2025年12月期有価証券報告書より
  • 社員数
    1,456名(単体) 5,588名(連結)
  • 平均年齢
    43.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    13.4年(単体)
  • 平均年収
    8,600,121円(単体)

従業員の状況

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2025年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

健康・食品事業

458

[442]

乳業事業

649

[641]

栄養菓子事業

698

[905]

食品原料事業

196

[14]

国内その他事業

778

[600]

海外事業

2,011

[595]

全社(共通)

798

[186]

合計

5,588

[3,383]

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2025年12月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

1,456

[659]

43.7

13.4

8,600,121

 

セグメントの名称

従業員数(人)

健康・食品事業

256

[139]

乳業事業

293

[188]

栄養菓子事業

267

[164]

国内その他事業

7

[-]

海外事業

3

[-]

全社(共通)

630

[168]

合計

1,456

[659]

(注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数は、[ ]内に年間の平均人員を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として記載されている従業員数は、管理部門に所属しているものであります。

 

(3)労働組合の状況

 労働組合との間に特記すべき事項はありません。

 

 

(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

①提出会社

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)2

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)3、5

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)2、4

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

7.9

105.1

55.0

74.9

40.9

 

②連結子会社

当事業年度

名称

管理職に占める女性労働者の割合(%)

 (注)2

男性労働者の育児休業取得率

  (%)

 (注)3、5

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)2、4

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

グリコマニュファクチャリングジャパン㈱

2.6

100.0

65.8

84.2

78.9

グリコチャネルクリエイト㈱

100.0

66.1

88.4

92.2

グリコ栄養食品㈱

4.5

150.0

74.8

71.6

関西フローズン㈱

60.0

74.2

83.4

70.4

東北フローズン㈱

69.7

77.0

69.4

 

③当社及び国内連結子会社(注)6

当事業年度

管理職に占める女性労働者の割合(%)

   (注)2

男性労働者の育児休業取得率(%)

   (注)3、5

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)2、4

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

6.3

98.7

61.8

83.6

68.7

 

(注)1.出向者は出向元の労働者として集計しております。

2.管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年 法律第64号)の規定に基づき算出したものです。「-」は該当者がいないことを示しております。なお、当社グループは、より多くの女性社員の視座・視点を活かし、意思決定の質を向上させることで、イノベーションを創出できる組織になれるよう、取り組んでまいります。

3.男性労働者の育児休業取得率については、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年 法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年 労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものです。「-」は該当者がいないことを示しております。

4.男女の賃金の差異については、当社及び国内連結子会社では同一雇用形態において男女の賃金に差を設けていないため、主に正規雇用労働者・パート・有期労働者の雇用形態別、及び正規雇用労働者の等級別における人員構成の差によるものです。「-」は該当者がいないことを示しております。また、当事業年度より、パート・有期労働者については所定労働時間で換算した人数を基に算出しております。

5.該当男性労働者の配偶者が子を出産した年と男性労働者が育児休業を取得した年が異なるため、江崎グリコ㈱、グリコ栄養食品㈱の男性育児休業取得率は100%を超えております。

6.「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第2条第5号に規定されている連結会社のうち、海外連結子会社を除いた会社を対象としております。

 

<労働者の男女の賃金の差異について>

正規雇用労働者の男女の賃金の差異が比較的大きい3社(江崎グリコ㈱、グリコマニュファクチャリングジャパン㈱、グリコ栄養食品㈱)を分析した結果、差異の主な要因は男女構成の違いに起因していることが明らかとなりました。正規雇用労働者においては、男女間で平均年齢や平均勤続年数、等級別の構成人数が異なることに加え、男性社員に支給されやすいCo育て支援手当・住宅手当などの各種手当の影響、並びに時間外労働を含む実労働時間が男性社員の方が長い傾向にあることが、賃金の差異に影響を与えております。

また、パート・有期労働者については、雇用形態別の男女構成の違いが賃金差異の主な要因となっています。60歳定年後に継続雇用されている正規雇用出身の男性労働者が多いことが、賃金の差異に影響しております。

