リスク
3【事業等のリスク】
当社グループでは、リスクマネジメントコミッティが、海外グループ会社を含めたグループ全体でのリスクマネジメント活動を推進する役割を担っており、定期的に当社グループにおけるリスクの抽出、当該リスクの顕在化する可能性及び経営成績等の状況に与える影響の評価を行い、重要リスクを特定しています。当該重要リスクにつきましては、リスクマネジメントコミッティが責任者を選定のうえ、対応策の策定及び実施・モニタリングを行っています。また、リスクマネジメントコミッティは、その活動内容を取締役会において定期的に報告しています。
経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
■事業計画・事業見通し
当社グループは、経済情勢、消費者嗜好、競合企業との競争等を織り込んで各事業の計画・戦略を立てていますが、これらの外部環境は、急速に変化するものであります。経済情勢については、当社グループが事業活動を行う主要市場において、将来の景気の後退、減速等の経済不振が生じる可能性があり、特に日本は長期的な人口動向の高齢化及び減少傾向にあります。また、飲料・食品市場では、以前より、大手メーカーの商品、特定の地域や商品カテゴリーで強みを持つメーカーの商品、プライベート・ブランド商品、及び輸入商品等との競争が行われていましたが、特にデジタル技術の進化による新たな営業活動・広告宣伝活動が競争をより激しいものにしています。更に、消費者の嗜好も目まぐるしく変化しています。こうした状況では、消費者嗜好の重大な変化を的確に把握したうえで、研究開発、商品の品質、新商品導入、商品価格、広告宣伝活動、販売促進活動等や、これらにおける新しい価値の創造によって、競合企業よりも優位に立ち、消費者の需要に見合った商品を十分な数量で市場に供給することが求められます。しかし、これらの対応が遅れた場合、当社グループの商品に対する需要の減少、競合企業による市場の奪取、ブランドイメージへの悪影響、棚卸資産の評価損等が生じ、当社グループの売上又は利益が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、卸売業者及び大手小売業者を含む多数の販売チャネルを通じて商品を販売しています。日本においては、自動販売機等もまた重要な販売チャネルとなっています。このような販売チャネルに変化が生じることにより、特定チャネルにおける売上や利益が減少する等のリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループが販売する商品の中には、天候により売上が大きく左右されるものがあります。当社グループの商品は、通常春から夏にかけての暑い時期に販売数量が最大となりますが、この時期に気温が十分に高くならなかった場合、商品需要が落ち込み、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、消費者嗜好の変化を敏感に予測して、嗜好にあった魅力的な商品の研究開発に努めるほか、商品の供給量に関しても適切な需給計画を立案しています。加えて、新商品投入、ブランド力強化のための積極的な広告宣伝活動・販売促進活動に励む等、適切に経営資源を投入しています。また、外部環境変化の兆候を適時に捉えるように努め、これに見合った各事業の計画・戦略の見直しを行うことで、対応を図っています。
■事業提携・資本提携・企業買収
当社グループは、競争力強化による更なる成長の実現のため、国内外他社との事業提携・資本提携及び国内外他社の買収を重要な経営戦略の一つと位置付けています。事業提携・資本提携・企業買収の意思決定に際しては必要かつ十分な検討を行っていますが、事業提携等の適切な機会を見出せないこと、競合的な買収による場合を含め、相手先候補との間で事業提携等に係る条件について合意できないこと、事業提携等に関連して必要な同意・許認可・承認を得ることができないこと、必要資金を有利な条件で調達できないこと、新たな地域・商品カテゴリーに参入することにより、当社グループの事業内容が変化すること、当社グループが精通していない若しくは予測することができない課題に直面すること、又は事業提携等の結果として、予期していた利益や経費削減効果を実現できないこと等の問題が生じ、意図した成果を十分に得られない可能性があります。これらの事由が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクに備え、事業ポートフォリオの適切な見直しを図っています。
また、当社グループは、企業買収等に伴い、のれん及び商標権を計上しており、当社グループが将来新たに企業買収等を行うことにより、新たなのれん、商標権を計上する可能性があります。当社グループは、かかる無形資産等について、毎期減損テストを実施し評価しています。当該無形資産等について減損損失を計上した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるため、投資評価及び判断、投資後のモニタリングについての共通ルールを定めて対応しています。
■品質・安全性
