リスク
3【事業等のリスク】
当社グループは、生活者の皆さまがそれぞれの「すこやかな毎日、ゆたかな人生」を送れるよう、高品質な素材を創意工夫することにより「おいしさと健康」を価値として提供し続けていくために、取り組むべきマテリアリティ(最重要領域)を特定し、長期的な視点から経営環境に対する課題への対応を図るように努めております。また、リスクマネジメント委員会を設置し、当社グループにおけるリスクを把握し、リスクの顕在化による危機的状況の発生を未然に防ぎ、万が一発生した場合に生じる負の影響を最小限に抑えるための策を講じ、当該危機的状況からの早期の回復を図るよう努めております。
経営環境、経営成績、財務状況等(株価含む)に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスクを脅威とみなすだけでなく、創意工夫による適切な対応を通じ、持続的な成長の機会としてとらえております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
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開示 |
マテリアリティ |
リスク |
影響度 |
発生 |
機会 |
リスクへの対応 |
1 |
食の安全に関するリスク |
安心・安全な商品・サービスの提供 情報開示と対話の推進 |
・製品回収による多額のコスト発生リスク ・顧客の流出等による売上低迷のリスク ・Glicoブランド棄損のリスク |
高 |
低 |
・適切な情報開示(品質管理ポリシー、原材料調達)を通じたGlicoブランドの信頼獲得による売上高拡大 |
・国際的な食品安全システムの導入の取組み(ISO、FSSC22000の取得) ・取引先の監査等を含むサプライチェーンでの品質保証体制の構築と運用 ・アレルゲンの適切な表示 ・お客様の声の反映 |
2 |
原材料の調達のリスク |
- |
・原材料の需給動向や原油価格、海上コンテナの変動などによる調達価格変動のリスク |
中 |
高 |
・デジタル技術の活用による原材料発注のサプライチェーンマネジメントの強化 ・調達地、調達先の多様化によるレジリエンスの獲得 |
・長期生産計画と調達需給の連動オペレーション ・「Glicoグループ調達方針」を公開し 「サプライチェーンの環境社会配慮」との連動とグローバルイニシアティブ(国連グローバル・コンパクト、SDGs等)への対応を推進 |
サプライチェーンの環境社会配慮 |
・地域の環境法や児童労働等の国際社会要請に合致しないサプライヤーからの調達による原材料調達取引停止のリスク ・Glicoブランド棄損のリスク |
中 |
低 |
・調達トレーサビリティ導入・強化による信頼性の高い調達先の選定 |
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3 |
研究開発のリスク |
共創とイノベーションの推進 人々の健康への貢献 |
・新製品開発、現行製品の改良、コストダウン、基礎研究分野における開発が成功しないリスク ・市場の変化をとらえきれず市場ニーズに乖離し、受け入れられないリスク |
高 |
中 |
・注力領域への経営資源投入及びオープンイノベーションによる開発の加速 ・製品開発へのデジタル技術活用 |
・健康機能の科学的評価の仕組みを構築し、多様なお客様の健康に寄与できる安全な製品の開発 ・デジタル人財開発による販売データ、お客様の声の分析高度化 ・外部の研究機関、スタートアップ企業との協働による開発の加速 |
4 |
法的規制等に関するリスク |
コーポレート・ガバナンス 人権尊重のマネジメント 公正で誠実なマーケティング 企業倫理の実践と腐敗防止 |
・法令違反によるコンプライアンスリスク ・処罰、訴訟提起のリスク ・Glicoブランド棄損のリスク |
中 |
低 |
・適切な情報開示を通じたGlicoブランドの信頼獲得 |
・役職員を対象にしたコンプライアンス教育の実施 ・ホットラインの設置 |
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開示 |
マテリアリティ |
リスク |
影響度 |
発生 |
機会 |
リスクへの対応 |
5 |
天変地異や社会的な制度等に関するリスク |
安全・安心な商品・サービスの提供 労働安全衛生 |
・パンデミック、地震、洪水等の天変地異の発生及びテロ、紛争等の発生による社会的混乱が生じた場合のリスク ・サプライチェーン分断のリスクや事業停止のリスク ・役職員や事業資産が損害を被るリスク |
