人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数11,559名(単体) 64,733名(連結)
-
平均年齢41.4歳(単体)
-
平均勤続年数18.3年(単体)
-
平均年収6,029,212円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1)連結会社の状況
|
2025年3月31日現在 |
|
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
|
セキュリティ事業 |
25,880 |
[4,424] |
FM事業等 |
2,301 |
[964] |
介護事業 |
3,270 |
[2,620] |
海外事業 |
29,448 |
[-] |
報告セグメント計 |
60,899 |
[8,008] |
全社(共通) |
3,834 |
[225] |
合計 |
64,733 |
[8,233] |
(注)従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は、当連結会計年度の平均人数を[ ]外数で記載しております。
(2)提出会社の状況
|
|
|
2025年3月31日現在 |
従業員数(人) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
11,559 |
41.4 |
18.3 |
6,029,212 |
セグメントの名称 |
従業員数(人) |
セキュリティ事業 |
9,368 |
FM事業等 |
106 |
介護事業 |
6 |
海外事業 |
16 |
報告セグメント計 |
9,496 |
全社(共通) |
2,063 |
合計 |
11,559 |
(注)1.従業員数は、就業人員であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3)労働組合の状況
連結子会社のうち6社で労働組合が結成されております。
労働組合との間に特記すべき事項はありません。
(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
ア 提出会社
当事業年度 |
補足説明 |
||||
管理職に占める女性労働者の割合(%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率(%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
|||
4.8 |
27.5 |
75.1 |
83.1 |
73.6 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
イ 連結子会社(42社)
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||||
ALSOK北海道㈱ |
1.4 |
18.2 |
73.2 |
75.2 |
77.4 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 |
ALSOK宮城㈱ |
- |
40.0 |
82.7 |
85.6 |
45.3 |
同上 (注)5 |
ALSOK秋田㈱ |
- |
100.0 |
- |
- |
- |
(注)5 |
ALSOK岩手㈱ |
- |
0.0 |
83.1 |
84.2 |
76.3 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 (注)5 |
ALSOK福島㈱ |
4.8 |
41.7 |
72.5 |
71.5 |
68.2 |
同上 |
ALSOK茨城㈱ |
0.0 |
- |
- |
- |
- |
(注)5 |
ALSOK群馬㈱ |
18.8 |
40.0 |
73.7 |
72.6 |
62.7 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 |
ALSOK千葉㈱ |
0.0 |
0.0 |
84.2 |
80.8 |
101.2 |
同上 |
ALSOKファシリティーズ㈱ |
- |
75.0 |
74.6 |
83.6 |
68.4 |
同上 (注)5 |
ALSOK東京㈱ |
3.1 |
0.0 |
66.5 |
65.3 |
84.1 |
同上 |
ALSOK常駐警備㈱ |
0.0 |
23.1 |
68.3 |
66.7 |
63.8 |
同上 |
ALSOK昇日セキュリティサービス㈱ |
6.5 |
0.0 |
80.3 |
79.1 |
68.2 |
同上 |
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||||
