2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    298名(単体) 17,103名(連結)
  • 平均年齢
    43.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    18.0年(単体)
  • 平均年収
    9,380,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    3.1%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

① 基本方針

 「2026中期経営計画」で掲げる経営戦略を実現するための人財戦略として、成長市場でのビジネスを牽引する「ⅰグローバルで戦うための人財・環境づくり」、国内市場を含めた盤石な経営基盤を支える「ⅱ人的資本のサステナビリティ推進」、それらを実現する人財マネジメントのアプローチとして「ⅲグループ人事機能の実効性向上」を掲げ、採用・育成・評価に至るプロセスの再構築および各人事施策の推進を行っています。

ⅰ グローバルで戦うための人財・環境づくり

<採用による人財強化>

 グローバル市場での成長を牽引する人財強化の一環として、外部人財の採用に注力し、過去4年間の総合職・管理職におけるキャリア採用比率はいずれも4割超となりました(キャリア採用比率:2021年度 25.0% ⇒ 2025年度 45.6%)。食品セグメントにおいては、グローバルでの事業経験を有する高度人財、医薬品セグメントにおいては、特に研究開発部門におけるキャリア採用強化を進めています。また、食品・医薬品の双方を強みとする研究開発領域人財の獲得により、新たなイノベーションへの挑戦も進めています。

 加えて、新卒採用では、グローバルでの活躍を志向する人財を、初期配属から海外事業部門に配属し、早期に海外事業所に派遣するなど、将来的に海外事業の成長を牽引する人財の獲得・育成を行っています。

 

<グローバルビジネス人財の拡充>

 人財ポートフォリオの変革に向けて、グローバルへの事業拡大に貢献するスキル・能力を持つ人財の強化に努めています。通常のビジネススキルに加え、異なる文化・価値観・ビジネスを理解し受け入れる『多様性の受容』、適切に自身の意見を伝え、相手の意見を理解できる『コミュニケーション能力』を高度なレベルで発揮する人財を、明治グループにおける「グローバルビジネス人財」と定義し、能力開発の強化および定期的なモニタリングを行っています(グローバルビジネス人財比率:2025年度 28.8%)。

 上記に加え、より多くの意志ある社員が海外事業に携わる機会として、海外事業部門への異動公募の定期的な実施や、複数の海外トレーニー制度の導入など、様々なアプローチを組み合わせ、グローバルビジネスに即した人財の拡充に注力しています。

 

<グループ経営人財のパイプライン構築>

 明治グループの成長戦略を牽引する重要な人財群として、グループ経営人財の発掘・育成に注力しています。各事業における戦略遂行のための知識・スキル・能力だけでなく、経営戦略の策定・推進に欠かせない視座・視野・視点を備える「変革・戦略人財」を中心とした人財を計画的に育成・モニタリングするべく、2021年度よりグループ経営人財育成プログラムを実施しています。CEOを座長に据え、明治グループのリーダーシップバリューである「変化を起こし、改革を主導する」能力の開発を行っており、これまでに延べ284名が受講し、2026年3月末時点でグループ経営人財プールは32名となりました。

 2026年度からは、CxOを始めとする経営重要ポジションのサクセッションプランを始動し、戦略に即した経営人財のパイプラインの拡充を図っていきます。

 

ⅱ 人的資本のサステナビリティ推進

 当社の経営戦略において、グローバルを始めとする新たな市場での成長を実現するためには、既存国内市場での盤石な基盤との両輪が不可欠です。成長市場を牽引する人財だけでなく、国内事業の圧倒的優位性を維持・牽引する人財の活躍、ならびに、あらゆる人財の能力発揮に向けた組織活性化により、グループ成長戦略の確度を高めていきます。

 

<全社員の挑戦・成長を支える新人事制度>

 全社員が事業を支え、市場を創る当事者として自律的に挑戦と成長を続ける環境づくりに向けて、2025年4月に新人事制度を導入しました。新制度ではこれまでの職能をベースにした等級制度から、職務/役割へその基軸を移し、「適所適財」や「年齢にとらわれない昇格・抜擢の実現」を通じ、意欲ある人財の活躍を促しています。また、リーダー以上に適用する「行動評価」においては、「社会との対話と共創」「挑戦・自己実現の促進」などの項目を盛り込むことによって、ステークホルダーや社会との共創を意識したアクションの創出を求めます。

 

 新人事制度における評価制度では、社員一人ひとりが高い成果をあげるために、組織目標と連動したチャレンジングな業務目標を設定する仕組みを備え、上職者がその達成をこれまで以上にサポートしていきます。また、創出した成果・行動は絶対基準での評価とし、各人が納得し、次なる成長に向かうサイクルを運用していきます。

 

 さらに、報酬制度においては、各人が担う職務/役割に応じた報酬水準を労働市場の動向を見据えて設定することで、外部競争力を担保した働く環境づくりを進めています。

 

<組織・社員の能力最大発揮に向けた働きやすい環境づくり>

 多様な社員が、自分らしく安全・安心して働く環境の整備は、あらゆる事業活動を支える人財戦略の礎であり、明治グループの持続的な成長に欠かせない要件です。

明治グループでは、意思決定層の多様性推進を含む「DE&I推進」、「健康経営」「労働安全」の強化、無理無駄なく生産性高く働く「スマートワーク推進」を重点テーマに掲げ、全社員が最大限能力を発揮できる職場環境づくりを目指して取組みを進めています。(詳細は(3)社内環境整備方針に記載)

 

ⅲ グループ人事機能の実効性向上(人財マネジメント変革)

 新人事制度の導入に合わせ、新たな人事機能として各事業/機能部門にHRBP(Human Resource Business Partner)を新設しました。これまでの管理型の人財マネジメントの在り様から、事業戦略の実現を人財・組織の側面から牽引するマネジメントへと進化を図り、経営戦略に即した人財戦略の推進を進めています。

 また、職務/役割を基軸とした新たな人事制度の実効性向上に向けては、タレントマネジメントの仕組みを導入しました。社員のスキル・経験の棚卸を定期的に行うことで、各ポジションに求められる要件応じた自律的な能力開発への動機付け、ならびに適所適材の異動配置の実現を目指しています。

 

② 人財育成方針

 明治グループの持続的な成長に向け、戦略を立案・遂行する高い能力を有する人財への投資を強化しています。特に社員一人ひとりの自律的な学びを重視したアプローチを強化し、手上げでのプログラム参加を促進、意欲ある人財に対しての人財開発投資を積極的に進めています。(手上げ研修参加率 2025年度24.5%(2024年度23.3%))

 

 明治グループ2026ビジョンの「目指す企業グループ像」「人財・組織風土のあるべき姿」を実現するために、明治グループが求める資質や能力を持つ人財を育成すると共に、社員一人ひとりの挑戦・成長を後押しするべく、「明治グループ能力開発方針」「能力開発体系」の下、各種能力開発プログラムを行っています。

 

明治グループ能力開発方針

 ① 挑戦・自律の促進と一歩先を行く専門性の獲得

 ② 一人ひとりの成長とキャリア・自己実現の支援

③ 高い視座・視野の醸成と社内外とのオープンな関係構築の促進

④ 会社の目指す姿・グループ理念への共感

 

  

 

 

 

 

プログラムの目的

受講人数

(延べ人数)

平均受講
時間

(時間)

平均受講
費用
(千円)

次世代リーダー育成

・広い視野と高い視座をもった人財の育成
・戦略的思考、判断力、決断力、発信力の習得

2,553

3.5

46.4

グローバル研修
ダイバーシティマネジメント

DX人財育成

・世界をフィールドに成果を出せるグローバル
 ビジネス人財育成
・多様な人財が活躍できる風土の醸成

6,404

0.3

0.9

階層別研修

それぞれのステージごとに必要なスキルの習得
・部下/後進を育成する力の強化
・チーム/組織の活力を引き出すマネジメント
 能力の向上
・次世代/経営リーダーを目指す自己革新意識
 の醸成

1,362

19.3

54.2

自主参加型研修・自己啓発

など

・社員の「学びの自律」の促進、自律型人財の

 育成

7,875

8.1

18.7

部門別・グループ会社研修
など

・業務上必要となるビジネススキルの習得

166,929

1.6

1.4

   2025年度研修受講者数 対象(管理職・一般職、平均受講時間、平均受講費用)

   ※ ㈱明治・Meiji Seika ファルマ㈱・KMバイオロジクス㈱

 

③ 社内環境整備方針

ⅰ DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)

 「明治グループ ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンポリシー」の下、多様な社員が、イキイキとやりがいをもって働ける環境を整備し、イノベーションや新たな価値を創出することで、持続的な企業成長を実現していきます。

 

 明治グループが考える「DE&Iが実現した姿」として、2050年をターゲットに重点属性(女性・キャリア採用者・海外人財)の目標水準を下記の通り定め、その実現に向けた取り組みを強化しています。

 

 

<女性活躍>

 DE&Iの第一歩としての女性活躍推進については、トップのコミットメントのもと、下記3本柱で取り組みを行っています。リーダーシップパイプラインの構築においては、上位層への登用を見据えた選抜型研修プログラムの実施や、社内外のメンターによるメンタリングを通じたエンパワメントにより、経営層に向けた意識醸成を行っています。また、育児期社員の活躍支援と上司マネジメントにおいては、育児期社員とその上司に対して合同で研修を実施し、他者理解ワーク等を通じて相互理解を高め、互いに遠慮なく各人が能力を発揮できる職場環境の実現に繋げています。今後も性別や制約の有無に関わらず、社員一人ひとりがあらゆる職務・階層で能力を発揮し、活躍できる環境づくりを行います。

 

 

<キャリア採用者>

 幅広い知見や新たな視点を取り入れ、組織の柔軟性を促していくために、他社での豊富な経験を持つキャリア人財の採用を積極的に行っています。また、一度退職した社員の再就職を可能とする「カムバック制度」を導入しています。明治グループで得たノウハウや知見を有しながら、当社グループ以外での多様な経験や知識を培った者の再雇用を通じて、社内の活性化や、新たな価値創出を図っています。

 

<海外人財>

 グローバルな視点を意思決定に反映させ、世界で成長し続ける明治グループとなるために、海外人財(外国籍人財を含む海外留学・在住経験等のグローバルな経験を半年以上有する人財)の採用を強化しています。

 

<男性育休>

 男女問わず、誰もが働きやすい職場づくりの一環として、男性育休の取得を推進しています。今般、男性育休の有給休暇日数の上限を28日まで引き上げ、男性もこれまで以上にしっかりと育児参画する取り組みを進めます。乳幼児向けミルク・ワクチンを扱う会社としての自覚の下、こうした取り組みを企業価値向上に繋げていきます。

 

