2025年5月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

アート関連事業 その他事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
アート関連事業 2,037 98.5 194 108.6 9.5
その他事業 31 1.5 -15 -8.6 -50.1

事業内容

3【事業の内容】

[概  要]

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(Shinwa Wise Holdings株式会社)、連結子会社6社(孫会社1社を含む)及び非連結子会社(孫会社)2社により構成されており、主にアート関連事業及びその他事業を行っております。

当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業にかかる位置付け及びセグメントとの関係は次のとおりであります。

 

(1)アート関連事業

アート関連事業は、大きくオークション事業とプライベートセール・その他事業に分けられます。

オークション事業は、取り扱い作品・価格帯により、近代美術オークション、近代陶芸オークション、近代美術Partオークションを定期的に開催しております。その他、戦後美術&コンテンポラリーアート、西洋美術、ワイン・リカー、MANGA、ブランド雑貨、時計、宝飾品等のオークションを随時開催しております。

プライベートセール・その他事業は、プライベートセール(資産防衛ダイヤモンド販売やオークション以外での相対取引である絵画の売買)を中心に行っております。

 

部門

主な内容

オークション事業

 

近代美術オークション

・近代日本画、近代日本洋画、彫刻、外国絵画等のオークション

・落札予想価格(以下「エスティメイト」という)の下限金額が概ね20万円以上の作品

近代陶芸オークション

・近代陶芸(茶碗、壷、香炉等)のオークション(一部古美術を含む)

近代美術PartⅡオークション

・著名作家の版画、日本画、洋画、陶芸等のオークション

・エスティメイトの下限金額が概ね2万円以上の作品

その他オークション

・コンテンポラリーアート、西洋美術、ワイン・リカー、マンガ、ブランド雑貨、時計、宝飾品等の上記以外のオークション

プライベートセール・その他事業

 

プライベートセール

・資産防衛ダイヤモンドの販売

・美術品等の相対取引である絵画・NFTアート販売

その他

・主として2万円未満の低価格作品に関し、美術業者間交換会にて販売を委託された取引

 ・その他

 

 

(2)その他事業

  自社所有の50kW級低圧型太陽光発電施設、高圧型太陽光発電施設の売電事業を行っております。

  また、マレーシアにおいて、バイオマス発電の燃料となるPKS(パーム椰子殻)の販売事業を行っておりました

 が、2024年9月3日開催の取締役会にてSHINWA APEC MALAYSIA SDN.BHD.の全株式を譲渡することを決議し、事業から撤退しております。

  宝飾品を中心としたオークション関連事業を行っていたShinwa Market株式会社及び不動産の売買・賃貸管理を行っていたシンワクリエイト株式会社が、2025年4月に清算結了いたしました。

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善を見せる中、企業の業務効率向上を目的とした設備投資は堅調に推移しており、前年度比実質GDP成長率はプラス成長を維持する見通しであります。また、2025年春闘においては前年並みの賃上げ率が報告されており、個人消費の伸びは今後も維持するものとみられております。これらの要因により、緩やかな景気回復により経済成長が継続する可能性が高いと見込まれております。

一方、米国は大統領権限による様々な景気刺激策により、景気を下支えしておりますが、インフレの加速が予測されております。また、欧州連合(EU)においては、政策金利の引き下げを継続しており、投資動向に影響を与え、域内の内需回復が進む見通しとなっております。しかしながら、米国のトランプ政権による高関税政策の動向によるスタグフレーション発生の可能性、中国経済においても成長刺激策による成長維持を見込むものの、悪化傾向にある雇用状況が消費性向を抑制する要因となっております。これらの外的要因は、日本経済にも下押し圧力を及ぼす可能性があり、引続き慎重な動向の見極めが必要となっております。