ALSOK-TW東日本㈱ |
- |
- |
83.4 |
63.1 |
102.3 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 (注)5、6 |
ALSOK神奈川㈱ |
- |
0.0 |
68.0 |
72.7 |
48.3 |
同上 (注)5 |
ALSOK双栄㈱ |
- |
50.0 |
79.6 |
70.1 |
81.8 |
同上 (注)5 |
日本ガード㈱ |
- |
0.0 |
70.8 |
67.0 |
58.3 |
同上 (注)5 |
ALSOK静岡㈱ |
21.4 |
50.0 |
89.0 |
84.9 |
87.4 |
同上 |
ALSOK愛知㈱ |
7.0 |
0.0 |
80.0 |
78.0 |
75.6 |
同上 |
ALSOK大阪㈱ |
0.0 |
75.0 |
81.3 |
75.5 |
85.5 |
同上 |
㈱カンソー |
14.8 |
100.0 |
54.0 |
92.6 |
60.4 |
同上 |
ALSOK山陰㈱ |
6.9 |
- |
- |
- |
- |
(注)5 |
ALSOK山口㈱ |
- |
- |
83.9 |
77.8 |
86.9 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 (注)5 |
ALSOK香川㈱ |
20.0 |
- |
- |
- |
- |
(注)5 |
ALSOK高知㈱ |
18.2 |
- |
- |
- |
- |
(注)5 |
ALSOK九州㈱ |
8.9 |
33.3 |
76.9 |
75.5 |
79.8 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 |
ALSOK長崎㈱ |
- |
- |
54.5 |
70.9 |
59.5 |
同上 (注)5 |
ALSOK熊本㈱ |
33.3 |
- |
- |
- |
- |
(注)5、6 |
沖縄綜合警備保障㈱ |
- |
83.3 |
78.2 |
75.8 |
56.4 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 (注)5 |
ALSOK岩手管財㈱ |
66.7 |
- |
- |
- |
- |
(注)5 |
ALSOK山形管財㈱ |
100.0 |
- |
- |
- |
- |
(注)5 |
日本ファシリオ㈱ |
5.2 |
- |
71.4 |
74.0 |
85.4 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 (注)5 |
ALSOKあんしんケアサポート㈱ |
52.2 |
- |
87.9 |
102.7 |
136.4 |
(注)6 |
当事業年度 |
補足説明 |
|||||
名称 |
管理職に占める女性労働者の割合 (%) (注)1 |
男性労働者の育児休業取得率 (%) (注)2 |
労働者の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全労働者 |
正規雇用労働者 |
パート・有期労働者 |
||||
ALSOK介護㈱ |
52.4 |
100.0 |
92.4 |
93.6 |
106.8 |
|
ALSOKジョイライフ㈱ |
16.0 |
- |
66.3 |
84.9 |
67.4 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 (注)5 |
㈱らいふ |
- |
100.0 |
97.6 |
97.0 |
105.7 |
(注)5 |
北関東綜合警備保障㈱ |
- |
44.4 |
77.3 |
76.2 |
80.9 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 (注)5 |
富山県綜合警備保障㈱ |
6.7 |
33.3 |
98.5 |
87.4 |
91.0 |
|
北陸綜合警備保障㈱ |
- |
100.0 |
96.1 |
81.2 |
95.2 |
女性の所定外勤務が少ないことが主な要因 (注)5 |
中京綜合警備保障㈱ |
0.0 |
66.7 |
80.8 |
76.4 |
93.6 |
同上 |
広島綜合警備保障㈱ |
- |
40.0 |
61.4 |
72.6 |
52.4 |
同上 (注)5 |
愛媛綜合警備保障㈱ |
- |
25.0 |
80.1 |
84.3 |
67.4 |
同上 (注)5 |
広島綜警サービス㈱ |
7.4 |
100.0 |
92.8 |
74.7 |
122.7 |