ⅱ 健康経営

 グループスローガン「健康にアイデアを」を体現する企業グループとして、成長し続ける原動力は、社員の“こころとからだの健康”であると考え、社員の健康の維持・増進に戦略的に投資をし、生産性の最大化・組織活性化を図っています。「明治グループ健康経営宣言」のもと、「生活習慣の改善」「病気の早期発見」「メンタルヘルス」の3つを重点テーマとして定め、2025年度は、経営トップを巻き込んだ管理職向け禁煙施策の実施、一部事業会社でのがん2次健診の費用補助などの取組みを進めています。

 

<健康経営戦略マップ>

 

ⅲ 労働安全

 「明治グループ労働安全衛生ポリシー」に基づき、「安全は全てに優先する」認識のもと、職場の安全確保に継続的に取り組んでいます。2026中期経営計画では、「重大災害ゼロ」、「挟まれ・巻き込まれ災害ゼロ」、「重大交通事故ゼロ」をKPIに掲げ、社員の安全意識醸成に向けた施策や、新設設備の稼働前リスクアセスメントならびに既存設備の安全監査・点検をグループ横断で実施し、安全対策とルールの周知・遵守により労働災害や法令違反の未然防止に向けた取り組みを強化しています。

 

ⅳ スマートワーク

 明治グループのさらなる成長に向けては、多様な社員が心身ともに健康に働き、能力を最大限発揮することに加え、これまで以上に各人が創造的業務の比重を高め、自律・挑戦・成長・共創に向かう働き方が欠かせません。「社員一人ひとりが生産性高く働き、個人・チームの可能性が最大限引き出された状態」の実現に向けて、「制度・仕組みの整備」「職場でのプロセス改善」「社員の意識・行動変革」を柱に、スマートワークを推進しています。

 2025年度には効率的な会議運営に向けた「会議チャレンジ」の全社展開、全ライン管理職を対象としたタイムマネジメント研修の実施などを通じ、継続的な意識・行動変容を促進しました。2026年度からは、管理職層の行動評価項目として、新たに「組織全体の生産性向上」目標を導入し、制度・仕組みと意識・行動の両面からスマートな働き方へのシフトを進めていきます。

 

ⅴ 社内環境整備に関する外部機関等からの評価

なでしこ銘柄

PRIDE指標

健康経営優良法人

(ホワイト500)

「ゴールド」

「レインボー」

Nextなでしこ

共働き・共育て支援企業

選定(2024、2026)

※明治ホールディングス

3年連続受賞

(2023~2025)

※明治グループ3社

3年連続受賞

(2023~2025)

※㈱明治

10年連続認定

(2017~2026)

※明治ホールディングス

 

ⅵ 社員エンゲージメント

 明治グループの人的資本経営の最重要指標として「社員エンゲージメント」を掲げています。当社グループの社員エンゲージメントは「社員と会社のありたい姿が重なり、グループ理念の実現に向けてともに成長することを志向する状態」と定め、自社オリジナルのサーベイによるエンゲージメントを設計しています。この実現に向けては、「社員」「会社」それぞれが、しっかりと“ありたい姿”を描き、相互に理解・共感し、高めあっていく仕掛け・環境づくりが必要です。その実現に向けた因子を「会社」「職場」「上司」「仕事」「人事制度」「自分自身」の6つのテーマに分け、それぞれのテーマ紐づく詳細項目に沿って毎年エンゲージメントサーベイを実施、モニタリングを行っています。

エンゲージメントサーベイ結果(肯定回答率)

 

25年度

24年度

前年差

総合指標

59.7%

56.6%

3.1%

会社

理念戦略

56.6%

51.3%

5.3%

会社基盤

80.9%

79.1%

1.8%

変革活動

54.2%

48.8%

5.4%

職場

74.4%

73.5%

0.9%

上司

76.7%

76.0%

0.7%

仕事

60.2%

58.6%

1.6%

自分自身

64.1%

61.0%

3.1%

人事制度

30.8%

33.5%

-2.7%

 

 

 2025年度のサーベイ結果から、現状の最重要課題は「新人事制度の理解・浸透」であることが明らかになりました。当初計画していた「社員のありたい姿」を描くための取組みを先送りとし、新人事制度の運用強化に向けた評価者向け研修や1on1の現場浸透を最優先に据え、取組みを強化しながら進めました。

 一方、既に一定の効果が得られている、職場起点での「会社・社員のありたい姿の重ね合わせ」は、管理職を中心に実践しています。加えて、早期に好事例を創出し、エンゲージメントの機運醸成を図るべく、部署の個別課題に寄り添った伴走施策を実施しました。

 

 エンゲージメントサーベイの分析を通じた、課題抽出と解決アプローチのサイクルを継続的に回していくことで、社員と会社が一体となって、明治グループの成長に向かう組織風土づくりを推進していきます。

 

④ 社員給与等の決定方針

 明治グループの持続的な成長の源泉は社員一人ひとりの成長と活躍です。この考えに基づき、当社は、社員の生活の安定および持続的な企業成長の両立を重視し、業績動向および経済環境を踏まえた適切かつ安定的な賃金水準の維持・向上に努めております。

 なお、社員の安定した生活を支える基盤としてのベースとなる給与については、他社の賃金水準を意識した報酬設計としております。また、昨今の物価上昇にも柔軟に対応しており、結果として3年連続で5.0%のベースアップを実施し、下記グレード給/グレード年俸のテーブルに反映しております。

 

<グレード給/グレード年俸>

 一般社員については、職務遂行に必要な「職能」と、担当する「職務」を包含した『役割』を基軸としたグレード定義に基づき、各グレードに応じた給与水準(グレード給)を定めています。年1回、個人の行動評価に応じた昇降給を行い、各人の成果・成長に報いる、公平性の高い制度としています。

 管理職については、各人が担う「職務」の大きさを基軸とし、発揮する責任・成果に応じたグレード定義を定め、外部の報酬サーベイを参照しながら市場競争力のある給与水準(グレード年俸)を設定しています。年1回の評価結果に基づく昇降給は、一般社員以上にメリハリのある増減レンジを設けており、各人の自律的な挑戦・成長を促す仕組みとなっています。

 

<賞与/業績年俸>

 社員の会社業績への貢献に応じたインセンティブとしての賞与/業績年俸においては、個人業績・会社業績の双方を基に決定し、社員と会社が共に成長した証として、成果に報いる報酬を支給しています。

 一般社員層(賞与)、管理職層(業績年俸)共に、各グレードにおける成果発揮度を絶対基準で評価のうえ、報酬額を決定します。中でも、明治グループの成長を牽引する当事者である管理職においては、より成果創出に拘ったメリハリある支給幅を設けた設計としており、成果が報酬よりダイレクトに反映される設計とすることで、高い目標達成意欲を引き出します。

 

<決定プロセス>

 賃金改定については、事業環境、業績動向、労働市場の状況等を総合的に勘案しつつ、労働組合との協議・交渉を実施しております。当該交渉を通じて合意に至った内容については、経営会議等の社内意思決定機関における審議・決議を経て最終決定しております。

 

⑤ 従業員に対する譲渡制限付株式を用いたインセンティブ制度

 当社グループの中長期経営計画および持続的な企業成長をけん引する当社事業子会社の管理職にある従業員に対して、譲渡制限付株式を付与しています。本制度は、当社グループの企業価値向上への貢献意欲を高め、対象となる従業員と株主との一層の価値共有を進めることを目的としており、対象従業員1名につき、それぞれの当社の1単元の株式数である100株を付与するものです。

 また、中長期的かつ継続的な意欲貢献を促す観点から、付与する株式には譲渡制限を設けることとし、その期間を当該割当株式の払込期日から「明治グループ2026ビジョン」期間が終了するまでとしています。

 

(2)【従業員の状況】

① 連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

食品

9,845

〔3,836〕

医薬品

6,953

〔2,754〕

全社(共通)

305

〔47〕

合計

17,103

〔6,637〕

 (注) 従業員数は就業人員数(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む)です。また、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しており、派遣社員を除いております。

 

② 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

298

〔31〕

43.0

18.0

9,380

3.1

 

セグメントの名称

従業員数(人)

全社(共通)

298

〔31〕

合計

298

〔31〕

(注)1.従業員数は就業人員数(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グル

      ープへの出向者を含む)です。また、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しており、派遣社員を除いております。

    2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.平均勤続年数の算定にあたっては、㈱明治、Meiji Seika ファルマ㈱、KMバイオロジクス㈱及び㈱明治ナイスデイから出向により当社で就業している従業員は、各社における勤続年数を通算しております。

 

③ 最大人員会社の状況

ⅰ 当事業年度における従業員数が最も多い会社

㈱明治

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率(%)

5,307〔2,864〕

43.3

20.5

8,517

4.6

(注)1.従業員数は就業人員数(当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む)です。また、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しており、派遣社員を除いております。

   2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

ⅱ 上記ⅰの次に従業員数が多い会社

Meiji Seika ファルマ㈱

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率(%)

1,629〔227〕

43.3

17.7

9,405

4.0

(注)1.従業員数は就業人員数(当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む)です。また、臨時従業員数は〔 〕内に年間の平均人員を外数で記載しており、派遣社員を除いております。

   2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

 

④ 労働組合の状況

 当社グループには主として明治労働組合(2026年3月31日現在、組合員数5,340名)とMeiji Seikaファルマ労働組合(2026年3月31日現在、組合員数1,317名)があります。

 明治労働組合は日本食品関連産業労働組合総連合会、Meiji Seikaファルマ労働組合は医薬化粧品産業労働組合連合会に加盟しております。

 

⑤ 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性従業員の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 当連結会計年度の多様性に関する指標は、以下のとおりであります。

ⅰ 女性活躍推進法、育児・介護休業法に基づく開示

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

男性の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

全従業員

従業員

臨時雇用者

㈱明治

5.7

96.7

51.8

71.2

54.2

Meiji Seika ファルマ㈱

12.8

100.0

70.0

72.6

64.4

KMバイオロジクス㈱

7.8

90.6

49.1

58.4

69.6

明治フレッシュネットワーク㈱

1.9

80.0

58.4

66.2

45.6

四国明治㈱

2.9

100.0

52.6

80.3

70.1

明治ロジテック㈱

2.0

100.0

54.6

59.9

50.9

群馬明治㈱

0.0

*

59.6

77.7

47.5

明治チューインガム㈱

20.7

100.0

85.1

107.7

52.0

道南食品㈱

10.0

*

65.1

73.7

85.8

東海ナッツ㈱

9.1

*

70.8

74.6

74.9

明治アドエージェンシー㈱

10.0

100.0

64.9

65.7

0.0

明治飼糧㈱

0.0

60.0

51.0

61.0

59.0

日本罐詰㈱

7.7

0.0

50.1

90.7

73.2

栃木明治牛乳㈱

14.3

*

78.1

85.2

84.3

大蔵製薬㈱

15.4

*

65.0

82.3

57.8

Meiji Seika ファルマテック㈱

10.0

100.0

60.8

74.6

77.9

 

