2024年11月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 2,105 100.0 214 100.0 10.2

事業内容

3【事業の内容】

 地球温暖化、少子高齢化、サイバー犯罪、パンデミック対応などによるビジネス環境の変化は、DX(※1)の推進を加速しています。DXは単なる業務効率化やシステム刷新ではなく、そのゴールはデジタル技術でビジネスモデルやワークスタイルを変革し、私たちを取り巻く環境がどう変化しても持続可能なビジネスと社会を実現することにあります。

 そのためには、あらゆる業務や情報資産をデジタル化してオンラインでつなぎ、その柔軟性や活用度を高める必要があります。しかし、システムのサイロ化(※2)や膨大な紙文書がその足かせとなるケースも多くあります。当社は「業務をつなげる力」で足かせからお客様を解放しDXの可能性を広げるため、ビジネス文書の電子化とデータ連携に取り組んできました。

 当社は「未だないピースを発明する」をコンセプトに、データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの提供を通して、幅広い分野で豊富なノウハウ=「つなげる力」を蓄積してきました。その力を活用して情報伝達の在り方を変えれば、分断されていた業務が「つながって」生産性が上がることはもちろん、お客様のビジネスが様々な可能性と「つながり」、新たな価値やビジネスを生み出していきます。そのような状況をお客様と共に創り上げていくことこそ、当社が考える真のカスタマーサクセスです。

 また、DXを推進するうえで、当社が重要と考えているものは「内製化」です。システムインテグレーター等に頼らず、自社で完結できてこそ、推進が加速されると考えております。当社はローコード、ノーコードで処理を実現できるサービスを提供し、さらにAI機能を取り入れ、自動で生成される仕組みを実現しております。

 

 当社はクラウドサービス事業の単一セグメントですが、その売上は現在の主力サービスである「クラウド売上」を中心に、「製品売上」、「製品保守売上」、「その他売上」より構成されております。データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの売上については、「クラウド売上」に含まれております。また、「製品売上」とは、クラウドサービス提供開始以前より販売しているオンプレミス製品の売上であり、「製品保守売上」とは、そのオンプレミス製品に関わる保守売上であります。当社の売上の大半は月次で計上されるクラウドサービスのライセンス利用料となるため、安定的に推移いたします。

 上記区分別の売上高の推移は以下のとおりです。

 

2023年11月期

2024年11月期

売上高

構成比

売上高

構成比

クラウド売上

1,526,430千円

94.3%

2,007,844千円

95.4%

製品売上

8,379千円

0.5%

18,979千円

0.9%

製品保守売上

65,123千円

4.0%

63,177千円

3.0%

その他売上

18,224千円

1.1%

14,684千円

0.7%

合計

1,618,158千円

100.0%

2,104,685千円

100.0%

 

 また、当社は、様々な他社SaaSと連携したクラウドサービスとして、データオプティマイズソリューション及びセールスマネジメントソリューションの2つのソリューションを提供しております。これらのクラウドサービスの大部分はSalesforce, Inc.が提供するクラウドサービスと連携するサービスとして提供、もしくは同社が提供するプラットフォーム上において構築されています。同社は、本書提出日現在において、世界中のあらゆる業界における15万社以上(同社公表)の企業に利用されているクラウドサービスを提供しています。同社の提供するサービスは顧客情報の管理・共有、営業活動の分析・可視化、営業プロセスの自動化などの機能(SFA※3、CRM※4)のみならず、様々な外部サービスとも連携することが可能であり、その点も同社サービスが顧客から選ばれる理由となっております。当社は、同社の提供するクラウド型CRMサービスと密に連携したサービスを提供していることを強みとしており、今後も顧客に選ばれる新たなサービスを生み出し、事業拡大を目指してまいります。

 

 

           

 

 ソリューション別の売上高の推移は以下のとおりです。

 

2023年11月期

2024年11月期

売上高

構成比

売上高

構成比

データオプティマイズソリューション売上

1,140,196千円

74.7%

1,543,280千円

76.9%

セールスマネジメントソリューション売上

386,233千円

25.3%

464,563千円

23.1%

合計

1,526,430千円

100.0%

2,007,844千円

100.0%

 

 以下ソリューション毎にサービス内容を記載いたします。

 