同上 |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.男女の賃金の差異を算出するにあたっての人員数は、所定労働時間を基に換算し算出したものであります。なお、育児や介護等を理由とした短時間勤務者については、集計対象外としております。
4.上表に記載のない連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づく、公表義務の対象外となっているため、記載を省略しております。
5.後述する項番6を除く棒線(-)については、前頁が示すいずれかの法律に基づき公表義務の対象外となっているため、記載を省略していることを示したものであります。
6.ALSOK-TW東日本㈱、ALSOK熊本㈱及びALSOKあんしんケアサポート㈱における「男性労働者の育児休業取得率」の棒線(-)については、事業年度内に対象者がいないことを示したものであります。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関する考え方
当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応は基本的な経営課題であるとの認識のもと、お客様と社会の多様な安全・安心ニーズに応えるべく、サステナビリティ基本方針を制定し、持続的な成長を目指し、取組みを進めてまいります。
また、当社は、社会安全の確保を社業とする性質上、リスク管理を特に重要視しております。2002年に制定し、その後も最新のリスクの状況に応じて更新しているリスク管理規則に基づき、リスク管理委員会を組織し、代表取締役グループCOOをその委員長としております。また、本社及び各事業所単位でリスク管理検討組織を設置しており、リスクの洗出し、評価、予防策、対策案の策定といったリスクマネジメントについて全社網羅的に取り組んでおります。さらに、リスク管理委員会に分野別のリスク検討部会をおき、該当分野ごとにリスク情報の収集、分析及び評価を行い、リスク軽減のための施策を検討しております。重大事案発生時の緊急連絡体制、対策本部の設置等につきましても、迅速な対応が図れるよう組織体制を整備しております。
(2)重要なサステナビリティ項目
当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。
ア 環境
当社はTCFDに賛同するとともに、4つの開示項目である「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」について当社ホームページにて情報を開示しております。また、国連グローバル・コンパクトに加入する等イニシアティブへの賛同にも取り組んでまいります。
(関連URL)https://www.alsok.co.jp/company/society/tcfd/
(ア)ガバナンス
「環境委員会(委員長:総務・広報担当役員)」及び「環境マネジメント部会」を組織し、環境推進活動等の環境対応の計画立案、実施及びレビューを行い、取組状況は取締役会に適宜報告するなど、環境マネジメントシステムのPDCAサイクルを回し、全社的な環境対応を推進しています。また全社的なリスクを管理する「リスク管理委員会」とも連携し対応する体制を構築しています。
(イ)戦略
気候関連のリスク、対応策並びに機会の把握を目的として、シナリオ分析を実施しました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)等公表のシナリオを参照し、2℃シナリオ及び4℃シナリオの2つを想定しています。
2℃シナリオ(世の中が目指す姿) |
現在より気候変動対策が強化され、気温上昇が緩やか(産業革命時期比+0.9℃~+2.4℃)になった未来 |
4℃シナリオ |
現状のまま気温上昇が進み(産業革命時期比+3.2℃~+5.4℃)、気候変動が激しくなる未来 |
a 気候関連リスクとその対応策
2℃シナリオ及び4℃シナリオをもとに、それぞれで想定されるリスクと対応策を、次の①、②のとおり整理しました。なお、リスクの影響度は、財務上の影響をIEA等の公表数値をもとに試算し、当社のリスク管理委員会の基準に準拠する形で「大・中・小」に分類しています。
① 気候変動に関する規制強化等に伴うリスク及び対応策
|
2℃シナリオ |
影響度 |
4℃シナリオ |
影響度 |
リスクの事例 |
炭素税等の増額 |
大 |
車両、空調・照明設備の交換 |
大 |
規制強化による車両、空調・照明設備の交換の義務付け |
大 |
ガソリン・軽油料の高騰 |
大 |
|
電気使用料の高騰 |
中 |
水コストの増加 |
中 |
|
環境対応遅延によるブランド毀損に伴う株価下落 |
大 |
環境対応遅延によるブランド毀損に伴う株価下落 |
大 |
|
対応策 |