 

ⅱ 連結会社の状況

 

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

男性従業員の育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

全従業員

 

従業員

 

臨時雇用者

管理職

当社及び

国内連結子会社

7.6

97.4

54.5

69.6

92.4

56.7

(注)1.従業員は、正規雇用の従業員を含み、非正規雇用の従業員を除いております。

2.臨時雇用者は、パートタイマー及び嘱託契約の従業員を含み、派遣社員を除いております。

3.全従業員は、従業員と臨時雇用者を含んでおります。

4.出向者は出向元の従業員として集計しております。

5.管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の額の差異については、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出、開示しております。

6.男性従業員の育児休業取得率については「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき開示しております。「*」は対象となる従業員がいなかったことを示しております。

7.男性従業員の育児休業取得率は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。

 

女性活躍の一つの指標である男女の賃金差異について、当社グループは54.5%となっております。当社グループでは、同一雇用形態において男女の賃金に差は設けていないため、この差は、等級別人数構成の差によるものであります。具体的には、短時間で働く臨時雇用者において女性比率が高いこと、また、給与の高い職群である管理職において男性比率が高いことによるものであります。

そのため、現在推進している女性活躍推進の取り組み等により、管理職に占める女性比率を適正に高めていくことが、男女の賃金差異の解消にもつながっていくと考えております。詳細は第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 ●明治グループにおける人的資本への取組に記載のとおりであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、サステナビリティに関連するリスクと機会を含む重要課題を、経営の中核テーマと位置づけ、事業および機能横断で連携する体制を構築・運用しています。サステナビリティと経営戦略の統合を図るとともに、各組織の役割と権限を明確化し、実行責任を担保する運営体制を構築しています。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが合理的に判断した内容に基づいています。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティ戦略の実行力を高めるため、CSO(Chief Sustainability Officer)が議長を務める「グループサステナビリティ事務局会議」を月次で開催し、社会課題の解決に向けた取組の企画・実行・進捗の確認を定期的に実施しています。同会議では、主に7つの下部会議体の協議結果がCSOに報告されます。戦略と実務の整合性を図るとともに、計画・実行・評価の連携を強化し、実効性を高めています。

 また、代表取締役 社長 CEOが委員長を務める「グループサステナビリティ委員会」を年2回開催し、グループ全体のサステナビリティ活動の進捗状況をモニタリングしています。重要事項については、経営会議において審議され、最終的に取締役会が監督する体制を整えており、これにより、サステナビリティと経営戦略との統合を、実行力をもって着実に推進しています。

 なお、取締役のスキルや専門性に関する情報は、2026年6月更新予定のコーポレートガバナンス報告書をご参照ください。

 さらに、経営陣の持続可能な成長へのコミットメントを強化するために、役員報酬制度のうち株式報酬については、ROEなどの財務指標に加え、外部ESG評価機関によるスコアなどの非財務指標も考慮し、支給水準を決定しています(詳細は「4 コーポレートガバナンスの状況等(4)役員の報酬等 c. 非金銭報酬等に関する事項」参照)。

<ガバナンス体制図>

 

 

 当社グループは、リスク管理体制においても、サステナビリティを経営の中核に位置付け、全社的に展開しています。グループサステナビリティ委員会にはリスクマネジメント部門の管掌役員が参画し、サステナビリティ関連リスクを、全社的なリスクマネジメント体制に統合しています。

 さらに、外部の多様な知見を得る仕組みとして、年2回「ESGアドバイザリーボード」を開催しています。2025年度には、「meijiサステナブルプロダクツ認定制度」「社員視点による「マテリアリティ」重要度評価」「サステナビリティと事業融合の社員への浸透度と次期ビジョンにおける進化に向けて」などをテーマとし、社外有識者3名による実務的かつ建設的な意見を踏まえ、戦略や施策の妥当性・改善点について社内で検討しました。今後も、こうした知見を積極的に取り入れ、取組全体の透明性と実効性の向上に努めてまいります。

 

(2)リスク管理

 当社グループは、2026中期経営計画の策定にあたり、サステナビリティに関連するリスクと機会を統合的に特定・評価しました。このプロセスは、国際的な開示基準を参照し、構造的かつ透明性の高い方法論に基づいて実施しています。これにより、グループの持続的成長と社会価値の創出を両立する基盤を構築しています。

 

<STEP①: リスク・機会に関する課題の網羅的リストアップ>

 国際的に信頼性の高い基準(SASB、GRI、国連GCなど)を参照し、環境・社会・経済の三側面から多様な課題を抽出しました。抽出された課題は、食品事業および医薬品事業それぞれの事業特性を踏まえ、リスク・機会の二軸で分析対象としました。

 

<STEP② :リスク・機会の抽出およびマテリアリティの重要度評価>

 各課題について、定量スコアリング手法(ステークホルダー:4段階、事業影響度:5段階)に基づきマトリクス化し、両方とも高い評価となったものをマテリアリティとして選定しました。

・「ステークホルダーにとっての重要度」は、2026中期経営計画で新たに定義した6つの主要ステークホルダー

(お客さま、株主・投資家、社員、ビジネスパートナー、地域社会、政府機関・業界団体)ごとに4段階で評価

・「明治グループの事業における重要度」は、IIRC(国際統合報告協議会)のフレームワークに基づき、企業価値

創造に資する6つの資本(財務資本、製造資本、知的資本、人的資本、社会関係資本、自然資本)ごとに5段階で
評価

 

<STEP③ :外部有識者による検証と最終決定>

 マテリアリティの妥当性については、ESGアドバイザリーボードでの助言・提言に基づき、分析手法および結果の妥当性について検証を行い、当社のマテリアリティ評価および戦略策定に反映しました。その後、グループサステナビリティ委員会での審議を経て、取締役会に報告を行い、最終的に12のマテリアリティを特定・決定しました。これらのマテリアリティは、2026中期経営計画における指標及び目標の設計・管理プロセスに反映されています。

 

<マテリアリティ・マトリックス>

 

 

 

 

 

(3)戦略

当社グループは、マテリアリティ分析を踏まえ、2026中期経営計画におけるサステナビリティ戦略を策定しています。特定した12のマテリアリティは、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」「持続可能な調達活動」の4つのテーマに体系化しています。

各マテリアリティに対しては、2030年および2050年を見据えた中長期の目指す姿を明確にし、2026中期経営計画の期間中は、その実現に向けた具体的施策を計画的に推進しています。2025年度は中計2年目として、個別マテリアリティに対応するKPIの進捗レビューを実施し、進捗状況に応じた施策の見直しや部門横断での取組強化を図ることで、戦略を着実に実行しました。2026年度は、KPIの進捗管理の強化による実効性の向上、更には、次期長期ビジョンにおけるマテリアリティの特定に取り組んでまいります。

 

活動

テーマ

マテリアリティ

中長期の目指す姿

こころとからだの健康に貢献

健康と栄養

食のリーディングカンパニーとして、地域やライフステージごとに異なる健康と栄養の課題に向き合い、科学的なアプローチで栄養価値を評価し、人々の健康な食生活に貢献している。

新興・再興感染症の脅威

感染症領域におけるアジアのリーディングカンパニーとして、予防から治療にわたる医薬品を中心としたソリューションを提供し、感染症の高まる脅威から人々を守っている。

堅牢なサプライチェーン構築

による医薬品の安定供給

国内とグローバルに堅牢なサプライチェーン体制を確立し、高品質で経済的な医薬品を安定的に提供する。

製品品質の安全性・信頼性

食薬の領域でグローバルに事業拡大をする中で、品質保証と安全管理の業務を適切に実施し、製品回収ゼロを継続的に実現している。

環境との調和

気候変動

省エネ・創エネ活動の強化、再生可能エネルギーの利活用、酪農分野でのGHG排出量削減などによりサプライチェーン全体のCO₂排出量の削減を図り、2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指す。

資源循環

3R(Reduce, Reuse, Recycle)+Renewableの取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えながら付加価値を生み出す活動を推進することで、製品価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑制などを図り、サーキュラーエコノミーへの移行を目指す。

水資源

水使用量の継続的な削減に加え、水源涵養など水源保全活動への積極的な取り組みによりウォーターニュートラルを実現している。

生物多様性

事業活動に伴う生物多様性・自然への依存と影響を把握し、生物多様性の損失に歯止めをかけ、自然環境に対してポジティブな影響を与える取り組みを積極的に行うことで自然との共生を目指す。

豊かな社会づくり

バリューチェーンにおける

人権の尊重

自社のバリューチェーン上における人権課題を認識し、社員一人一人が自分ゴトとして捉え、その対応に取り組んでいる。

高い倫理観に基づいた

マーケティング

サプライチェーン下流でのマーケティングによる影響を理解し、人権や環境に配慮した適切なコミュニケーションを実施している。

多様な人財の成長と活躍

社員と会社が共に成長している。

~ イキイキと働く多様な人財が新たな価値を創出 ~

共通

人権・環境に配慮した

サプライチェーンの構築

サプライヤーと連携・協力してサプライチェーン全体で人権・環境などの社会的責任に配慮した調達活動に取り組み、責任あるサプライチェーンを確立している。

個々の原材料についてトレーサビリティの確立に努め、原材料生産地での人権・環境などに関わる社会課題を把握し、その課題解決により持続可能な原材料調達を実現している。

 

 

<ESG投資枠の拡大>

Scope1、2、3における移行計画の推進のため、2026中期経営計画において「ESG投資」を500億円と設定し、サステナビリティ施策を着実に推進します。主な施策は、以下の通りです。

 ・酪農業のGHG排出量削減に向けた取り組み

 ・ペニシリン原薬の国産化

 ・太陽光発電設備の導入

 ・脱フロン対策(例:ノンフロンターボ冷凍機の導入)

 ・脱プラスチック対策(例:小型ペットボトル軽量化に向けた設備導入)

 ・水使用量の削減(例:小型ペットボトルライン リンス水循環化による節水対策)

 

<サステナビリティボンドの発行>

当社のサステナビリティビジョンを達成するための必要資金として、2021年にサステナビリティボンドを発行し、100億円の資金調達を実施しています。

サステナビリティ関連の資金調達に関しては、当社のウェブサイト「サステナブルファイナンス」をご参照ください。

(URL:https://www.meiji.com/sustainability/stance/finance/

 

 

