2026年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

宝酒造 宝酒造インターナショナルグループ タカラバイオグループ その他
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
宝酒造 119,122 28.8 5,729 30.8 4.8
宝酒造インターナショナルグループ 221,888 53.7 14,201 76.3 6.4
タカラバイオグループ 40,318 9.7 -4,688 -25.2 -11.6
その他 32,200 7.8 3,358 18.1 10.4

3【事業の内容】

 当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社68社および関連会社2社で構成され、「宝酒造」が営む国内での酒類・調味料の製造・販売、「宝酒造インターナショナルグループ」が営む海外での酒類の製造・販売、海外の日本食レストラン等への日本食材などの販売、「タカラバイオグループ」が営む試薬、機器などの開発・製造・販売や受託および遺伝子医療を主たる事業としており、この3つは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。当社は、持株会社として各事業会社を統括するほか、グループ各社の間接業務の受託や不動産賃貸事業を行っております。

 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 セグメントにおける当社グループの事業内容とその位置付けは次のとおりであります。

[宝酒造]

 宝酒造株式会社は、国内において焼酎、清酒およびソフトアルコール飲料など酒類全般ならびに本みりんなどの酒類調味料、食品調味料および原料用アルコールの製造・販売を行っております。

 当セグメントに携わる子会社は宝酒造株式会社であります。

[宝酒造インターナショナルグループ]

 宝酒造インターナショナル株式会社は、グループ会社の管理、宝酒造株式会社の酒類・調味料製品の輸出販売を行っております。

 Takara Sake USA Inc.は、米国カリフォルニア州において主に清酒の製造を行い、宝酒造株式会社が供給する酒類製品ともども米国一円に販売しております。The Tomatin Distillery Co.Ltdは、スコッチウイスキーの製造・販売を行っており、Age International,Inc.は、バーボンウイスキーを販売しております。

 Mutual Trading Co.,Inc.(同社の子会社含む)は、日本食材、調味料、酒類などのほか、レストランの調理器具や食器類に至るまで幅広いアイテムを取り扱い、米国を中心に卸売業を展開しております。

 Foodex SAS、Cominport Distribución, S.L.およびTazaki Foods Ltd.は、ヨーロッパを拠点として日本食材の卸売業を営んでおり、Takara Sake USA Inc.や宝酒造株式会社の製品をはじめ、酒類、調味料、冷凍食品などを販売しております。また、Kagerer & Co. GmbHは、ドイツ ミュンヘン近郊で卸売業を営んでおり、主力の水産品をはじめ、日本食材などを欧州全域に販売しております。

 Nippon Food Supplies Company Pty Ltdは、豪州において日本食材の卸売業を営んでおります。

 上述した会社を含め、当セグメントに携わる子会社は50社であり、関連会社は1社であります。

[タカラバイオグループ]

 タカラバイオ株式会社は、試薬・機器に関連する開発・製造・販売ならびに再生医療等製品の開発製造支援サービスや遺伝子解析・検査などのCDMO受託サービスを行っております。また、遺伝子治療等に必要なバイオ創薬基盤技術、製造補助剤の開発・製造・販売や臨床開発を行い、その価値の最大化に向けて取り組んでおります。

 海外では、中国において宝生物工程(大連)有限公司が試薬の開発・製造や受託サービスを行い、宝日医生物技術(北京)有限公司が試薬や機器の販売を行っております。Takara Bio Europe S.A.S.は、ヨーロッパにおいて、試薬の製造・販売、機器の販売や受託サービスを行っております。また、Takara Bio USA, Inc.は、米国において、試薬や機器の開発・製造を行い、全世界に販売しております。

 上述した会社を含め、当セグメントに携わる子会社は10社であります。

[その他]

 その他は、国内グループ会社が営む貨物運送事業やワイン輸入販売、主に当社が営む不動産賃貸事業などであります。

 貨物運送事業はタカラ物流システム株式会社が営み、主に宝酒造株式会社の酒類・調味料製品の国内における貨物運送などを行っております。また、ブルゴーニュの高品質ワイン等の輸入販売は株式会社ラック・コーポレーションが営んでおります。

