事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 1,137 | 100.0 | -263 | 100.0 | -23.1 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、ブラジル連邦共和国パラー州のトメアス総合農業協同組合(以下、「CAMTA」(注)1という。)の日本総代理店として、アサイー(注)2をはじめとするアマゾンフルーツ冷凍パルプ(注)3を輸入し、加工販売しております。当社は、「健康・本物」を基本に据えて、主力商品であるアサイーを中心に、まさに天然のサプリメントといえるアマゾンフルーツをわが国に普及、拡大すべく事業を展開しております。
また、当社の取り扱うアマゾンフルーツ原料の一部は、アグロフォレストリー(注)4という農法を使用したもので、アマゾンの森林荒廃地を再生させる効果があることから、直接的に熱帯雨林再生へ貢献することができます。当社は、『自然と共に生きる』を企業理念とし、地球温暖化対策に貢献するべく、“経済が環境を復元させる事業モデルの構築~グリーンエコノミーの実現~”を企業コンセプトとして推し進めております。
(注)1.CAMTAは、ブラジル・アマゾン川の河口の町でパラー州の州都であるベレンから約230km離れたトメアス地区にあり、日本人移住者によって作られた農協です。
アマゾンフルーツを安定的に供給するには、持続的農業と加工設備の両立が不可欠で、それを実現させているのがCAMTAです。CAMTAは、アマゾン地域で持続的農業を行うためにアグロフォレストリー農法を独自に確立し、実践しております。
また、アサイーをはじめとしたアマゾンフルーツは、品質の劣化や移送コストの問題等により果実そのものを地域外へ持ち出すことが困難で、搾汁加工及び冷凍処理をして初めて域外移動が容易となります。CAMTAは、品質管理が行き届き、かつ地域有数のフルーツ搾汁加工工場及び冷凍倉庫を有しております。酸化が早いアサイーを上質な状態で保持・販売するため、当社は冷凍果肉を直輸入し、ジュース加工・製造・販売を国内及び台湾でも行っています。
2.アサイーは、ブラジル連邦共和国・アマゾン地帯の水べりに生育するヤシ科の植物で、その果実は、ポリフェノール、食物繊維、カルシウム、鉄分、アミノ酸及び不飽和脂肪酸等を豊富に含み、栄養価の高さから「スーパーフルーツ」とも言われています。
スーパーフルーツとは、一般的にORAC(オラック)値の高いフルーツを指します。ORACとは、日本では「サビないチカラ」とも言われている「抗酸化力」、つまり「活性酸素吸収能力」を数値化したものです。アメリカでは、パッケージにその数値を記載しアイキャッチにしている商品もあるほど、普及している「指標」の一つです。
アサイーはブラジル農務省にて、固形分比率ごとに3グレードに規格化されています。当社は最上級グレードのグロッソのみを使用しています。
3.パルプとは、フルーツを搾汁加工しパックした製品を言います。
4.アグロフォレストリーとは、一般的な単一栽培ではなく、荒廃した土地に様々な種類の樹木や果樹を植え、草原が遷移して森になる自然のシステムを模倣するように農場を構成していく農法(生産システム)です。世界では東南アジア、中南米、アフリカなどで多くの事例があり、それらの多くは伝統農法として地域に根付いています。その中でも、CAMTAが実践しているアグロフォレストリーは、商業的に成り立っている数少ない成功例であり、持続可能な農業として世界から注目されています。
なお、当社は、輸入食品製造販売事業の単一セグメントでありセグメント情報を記載していないため、事業部門別に記載しております。事業部門は、リテール事業部門、業務用事業部門、ダイレクト・マーケティング事業部門及び海外事業部門の4つの事業部門を柱としております。
(1)リテール事業部門
リテール事業部門は、量販店、プレミアム・スーパーマーケット等リテール向けに、アサイー等のアマゾンフルーツを主原料とした自社ブランド等の製品及びPB製品を販売する事業です。現在、主に、フルッタアサイーシリーズなどの冷蔵品並びにアサイー冷凍ピューレやお家でアサイーボウルなどの冷凍品、プレミアム・スーパーマーケット等へのPB製品の販売をしております。
当社の製品は、他の飲料に比べて高価格帯となりますが、アマゾンフルーツの持つ高い栄養価と砂糖・保存料・香料・着色料不使用の特徴をもち、健康・本物志向の高い消費者を中心に高い評価を受けております。
(2)業務用事業部門
業務用事業部門は、外食店や食品メーカー等に対して冷凍フルーツパルプやその加工品等を販売する事業と、アグロフォレストリーの畑でできる冷凍フルーツパルプ以外の産物を原料として種々の企業に販売する事業に区分されます。
外食店は、大手チェーン店から個人経営の小規模飲食店までカバーしており、小規模飲食店向けには、業務用通販サイト「FRUTA BIZ WEB」により、取引先の拡大と業務の効率化に努めております。