業務形態に合った環境配慮車両の導入推進 施設のLED化、空調設備リニューアル |
② 気候変動による自然災害等で生じるリスク及び対応策
|
2℃シナリオ |
影響度 |
4℃シナリオ |
影響度 |
リスクの事例 |
熱中症、感染症、異常気象による社員(特に警備員)の受傷事故増加 |
中 |
熱中症、感染症、異常気象による社員(特に警備員)の受傷事故増加 |
大 |
風水害による機器故障頻度の増加に伴う運用効率悪化 |
中 |
風水害による機器故障頻度の増加に伴う運用効率悪化 |
中 |
|
干ばつに伴う紙価格の高騰 |
小 |
干ばつに伴う紙価格の高騰 |
小 |
|
対応策 |
空調服導入や制服素材の変更 感染症対策商品(マスク、消毒液等)備蓄強化 機器の性能改善、BCP対策の強化 会議資料等のデジタル化推進 |
b 気候関連のビジネス機会
気候変動に関する規制強化や自然災害等への対策に向けたビジネス機会を、現状の業務を前提として次の①、②のとおり整理しました。
① 気候変動に関する規制が強化されることで生じるビジネス機会
規制強化に伴う変化 |
想定されるビジネス機会 |
資源価格高騰に伴う金属材料等の盗難可能性増加 |
機械警備等の防犯ニーズ増加 |
廃プラスチック等の廃棄コスト増加に伴う不法投棄の増加 |
不法投棄監視サービスのニーズ増加 |
炭素税等の節税に向けた設備交換機会増加 |
EV充電設備や照明・空調リニューアル工事のニーズ増加 |
② 気候変動による自然災害等への対策に向けたビジネス機会
気候変動による影響 |
想定されるビジネス機会 |
平均気温の上昇 |
熱中症対策ニーズ、鳥獣対策ニーズ等の増加 |
感染症の増加 |
感染症対策商品等のニーズ増加 |
異常気象の多発、激甚化 |
災害対策商品・サービス等(BCPソリューション、災害備蓄品、河川監視等)のニーズ増加 |
(ウ)リスク管理
気候関連リスクについては、「環境マネジメント部会」において、事務局の総務部サステナビリティ推進室を中心に社内関連部署が横断的に気候関連リスクの洗出し・評価、対応策の検討・進捗管理を行っており、その内容は、「環境委員会」に報告され、審議が行われています。
会社経営に損失・不利益を与える可能性があるリスクについては、「リスク管理規則」に基づき組織した「リスク管理委員会」において、評価・対策の有効性の確認をしております。気候関連リスクのうち、インパクトの大きいものについては「リスク管理委員会」に連携し、共同で管理する体制を敷いております。
(エ)指標及び目標
a リスク管理評価のための指標(スコープ1、2)
温室効果ガス(GHG)排出量(スコープ1、2)、及び売上高原単位の2つを指標として定めています。当社は、2014年3月期からグループ全体のGHG排出量(スコープ1、2)の算定を行っており、2024年3月期実績については、排出総量が84,974t-CO2(前期比2.16%削減)となり、売上高原単位では0.162t-CO2(前期比7.95%削減)となりました。
スコープ1の削減に向け、ガソリン車から電動車への買い替えを積極的に推進するとともに、スコープ2削減に向け、自社グループで保有している施設のLED化・空調のリニューアル及び太陽光発電設備の設置を推進してまいります。またスコープ3について、2024年3月期におけるグループ全体の排出量は262,374 t-CO2でした。
b リスクと機会を管理するための目標(GHG削減目標等)と実績
これまでの中長期目標に対し、政府目標との整合性を図るべく見直しを行い、2023年に「2030年度までにALSOKグループ全体でCO2排出総量を2013年度比46%削減」そして「2050年度までにALSOKグループ全体のスコープ1+2でカーボンニュートラル達成」を目標として設定しています。GHG排出量(スコープ1、2)の削減施策の進捗状況は、気候変動対応の担当部署である総務部サステナビリティ推進室が管理し、長期的な排出量削減目標の達成を目指しています。
イ ガバナンス ・腐敗防止
詳細は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりです。
(ア)ガバナンス
当社は監査役会設置会社であり、後述する体制の下で、監査役による実効的かつ充実した監査が行われており、経営陣に対するガバナンスが有効に機能しているものと認識しております。
本報告書提出日現在の取締役は12名(うち社外取締役5名 )、監査役は4名(うち社外監査役3名 )で構成されております。取締役会は原則として月1回開催し、経営の基本方針及び業務執行に関する重要事項を決定するとともに、取締役及び執行役員の職務の執行の監督を行っております。さらに、代表取締役グループCEOを議長とする経営会議を原則として月2回開催し、取締役会に付議すべき案件を決定するとともに、取締役会の決定に基づく業務執行方針の協議を行っております。監査役会は原則として月1回開催し、監査に関する重要な事項について報告を受け協議を行い、又は決議を行っております。また、監査役1名は経営会議に出席し、経営執行状況の適切な監視を行っております。