当社グループは、商品及びサービスに当社グループにおける品質基準を設定していますが、その基準に対する品質の不足、品質の低下、安全性等に問題が生じた場合、又は当社グループの商品・サービスの安全性等に問題がない場合であっても、食品等の安全性等に関する否定的な報道がされた場合、ソーシャルネットワーク上で否定的な情報が拡散された場合、又は他社商品等の安全性に問題が生じた場合に、当社グループの商品・サービスへの安全性への懸念が生じることがあります。このような問題は、当社グループにおいて生じ得るのみならず、当社の管理が及ばない販売先や仕入先・製造委託先において生じる可能性があります。
これらのリスクが発生した場合、製造中止、リコール又は損害賠償請求が発生する可能性があり、また、仮に限定的なリコール又は根拠のない若しくは僅少な金額の損害賠償請求であっても、当社グループのブランド及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの事由が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
サントリーグループは、食品を製造・販売する企業グループとして商品及びサービスの品質、安全性等を最重要課題と認識し、適用される規制を遵守するとともに、「サントリーグループ品質方針~All for the Quality~」を制定し、①サントリーグループの一人一人が、お客様の立場に立って、誠実に商品及びサービスをお届けする、②お客様に正確で分かりやすい情報をお届けし、お客様の声に真摯に耳を傾け、商品及びサービスに活かす、③法令を遵守する、④商品及びサービスの安全性を徹底する、⑤国際標準を活用し、よりよい品質の追求を続ける、という理念のもと、品質、環境、健康及び安全性等に関する様々な基準を採用し、品質管理・品質保証に取り組んでいます。
■原材料
当社グループが使用する主要な原材料には、気候変動やグローバル市場の状況等により、その需給バランスが大きく変動し、価格が著しく変動する可能性があります。また、商品を製造する際に使用する電気や天然ガスといったエネルギーの価格も著しく変動する可能性があります。これらの原材料及びエネルギーの価格が継続的に上昇し生産コストが上昇した場合、当社グループの原価を押し上げることとなり、高騰した原価を販売価格に十分に転嫁できない場合や、高騰した原価の販売価格への転嫁により当社グループの商品に対する需要が減少する場合には、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの取引先において、気候変動、自然災害、火災、作物の不作、感染症、労働力不足、労働衛生・労働安全上の問題、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、行政措置、国家間の対立、戦争の勃発、政治不安、テロリズム、環境への配慮不足、人権問題、エネルギー危機等の事由が生じたことにより、当社グループが原材料の持続可能な調達を妨げられる可能性があります。かかるリスクは、供給源が限られている原材料であったり、取引先又はその施設が、上記の事由が生じる危険性の高い国や地域に所在したりする場合、より深刻な問題となる可能性があります。また、取引先を変更する場合には長期のリードタイムを要する可能性があります。原材料不足に陥った場合又は原材料の供給が長期にわたり滞る場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおり、取り組んでいます。
■サプライチェーン
当社グループ及び当社グループの取引先は、世界各国で原材料の調達・製造を行っています。デジタル技術等を活用したサプライチェーンマネジメントにより適切な品質管理、サプライチェーン(ロジスティクス、生産、調達等)コストの削減及び収益性の向上を実現することは、当社グループの事業戦略の一つです。しかし、当社グループは、当社グループの管理が及ばない要因による場合を含め、これを実現できない可能性があります。更に、気候変動、自然災害、火災、作物の不作、感染症、労働力不足、労働衛生・労働安全上の問題、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、行政措置、国家間の対立、戦争の勃発、政治不安、テロリズム、環境への配慮不足、人権問題、エネルギー危機等により当社グループの製造又は販売活動に支障が生じる結果、当社グループの製造又は販売能力が損なわれる可能性があります。かかる事由の発生可能性を減少させ、その潜在的影響を低減するための十分な措置が取られない場合、又はかかる事由が発生したときに適切な対処ができない場合には、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループのサプライチェーンを修復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