また、飲料用原料、乳製品用原料、製菓用原料、サプリメント用原料として、食品メーカー等にアサイー等を提供しております。当ビジネスを展開するために、冷凍フルーツパルプをそのまま販売するだけでなく、濃縮エキスやフリーズドライ等の加工品も取り扱っております。
その他に、スポーツジム向けに冷凍フルーツパルプや自社ブランド製品等を販売しております。
(3)ダイレクト・マーケティング事業部門(以下、「DM事業部門」という。)
DM事業部門は、自社サイトや各プラットホームなどのECチャネルを通じて販売を行う事業です。
自社ECやプラットフォームを通じて、自社商品販売や最新の情報発信、二酸化炭素削減量の可視化ポイント制度など、小売店ではカバーしきれないエリアやサービス内容を充実させています。自社ECにおいては自社でしかできない、気分や栄養素に応じた商品提案にも取り組んでいます。
(4)海外事業部門
海外事業部門は、主にアグロフォレストリー農法で生産されたカカオ豆や胡椒等の輸入販売と海外事業展開を推進する事業です。
大手食品メーカーに対してCAMTAの生産するカカオ豆を販売しております。アグロフォレストリーの森で育つ多種多様な植物のなかでも、カカオは代表的な植物です。そのカカオをチョコレート原料として使用することで、アマゾンの森の再生に貢献しております。
アグロフォレストリーの畑では、アマゾンフルーツのほか、木材、香辛料、樹脂、油脂等が生産されております。菓子メーカー、化粧品メーカー、建材・紙材メーカー、香辛料メーカー、自動車メーカー等が、既存商品の原材料をアグロフォレストリー産の原材料に切り替えることで、企業としてCSR的効果が期待できるというメリットがあります。
[事業系統図]
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a 財政状態
当事業年度末の資産の残高は、前事業年度末より443百万円増加して、1,644百万円となりました。
当事業年度末の負債の残高は、前事業年度末より366百万円増加して、668百万円となりました。
当事業年度末の純資産の残高は、前事業年度より76百万円減少して、975百万円となりました。
b 経営成績
当事業年度の事業成績は、売上高、売上総利益、販売管理費を事業成績の指標として掲げておりましたが、各指標において当初の計画を達成し、売上高、売上総利益について、前年比で増収、赤字幅縮小となりました。
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(単位:千円) |
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前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
増減額 |
増減率 |
売上高 |
804,885 |
1,136,859 |
331,973 |
41.2% |
売上原価 |
492,626 |
780,455 |
287,829 |
58.4% |
売上総利益 |
312,259 |
356,404 |
44,144 |
14.1% |
販売費及び一般管理費 |
624,272 |
619,493 |
△4,778 |
△0.8% |
営業損失(△) |
△312,012 |
△263,088 |
48,923 |
- |
経常損失(△) |
△307,346 |
△306,982 |
364 |
- |
当期純損失(△) |
△308,296 |
△306,442 |
1,853 |
- |
売上高は、前事業年度より331,973千円増加し、1,136,859千円(前年比141.2%)、売上総利益は、原材料在庫の有効活用により、前事業年度に比べ44,144千円改善し356,404千円(前期比114.1%)となりました。営業損失は、販売費及び一般管理費が4,778千円改善したことで、前事業年度に比べ48,923千円改善し263,088千円(前事業年度は営業損失312,012千円)となりました。経常損失は円安の影響により、外貨建債務の為替差損を17,108千円計上したこと、成長投資に必要な資金調達に関する費用を25,926千円計上したことなどにより306,982千円(前事業年度は経常損失307,346千円)、結果、当期純損失は306,442千円(前事業年度は当期純損失308,296千円)となっております。