こうした現在の体制により経営の公正性及び透明性が適正に確保されているものと判断し、本体制を採用しております。
また、当社は、会社法、金融商品取引法等に基づき、取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制、その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するための体制を、取締役会の定める「内部統制システムに関する基本方針」により整備しております。
さらに、当社は高い企業倫理を確立するための基本的な考え方等を体系的に纏めた「綜警憲章」、「ALSOKの企業倫理」、「ハラスメント・会社内不正行為の防止の手引」の3冊子をすべての役員・社員に配付し、朝礼や研修、会議やミーティング等、様々な機会において教材として活用することとしております。また、お取引先等との公正で健全な関係を保つため、接待や贈答品の収受については、社内で定めたルールに基づき節度ある対応をしております。
その他、経営会議で協議のうえ代表取締役グループCOO承認により各種委員会(リスク管理委員会や事業投資等検討委員会等)を設置しており、重要又は特別な諮問事項について調査、研究、審議、企画、立案等を行っております。
(イ)リスク管理
当社では、全取締役及び全監査役を対象として、取締役会の実効性に関するアンケートを行い、分析・評価を実施し、評価の過程で提示された意見も踏まえ、取締役会の実効性向上に努めております。
また、当社は、社会安全の確保を社業とする性質上、リスク管理を特に重要視しております。2002年に制定し、その後も最新のリスクの状況に応じて更新しているリスク管理規則に基づき、リスク管理委員会を組織し、代表取締役グループCOOをその委員長としております。また、本社及び各事業所単位でリスク管理検討組織を設置しており、リスクの洗出し、評価、予防策、対策案の策定といったリスクマネジメントについて全社網羅的に取り組んでおります。さらに、リスク管理委員会に分野別のリスク検討部会をおき、該当分野ごとにリスク情報の収集、分析及び評価を行い、リスク軽減のための施策を検討しております。重大事案発生時の緊急連絡体制、対策本部の設置等につきましても、迅速な対応が図れるよう組織体制を整備しております。
コンプライアンスに関しては、コンプライアンス担当役員を委員長とするコンプライアンス委員会を組織し、法令順守に努めております。コンプライアンス委員会は、2002年に制定したコンプライアンス規程(現コンプライアンス規則)に基づき、役員及び従業員に対するコンプライアンス意識の周知徹底に努め、定期的に業務活動状況等のチェックを行っております。
ウ 人的資本
(ア)人材育成方針
当社グループは、企業における成長の源泉は人財であるという基本的な考え方に基づき、様々な教育や研修及び日々の業務を通じて、働き手の成長を支援してまいりました。
業務を遂行するうえでの必要な知識・技能の習得に加え、多様化するリスクやニーズといった日々変化する事業環境に対応するため、職務や役職等に応じて備え持つべき知識・技能と連関した実践的な研修プログラムを導入し、教育内容の充実を図るとともに、グループ内外の人事交流を通じて、多角的な視野と適応能力を有する人財の育成を推進しています。
今後も、個々の働き手が持つ能力を最大限に引き出しながら、「自ら関心を持ち」「個の意志を持って」「主体的に学ぶ」人財の育成に取り組むことで、「お客様に感動を与える」「より一層社会に必要とされるグループを目指す」という強い意志を全社員が持つ企業風土を醸成し、会社と個人の持続的な成長を両立させてまいります。
<具体的取組>
a 警備の「プロ」を育成する仕組み
ALSOKが提供する警備サービスの中心は、「人」です。
当社の未来を担う新入社員に対しては、警備員として必要な資格の取得と、業務に必要な共通知識や技能の習得を目的に、まず「初任研修」という場を設けています。その後、配属部署でのOJTや本社部門主導による集合研修など、充実した教育プログラムによって学んだ知識や技能のブラッシュアップを図ります。さらに、実務に即した内容を競技化した「ALSOKグループ品質向上競技会」を毎年開催し、社員同士の技能研鑽を促すことで、お客様へ提供するサービス品質の向上に取り組んでおります。
b リスクマネジメント及びデジタル分野の教育強化
我々の生活に内在するリスクが複雑化・多様化する中、リスク対応の「プロ」として「防犯・防災」領域を超えた広範な価値提供を担う人財を育成するため、リスクマネジメント教育を強化しています。