 上述した会社を含め、その他の事業に携わる子会社は7社であり、関連会社は1社であります。

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

(事業系統図)

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、景気は一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続きました。我が国においては、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかに回復いたしましたが、中東情勢の影響や米国の通商政策の動向による影響が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような経済状況のもと、当社グループは、会社創立100周年となる2025年に向けた長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」において、「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」をVisionとして掲げ、おいしさを追求する技術と革新的なバイオ技術によって、和酒・日本食とライフサイエンスにおける多様な価値を安全・安心に提供する企業グループとして、世界中の暮らしを、命を、人生を、笑顔で満たすために挑戦し続けてまいりました。

 また、「TaKaRa Group Challenge for the 100th」の総仕上げに向けて「宝グループ中期経営計画2025」では、「成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値を高める3年間」を経営方針とし、社会課題の解決に資するバリューチェーンを強化しながら商品・サービスを通じた社会課題の解決と、長期的かつ持続的に成長原資を生み出す「稼ぐ力」の向上を統合した経営を推進いたしました。

 この結果、「宝グループ中期経営計画2025」の最終年度となりました当連結会計年度の経営成績は、売上高は394,316百万円(前期比8.7%増)、売上総利益は127,696百万円(同6.7%増)、販売費及び一般管理費は110,619百万円(同11.7%増)、営業利益は17,076百万円(同17.1%減)、経常利益は支払利息や為替差損が増加したことなどにより16,861百万円(同24.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益が投資有価証券売却益の計上などにより増加しましたが、特別損失も未稼働の受託製造にかかる設備などの減損損失を計上したことなどにより増加し、繰延税金資産の一部取り崩しなども行いましたので11,696百万円(同27.8%減)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

〔宝酒造〕

 宝酒造は、“松竹梅白壁蔵「澪」” や“タカラ「焼酎ハイボール」”を中心とした広告などの活用や、伸長するノンアルコール市場に向けた“タカラ「辛口ゼロボール」”のリニューアルや新フレーバーの発売などにより、ユーザーを獲得し、重点ブランドの売上構成比を引き上げることにより利益率の向上を図りました。拡大する中食市場に向けて、利益率の高い食品調味料(だし)の強化にも注力いたしました。また、品質管理の徹底など安全・安心に対する取り組みを継続するとともに、全社一体となったコストダウンにも取り組みました。

 当セグメントのカテゴリー別の売上状況などは次のとおりであります。

 焼酎では、甲類焼酎の大容量商品などが減少しましたので、減収となりました。清酒では、“松竹梅「天」”や“松竹梅「昴」”などが増加しましたので、増収となりました。ソフトアルコール飲料では、“タカラ「焼酎ハイボール」”が引き続き増加しましたので、増収となりました。調味料では、本みりんや料理清酒が増加し、食品調味料も増加しましたので、増収となりました。原料用アルコール等は減収となりました。

 以上の結果、宝酒造の売上高は119,122百万円(前期比0.5%減)となりました。売上原価は88,948百万円(同0.9%減)となり、売上総利益は30,174百万円(同0.9%増)となりました。販売費及び一般管理費は、広告宣伝費や販売促進費などが減少し24,445百万円(同1.8%減)となりましたので、営業利益は5,729百万円(同13.7%増)となりました。

〔宝酒造インターナショナルグループ〕

 宝酒造インターナショナルグループは、日本からの酒類の輸出や海外各地で酒類の製造・販売を行う海外酒類事業と海外の日本食レストランや小売店などに日本食材などを販売する海外日本食材卸事業を展開しております。

 当セグメントの売上状況などは次のとおりであります。

 海外酒類事業では、ウイスキーはプレミアムバーボン“Blanton's”が引き続き好調に推移いたしました。また、海外専用商品の育成や現地ニーズを捉えた新商品開発に取り組んでいる和酒の売上も増加しましたので、海外酒類事業は増収となりました。海外日本食材卸事業では、米国や欧州を中心に倉庫・物流機能や拠点の整備・拡大を進めました。また、和酒や水産品などの付加価値が高く差異化された商品のラインアップの拡充を進めたことや、新たにグループに迎え入れた企業の業績の寄与もありましたので、海外日本食材卸事業も増収となりました。