(1)データオプティマイズソリューション

 企業や組織が持つ取引情報や人事情報などの帳票データや、行政・公共機関、組織が持つ様々な情報を処理・整理することができるソリューションです。

 日本の企業や組織は、2024年12月16日に公益財団法人日本生産性本部が公表した「労働生産性の国際比較2024」によると、OECDデータに基づく2023年の日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中29位となっており、生産性の観点から世界に後れを取っていると言われていることから、業務の生産性を高めていく必要があります。また、人的資本の重要性が増している状況から、働き方の柔軟性も持たせていかなければならないという課題を持っております。

 当社のデータオプティマイズソリューションの活用により、商談情報や従業員情報など分散している情報をデータ層から取り出して、必要な情報を帳票として出力したり、データ比較表など最適なカタチに加工することができます。また、紙を利用することが主体となっていた業務におけるデジタル化を支援し、データ層への情報集約を効率化することができるため、業務の生産性を大きく上げることができるだけでなく、郵送や押印などオフィスにいなければできなかった業務をリモートワークで行うことも可能にするため、お客様の働き方を柔軟に変えていくこともできるようになります。

 データオプティマイズソリューションでは、商談情報や従業員情報などをデータ層から取り出して、必要な情報を帳票出力や比較表など最適なカタチに加工することができる出力(OUTPUT)サービスと、紙を主体とする業務におけるデジタル化を支援し、データ層への情報集約を効率化することができる入力(INPUT)サービスから構成されており、主に以下のサービスを提供しております。

 

 

<出力(OUTPUT)サービス>

① クラウド帳票DXサービス「帳票DX」

 帳票DXはSalesforce(※5)をはじめとした様々なシステム・サービスから「帳票」を出力するクラウド帳票DXサービスです。

 ビジネスのDX化が進む現在においても業務に欠かすことのできない「帳票」ですが、当社は2007年よりクラウド帳票事業をスタートし、企業の電子化・ペーパーレス化に貢献してきました。

 帳票DXにより出力された「帳票」を様々な外部サービスに連携することで、郵送や押印などのオフィスワークにおける帳票電子化の多くの課題を解決することで生産性を上げることができ、お客様のDX化そして内製化を実現できるだけでなく、長時間労働の課題や、働き方に柔軟性を持たせることができます。

 帳票DXは当社が15年以上に亘って培ってきたクラウド帳票の技術とノウハウを集結した次世代型のクラウド帳票サービスです。請求書や契約書等の取引関係書類から、ダイレクトメールのような大容量サイズのファイルまで対応できる、新しく設計し直された帳票生成エンジンとAI機能を搭載した帳票デザインツールをお客様に提供しております。

 その特徴としては、サービスの根幹を成す電子帳票の出力機能に加え、押印やメール配信などの周辺業務のプロセスを省力化・自動化する連携機能をすべてのプランで利用でき、電子帳票の雛形である帳票テンプレートを自社で設計するための洗練された帳票デザインツールを利用できます。ドローソフト(※6)のような操作感で帳票テンプレートを設計できるため、現場担当者の方でも直感的に扱え、内製化の実現が可能です。また、データセンターの多重運用により可用性に優れた環境が整っています。仮に一部のサーバーがダウンしても、帳票DXはサービスを停止することはありません。データは毎日バックアップされ、万が一問題が起きても監視体制を整備していますので早期に解決することが可能です。さらに、帳票DXでは企業のDXを促進するために、出力枚数の増加によるプラン変更や超過料金に縛られない新しい料金体系として、扱うデータの大きさやリクエスト数により選択していただける料金体系としております。

 

        

 

 

② クラウド帳票サービス「oproarts」

 oproarts(オプロアーツ)は、①「帳票DX」の前世代の帳票出力サービスです。15年以上に亘って安定して提供し続けており、いまも多くのお客様にご利用いただき、生産性の向上や、働き方の柔軟性を持たせることに貢献しております。

 帳票出力サービスとしては、新規のお客様には①帳票DXをご契約いただいており、既存のお客様には継続してサービス提供しております。また、当社のようなクラウドサービス提供会社様に当該サービスを自社ブランドのサービスとして提供することができるOEM提供を広げております。

 