現在、女性社員の積極的な採用や育成に加え、属人的手当の見直しや柔軟な働き方を支える制度の拡充にも力を入れており、これらの施策を通じて、今後は男女の賃金の差異は縮小が見込まれます。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

当社グループは、中長期的な企業価値の向上の観点から、サステナビリティに対する取組みを重要な経営課題と認識しております。また、「すこやかな毎日、ゆたかな人生」という存在意義(パーパス)を設定し、生活者自身がそれぞれの「すこやかな毎日、ゆたかな人生」を送れるよう、創意工夫により「おいしさと健康」を価値として提供し続けることを目指して事業運営を行っております。

2025年4月1日に新設したサステナビリティ戦略室において、横断的なサステナビリティ検討機能の整備を行っており、多様なステークホルダーの皆様とともに存在意義(パーパス)の実現を通して、地球環境、サプライチェーン上の人権問題、心身の健康等の社会課題の解決に取り組み、企業の持続的成長とともに持続可能な社会の実現を図ってまいります。

 

①ガバナンス

 当社グループは、長期的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指し、代表取締役社長を委員長とするCSR委員会を設置し、グループ全体でCSR活動を通じてサステナビリティに対する取組みを推進する体制を敷いております。

 CSR委員会は、環境、地域貢献、人財等のテーマ別の5つの分科会で構成され、中長期的な環境(E)・社会(S)と企業経営双方の持続可能性の観点から、当社グループのCSR推進の方向性の策定や各部門でのCSR活動の進捗状況の確認、活動内容の審議等を行っております。また、その活動状況について、取締役会等にて報告を行い、CSRを経営に反映させながらグループ一体となって推進しております。

 

②リスク管理

 当社グループでは、リスクの洗い出しやレベル評価、リスクへの対応検討と進捗モニタリングを行い、リスクの適切な管理・対応を実施しております。

 

(2)気候変動

 気候変動は生活者の健康や生活の質に重大な影響を及ぼす環境問題であると認識しております。

 当社グループでは、気候変動への取組みとして、環境負荷削減や省エネルギー活動の推進、再生可能エネルギー利用の推進等、気候変動関連の施策を充実化するとともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示を段階的に拡充し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

①ガバナンス

 当社グループは、気候変動をはじめとする社会課題の解決に向けた取組みを強化しており、中長期視点で「事業を通じて社会に貢献する」経営に取り組んでおります。気候変動に関しては、CSR委員会が中心となり、グループ全体でCSRを推進する体制を構築しております。

 

②戦略

 気候変動シナリオの分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やTCFD提言を踏まえ、①4℃シナリオ、②2℃シナリオ、③1.5℃シナリオの3つのシナリオとともに、時期として①中期(2030年)、②長期(2050年)における当社グループに及ぼす影響を分析しました。その結果、2℃シナリオと1.5℃シナリオでは脱炭素に向けた取組みが加速し始め、炭素税対応コストの増加等の移行リスクが増大する一方、消費者の意識変化に伴う新たな事業機会が顕在化することが分かりました。また、4℃シナリオでは原料の調達コストが増加するとともに、水リスクなどの物理リスクによる影響が大きくなることが判明しました。これらの分析結果を踏まえ、当社では温室効果ガス削減を迅速に対応しつつ、その他の重要と評価されたリスク・機会への対応も進めてまいります。

 

 

シナリオ

リスクまたは機会

リスク項目

時期

※1

事業インパクト

※2

リスク対応策(検討含む)