 以上の結果、宝酒造インターナショナルグループの売上高は221,888百万円(前期比19.4%増)となりました。売上原価は149,075百万円(同18.2%増)となり、売上総利益は72,812百万円(同22.0%増)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費や運送費などが増加し58,610百万円(同22.0%増)となりましたので、営業利益は14,201百万円(同21.8%増)となりました。

〔タカラバイオグループ〕

 タカラバイオグループは、バイオテクノロジーを利用する研究開発活動がますます広がりを見せる中、こうした研究開発活動を支援する試薬・機器を開発・製造し、世界中のバイオ研究者や製薬企業、検査センター等のインダストリー顧客に提供する事業を展開しております。また、再生・細胞医療・遺伝子治療の開発・製造を支援するCDMO事業を展開しております。CDMOとは医薬品の製法開発から製造までの工程を受託する事業を指し、タカラバイオグループでは、特に遺伝子治療薬等の分野に注力しております。その他、遺伝子医療事業では、遺伝子治療関連製造補助剤の製造・販売、新規モダリティの創出、臨床開発プロジェクトを進め、独自のバイオ創薬基盤技術の価値の最大化に取り組んでおります。

 当セグメントの売上状況は、試薬、機器、受託および遺伝子医療の全てのカテゴリーで減少いたしました。

 以上の結果、タカラバイオグループの売上高は40,318百万円(前期比10.5%減)となりました。売上原価は、売上構成の変化の影響などにより20,057百万円(同5.7%増)となりましたので、売上総利益は20,261百万円(同22.3%減)となりました。販売費及び一般管理費は、Curio Bioscience, Inc.の買収に関する費用およびのれん償却費を計上したことなどから24,949百万円(同4.8%増)となり、営業損失は4,688百万円(前期は営業利益2,263百万円)となりました。

〔その他〕

 その他のセグメントは、貨物運送事業、ワイン輸入販売、不動産賃貸事業などであります。当セグメントの売上高は、ワイン輸入販売などが増加しましたので32,200百万円(前期比4.3%増)となりました。売上原価は26,816百万円(同2.6%増)となり、売上総利益は5,383百万円(同14.0%増)となりました。販売費及び一般管理費は、販売促進費などが増加し2,025百万円(同0.5%増)となりましたので、営業利益は3,358百万円(同24.0%増)となりました。

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は249,314百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,880百万円増加いたしました。これは主に電子記録債権が3,320百万円、商品及び製品が9,869百万円それぞれ増加し、現金及び預金が10,111百万円減少したことによるものであります。

 固定資産は264,486百万円となり、前連結会計年度末に比べ32,332百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が建設仮勘定の増加などにより9,457百万円、無形固定資産がCurio Bioscience, Inc.を買収したことなどにより18,706百万円、投資その他の資産が投資有価証券の時価評価の増加などにより4,168百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 以上の結果、総資産は513,801百万円となり、前連結会計年度末に比べ36,213百万円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は82,037百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,617百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が2,712百万円、1年内償還予定の社債が5,000百万円、流動負債のその他が5,736百万円それぞれ増加し、短期借入金が5,900百万円減少したことによるものであります。

 固定負債は120,826百万円となり、前連結会計年度末に比べ17,561百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が9,741百万円、繰延税金負債が3,586百万円、固定負債のその他がCurio Bioscience, Inc.の買収による条件付対価の認識などにより8,274百万円それぞれ増加し、社債が流動負債への振替により5,000百万円減少したことによるものであります。

 以上の結果、負債合計は202,863百万円となり、前連結会計年度末に比べ26,179百万円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は310,937百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,034百万円増加いたしました。これは主に株主資本が利益剰余金の増加などにより2,643百万円、その他の包括利益累計額がその他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の増加などにより11,468百万円それぞれ増加し、非支配株主持分が4,077百万円減少したことによるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は50.5%(前連結会計年度末は51.3%)となりました。

③キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益18,270百万円、減価償却費12,225百万円、減損損失4,008百万円、のれん償却額3,129百万円、投資有価証券売却益6,538百万円、棚卸資産の増加6,297百万円、法人税等の支払額8,861百万円などで17,318百万円の収入と前期に比べ1,162百万円の収入増加となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出8,370百万円、定期預金の払戻による収入12,403百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出22,167百万円、投資有価証券の売却による収入7,974百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出6,416百万円などにより15,341百万円の支出と前期に比べ26,221百万円の支出減少となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入9,951百万円、長期借入金の返済による支出5,608百万円、自己株式の取得による支出3,000百万円、配当金の支払額6,054百万円、条件付対価の決済による支出1,496百万円などにより9,307百万円の支出(前期は6,548百万円の収入)となりました。

 以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より6,154百万円減少し、69,125百万円となりました。

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の生産実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期増減率(%)

 

品種

 

焼酎

30,050

△6.0

 

清酒

10,919

5.3

 

ソフトアルコール飲料

44,892

7.6

 

その他酒類

3,316

△7.2

 

本みりん

10,019

3.7

 

その他調味料

9,709

4.9

宝酒造

108,908

2.2

宝酒造インターナショナルグループ

12,320

△8.3

 

試薬

14,523

9.7

 

機器

142

12.1

 

受託

7,499

△14.2

 

遺伝子医療

1,871

△35.7

タカラバイオグループ

24,037

△3.9

報告セグメント計

145,266

0.2

その他

1,555

2.6

合計

146,821

0.2

(注)1.金額は酒税込みの販売価格によっております。

 

2.宝酒造の原料用アルコール等は、大部分が酒類等の原料として使用されていること、また、販売実績に対応する生産実績を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。

b.商品仕入実績

 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期増減率(%)

宝酒造

938

8.4

宝酒造インターナショナルグループ

144,395

20.6

タカラバイオグループ

4,444

1.0

報告セグメント計

149,777

19.8

その他

12,272

5.0

合計

162,050

18.5

(注)金額は仕入価格によっております。

c.受注実績

 タカラバイオグループにおいて、一部受注生産を行っておりますが、ほとんどの場合において、生産に要する期間が短く、受注残高が僅少であることから記載を省略しております。

d.販売実績

 当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の販売実績をセグメントごとおよび品種別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期増減率(%)

 

品種

 

焼酎

29,626

△6.8

 

清酒

10,862

3.4

 

ソフトアルコール飲料

43,990

4.7

 

その他酒類

4,490

△11.4

 

本みりん

9,923

1.3

 

その他調味料

9,472

2.6

 

原料用アルコール等

10,758

△4.2

 

宝酒造

119,122

△0.5

 

海外酒類

28,502

21.1

 

海外日本食材卸

195,944

18.9

 

その他

2,137

△74.4

 

グループ内連結消去

△4,695

-

 

宝酒造インターナショナルグループ

221,888

19.4

 

試薬

29,197

△8.7

 

機器

896

△23.5

 

受託

7,291

△10.1

 

遺伝子医療

2,932

△22.0

 

タカラバイオグループ

40,318

△10.5

報告セグメント計

381,330

8.8

その他

32,200

4.3

セグメント計

413,530

8.4

事業セグメントに配分していない収益及びセグメント間取引消去

△19,214

-

合計

394,316

8.7

(注)1.販売金額には酒税を含んでおります。

2.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える販売先はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」および「同(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度のセグメント別経営成績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 宝酒造の売上高は、ソフトアルコール飲料、清酒、本みりんなどの調味料が増加しましたが、焼酎の落ち込みが大きく全体では減収となりました。営業利益は、原材米や容器包装品のコストアップがあったものの、価格改定効果や売上構成の変化等により売上総利益が増加し、広告宣伝費や販売促進費などの効率的な使用に努めたことで増益となりました。