<入力(INPUT)サービス>

③ 金融/行政機関向け電子申請サービス「カミレス」

 カミレスは、金融機関や行政機関が行う各種サービスの利用者からの申請や窓口対応業務、そして金融機関や行政機関の内部における職員の方々の行う紙主体の業務台帳を迅速にデジタル化することができるクラウドサービスです。各種サービスの利用者の「申請」から、各機関内部における「承認」「共有」などの社内手続きなどの業務ワークフローそのものをスムーズに電子化することができ、窓口業務を大幅に削減することができるDX化サービスです。

 各種サービス利用者にとって直感的で操作しやすいUI(※7)を提供し、画面上の書類を見ながら、紙に記入するように項目に入力していくだけでデータ登録することができ、紙に記入するイメージそのままにオンライン申請することが可能になるため、サービス利用者は窓口を訪れる必要がなくなります。さらに帳票DXをプラスして利用することで、金融機関や行政機関の職員の方々は、書面の交付業務などを効率化し、長時間労働を減らすことも可能になり、必ずしもオフィスや窓口に行く必要がなくなるため、働き方を柔軟に変えていくことができます。

 

          

 

④ 現場帳票DXサービス「帳票DXモバイルエントリー」

 帳票DXモバイルエントリーは、専用モバイルアプリからSalesforceなどのシステムに、インターネット接続がないオフライン環境下でもデータ入力することができるサービスです。これまで紙の帳票で行われていた店舗での契約又は申込み業務や、工場や個人宅の設備の点検・報告などをモバイルアプリで行うことができます。現場の「紙帳票」を見た目そのままに入力画面化することで業務の生産性を向上することができるだけでなく、働き方を変えることができます。

 施設や設備の点検・報告、工業製品の検査、配送の受け渡しサインなど、現場には紙ベースの運用がまだまだ残っていますが、デジタル化によるメリットは、帳票への記入漏れ・記入ミスの解消や業務システムへのデータ転記作業の負担軽減や生産性の向上だけではありません。紙で保存されていた情報がデジタル化されて管理されていくことで、情報の伝達スピードが上がり、情報を可視化し共有できるようになり、データに基づいた経営方針の決定やさらなる業務改善を可能にしていきます。

 専用の入力帳票画面のデザインツールにより、現場で使用するデバイスや作業項目に応じて最適な入力フォームを設計できます。入力フォームは帳票イメージそのままのレイアウトにすることも、スマートフォンの表示に適したシンプルなレイアウトにすることも可能です。また、タブレットやスマートフォン、PCによる通常のキー入力に加え、手書き入力や音声入力に対応しており、作業現場を写真撮影して報告することや、作業完了の顧客サインを残すことも可能です。また、インターネット接続がないオフライン環境でも入力作業ができ、端末に一時的に保存されたデータは、インターネットに接続後、Salesforce環境へアップロードされます。さらに、帳票DXもご利用いただけるため、現場で入力されたデータと顧客情報や機器情報等のデータを組み合わせて、現場作業報告書などの帳票をPDF出力することができます。従来、現場作業後にオフィスに戻って行っていたデータ転記や報告書作成などのアナログ作業や重複していた事務的な作業をなくすことができるため、働き方を大きく変えることができます。

 

          

 

 データオプティマイズソリューションでは、上記サービスを顧客へ提供することで、契約月額利用料を受領するストック型ビジネスとなっております。

 収益モデルについては、以下のとおりです。

区分

内容

ランニング利用料

月額固定料金で、基本的なサービス機能の対価であります。

帳票DXはご利用組織ごとの課金、その他サービスはID課金となっております。

データオプティマイズソリューション売上の大半を占めております。

初期費用

一部サービスにて発生する、サービス導入時に発生する作業の対価であります。

プロフェッショナルサービス

お客様へのサービス導入・定着化を目的とした、特別なサポート対応等の対価であります。お客様に代わり帳票を作成・修正する「帳票開発サービス」や、お客様の目標や課題を認識し、最適な提案を行う「コンサルティング」等が該当します。

その他

上記に当てはまらない、従量課金やその他スポット対応の対価であります。

 

 データオプティマイズソリューションにおけるユーザー(契約数)及び契約ARR(※8)の推移は以下のとおりです。

契約数(期末月)

前期比

契約ARR(期末月)

前期比

2022年11月期

1,009社

124.6%

713,609千円

126.6%

2023年11月期

1,194社

118.3%

1,108,077千円

155.3%

2024年11月期

1,380社

115.6%

1,397,728千円

126.1%

 

