2024年11月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

ビジネスソリューション事業 人材ソリューション事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
ビジネスソリューション事業 15,016 58.6 - - -
人材ソリューション事業 10,620 41.4 - - -

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、2024年11月30日現在、当社及び子会社9社(株式会社エスプールヒューマンソリューションズ、株式会社エスプールプラス、株式会社エスプールロジスティクス、株式会社エスプールリンク、株式会社エスプールセールスサポート、株式会社エスプールグローカル、株式会社エスプールブルードットグリーン、株式会社エスプールブリッジ、世霹股份有限公司(Shipeee))により構成されております。当社グループの事業における当社及び当社子会社の位置付け、並びにセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。

 

[ビジネスソリューション事業]

 ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者の就労に適した農園を企業に貸し出し、主に知的障がい者の採用・教育から定着までを支援するサービスを行っています。株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニア等のフリーランス人材を企業の経営課題や業務課題の解決に役立てるサービスを提供しています。

 後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販商品の発送を代行する物流サービスを行っています。株式会社エスプールリンクは、アルバイトやパートの採用業務を代行するサービスを提供しており、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得業務や販売促進業務を行っています。株式会社エスプールブルードットグリーンは、温室効果ガス(GHG)排出量の算定や環境情報の開示に関するコンサルティング、カーボンオフセット仲介など、企業の環境経営を支援するサービスを提供しています。株式会社エスプールグローカルでは、複数の自治体の行政業務を一括で受託する広域行政BPOサービスを行っています。

 

[人材ソリューション事業]

 人材ソリューション事業は、人材派遣サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンター等のオフィスサポート業務とスマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務、ホテル業など接客業務に関する人材サービスを展開しています。サービスの特徴は、フィールドコンサルタント(FC)と呼ばれる同社の従業員と派遣スタッフをチームで派遣する「グループ型派遣」の形態を採用している点になります。派遣先に常駐するFCが派遣スタッフを現場で手厚くフォローすることで、未経験者を短期間で育成できるだけでなく定着率の向上にもつながり、顧客満足度の向上とシェア拡大につながっています。

 

(事業系統図)

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の増加などにより緩やかな回復基調で推移しました。一方で、原材料及びエネルギー価格の高騰や円安による物価高、地政学的リスクの高まり、金融市場の不安定化など、先行きは依然として不透明な状況が続いています。

 このような状況下、当社グループは、社会的価値と経済的価値創出の両立を経営の基本方針として、社会貢献性が高く、付加価値の高い事業を複数展開するポートフォリオ経営を推進してまいりました。その中でも優良な顧客基盤を有し、高い成長が期待できる「障がい者雇用支援サービス」、「環境経営支援サービス」、「広域行政BPOサービス」を重点注力分野と定め事業拡大に注力しています。

 ビジネスソリューション事業においては、ロジスティクスアウトソーシングサービスを除き、ほぼ全ての事業で増収増益となりました。特に障がい者雇用支援サービス、環境経営支援サービス、広域行政BPOサービスの主力3事業が堅調に推移し、業績を牽引しました。一方、人材派遣サービスを主力とする人材ソリューション事業については、減収減益となりましたが、当第4四半期には、コールセンター業務に需要回復の兆しが見られ、売上が底打ちしてきました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上収益は25,554百万円(前連結会計年度比0.9%減)、営業利益は2,783百万円(前連結会計年度比0.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,099百万円(前連結会計年度比21.4%増)となりました。

 

 当連結会計年度のセグメント業績(セグメント間内部取引消去前)は以下のとおりであります。

 

(ビジネスソリューション事業)

[事業概要]

 ビジネスソリューション事業では、シニアや障がい者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供しています。前者においては、株式会社エスプールプラスが、障がい者の就労に適した農園を企業に貸し出し、主に知的障がい者の採用・教育から定着までを支援するサービスを行っています。株式会社エスプールでは、様々な経験やノウハウを有するシニアを企業の経営課題や業務課題の解決に役立てるサービスを提供しています。

 後者のアウトソーシングサービスでは、株式会社エスプールロジスティクスが、通販商品の発送を代行する物流サービスを行っています。株式会社エスプールリンクは、アルバイトやパートの採用業務を代行するサービスを提供しており、株式会社エスプールセールスサポートでは、対面型の会員獲得業務や販売促進業務を行っています。株式会社エスプールブルードットグリーンは、温室効果ガス(GHG)排出量の算定や環境情報の開示に関するコンサルティング、カーボンオフセット仲介など、企業の環境経営を支援するサービスを提供しています。株式会社エスプールグローカルでは、複数の自治体の行政業務を一括で受託する広域行政BPOサービスを行っています。

