プリマハム【2281】のコーポレートストーリー

サマリ

プリマハムは、加工食品事業と食肉事業を両輪に、国産豚のインテグレーション、基礎研究所による「おいしさの見える化」、主力ブランド「香薫®」などの商品力を強みに成長してきた。最新鋭工場と厳格な品質管理を背景に、驚きと楽しさのある製品を生み出し、「日本で培った強みを世界へ」広げることに挑戦している。

過去

創業者・竹岸政則が「日本の発展には体力向上が必要」と考え、1931年に食肉事業を開始。食肉が一般的でない時代に良質な食肉を適正価格で提供し、業界に先駆けて規格化や販売の仕組みづくりに挑戦した。

創業当初から“進取の精神”を原点に、品質と流通の整備に注力。やがて加工領域へ広げ、ヒット商品を生む土台を築いた。2000年代前半の経営危機では、コスト徹底と生産性改善に舵を切り、その後「香薫®あらびき...

現在

ハム・ソーセージ等の加工食品、国産豚の一貫体制を核に、基礎研究所が「おいしさ」を数値化。最新工場と国際規格に基づく品質管理で、安全・安心と楽しさのある商品を提供している。

加工食品では「香薫®」をはじめ、紅ショウガソーセージや「ギルティソーセージ」など体験価値の高い製品を展開。「おいしさの見える化」で五味・五感に基づく“共通の物差し”を整備し、商品改良と新製品創出に活用...

未来

「いつも、ずっと、愛される会社」を掲げ、主力ブランドの磨き込みと高付加価値化、資本コストを意識した経営、海外子会社の強化で、日本発の強みを世界へ広げていく。

中期経営計画（2025～2027年度）で、香薫®などコアブランドのシェア拡大、健康・機能性や環境配慮を取り込んだ商品群の拡充、国産豚インテグレーションの強化を進める。伊藤忠との連携を活かし調達・販売を...

目指す経営指標

・2027年度：連結売上高5,400億円を目標
・2027年度：営業利益150億円、経常利益160億円、親会社株主帰属当期純利益100億円を目標
・2027年度：ROE7.8％、ROIC7.1％、ROA3.9％を目標
・資本コスト（株主資本コスト5.0％、WACC4.2％）を意識した経営を継続
・マテリアリティKPIの達成（食品安全マネジメント導入率拡大、GHG削減等）を推進

トップメッセージの要約

着眼大局、着手小局

日本で培った強みを世界へ

おいしさの見える化

体験価値の連鎖

Nothing happens unless first a dream

トップメッセージは、経営危機の経験から「数字で考える文化」と現場主導の改善を根付かせ、「おいしさ」を定量化する取り組みで商品開発と工場改革を両輪で進める決意を示す。座右の銘「着眼大局、着手小局」を掲げ...

専門用語

■ 国産豚インテグレーション
繁殖・肥育から、と畜・加工、物流、販売までを一気通貫で自社主導につなぐ体制のこと。安定供給と品質管理、コスト競争力の確保を狙う。

■ おいしさの見える化
基礎研究所が味や香り、食感などを指標化し、商品開発や改良に活かす取り組みの総称。感覚的な評価を“共通の物差し”に置き換える。

■ 香薫®
同社の主力ハム・ソーセージブランド。独自の製法と香りの設計を特長とし、家庭用の定番商品として位置づけられている。

■ 紅ショウガソーセージ
紅ショウガの風味と食感を前面に出したソーセージ。“驚きと楽しさ”という商品開発の狙いを体現するシリーズの一つ。

■ ギルティソーセージ
ボリューム感や食べ応えなど、満足感を重視して設計されたソーセージ。“背徳感”を連想させるネーミングで体験価値を訴求する。

■ 体験価値の連鎖
購入後のバーコード応募など、商品体験を次の接点につなげてファン化を進める考え方。継続的な関係づくりを狙うマーケティング施策。

■ 次世代基幹システム
グループの業務を横断的に統合し、効率化や意思決定の迅速化を図るための新しい社内システム。中期計画で稼働と活用が掲げられている。

■ 着眼大局、着手小局
トップが掲げる行動指針。大きな方向性を見据えつつ、現場での具体的な一歩を重視する姿勢を示す。

■ 日本で培った強みを世界へ
同社が中長期の方向性として掲げるスローガン。国内で磨いた加工技術やブランド力を海外展開にも活かす意図を示す。