当社事業の中心であるアサイー関連商品の好調が続く中、輸入の遅れにより、欠品・品薄が続いておりましたが、3月下旬の船の到着後、素早くお客様に商品をお届けできたことが、第4四半期に大きく貢献しました。欠品・品薄の対策として、国内備蓄原材料を有効活用して国内製造の商品に代替し、店頭での品薄を最小限に抑えたことも、売上高好調の要因となっております。中でも、当社の主力品である冷凍アサイーピューレが川の干ばつによって船の航行に支障をきたし、輸入の遅れに見舞われる中、国内製造品であるお家でアサイーボウルや、アサイーグロッソアイスなど、アサイーボウルのベースとなる冷凍商品が特に好調に推移していることからも、以前のアサイーブーム時同様の盛り上がりが見て取れます。加えて、市場の盛り上がりに合わせ、冷凍商品だけではなく、フルッタアサイーシリーズ(ドリンクタイプ)も前年比で126.6%と好調に推移しており、ヨーグルトと掛け合わせた使用法の提案などによって、商品が限られる中でも最大限の供給を行うことで、様々な商品の露出を増やすことに成功いたしました。一方、需要増に対し供給面では、原料供給元でもあるブラジルの状況は徐々に回復しているものの、対策といたしまして、複数航路の確保や出荷時期の調整などを検討しております。
また、アサイーに関しては、食品業界に先駆けてアグロフォレストリー原料使用による二酸化炭素削減量の可視化を実現させた「CO₂削減マーク」の記載が進む中、サステナブルフードとして大手流通企業への採用実績も出てきており、当社事業の根幹であるアグロフォレストリーに対する関心が高まっていることがうかがえます。この背景の一部にも、前述のアサイー人気の火付け役と同じく、自らの行動で環境や社会課題の解決に貢献するといった志向が強いZ世代のサステナブル・エシカル消費が関係しており、消費のあり方を変えようとする力が、当社ビジネスの後押しとなっております。今後もこれらの盛り上がりを見せる国内需要を確実に捉えつつ、主力商品であるアサイーの拡販、事業の根幹であるアグロフォレストリーのプラットフォーム化に向けて、コアビジネスの強化・拡大を図ってまいります。
売上原価及び売上総利益においては、想定以上の円安による影響と、欠品・品薄の対策として立ち上げた国内製造による加工費の増加により、売上高の伸長率と比べると、売上総利益の伸長率は鈍化する結果となりました。特に、この円安基調は今後も当面続くと考えられるため、対策といたしまして、価格改定やアサイーボウルやスムージーなどの価格に左右されにくい付加価値の高い商品の提案強化により、為替の影響を最小限に抑え、適正な売上総利益の確保に努めてまいります。
販売費及び一般管理費につきましては、売上高増加に伴い物流コスト(倉庫料、荷造運賃発送費)が49,666千円の増加となっておりますが、物流コストの上昇が続く中で、在庫回転率の上昇に伴い倉庫料を圧縮することができたことにより、売上高伸長率に比例した一定の率内に抑えることができております。また、人件費・業務委託費合計で60,762千円減少したことなどにより、前事業年度より4,778千円の減少(前年比99.2%)となりました。
②成長戦略概況
当事業年度、当社は短・中期的な成長戦略の柱として、① アサイーの事業展開、② サステナブルマッチングプラットフォームの2つの成長戦略を掲げて取り組みを進めてまいりました。2024年6月●日に公表した「事業計画及び成長可能性に関する事項成長戦略」の計画に沿って実施しております。
短中期成長戦略 |
主要取組みの内容(一部抜粋) |
1 アサイーの事業展開 |
アサイーのアジアを中心とした海外事業展開 |
2 サステナブルマッチングプラットフォーム構築 |
プラットフォームの開発、プロモーション |
(a) アサイーの事業展開
2036年にアジア太平洋地域におけるアサイーの市場規模が10億米ドル(1,500億円)に成長すると予測されていること、及び、アサイーの世界市場規模は約12.5%の年平均成長率で成長すると予測されていることから、アジア太平洋地域におけるアサイーの市場規模は、2030年時点で5億米ドル(740億円)に到達すると想定しております。アジア市場に対して、すでに海外専業メーカーも参入を図っていますが、当社は、日本におけるアサイーの先駆者として、創業時の事業でもある多店舗展開による市場開発を進めてまいります。
当社は、2024年1月9日付「OAKBERRY ACAI, INCとのアサイーのアジア事業開発に向けた協議開始及び覚書締結のお知らせ」で開示しましたとおり、アサイーの世界的ブランドであるブラジルのOAKBERRY ACAI, INC(以下「Oakberry」といいます。)との間で、Oakberryのブランド力やノウハウを活かした店舗展開を目的とする覚書(以下「本覚書」といいます。)を締結しております。当社は、本覚書に基づき、アサイーの事業展開関連費用(出店費用)の一部を充当して、2024年夏以降、日本国内で最大5店舗のOakberryブランドのテスト店舗を出店することを計画しており、テスト店舗の出店後、更なる店舗展開を検討いたします。
(b) サステナブルマッチングプラットフォーム構築
