事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
| セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
|---|---|---|---|---|---|
| コンサルティング事業 | 774 | 55.6 | 306 | 68.1 | 39.5 |
| CRMイノベーション事業 | 214 | 15.3 | 65 | 14.4 | 30.2 |
| 通信ネットワークソリューション事業 | 405 | 29.1 | 79 | 17.6 | 19.5 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、25年以上にわたり物流現場でドライバーや管理者との継続的なコミュニケーションにて蓄積した「物流現場の知見」と「データ収集・分析力」により、物流業界の改善と発展に貢献しております。
事業内容は、物流事業者の安全活動を継続的にサポートするコンサルティング事業、コンサルティング事業で蓄積された安全活動のデータベースを応用し、個別に最適化されたメッセージで円滑なコミュニケーションを支援するCRM(注)イノベーション事業、一般企業のビジネスフォンやネットワーク機器などのICT機器の販売・工事・保守を行い、最適なICTソリューションの提供を行う通信ネットワークソリューション事業に取り組んでおります。
(注)CRM(Customer Relationship Managementカスタマー リレーションシップ マネジメント)
事業の概要と特徴
[コンサルティング事業]
物流事業者が内製化しにくい安全活動を短時間で実現するノウハウを築き上げ、安全活動を継続的に最適化するサービス「TRYESプログラム(注)」を展開しております。当社に安全活動をアウトソースすることで、管理者が行わなければならない業務を削減することができます。
TRYESプログラムは、TRYESサポート(対面型)とTRYESレポート(クラウド型)の2つのサービスで構成されております。
(注)「TRYESプログラム」:従業員全員が意欲的にTRY(トライ)できる仕組みづくりとYES(イエス)と共感できる組織づくりを目的とした安全活動を支援するプログラム。
また、このコンサルティング事業での様々な取組について、2006年5月に社団法人自動車技術会が主催する春季学術講演会において燃費と交通事故の関係を示す研究結果として「エコドライブ活動による燃費改善と交通事故低減」を発表し、「自動車技術会論文集Vol.38 NO.3 May 2007」に掲載されました。また、エコドライブを世界に広げるため、2014年10月に国連本部で開催された国連エコドライブカンファレンスにて同研究結果の発表を行いました。
a.TRYESサポート(対面型サービス)
物流事業者に特化した安全活動のアウトソーシングサービスです。物流事業者の燃費と事故のデータを正確かつリアルタイムに伝わりやすい情報として構築します。そのデータを元に、現場で実践活用するためのノウハウを持った専門スタッフがご訪問し、短時間で効果的な安全教育を行うサービスです。
b.TRYESレポート(クラウド型サービス)
物流事業者に特化した安全活動支援の定額クラウドサービスです。充実した教育コンテンツと管理者の負担を減らす機能で、継続した安全活動やドライバー教育を実現します。
法令に沿った「法定12項目」の教育資料提供をはじめ、ドライバーが継続して実践できる教材を提供します。
[CRMイノベーション事業]
コンサルティング事業の現場で蓄積された安全活動のデータベースを応用し、エコドライブにつながるメッセージで支援しています。車両の走行データや運転行動データを収集・解析し、あたかも人が対応したかのようなOne to Oneメッセージで円滑なコミュニケーション支援をします。
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a.メッセージングサービス 自動車メーカーが展開する「コネクティッドカー」から得られた膨大な走行データから運転特性を分析し、独自のメッセージング技術で安全運転やエコドライブ習慣の定着に役立つメッセージを生成するシステムを開発し、運用しております。 |
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b.その他
公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団からのエコドライブ活動コンクールなどの受託業務を行っております。
[通信ネットワークソリューション事業]
創業当初からの事業として一般企業を対象としたビジネスフォン・複合機・サーバー・ネットワーク機器などの企業向けICT機器の導入から施工、保守運用、コスト最適化まで、トータルで支援しています。事務所拡張、レイアウト変更、移転、出店などのスポット的な対応から、総合的な保守サービスまで、法人を対象にした最適なICTソリューションの提供を行っております。
a.ICT機器販売・工事
当事業は創業当時から行っており、東海地区を中心に約3,000社の取引事業者を保有し、ビジネスフォン・複合機・サーバー・ネットワーク機器などの企業向けICT機器の導入から施工、保守運用、コスト最適化まで、トータルで支援しています。
b.その他
ASUA NET(インターネットプロバイダー)及び保守業務を行っております。
以上に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の資産につきましては1,450,591千円となり、前事業年度末に比べ283,847千円増加いたしました。この主たる要因は、新規上場に伴う新株発行等により現金及び預金が256,333千円、売掛金及び契約資産が14,657千円、それぞれ増加したこと等によるものです。
(負債)
当事業年度末の負債につきましては394,369千円となり、前事業年度末に比べ200,948千円減少いたしました。この主たる要因は、短期借入金が85,000千円、契約負債が66,971千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が47,250千円、それぞれ減少したこと等によるものです。
(純資産)
当事業年度末の純資産につきましては1,056,221千円となり、前事業年度末に比べ484,795千円増加いたしました。この主たる要因は、上場に伴う新株発行等により、資本金及び資本剰余金がそれぞれ188,722千円増加したこと等によるものです。
②経営成績の状況
当事業年度における経済の状況は、国内では円安及び物価上昇の継続が個人消費に影響を及ぼしており、海外では米国の政策動向、中東地域の地政学的リスク、ならびに金融資本市場の変動など、不確実性の高い要因が複数存在しております。
このような状況のなか、当社の主力事業が対象とする物流業界では、2024年問題への対応を契機に、物流効率化法及び改正貨物自動車運送事業法「新物流2法」の施行を通じて、業界構造の転換が進行しております。これにより、管理者選任や定期講習の義務化など、安全対策へのニーズが高まっており、当社サービスの販売促進などを中心に事業規模の拡大に努めてまいりました。
当事業年度における売上高は、コンサルティング事業及び通信ネットワークソリューション事業のサービスが拡大したことなどにより、前事業年度に比べ増収となり、過去最高の売上高となりました。営業利益、経常利益につきましては、人材への積極的な投資を行ったことや営業外費用に上場関連費用を計上したものの、前事業年度に比べ増益となりました。なお、当期純利益につきましては、ノンコアビジネスからの撤退に伴う減損損失を特別損失に計上したことなどにより、前事業年度に比べ減益となりました。
