事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 3,549 | 100.0 | -20 | - | -0.6 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、「新しいテクノロジーを駆使し、今までになかった新しい便利、新しいよろこびを創り出し、世の中を応援し、社会に貢献してゆく」という経営理念のもと、グループコミュニケーション支援サービスを独自開発し、その運営を通して、さまざまな生活者支援に貢献するべく事業を推進しております。
当社は、インターネットメディア関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、2025年3月期より『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』、『ペット事業』、『Web3事業』、『旅行事業』及び『その他』の6つの区分としております。
当社の強みは、データマネジメント力であり、その構成要素は『データ集めの仕組み作り』と『データを活用した事業作り』であります。
『コミュニケーションデータ事業』は、らくらく連絡網を中心としたコミュニケーションに派生して得られるデータを活用して、収益を上げていく事業であります。
『HRデータ事業』は、顧客が求人業界であり、当社が培ってきた求人広告分野におけるノウハウ、そこで得たデータとテクノロジーを組み合わせた事業となっております。
『ペット事業』は、ペット関連事業として当社が運営するWebサイトによる広告収入を上げていく事業となっております。2025年2月には『休日グランピング部』を新たにリリースしております。
『Web3事業』は、当社と提携しているDigital Entertainment Asset社(以下「DEA社」)が運営するWeb3ゲーム内で使用するアイテムやNFTの販売代理業、及びギルド運営を行っております。
『旅行事業』は、運営サイト『ポケカル』及び『ポケカル』が保有する会員への会報誌配布により顧客を獲得している旅行業であります。
『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』、『ペット事業』、『Web3事業』、『旅行事業』及び『その他』の6つの区分に含まれるサービスは、主要なサービスとして下記のサービスを提供しております。
① 日本全国の部活動、サークル、PTA等の団体活動従事者向けにグループコミュニケーション支援サービスを提供する『らくらく連絡網』
② 自社サービスの登録情報を基にした精度の高いデータを保有している『pinpoint DMP』を活用した運用型広告サービスを行うDSP広告サービス『pinpoint』
③ 求人検索エンジンの販売代理及び広告運用に関するコンサルティングを行う『求人検索エンジン』
④ 次世代の運用型求人広告プラットフォームである『HR Ads Platform』
⑤ 採用活動を応援するための採用支援システム『ジョブオレ』
⑥ ペット専門の情報メディア『休日いぬ部』
⑦ NFT販売代理、ゲームギルド運用『Web3事業』
⑧ 日帰り旅行ツアー専門サイト『ポケカル』
当社の提供するサービスとその概要は以下のとおりであります。
セグメント区分 |
事業区分 |
サービス名 |
概要 |
インターネット メディア関連事業 |
コミュニケーションデータ事業 |
らくらく連絡網/ らくらく連絡網.app |
グループコミュニケーション支援サービス |
BtoB向けをメインとした簡易版らくらく連絡網 |
|||
pinpoint |
独自のデータを保有する「pinpoint DMP」を活用した運用型広告 |
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HRデータ事業 |
求人検索エンジン |
他媒体販売による運用型広告 |
|
HR Ads Platform |
運用型求人広告プラットフォーム |
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ジョブオレ |
採用活動を応援するための採用支援システム |
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ペット事業 |
休日いぬ部 |
ペット情報メディア |
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Web3事業 |
Web3 |
NFT販売代理、ゲームギルド運用 |
|
旅行事業 |
ポケカル |
日帰り旅行ツアー専門サイト |
|
その他 |
その他 |
上記以外のサービス |
(コミュニケーションデータ事業)
当社の『コミュニケーションデータ事業』は、『らくらく連絡網』のユーザーに提携先のデータを加えた、約2,000万人のビッグデータを利用して、様々なインターネット媒体のうち、最も効果が高いと考えられる媒体への広告出稿を可能にし、広告効果の最大化を行うサービス群となっています。各サービスの内容は以下のとおりです。
(1)らくらく連絡網