アグロフォレストリーを 「ネイチャーポジティブ」と「CO₂削減」を両立させるソリューションと位置づけ、事業を通じて課題解決に向け貢献してまいります。その一環として、アグロフォレストリーで栽培された作物をはじめとした、サステナブル商材に特化して取引するサステナブルマッチングプラットフォームの開発を行う予定です。プラットフォーム内では、現状当社が取り扱っております約40品の商材だけでなく、プロモーションを行い他社にもプラットフォームで出店していただくことで、サステナブルに関連する他社の商材も取り揃えることを想定しており、最終的には「サステナブルに関連するものはここに来れば揃う」と認識されるプラットフォームとしていくことを目指しております。COP30が2025年12月にブラジルのパラ州の州都ベレンでの開催されることが決まり、アグロフォレストリーがサステナブルソーシングとして国際的に注目される可能性も高くなっている中で、民間企業として、サステナブルマッチングプラットフォームの構築及び稼働 を実現させることで、海外においては2030年に7,294億ドル(約102兆円)に達する見通しとなっている海外エシカル食品市場において約500億円、国内においては2030年には2兆6,556億円~6兆円に達する見通しとなっている国内サステナブルフード市場において約200億円の合計約700億円の取引高を2031年3月期までに達成することを目標とし、その取引高から得られるプラットフォーム利用料を収益としていきたいと考えております。
③資本政策の進捗
当社は、上場以来続く営業損失等の計上により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在するとして、継続企業の前提に関する注記を記載しております。しかしながら、EVO FUND(Cayman Islands、代表者:マイケル・ラーチ、リチャード・チゾム)との資本政策をすすめたことで、新株予約権の行使等も含めた資本政策により財務基盤の安定化に取り組んでまいります。今後も引き続き有効と考えられる施策につきましては、積極的に実施してまいります。
④事業別の取組み
当社は輸入食品製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。事業別の売上高は次のとおりであります。
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(単位;千円) |
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前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
増減額 |
増減率 |
リテール事業部門 |
371,597 |
548,788 |
177,190 |
47.7% |
業務用事業部門 |
293,451 |
417,665 |
124,213 |
42.3% |
DM事業部門(注1) |
122,233 |
151,676 |
29,443 |
24.1% |
海外事業部門 |
17,603 |
18,729 |
1,126 |
6.4% |
合計 |
804,885 |
1,136,859 |
331,973 |
41.2% |
ⅰ.リテール事業部門
スーパーマーケットを中心とした小売店について、上半期は楊枝甘露(ヨンジーガムロ)や台湾フルーツティーなどの新商品が好調に推移する一方で、下半期においては冷凍アサイーピューレやお家でアサイーボウル、フルッタアサイーシリーズが好調に推移し、売上高に大きく貢献しました。中でも、フルッタアサイーシリーズにおいては、前述の凍らせることで作れるアサイーボウルレシピや、ヨーグルトと掛け合わせたメニュー提案などを行うことで、商品が限られる中でも最大限の供給を行うことにより、露出を増やすことに成功しました。また、冷凍アサイーピューレ、お家でアサイーボウルにおいては、市場の盛り上がりによる後押しもあり、小売業からの問い合わせも多く、露出面が増えております。今後も継続して既存品の露出強化を図ると共に、より利便性の高い新商品を計画しており、手軽にアサイーボウルが食べられる環境を提供してまいります。一方で、大手会員制倉庫型店においては、前年から引き続き楊枝甘露(ヨンジーガムロ)の拡売に加え、新商品のカシューフルーツミックススムージーを発売したことで、当事業年度通期で堅調に推移しております。
この結果、当事業年度のリテール事業部門全体の売上高は548,788千円(前年比147.7%)となりました。
ⅱ.業務用事業部門
外食向け原料販売では、アサイーグロッソアイスを中心に、アサイーボウルやスムージーのベースとして活用されている商品が、第3四半期にも増して、個店向けの業務用通販サイトBIZWEBにおいて広がり、新規顧客が大幅に増加したことで、売上高を中心に大きく貢献いたしました。当事業年度末時点で、BIZWEBへ登録されている企業数は、前年比145.0%と大幅に増加しております。また、弊社原料を使用しております、タリーズコーヒージャパン株式会社の商品「ヨーグルト&アサイー」においても、SNS上で話題となり、売り切れる店舗が現れるほどにまで盛り上がっております。今後はお客様からの要望に応えて、より使いやすい業務用商品を開発することで、新たな業務用の軸を確立させたいと考えております。
