2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    11名(単体) 5,489名(連結)
  • 平均年齢
    48.9歳(単体)
  • 平均勤続年数
    16.2年(単体)
  • 平均年収
    7,618,000円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    7.5%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1)【人材戦略に関する基本方針等】

 当社グループは人材派遣事業を中心に事業を営んでおりますので、「会社内部の人材に関する戦略」と「派遣社員に関する戦略」について、以下それぞれ記載いたします。

 

①人材戦略に関する基本方針

 人口減少や賃金上昇、AIの台頭に伴い、人材派遣・CRO業界は従来のビジネスモデルからの変革を迫られています。当社は、このような状況を踏まえ、プラットフォームを活用した事業構造の変革を推進し、デジタル技術と独自の強みを融合することで、『(1)人材派遣会社としての価値最大化』、『(2)プラットフォーム運営会社への転身』、『(3)AIと共存するCROモデルの確立』 を実現し、高利益体質なビジネスモデルを確立してまいります。

派遣事業では、プラットフォームによる仲介業務の自動化を極限まで進めて販管費を削減し、それをスタッフの待遇改善へ還元することで労働力確保を目指します。CRO事業においても、AIや自動化技術の導入で定型業務を徹底的に効率化し、人が担うべき高付加価値領域へ資源を集中させます。

これらを実現するために、当社は以下の人材育成方針および社内環境整備を推進しております。

 

ⅰ)会社内部の人材に関する戦略

 当社グループの中核を担う人材事業においては、『求職者と就業先の仲介』と『就業中の支援』の2つの価値の最大化に取り組んでいます。『求職者と就業先の仲介』の価値向上にあたっては、これまで「人」が担っていたあらゆるプロセスを、プラットフォームの導入によって自動化することを目指しており、その実現に向けて、IT人材の採用を行うとともに、AIと協働できるよう育成していくことが必要です。また、『就業中の支援』については、引き続き「人」が介在することによる付加価値が重要であると考えており、それを担う人員の採用・育成を継続していくことが重要な課題であると認識しています。

 CRO事業においては、生成AIや自動化技術の進歩により、「人」による定型作業は急速に代替される見通しです。当社はこの構造変化に正面から向き合い、プロセスの自動化・標準化に加え、業務の安定性と効率性を両立するセンター運営の強化を引き続き推進します。その上で、業務における判断やお客様対応、品質の担保、マルチタスク対応といった、「人」が担うべき実務価値領域に資源を集中させ、AIと共存する新たなCROモデルを確立します。特に、ドキュメント支援やPMS支援、臨床研究支援では、業務の標準化やAIを活用した文書作成支援ツールの導入、プロセスのデジタル化を進め、再現性と生産性の向上を図ります。

 

 これらを実現するため、待遇面の向上と働きやすい環境整備の両軸で人材投資を推進しています。まず、待遇面においては、持続的な報酬の引き上げを行っております。また、働きやすい環境を整備するため、労働時間の短縮やフルフレックス制度、長期休暇制度の導入などを行うとともに、本社をはじめとした各拠点の労働環境整備、在宅勤務を可能にする仕組みの構築なども実現してきました。特に、派遣スタッフの就業中の支援を担う社員の多くが、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方を必要とする中で、労働時間の裁量を認めることで、多様な働き方に対応出来る体制を整えています。

 

ⅱ)派遣社員に関する戦略

 人材派遣事業では、派遣スタッフの採用力と定着率を向上させることで、当社を通じて働く派遣社員の人数を増やすことが、事業成長に直結します。そのためには、派遣スタッフのスキルや市場価値を高めることで、顧客から高い評価を受けることで派遣料金をアップさせ、それを派遣社員に還元することで、採用力と定着率をさらに高めるという好循環を生み出すことが必要です。

 しかし、労働市場における人材獲得競争の激化により、人材確保のコストと難易度は高まり続けています。当社グループもその影響を受け、以前に比較して、思うように人材の確保が行えない状況になっています。この状況を打破し、十分な人材の確保をできる体制を整えることが、事業の成長を続ける上での最重要課題です。

 この課題に対応するため、当社グループでは処遇・採用・育成の各側面から人的投資を行っております。まず処遇面においては、過去4年間で累計15%の報酬引き上げを実施し、人材の確保および定着の強化を図ってきました。採用面では、正社員型派遣における転勤を伴わない地域限定採用を導入したことや、パート希望者、シニア層など、多様な人材が働きやすい採用体制の構築を進めてきました。育成面では、当社独自のカリキュラムによる技術研修に長年取り組むことで、多くの実務未経験者がそれぞれの望むキャリアを開始できるようにし、人材の市場価値向上に取り組んできました。また、就業期間中は定期的な面談およびプラットフォーム上で常に満足度を把握できるシステムによって、安心して長期的に就業できる環境も長年かけて磨き上げてきました。

 今後は、これらの仕組みをより一層磨き上げることと、プラットフォームをさらに進化させ、仲介機能を極限まで自動化することで、販管費を限界まで引き下げます。削減した販管費を原資に、派遣スタッフの報酬を他社が追随できない水準にまで引き上げることで、派遣社員から圧倒的な支持を受ける会社となり、成長を続けていきます。