(4) 2026中期経営計画における指標及び目標

 2026中期経営計画においては、戦略(前項(3))で示したマテリアリティごとの中長期の「目指す姿」の実現に向け、関連する「主な取り組み」と、その進捗・成果を測定・管理するための「指標」および「目標」を定めています。以下に、2025年度における各マテリアリティに対応するKPIの実績を一覧で示します。

 

マテリアリティ

主な取り組み

指標(KPI)

実績/進捗(2025年度)

目標

(2026年度)

健康と栄養

明治栄養プロファイリングシステム(Meiji NPS)による自社商品の栄養価値の評価実施および今後の栄養価値向上に向けた基礎データの整備

Meiji NPSによる自社商品評価比率(売上高比率)

㈱明治が国内で製造販売する商品のうち、業務用の商品、特殊な栄養設計を行っている商品、受託製造品を除く全商品

63.3%

対象商品の売上高比率90%以上

Meiji NPSにおける評価対象ライフステージの拡大

完成のターゲット年度

完成

(論文公表)

2026年度

健康な食生活・食文化の普及・啓発に向けた食育活動の拡充

3年間の食育活動の参加人数

29.6万人

(累計58.8万人)

累計80万人

体験型イベントの実施回数

11回

(累計21回)

累計30回以上

健康志向食品などサステナブルな取り組みを重視するブランド群の拡大

KPIに関しては、食品セグメントの「明治ROESG対象のブランド群」の指標 (売上高年度計画の達成)と同一

“咀嚼~嚥下”のプロセスにおける、嚥下運動の可視化、新たな模擬装置の開発、実験方法の確立

スワロービジョンにより可視化・分析した医用画像の事例数

11例

嚥下運動
事例数:10例

加齢に伴う咀嚼特性変化を反映した模擬実験法の確立

計画通り進捗

高齢者の咀嚼を模擬する実験法に関する論文公表

模擬送り込み装置による食塊の閉塞因子を評価する方法の確立

計画通り進捗

食塊の閉塞因子
評価方法に関する論文公表

新興・

再興感染症の
脅威

レプリコンワクチン「コスタイベ筋注用」の上市および国内供給体制の整備

国内製造供給比率

30.2%

30%以上

小児を対象とした安全で有効な不活化ワクチン「KD-414」の上市および国内供給体制の整備

ワクチン供給量

(生産能力ベース)

実際の供給量は感染状況で変わるため、生産能力ベースの指標とする

臨床試験を継続中

※1

150万回分

先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の公募事業への参画による、デングワクチン「KD-382」の開発

開発Phaseの進捗

2025年8月に

臨床試験Phase2(人での用量確認試験)を開始

臨床試験Phase2

(人での用量確認試験)

の開始

2032年度の上市を目指す

カルバペネム耐性腸内細菌に対するβ‐ラクタマーゼ阻害剤「OP0595」の開発

承認を取得する国数

国内承認申請中

承認取得

1カ国以上

 

 

マテリアリティ

主な取り組み

指標(KPI)

実績/進捗(2025年度)

目標

(2026年度)

堅牢な

サプライチェーン

構築による

医薬品の安定供給

安定確保医薬品 カテゴリA製品(「バンコマイシン」「メロペネム」「スルバシリン」「タゾピペ」)の在庫月数のコントロールによる安定供給体制の確立

安定供給を確保できる在庫月数

平均3カ月

各製品6カ月

海外依存度の高いペニシリン原薬の国内生産体制の構築(岐阜工場における製造設備導入)

岐阜工場の生産稼働開始ターゲット年度

稼働開始

2025年度後期

ワクチンおよび血漿分画製剤の安定供給
体制の確立

製品欠品回数

欠品の定義:自社起因の欠品に限定

0回

0回

製品品質の

安全性・

信頼性

明治グローバル品質方針(Meiji’s Quality Policy)に基づく「明治品質コミュニケーション(Meiji Quality Comm)」活動の推進による品質への取り組み強化

重大品質事故件数

重大事故の定義:法令違反による回収および表示ミスや品質不良による自主回収を行った案件(海外含む)

0件

0件

協力会社(製品の委託/仕入れ先)
全拠点でのGFSI承認規格取得率

95.9%

100%

重点管理原料サプライヤーの工場
監査率

88.7%

100%

・新分野およびグローバル展開に対応した信頼性保証体制の強化

・製品ライフサイクル全般にわたる信頼性保証システムの変革

・品質マネジメントレビューの着実な
実施と信頼性保証活動(製造所監査、安全管理業務など)の徹底による未然防止

製販品目における回収などの重大
不適合の発生件数

0件

0件

規制当局対応における重大な指摘
件数

0件

0件

 

 

 

マテリアリティ

主な取り組み

指標(KPI)

実績/進捗(2025年度)

目標

(2026年度)

気候変動

省エネ・創エネ活動の強化、カーボンクレジットの活用などによるScope1、2におけるCO₂排出量の削減

Scope1、2排出量削減率

(基準年2019年度比)

30.1%

32%以上

酪農分野でのGHG排出量削減、容器包装材料の使用量削減、サプライヤーとの連携強化などによるScope3におけるCO₂排出量の削減

Scope3排出量削減率

(基準年2019年度比)

範囲(調達・物流・廃棄カテゴリ
1,4,9,12)

10.2%

15%以上

太陽光発電設備の導入拡大、再エネ由来電力の活用強化による再生可能エネルギーへの移行推進

再生可能エネルギー比率

(比率:総使用電力量に占める割合)

28.6%

30%以上

資源循環

環境配慮型素材の研究開発を進めながら、プラスチック容器包装のリデュース推進

プラスチック使用量(総量)の削減率

(基準年2017年度比)

23.6% ※1

25%以上

再生プラスチック、バイオマスプラスチックの活用強化によるバージンプラスチックの使用量削減

バージンプラスチック使用量の削減率

(基準年2017年度比)

30.7% ※1

40%以上

PETボトルに使用する再生プラスチック使用比率の拡大

再生PETの使用比率

24.0% ※1

2025年度目標

70%以上

需給精度の向上による不良在庫削減、賞味期間の延長、賞味期限の年月表示化などによる食品ロスの削減

食品事業における製品廃棄量の削減率

(基準年2016年度比)

24.7%

2025年度目標

50%以上

生産(原料廃棄など)から販売(返品製品の廃棄)までのサプライチェーン上における食品廃棄物削減の推進

食品ロス発生量の削減率

(基準年2023年度比)

発生量対売上高原単位

47.3%

2030年度目標

50%以上

工場での排出物の発生抑制などによる最終処分量の削減

再資源化率

85.8%

90%以上

動植物性残渣の再資源化(飼料化、肥料化、メタン発酵等)などによる食品廃棄物の削減

食品事業における食品リサイクル率

97.3%

95%以上

水資源

水の効率的な使用、節水型設備の積極的導入などによる水使用量の削減

水使用量の削減率

(基準年2020年度比)

売上高原単位あたり

32.4%

20%以上

工場の水源地での森林保全などによる水源涵養活動の拡大

水源涵養率

170.0%

80%以上

生物多様性

自然共生サイトへの認定登録の推進

(OECM国際データベースへの登録)

新規認定区域数

1件

*環境省による自然共生サイト認定

(累計2件)

新規登録1件

(累計2件)

森林保全活動を行うための保守管理契約の締結

保守管理契約をする森林面積

15ha

40ha以上

・生乳、カカオを対象とした、TNFDフレームワークに沿った分析、対応策の策定

・カカオ、パーム油など主要原材料の森
 林減少への取り組み推進

KPIに関しては、次ページ「人権・環境に配慮したサプライチェーンの構築」の「(カカオ)GPSマッピング等の実態把握率」および「(パーム油)森林減少に関与していないパーム油の調達比率」と同一。

 

 

マテリアリティ

主な取り組み

指標(KPI)

実績/進捗(2025年度)

目標

(2026年度)

バリューチェーンにおける

人権の尊重

人権尊重に関する人権教育の実施

国内グループ会社社員に対する人権教育の実施率

受講率93.2%

受講率90%以上

年1回の受講

海外グループ会社(25社)に対する人権教育の実施率

88.0%

(累計22社)

2026年度までに

100%

海外における人権デュー・ディリジェンスの強化

海外リスク国の人権影響評価実施国数

2カ国

(累計2カ国)

累計3カ国

高い倫理観に

基づいた

マーケティング

責任あるマーケティングコミュニケーションポリシーの制定および社員教育の実施

ポリシー制定のターゲット年度

2026年度制定

2024年度中

ポリシー内容周知のための勉強会実施回数

2026年度に

マーケティングポリシー

制定予定の

ため、未実施

年1回以上

多様な人財の

成長と活躍

「●明治グループにおける人的資本への取組 (3) 指標及び目標」に記載をしております。

 

 

 

マテリアリティ

主な取り組み

指標(KPI)

実績/進捗
(2025年度)

目標

(2026年度)

人権・環境に配慮した

サプライチェーンの構築

サステナブル調達アンケートの結果分析によるリスク評価、監査を含むエンゲージメントの実施

重要サプライヤーへの監査実施数

1社

(累計3社)

累計30社以上

海外グループ会社サプライヤーに対するリスク評価実施

18社

15社以上

メイジ・デイリー・アドバイザリー(Meiji Dairy Advisory:MDA)※2を通じた、酪農現場の人材マネジメントによる人の成長および人権、アニマルウェルフェア、GHG排出量削減などの社会課題の解決支援

Meiji Dairy Advisory
(MDA)取り組み戸数

累計72戸

累計100戸以上

酪農家におけるGHG排出量削減に向けた取り組みの推進

〈生乳〉GHG排出量削減に取り組む酪農家戸数

4戸(2,100頭)

累計30戸以上

メイジ・カカオ・サポート(Meiji Cocoa Support:MCS)※3を通じ、農家支援を実施した地域で生産された明治サステナブルカカオ豆の調達拡大

〈カカオ〉明治サステナブルカカオ豆の調達比率

99%

100%

全ての調達先における農園までのトレーサビリティの確立

〈カカオ〉カカオ農園までのトレーサビリティ比率

68.9%

100%

児童労働監視改善システム(CLMRS)もしくは同等のシステムの導入による、児童労働ゼロに向けた取り組みの推進

〈カカオ〉児童労働監視改善システム導入率

ガーナの調達先:
100%

100%

全ての調達先:

71.3%

2030年度目標

100%

GPSマッピングなどによる農園の実態把握と森林の保護・回復を目的とした取り組みの推進

〈カカオ〉GPSマッピング等の実態把握率

ガーナの調達先:
90.7%

100%

全ての調達先:

