度)
社員なら誰でも業務改善につながるアイデアを直接会社に提案できる制度を2016年より導入しております。提案されたアイデアは社長、役員、関係部門によって検討され、社員に返答される仕組みになっております。
b.顧客志向:社員全員が常にお客様起点の発想と、新たな価値を創造・実現できるスキルを持つ。
現状の商品(モノ)、ブランド起点から、お客様起点の価値創造に事業を変革するにあたり、その能力の開発は一層重要度を増しており、以下の取組みを実施しております。
・デザイン思考ワークショップ
お客様起点での課題設定力、問題解決力の向上を目的に2019年より実施しております。
・デジタルスキル学習
デジタルリテラシーの強化、デジタルを活用した新たな価値創出や業務変革等における職務遂行能力の獲得・向上を目的に2022年から当社及び国内連結子会社の全社員を対象に順次開始しており、これまでに当社正社員(社外への出向者含む)の71.7%、1,188名の受講が完了しました。
c.グロースマインドセット:社員全員が協同一致で「One Glico」を実践するマインドを持つ。
個人及び組織で求められるアウトプットに対するコミットメントのレベルや、主体的に学ぶ意識を高めることで「個」を超えた価値を提供することを伸びしろと捉え、社員全員がパーパス、ビジョンを理解・共鳴した上で、学び続け、グループ全体が一丸となり結果を出し切れる組織文化を目指して取組みを進めております。
・役割等級制度
管理職は2018年から、一般社員は2022年から、従来の職能資格制度を廃止し、役割の大きさを基準に等級を設定する役割等級制度へ移行しました。
・自律的な能力開発とキャリア形成
各等級あるいは営業や商品開発などの職種別に求められるスキル、知識を定義しました。各等級に求められるスキル、知識を社員に明示することで、上司の支援のもと、社員一人ひとりが主体的かつ計画的に自身の能力開発に取り組むと同時に、キャリア申告を通じて、自身のキャリア意向や経験・スキルについて定期的に棚卸し、自律的なキャリアの実現を促進しております。
・キャリア採用
経営戦略上必要な、専門性、経験、知見、チームで課題を解決する能力等の強化施策として外部からの人財獲得を推進しております。2024年度は当社及び国内連結子会社合計で、キャリア入社者が全採用者の82.5%を占めました。新卒採用で優秀なポテンシャル人財を採用すると共に、多様なスキルや価値観を持つキャリア採用を積極的に行うことで、新たな視点を取り入れた商品開発やマーケティング、営業、生産活動を推進してまいります。
d.変化対応力:市場や環境の変化に常にアンテナを張り、現場、現物、現実を正確に把握しながら迅速な対応を図る。
企業が成長するためには、社会の動向を見定め素早く動く「俊敏な組織」でなければなりません。社員一人ひとりが、日常生活の中でニーズの変化や技術の動向を敏感に察知し、ビジネスチャンスに変えてアウトプットを生み出す判断力を鍛えます。当社グループ全体での俊敏性と判断力を高めるために、データドリブンな意思決定ができる環境整備や組織体制を整えていきます。
・各部門目標の設定
各部門の目標に社会環境の変化や最新の技術トレンドを獲得するための観点を加えることで、会社全体の変化対応力の向上を図ります。
・能力開発
個々の能力開発機会として、戦略策定のトレーニングや実践の機会を設けております。
e.グローバルマインドセット:社員全員がグローバル目線で事業構想を考えることができ、また異なる意見や価値観を異質とせず受容することができる。
意思決定の質を高めるためには、異文化理解の素養を高め、日常的な意思決定のプロセスにおいて当事者をインクルーシブすることが必要不可欠です。人財獲得への努力と同時に多様な人財の育成や活躍しやすい環境整備を推進しております。
・日本国外での新卒採用
異文化理解の素養が高く、インクルージョンを力にすることができるリーダーに育成するために、当社では2007年より日本国外での採用活動を開始し、日本国外で開催される採用イベントや、キャンパスリクルーティングへ参加しており、これまでに45名を採用しています。
・グローバルブランドマネジメント体制の導入
長期経営構想、中期経営計画に基づいたグローバルブランドの成長戦略・方針を策定し、その実行をリードする専門組織を設置いたしました。
・ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
D&Iへの取組みはイノベーションを創出するとともに、組織運営においても意思決定のレベルを引き上げ、組織マネジメント力を向上させるものと捉えております。国籍や性別、キャリア、障がいの有無などにかかわらず、多様な人財が適材適所で一体となって目標に向かっていける環境づくりが非常に重要であると考え、以下の取組みを実施しております。