そのような状況の中、2025年4月までは食料品など9,000品目以上の値上げがされており、今後も物価上昇は継続傾向にあるなか、資産防衛策としての実物資産への需要は一定レベルで存在し、不動産価格指数や金価格は上昇基調を維持しているようです。しかしながら、アートオークション市場においては価格の上昇をにらみ良品の出し渋り傾向が見られるため、オークションへの出品誘致を強化する対策を講じておりますが、以前に比べ低調であると言わざるを得ません。このような厳しい状況の中、委託販売品の取扱や前期よりずれ込んだプライベートセールなどもあり、アート関連事業において、取扱高は5,864,620千円(前年同期間比8.1%減)、売上高は2,037,021千円(前年同期間比1.3%増)と増収となりました。中でも、プライベートセールの売上高は、前年同期分と比し、75.8%増の1,153,243千円となりました。

 

 a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前年比925,754千円減の3,313,026千円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前年比868,436千円減の965,191千円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前年比57,318千円減の2,347,834千円となりました。

 

b.経営成績

各事業の業績は次のとおりです。

 

1.アート関連事業

 アート関連事業は、取扱高5,864,620千円(前年比8.1%減)、売上高2,037,021千円(前年比1.3%増)、セグメント利益194,306千円(前年は39,259千円のセグメント損失)となりました。

種別の業績は次のとおりです。

 

 

 

第36期

 

2025年5月期

 

取扱高

前年比増減

売上高

前年比増減

オークション

オークション

オークション

落札率

(千円)

(%)

(千円)

(%)

開催数

出品数

落札数

(%)

近代美術オークション

1,153,070

△18.0

233,237

△18.1

6

375

306

81.6

近代陶芸オークション

252,830

△5.3

44,534

△9.5

4

717

635

88.6

近代美術PartⅡオークション(注)1

133,435

24.3

30,582

43.1

6

570

529

92.8

コンテンポラリーアートオークション

119,675

△52.7

24,741

△50.0

6

125

104

83.2

ワイン・リカーオークション

454,225

△28.0

96,524

△32.7

3

1,775

1,478

83.3

ジュエリー&ウォッチオークション

393,700

△47.4

81,103

△40.6

2

616

370

60.1

その他オークション

(注)2

70,140

△23.9

14,911

△19.1

3

400

361

90.3

アイアートオークション

1,614,398

△8.9

344,747

△13.0

5

1,648

1,297

78.7

オークション事業合計

4,191,473

△20.6

870,383

△20.8

35

6,226

5,080

81.6

プライベートセール

1,649,000

69.3

1,153,243

75.8

 

 

 

 

その他

24,146

△81.2

13,394

△94.7

 

 

 

 

プライベートセール・
その他事業合計

1,673,147

51.7

1,166,638

28.1

 

 

 

 

アート関連事業合計

5,864,620

△8.1

2,037,021

1.3

 

 

 

 

(注)1.取扱高の前年比増減率と売上高の前年比増減率の乖離の大きな要因のひとつに、商品売上高の増減があ
ります。商品売上高は、オークション落札価額に対する手数料収入、カタログ収入、年会費等と同様に
売上高を構成する要素であり、在庫商品を販売した場合、その販売価格(オークションでの落札の場合
には落札価額)を商品売上高として、売上高に計上することとしております。

   2.その他オークションは、出品の状況により随時開催しております。

 

 

 

ⅰ)オークション事業

当連結会計年度は、オークションの開催回数は35回(前年度開催回数38回)でした。主な内訳は、近代美術オークション、近代美術PartⅡオークション及びコンテンポラリーアートオークションを各6回、アイアートオークションを5回、近代陶芸オークションを4回、ワイン・リカーオークションを3回、西洋美術オークション、ジュエリー&ウォッチオークションを各2回、MANGAオークションを1回で、取扱高は昨年と比し20.6%減となりました。

近代美術オークションは、出品点数20.2%増、落札点数13.3%増でしたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で107.7%、取扱高は、1,153,070千円となり、昨年と比し18.0%減少しました。

近代陶芸オークションは、出品点数5.5%減、落札点数2.3%減となり、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で115.1%という水準で推移いたしました。取扱高は、252,830千円となり、昨年と比し5.3%減少しています。

近代美術PartⅡオークションは、出品点数18.8%増、落札点数16.3%増で、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で220.2%と高水準で推移しました。取扱高は、133,435千円となり、昨年と比し24.3%増加しました。