 宝酒造インターナショナルグループの売上高は、ウイスキーが引き続き好調に推移したこと、新たにグループに迎え入れた企業の業績が通年で寄与したことにより、海外酒類事業、海外日本食材卸事業ともに増収となりました。営業利益は、売上高の増加や一部子会社での価格改定効果などにより海外酒類事業は増益となった一方、海外日本食材卸事業は、人件費や運送費などの販売費及び一般管理費が増加したことで減益となりましたが、グループ全体では増益となりました。

 タカラバイオグループの売上高は、ライフサイエンス研究市場の低迷を受け、全てのカテゴリーが減少したことで減収となりました。営業利益は、売上高の減少に加え、売上構成の変化の影響等により売上総利益が減少し、Curio Bioscience, Inc.の買収に関する費用やのれん償却費の計上により販売費及び一般管理費が増加したことで、営業損失となりました。

 これらの報告セグメントにその他のセグメントを加えた当社グループの売上高は394,316百万円(前期比8.7%増)、売上総利益は127,696百万円(同6.7%増)、営業利益は17,076百万円(同17.1%減)となりました。経常利益は、支払利息や為替差損が増加したことなどにより16,861百万円(同24.0%減)となりました。また、特別利益が投資有価証券売却益の計上などにより2,658百万円増加しましたが、特別損失が未稼働の受託製造にかかる設備の減損損失を計上したことなどにより4,884百万円増加しましたので、親会社株主に帰属する当期純利益は11,696百万円(同27.8%減)となりました。

 以上の結果、ROEは4.6%(前期比2.2ポイント低下)、海外売上高比率は62.7%(前期比3.4ポイント上昇)となりました。

イ.経営成績に重要な影響を与える要因

 宝酒造では、国内での高齢化・少子化による人口減少や若年層のアルコール離れによる酒類市場の長期的な縮小が見込まれ、国内酒類業界はメーカー間の競争が激化し、厳しい経営環境にあります。加えて原材料やエネルギー価格の高騰、物流費等のコストアップによる製造コストの上昇が見込まれます。また、サステナビリティ経営の観点から、環境問題や過剰飲酒問題は喫緊の課題であり、環境問題は技術面・コスト面の課題を解決しながら対応する必要があります。

 宝酒造インターナショナルグループでは、海外での和酒・日本食の潜在需要は根強く、今後も安定した市場拡大が見込まれます。一方で競合各社との競争はますます激化することが予想されることからグループシナジーの強化、競争力のある商品の開発、経営基盤の整備などが求められます。

 タカラバイオグループでは、中長期的には市場の拡大が予想されておりますが、同グループが積極的に取り組んでいる遺伝子治療分野では、多様なモダリティの開発、実用化が進み、欧米のバイオベンチャーや製薬企業等、企業規模は関係なく、世界的に競争が激化しております。このような環境下、人財の確保、研究開発費の投入、知的財産権の保護など経営成績に影響を与える多くの要因が存在します。

 なお、当社グループの経営成績に影響を与える要因に関しては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」もご参照ください。

ロ.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、これまでの成長・強化領域への投資効果の獲得により営業キャッシュ・フロー創出力を強化し、既存事業の効率性や新規事業創出に向けた投資を実行するとともに、有利子負債の活用と政策保有株式・保有不動産売却を原資とした株主還元策により資本コストを低減してまいります。

 また、当社グループの手許流動性は十分に確保されており、各セグメントの事業活動、予定している投資活動に支障はありません。さらにコミットメントラインなどのバックアップラインも適切に設定されております。

a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、タカラバイオグループの業績悪化に伴い税金等調整前当期純利益が減少しましたが、減損損失の計上、未払酒税やその他流動負債の増加等により、前連結会計年度に比べ1,162百万円の収入増加の17,318百万円の収入となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出や連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び出資金の取得による支出などにより15,341百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額や長期借入金の返済による支出などにより9,307百万円の支出となりました。以上の結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ6,154百万円減少しておりますが、当連結会計年度末時点におけるキャッシュ・フローの状況に特段の問題はないと認識しております。

b 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資本の財源は、営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、主として社債および金融機関からの借入金であります。当社では安定的な資金調達のため20,000百万円の普通社債の発行登録を行うとともに、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)から長期債格付Aを、株式会社日本格付研究所(JCR)から長期債格付A+をそれぞれ取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。