当社サービスの基盤となる『らくらく連絡網』は、団体やグループでの活動に必要な出欠確認や日程調整、アンケート、安否確認等を、メールの一斉送信で簡単に行うことができる無料のグループコミュニケーション支援サービスであります。『らくらく連絡網』のユーザーは、部活動やサークル、ゼミ、子供の習い事や少年スポーツチーム、PTA等、何らかの団体・集団活動に従事しており、団体単位で加入して団体活動の出欠確認、日程調整、重要情報の通達等に『らくらく連絡網』を利用しております。
『らくらく連絡網』は、団体活動を前提としたグループコミュニケーションをターゲットにしており、グループ外へのつながりの抑制や、メンバー間の団体活動外でのつながりを起こさない形でのコミュニケーションを意識しています。一方で団体活動に必要な便利機能として、「スマートフォン、PC等様々なデバイスに対応」「アプリでの通知とメールでの通知の兼用」「出欠確認等の回答結果がひと目でわかる、未回答にワンタップで催促できる」「日程調整や出席確認等7種類のメール機能」「写真、会議の資料、集合場所の地図、部活動の台本等をExcel、Word、PDF等様々な形で共有可能」等の機能を備えております。
当社は、『らくらく連絡網』の機能や利便性の向上によりユーザー数の増加を図っており、2005年4月にサービス開始以降、ユーザー数は堅調にして推移しております。2025年3月末時点における『らくらく連絡網』の会員数は691万人、アプリ会員数は328万人、有効団体数(会員が3名以上所属している団体数)は38万団体であります。
なお、当社は、『らくらく連絡網』のインターネット媒体としての特性や利用者数等を背景として、広告収入を受け取るとともに、後記「第1 企業の概況 3 事業の内容 (2)pinpoint」に記載の『らくらく連絡網』のデータを活用した他媒体への広告配信を行っております。また、無料版の『らくらく連絡網』の利便性を高めた有料版の『らくらく連絡網』を提供し、その利用料収入を受け取っております。
『らくらく連絡網.app』は、従来の『らくらく連絡網』からより利便性を求めた団体活動向け連絡網サービスです。「新しい生活様式」が求められるなど、事業環境の変化から法人利用ニーズが高まっており、カスタマイズが容易なコミュニケーションツールとして、SaaS型ソリューション事業の実現へ向けて、展開しております。
① 広告収入
『らくらく連絡網』を利用している会員に対し、『らくらく連絡網』サイト内でのバナー広告の掲載やメールマガジンの配信、当社ユーザーが閲覧する第三者サイトへのバナー広告の掲載等を行うことにより、広告主から広告収入を受け取っております。また、『らくらく連絡網』のユーザー向けに商品サンプリングや市場調査における調査対象者のリクルーティング等のタイアップ広告を配信し、広告主のマーケティング支援を行い、その成果に応じて収入を受け取っております。
当社が独自開発した『らくらく連絡網』を無料で提供することで会員数を増やし、広告配信機会の拡大を図ることができ、また、会員の詳細な属性データを保有していることから、クライアントのニーズに応じた詳細な配信設定により高い広告配信効果を期待できる、付加価値の高い広告サービスを提供しております。
② 有料版『らくらく連絡網』の利用料収入
『らくらく連絡網』は、原則として利用者に無料でサービスを提供しておりますが、有料であってもより高い利便性を望むユーザーもいるとの認識から、有料版の『らくらく連絡網』を提供し、その利用料収入を受け取っております。
(2)pinpoint
『pinpoint』は、当社及び提携パートナーが独自に保有する属性が明らかな約2,000万人の匿名加工化されたユーザーデータを活用して、精密なセグメント設定によって本当に届けたいターゲット属性への広告配信を可能とするサービスであります。『pinpoint』においては、『らくらく連絡網』の広告枠の販売だけではなく、DSPを介して『らくらく連絡網』利用者のオーディエンスデータ(注1)に合致する外部サイトの広告枠すなわち他媒体への第三者配信を行うことで、広告主のマーケティング・チャネルの最適化を図っております。当社は、『らくらく連絡網』における691万人の会員情報を基に、匿名加工化された精度の高い詳細なオーディエンスデータを保有していることから、これを当社が独自開発したプライベートDMP『pinpoint DMP』で統合、管理、分析することで、精度の高いターゲティングを可能とした運用型広告サービスを『pinpoint』として提供しております。
『pinpoint』は、以下のような強みや特徴を有しております。
・広告配信の基礎となるデータベースは、『らくらく連絡網』及び提携パートナーから取得しているデータで構築されており、そのデータの属性が明確であることから、類推データを使用して広告配信を行う他のDSP広告サービスよりも高い確度でターゲットへの広告配信を行うことができます。
・『pinpoint DMP』は当社が独自開発したDMPであり、その運用も社内で行っております。そのため、データサプライヤー側との連携が容易であることに加え、各DSP事業者等との接続にあたっても広告代理店の広告配信システムを変更することなく行うことができます。
・当社は、Trading Desk(注2)チームを内製化しており、クライアントの広告効果最大化のため、適宜配信の設定・変更・分析を行うことができます。また、その知見を社内に蓄積させることで、事例をもとにした同一業界への販売活動が可能であります。