当社グループでは、生産・物流・営業等をシステム上で、データ連携し、情報一元化することにより、サプライチェーンマネジメントの最適化を実施してまいります。また、当社グループでは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおり、取り組んでいます。
■水
水は当社グループのほぼ全ての商品の主要な原料ですが、世界の多くの地域において、人口増加による消費量の増加、水質汚染、管理不足や気候変動により、水の供給を受けられない可能性があります。世界中で水資源の需要が高まるにつれて、当社グループを含む、豊富な水資源に依存している企業は、製造コストの増加や、生産量についての制約に直面する可能性があり、その結果、長期にわたって当社グループの収益性又は成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
水に関する取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおりです。
■GHG
GHG排出量増加に起因する地球温暖化により、カーボンプライシングの導入による生産コストの増加、生産拠点への水の供給不足による操業影響、農産物の収量減少による調達コストの増加等が生じる可能性があります。
GHG削減に関する取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおりです。
■容器・包装
サントリーグループでは、循環型社会の実現に向けた取組を推進していますが、使用済みプラスチックの不適切な取扱いによって引き起こされる環境汚染や廃棄時のGHG排出量の増加等は大きな社会問題になっています。ワンウェイプラスチック関連課税によるコスト増加等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
容器・包装に関する取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおりです。
■地政学・地経学
当社グループは、日本国内のみならず、海外においても幅広く事業を展開しています。海外事業においては、日本と大きく異なる又は十分に整備されていない租税制度や法令、規制等の制定及び変更、国家間の対立、紛争・戦争の勃発、政治不安、保護主義的政策、国際移動制限、テロリズム、暴動等の非常事態といった様々な要因が発生し、原材料や包材に係るコストの増加や原材料不足、最終製品の市場価格の上昇、輸出入への影響が生じ、事業損益への悪影響や事業継続に困難が生じる可能性があります。また、従業員の安全確保を適切に行えないことにより、従業員の生命・身体に重大な危険が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、平時から有事対応体制基盤を強化・確立し、有事に際して速やかに対応体制を起動し、全社連携するとともに、具体的事案に沿ったシミュレーションを平時から重ね、グループ会社を含め、関係部署と適時に適切な判断を行うための事業継続計画(BCP)を策定しています。また、サントリーグループでは、情報の収集・分析・共有の実践と、その基盤の継続的強化のための活動も行っています。
■人権
当社グループ内又はバリューチェーン上で、人権問題が発生し、又は負の影響を与えた場合、人権対応や人権対応に関する情報開示が不十分と判断された場合、当社グループの信用が損なわれ、又は当社グループの商品に対する消費者の信頼が失われ、当社グループの商品の需要の低下に繋がる可能性や、原材料調達等に支障が生じる可能性があります。これらの事由が生じた場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼし、更には当社グループの信用を回復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
人権に関する取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する重点テーマの取組」に記載のとおりです。
■事業継続
大規模地震、台風や集中豪雨による洪水・土砂災害、雪害、火山噴火等の自然災害や、感染症等、経済・社会活動の継続を脅かすリスクが発生した場合、当社グループの事業継続に重大な影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうしたリスクに備え、生産、原材料調達、物流、営業・販売活動について、事業継続計画を策定するとともに、有事の際の本部機能、インフラの分散等、有事対応体制の強化を継続的に図っています。影響が広範囲に及ぶリスクについては、対応マニュアルを定め、対応基盤を構築するとともに、実際に重大なリスクが発生した際には、迅速な情報伝達と意思決定を行い、適切に対処することで、その影響及び被害の極小化に取り組むこととしています。
■情報セキュリティ