 

②従業員給与等の決定方針

 当社グループは、それぞれの従業員の業務内容、役職、成果に応じた適切な報酬水準を設定しております。

 2025年度からはより適切に評価と連動した報酬制度の設計を進めており、2027年度からの導入を目指しています。

 また、より優秀な人材を確保するため、2022年度より従業員の大幅な給与改善を継続的に行っております。

 

(2)【従業員の状況】

①連結会社の状況

 

2026年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

人材サービス事業

4,844

(543)

CRO事業

634

(98)

全社(共通)

11

(3)

合計

5,489

(644)

(注)1.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数(時間給のフレックス社員及びパートタイマーを含みます。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

②提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

11

(3)

48.9

16.2

7,618

7.5

(注)1.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数(時間給のフレックス社員及びパートタイマーを含みます。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は純粋持株会社であるため、セグメント別の従業員数は記載しておりません。

4.当社の従業員は、子会社であるWDB株式会社からの出向であります。そのため、出向の従業員に係る平均勤続年数は、出向元の勤続年数を通算して算出しております。

 

③最大人員会社の状況

当事業年度における従業員数が最も多い会社

WDB株式会社

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

平均年間給与の

対前事業年度増減率

(%)

4,398

(380)

33.8

5.9

4,084

2.8

 

(注)1.従業員数は就業人員数であり、臨時雇用者数(時間給のフレックス社員及びパートタイマーを含みます。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.平均年齢、平均勤続年数および平均年間給与の算出対象には、時間給の従業員は含んでおりません。

 

④労働組合の状況

 労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

⑤管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の額の差異

 連結子会社

 

当事業年度

名称

管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合(%)

 (注)1.

男性労働者の育児休業取得率

  (%)

 (注)2.

労働者の男女の賃金の額の差異(%)

(注)1.

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

WDB㈱

77

0

72

79

99

WDB工学㈱

33

0

79

99

72

WDBココ㈱

64

67

80

77

73

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものになります。

 当社グループは、「新たなスタンダードを創出し、社会を変える会社でありたい」と考えています。この理念のもと健全な事業を営み、長期にわたって成長し続ける会社を目指します。多くの派遣スタッフ・社員にとって魅力的な仕事と報酬、労働環境を提供し続けることで、顧客に満足いただけるサービスを提供し、株主の期待に応え地域社会に貢献する会社であり続けたいと考えています。このため持続可能な社会の実現を経営課題と認識し、合わせてステークホルダーとの健全な関係維持を推進します。

 

(1)重視しているサステナビリティ項目

当社の考えるサステナビリティとは、「人材サービス・CROサービスを提供する会社として、将来にわたり発展し続けること」です。具体的には、「従業員、顧客、取引先や地域社会といったステークホルダーと良好な関係を維持すること」、「法令順守や機密保持、リスク管理の仕組みを機能させられる企業統治を行うこと」、「事業を発展させ続けられる地球環境を維持すること」を掲げています。当社の理念である「埋もれた価値を発掘し、新たな価値を創造していく会社」であり続けるためには、成長可能性のある事業へ経営資源を投入し、従業員、顧客、取引先に対し、高い利便性と生産性の高さを提供し続けることで、その事業や人材が持っている価値を最大限に発揮できなければなりません。このような考え方のもと、重視するサステナビリティ項目を次のように設定しています。

 ・人的資本(DE&I(ダイバーシティ・インクルージョン)、人材教育)

 ・IT推進による生産性の向上(ITプラットフォームビジネスへの転換)

 ・情報管理・倫理(派遣先との信頼性確保)

 ・コンプライアンス・内部統制(法令遵守)

 

一方、気候変動関連リスクが企業経営に関わるリスクとしてとらえられる中、脱炭素化等に対する取組が、企業における重要な社会的使命として期待されています。このような社会的要請を踏まえ、「事業を発展させ続けられる地球環境を維持すること」は、記載のサステナビリティの項目の中でも、各ステークホルダーとの健全な関係を維持、推進するうえで、今まで以上に重要性が高まっていると認識しております。

当社のサステナビリティに対する考え方および取り組みの詳細については、下記の当社ウェブサイトもご参照ください。

https://www.wdbhd.co.jp/sustainability/

 

(2)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社では、サステナビリティに関する課題を、長期的な企業価値に直結する経営課題として認識しており、それぞれの重要課題(マテリアリティ)に対して、以下のような対応方針およびガバナンス・リスク管理体制を構築しています。特に人的資本に関するサステナビリティを重視しており、管理指標の設定とその状況をモニタリングし、退職率の悪化など、リスク要因が認識された場合には、対応策を検討しています。

 

重要項目

対応方針

ガバナンス・リスク管理体制

人的資本

(DE&I・人材教育)