・『pinpoint』は、国内の複数のWEBサイト・SNSへの広告配信が可能であり、ターゲットへの広告配信機会を幅広く確保しております。また、静止画バナー広告の他、インフィード広告(注3)、動画広告といった、多様な広告表現にも対応することができます。
また、『pinpoint DMP』を介さず他媒体を利用する場合においてもTrading Deskや配信機能を活用しております。
なお、当社は、『らくらく連絡網』に蓄積されたユーザーデータと『pinpoint DMP』を活用した広告サービスを提供し、あるいは他媒体への第三者配信による広告料収入を受け取っております。また、広告配信における媒体選定・配信設計・広告運用・クリエイティブ制作といった一連のサービスをワンストップで提供しており、これらのサービスに係るサービス料収入を受け取っております。
(HRデータ事業)
当社の『HRデータ事業』は、日本の求人市場において新たな雇用機会を提供すべく、当社が求人業界で培ったノウハウとテクノロジーを活かした事業であります。『HRデータ事業』は、以下の3つのサービスが含まれております。
(1)求人検索エンジン
『求人検索エンジン』は、インターネット上の求人情報を一括して検索できる、『求人検索エンジン』の広告代理運用事業を行っております。『求人検索エンジン』の利用は、採用企業側にとっては採用コストが安く、求職者にとっては求人メディアを横断して検索可能であることから、双方にとって利便性が高いため、急激に求人広告市場のシェアを拡大している広告手法であります。一方、『求人検索エンジン』で広告効果を高めるためには一定の広告運用の知識やノウハウが必要となっております。当社は、効率的かつ効果的な採用を行いたい企業から『求人検索エンジン』の運用代行を請け負っており、当社がこれまで蓄積した経験知とノウハウから求人企業の採用を最適化することで、当該分野における優位性を確保しております。
なお、当社は求人企業側から広告収入を受け取っております。
(2)HR Ads Platform
『HR Ads Platform』は、運用型広告と呼ばれるアドテクノロジーを求人領域に活用し、掲載媒体の選定、プラン、広告出稿及び運用を自動で行うことで採用業務のDX化を推進する、運用型求人広告プラットフォームであります。求人企業が求人原稿、予算及び応募単価などを設定して入札するだけで、『HR Ads Platform』独自のアルゴリズムにより、連携している多数の求人メディアから最適な掲載メディアと掲載順位を自動で選定し、即日に求人広告を掲載します。掲載までの工程に人力を介さないため、従来の掲載フローと比べ大幅に業務量が削減され、求人企業側の採用スケジュールを短縮することができます。さらに成果型課金方式と呼ばれるCPA(応募課金)であることから採用コストの最適化を実現するなど、採用担当者が求人広告掲載において抱えていた様々な悩みを解決することができます。
なお、当社は求人企業側から成果に応じて広告収入を受け取っております。
(3)ジョブオレ
2019年3月より採用活動を応援するための採用支援システム『ジョブオレ』の提供を開始しております。企業は『ジョブオレ』を利用することで、簡単でスピーディーな採用サイトの作成を行うことが可能となります。また、応募者対応及び分析機能を搭載しており、専用の管理画面から詳細な応募や採用状況の分析、一元管理を行うことができます。また『ジョブオレ』で作られた採用サイトは各種アグリゲートサイトとの連携を行っているため、企業側にとっては幅広い求職者へのアプローチを可能とします。また、『HR Ads Platform』にも接続可能となっており、『ジョブオレ』を通じて採用企業が自由に入札や出稿を行える仕組みとなっております。
なお、『ジョブオレ』については、利用企業より一部利用料を受け取っております。
(ペット事業)
『ペット事業』はペット関連事業として、当社が運営するWebサイトによる広告収入を上げていく事業である『休日いぬ部』、『Perrole』(2025年3月でサービス終了)を含めており、当事業年度は自社でのOTA事業立ち上げを目指しておりましたが、2024年9月に開発を中断し、運営サイトの価値向上のため、Webサイトの改善およびWebマーケティングの強化を行ってまいりました。2025年2月には『休日グランピング部』を新たにリリースいたしました。
(Web3事業)
『Web3事業』は、当社と提携しているDigital Entertainment Asset社(以下「DEA社」)が運営するWeb3ゲーム内で使用するアイテムやNFTの販売代理業、及びギルド運営を行っており、当事業年度は、DEA社と連携した新商品の開発及び販売代理店の拡充を図ってまいりました。
(旅行事業)
『旅行事業』は、運営サイト『ポケカル』及び『ポケカル』が保有する会員への会報誌配布により顧客を獲得している旅行業であり、当事業年度は、旅行商品の造成力の強化、催行率の向上を図ってまいりました。
(その他)
その他のサービスとして、『他求人広告』、『セールス・プロモーション(以下「SP」)』等のサービスを提供しております。『他求人広告』は、他社が運営する求人媒体における求人広告枠の販売サービスであります。また、『SP』は、主に大学構内でのフィールド系広告の販売サービス等であり、学食内、売店等の広告スペースや学内チラシへの広告の掲載や、学内やキャンパス前での広告チラシの配布等を行っております。当社は、広告の掲載等を行うことで、広告主から広告収入を受け取っております。