コンテンポラリーアートオークションは、出品点数0.8%増、落札点数9.6%減でしたが、エスティメイト下限合計額に対する落札価額合計額の比率は、平均で29.4%で推移いたしました。取扱高は、119,675千円となり、昨年と比し52.7%減少しました。

ワイン・リカーオークションは、出品点数8.0%減、落札点数14.8%減となり、取扱高は454,225千円となり、前年比28.0%減となりました。

ジュエリー&ウォッチオークションは、出品点数17.5%減、落札点数31.0%減となり、取扱高は393,700千円と前年比47.4%減となりました。

アイアートオークションは、5回開催し、出品点数1,648点、落札点数1,297点となり、取扱高は1,614,398千円と前年比8.9%減となりました。

 

ⅱ)プライベートセール・その他事業

 プライベートセール・その他事業では、美術品のプライベートセールでは大型案件が前期から期ずれとなったため、美術作品のプライベートセール事業は、売上高1,153,243千円(前年同期比75.8%増)となりました。資産防衛ダイヤモンド販売事業は、売上高350,964千円(前年同期比33.1%減)となりました。

 結果として、プライベートセール・その他事業は、前年同期比で取扱高51.7%増、売上高28.1%増となりました。

 

2.その他事業

子会社保有の太陽光発電施設による売電事業は継続しており、当連結会計年度のその他事業のセグメント売上高は30,567千円(前年同期比17.5%増)、15,326千円のセグメント損失(前年は30,149千円のセグメント損失)となりました。

 

以上により、当連結会計年度の業績は、売上高2,067,589千円(前年同期比1.6%増、対前年同期増加額31,589千円)、営業利益12,323千円(前年は242,524千円の営業損失)、経常損失17,749千円(前年は222,107千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失142,340千円(前年は1,010,510千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より120,555千円減少(前年同期間は931,126千円減少)し1,221,441千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は、210,878千円(前年は809,783千円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失による資金減少147,072千円、オークション未収入金の減少による資金増加209,118千円、オークション未払金の減少による資金減少411,072千円、仕入債務の減少による資金減少21,733千円、法人税等の還付による資金増加104,923千円によるものであります。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動の結果獲得した資金は、22,888千円(前年は250,750千円の減少)となりました。これは主に連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による資金増加38,601千円、無形固定資産の取得による資金減少11,000千円、有形固定資産の取得による資金減少5,692千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は、67,740千円(前年は143,903千円の獲得)となりました。これは主に新株予約権の行使に伴う株式発行による資金増加105,637千円に対し、長期借入金返済による資金減少35,548千円、セールアンドリースバック支出による資金減少2,349千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、主に美術品等のオークション事業運営とエネルギー関連事業を行っており、生産実績の記載はしておりません。

 

 b.受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。

 

 c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年6月1日

  至 2025年5月31日)

前年同期比(%)

アート関連事業(千円)

2,037,021

1.3

その他事業(千円)

30,567

17.5

合計(千円)

2,067,589

1.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上になる相手先がないため、記載を省略しております。

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1.財政状態の分析

当連結会計年度の資産につきましては、総資産は、前年比925,754千円減の3,313,026千円となりました。内訳は流動資産が775,768千円減の2,643,516千円、固定資産は149,986千円減の669,510千円となりました。流動資産の主な内訳と増減は、現金及び預金1,221,441千円(前年比120,555千円の減少)、売掛金4,374千円(前年比21,024千円の減少)、オークション未収入金267,815千円(前年比209,118千円の減少)、商品1,016,850千円(前年比191,499千円の減少)、その他132,265千円(前年比222,163千円の減少)であります。固定資産の主な内訳と増減は、のれん224,576千円(前年比27,221千円の減少)、その他投資資産231,135千円(前年比6,709千円の増加)であります。

負債は965,191千円(前年比868,436千円の減少)となりました。内訳は流動負債が712,879千円(前年比867,876千円の減少)、固定負債が252,311千円(前年比559千円の減少)となりました。流動負債の主な内訳と増減は、買掛金5,692千円(前年比22,250千円の減少)、オークション未払金306,851千円(前年比460,832千円の減少)、短期借入金90,000千円(前年比-千円増減)、前受金43,356千円(前年比256,233千円の減少)、過年度決算訂正関連費用引当金-千円(前年比117,691千円の減少)であります。固定負債の主な内訳と増減は、長期借入金166,691千円(前年比35,882千円の減少)であります。