80.9%

2030年度目標

100%

森林モニタリングを通じたサプライチェーン上の森林減少のリスクの特定・検証による、森林減少に関与していないパーム油の調達推進

〈パーム油〉パーム油に起因する森林減少に関する調査および是正措置の件数

115件

150件

大豆および大豆製品のうち、分離大豆たんぱくに対して、第一集荷所※4までのトレーサビリティを確立

〈大豆〉分離大豆たんぱくの第一集荷所までのトレーサビリティ比率

97.0%

100%

製品の容器包装の環境配慮紙100%維持および事務用品や定型発行物の環境配慮紙への切り替え

〈紙〉環境配慮紙の比率

製品包装:100%

製品以外

(事務用品、定型発行物):

99.4% ※1

100%

※1 2024年度実績を記載しています。

※2 酪農現場の人材マネジメントに焦点を当て、「持続可能性のある酪農経営」を支援する活動です。

※3 2006年に始まった「カカオ農家支援活動」のことです。

※4 生産地域の複数の農家から最初に搬入される場所のことです。

 

最新の実績は当社Webサイトを参照願います。

https://www.meiji.com/pdf/sustainability/stance/materiality-kpi.pdf

 なお、本表に記載された各指標および目標の進捗状況については、各マテリアリティを主管する部門が年1回を基本に確認し、その状況を踏まえて必要に応じてグループサステナビリティ委員会において協議・見直しを行います。2026年度以降も、外部環境やステークホルダーの要請を踏まえ、KPIの柔軟かつ実効性の高い運用に努めてまいります。

●気候変動に関する考え方及び取組(TCFD提言に基づく開示)

 

 近年、地球環境の持続可能性が危ぶまれており、気候変動が中長期的に事業活動に与える影響も大きく、「パリ協定」や「持続可能な開発目標(SDGs)」でも気候変動への対応強化が求められております。当社グループの事業は、豊かな自然の恵みの上に成り立っており、地球環境と共に生き「自然と共生」することが責務であり、重要な経営課題であると認識しております。当社グループはこうした国際的な枠組みに貢献すべく、脱炭素社会の実現に向けて気候変動への対応を推進するとともに、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに基づく開示に取り組んでおります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、サステナビリティ戦略を推進するために、責任者であるCSO(Chief Sustainability Officer)が議長を務めるグループサステナビリティ事務局会議を毎月開催し、気候変動をはじめとする社会課題解決に向けた取り組みを強化しております。また、当社CEO(Chief Executive Officer)が委員長を務めるグループサステナビリティ委員会では、半期ごとにサステナビリティ活動全般の進捗状況を報告し、新たな取り組みについて審議しております。特に、気候変動は重要な課題と位置づけております。

ガバナンスに関して、当社グループは、気候変動によるリスク・機会の分析と対応策について、グループTCFD会議(2025年度2回実施)において議論した後、その結果を経営会議で審議し、取締役会が監督し、経営に反映しております。

 

 

 

(2) 戦略

 当社グループは、気候変動によるリスクおよび機会を重要な経営課題の一つであると認識しており、短・中期的には「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」、長期的には、明治グループ長期環境ビジョン「Meiji Green Engagement for 2050」に基づき「気候変動」や「資源循環」などのマテリアリティとKPIを設定し、将来にわたって自然と共生していくための取り組みを推進しております。

 

 

当社グループの気候変動における戦略の全体像

当社グループは、1.5℃シナリオ、4℃シナリオそれぞれについてシナリオ分析を行っております。それぞれのリスクの低減と機会の獲得に向け、対応策に取り組んでおります。

リスク/機会の要因

当社グループに生じうるインパクト

主な対応策

リスク

1.5℃シナリオ

政府によるカーボンプライシング規制の強化

当社自社操業におけるカーボンプライス負担(売上原価、販売費及び一般管理費の増加)

2030年:47億円、2050年:92億円

 

緩和策

省エネの推進や再生可能エネルギーの導入促進によるGHG排出量の削減

サプライチェーンにおける負担に伴う調達価格高騰(売上原価の増加) ※1

2030年:604億円、2050年:153億円

 

緩和策

サプライチェーンエンゲージメントによるGHG排出量の削減

1.5℃シナリオ

再生可能エネルギーの普及拡大に伴う電力価格の高騰と導入コストの増加

電力購入金額の増加(売上原価、販売費及び一般管理費の増加)

2030年:123億円、2050年:△40億円※2

緩和策

電力使用量の削減と再生可能エネルギー発電設備の導入推進

4℃シナリオ

台風・豪雨などの激甚化や発生頻度増加

洪水被害による資産損害、操業停止による機会損失(売上高の減少、商品および製品・仕掛品・有形固定資産の減耗)

2050年:国内外15拠点で浸水リスクあり。年間リスク増分8.3億円※3

適応策

工場における洪水対策の推進(重要設備のかさ上げ、止水板の設置)

4℃シナリオ

気温上昇や水リスクなどによる原材料の成育環境変化

原材料調達コストの増加(売上原価の増加)

適応策

原材料のトレーサビリティ確保と多様な調達ルートの確保

機会

1.5℃シナリオ

エネルギーの転換や省エネ施策などの緩和策の推進

自社の事業コスト(電気料金・カーボンプライスなど)の低減(売上原価、販売費及び一般管理費の減少) ※4

2030年度:62億円、2050年度:86億円

緩和策

省エネの推進や再生可能エネルギーの導入促進によるGHG排出量の削減

1.5℃/4℃シナリオ

気候変動の直接的影響による社会や生活の変化

下記のような製品・市場へのニーズが拡大(売上高の増加)

・生活様式の変化による巣ごもりなどへの対応

・環境意識の高まりへの対応

・新興・再興感染症への対応

緩和策・適応策

・「meiji サステナブルプロダクツ社内認定制度」などの活用による事業機会の創出

・新規モダリティの獲得推進

※1 当該影響額については、当社グループだけでなくサプライチェーン全体で負担するものと考えております。

※2 △は費用低減を意味します。

※3 国土交通省の「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」に基づき、洪水被害における財務インパクトを算出しております。年間リスク増分とは、2050年までの時間軸で想定される将来リスクの増分を一年間に換算した金額です。詳細は、後続の「<4℃シナリオ>・洪水被害による操業停止などの機会損失」の項目をご覧ください。

※4 未対策の場合と比較したコスト削減額を記載しております。

 

1)リスクの財務インパクト評価

 当社グループを取り巻く気候関連リスク・機会の財務的影響を評価するため、シナリオ分析を実施しました。2つのシナリオ(1.5℃・4℃シナリオ)での分析結果のうち、影響の大きい主要インパクトの分析結果は以下のとおりです。2025年度に財務インパクト評価を再実施したため、各インパクトの数値を更新しました。

 

〈分析対象範囲〉当社グループ全体

対象事業セグメント

食品、医薬品

対象原材料

主要原材料[乳原料、カカオ豆、パーム油、砂糖、木材(紙)]

分析基準年

現状、2030年(中期)、2050年(長期)

 

〈分析方法および結果の詳細〉

□ 主要インパクトと具体的影響

<1.5℃シナリオ>

・カーボンプライシング導入による影響額(自社)

2030年は、省エネ活動、創エネ活動、再エネ由来電力の購入などにより19億円の削減を見込めるものの、47億円のコスト増加を想定しております。2050年は、新たな技術や次世代エネルギーの積極的導入など移行計画(トランジションプラン)に基づき、28億円の削減を見込んでおります。しかし、現在の技術では2050年にCO₂排出量を正味ゼロにするには、23億円分の追加対策と23億円分のカーボンクレジットの購入が必要となり、92億円のコスト増加を想定しております。

 

   (単位:億円)

影響の内容

2030年

2050年

対応策未実施のカーボンプライシング負担額

66

74

対応策によるカーボンプライシング削減額

△19

△28

追加対応策に必要なコスト/投資

-

23

カーボンクレジット購入金額

-

23

合 計

47

92

 

 

・カーボンプライシング導入による影響額(主要原材料)

 主要原材料を調達する各国のカーボンプライスを基にした影響額は、各原材料とも上昇が想定されますが、GHG削減策の推進により最終的には2030年は604億円の増加、2050年は同様に153億円の増加を想定しております。

 

 ※1.5℃シナリオにおけるカーボンプライシング導入による影響額については、国際エネルギー機関(IEA)のWorld Energy Outlook (WEO) 2025で公表されているNZEシナリオのカーボンプライス(2030年、2050年)を基に算出しております。

 

・電力購入金額による影響額(自社)

2030年は、省エネ活動や創エネ活動などにより43億円の削減を見込んでおりますが、電力価格の上昇や再エネ由来電力のプレミアム価格によるコスト増加があり、123億円のコスト増加を想定しております。一方、2050年は、技術の革新により電力価格は現状並みに下がり、省エネ活動などによる電力使用量削減が影響し、40億円の減少を想定しております。

   (単位:億円)

影響の内容

2030年

2050年

電力単価上昇に伴う増加額

155

1

省エネ活動、創エネ活動等による電力使用削減額

△43

△58

再エネ由来電力購入に伴う増加額

11

16

合 計

123

△40

 

 ※ 1.5℃シナリオにおける電力購入金額による影響額は、気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク
  (NGFS)のNet Zero2050シナリオの情報を基に算出しております。

 

 

<4℃シナリオ>

・洪水被害による操業停止などの機会損失

 洪水による被害額は、国土交通省の「TCFD提言における物理的リスク評価の手引き」に基づき、財務インパクトを算出しました。国内外の生産拠点51拠点を対象としてリスク評価を実施した結果、国内13拠点、海外2拠点で浸水リスクが想定されました。財務インパクトは、各拠点で想定される浸水深などを元に、資産の被害額や操業停止による機会損失額を、年間のリスク増分として算出しております。2050年において、100年に1度の洪水規模での15拠点合計の年間リスク増分は、8.3億円/年を想定しております。

 

 

年間リスク増分(億円)

物件被害額

営業停止
損失額

償却資産
被害額

在庫資産
被害額

合計

国内

0.8

2.6

3.7

1.1

8.2

海外

0.1未満

0.1未満

0.1

0.1未満

0.1

合計

0.8

2.6

3.8

1.1

8.3

 

・主要原材料調達への影響

原材料の生産地においても、気候変動による気温上昇や水リスクによって農作物の収量減少に伴う原材料単価の上昇が想定されます。主要原材料の生産地における収量変化や水リスクの分析を実施し、その結果の概要は以下のとおりです。

 

~想定される収量変化~

・カカオ豆や砂糖の調達国では、将来的に収量が減少すると予測されます。

・乳原料への影響は、2030年、2050年においても数%の減少に留まると予測されております。

 

~想定される水リスク~

・洪水リスクは、将来的にほとんどの地域でリスクが高くなると想定されるため、各生産地の洪水リスクを確認した上で、改善策の検討が必要であると考えております。

 

※4℃シナリオにおける主要原材料調達への影響については、FAOが公表しているGAEZv4データベース(RCP8.5)や文献調査に基づいた将来の収量予測情報を基に算出しております。