[当連結会計年度の経営成績]

 障がい者雇用支援サービスは、2024年4月の法定雇用率の引き上げ以降、企業からの引き合いが強い状況が続いており、営業活動は好調に推移しました。障がい者の採用・教育の遅れにより、設備販売の一部が翌期にずれ込んだものの、設備販売の値上げや人材紹介の上振れにより、売上・利益ともに計画を上回りました。広域行政BPOサービスについては、定額減税に関連した業務が大きく伸びたことで、通期の売上は前年を超え、利益面も大幅に改善しました。環境経営支援サービスは、コンサルティングサービスの納品が集中したことにより、当第4四半期に売上が続伸しました。企業向けサービスの受注増に加え、新たに開始した自治体向けサービスも順調に立ち上がったことで、大幅な増収増益となりました。その他サービスでは、採用支援サービスが生産性の向上等により利益面を中心に堅調な伸びとなりました。セールスサポートサービスは、全国の主要都市に拠点を開設したことで、大規模キャンペーンの受託が進み、売上が大きく増加しました。一方、ロジスティクスアウトソーシングサービスは、物流センターの運営代行業務からの撤退などの影響により減収減益となりました。

 その結果、当連結会計年度の売上収益は15,016百万円(前連結会計年度比19.6%増)、営業利益は3,699百万円(前連結会計年度比21.7%増)となりました。

 

(人材ソリューション事業)

[事業概要]

 人材ソリューション事業は、人材派遣サービスを主力とする株式会社エスプールヒューマンソリューションズが提供するサービスで、コールセンター等のオフィスサポート業務とスマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務、ホテル業など接客業務に関する人材サービスを展開しています。サービスの特徴は、フィールドコンサルタント(FC)と呼ばれる同社の従業員と派遣スタッフをチームで派遣する「グループ型派遣」の形態を採用している点になります。派遣先に常駐するFCが派遣スタッフを現場で手厚くフォローすることで、未経験者を短期間で育成できるだけでなく定着率の向上にもつながり、顧客満足度の向上とシェア拡大につながっています。

[当連結会計年度の経営成績]

 主力のコールセンター向けの人材派遣サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症関連の売上減少に加え、新規案件の需要が非常に弱かったため、大幅な減収減益となりました。販売支援業務については、人材の不足感が強いインバウンド関連の業務に注力しましたが、採用条件が厳しく、派遣スタッフの稼働を計画通り伸ばすことができませんでした。コールセンター業務、販売支援業務ともに厳しい状況が続きましたが、当第4四半期には、コールセンター業務に需要回復の兆しが見られ、売上の底打ち感がでてきました。また、需要拡大が続く建設業領域の人材派遣サービスが開始となりました。

 その結果、当連結会計年度の売上収益は10,620百万円(前連結会計年度比20.2%減)、営業利益は867百万円(前連結会計年度比31.5%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の現金及び現金同等物は435百万円増加し、3,814百万円となりました。各活動によるキャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比973百万円増加の5,071百万円の収入(前連結会計年度は4,097百万円の収入)となりました。これは、税引前利益が2,569百万円であったのに加え、減価償却費及び償却費が3,394百万円、営業債権及びその他の債権の増加が1,037百万円、及び法人所得税の支払額が816百万円あったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比1,178百万円減少の3,393百万円の支出(前連結会計年度は4,572百万円の支出)となりました。これは、主に株式会社エスプールプラスの新農園建設等による有形固定資産の取得による支出3,264百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、1,242百万円の支出(前連結会計年度は640百万円の収入)となりました。収入及び支出の内訳は、短期借入金の追加借入による収入700百万円、長期借入金の追加借入による収入2,000百万円、長期借入金の返済965百万円、リース負債の返済による支出2,189百万円、配当金の支払額787百万円です。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当社グループは、主に人材派遣・業務請負を中心とした人材関連アウトソーシング事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。

 

(b)受注実績

 生産実績と同様の理由により、記載しておりません。

 

(c)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比(%)

ビジネスソリューション事業

15,016

119.6

人材ソリューション事業

10,620

79.8

調整額

△81

合計

25,554

99.1

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 本項の全ての財務情報は、本書に記載している連結財務諸表及び財務諸表に基づいております。また、本項に記載した将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要性がある会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。

 

② 財政状態

 当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末から1,652百万円増加し、8,777百万円となりました。ビジネスソリューション事業の売上収益が増加したことにより営業債権及びその他の債権が1,037百万円増加しております。