(注1) オーディエンスデータとは、あるインターネットユーザー(アプリを含む)の個人を特定しない属性情報や行動履歴情報であります。
(注2) Trading Desk(トレーディングデスク)とは、広告主に代わって、DSP等を用いた広告運用の最適化をサポートすること、または、サポートする組織であります。予算と商品に合わせて、利用するDSP等の広告配信ツールの選定、広告枠の買付け、運用戦略の立案、配信結果のレポーティング、分析等を行い、最適な広告運用をサポートします。
(注3) インフィード広告とは、WEBサイトやSNSアプリのコンテンツとコンテンツの間に組み込まれ、表示される広告のことであります。
事業系統図
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、訪日インバウンド市場もコロナ禍を経て大きく成長しており、個人消費に
ついては若干の回復がみられますが、依然として不確実性が高い状況が続いております。また、米国の政権交代
やウクライナ情勢の変化、中東地域の緊張の高まりなど、世界経済に影響を与える要因が多岐にわたっていま
す。
当社が属するインターネット広告市場においては、拡大を続けており、当社が注力してまいりましたインター
ネットを活用した求人広告市場につきましては、2025年3月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.26倍(厚生労
働省「一般職業紹介状況 (令和7年3月分及び令和6年度分)について」)で直近では同水準で推移している
ものの、今後のより一層の回復が望まれます。
このような事業環境の下、事業の分類を『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』、『新規事
業』及び『その他』の4つの区分として各事業を進めておりました。『新規事業』は事業開始より1年以上が経
過したこともあり、2025年3月期第3四半期より『ペット事業』、『Web3事業』及び『旅行事業』にそれぞれ区
分して記載しております。
『コミュニケーションデータ事業』は、当社の優位性の一つであるデータとテクノロジーを組み合わせて収益
を上げていく事業として、『らくらく連絡網』、『pinpoint』及び『他媒体広告』を含めており、代理店戦略の
強化やアライアンスの推進を行い、データの拡充と有効活用を引き続き図ってまいりました。
『HRデータ事業』は、顧客が求人業界であり、当社が培ってきた求人広告分野におけるノウハウとテクノロジ
ーを組み合わせた事業として、『求人検索エンジン』、『HR Ads Platform』及び『ジョブオレ』を含めてお
り、引き続き『HR Ads Platform』に社内リソースを集中させて、新規求人メディア連携やATS連携の強化を図っ
てまいりました。
『ペット事業』はペット関連事業として、当社が運営するWebサイトによる広告収入を上げていく事業である
『休日いぬ部』、『Perrole』(2025年3月でサービス終了)を含めており、当事業年度は自社でのOTA事業立ち
上げを目指しておりましたが、2024年9月に開発を中断し、運営サイトの価値向上のため、Webサイトの改善お
よびWebマーケティングの強化を行ってまいりました。2025年2月には『休日グランピング部』を新たにリリー
スいたしました。
『Web3事業』は、当社と提携しているDigital Entertainment Asset社(以下「DEA社」)が運営するWeb3ゲー
ム内で使用するアイテムやNFTの販売代理業、及びギルド運営を行っており、当事業年度は、DEA社と連携した新
商品の開発及び販売代理店の拡充を図ってまいりました。
『旅行事業』は、運営サイト『ポケカル』及び『ポケカル』が保有する会員への会報誌配布により顧客を獲得
している旅行業であり、当事業年度は、旅行商品の造成力の強化、催行率の向上を図ってまいりました。
その結果、『らくらく連絡網』の2025年3月末時点の会員数は691万人(前年同期比1.2%減)、アプリ会員数
は328万人(前年同期比6.0%増)、有効団体数は38万団体(前年同期比0.5%減)、『ジョブオレ』の2025年3
月末時点の求人原稿数は1,810千件(前年同期比199.4%増)となっております。
以上の結果、当事業年度の売上高は3,549,234千円(前年同期比7.0%減)、営業損失は20,189千円(前年同期
は41,944千円の営業利益)、経常損失は24,253千円(前年同期は43,713千円の経常利益)、当期純損失493,222
千円(前年同期は36,623千円の当期純利益)となりました。
なお、当社は、インターネットメディア関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略し
ております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ118,128千円増加
し、375,712千円(前年同期比45.9%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおり
であります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は18,205千円(前年同期は94,893千円の獲得)となりました。これは主に、前受
金の増加額13,789千円、売上債権の増加額39,761千円、仕入債務の増加額21,723千円及び未払金の減少額18,961
千円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は83,668千円(前年同期比75.4%減)となりました。これは主に、無形固定資産
の取得による支出105,337千円、無形固定資産の売却による収入21,669千円があったことによるものでありま
す。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は220,002千円(前年同期比383.1%増)となりました。これは主に、長期借入れ
による収入が200,000千円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
b.受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
なお、当社は単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。
事業の名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
コミュニケーションデータ事業 |
581,221 |
△27.6 |
HRデータ事業 |
2,360,320 |
△5.9 |
Web3事業 |
251,274 |
8.3 |
旅行事業 |
247,368 |
46.1 |
ペット事業 |
21,108 |
△30.9 |
その他 |
87,940 |
17.9 |
合計 |
3,549,234 |
△7.0 |
(注)当事業年度より、上述の通り、『コミュニケーションデータ事業』、『HRデータ事業』、『Web3事業』、『旅行事業』、『ペット事業』及び『その他』としておりますが、前年同期比に関しては、組替えた後の数値にて比較して算出しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
(売上高)
売上高は、前事業年度より268,602千円(7.0%)減少し、3,549,234千円となりました。これは主に、『コミュニケーションデータ事業』に関しては、減収となったものの期初計画通りに売上・利益を確保し、『HRデータ事業』において、運用型広告の当社運用力を背景に他社からの乗り換えやコロナ禍の影響を受けにくい顧客群の強化を行ってきたことにより、売上高を牽引し、『Web3事業』については主に代理店によるNFT販売が好調だったものの合計では前期比で減収したものであります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前事業年度より184,851千円(6.8%)減少し、2,528,918千円となり、売上原価率は0.2ポイント増加して71.3%となりました。これは主に、仕入高が151,742千円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、売上総利益は、前事業年度より83,751千円(7.6%)減少し、1,020,315千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ21,616千円(2.0%)減少し、1,040,504千円となり、売上に対する販売費及び一般管理費の比率は、1.5ポイント増加して、29.3%となりました。これは主に、採用関連費が24,334千円減少し、給与手当が47,803千円減少、販売手数料が40,921千円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、営業利益は前事業年度より62,134千円(148.1%)減少し、20,189千円の営業損失となりました。
(営業外損益)
営業外損益は、前事業年度の1,768千円の収益(純額)から4,064千円の費用(純額)となりました。これは主に、支払手数料が2,350千円、株式報酬費用消滅損が2,400千円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、経常利益は前事業年度より67,967千円減少し、24,253千円の経常損失となりました。
(特別損益)
特別損益は、前事業年度の4,800千円の損失(純額)から466,660千円の損失(純額)となりました。これは主に、前事業年度において、特別退職金が4,800千円、当事業年度において、減損損失が463,862千円発生したことによるものであります。
(法人税等合計)
法人税等合計は、前事業年度に比べ18千円(0.8%)増加して、2,308千円となりました。これは法人税等が18千円増加したことによるものであります。
以上の結果、当期純利益は、前事業年度より527,445千円減少し、493,222千円の当期純損失となりました。
b.財政状態
(資産)
当事業年度末における資産は1,046,576千円となり、前事業年度末に比べて290,350千円(21.7%)減少い