また、様々な場面でデジタル・トランスフォーメーション(DX)が進む中、当社においてもヒトと技術(デジタル)が融合することで、省人化を図りながらも新たな価値を創造できると考えております。社員のデジタルリテラシーを向上させDXによるサービス強化を図るため、現場の社員を含めた全ての社員に対してeラーニングシステムを活用しながらデジタル教育を実施するとともに、より高度なデジタルスキルを有する人財の育成を目的として、専門資格の取得を支援する制度を導入しています。
c 社員の自律的なキャリア形成支援
当社の事業領域と親和性の高い資格の取得推進、中央省庁や他企業、グループ会社間での人事交流の促進、在外公館における警備対策分野の要員公募への対応や経営人財育成のための専門職大学院への社員派遣等の取り組みを通じて、社員の自律的なキャリア形成を支援しております。特に資格取得については、体得できる知識・技能と職務との関連性や会社が期待する人財像を明示することで、社員の主体的な挑戦を促しています。
<指標と実績>(注1)
|
指標 |
実績 |
|
教育 |
①専門研修受講者数(注2) |
5,634名 |
前期比+2,145名 |
②eラーニング受講者数 |
191,470名 |
前期比+60,302名 |
|
③デジタル教育 |
41,648名 |
前期比+8,407名 |
|
④リスクマネジメント教育 |
30,205名 |
前期比+8,158名 |
|
資格 |
⑤ITストラテジスト試験 |
14名 |
前期比+6名 |
⑥応用情報技術者試験 |
153名 |
前期比+8名 |
|
⑦情報処理安全確保支援士 |
43名 |
前期比+1名 |
|
⑧電気通信工事施工管理技士1級 |
69名 |
前期比+11名 |
|
⑨指導教育責任者第1号(施設) |
3,544名 |
前期比+111名 |
|
⑩指導教育責任者第4号(身辺) |
2,032名 |
前期比+76名 |
|
⑪認定電気工事従事者 |
558名 |
前期比+28名 |
(注)1.人数については延べ人数を集計
2.業務遂行上必要なスキルに加え、職務や役職等に応じて備え持つべき知識・技能習得に向けた
研修
(イ)社内環境整備方針
当社グループは、性別、国籍、宗教、信条、障がい、価値観、ライフスタイルなど、多様なバックグラウンドを持つ社員一人ひとりを尊重し受容しながら、事業運営に必要な担い手を幅広く確保するとともに、組織の中核を担う管理職層に多様性を持たせることを通じた活力ある職場づくりを目指しています。
また、女性の採用強化や職域拡大をはじめとした多様な人財の確保と活躍推進、長期休暇を取得しやすい制度や法定を上回る水準で各種支援制度を充実させるなどのワークライフバランス向上、会社の未来を担う若手人財への支援、健康経営といった観点から、包括的な制度整備と施策の推進に取り組んでいます。
引き続き、政府が掲げる目標も視野に入れつつ、当社グループのすべての社員が公私共に充実し、活躍できる社内環境を整備してまいります。
<具体的取組>
a 女性活躍推進
当社は、仕事と家庭を両立し安心して活躍できるよう、妊娠中や産前産後の制度に加え、法定水準を上回る育児・介護休職や短時間勤務制度など、さまざまな社内制度を整備しております。
警備サービス、特に運用の現場は従来男性中心というイメージがありましたが、現在は多くの女性が活躍しております。こうした無意識の思い込みから脱却し、すべての社員が安心してキャリアアップと多様な働き方を実現できるよう、引き続き当社グループ一丸となって取り組んでまいります。
<指標及び目標>
指標 |
目標 |
実績 |
① 女性社員の管理職比率 |
2030年度までに 30.0%以上 |
11.5% |
② 男性社員の育児休業取得率 |
2025年度までに 50.0%以上 |
34.9% |
b 多様な人財の活用
当社グループは、これまでも性別や国籍、年齢等に拘ることなく多様な人財の採用等を積極的かつ継続的に行っており、それぞれの特性や能力を発揮できる職場環境の整備に取り組んでおります。障がい者雇用に関しては、特例子会社「ALSOKビジネスサポート㈱」を設立し、障がい特性に配慮した業務設計と職場環境の整備を行っております。
<指標及び目標>
指標 |
目標(2020年度比)(注1) |
実績 |
① 管理職に占める外国人比率 |
5.0%増加 |
215.7%増加(注2) |
② 管理職に占める中途採用比率 |
50.0%程度に維持 |
48.2% |
(注)1.2026年3月末までに到達すべき目標として設定しています。
2.2024年3月期に連結子会社としたインドネシアのPT. Shield-On Service Tbkの影響で増加しております。
c 若手人財への支援
