2025年2月期有価証券報告書より

リスク

 

3 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 競合関係等について

 AIソリューション事業分野においては、中核のAI関連3事業に関し、以下のリスクがあります。

① 先ず、AIインフラ事業に関しては、当社グループとしては世界最先端のAI技術を保有するものの、日本国内での事業参入に関しては、既存の関係業者による参入障壁問題があります。更に、AI開発に関し、今後政府規制が強化されることが想定され、事業展開に影響するリスクがあります。

② 次に、AIゲーム事業ですが、グローバル市場での競争激化に伴い、著名IPの取得競争や契約条件の厳格化が進んでおり、事業展開におけるリスクとなる可能性があります。また、ゲーム媒体やユーザーニーズの変化への対応が遅れた場合、収益性や市場優位性に影響を与えるリスクがあります。さらに、開発パートナーや人材の確保、開発資金の調達が困難となった場合には、プロジェクトの進行に支障をきたすリスクがあります。

③ 更に、企業向けAIソリューション事業では、AI技術や市場トレンドの変化に対応できない場合、競争優位を維持できなくなるリスクがあります。

アイラッシュケア事業においては、サロンに関して、まつ毛スタッフには美容師資格が必要なこと、労働人口の減少と人材の流動化が進んでいることなどにより、業績が好調でもまつ毛スタッフの確保ができない可能性があります。

また、顧客の嗜好変化により、ニーズ・市場規模の縮小が起こる可能性もあります。これらにより、競合他社との競争力が低下することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、大手企業と競合しない、ニッチな分野での営業力、企画力を活かし優位性を保とうとしておりますが、その保証はなく、獲得案件の低下や利幅の縮小等により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 外部環境に関わるリスクについて

当社グループのAIソリューション事業では、AIDC事業において、米中問題に起因するサプライチェーンの分断化のリスクがあります。米国政府の規制が強化された場合には当社グループの設備や部材の調達に関する優位性が損なわれる可能性があります。

 

(3) 知的財産権について

当社グループは、特許権等の知的財産権侵害に係る通知請求や訴えを起こされた事実はありません。しかし、将来的に当社グループ事業に関連した特許その他の知的財産権が各関連事業にどのように適用されるかについて予想するのは困難であります。当社グループのAIソリューション事業では、ゲーム開発事業において知財権を取得して参りますが、今後、当社グループ関連事業に関する知的財産権(いわゆるビジネスモデル特許を含む。以下同じ)が第三者に成立した場合、または現在すでに当社関連技術に関して当社グループが認識していない知的財産権が成立している場合、当該知的財産権の所有者より権利侵害に係る訴えを起こされることにより、当該知的所有権が使えないことで業務遂行に大きな影響を及ぼし、当社グループが損害賠償義責任を負う可能性があります。

 

(4) 顧客情報に関するリスクについて

通信販売及び対面販売を行う場合、保有する個人顧客情報を、適切に取り扱うことが重要であります。個人情報保護については、法律の遵守だけではなく、情報漏洩による被害防止を行う必要があります。
 当社グループは、個人情報保護法の施行に対応して社員教育の徹底等、万全の体制を敷いており、個人情報を厳正かつ慎重に管理しておりますが、万一、外部からの不正アクセス等により個人情報が社外に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的な信用失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

本有価証券報告書提出日の属する月の前月末(2025年4月30日)における当社の新株予約権による潜在株式数は、合計18,183,600株であり、同日における自己株式控除後の発行済株式総数45,822,696株の39.7%に相当します。

これらの新株予約権が権利行使された場合には、当社株式が新たに発行され、既存株主の有する株式の価値及び議決権の割合が希薄化する可能性があります。

 

(6) 為替相場の変動について

当社グループには在外子会社があるほか、連結財務諸表は日本円で表示されておりますので、通貨の為替水準の変動により換算リスクという形で為替変動の影響を受けます。当社グループのAIソリューション事業において、GPUサーバーの仕入は海外法人に依拠していることから、仕入価格が円換算による為替変動リスクにさらされており、また、販売に係る対価を外貨で持ち続ける場合は、販売後も為替変動リスクにさらされることになります。

 

(7) 継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度において営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失が発生したことに加え、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなりました。当連結会計年度におきましても、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっております。これらの状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。当社グループは当該状況を早急に解消するため、以下の施策を推進しております。

 

1)AIソリューション事業では、①AIインフラ、②AIゲーム、③企業向けAIソリューションの3領域を中核に、各事業の収益性向上および商業化の加速を図っております。AIインフラ領域では、GPUサーバー販売で構築したネットワークを基盤に、AIDC事業への転換を進めており、複数の国内外パートナーとの連携を強化しております。AIゲーム領域では、IP取得および外部技術提携を推進し、既存ゲームタイトルの持続的な成長に加え、新規開発タイトルによる収益基盤の確立に取り組んでおります。企業向けAIソリューション領域では、開発体制の整備を進めながら、引き続き顧客基盤の拡大に注力しております。

 

2)アイラッシュケア事業では、事業環境に適した事業規模にすることにより、事業部門黒字化が目前となっております。サロン部門の運営強化や商材部門における海外販売の促進を図るとともに、「Wellness事業」への展開を視野に入れ、サービス領域の拡張と収益の安定化を目指しております。

 

3)今後必要となる事業資金の確保については、第12回新株予約権を含めた資金調達で得た資金や手元資金の他、必要に応じた新たな資金調達を検討することで対応してまいります。

 

しかし、これらの対応策の実現可能性は、市場の状況、需要動向、他社との競合等の影響を受けており、新株予約権者や投資家の意向や事業計画の達成如何にも左右されるため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、上記のような重要な不確実性の影響を反映しておりません。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主の皆様に対しての利益還元を経営の重要な課題の一つとして位置付けており、長期的かつ総合的な株主利益の向上を図ることを利益配分に関する基本方針としております。

当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

当面は、企業体質と経営基盤強化を優先課題ととらえ内部留保に重点を置くこととしておりますが、早期の復配を実現していくことで、株主の皆様の期待に応えていく方針です。

当社は、「取締役会の決議により、毎年8月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。