 また、短期資金の調達のため、当社は同じく株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)から10,000百万円の発行枠を設定しているコマーシャル・ペーパーの格付(a-1、J-1)をそれぞれ取得しておりますが、当連結会計年度中は発行しておりません。

 さらに、機動的な資金調達および流動性の補完を目的として、継続して融資枠10,000百万円のコミットメントラインを設定しておりますが、当連結会計年度中は借入を行っておりません。

 当連結会計年度は、宝酒造では酒類製造設備への設備投資を、宝酒造インターナショナルグループでは海外日本食材卸事業に係る製品倉庫等への設備投資を、タカラバイオグループではワクチン関連およびCDMO事業等のデュアルユース製造設備建設に係る設備投資を実施いたしました。当連結会計年度の有形及び無形固定資産の取得による支出は22,167百万円となり、減価償却費を大きく上回る水準となっております。

 当社は、当社の信用力を生かして外部資金を一括して調達し、主要な連結子会社に必要資金を貸し付けるとともに、国内連結子会社とは一部を除きCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入するなど、各社の余剰資金を当社へ集中し一元管理することにより、資金効率の向上と金融費用の極小化を図ってまいります。

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ6,154百万円減少の69,125百万円となり、現時点で十分な手許流動性を維持しております。

ハ.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上・財務上の課題および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定機関が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、事業会社である宝酒造株式会社、宝酒造インターナショナル株式会社、タカラバイオ株式会社を中核企業とする各企業グループ及びその他で構成されており、当社は各事業会社を統括する持株会社であります。各事業会社は、各々取り扱う製品・商品やサービスについて国内あるいは海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。したがって、当社グループは、製品・商品やサービスの内容を基本としながらも、経営責任・業績評価の単位を重視し、「宝酒造」「宝酒造インターナショナルグループ」及び「タカラバイオグループ」の3つを報告セグメントとしております。

 「宝酒造」は、主に国内における酒類・調味料の製造・販売を行っております。「宝酒造インターナショナルグループ」は、日本からの酒類の輸出、海外における酒類の製造・販売や日本食材卸事業を行っております。「タカラバイオグループ」は、試薬・機器事業とCDMO事業を通じ、バイオ創薬基盤技術開発を行っております。

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と同一であります。

 報告セグメントの利益又は損失は、営業利益又は損失ベースの数値であります。また、セグメント間の内部収益及び振替高は市場実勢価格に基づいております。

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報

前連結会計年度(自2024年4月1日 至2025年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

(注)3

 

宝酒造

宝酒造インターナショナルグループ

タカラバイオグループ

計

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

118,774

185,434

45,038

349,247

13,446

362,693

-

362,693

セグメント間の内部売上高又は振替高

889

368

1

1,259

17,421

18,680

△18,680

-

計

119,663

185,803

45,039

350,506

30,867

381,374

△18,680

362,693

セグメント利益

5,037

11,655

2,263

18,956

2,708

21,664

△1,067

20,597

セグメント資産

88,037

200,324

125,334

413,696

20,674

434,371

43,215

477,587

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

2,773

3,520

3,611

9,905

200

10,106

241

10,347

のれんの償却額

-

1,036

690

1,727

-

1,727

-

1,727

持分法適用会社への投資額

-

-

-

-

-

-

1,842

1,842

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

4,135

4,451

10,106

18,692

878

19,570

1,212

20,783

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、貨物運送事業、ワイン輸入販売、不動産賃貸事業などであります。

 

2.調整額の内容は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益は、セグメント間取引消去△5百万円、事業セグメントに配分していない当社の損益△1,061百万円であります。

(2)セグメント資産は、事業セグメントに配分していない当社の資産89,889百万円、その他の調整額(主としてセグメント間取引消去)△46,673百万円であります。当社に係る資産は、余資運用資金や長期投資資金などであります。