当社では、かねてより働きやすい職場づくりに向けた制度の充実や処遇改善に継続的に取り組んでおりますが、こうした取り組みの一環として、ALSOKの未来を担う人財である若手社員を支援することを目的に、2024年10月より「奨学金代理返還制度」を導入しました。
警備業界においては、少子高齢化による働き手不足の解消が喫緊の課題であることから、今後も、本制度のほか、処遇改善や継続的なベースアップ等の取り組みを通じて、人財の確保と定着を推進しつつ、社員にとって働きがいのある職場づくりを推進してまいります。
<制度概要>
項目 |
内容 |
返還額 |
年額最大21.6万円(月額最大1.8万円) |
返還年数 |
最長5年 |
最大返還額 |
108万円 |
対象者 |
入社5年以内の社員 ※その他会社が定める要件を満たす社員 |
d 社外認定
当社の取り組みは外部機関からも評価されております。2010年及び2015年には厚生労働省の「子育てサポート企業」に認定され「くるみんマーク」を取得しました。また、2017年2月には女性活躍推進法に基づく厚生労働省認定マーク「えるぼし」を取得し、現在は3段階の認定ランクのうち、2段階目に認定されております。
e 健康経営の推進
当社は、綜合警備保障健康保険組合と連携したコラボヘルス施策として、「肥満対策」、「喫煙対策」、「医療機関未受診者対策」等、社員の健康維持・推進に向けた様々な取り組みを実施しております。これらの取り組みが評価され、当社は、経済産業省と日本健康会議が共同で主催する「健康経営優良法人」において、警備業界で唯一、9年連続の認定を受けております。
さらに、2025年には、定期健康診断等で精密検査が必要と判断された社員が、自己負担なしで検査を受けられる制度を新たに導入いたしました。引き続き、社員が安心して働ける環境づくりに努めてまいります。
<指標及び目標>
指標 |
目標(2026年度まで) |
実績 |
①肥満該当率削減(注1) |
54.3%以下 |
57.8% |
②喫煙率の削減(注1) |
35.3%以下 |
39.1% |
③医療機関未受診者削減(注2) |
5.0%以下 |
13.7% |
(注)1.算出対象は、40歳以上の男性のみとしております。
2.算出対象は、40歳以上の男女としております。
エ 情報セキュリティ
(ア)ガバナンス
当社グループは、取締役会の定める「情報セキュリティ基本方針」を全社的な情報セキュリティ確保の礎として、この基本方針を、役員を含む全社員、保有する全ての情報資産に適用しております。
また、取締役会の定める「情報資産管理規則」に基づき、全社的な情報資産管理体制の構築及び推進、重大な情報資産事故に関する訓練等を実施しております。
(イ)戦略
国際情勢の変化に伴うサイバー攻撃の増加、DX推進による情報資産の取扱量の増加により、当社グループは情報資産の保護のため、常に情報セキュリティレベルを高水準に保つ必要があると認識しております。そのため、内部では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証やプライバシーマーク認証の維持など、継続的改善を図っています。また、新世代の情報技術と先端工学を駆使し、リアルスペースとサイバースペース双方のセキュリティ・ソリューションの研究開発に取り組んでおり、2023年3月には、お客様のIT機器関連の障害が発生した場合の原因究明や応急処置を行う「ALSOK ITレスキュー」のサービス提供を開始しました。
(ウ)リスク管理
2014年度から、重大な情報資産事故が発生した場合には、ALSOK-CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置することとしており、事故対応から再発防止策の検討・実行まで適切に対応する体制を整えております。
データセキュリティに関しては、商品・サービスの提供に関わるシステムや基幹システム等の運用において、通信障害やシステムトラブル等が発生した場合、サービスの提供等に影響を及ぼす可能性があるため、当社グループは、各拠点においてネットワーク機器を多重化するほか、遠隔地に各種バックアップサーバーを確保するなど、バックアップ体制を整えたうえで、システム障害を想定した訓練等を実施するなどして、安定的な運用に努めております。
(エ)指標及び目標
「重大なインシデント」及び「軽微なインシデント」を指標に設定しております。情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証取得範囲において、「重大なインシデントの発生をゼロ」、「軽微なインシデントの発生件数を5件以内」という2つの目標を掲げておりますが、2017年度から8期連続で目標を達成しており、引き続き高水準の情報セキュリティレベルを維持してまいります。