中 |
低 |
・BCP(事業継続計画)推進による通常業務効率化 ・DX取組みによるリモートワークの充実 ・調達地、調達先の多様化によるレジリエンスの獲得 |
・生産部門での非常時の対応方針・事業継続計画を策定し、訓練等の実施 ・国際情勢等の情報収集 ・リモートワークの充実に向けたIT環境整備 |
6 |
長期的な事業継続に関するリスク |
人財の育成 ダイバーシティ&インクルージョン |
・多様な人財を確保できないことによる企業活動の生産性低下による業績悪化のリスク |
中 |
低 |
・多様性に富む人財確保・育成によるイノベーションの創出 ・従業員の働きがいの向上による会社の成長、企業理念の達成 |
・人財育成プログラムの推進 ・多様な人財がより活躍できる環境整備 ・健康経営の推進 |
商品サービスのライフサイクル全体での環境社会配慮 気候変動の緩和と適用 資源循環と廃棄物削減 サプライチェーンの環境社会配慮 水資源の管理 |
・温暖化や地球環境の変化、また、それらへの対応のため、企業活動全体に及ぼす影響が顕在化するリスク ・気候変動による原材料調達不全リスク ・対応遅れによる調達コスト、製造コスト、税コストの上昇リスク ・社会要請への対応遅れによるGlicoブランド毀損リスク |
高 |
中 |
・調達先・事業展開先の地理的分散化 ・消費エネルギー低減取組、再生可能エネルギー導入や脱炭素技術導入などの施策の推進 ・包材の脱プラスチック、リサイクル対応の推進 ・情報開示を通じたGlicoブランドの信頼獲得 ・アイスクリームなど特定製品の需要増加 |
・「Glicoグループ環境ビジョン2050」の策定と実行 ・各拠点における食品ロス削減 ・TCFDの枠組みのもと、気温上昇に伴うリスクの理解とそのリスクへの対応等を検討 |
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7 |
情報システムの障害等に関するリスク |
消費者のプライバシーの保護 情報開示と対話の推進 |
・外部からのサイバー攻撃、コンピュータウイルス感染による深刻なシステム障害、個人情報などの重要データの流出、破損による事業中断のリスク |
高 |
低 |
- |
・リスクマネジメント委員会に情報セキュリティ部会を設置し、Glicoセキュリティポリシーのもと、情報セキュリティ体制の構築と運用 ・リスクアセスメントに基づき、役職員を対象とした情報セキュリティ教育や訓練の実施 |
8 |
取引先の経営破綻等に関するリスク |
コーポレート・ガバナンス |
・取引先の経営破綻による債権が回収できないリスク |
低 |
低 |
- |
・調査機関等の活用による情報収集や与信管理、債権保全の実施 |
9 |
資産の減損等に関するリスク |
コーポレート・ガバナンス |
・資産の価値の下落あるいは将来キャッシュ・フローによる減損損失計上のリスク ・新規事業の出資先株式、のれんの減損リスク |
低 |
高 |
- |
・経済、金融動向の注視と、投資規模に応じた社内審議、手続きに基づく投資の実行 ・出資先に対する事業計画達成のための継続的なフォローアップ及びモニタリングの実施 |
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつと位置付けた上で、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を勘案し、連結配当性向35%以上を目標に安定した配当政策を実施することを基本方針として、中間配当と期末配当の年2回、剰余金の配当を行っております。今後も、中長期的な視点に立って、成長が見込まれる事業分野に経営資源を投入することにより持続的な成長と企業価値の向上並びに株主価値の増大に努めてまいります。
当事業年度の配当金につきましては、上記方針に基づき、中間配当金は1株当たり40円、期末配当金は1株当たり40円とし、年間配当金は1株当たり80円といたしました。
当社は、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行うことができる旨及び期末配当、中間配当のほか、基準日を定めて剰余金の配当をすることができる旨を定款に定めております。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年8月3日 |
2,543 |
40 |
取締役会決議 |
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2024年2月13日 |
2,543 |
40 |
取締役会決議 |