また、アサイーの代替肉をはじめとした植物性タンパク質訴求食品における血液代替原料となり得る価値の訴求についても、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社のプライベートブランド『GREEN GROWERS Meal(グリーングロワーズミール)』において、第2弾となる「キーマカレー」が発売され、売上に貢献すると共に、CO2吸収量を一製品あたりの削減量として換算した「CO2削減マーク」の他社製品への初の使用事例であり、ブランドコンセプトとの親和性の高さからこの度の採用に至りました。
メーカー向け原料販売については、前述のアサイーの盛り上がりに連動して、徐々に新規案件が増えてきており、アサイー5倍濃縮エキスや、フリーズドライパウダーなどが好調に推移しております。今後、市場の盛り上がりは自社品から他社品へと広がることが予想されるため、チャンスロスを起こすことのないよう、供給体制の強化に努めてまいります。一方で、サステナブル原料に関する問い合わせは日に日に増加しており、前述の「CO2削減マーク」の他社製品への使用事例を武器に、近年特に重要な課題となっている「責任ある調達(サステナブル調達)」に対応した付加価値型原料としてさらなる拡大に努めてまいります。
この結果、当事業年度の業務用事業部門の売上高は417,665千円(前年比142.3%)となりました。
ⅲ.ダイレクト・マーケティング事業部門(DM事業部門)
ECチャネルにおいては、前述のアサイーの盛り上がりにおける火付け役となっているZ世代の購入チャネルとして、プラットフォームを中心に好調に推移しております。現在も一部商品においては、出荷制限を設けながらの販売となっており、供給体制の早期安定により、多くのお客様へ商品を届けられるよう努めてまいります。一方で、プラットフォームを拡大したことにより、一部自社ECなどへ自社競合が発生する結果となっており、今後は販売チャネルごとの役割を明確にし、自社ECにおいては自社でしかできない、気分や栄養素に応じて商品提案できる仕掛け作りや、CO₂削減量可視化をはじめとした環境問題への取り組み強化などを含めたリニューアルにより、EC市場全体での拡売・収益確保に取り組んでまいります。
この結果、当事業年度のダイレクトマーケティング事業部門全体の売上高は151,676千円(前年比124.1%)となりました。
ⅳ.海外事業部門
主力のカカオ豆について、第4四半期につきましては、前年に比べて出荷タイミングが遅くなったことや、米ドルでの取引を行っていることで為替による好影響を受けたことにより、前年を大幅に上回る結果となりました。当事業年度通期では、物量としては前年と比べて減少しているものの、売上高としては前述の為替の影響もあり微増となっております。当社のカカオビジネスはCO₂削減量の観点からも大きな役割を担っているため、引き続きCAMTAと協力しながら増産に向けて取り組んでまいります。近年、次世代型食料供給産業に注目が集まる中で、近い将来、アグロフォレストリーが国際機関の目指す「温暖化ガス削減」や「ネイチャーポジティブ」の数少ない成功事例となり得ることを鑑み、アグロフォレストリーを中心としたサステナブルマッチングプラットフォーム化に向けた取り組みを進めております。当社にしかできないソリューションを提供することで、売上拡大を図ってまいります。
この結果、当事業年度の海外事業部門の売上高は18,729千円(前年比106.4%)となりました。
⑤キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ127,717千円増加し、当事業年度末には377,724千円になりました。
なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は248,809千円(前事業年度は310,775千円の使用)となりました。
これは主に、仕入債務の増加145,560千円がある一方で、売上債権の増加87,676千円及び棚卸資産の増加39,648千円と税引前当期純損失305,492千円の計上があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果得られた資金は35,659千円(前事業年度は744千円の使用)となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入36,403千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は339,447千円(前事業年度は240千円の使用)となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出100,000千円及び資金調達費用の支払いによる支出18,444千円がある一方で、社債の発行による収入300,000千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入154,767千円があったこと等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社は輸入食品製造販売事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。また、当社は、複数の事業部門で同一種類の商品を取り扱うため、生産実績及び商品仕入実績については、商品群別に記載をしております。