 

 

2)リスク低減に向けた取り組み

 当社グループは、気候変動の移行リスク・物理的リスクへの対応策として、GHG排出量削減の緩和策と、物理的リスクに対する備えである適応策を推進しております。

緩和策については、IEMA(Institute of Environmental Management and Assessment)のGHG管理ヒエラルキーに基づき、GHG排出量削減への取り組みを推進しております。

ⅰ Eliminate(回避)    :ビジネスモデルや事業ポートフォリオの変更等を通じライフサイクルを通じてGHGを排出しない事業構造へ転換

ⅱ Reduce(削減)        :製造工程や輸送の効率化等を通じ、エネルギー使用量やGHG排出量を削減

ⅲ Substitute(代替)    :再生可能エネルギーの活用、低炭素素材の調達等を通じ、よりGHG排出量の少ないエネルギー・調達物品への変更

ⅳ Compensate(補償・相殺) :削減しきれなかったGHG排出量に対し、カーボンクレジット購入等のオフセットによって相殺

 

・自社拠点の緩和策(GHG排出量削減に向けた取り組み)

自社におけるGHG排出量を削減するため、現在実施している省エネ活動、創エネ活動、再エネ由来電力の購入などに加え、新たな技術や次世代エネルギーの積極的な導入などを織り込んだ移行計画(トランジションプラン)を策定しました。概要は以下のとおりです。

 

※ Scope1 事業者自らによるGHGの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)

  Scope2 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴うGHGの間接排出

 

 緩和策については、当社工場等に太陽光発電設備や省エネ設備の導入をはじめ、RE100対応の再生可能エネルギー由来電力の購入等、様々な取り組みを行っております。移行計画を基に各取り組みを推進し、その結果、2025年度において、総使用電力に占める再生可能エネルギー比率が28.6%となりました。引き続き、2050年の100%達成を目指して取り組みを推進していきます。

 

 

 

緩和策の例〈群馬工場における太陽光パネルの導入〉

 群馬工場において、太陽光パネルを導入しました。2025年4月より稼働し、2025年度末までに年間約597tの
CO₂を削減できました。

 

・サプライチェーンの緩和策(GHG排出量削減に向けた取り組み)

主要原材料におけるGHG排出量については、CO₂だけでなく酪農業由来のメタンなどGHG全般での排出量削減が重要な課題と捉えております。GHG排出量削減に向けて、酪農を中心としたScope3における移行計画を策定しました。GHG排出量削減を効果的に行うために、サプライチェーンにおけるGHG排出量の多いプロセスを特定すべく、まずは牛乳のカーボンフットプリント(CFP)を算定し、次にそのプロセスでの排出量削減策を策定し取り組みを開始しました。さらに、その他の原材料における対応策も検討すると同時に、GHG排出量削減に向けたサプライヤーとのエンゲージメント(対話)を実施することで、サプライヤーの排出量削減、ひいてはサプライチェーン全体の排出量削減を促進していきます。

 

Scope3削減の移行計画(トランジションプラン)の概要は以下のとおりです。

図中の1~5については、以下に対応策詳細を記載しております。

※ Scope3 Scope1、2以外のGHG間接排出(購入した原料・包材等の生産・製造・輸送から、それらを加工した製品の販売・輸送・使用・廃棄に至るまでの企業活動におけるサプライチェーン上で発生するGHG排出)のこと。

 

対応策1 乳牛由来のGHG削減施策 (乳牛の呼気メタン削減に向けた実証実験)

スイス・オランダに本拠を置く飼料・食品添加物大手のdsm-firmenich社の協力のもと、酪農に伴うGHGの中でも最大の課題である、牛のゲップに含まれるメタンの削減プロジェクトに取り組んでおります。同社が開発した「ボベアー®」を牛に投与することで牛の消化管由来のメタンの排出を平均約30%削減できると見込んでおります。2025年度には、Jクレジット制度における方法論として「ボベアー®」の投与によるGHG削減を登録しました。

 

対応策2 カーボンファーミング(炭素貯留農業)に関する取り組み

カーボンファーミングは、大気中のCO₂を土壌に取り込むことで、農地土壌の質を向上させると同時に、GHG排出量削減を目指す農法です。2023年8月、酪農家や別海町と共に道東カーボンファーミング研究会を立ち上げ、別海町の土壌のCO₂貯留量を測定しました。2025年度は、推肥・敷布の散布や、土壌を草で被覆するカバークロップを実施し、土壌変化を検証しました。その結果、推肥散布圃場では土壌団粒構造の形成が確認され、炭素吸収量向上の可能性が示唆されました。また、カバークロップの導入により土壌表層の硬度が低下し、保水性の向上や植物の生育環境改善への寄与が確認されました。

 

対応策3 カカオに関する取り組み

気候変動への対応として、ガーナにおいて気候変動に適応する栽培法の指導や、アグロフォレストリーを通じ森林伐採地に多品種の作物を植えて森林の再生に取り組んでおります。また、気候変動に伴い生産量の減少が想定されるため、その対策として、カカオ細胞培養スタートアップ(California Cultured Inc.)に出資し、持続可能なカカオの調達を推進します。

対応策4 プラスチック資源循環の取り組み

容器包装材料の主たる原料である石油由来のプラスチックを削減することはGHG排出量の削減にも繋がります。「R-1ドリンクタイプ」のボトルに形状変更を伴う軽量化を行いました。軽量化によって、プラスチック使用量は1本あたり43%削減となります。また、石油由来原料のプラスチックの削減策として、きのこの山手作りキットのトレーにカカオハスク由来のバイオマスプラスチックを95%以上採用しました。

 

 プラスチック使用量推移、目標

年度

2017年度
(基準)

2024年度

(実績)

2030年度
(目標)

実績 (t)

30,807

23,549

21,567

(うち、再生プラスチック・バイオマスプラスチックの使用量(t))

2,185

削減量(t)

7,258

9,240

削減率(%)

23.6

30.0

 

対応策5 サプライヤーエンゲージメントの実施

サプライチェーンにおけるCO₂排出量削減努力をScope3に反映させるために、サプライヤーとのエンゲージメント(対話)を通じて、サプライヤーの実際の排出量に基づく1次データの取得に取り組んでおります。

 

 

対象サプライヤー

エンゲージメント内容

2025年度実績

 GHG排出量が多いサプライヤー22社に加え、コンシューマーグッズフォーラムでの協働エンゲージメントを推進

依頼事項

・当社グループが調達する原材料ごとの排出量の算出

・GHG排出量の実績算出、削減目標の設定

 

課題事項

サプライヤーから入手した排出量データのScope3への反映

 

・適応策(洪水リスクの低減に向けた取り組み)

洪水リスクへの対応策として次の取り組みを実施しております。

・リスクの高い拠点において、現地と連携しリスク評価結果のギャップ分析を行い、実態を把握しております。

・特に優先度の高い事業所に対しては、詳細な調査を行い、浸水エリアや浸水深を想定したハード面での対策を検討し、実施しております。例えば、ボックスウォール(仮設止水板)や防水壁の設置などがあります。

 

3)事業機会の創出

気候変動は、社会や生活に変化をもたらし、新たなニーズや機会創出に繋がると考えております。また、気候変動の緩和に取り組むことがコスト削減などの機会に繋がると認識しております。当社グループでは、現在の事業基盤を活かし、新たな資源を取り入れることで以下のような機会獲得の可能性を想定しております。

 

   <緩和策による事業コスト(電力購入金額・カーボンプライスなど)の低減>

1.5℃シナリオの分析において示すとおり、今後CO₂排出量に応じて事業コストが見込まれる一方、緩和策に取り組むことはそれらのコストの削減につながります。

    (単位:億円)

影響の内容

2030年

2050年

緩和策によるカーボンプライス削減額

19

28

省エネ活動、創エネ活動等による電力購入金額削減額

43

58

合 計

62

86

 

   <気候変動の影響による製品・市場のニーズの高まり>

次のプロセスを通じて事業への影響を検討しました。

 ・グループTCFD会議の事務局メンバーが、機会検討に関係する組織に個別にヒアリングを実施しました。

 ・グループTCFD会議にて、「機会の方向性」を審議しました。

 ・既存事業との関係、現状の自社アセットでの対応可否、実現可能性等の観点から、定性的に整理しました。

 ・機会獲得のポイントを実現可能性の高いものに絞り込み、事業機会を特定しました。

 

 

気候変動の直接的影響

気候変動による社会や生活への影響

・平均気温の上昇

・災害の激甚化

・降水パターンの変化

・生物多様性毀損

・農産物の収量減少

・海面の上昇

・永久凍土の溶解

  など

・気温上昇での生活様式変化(外出・移動自粛、巣ごもり、止渇・熱中症など)

・食品・エネルギー価格の上昇、生産者の支出の変化

・GHG排出規制の強化や水リスク(渇水、水質悪化)顕在化

・環境負荷を低減させる生活の推進(ロスや廃棄削減、省エネ、エシカル消費など)

・医療ひっ迫の恒久化や感染症予防意識の高まり

・災害対策の意識の高まり

・開発途上国の栄養不足深刻化

 

機会獲得のポイント

高まることが想定されるニーズ

明治グループにおける機会

生活様式の変化による

巣ごもりなどへの対応

・気温上昇による止渇、熱中症対策

・家庭内で生活を完結できる商品や仕組み

・栄養バランスの改善による健康維持

・暑さ対策商品の拡大(下図④)

・カスタマイズ型栄養支援ビジネス

 (下図②)

環境意識の高まりへの対応

・環境負荷の小さい商品

(植物由来、細胞培養、循環型農業など)

・廃棄ロスやエネルギー使用を低減した商

 品や生活様式

・原材料の持続可能な調達

・環境負荷低減型商品の拡大

 (下図①)

・環境配慮、支援型ビジネス

 (下図⑥)

・持続可能な原料活用商品の拡大

 (下図⑤)

新興・再興感染症への対応

・感染症予防のための行動の習慣化

(うがい、手洗いの励行、マスク着用、免

 疫力強化など)

・感染症に対するセルフメディケーション

・開発途上国における感染症対策

・グローバルでの抗感染症薬、免疫

 力強化商品の拡大

 (下図⑦)

・自然免疫、獲得免疫、治療薬など

 感染症トータルケアビジネス

 (下図③)

・開発途上国、原料生産国への感染

 症対策商品の提供や支援

 (下図⑧)

 

 

さらに、これら8つの事業機会を、現在既に手掛けているものから、中長期的に仕掛けていくものへと時間軸で優先順位付けを行いました。

 