純資産は2,347,834千円(前年比57,318千円の減少)となりました。これは、資本金220,086千円(前年比54,508千円の増加)、資本剰余金2,999,234千円(前年比54,508千円の増加)、利益剰余金△876,405千円(前年比142,340千円の減少)となったことによるものであります。この結果、1株当たり純資産額は212.72円、自己資本比率は70.7%となっております。

 

 2.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況b.経営成績」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、公開のオークションという商形態にて美術品や高級品の換金やコレクションを円滑に実現し、美術品を中心とした高額品の価値付けに寄与することを自らのミッションとして事業を展開しております。グローバルにおける金利高止まりの継続によって、安全資産および代替資産への分散投資需要が促進され、アートや宝飾品、時計、リカーといった高額商品への投資的なニーズや経済的関心が顕在化しております。このような環境のなかで、当社が展開する公開オークションは、単なる流通手段にとどまらず、現代におけるアートや高額資産の経済的価値付けの一翼を担う機能としての社会的意義を持つため、その役割の重要性を認識し、自らのミッションの実現に向けた取り組みを更に強化・加速してまいります。

主な取り組みとしては、日本の高齢化に伴い、相続等による様々な高額品の取り扱い獲得を図ってまいります。さらに、国内の市場だけでなく、アジアを中心とした世界からの需要を取り込むため、国際マーケティング人材の採用強化と同時に、国内外からインターネットでオークションにライブで参加できるライブビッティングシステムの利便性向上と利用拡大を推進し、これまでのオークション形態に拘らず、より多くの方にオークションを体験していただき、新たな顧客層の開拓を図ってまいります。また、インフレ下での安全資産ニーズに支えられている資産防衛ダイヤモンド販売事業は、今後も安定した売上基盤として位置付け、推進してまいります。

引き続き、インフレによる資産価値の上昇をベースにオークションに関連した資産性商材の分野でも新たな可能性を追求し、優良高額品の取り扱いを増加させることで、顧客基盤と事業拡大を図ることを経営視点の一つに置いていきます。

 

 

c.資本の財源及び資金の流動性

資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、オークション事業の商品仕入及び前渡金、各事業の販売費及び一般管理費があります。

 

財務政策

当社は持株会社体制への移行を行い、運転資金及び設備資金管理を一元管理し、資金調達コストの低減化、全社グループでの効率的な資金運用を推進しておりますが、前事業年度に発覚した不正会計問題により、金融機関からの借入に依存することが困難な状況となっております。

当社は、会計不正に係る一連の訂正作業が終わり、再発防止策の整備も着実に進みつつある状況下において、「信頼回復」から「成長軌道」へと舵を切る新たなフェーズに入るべきと認識しております。そのため、今後は、これまで事業活動の停滞を余儀なくされていた分の遅れを取り戻し、また、近年シュリンクしている国内のアート流通マーケットにおける当社の存在感や新たなポジショニングを確立させるべく、「ガバナンス・内部統制等の管理体制の強化」、「アート関連事業への成長投資」、「丸の内エリア再開発に伴う事務所の移転」を目的とした資金調達を検討し、日本国内のみならず、世界へ通用するアートを中心とした文化資産の価値流通企業を目指した戦略的経営を行ってまいります。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

ROE(自己資本当期純利益率)を重要な指標として位置づけ、当社グループの効率的な経営の実現を目標として、15%以上を連結での中長期的な指標として掲げておりますが、当期は目標値を下回る結果となりました。この背景としては、過去5年間に遡り実施した不正会計に関する訂正処理の結果、財務数値に大幅な修正が生じたこと、また、当連結会計年度においては収益力の伸び悩みや、一時的なコスト増加、具体的には不正会計への対応に伴う緊急的・臨時的な支出が増加したことに加え、想定外の対応を要する事象が発生したことが挙げられます。今後は収益力の強化を最重要課題とし、核心事業への経営資源を集中的に投下することで、軸足をしっかりと据える方針です。一方で、中核事業との相乗効果(シナジー)が見込める分野については、成長の糸口として積極的に取り組むことで、全体の企業価値向上を図ります。