(2)セールスマネジメントソリューション

 経営や事業のゴールに対して、達成のために必要な営業・販売に関する様々な情報を一元管理し、業務プロセスを支える販売管理ソリューションです。

 DXによって従来のビジネスモデルを打破する動きが起こっており、サブスクリプション型ビジネスはその顕著な成功例と言え、ビジネスモデルが変われば、その業務プロセスの管理手法も変わります。

 当社は2007年からサブスクビジネスにいち早く参入し成長を続けており、そのノウハウをサービスの機能として実現し、売上按分化機能、プラン変更やユーザ数の増減などによる契約管理機能、サブスクビジネス特有のKPI管理・分析機能、従量課金やデポジットなど毎月の請求額が変動する販売サイクルに対応した機能など、B2Bサブスクビジネスの管理に強みを持った販売管理サービスの提供を開始しました。B2Bビジネスの管理に必要な問合せ対応、商談、見積から始まり、B2Cサブスクビジネスでも必要な受注、契約、請求など、一連の業務をスムーズに連携する機能を提供し、顧客との新しい「つながり」方を容易に実現するとともに、お客様のビジネスの長期的・安定的成功を支援します。さらに帳票機能としてデータオプティマイズソリューションの「帳票DX」の一部の機能をサービスに含めて提供しており、B2Bの販売管理に必要な見積書、注文書、納品書、請求書などの帳票業務もDX化することができ、働き方も柔軟に変えていくことができます。

 

     

 

 

 セールスマネジメントソリューションでは、主に以下のサービスを提供しております。

 

① サブスクリプション管理サービス「ソアスク」

 「ソアスク」は、LTV(※9)を最大化するためのサブスクリプション型ビジネスの管理に強みを持った販売管理サービスです。

 見積・契約・売上・請求などのバックオフィス業務をサポートする機能を中心に、案件の活動管理や契約・売上状況の可視化などサブスク管理に必要な要素を統合したプラットフォームを提供しております。

 ソアスクは世界15万社以上に利用されているSalesforce, Inc.のプラットフォーム上に当社が独自開発したアプリケーションをセットしてサービス提供しております。そのため、Salesforce各種サービスと同一プラットフォーム上での利用が可能となっており、特に、Sales Cloud(※10)を利用している場合には、リード、取引先、商談、キャンペーン等のデータと一連のUI操作の流れのままに、ソアスクの見積、受注、契約、請求、売上情報といった販売管理データを統合して、各部門の活動や情報連携の仕組みをSalesforceプラットフォーム上で一元管理することが可能です。

 

 

 

② 「モノ」のサブスクリプション管理サービス「モノスク」

 モノスクは有形商材を扱うサブスク事業に対応したサブスク管理サービスで、ソアスク同様に世界15万社以上に利用されているSalesforce, Inc.のプラットフォーム上で稼働しています。

 ソアスクが備え持っているサブスクリプションの販売業務を管理する基本機能に加え、「モノ」のサブスクビジネス特有の商品に関する設置情報やサポート・保守の記録情報などの機器管理機能などを備え、情報を一元管理できます。モノスクを導入いただくことで、契約中の商品状況を瞬時に把握し、かつ情報を正確に保つことが可能です。

 

 

 セールスマネジメントソリューションでは、上記のサービスを顧客へ提供することで、契約月額利用料を受領するストック型ビジネスとなっております。

 収益モデルについては、以下のとおりです。

区分

内容

ランニング利用料

ID課金による月額固定料金で、基本的なサービス機能の対価であります。

帳票機能としてご利用可能な帳票DXはご利用組織ごとの課金となります。

セールスマネジメントソリューション売上の大半を占めております。

初期費用

一部サービスにて発生する、サービス導入時に発生する作業の対価であります。

プロフェッショナルサービス

お客様へのサービス導入・定着化を目的とした、特別なサポート対応等の対価であります。お客様の目標や課題を認識し、最適な提案を行う「コンサルティング」等が該当します。

 

[事業系統図]

 

 

 (注) 当社では、サービスの提供形態によりクラウド売上と製品売上に区分しており、それぞれクラウドサービスによるサービス提供とオンプレミスによるサービス提供を行っております。

 

 なお、セールスマネジメントソリューションにおけるユーザー(契約数)及び契約ARRの推移は以下のとおりです。

契約数(期末月)