当社グループは、取引業務の遂行、顧客との連絡、経営陣への情報提供及び財務に関する報告書の作成等を正確かつ効率的に行うため、情報システムを利用しています。また、消費者への新しい価値の提供や、業務遂行の効率化を目的に、AI技術を利用しています。これらが、地震その他の自然災害、テロリストによる攻撃、ハードウエア・ソフトウエア・設備・遠隔通信の欠陥・障害、処理エラー、コンピュータ・ウイルス感染、ハッキング・悪意をもった不正アクセス等のサイバー攻撃、その他セキュリティ上の問題、誤った方法での利用、外部業者に起因する障害又は不具合等により、個人情報や機密情報の漏洩、著作権・肖像権・パブリシティ権等の侵害、情報システムの一定期間の停止等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが、グローバル化やデジタル技術革新に伴い、データの利活用をする中、個人のプライバシーに対する配慮や対応が不足することにより、各国の個人情報保護法令を遵守できない場合があります。これらの事由が生じた場合、多額の損害賠償責任・制裁金やレピュテーションの毀損等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
情報システムについては、セキュリティ、バックアップ及び災害復旧に係る対策を講じています。情報の取扱いについては、「サントリーグループ情報セキュリティ基本方針」のもと、個人情報や機密情報の安全管理と漏洩防止、情報セキュリティ遵守意識の維持・向上及び情報システムの安全かつ円滑な稼動の堅持のため、適切なセキュリティ対策を実施し、また、AIの利用については「サントリーグループAI基本方針」をグループ全体で共有・遵守し、責任あるAI利用を進めています。個人情報保護法令については、当社グループ内での個人情報の取扱いや既存社内ルールにつき現状を把握し、各国の法的規制への対応策を検討のうえ、優先度に応じて必要な社内ルール策定、契約・業務フロー整備等の対応を進めています。
■コンプライアンス
当社グループは、日本その他当社グループが事業を行う地域において、様々な法的規制を受けています。これらの規制には、品質、表示・健康訴求、競争、贈収賄防止、労働、環境・リサイクル及び税関連法規が含まれ、当社グループによる商品の製造、安全、表示、輸送、広告宣伝及び販売促進等の事業活動の様々な側面に適用されます。また、当社グループは国際的に事業を展開していることから、日本法及び外国法における腐敗防止規定を遵守する必要があります。当社グループに適用のある法的規制に違反した場合、当社グループの信用が失われ、厳格な罰則又は多額の損害を伴う規制上の処分又は私法上の訴訟提起が行われる可能性があり、特にかかる規制の不遵守や事故により環境汚染が発生した場合、当社グループは損害賠償請求や行政処分により多額の費用を負担することがあります。更に、当該法的規制の内容が大幅に改正され、若しくはその解釈に大幅な変更が生じ、又はより高い基準若しくは厳格な法的規制が導入された場合、コンプライアンス体制構築に係る費用が増加する可能性があります。
当社グループでは、規範策定、周知・啓発、実行、状況把握の活動サイクルを通じ、コンプライアンスを最優先する組織・風土づくりを進めています。また、サントリーグループでは、全従業員共通の基本姿勢を示した企業倫理綱領を制定し、グループ横断的な視点からコンプライアンス推進体制を整備しています。
■人財の確保・育成
当社グループが持続的に成長するためには、リーダーシップのある経営陣及び有能な従業員を継続して雇用し、かつ、育成することが必要となります。また、当社グループは、新たな従業員を雇用し、教育し、その技術及び能力を育成しなければなりません。計画外の退職が生じ、又は現経営陣の適切な後継者の育成に失敗した場合には、当社グループの組織的ノウハウが失われ、当社グループの競争優位性が損なわれる可能性があります。また、ジェンダー、性的指向、年齢、障がい、国籍、文化、民族、宗教、信条、経歴、生活様式等のあらゆる多様性が受容されるとともに、従業員の人権問題が適切に予防・把握・対処されることで、多様な人財がパフォーマンスを発揮できる制度や職場環境を醸成できない場合には、当社グループのレピュテーションが損なわれる可能性及び優秀な人財を確保できず、多様性がもたらすイノベーション創出やリスク管理が達成できない可能性があります。
従業員の雇用に関する競争の激化、従業員の退職率の上昇、従業員の福利厚生費の増加に起因するコストの増加又は適切な労務管理ができないことによる従業員の健康阻害等が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、人財評価をグループ全体及び地域ごとに行い、人財の確保の観点も踏まえて、育成施策や配置を討議し、人財ローテーションやグローバル共通の人財開発に取り組んでいます。国内では、戦略領域での人財獲得をより一層進める等して事業経営人財を計画的かつ構造的に育成しています。
なお、人財育成方針及び社内環境整備方針については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3)人的資本」に記載のとおりです。
■為替と金利の変動