1.5℃

※3

脱炭素に向けた取組みが加速し始め、主に移行リスクが肥大化する一方、消費者の意識変化に伴う新たな事業機会が顕在化する

炭素税対応コストの増加

中期

・再生可能エネルギーへの切替

・コージェネレーションシステムによる効率化、冷凍機の更新等

長期

包材調達コストの増加

中期

・バイオマス包材の採用

・リサイクルしやすいモノマテリアル包材の活用

長期

主要原材料調達コストの増加

中期

・気候変動に対応する主要原料の新品種などの開拓

・原料生産への支援による優位調達の実現

長期

4℃

1.5℃シナリオと比べると物理リスクが肥大化するため、それらに適応するための対応コストが拡大する

主要原材料調達コストの増加

中期

長期

水リスクによる操業停止に伴う売上減少

中期

長期

・サプライチェーン全体でのレジリエンスを強化

・BCP(事業継続計画)の見直し

※1 時期・・・中期:2030年 長期:2050年

※2 事業インパクト・・・大 :40億円以上 中: 20~40億円 小: 20億円以下

※3 1.5℃シナリオと2℃シナリオの事業インパクトに大きな差異が無いため、1.5℃シナリオのみ記載しております。

 

③リスク管理

 当社グループでは、事業に対して影響を及ぼすリスクに的確に対処するため、社長室及びクライシスマネジメント委員会が主体となり、グループ全体でリスクマネジメントを推進しております。また、リスク分析及び評価を定期的に実施し、事業に及ぼす重大なリスクを特定し、必要な対策を関連部門とともに推進しております。この中で気候変動に関しては、CSR委員会が中心となり、温室効果ガスの削減策について議論しながら、経営に反映しております。

 

 

④指標及び目標

 当社グループでは、以下の目標の達成に向けて取り組み、持続可能な社会に貢献することを目指して活動しております。

 

1)企業活動で使用する電気、ガス等の使用量を管理し、CO2の排出量を削減しているほか、工場等で新しい設備を導入する際には、省エネルギーやノンフロン等環境面に十分に配慮した設備への切替を進めております。2050年までに、再生可能エネルギーへの切替やコージェネレーションシステムによる効率化、冷凍機の更新等を通じ、温室効果ガス(CO2やフロンガス等)を100%削減することを目指します。


 

 2024年度、CO2総排出量は2013年比34%減少しました。(※現時点では換算係数が未更新のため暫定)引き続き燃料転換やCO2フリー電力への切替を推進し、2030年までに50%削減達成を目標に取り組みます。さらに、2050年までに、CO2フリー電力の幅広い活用や省エネ・創エネなどの新技術、冷凍機の更新等を通じ、温室効果ガス(CO2やフロンガス等)を100%削減することを目指します。
 代替フロンについては、グローバルにおける使用状況を確認し、対象機器のリストを作成し、対象機器の計画的な更新を計画・実行しております。日本における「セブンティーンアイス」専用の自動販売機についても、R22冷媒使用機の撤廃は、2024年12月時点で残り7台まで進捗しております。

 

2)一部の工場において、排水を冷凍設備の冷却に再利用する等、水資源の使用量削減に取り組んでおります。2050年までに、空冷式システムの採用や水処理技術の向上等を通じ、水の使用量原単位を20%削減及び水質汚染ゼロ化を目指します。

 2024年度、基幹システム障害に伴うチルド製品の出荷停止や生産数量の低下により、原単位となる生産重量が大幅に減少しましたが、一方でチルド製品の生産には殺菌冷却や洗浄工程などの品質面で生産数に関わらず必要な水使用量が多いため、2013年度比原単位8.3%増加という結果になりました。

 

3)容器・包装の機能を追求するとともに、減量化による環境負荷の低減にも取り組んでおります。2050年までに、生産技術向上及び規格見直しによる減量化やバイオマス素材への転換等を通じ、プラスチックをリサイクル原料に、紙を森林認証紙にそれぞれ100%切り替えることを目指します。


 
 

 1WAYプラスチックは、2024年度までに25%削減を目標として取り組みましたが、結果として19.2%の削減にとどまりました。これは、原材料の高騰によりバイオマスプラスチック包材の採用が困難になったこと等が主な要因と考えております。2025年度以降も25%削減を目標に取り組んでまいります。

 

 2024年末時点で全ての紙器包材(段ボール含む)の森林認証紙への切替を完了しております。
 

 