事業機会①⑤ 「環境負荷低減商品の拡大」や「持続可能な原料活用商品の提供」の事例

「meiji サステナブルプロダクツ社内認定制度」の取組強化による事業機会の創出

 バリューチェーンの各プロセス(開発、調達、生産、物流、消費)において、サステナビリティ活動に積極的に取り組み、社会課題解決型商品としてお客様に訴求することで、新たな価値の創造を目指しております。従来の食品セグメントの商品に対する認定制度に加え、2025年度からは医薬品セグメントの評価制度としても運用を開始しております。

<食品セグメント商品における認定基準の例>

事業機会

認定基準

主な要件事項

機会① 環境負荷低減商品の拡大

人権、環境に配慮した

容器包装

プラスチック使用量削減、
再生プラスチック・バイオマス素材使用、
リサイクルしやすい設計など

機会⑤ 持続可能な原料活用商品の提供

人権、環境に配慮した

原料調達

認証原料の使用、
環境配慮農法により生産された原料の使用など

 

事業機会③ 「感染症トータルケアビジネス」の事例

<新規モダリティの獲得>

 当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン「コスタイベ筋注用(2人用)」の国内製造販売承認を取得しました。「コスタイベ筋注用(2人用)」は、日常診療において使用しやすい2人用のバイアル製剤(従来:16人用)です。本ワクチンは、新規の sa‐mRNA技術を使用しており、少量の mRNAで高い免疫応答が期待できます。当社グループは、先進的なモダリティ技術を獲得し、将来に向けた新たなワクチン開発の技術基盤を築いてまいります。

 

(ⅰ)デングウイルス感染症に対する新規ワクチンの開発

 気候変動による温暖化や降水量の変化に伴い、病原体の媒介生物の生息地や生活環境が変化しつつあります。この結果、デングウイルス感染症の流行地域が拡大しております。

デングウイルスは、ヒトにデング熱、デング出血熱およびデングショック症候群をおこす蚊媒介ウイルスの一種で、WHO報告によると熱帯・亜熱帯地域の100カ国以上で、世界人口の約50%に相当する39億人が感染リスクにさらされ、毎年1~4億人が感染するとされております。年間3.9億人が感染し、9,600万人が発症したとする推計も報告されております。世界経済フォーラムによると今世紀末には、84億人がデングウイルス感染症などの蚊媒介感染症に感染する可能性があるとの調査結果もあります。

 弱毒生4価デング熱ワクチン「KD-382」は、非臨床試験および健康成人を対象として非流行国で実施した第Ⅰ相臨床試験において良好な安全性と免疫原性・防御効果を示すことが確認されております。デングウイルス感染症は小児の重症化リスクが高いことから、現在、小児における安全性と免疫原性を検討するため、先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の支援のもと、第Ⅱ相臨床試験を進めており、さらに、厚生労働省が実施する「ワクチン大規模臨床試験等事業」にも採択され、本事業による助成金を活用し、第Ⅲ相臨床試験を実施していく計画であり、デングウイルス感染症の予防に向けた新たな選択肢として期待されております。

(ⅱ)既承認ワクチンによるエムポックス(急性発疹性疾患)流行制圧への国際貢献

 地球規模の気候変動が干ばつなどを通じて各地の気象条件を急激に変化させた結果、動物間の感染にとどまっていたエムポックスなどのウイルスが人に伝播する傾向が強まっており、感染症の拡大がより持続的で頻繁になっているとの見解がWHOにより示されております。

 現在、コンゴ民主共和国を中心にアフリカ諸国では、エムポックスの流行が継続しており、多くの感染者数・死亡者数が報告されております。当社グループの『乾燥細胞培養痘そうワクチンLC16「KMB」』は、2022年8月に「エムポックスの予防」の効能追加承認を得ており、2024年11月にWHO緊急使用リストに登録されております。1回接種で予防効果を発揮でき、乳幼児を含むすべての年齢層に使用可能な弱毒生ワクチンです。アフリカCDCの報告によると、日本政府よりコンゴ民主共和国へ無償供与されたLC16「KMB」が現地で約160万名へ接種されております(2026年3月末時点)。今後、当社グループは、WHO事前認証の取得を目指します。また、引き続きWHOや厚生労働省などの関係機関と協力しながら、コンゴ民主共和国を中心とするアフリカ諸国でのエムポックスの深刻な流行の制圧に繋がることを目指し、本ワクチンの流行地域での接種拡大を通じて国際的な公衆衛生上の緊急事態への対応に貢献してまいります。

 

(3) リスク管理

当社グループは、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに適切に対処するため、グループ全体でリスクマネジメントを推進しております。この中で、「気候変動」は主要な経営リスクと位置づけております。気候変動によるリスクや機会が時代とともに変化する事を認識し、グループTCFD会議では、TCFD提言に沿ったシナリオ分析を活用し、定量的な分析と評価を行い、優先度の高い主要インパクトを特定しております。シナリオ分析の内容については、(2)戦略をご覧ください。これに基づいて、リスク管理フローに沿って対応策を検討しております。グループTCFD会議は、当社リスクマネジメント部も参画し、気候変動の影響をグループ全体の重大なリスクとして認識し、それに対応できる体制を構築しております。

 

(4) 指標及び目標(進捗状況含む)

当社グループでは、「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」、明治グループの長期環境ビジョンである「Meiji Green Engagement for 2050」を策定し、それぞれのビジョンに基づいてマテリアリティとKPIを設定しております。長期環境ビジョンにおいて、気候変動に関するKPIは、パリ協定の努力目標である世界全体の平均気温を1.5℃ に抑えることを目標としております。

気候変動に関わるリスクや機会への対応は、環境負荷低減活動に加えて、原材料調達など多岐にわたります。そのため、KPIを設定し、定期的に進捗状況を確認し、達成に向けて計画的に取り組んでおります。KPIの内容については、2.サステナビリティに関する考え方及び取組(4)2026中期経営計画における指標及び目標をご覧ください。また、これらの取り組みは、明治ROESG指標の一部として評価され、役員報酬に反映(※)されます。

当社グループにおける2025年度のGHG排出量(Scope1、2、3)の実績については、下記の当社ウェブサイトで開示しております。

https://www.meiji.com/sustainability/esg/?active-tab=tab-4

 

GHG排出量は、GHGプロトコルと環境省温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度に基づいて算定しております。当年度における測定アプローチの変更はありません。

 ・連結アプローチ:業務支配力ベース基準

・Scope2の算定方法:マーケット基準

 

※ 明治ROESGのうち気候関連の評価項目に係る部分を区分して割合を示すことは困難であると認識して

  おります。

 

<インターナルカーボンプライシング>

2024年度から、インターナルカーボンプライシング制度の炭素価格を1t-CO₂当たり5,000円から15,000円に変更し、カーボンプライシング本格導入後の円滑な対応に向けた準備も進めております。

 

●自然資本に関する考え方及び取組(TNFD提言に基づく開示)

 経済活動に伴い、森林伐採による生息地の破壊、環境汚染など生息環境の劣化などが原因で生物多様性の損失が急速に進行し危機的状況にあります。当社グループの事業は、カカオや乳原料、乳酸菌、抗生物質に代表される微生物などの豊かな自然の恵みの上に成り立っております。当社グループがサステナビリティ戦略を推進していくために、“ネイチャーポジティブ”への貢献を重要な経営課題と捉え、事業と融合して取り組んでいくことが重要であると認識しております。このことから、当社グループは、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)のビジョンとその取り組みに賛同し、2023年9月に発表された提言に沿った自然資本関連情報の開示を進めております。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

 当社グループの自然資本に係るサステナビリティ戦略の推進においては、当社グループは、サステナビリティ戦略を推進するために、責任者であるCSO(Chief Sustainability Officer)が議長を務めるグループサステナビリティ事務局会議を毎月開催し、生物多様性をはじめとする社会課題解決に向けた取り組みを強化しています。また、当社CEO(Chief Executive Officer)が委員長を務めるグループサステナビリティ委員会では、半期ごとにサステナビリティ活動全般の進捗状況を報告し、新たな取り組みについて審議しています。ガバナンスに関して、分析で特定された自然関連のリスクおよび機会について、TCFD会議において評価・検討、議論を行っています。自然関連リスクについては、主として原材料調達や生産活動における自然環境の変化による影響が想定されており、重要性の観点から継続的に議論を行っています。当該議論結果は、必要に応じて経営会議への報告を行っています。

リスク管理に関しては、自然関連課題を評価・管理する手段として、TNFDの提言によって推奨されている「LEAPアプローチ」を用いて分析・評価を実施しています。自然資本への依存・影響に基づくリスクと機会については、LEAPアプローチ結果を考慮し、リスクマネジメントを担当する部門と連携してリスクと機会を評価し、優先順位を付けています。2025年度では、特に自然資本への依存・影響度合いが高いと認識している、バリューチェーン上流(原材料調達)における自然との関わりについて評価を実施しています。また、分析対象原材料としては、SBTN(Science Based Targets Network)の自然への影響が大きいコモディティリスト(High Impact Commodity List:HICL)に含まれ、当社グループの事業活動において重要な調達品目である「カカオ豆」および「乳原料」について優先的に分析しました。今後、分析および情報開示の対象コモディティの拡大、深耕を進めていきます。

 

(2)戦略

 事業活動における自然関連課題(リスクおよび機会)を特定・管理する上で、事業活動がどのような生態系サービスに依存し、どのような要因で自然に影響を及ぼしているのかを把握すること(事業活動と自然資本との依存・影響関係の把握)は非常に重要であることを認識しています。事業と自然への依存・影響関係に係る評価について、評価ツールの「ENCORE」および「Materiality Screening Tool:MST」を用いて事業活動において予想される環境への依存・影響関係についてセクターレベルでの評価を行いました。また、ツールによる評価結果を用いて、妥当性確認(文献調査および社内実態確認)を行っています。妥当性確認の結果、必要に応じて評価結果を修正し、最終的に依存・影響度が高い項目(「VH:Very High」評価が対象)を「優先度の高い依存・影響項目」として特定しました。併せて、自然や生物多様性の状態は地域によって異なるため、当社グループが抱える自然関連のリスクの種類や程度も地域によって異なります。事業活動が自然に対して大きく依存または影響を与えている“場所“(=優先地域)を特定し、事業にとってどのようなリスク・機会につながるのかシナリオ分析を用いて評価を実施しています。

 

 1)特定した「優先地域」および依存・影響項目

カカオ豆

 当社グループの主要調達拠点(17拠点)を対象に、事前に特定した優先度の高い依存・影響項目ごとに評価を行いました。当社グループの調達カカオ豆生産拠点では、「陸域生態系の利用変化」に係る影響が高い結果となりました。特に、生物多様性重要性の評価項目において、分析対象17拠点中12拠点が非常に高いランクとする結果となっています。