当社グループは、原材料の一部を、主に米ドルを中心とした、日本円以外の通貨建てで海外から調達しています。当社グループは、為替相場の変動リスクを軽減するためにデリバティブ取引を利用しているものの、かかるヘッジ取引によっても全ての為替相場の変動リスクを回避できるわけではなく、為替の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの連結財務諸表は日本円により表示されているため、海外子会社の収益及び費用並びに資産及び負債の金額を、各決算期の期中平均又は期末における為替レートに基づき日本円に換算する必要があります。したがって、外国通貨の為替変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
更に、当社グループは、必要資金の一部を有利子負債で調達しており、将来的な資金需要に応じて今後も金融機関からの借入や社債等による資金調達を新たに行う可能性があります。金利の変動リスクを軽減するために、固定金利での調達やデリバティブ取引を利用していますが、金融資本市場の混乱や格付機関による当社の格付の引下げ等により、金利に大幅な変動があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、為替リスクヘッジや資金調達手段の多様化により、これらのリスク低減に取り組んでいます。
■酒類に対する規制
WHO(世界保健機関)において、2010年に「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」が採択され、2022年には2030年までの世界戦略の更なる推進のための実行計画が採択される等、世界的な規模で、責任ある酒類のマーケティング活動、アルコール関連問題への取組強化が求められています。長期的に見て、当社グループの予測の範囲を超える規制等が実施された場合、酒類の消費が減少する場合が考えられます。このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
サントリーグループは、アルコール関連問題にグローバルに取り組むために、専門部署を設置し、国内外の酒類業界と連携して、①不適切な飲酒の予防や適正飲酒の啓発、②責任ある酒類マーケティング活動の推進、③様々なステークホルダーとの連携・協力等を行っています。酒類を製造・販売する企業グループとしての社会的責任を果たすため、広告宣伝活動にあたっては、厳しい自主基準のもと、自ら規制を行っています。また、WHO等国際機関、各国政府の政策やアルコールに対する社会的動向等、機能横断的に現状把握を進めています。そして、アルコールによる健康リスクに関する世界の最新情報の収集を行っています。
■ガバナンス
当社グループは、国内外に数多くのグループ会社を保有し、グループ経営を行っています。グループが複層化・複雑化することで、適切なグループガバナンスが機能しない場合、一体経営の推進やグローバル成長戦略推進に大きな支障をきたし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、意思決定の迅速性・透明性を確保すべく、権限の最適な分配、レポートラインの整理等の体制整備を行っています。
■親会社の支配権
本書提出日現在において、当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱は当社発行済普通株式の59.48%を所有し、当社取締役の選解任、合併その他の組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の配当等の当社の基本的事項についての決定権又は拒否権を有しています。株主総会の承認が必要となる全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらずサントリーホールディングス㈱が影響を与える可能性があります。なお、サントリーホールディングス㈱の事前承認事項はなく、当社が独自に経営の意思決定を行っています。
当社とサントリーホールディングス㈱及びその子会社との間の主な関係等についての詳細は、以下のとおりです。
① サントリーグループとの取引関係について
当社グループは、サントリーグループ(当社グループを除く。)に属する会社と取引を行っています。
当連結会計年度における主な取引は次のとおりです。
(単位:百万円)
取引内容 |
取引先 |
金額 |
取引条件等の決定方法 |
製品輸送業務の委託 |
サントリーロジスティクス㈱ |
54,174 |
品質及び類似サービスの市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
ブランドロイヤリティの支払い |
サントリーホールディングス㈱ |
24,349 |
ブランド価値等を勘案し、両者協議のうえ使用対価として妥当な料率を決定 |
コーヒー豆の仕入れ |
サントリーコーヒーロースタリー㈱ |
17,439 |
品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
ウーロン茶葉・コーヒーエキスの仕入れ |
三得利貿易(香港)有限公司 |
14,636 |
品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