(a)生産実績
当事業年度の生産実績を商品群別に示すと次のとおりであります。
商品群の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前事業年度比(%) |
チルド商品(千円) |
439,104 |
148.6 |
冷凍商品(千円) |
124,974 |
280.9 |
常温商品(千円) |
33,862 |
137.3 |
合計(千円) |
597,941 |
164.0 |
(b)商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績を商品群別に示すと次のとおりであります。
商品群の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前事業年度比(%) |
チルド商品(千円) |
- |
- |
冷凍商品(千円) |
148,648 |
133.6 |
常温商品(千円) |
30 |
55.3 |
合計(千円) |
148,679 |
133.6 |
(c)受注実績
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(d)販売実績
当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前事業年度比(%) |
リテール事業部門(千円) |
548,788 |
147.7 |
業務用事業部門(千円) |
417,665 |
142.3 |
DM事業部門(千円)(注1) |
151,676 |
124.1 |
海外事業部門(千円) |
18,729 |
106.4 |
合計(千円) |
1,136,859 |
141.2 |
(注1)ダイレクト・マーケティング事業部門
当事業年度の販売実績を商品群別に示すと次のとおりであります。
商品群の名称 |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
前事業年度比(%) |
チルド商品(千円) |
584,145 |
129.3 |
冷凍商品(千円) |
474,115 |
163.5 |
常温商品(千円) |
78,598 |
124.3 |
合計(千円) |
1,136,859 |
141.2 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります
相手先 |
前事業年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
当事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
㈱日本アクセス |
64,293 |
8.0 |
152,778 |
13.44 |
三菱食品㈱ |
60,939 |
7.6 |
132,238 |
11.63 |
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用後の数値としております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は1,136,859千円(前事業年度比41.2%増)となりました。
主な要因として、全ての事業部門で売上高が増加したことによるものであります。
また、各事業部門の当社売上高に占める割合は、リテール事業部門が48.2%、業務用事業部門が36.7%、
DM事業部門が13.3%、海外事業部門が1.6%となっております。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、前事業年度より44,144千円増加し、売上総利益356,404千円となり、売上総利益率は前事業年度より7.4ポイント低下し、31.3%となりました。
主な要因として、当事業年度においては、想定以上の円安による影響と、欠品・品薄の対策として立ち上げた国内製造による加工費の増加により、売上高の伸長率と比べると、売上総利益の伸長率は鈍化したことで低下しました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度より4,778千円減少し、619,493千円(前事業年度比0.8%減)となり、売上高販管費率については、23.0ポイント減少し、54.4%となりました。
主な要因として、売上高増加に伴い物流コスト(倉庫料、荷造運賃発送費)が49,666千円の増加となっておりますが、物流コストの上昇が続く中で、在庫回転率の上昇に伴い倉庫料を圧縮することができたことにより、売上高伸長率に比例した一定の率内に抑えることができております。また、人件費・業務委託費合計で60,762千円減少したことなどによるものであります。