(3)減価償却費は、主として当社において計上した減価償却費であります。

(4)持分法適用会社への投資額は、事業セグメントに配分していない持分法適用会社への投資額であります。

(5)有形固定資産及び無形固定資産の増加額は、主として当社において計上した増加額であります。

3.セグメント利益は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

当連結会計年度(自2025年4月1日 至2026年3月31日)

 

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他

(注)1

合計

調整額

(注)2

連結

財務諸表

計上額

(注)3

 

宝酒造

宝酒造インターナショナルグループ

タカラバイオグループ

計

売上高

 

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

118,032

221,549

40,317

379,899

14,416

394,316

-

394,316

セグメント間の内部売上高又は振替高

1,090

339

1

1,431

17,783

19,214

△19,214

-

計

119,122

221,888

40,318

381,330

32,200

413,530

△19,214

394,316

セグメント利益又は損失(△)

5,729

14,201

△4,688

15,243

3,358

18,601

△1,524

17,076

セグメント資産

94,044

219,327

133,658

447,030

22,871

469,902

43,898

513,801

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

3,029

4,672

4,136

11,839

188

12,028

197

12,225

のれんの償却額

-

2,112

1,017

3,129

-

3,129

-

3,129

持分法適用会社への投資額

-

-

-

-

-

-

1,912

1,912

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

4,198

4,869

12,500

21,568

190

21,759

2,741

24,500

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、貨物運送事業、ワイン輸入販売、不動産賃貸事業などであります。

2.調整額の内容は以下のとおりであります。

(1)セグメント利益又は損失は、セグメント間取引消去△155百万円、事業セグメントに配分していない当社の損益△1,368百万円であります。

(2)セグメント資産は、事業セグメントに配分していない当社の資産95,364百万円、その他の調整額(主としてセグメント間取引消去)△51,465百万円であります。当社に係る資産は、余資運用資金や長期投資資金などであります。

(3)減価償却費は、主として当社において計上した減価償却費であります。

(4)持分法適用会社への投資額は、事業セグメントに配分していない持分法適用会社への投資額であります。

(5)有形固定資産及び無形固定資産の増加額は、主として当社において計上した増加額であります。

3.セグメント利益又は損失は、連結財務諸表の営業利益と調整を行っております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自2024年4月1日  至2025年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:百万円)

 

国内・海外酒類

海外日本食材卸

バイオ

その他

合計

外部顧客への売上高

145,955

164,763

45,038

6,936

362,693

 

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

日本

米国

その他

合計

147,771

117,171

97,750

362,693

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

日本

米国

その他

合計

73,033

28,434

22,141

123,610

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自2025年4月1日  至2026年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:百万円)

 

国内・海外酒類

海外日本食材卸

バイオ

その他

合計

外部顧客への売上高

151,044

195,937

40,317

7,016

394,316

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

(単位:百万円)

日本

米国

その他

合計

147,002

130,452

116,860

394,316

(注)売上高は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

(2)有形固定資産

(単位:百万円)

日本

米国

その他

合計

79,845

28,901

24,321

133,068

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自2024年4月1日  至2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

宝酒造

宝酒造インターナショナルグループ

タカラバイオグループ

その他

全社・消去

合計

減損損失

-

-

377

-

-

377

 

当連結会計年度(自2025年4月1日  至2026年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

宝酒造

宝酒造インターナショナルグループ

タカラバイオグループ

その他

全社・消去

合計

減損損失

-

131

3,876

-

-

4,008

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自2024年4月1日  至2025年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

宝酒造

宝酒造インターナショナルグループ

タカラバイオグループ

その他

全社・消去

合計

当期償却額

-

1,036

690

-

-

1,727

当期末残高

-

18,767

6,516

-

-

25,283

 

当連結会計年度(自2025年4月1日  至2026年3月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

宝酒造

宝酒造インターナショナルグループ

タカラバイオグループ

その他

全社・消去

合計

当期償却額

-

2,112

1,017

-

-

3,129

当期末残高

-

18,025

12,432

-

-

30,457

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

  該当事項はありません。