サントリーホールディングス㈱を含むサントリーグループ(当社グループを除く。)との取引・行為等については、社内規程に従い、取引・行為等を実施する部署において、また、法務部門及び財務・経理部門において、サントリーホールディングス㈱からの独立性の観点も踏まえ、必要性・合理性、条件等の妥当性、公正性について、事前に確認を行うこととしています。更に、一定金額以上の取引、及び、ブランド・人財・重要な資産・情報等の当社の企業価値の源泉となる経営資源に関する取引・行為等(以下、合わせて「重要取引・行為等」という。)については、特別委員会の事前審議・答申を経た上で、取締役会において、その重要取引・行為等の必要性・合理性、条件等の妥当性、公正性について十分に審議した後、意思決定を行います。事前の審議に加え、事後、審議の内容に基づいた取引・行為等が行われたかどうかについて、社内規程に従い、法務部門、財務・経理部門、内部監査部門によるチェックと、監査等委員会による監査を実施します。また、重要取引・行為等については、特別委員会及び取締役会に実施状況を報告し、実施結果を確認することとしています。これらの体制により、サントリーグループ(当社グループを除く。)との取引・行為等の公正性・透明性・客観性を確保していきます。
② サントリーホールディングス㈱との人的関係について
当社の取締役(監査等委員である取締役を含む。)8名のうち、サントリーホールディングス㈱の常務執行役員である宮永暢氏が、当社の取締役に就任しています。これは、同氏の有する、サントリーグループの飲料事業・酒類事業における豊富な海外での財務・会計部門における経験や経営経験、経営企画部門の部門長としての経営全般についての高い見識が、当社取締役会の更なる機能強化に資すると判断したためです。
また、当社では、サントリーホールディングス㈱より受け入れる従業員につきましては、出向ではなく、転籍としています。
③ 商標権、特許権、包括ライセンス契約等について
当社グループは、サントリーホールディングス㈱との間でコーポレートブランド「サントリー」についての使用許諾契約を締結しており、これに基づき「サントリー」の名称・ブランドを使用することを許諾されています。当該契約に基づく「サントリー」の使用については、当社がサントリーグループに属していることが条件となっています。なお、当社は当該契約に基づきサントリーホールディングス㈱にロイヤリティの支払いを行っています。
また、当社グループの事業に関連する商標権、特許権、意匠権等の知的財産権については、サントリーグループにおける知的財産権の有効活用の促進及び維持管理集中化による効率化のため、一部をサントリーホールディングス㈱が保有し、当社はサントリーホールディングス㈱から独占的実施権等を付与されています。なお、当社はサントリーホールディングス㈱に当該独占的実施権等に伴うロイヤリティの支払いを行っていません。また、当該許諾関係が終了する場合には、これらの知的財産権についてはサントリーホールディングス㈱から当社に無償で譲渡されることになっています。
配当政策
3【配当政策】
当社は、持続的な利益成長と企業価値向上につながる戦略的投資及び設備投資を優先的に実行することが、株主の利益に資すると考えています。加えて、株主への適切な利益還元についても経営における最重要課題の一つとして認識し、安定的な配当の維持と将来に備えた内部留保の充実を念頭におき、業績、今後の資金需要等を総合的に勘案した利益還元に努めます。
具体的には、親会社の所有者に帰属する当期利益に対する連結配当性向40%以上を目安に、利益成長による安定的な増配を目指します。
当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としています。
中間配当の基準日は、毎年6月30日と定款に定めています。
当社は、不測の事態の発生により、定時株主総会を開催することが困難な状況となっても株主総会決議を要さずに機動的に剰余金の配当等を行うことを可能とするため、「剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に定める事項については、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議によって定めることができる」旨を定款に定めており、株主総会及び取締役会のいずれにおいても配当等について決議することが可能な体制としています。
当事業年度の配当につきましては、1株当たり120円の配当(うち中間配当55円)を実施することを決定しました。
内部留保資金については、上述のとおり、戦略的投資及び設備投資等に充当します。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりです。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2024年8月8日 |
16,994 |
55 |
取締役会決議 |
||
2025年3月26日 |
20,084 |
65 |
定時株主総会決議 |