 

 特に調達国の一つであるガーナでは、KBA(Key Biodiversity Area)およびWDPA(The World Database on Protected Areas)に設定されている森林保護区の近くに位置する農園から調達を実施していることを確認しています。

 

乳原料

 乳原料に関する優先地域特定対象については、カカオ豆同様に、当社グループの主要調達拠点(国内外57拠点)を対象に、事前に特定した優先度の高い依存・影響項目ごとに評価を行いました。

乳原料調達拠点では、「水資源の利用」、「水質汚染」、「繊維およびその他の材料・土壌肥沃度の維持」、「地下水・地表水」の評価項目において、対象拠点の半数以上が高い評価ランクを示す結果となりました

 

 

2)リスク・機会の評価

 優先地域および依存・影響項目の特定結果を踏まえ、シナリオ分析を実施し、分析結果を基に、“特に対応が必要”と判断される重要なリスクと機会を特定しました。自然関連のリスクおよび機会は、自然への大きな依存または影響関係に基づき発生するという仮定のもと、当社グループにとっての自然関連のリスクおよび機会を、重大な依存および影響項目ごとに特定しました。

 特定した自然関連のリスクおよび機会に対しては、時代とともに変化する可能性を考慮し、複数のシナリオに沿って定性的に重要度の評価を行いました。シナリオ分析に係るシナリオの考え方について、重要な不確実性である「生態系サービスの低下(物理リスクとの関連性が強い)」および「社会的側面の方向性の一致(移行リスクとの関連性が強い)」の二軸の組み合わせから、4象限のシナリオを検討するアプローチを採用しています。現状では、自然関連の各シナリオを区分するための明確な基準が存在せず、特定の事象における変化率を示す外部シナリオも限られていることから、4つのシナリオごとに想定される社会環境を検討し、分析に反映しています。今回の分析に用いた4シナリオごとに想定される社会環境については下図のとおりです。

 

 特定した依存・影響項目および優先地域に紐づくシナリオ分析によって整理したリスク・機会発生経路の一部を以下に示しています。

 

カカオ生産

カカオ豆調達に関する重要なリスクは、土地転換(森林伐採)、大気汚染、水質・土壌汚染による自然への影響を防ぐための規制強化や新たなルール化により、カカオ豆の生産活動が制限されて調達量が減少、規制対応に伴う負担がカカオ豆の価格に反映されて調達コストが増加するといったリスクが挙げられます。また、カカオ豆生産に伴う自然への負の影響を適切に防ぐ取り組みが実施できていない場合、エシカル消費の活発化となる社会情勢の中では、製品の売上が減少するリスクも挙げられます。

自社事業の機会に関しては、アグロフォレストリー導入支援や営農支援など自然への影響を低減する農業手法の導入支援により、持続可能なカカオ豆生産が行われ、調達制限や調達コスト増加を回避できる可能性が想定されます。その結果、安定的な調達が可能となり、事業継続性の向上が見込まれるため、重要な機会として判断しております。

 

乳原料

乳原料調達に関する重要リスクは、国内外ともに乳牛飼育における水利用、GHG排出、水質汚染による自然への悪影響を防ぐための規制強化や新たなルールの導入などにより、乳原料の生産活動が制限されることで調達量が減少、規制対応に伴う負担が乳原料の価格に反映されて調達コストが増加するなどのリスクが挙げられます。また、カカオ豆と同様に乳原料生産に伴う自然への負の影響を適切に防ぐ取り組みが実施できていない場合、エシカル消費が活発化した社会情勢の中では、製品の売上が減少するリスクも挙げられます。

移行リスクについては、酪農現場における環境対策の強化に伴う生乳生産量および調達量の制限が強化されるリスクが見込まれます。海外の酪農に関連する環境施策の一例として、オランダにおける家畜由来の窒素やリン酸塩の排出削減やニュージーランドにおけるGHG排出量に対して農家レベルで課税導入などの提案が挙げられます。畜産に関する環境施策および規制強化により、乳原料の生産活動が制限され、需給バランスが悪化し原材料の流通量減少、調達コスト増加リスクが高まることが想定されます。

事業における機会として、持続可能な農地・酪農経営(例:再生農業)の推進や、水使用効率の向上など、自然資本への影響を低減する取り組み推進により、乳原料の調達制限や調達コスト増加を回避できる可能性を想定しております。

 

 

3)リスクへの対応

 当社グループでは、自然関連リスク低減への対応として、SBTNのアクション・フレームワークであるAR3T(Avoid(回避)、Reduce(低減)、Restore(復元)、Regenerate(再生)、Transform(変革))に従って取り組みを実施しております。また今後は、分析範囲の拡大、深耕し、自然関連リスクの回避・低減に向けて追加的な取り組み計画の策定を検討していきます。

 

回避

認証原材料調達推進(NDPE方針に従った調達)

メイジ・カカオ・サポート(MCS)活動

調達農園トレーサビリティ確立

カカオ農家への森林教育

メイジ・デイリー・アドバイザリー(MDA)

軽減

酪農におけるGHG排出削減

水源涵養林保全

再生・復元

アグロフォレストリー

カーボンファーミング導入検証

変革

カカオ細胞培養スタートアップCalifornia Cultured Inc.への出資

サプライヤーへのGHG排出削減支援

 

カカオ生産

カカオ農園周辺における森林等の陸域生態系への影響については、現地パートナーと協働し、調達先の農園を訪問しながらGPSマッピングによるモニタリングを行っております 。当該GPSマッピングは、携帯電話を持って農園の境界を歩き農園範囲を特定し、該当農園が保護地域に関与していないか確認しております。なお、GPSマッピングによる実態把握の結果、自然保護地域などに関与している農園および農地が確認できた場合、該当農家をサプライチェーンから除外し、自然保護地域へ関与しないよう指導を実施しております。

 

乳原料

酪農現場において特定されたリスクへの対応として、「持続可能性のある酪農経営」を支援する活動や飼料生産段階において生物多様性の向上、農地の保全・回復を目指す環境再生型の農業手法の導入支援を実施しております。当社グループは酪農・乳業におけるGHG排出量削減に向け2023年8月にカーボンファーミングの取り組みを推進する「道東カーボンファーミング研究会」の構成メンバーとなりました。道東カーボンファーミング研究会では、酪農家と連携し、生乳生産量日本一の別海町をフィールドとして、「カーボンファーミング」の評価・研究・実践を目的とした取り組みを推進しております。

カーボンファーミングを実施することにより土壌の有機物量を増やし、炭素貯留量が増加することを期待します。また、カーボンファーミングにより土壌の構造が改善され、土の通気性・保水性・排水性が向上し、高温や干ばつ等の気候変動の影響へのレジリエンス強化が期待できます。さらに、生物多様性の向上や生態系の保全などの共通便益をもたらすと言われております。

 

(3)指標及び目標

 当社グループにおける自然関連課題(リスクおよび機会)解決に向け、中長期の目指す姿を描き、その実現に向けてマテリアリティの特定とKPIを掲げています。

 今回分析対象であるバリューチェーン上流(乳原料生産・カカオ豆生産)では、自然関連課題を解決し、人権・環境に配慮した責任あるサプライチェーンを構築するための目標を設定し、その進捗管理を進めています。

KPIの内容については、2.サステナビリティに関する考え方及び取組(4)2026中期経営計画における指標及び目標をご覧ください。

 

●明治グループにおける人的資本への取組

 

(1)ガバナンス

 グループ全体の人財戦略の推進にあたっては、経営会議の諮問機関として、当社代表取締役社長CEOを委員長とする「グループ人財委員会」を年に2回開催し、その内容について取締役会に報告しています。CHRO(Chief Human Resource Officer)を事務局長とする当委員会では、人的生産性向上と価値創造力の強化、持続的な成長に欠かせない仕組み・風土づくりをミッションに掲げ、特に重点的な5つのテーマ「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」「人財開発」「健康経営」「労働安全」「スマートワーク」を分科会として設置し、グループ横断での取り組みを推進しています。

 

 

(2)戦略

 人財は、明治グループの価値創造を支えるきわめて重要な資本です。社員の多様性を尊重し、一人ひとりの能力を最大限に発揮させることが明治グループの持続的な成長につながるという考えのもと、経営戦略に則した人財戦略を推進し、戦略的な投資を行っています。

 

 明治グループでは、「2026中期経営計画」において、明治ROESG経営の進化を掲げ、“市場、事業、行動を変える”ことでの持続的な成長を目指しています。グローバル市場への挑戦、サステナビリティと事業の融合、という事業戦略の推進に向け、人財戦略として、事業成長を牽引する「グローバルで戦うための人財・環境づくり」、盤石な企業経営を支える「人的資本のサステナビリティ推進」、それらを実現するための「グループ人事機能の実効性向上」を掲げ、これらを推進することで『多様な人財が自律・挑戦・成長・共創し、イノベーションを生み出す』状態を目指しています。

 

(3)リスク管理

 経営戦略に則した人財戦略の推進にあたって、人財・組織風土の課題は企業活動に重大な影響を及ぼす経営リスクの一つであると認識しています。外部環境の変化を見据えた人財・組織風土の課題について、グループ人財委員会にて議論を重ね、グループ全体の経営リスクを所管するリスクマネジメント部とも連携し、以下の3点をリスクとして特定・管理しております。

 

ⅰ 企業成長に必要な人財獲得および能力開発

 ・経営人財・事業マネジメント人財・高度人財等の獲得・育成ができないリスク

 ・DE&Iが推進されないことによる採用力低下、お客さま目線での事業推進力低下のリスク

ⅱ 業務環境による生産性への影響

 ・労働環境・安全衛生の対応不足による生産性低下、離職者増加のリスク

 ・社員の適切な健康課題の把握・改善に向けたアプローチ不足による休職者増加のリスク

 ・時代に合わせた働く環境(職場・IT等)整備の遅延によるクリエイティビティ停滞のリスク

ⅲ 社員エンゲージメント

 ・経営計画や組織目標の理解・浸透不足や階層・部署を跨いだコミュニケーション不足による組織力低下のリスク

 ・会社への共感度低下による離職者増加のリスク

 

 上記リスクについては、顕在化している事例を検証するとともに対応策を検討し、人事部門を中心に関連部署と連携して、リスク低減に努めています。

 

(4)指標及び目標

 グループ人財戦略の推進にあたっては、「2026中期経営計画」のマテリアリティに紐づく重要テーマについて、定量的に計測できる目標を設定し、モニタリングを行いながら、施策の効果測定や改善を行っています。

 

(注) 対象範囲:明治ホールディングス㈱、㈱明治、Meiji Seika ファルマ㈱、KMバイオロジクス㈱
 ただし、重大労働災害件数は明治グループ連結(国内のみ)。