前期比

契約ARR(期末月)

前期比

2022年11月期

124社

121.6%

329,871千円

135.6%

2023年11月期

135社

108.9%

396,065千円

120.1%

2024年11月期

150社

111.1%

493,042千円

124.5%

 

※用語解説

 本項「事業の内容」において使用する用語の定義については、次のとおりです。

番号

用語

定義

※1

DX

デジタルテクノロジーを活用し、ビジネスプロセス・文化・顧客体験を新たに創造し、変わり続けるビジネスや市場の要求を満たすプロセスを指します。

※2

サイロ化

業務プロセスや業務アプリケーション、各種システムが孤立し、情報が連携されていない状況を指します。

※3

SFA

企業の営業部門における情報及び業務プロセスを自動化することで、営業活動が管理する情報全般をデータ化して、蓄積・分析することができるシステムです。

※4

CRM

顧客の氏名や年齢、属性といった基本的な情報をはじめ、購買履歴や志向など、顧客に関わる情報を一元管理し、その蓄積した情報をもとに、マーケティングやサポート、マネジメントを行うことが可能となるシステムです。

※5

Salesforce

Salesforce, Inc.が提供しているクラウドサービスプラットフォームです。Salesforce、Sales Cloud、及びその他はSalesforce, Inc.の商標であり、許可のもとで使用しています。

※6

ドローソフト

コンピュータ上で絵やイラストを描くためのソフトウエアを指します。

※7

UI

UIとはユーザー・インターフェース(User Interface)の略称です。ユーザー(利用者)と、製品・サービスをつなぐ接点(インターフェース)のことです。

※8

契約ARR

年間経常収益(Annual Recurring Revenue)のことであり、クラウドサービスのなかでも毎年得ることのできる収益を指します。初期費用といった一時的な売上は含みません。

※9

LTV

「顧客生涯価値(Life Time Value)」の略称であり、ある顧客が自社の利用を開始してから終了するまでの期間に、自社がその顧客からどれだけの利益を得ることができるのかを表す指標です。

※10

Sales Cloud

Salesforce, Inc.が提供する、顧客管理・営業支援サービスです。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における流動資産は1,993,565千円となり、前事業年度末に比べ1,162,651千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資等及び契約負債の増加により現金及び預金が1,140,253千円増加したことによるものであります。固定資産は300,962千円となり、前事業年度末に比べ35,311千円増加いたしました。これは主に、クラウドサービスの機能開発により無形固定資産が46,672千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、2,294,527千円となり、前事業年度末に比べ1,197,962千円増加いたしました。

 

(負債)

 当事業年度末における流動負債は1,215,101千円となり、前事業年度末に比べ275,789千円増加いたしました。これは主に、契約負債が217,574千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、1,215,101千円となり、前事業年度末に比べ275,789千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は1,079,425千円となり、前事業年度末に比べ922,173千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ385,650千円増加したこと、当期純利益を150,872千円計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は47.0%(前事業年度末は14.3%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国の経済は、雇用環境の改善やインバウンド需要の増加など、経済活動の正常化を背景に緩やかな回復が続いております。一方、米国の政権交代に伴う経済政策や国際関係の変化が、景気や金利の変動、為替相場に不安定な影響を及ぼしております。また、エネルギー価格の高騰や給与の上昇の影響による物価の上昇に加え、中国経済の減速、韓国の政治的不安定さ、中東やウクライナ情勢の混迷、欧州各国の経済課題など、世界的な不確実性が増しており、先行きは依然として不透明な状況であります。

 当社の事業展開する企業向けクラウドサービス市場においては、フルリモートワークやハイブリッドワーク等の多様な働き方への対応によるペーパーレス化の進展、生成AIを活用したソリューションやデータ分析基盤の進化、デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性の高まりなどにより、時間や場所にとらわれず利用が可能で、自社でシステム運用する必要がないクラウドサービスへの投資が引き続き活発化しております。

 当社は「make IT simple」というミッションのもと、企業活動のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するため、お客様の生産性を上げ、お客様を成功に導くための「データオプティマイズソリューション」及び「セールスマネジメントソリューション」のクラウドサービスを展開してまいりました。