 

決算年月

2021年5月

2022年5月

2023年5月

2024年5月

2025年5月

自己資本利益率(%)

9.18

10.23

 

②.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

連結財務諸表の作成のために当社グループが採用している重要な会計処理基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループは、過去の実績値や現状等を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき継続的に見積り、判断及び評価を行っておりますが、見積りや評価には、不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

当社が行った見積りのうち重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象になっているものであります。

 

これにより、オークションの企画、運営を行うオークション事業と、資産防衛ダイヤモンド販売、NFTアート販売を含むプライベートセール・その他事業を「アート関連事業」とし、売電事業やPKS事業等を「その他事業」としております。

したがって、当社グループは製品・サービス別のセグメントから構成されており、「アート関連事業」及び「その他事業」の2つを報告セグメントとしております。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

調整額

連結財務諸表

計上額

アート関連事業

その他事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

2,009,993

26,006

2,035,999

2,035,999

セグメント間の内部売上高

又は振替高

2,009,993

26,006

2,035,999

2,035,999

セグメント損失(△)

△39,259

△30,149

△69,408

△173,115

△242,524

セグメント資産

3,624,551

408,162

4,032,713

206,067

4,238,780

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

19,736

77

19,813

274

20,088

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

49,306

49,306

61,620

110,926

(注)1.調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント損失(△)の調整額△173,115千円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△173,115千円が含まれております。なお、全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2) セグメント資産の調整額206,067千円には、各報告セグメントに配分していない全社資産が含まれております。なお、全社資産は、主に提出会社における現金、投資有価証券及び管理部門に係る資産等であります。

(3) 減価償却費の調整額274千円は、主に各報告セグメントに配分していない全社資産の償却費等であります。

2.報告セグメントの利益又は損失の金額の合計額と連結損益計算書計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

セグメント損失(△)の合計額は、連結損益計算書の営業損失と一致しております。

 

 

当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)

 

 

 

(単位:千円)

 

報告セグメント

合計

調整額

連結財務諸表

計上額

アート関連事業

その他事業

売上高

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

2,037,021

30,567

2,067,589

2,067,589

セグメント間の内部売上高

又は振替高

2,037,021

30,567

2,067,589

2,067,589

セグメント利益又は損失(△)

194,306

△15,326

178,980

△166,657

12,323

セグメント資産

2,948,590

89,078

3,037,669

275,357

3,313,026

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費

39,001

16,397

55,399

6,842

62,241

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

16,310

16,310

381

16,692

(注)1.調整額は以下のとおりであります。

(1) セグメント利益又は損失(△)の調整額△166,657千円には、各報告セグメントに配分していない全社費用△166,657千円が含まれております。なお、全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。

(2) セグメント資産の調整額275,357千円には、各報告セグメントに配分していない全社資産が含まれております。なお、全社資産は、主に提出会社における現金、投資有価証券及び管理部門に係る資産等であります。

(3) 減価償却費の調整額6,842千円は、主に各報告セグメントに配分していない全社資産の償却費等であります。

2.報告セグメントの利益又は損失の金額の合計額と連結損益計算書計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

セグメント利益又は損失(△)の合計額は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。

 

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

該当事項はありません。

 

 

当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。

 

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

本邦に所在している有形固定資産の金額が連結貸借対照表の有形固定資産の金額の90%を超えるため、記載を省略しております。

 

 

3.主要な顧客ごとの情報

該当事項はありません。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

アート関連事業

その他事業

調整額

合計

減損損失

365,624

365,624

 

当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

アート関連事業

その他事業

調整額

合計

減損損失

2,977

2,977

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

アート関連事業

その他事業

調整額

合計

当期償却額

64,370

64,370

当期末残高

251,798

251,798

 

当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)

 

 

 

 

(単位:千円)

 

アート関連事業

その他事業

調整額

合計

当期償却額

27,221

27,221

当期末残高

224,576

224,576

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2023年6月1日 至 2024年5月31日)

該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年6月1日 至 2025年5月31日)

該当事項はありません。