 当連結会計年度末の非流動資産は、前連結会計年度末から4,682百万円増加し、30,937百万円となりました。障がい者雇用支援サービス拡大のため、株式会社エスプールプラスにて、新規農園の建設や既存農園の増設をしており、有形固定資産が2,087百万円、使用権資産が2,404百万円増加しております。

 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末から2,366百万円増加し、11,527百万円となりました。短期借入金の追加借入及び1年内返済予定の長期借入金の振替により借入金(流動)が1,099百万円増加しております。

 当連結会計年度末の非流動負債は、前連結会計年度末から2,636百万円増加し、18,360百万円となりました。新規農園の開設等による土地及び建物の賃貸によりリース負債(非流動)が2,068百万円増加しております。

 当連結会計年度末の資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益により2,099百万円増加し、一方、第24期期末配当により790百万円減少し、9,826百万円となりました。

 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

親会社所有者帰属持分比率

25.5%

24.8%

有利子負債自己資本比率

233.1%

244.0%

 

 

③ 経営成績

 当連結会計年度における売上収益は25,554百万円(前連結会計年度比229百万円減)、売上総利益は9,454百万円(前連結会計年度比546百万円増)、販売費及び一般管理費は6,709百万円(前連結会計年度比485百万円増)、営業利益は2,783百万円(前連結会計年度比6百万円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,099百万円(前連結会計年度比369百万円増)となっております。

 

イ 売上収益

 事業別の外部顧客に対する売上収益の増減は以下のとおりです。

 

前連結会計年度(百万円)

構成比(%)

当連結会計年度(百万円)

構成比(%)

増減

(百万円)

前連結会計年度比(%)

ビジネスソリューション事業

12,502

48.5

14,966

58.6

2,463

119.7

人材ソリューション事業

13,281

51.5

10,588

41.4

△2,692

79.7

合計

25,784

100.0

25,554

100.0

△229

99.1

 ビジネスソリューション事業は、12期連続の二桁増収となりました。障がい者雇用支援サービスは、2024年4月の法定雇用率の引き上げ以降、企業からの引き合いが強い状況が続いており、営業活動は好調に推移しました。障がい者の採用の遅れにより、設備販売の一部が翌期にずれ込んだものの、設備販売の値上げや人材紹介の上振れの効果により、売上・利益ともに計画を上回りました。広域行政BPOサービスについては、定額減税に関連した業務がピークを迎え、当第4四半期も順調に推移し、通期の売上は前年を超え、利益面も大幅に改善しました。環境経営支援サービスは、コンサルティングサービスの納品が集中したことで、当第4四半期は売上が伸長しました。企業向けサービスの受注増に加えて、新たに開始した自治体向けサービスも順調に立ち上がり、大幅な増収増益となりました。その他サービスでは、採用支援サービスは、生産性の向上などにより、利益面を中心に堅調な伸びとなりました。セールスサポートサービスは、全国の主要都市に拠点を開設したことで、大規模キャンペーンの受託が進み、売上が大きく増加しました。一方、ロジスティクスアウトソーシングサービスは、物流センターの運営代行業務からの撤退などの影響により減収減益となりました。

 人材ソリューション事業は、大幅な減収となりました。主力のコールセンター向けの人材派遣サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症関連の売上減少に加えて、新規案件の需要が非常に弱く、売上が大きく落ち込みました。販売支援業務については、人材の不足感が強いインバウンド関連の業務に注力しましたが、採用条件が厳しく伸び悩む結果となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度比229百万円減の25,554百万円となりました。

 

ロ 売上総利益率

 売上総利益率は、利益率の高いビジネスソリューションが順調に伸びたことで、前連結会計年度から2.5ポイント増加し37.0%となりました。セグメント別では、ビジネスソリューション事業の売上総利益率は50.0%、人材ソリューション事業の売上総利益率は19.2%となりました。

 

ハ 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度から485百万円増加し、6,709百万円となりました。主な費目別の内訳は以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(百万円)

売上に対する比率(%)

当連結会計年度

(百万円)

売上に対する比率(%)

前連結会計年度比

(%)

従業員給付費用

3,358

13.0

3,733

14.6

111.2

減価償却費及び償却費

842

3.3

1,061

4.2

126.0

登録スタッフ募集費

255

1.0

224

0.9

87.8

地代家賃・賃借料

261

1.0

228

0.9

87.4

その他

1,506

5.8

1,462

5.7

97.1

合計

6,223

24.1

6,709

26.3

107.8

 