たしました。これは主として、ソフトウエアが193,229千円、ソフトウエア仮勘定が94,631千円、のれん
が114,414千円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債は736,051千円となり、前事業年度末に比べて202,870千円(38.0%)増加いた
しました。これは主として、長期借入金が140,006千円、短期借入金が40,000千円、1年内返済予定の長期
借入金が39,996千円、買掛金が21,723千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は310,524千円となり、前事業年度末に比べて493,222千円(61.4%)減少い
たしました。これは、当期純損失の計上に伴い利益剰余金が493,222千円減少したことによるものでありま
す。
c.キャッシュ・フロー
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、媒体仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、サーバー等の設備投資、サービス開発に係る労務費、外注費等によるものであります。必要資金については原則として手許資金で賄っておりますが、金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、その当座貸越極度額は200,000千円であります。
当社は、財務基盤を強化するとともに、成長のための投資資金の確保を実現するため、財務の健全性や資本効率等当社にとって最適な資本構成を追求しながら、新たなサービスの開発等、会社の将来の成長のための内部留保の充実を図る必要があると考えております。
e.経営戦略の現状と見通し
2026年3月期は、新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限の緩和などにより個人消費の回復やインバウンド需要の増加に向かうと期待しておりますが、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による、原材料の価格高騰や材料不足などから起こるインフレーションによる消費マインドの冷え込みリスクなど、経済の先行きは不透明な状況が続くと予想されます。
2026年3月期は、『コミュニケーションデータ事業』に関しては、『らくらく連絡網+』のコスト削減を行うとともに、新卒支援サービス市場でのシェア率の高い代理店との連携強化による大幅な引合数の増加を確実に受注に繋げること、中途市場及びシニア市場へのWebマーケティングにより『pinpoint』の売上拡大を目指します。
『HRデータ事業』に関しては、『HR Ads Platform』の新規求人メディア連携やATS連携の強化を図るとともに、人事管理系ツールとの連携や採用BIツールの構築等に、引き続き注力してまいります。『求人検索エンジン』については既存顧客の継続率を維持しつつアップセルを強化していくとともに、サービス提供者の動向を注視し審査落ちの影響を極力受けないよう配慮しながら、効果の高いサービス提供に取り組んでまいります。
『ペット事業』については、立ち上がり好調な新サイト『休日グランピング部』の継続的な成長を促進するとともに、『休日グランピング部』の開発で確立した新サイト開発メソッドにより、今期中に新たな検索サイトの立ち上げを目指してまいります。
『Web3事業』については、引き続き代理店の開拓、商品ラインナップの拡充を行うとともに、新たに開始したGPUサーバー販売との連携による相乗効果を目指します。
『旅行事業』については、会員基盤を有する他社との連携による販路拡大を目指すとともに、Webマーケティングの強化により、Web経由の売上比率向上を目指します。
以上の状況を背景に、売上高は3,887,000千円(前年同期比9.5%増)となり、営業利益は50,000千円(前年同期は営業損失)、経常利益は、48,000千円(前年同期は経常損失)、当期純利益は46,000千円(前年同期は当期純損失)を予想しております。
f.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、事業体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向及び業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保及び適切な教育を実施するとともに、事業体制、内部管理体制を強化し、社会のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を行ってまいります。
g.経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、今後のさらなる成長のために、スピーディーな事業展開による収益基盤の強化と多角化、システムセキュリティの維持と情報管理体制の強化、及びこれらを担う優秀な人材確保が大きな課題であると考え、これらの達成を中期的な目標としております。詳細につきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。