4)製造工程での廃棄物の削減に注力するとともに、需給予測精度の向上による過剰在庫を持たない仕組みを通じて、食品廃棄物の削減に取り組んでおります。2050年までに、サプライチェーンの効率化や需給予測精度の向上等、廃棄が発生しない取組みに注力する他、商品の微細な欠け等、品質に問題がない商品をふぞろい品としてアウトレット販売を行う等により、食品廃棄物を95%削減することを目指します。

 2024年度、食品廃棄物総廃棄量は2015年比379%と大幅に増加する結果となりました。これは2024年度の基幹システム切替時に発生したシステム障害によりチルド製品が販売休止となった際に、使用できなかった原料や製品の廃棄量が大幅に増加し、適切に食品リサイクルできなかったためです。今回の結果を教訓として、今後も引き続き2030年の95%削減に向けて、食品廃棄物の削減や発生抑制に努めてまいります。サプライチェーンの効率化や需給予測精度の向上、トラブルの防止等、廃棄が発生しない取組みに注力するほか、商品の微細な欠け等、品質に問題がない商品をふぞろい品としてアウトレット販売や、飼料や肥料へのリサイクル、メタンガス発酵によるバイオマス発電など循環再資源化の取組みを行うことにより、2050年までに食品廃棄物を95%削減することを目指します。
 
 

 

 

 

(3)人的資本及び多様性

①人事に関する基本的方針

当社グループは、企業発展の源泉となる最大の資本は「人」であり、個々人の能力開発・育成を図り、意欲あふれる人財が束となって変革を推し進めること、またそうした変革を推進する人財が次々と育つ企業風土を醸成することが重要であると考えております。さらに、多種多様な社会課題の解決のために、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)にも真摯に取り組んでおります。適切な配置や機会の提供を通じて、様々な個性を持つ社員一人ひとりが自身の能力や経験を発揮できる環境を整えることがイノベーションを生み出し、意思決定の高度化につながると考えております。こうした考え方に基づいて社会から支持、信頼、尊敬される企業であることを通じ、当社グループの持続的な発展と社員の幸福の実現を目指しております。

 

②理念体系と組織・人財のあるべき姿

 

 当社グループでは、長期経営構想の策定にあたり、理念体系を見直し、存在意義(パーパス)「すこやかな毎日、ゆたかな人生」を最上位に位置づけました。あわせて、ありたい会社の姿(ビジョン)として、「Glicoグループは人々の良質なくらしのため、高品質な素材を創意工夫することにより、『おいしさと健康』を価値として提供し続けます。」と定めました。

 また、パーパスやビジョンを実現する組織・人財のあるべき姿として、「顧客起点で価値を共創するイノベーターズ」と定義し、「イノベーターズ」を構成する全社員が備えるべき要素として、当社グループにおける不変の行動指針である「Glico七訓」を基盤に、以下の5つの要素を定めました。

 

■5つの要素

オーナーシップマインド

創業の精神を拠り所に、目的を達成するまで自律的に考動(注1)する

顧客志向

お客様の毎日に必要とされるため、価値創造サイクル(注2)を継続する

グロースマインドセット

事業の発展に向けて、自身に限界を設けず、日々前進する

変化対応力

世の中の動向から機会とリスクを鋭敏に察知し、変化に先回りする

グローバルマインドセット

多様性を認識し受け入れて、判断・意思決定を行い、実行する

(注1)自ら考えて、主体的に行動すること

(注2)すこやかな毎日に寄与する新たな価値を定義、創造、伝達する継続的な活動

 

 

③人的資本戦略(人財育成方針及び社内環境整備について)

理念体系の見直し以降、社員がパーパス・ビジョンに共感できるよう努めており、2025年に実施した社員向けのアンケート調査では「パーパスを理解している」との回答が84%に及びました。一方で、パーパスの実現に向けて新たな価値を創造・創出するためには、全社員がパーパスに共鳴し、成果につながる行動・思考様式を身につけ、実践することが求められます。