 前連結会計年度と比較して、販売費及び一般管理費は485百万円増加しておりますが、その主な要因は、事業拡大に向けた人員の積極的な採用であります。従業員給付費用の増加だけで375百万円と増加額の約77%を占めます。その他、事業の拡大に伴った拠点の拡大移転・新設により減価償却費及び償却費が増加しております。事業別の販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

前連結会計年度比

(%)

ビジネスソリューション事業

3,359

3,802

113.2

人材ソリューション事業

1,309

1,167

89.1

調整額

1,555

1,739

111.9

合計

6,223

6,709

107.8

 その他の損益項目では、採用支援サービス及び広域行政BPOサービスに係る助成金64百万円をその他の収益に、固定資産除却損30百万円をその他の費用に、それぞれ計上しております。

 以上の結果、営業利益は前連結会計年度比6百万円増の2,783百万円となりました。

 

ニ 金融収益及び費用

 金融費用項目には、支払利息205百万円を計上しております。

 

ホ 次期の見通し

 各セグメントにおける2025年11月期の事業戦略は、以下のとおりとなります。

 ① ビジネスソリューション事業

 障がい者雇用支援サービスについては、前年の法定雇用率の引き上げに伴い、引き続き高い需要が見込まれます。そのような中、2025年11月期は、従来の3大都市圏での農園展開により、これまで通りの成長を見込んでいますが、将来のさらなる成長を目指し、農園サービスの全国展開に向けた準備を進めてまいります。「わーくはぴねす農園」を2026年から順次7大都市圏へ拡大するとともに、地方都市での展開も視野に入れ、小規模農園モデルの開発にも着手していきます。広域行政BPOサービスにおいては、前期同様に下期偏重の計画となりますが、国策に関連する業務の見込み案件は前期より増加しています。取引実績のある自治体を中心に営業を強化することで、これらの案件を確実に受注できるよう努めてまいります。また、並行して安定収益の基盤となる広域行政業務の積み上げにも注力していきます。環境経営支援サービスは、企業向けのコンサルティングを中心とした拡大を計画しています。新規顧客の獲得と既存顧客の継続率向上を両輪として、シェア拡大に積極的に取り組むとともに、サービスメニューの拡充により顧客の深耕を図ることで、業界トップを目指していきます。その他のサービスでは、採用支援サービスおよびセールスサポートサービスは前期同様の成長を見込んでいますが、ロジスティクスアウトソーシングサービスは、センター運営の改善に時間を要しており、当面は苦戦が続く見通しです。

 

 ② 人材ソリューション事業

 コールセンター向けの人材派遣サービスは、売上回復を目指し、シェア拡大に取り組んでまいります。顧客目線でのサービス強化に取り組むことで、他社との差別化を図り、選ばれる人材派遣会社を目指します。具体的には、サービスの特徴である派遣先に常駐する社員(フィールドコンサルタント)のコンサルティング機能を強化し、専門性を高めていきます。また、派遣スタッフのフォローにも注力し、定着率を向上させることで、顧客企業の生産性向上に寄与してまいります。また、新たに開始した建設業領域の人材派遣サービスの拡大に向け、体制の強化を図り、早期の立ち上げを目指してまいります。

 

④ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローは5,071百万円の収入(前連結会計年度は4,097百万円の収入)となりました。税引前利益が2,569百万円であったのに加え、減価償却費及び償却費が3,394百万円、営業債権及びその他の債権の増加が1,037百万円、及び法人所得税の支払額が816百万円発生した結果、営業活動によるキャッシュ・フローの収入は前連結会計年度に比べて973百万円増加することとなりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは3,393百万円の支出(前連結会計年度は4,572百万円の支出)となりました。これは、拡大が続く障がい者雇用支援サービスを中心に、積極的に実施した設備投資等に伴う有形固定資産の取得による支出3,264百万円によるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは1,242百万円の支出(前連結会計年度は640百万円の収入)となりました。

これは、短期借入金の追加借入による収入700百万円、長期借入金の追加借入による収入2,000百万円、長期借入金の返済965百万円、リース負債の返済による支出2,189百万円、配当金の支払額787百万円によるものです。

 当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物の残高は3,814百万円であります。今後も、障がい者雇用支援サービスを中心として当連結会計年度以上の投資を予定しております。中期的には現状の利益率が維持できれば、営業キャッシュ・フローの収入によって投資活動によるキャッシュ・フローによる支出を賄えるものと考えておりますが、短期的には営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動によるキャッシュ・フローの支出を下回ることもあるものと思われます。しかし、コミットメントライン契約の借入未実行残高も含め、本報告書提出日現在ではこの投資活動を含めた事業遂行に必要な流動性が確保されていると考えております。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要の主なものは、事業投資資金と経常運転資金の2つであります。事業投資資金には、障がい者雇用支援サービスのための農園建設資金、事業買収に係る資金、拠点開設や移転・増床のための資金及びサーバーやソフトウエア等のIT関連投資資金があります。これらのうち、前者の事業投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金及び長期借入金による調達を基本とし、状況に応じて銀行からの短期借入金にて対応する等柔軟な調達を行っております。一方、後者の経常運転資金については、自己資金を基本としつつ必要に応じて銀行からの短期借入金により調達しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は24,004百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,814百万円となっております。