ⅰ.社員一人ひとりがD&Iを深く理解し、インクルーシブな言葉や行動を選択して実践するスキルを学び、具体的な行動を促すことを目的とした、当社グループの全社員が参加する“D&Iイベント”を2021年から毎年開催しています。2024年は「社会に向けたインクルーシブアクション」をテーマに、様々な社会課題への理解を当社事業に結び付ける機会として開催いたしました。2024年度実施の社員アンケートでは、86.8%の社員が自職場をインクルーシブな職場環境であると回答しております。
ⅱ.イニシアチブにおけるジェンダー平等推進の観点から、女性社員のキャリア開発研修や上司を対象としたダイバーシティマネジメント研修等を実施し、当連結会計年度の当社及び国内連結子会社合計の女性管理職比率は6.7%です。
ⅲ.子どものココロとカラダの成長を育む世の中にしていきたいという想いから2019年に「Co育て(こそだて)PROJECT」を発足しました。当社では法制化に先駆けて、「Co育てMonth」(子どもの出生後6ヵ月以内に1ヵ月の有給休暇の取得を必須とする制度)に代表する子育て支援に関する各種制度の充実に取り組みました。男性育児休業取得率は当社及び国内連結子会社合計で86.1%に達しています。
ⅳ.障がいのある人がその障がいの種類にかかわらず活躍できる職場として、本社敷地内に「スマイルファクトリー」を設置し、輸出商品のラベル貼り等、従来外部委託してきた業務の内製化を図っております。障がい者雇用率は、当社及び国内連結子会社合計で法定雇用率を超える3.3%を実現しております。
4)人財育成&健康経営の基盤
・人財育成投資
人財育成への投資を積極的に進めており、当社及び国内連結子会社における2024年の研修費用総額は、172百万円、一人あたり48千円となりました。
・健康経営
当社グループが持続的に成長・発展し、事業を通して社会に貢献し続けるためには、当社グループで働く社員自身が、心身ともに健康であり、働きがいをもっていきいきと働き続けられることが欠かせないと考えております。当社グループでは社員の健康維持・増進を重要な経営課題と位置づけ、社員自身の主体的な健康づくりを積極的に支援しております。また、産業医及び保健師を採用し、産業保健体制を充実させることで、社員の健康と安全の確保に繋げています。社外からの評価として、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人ホワイト500」に認定されました。また、2020年11月、総務省が主催する「テレワーク先駆者百選」において、最高位となる「総務大臣賞」を受賞しました。
総合健康リスク(注) |
92 |
年間一人当たり総労働時間 |
2,084時間 |
平均有給取得率 |
73.2% |
(注)厚生労働省ストレスチェックプログラムに基づく指標。全国平均100に対して、低い方が良好値を示す。
②指標及び目標
当社グループは、パーパスとビジョンの実現を目指すべく上述した人財戦略を踏まえ、その進捗を測る指標として、「パーパス行動の体現度合い」を重要業績評価指標(KPI)に位置付けました。この指標について、2025年の間に指標・目標の定義を精緻に設定する計画としています。なお、「パーパスを実現するために行動していると回答した者の割合」については年々上昇しており、2024年時点において60%に達しましたが、「パーパスを理解していると回答した者の割合」に対して相対的に低い状態にあり、これを継続して高めていく計画です。
当社及び国内連結子会社では子育て支援に関する各種制度の充実に取り組んでおります。男性労働者の育児参画をさらに推進するとともに、対象者の休暇取得をきっかけにして、職場のメンバー全員が働き方についての意識と行動を見直し、生産性の向上を実現することを目指しております。当社及び国内連結子会社では男性育児休業取得率については100%を目標としており、当連結会計年度において86.1%に至っております。
また当社グループは、障がいのある人がその障がいにかかわらず活躍できる職場を目指し、「スマイルファクトリー」を開設し、「やりがいを感じる」「必要とされていることを実感できる」体制づくりを進めるとともに、作業場はもちろん休憩スペースにも障がいの種類にかかわらず働きやすい環境を整えております。今後は障がいがハンデとならない職務の開発や、長期雇用を支援する体制と仕組みづくりにも取り組んでまいります。障がい者雇用について、当社では3%以上の雇用率を目標としており、当連結会計年度において3.4%に至っております。