そこで、中期経営計画では、事業戦略・研究戦略と連動し、それらを支える基盤として「人的資本戦略」を策定し、従来から注力してきた人財育成に加え、戦略実現に向けた人財ポートフォリオの強化を中心に「個の強化」に取り組んでおります。さらに、社員一人ひとりの内側から湧き起こる「この仕事に取り組みたい」「この取組みを通じて成長したい」と感じ、行動する気持ち(内発的動機)を原動力に、期待される行動・思考様式に基づいて能力・スキルを発揮し、個の力を「組織力へ転換」し成果を上げるための環境の整備も進めております。

 

  

 

1)事業戦略・研究戦略の実現に向けた「個の強化」

 事業戦略・研究戦略の着実な実行には、必要な機能・役割の明確化と専門性の定義を踏まえ、組織能力を「質」と「量」の両面から戦略的に強化することが求められます。この考え方に基づき、当社グループでは、「研究部門」に人的資本投資を集中すると同時に、「経営幹部・リーダーポジション」「ハイポテンシャル人財」2領域で人的資本の強化を行い、計画的かつ継続的な育成・配置、人財の獲得を通じて、持続的な成長と競争力の強化を図っております。

 「研究部門」の強化では、研究員の仕事の進め方を見直すとともに、役割に応じて専門性を発揮し、成果を最大化できる組織構築に取り組んでおります。

 「経営幹部・リーダーポジション」については、後継者候補となる次世代人財を計画的に特定・育成し、人財プールの充実を進めております。

 今後は、「ハイポテンシャル人財」の定義と育成に向けた社員データの分析、全社員を対象としたタレントレビューを通じて、戦略的な人財育成・配置を推進してまいります。

 

2)強化された個の力を「組織力に転換」するための環境づくり

 当社グループの社員は、「食品による国民の体位向上」という創業者・江崎利一の強い願いを起源とする創業の精神やパーパスに共感して入社し、それを働く動機として共鳴し、日々の業務に取り組んでおります。こうした内発的動機を原動力に新たな価値を創造・創出し、成果に繋げるためには、「自律性」「自己効力感」の向上及び「相互尊重と協同関係」の確保が重要であると考えております。

 

■自律性の向上

当社グループが考えるイノベーターとは、マーケティング部門や研究開発部門など、特定の部署に所属する専門家だけを指すものではありません。社員一人ひとりが、慣れ親しんだ環境に安住することなく、価値の創造や生産性の向上に向けて自律的に考え、行動することが、内発的動機をさらに高め、成長を促進すると考えております。

こうした自律的な思考や行動を支える基盤として、当社は社員のキャリア自律を重視し、全社員を対象に「個人別育成計画(Individual Development Plan)」(以下、IDP)を導入しております。IDPは、社員がキャリア目標や成長課題を明確にし、計画的に学びと経験を積み重ねるための基盤です。社員一人ひとりが、上司の支援を得ながら、役割・職種ごとに定義される専門性・スキル(スキルステージ)を踏まえてIDPを作成、自身の成長課題を把握し、キャリア申告や社内公募制度、民間ボランティア派遣制度などの仕組みを活用しながら、自律的に成長できる環境を整備しております。

また、当社は2021年より商品開発の進行・意思決定プロセスを刷新し、パーパス実現に向けた価値創造商品の期待水準について社員の理解を揃えてまいりました。しかし、価値創造商品の上市につながる企画・立案においては、質・量ともに不足していました。そこで2026年には、事業部門を対象に「価値創造強化プログラム」を導入し、実践的に企画・立案の『型』の定着を図る計画です。

 

■自己効力感の向上

 当社グループでは、慣れ親しんだ業務領域や安定した環境にとどまることなく、事業の発展に向けて困難な課題に取り組み、獲得した成功体験、苦難を乗り越えた経験、そこで培われた自信が、社員の成長実感や前向きな姿勢につながると考えております。