 株主還元につきましては、事業投資資金(成長投資)及び経常運転資金(手許現金)を優先させた上で、連結配当性向を30%以上とすることを目標として、安定的な株主還元に努めてまいります。

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するために収益性を重視しております。その指標としましては、連結売上営業利益率10%以上の継続的な維持を目指しています。

 当連結会計年度における連結売上高営業利益率は、前連結会計年度から0.1ポイント改善して10.9%であり、引き続き当該指標の維持・改善に邁進していく所存でございます。

 

セグメント情報

5.セグメント情報

(1)報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、アウトソーシング、人材派遣等の役務提供を主な事業としており、提供するサービスの特性から、報告セグメントを「ビジネスソリューション事業」、「人材ソリューション事業」の2つとしております。

 「ビジネスソリューション事業」は、主に障がい者雇用支援サービス及び広域行政BPOサービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、環境経営支援サービスであります。その他、セールスプロモーション分野のアウトソーシングサービスや採用支援サービスも含まれております。

 「人材ソリューション事業」は、人材派遣、人材紹介等、人材に係わるサービスを提供しており、主要な業務はオフィスサポート人材派遣事業と販売支援人材派遣事業であります。

 

(2)報告セグメントに関する情報

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、注記「3.重要性がある会計方針」における記載のとおりであります。

 セグメント間の売上収益は、市場価格に基づいております。また、報告セグメントの利益は営業利益の数値であります。

 なお、当社グループは、内部管理上、事業セグメントに資産を配分しておりませんが、減価償却費及び償却費は配分しております。

 

前連結会計年度(自 2022年12月1日 至 2023年11月30日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額(注)2

連結

 

ビジネス

ソリューション

事業

人材

ソリューション

事業

売上収益

 

 

 

 

 

外部収益

12,502

13,281

25,784

25,784

セグメント間収益

52

29

82

△82

合計

12,555

13,310

25,866

△82

25,784

セグメント利益(注)3

3,040

1,265

4,306

△1,529

2,777

金融収益

0

金融費用

127

税引前利益

2,649

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

2,372

215

2,587

25

2,613

(注)1.当社グループは事業セグメントに資産の配分を行っていないため、資産の記載を行っておりません。

2.調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益の調整額△1,529百万円は、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,529百万円であります。また、全社費用は、当社の管理部門に係わる費用であります。

(2)減価償却費及び償却費の調整額25百万円は、各報告セグメントに配分していない共用資産及び当社の管理部門の減価償却費及び償却費であります。

3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

当連結会計年度(自 2023年12月1日 至 2024年11月30日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額(注)2

連結

 

ビジネス

ソリューション

事業

人材

ソリューション

事業

売上収益

 

 

 

 

 

外部収益

14,966

10,588

25,554

25,554

セグメント間収益

50

31

81

△81

合計

15,016

10,620

25,636

△81

25,554

セグメント利益(注)3

3,699

867

4,566

△1,783

2,783

金融収益

0

金融費用

214

税引前利益

2,569

その他の項目

 

 

 

 

 

減価償却費及び償却費

3,155

213

3,369

24

3,394

(注)1.当社グループは事業セグメントに資産の配分を行っていないため、資産の記載を行っておりません。

2.調整額は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益の調整額△1,783百万円は、各報告セグメントに配分していない全社費用△1,783百万円であります。また、全社費用は、当社の管理部門に係わる費用であります。

(2)減価償却費及び償却費の調整額24百万円は、各報告セグメントに配分していない共用資産及び当社の管理部門の減価償却費及び償却費であります。

3.セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。

 

(3)製品及びサービスに関する情報

 製品及びサービスの区分が報告セグメントと同一であるため、記載を省略しております。

 

(4)地域別に関する情報

 外部顧客への売上収益

 本邦の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の売上収益の大部分を占めるため、記載を省略しております。

 非流動資産

 本邦に所在している非流動資産の金額が連結財政状態計算書の非流動資産の大部分を占めるため、記載を省略しております。

 

(5)主要な顧客に関する情報

 外部顧客への売上収益のうち、連結損益計算書の売上収益の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。