結果として、営業損失は263,088千円(前事業年度は営業損失312,012千円)となりました。
(経常利益)
当事業年度における営業外収益は、前事業年度より3,789千円減少し、2,116千円(前事業年度比64.1%減)となりました。営業外費用は、前事業年度より44,769千円増加し46,009千円(前事業年度比3,710.4%増)となりました。
主な要因として、円安の影響による外貨建債務の為替差損を17,108千円計上したこと、成長投資に必要な資金調達に関する費用を25,926千円計上したことなどによるものであります。
結果として、経常損失306,982千円(前事業年度は経常損失307,346千円)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純損失は、前事業年度より1,853千円減少し、当期純損失306,442千円(前事業年度は当期純損失308,296千円)となりました。
財政状態の分析
ⅰ 資産
当事業年度末における総資産の残高は、前事業年度末より443,152千円増加して、1,644,552千円となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、251,229千円増加して、1,015,536千円となりました。
この主な要因は、現金及び預金が127,717千円、売掛金が87,676千円及び原材料及び貯蔵品が18,843千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、191,922千円増加して、629,016千円となりました。
この主な要因は、当社が保有している株式会社REVOLUTION株式の投資有価証券が190,426千円増加したこと等によるものであります。
ⅱ 負債
当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末より366,684千円増加して、668,775千円となりました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、366,675千円増加して、665,020千円となりました。
この主な要因は、買掛金が145,560千円及び未払金が25,814千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、3,755千円となりました。
ⅲ 純資産
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末より76,467千円増加して、975,777千円となりました。
この主な要因は、当期純損失306,442千円の計上をした一方で、資本金が77,637千円、資本剰余金が77,637千円及びその他有価証券評価差額金が226,508千円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は59.1%(前事業年度末は74.8%)となりました。
キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資本の財源及び資金の流動性については、当社業績より、営業活動によるキュッシュ・フローがマイナスという状況より金融機関からの新たな借入については、厳しい状況ではありますが、第1回無担保社債により、運転資金及び成長投資資金を賄うこととしております。
また、引続き当社としては、原材料在庫の資金化を進め、今後の資本の財源及び資金の流動性を図ることとしております。
当社の当事業年度末の資金は、前事業年度末に比べて127,717千円増加して377,724千円となりました。
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の増加145,560千円がある一方で、売上債権の増加87,676千円及び棚卸資産の増加39,648千円と税引前当期純損失305,492千円の計上があったこと等で、248,809千円の使用(前事業年度は310,775千円の使用)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入36,403千円があったこと等で35,659千円の獲得(前事業年度は744千円の使用)となりました。
財務活動によるキュッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出100,000千円及び資金調達費用の支払いによる支出18,444千円がある一方で、社債の発行による収入300,000千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入154,767千円があったこと等で339,447千円の獲得(前事業年度は240千円の使用)となりました。