 当社グループでは、長期経営構想の実現に向けて、まず明確な目的意識を共有し、次に仕事と成果の再定義を行い、それらを部門目標に反映させ、目標管理制度を通じて社員一人ひとりの個人目標まで落とし込んでおります。

 また、全社員が「顧客起点で価値を共創するイノベーターズ」として成果を上げるため、前項で示した5つの要素を踏まえ、今後は具体的な行動基準を定め、人財開発に活用する計画です。

 さらに、5つの要素を伸ばしつつ社員の力を組織力へと転換するために、管理職に求められる期待役割・行動を定義しました。2025年には期待役割・行動に基づく360度評価を導入するとともに、実践につなげるためのワークショップを実施しております。

 慣れ親しんだ業務領域や安定した環境にとどまらず、困難な課題に取り組む姿勢の醸成には、社会人生活の最初の3年間の体験が影響すると考えております。こうした考えに基づき、2026年には新卒入社3年目までの育成プログラムの見直しを計画しております。

 

■相互尊重と協同関係の確保

 新たな価値の創出や生産性の向上は、一部の部門や個人の力だけで推進できるものではありません。当社グループでは、a.全ての社員がパーパスに共鳴し、自ら考え、実践する集団となり、b.性別・年齢・国籍・文化・価値観などの違いを認識し、相互に尊重し合う関係を築くことで、多様な視座・視点を活かした意思決定や判断の質を高める環境づくりを進めております。

a.当社グループでは、2月11日の創立記念日を記念して、毎年創立記念式典を開催しております。2025年の式典では、パーパスに共鳴し、具体的な行動を起こした社員による事例発表を行い、参加者がその発表から得た気づきを自職場で行動につなげることを目的に、職場ワークショップも実施しました。

b.また、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)をイノベーションの実現や意思決定の高度化、組織力の強化につながる重要施策と位置づけ、ジェンダー平等、育児支援、障がい者雇用など、多様な人財が力を発揮できる環境整備を進めております。2019年に発足した「Co育て(こそだて)PROJECT」では、子どもの出生後6カ月以内に1カ月間の有給休暇取得を必須とする「Co育てMonth」制度を導入しました。対象社員が1カ月不在となる間は同僚社員が業務をカバーし合い、職場全体で育児と仕事の両立を支える仕組みとしております。障がい者雇用においては、大阪市西淀川区の本社敷地内に「スマイルファクトリー」を設置し、これまで外部委託していた業務を内製化することで、障がいのある方が、やりがいを持って働き、自身の役割や貢献を実感できる職場づくりを進めております。

 こうした取り組みの成果として、当連結会計年度では、当社及び国内連結子会社の男性育児休業取得率は

98.7%、障がい者雇用率は法定雇用率を上回る3.35%を達成しております。

 

④人財育成投資及び健康経営の基盤

1)人財育成投資

当社及び国内連結子会社では、人財育成を重要な経営投資と位置づけ、次世代の経営幹部やリーダー候補を対象とした選抜型リーダーシップ研修、次世代イノベーター育成研修、デザイン思考ワークショップ、デジタルスキル研修、民間ボランティア制度への人財派遣など、積極的に育成機会の拡充を進めております。その結果、2025年の研修費用総額は324百万円、一人あたりでは91千円となりました。

2026年にはビジネスアーキテクトスキルやプロジェクトマネジメントスキルを強化するためのプログラムの導入を計画しており、今後も社員一人ひとりの成長を支える環境づくりを通じて、組織全体の持続的な成長を目指してまいります。

 

2)健康経営の基盤

企業が持続的に成長・発展し、事業を通じて社会に貢献し続けるためには、社員一人ひとりが心身ともに健康で、働きがいを持っていきいきと業務に取り組むことが不可欠です。

当社グループでは、2023年から産業保健体制の拡充・整備に取り組んでおり、社内の専門家が社員に寄り添った専門的な予防・保健活動を推進しております。この取組みにより、二次検査受診勧奨や健康診断後の事後措置、休復職者支援の強化を進めてきました。その結果、当社の二次検査受診率は92.4%に達し(2021年度実績26.7%)、ストレスチェックの総合健康リスク値も継続的に改善し、2025年には82と、平均値100を下回る良好な結果となっております。