その結果、当事業年度における売上高は1,392,627千円(前事業年度比2.1%増)、営業利益は198,396千円(同20.8%増)、経常利益は175,803千円(同4.9%増)、当期純利益は105,891千円(同10.5%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(イ)コンサルティング事業
対象顧客である物流業界は、2024年問題や2025年4月1日に施行された物流効率化法及び改正貨物自動車運送事業法「新物流2法」の施行を通じて、業界構造の転換が進行しております。そのような背景もあり、コンサルティングサービス「TRYESサポート」が順調に推移したこと、安全活動支援の定額クラウドサービス「TRYESレポート」の販売が拡大したことなどから、売上高は増加いたしました。
以上の結果、コンサルティング事業の売上高は773,691千円(前事業年度比9.9%増)、セグメント利益は305,635千円(同7.6%増)となりました。
(ロ)CRMイノベーション事業
モビリティ領域におけるメッセージングサービスは順調に推移しているものの、システム開発案件にて納品遅延、またノンコアビジネスからの撤退により売上高は減少いたしました。
以上の結果、CRMイノベーション事業の売上高は213,703千円(前事業年度比32.7%減)、セグメント利益は64,574千円(同24.2%減)となりました。
(ハ)通信ネットワークソリューション事業
顧客事業所内で使用されるビジネスフォン、複合機及びネットワーク関連機器の販売が好調に推移したことから、売上高は増加いたしました。
以上の結果、通信ネットワークソリューション事業の売上高は405,231千円(前事業年度比18.5%増)、セグメント利益は78,839千円(同28.5%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は前事業年度に比べ256,333千円増加し、812,542千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは96,460千円の収入(前事業年度は126,186千円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額38,684千円及び契約負債の減少66,971千円があったものの、税引前当期純利益165,105千円、減価償却費21,572千円があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは52,455千円の支出(前事業年度は21,807千円の支出)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出38,436千円によります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは212,328千円の収入(前事業年度は64,225千円の支出)となりました。これは主に短期借入金の減少85,000千円、長期借入金の返済による支出47,250千円、上場関連費用の支出13,546千円があったものの、株式の発行による収入369,952千円があったことによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
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|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
コンサルティング事業 |
773,691 |
109.9 |
|
CRMイノベーション事業 |
213,703 |
67.3 |
|
通信ネットワークソリューション事業 |
405,231 |
118.5 |
|
合計 |
1,392,627 |
102.1 |
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当事業年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
一般社団法人東京都トラック協会 |
176,708 |
13.0 |
176,347 |
12.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
(固定資産の減損)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定は慎重に検討しておりますが、将来の事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定の変更により、回収可能価額が減少した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社は、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定の変更により、将来の課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度における売上高は、主力のコンサルティング事業における「TRYESレポート」の販売が拡大したことにより1,392,627千円(前事業年度比2.1%増)となりました。利益につきましては、売上原価が増加しておりますが、売上高の増加、販売費及び一般管理費の減少により営業利益は198,396千円(同20.8%増)、経常利益は175,803千円(同4.9%増)、当期純利益は105,891千円(同10.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績等に関する分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社における資金需要の主なものは、商品の仕入及び外注費、従業員に支払う給与といった事業成長に伴う運転資金、並びに新規のシステム投資であります。事業拡大のための資金については、これまで自己資金及び金融機関からの借入金により対応しております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑦経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載の通り、当社は、売上・利益の成長、顧客満足度の向上に向けて取り組みながら企業価値の最大化を目指すため、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高営業利益率、TRYESサポート年間実施件数、TRYESレポート契約社数(期末時点)及びTRYESレポート登録人数(期末時点)を重要な経営指標として位置付けております。
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前事業年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当事業年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
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売上高営業利益率 |
12.0% |
14.2% |
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TRYESサポート年間実施件数 |
2,648回 |
2,732回 |
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TRYESレポート契約社数(期末時点) |
444社 |
635社 |
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TRYESレポート登録人数(期末時点) |
13,605人 |
22,400人 |