 これらの結果、当事業年度における売上高は2,104,685千円(前年同期比30.1%増)、営業利益は214,215千円(同92.7%増)、経常利益は210,739千円(同91.7%増)、当期純利益は150,872千円(同57.4%増)となりました。また、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、無形固定資産の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ385,650千円増加したこと、契約負債が217,574千円増加したこと、税引前当期純利益を210,741千円計上したこと等により前事業年度末に比べ1,140,253千円増加し、当事業年度末には1,766,770千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は438,878千円(同57.5%増)となりました。これは主に、契約負債の増加額217,574千円、税引前当期純利益210,741千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は69,930千円(同15.7%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出65,927千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は771,300千円(前年同期は55,424千円の支出)となりました。これは、株式の発行による収入771,300千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績は次のとおりであります。

事業の名称

当事業年度

(自 2023年12月1日

至 2024年11月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

クラウドサービス事業(千円)

2,104,685

130.1

 (注)1.当社はクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自  2022年12月1日

至  2023年11月30日)

当事業年度

(自  2023年12月1日

至  2024年11月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社

59,892

3.7

215,211

10.2

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

 この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは次のとおりであります。

(繰延税金資産)

 当社は、繰延税金資産について、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異のうち将来の税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で認識しております。課税所得が生じる可能性の判断においては、将来の中期経営計画を基礎として、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。当該事業計画の主要な仮定は、ARR成長率、解約率等の予測に基づく売上高の見込みであります。この仮定は、収益力増加のための人員増加、広告宣伝及び販売促進施策の期待効果、過去の実績、顧客の市場動向等を反映しております。繰延税金資産の金額は、今後の事業年度における課税所得が見積りと異なった場合に、将来減算一時差異の回収可能性の判断が変化することで増減する可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

 前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

 売上高は、前事業年度に比べ486,527千円増加して2,104,685千円(前年同期比30.1%増)となりました。

 これは主に、既存顧客へのサービスが大幅に増加するとともに、営業を強化したことで新規顧客が増加したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 売上原価は、1,066,199千円(同30.4%増)となりました。

 これは主に、事業規模の拡大に伴い、クラウドサービスの新規・追加機能開発に係る費用やデータセンターの利用料及びSalesforceプラットフォーム利用料が発生したことによるものであります。

 以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べ237,713千円増加して1,038,486千円(同29.7%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 販売費及び一般管理費は、主に事業拡大に伴う社員数の増加及び給与水準の向上による人件費の増加、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度「ISMAP」への登録活動等により、824,270千円(同19.5%増)となりました。

 以上の結果、営業利益は前事業年度に比べ103,024千円増加して214,215千円(同92.7%増)となりました。

 

(営業外損益、経常利益)

 営業外収益は、78千円となりました。これは主に、受取利息によるものであります。また、営業外費用は、3,554千円となりました。これは主に、新株発行に係る費用によるものであります。

 以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ100,785千円増加して210,739千円(同91.7%増)となりました。

 

(特別損益、当期純利益)

 特別利益は、1千円で、固定資産売却益によるものです。特別損失はありませんでした。

 また、法人税等調整額を含む法人税等は59,868千円となりました。

 以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べ55,038千円増加して150,872千円(同57.4%増)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

 前述の「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の資金の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。現時点で予定されている重要な資本的支出はありません。事業上必要な資金は手許資金、金融機関からの借入及び新株発行等により資金調達していく方針でありますが、資金使途及び需要額に応じて柔軟に検討を行う予定であります。

 

④ 経営成績に重要な要因を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して経営者の問題意識と今後の方針

 経営者の問題意識と今後の方針に関して経営者の問題意識と今後の方針については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は将来の事業成長とともに収益基盤の安定化を図るため、期末ARR、ARR成長率、解約率、ストック売上、ストック売上比率を重要な経営指標としており、当事業年度においては、新規・増額ARRの継続的な獲得及び解約率を減少させることに成功し、期末ARRが前事業年度に比べ386,628千円増加した結果、売上高も堅調に推移いたしました。

 

前事業年度

(自  2022年12月1日

至  2023年11月30日)

当事業年度

(自  2023年12月1日

至  2024年11月30日)

期末ARR(千円)

1,504,142

1,890,771

ARR成長率

44.1%

25.7%

解約率

0.53%

0.47%

ストック売上(千円)

1,302,353

1,797,242

ストック売上比率

80.5%

85.4%