2025年には、社員の生活習慣病予防や健康意識向上を目的に、産業医と保健師、商品開発担当者が協同して、当社製品の“SUNAO(スナオ)冷凍パスタ”を活用した社内セミナーを開催、血糖値上昇の仕組みや改善に繋がる食生活の見直し方を指導しました。その結果、セミナーを受講した419名の社員の内、88%に生活習慣病の予防や健康に対する意識、行動に前向きな変化が見られました。

2026年1月、就業規則に「労働時間内の禁煙」を追記しました。これにより、喫煙習慣のない家族や他の社員、取引先の方々への二次喫煙・三次喫煙のリスクを減らすとともに、社員が健康で長く働ける環境にします。

こうした取組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人ホワイト500」に2021年から5年連続で認定されました。

 

 

指標及び目標

指標

目標

2023年

2024年

2025年

パーパスに関する意識調査(インターナルコミュニケーションアンケートの結果)(注1)

 

パーパスを理解していると回答した者の割合(%)

76

78

84

パーパスの実現のために行動していると回答した者の割合(%)

55

60

69

多様性に関する指標

 

正規雇用労働者に占める女性労働者の割合(%)

25.7

26.8

28.1

管理職に占める女性労働者の割合(%)

6.5

6.7

6.3

正規雇用労働者に占める外国籍労働者の割合(%)

0.7

0.6

0.6

障がい者雇用率(%)

3.00

3.34

3.31

3.35

60歳定年を迎えた正規雇用労働者の継続雇用の割合(%)

84.9

76.9

80.4

男性労働者の育児休業取得率(%)

100.0

90.2

86.1

98.7

社員の働きがい、働きやすさに関する指標

 

従業員エンゲージメント(%)(注2)

48.0

継続勤務意向(%)(注2)

79.0

年間一人当たり総労働時間(時間)(注3)

2,041

2,084

2,020

年次有給休暇の平均取得率(%)(注3)

75.8

73.2

78.8

災害度数率(注3)

0.51

0.25

2.41

人財育成投資に関する指標(注4)

 

研修費用総額(百万円)

201

172

324

一人当たり研修費(千円)

61

48

91

健康経営に関する指標(注5)

 

総合健康リスク(注6)

85

83

82

プレゼンティーズム(%)(注7)

21.9

20.8

20.2

アブセンティーズム(日)(注8)

1.24

1.86

健康経営度調査ランキング(位)

101-150

251-300

二次検査受診率(%)

92.2

92.4

特定保健指導実施率(%)

79.2

73.0

(注)1.当社及び国内連結子会社を対象とした調査の結果です。

2.2025年10月に、Qualtrics LLCが提供するエンゲージメントサーベイ(EX25)を当社及び国内連結子会社、一部の海外連結子会社に導入し、実施しました。上記数値は、当社及び国内連結子会社の回答者の内、肯定的回答をした者の割合です。

3.2023年及び2024年は当社の実績、2025年は当社及び国内連結子会社の実績を記載しております。

4.2023年及び2024年は人事部門が実施した研修のみを集計していましたが、2025年は各部門が実施した研修も含めて集計しております。

5.当社の調査、集計結果です。健康経営に関する一部の指標については、算出時期の都合により「-」と記載しております。

6.年度により算定範囲が異なっていたため、当社の実績に統一しております。

7.プレゼンティーズムとは、社員が体調不良を抱えながらも出社し、本来のパフォーマンスを発揮できず、生産性が低下している状態を示す指標です。SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大1項目版)で算出しております。

8.アブセンティーズムとは、社員が健康上の理由で欠勤・休職することで生じるパフォーマンスの損失を示す指標です。(保存休暇使用日数+欠勤日数+特別休職日数含む休職日数)÷全社員数で算出しております。