多様な人材の採用・登用

人材属性データの把握と偏り分析

教育研修・キャリア形成支援

戦略会議による施策進捗の定期モニタリング

IT推進

ITによる生産性向上

経営会議にて開発状況と活用度をモニタリング

ITプラットフォーム導入

情報管理・倫理

情報セキュリティ強化

情報管理に関する内部監査の定期実施

関係者向け教育研修の実施

研修実施状況の定期管理

コンプライアンス・

内部統制

全社的なコンプライアンス研修実施

研修受講率・内部監査結果の定期報告とフォローアップ

内部統制制度の強化

気候変動リスク

環境負荷低減の取り組み(ペーパーレス化、オンライン業務推進など)

関連KPI(電力使用量等)の社内モニタリングとレビュー

 

(3)目標とする指標及び戦略

当社は、サステナビリティに関する各重要課題(マテリアリティ)に対し、明確な対応方針と管理指標(KPI)を定め、取締役会・経営会議等を通じてガバナンス・リスク管理体制のもとで状況把握を行っています。以下に、各項目別の戦略と指標を整理して示します。

 

重要項目

戦略の方向性

管理指標(KPI)

管理体制・進捗確認

人的資本(DE&I、人材育成)

・多様な人材の採用、登用

・派遣社員の安定就業支援

・スキルアップ研修の拡充

・女性管理職比率:43%

・中途採用比率:76%(管理職44%)

・派遣社員退職率(具体的な数値は競合他社との関係のため非開示)

・キャリア研修受講数、転職支援実績

・戦略会議で定期モニタリング

・属性データの把握・分析

・経営層による研修評価・改善指示

IT推進

(プラットフォーム化)

・業務効率化とプラットフォーム事業の確立

・業務自動化対象業務比率(年度ごとに目標設定)

・顧客満足度(CS)スコア

・経営会議にて進捗確認と課題対応

情報管理・倫理

・情報セキュリティ体制の強化

・派遣先との信頼性確保

・情報漏洩ゼロ継続

・教育研修受講率:100%

・内部監査による評価と是正措置

・年次レビュー報告

コンプライアンス・内部統制

・教育・監査によるリスク管理強化

・内部監査指摘事項是正率:100%

・研修受講率:100%

・取締役会・監査部門が定期的にレビュー

環境対応

(気候変動)

・ペーパーレス化、省エネ推進

・コピー用紙使用量

・電力使用量

・環境指標の社内モニタリング

・年次サステナビリティレポートで確認

 

 上記の指標および戦略は、当社の事業特性とステークホルダーの期待に即した形で設定されており、企業価値向上と持続可能な成長の両立を図るための具体的な指針となっています。今後も各指標について定点観測を行いつつ、項目についても定期的に見直しを行い、実効性のある施策の実施と進捗管理を継続してまいります。

 

(4)気候変動への対応

 気候変動関連リスクが企業経営に関わるリスクとしてとらえられる中、脱炭素化等に対する取組みは、企業の重要な社会的使命です。このような社会的要請を踏まえ、「事業を持続的に発展させることができる地球環境を維持すること」を、サステナビリティの中でも重要なものと位置付けています。その認識に立ち、ガバナンス、戦略、指標および目標について以下の通り開示します。

 

① ガバナンス

気候変動のリスクおよび機会に対する当社グループのガバナンスは、(3)目標とする指標及び戦略に記載の通りです。

 

② 戦略

気候変動に伴うリスクおよび機会を踏まえた戦略について検討するため、当社はIEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(1.5℃シナリオおよび4℃シナリオ)の分析を実施しました。その結果は以下の通りです。

 

区分

要因

当社への影響概要

影響度合い

対応策

1.5℃
シナリオ

4.0℃
シナリオ

移行

リスク

炭素税

炭素税の課税によりコストが増加する

GHG排出量を減らすことによってコストを低減する

物理

リスク

建物・設備の

水没・損壊

自然災害の激甚化に伴い、建物・設備などの当社資産が毀損し、復旧コストが発生する

防災対策をできる限り低コストで行うことで、コストを抑えつつ事業に影響を及ぼさないようにする

物理

リスク

防災対策・

BCPコストの増加

上記の問題を回避するために、防災対策およびBCPにコストを投じる必要が生じる

物理

リスク

災害による

売上減少・損失発生

自然災害の激甚化によって顧客の設備および公共交通機関が被害を受け、派遣サービスを一時的に提供できなくなる

派遣契約に休業補償を導入することで業績への影響を最小限に留める

物理

リスク

気温上昇によって

冷房コスト増加

平均気温の上昇により、オフィスの冷房コストが増加する

空調効率の高いオフィスに入居することでコスト増加を最小限に食い止める

機会

環境関連の

派遣依頼増加

環境問題を解決することを目指した研究開発の依頼が増加し、売上・利益につながる

依頼に応えられるようスタッフを確保する

 

③ 指標および目標

当社グループはGHG排出量およびエネルギー、水、紙の使用量についてモニタリングを行っております。上記の項目について、今後の目標は設定していませんが、できる限りの低減に努めることで環境負荷低減に寄与し、企業としての社会的責任を果たすとともに、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。データおよび詳細は下記の当社ウェブサイトに記載の通りです。

https://www.wdbhd.co.jp/assets/pdf/sustainability/data.pdf