事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
(単一セグメント) | 17,159 | 100.0 | 1,850 | 100.0 | 10.8 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、M&Aを活用した飲食事業を展開しており、ラーメン事業、レストラン事業、ステーキ事業、寿司事業等の飲食店舗の運営、並びに保有するブランドに係るフランチャイズ事業及び不動産事業を行っております。
なお、当社のセグメントは、飲食事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。
当社の前身である株式会社マックでは、赤字であったカラオケ店舗の事業再生の経験を活かし、2003年6月より飲食事業に参入し、買収した企業の赤字店舗を業態変更することで利益の出る黒字店舗へと再生させてまいりました。
この企業買収・赤字企業再生のノウハウ、業態多角化によるシナジー強化、及び規模の経済によるバーゲニングパワーの高まりが、現在の当社成長の礎となっております。
企業再生型M&A(買収先企業が経営上の困難に直面し、再生の必要性がある場合に行われるM&Aのことを指し、買収することによって、買収元企業が買収先企業の経営を再建し成長を促進することを目的とします。)により店舗を拡大してきた『横浜家系ラーメン壱角家』、商標権を獲得し多店舗展開を図った『山下本気うどん』を主力ブランドとして確立し、展開しております。(2025年2月期における売上構成比:壱角家ブランド 10,258,841千円 63.0% 山下本気うどん 2,364,854千円 14.5%)
今期以降も壱角家、山下本気うどんは直営店舗の新規出店を継続する方針であります。(引き合いがあった場合はその他ブランド含めフランチャイズ展開を行います。)
2025年2月28日現在、店舗数は195店(直営店舗161店、業務委託店舗2店、フランチャイズ店舗32店)となっております。
※業務委託店舗は当社の従業員が独立制度を利用し、当社ブランドの既存店舗の運営、管理を行う形態を指します。業務委託での社員独立は、通常のフランチャイズ加盟と違い既存の店舗を運営委託するため、開店時より一定の入客が見込めるうえ、不動産賃貸、設備投資等の初期費用、加盟料、ロイヤルティなどがかからないことなどがメリットとなる独立の制度です。
壱角家(横浜道含む) |
2023年2月期 |
2024年2月期 |
2025年2月期 |
店舗数(業務委託・フランチャイズ含む) |
114店舗 |
122店舗 |
128店舗 |
客単価 |
914円 |
1,003円 |
1,101円 |
山下本気うどん |
2023年2月期 |
2024年2月期 |
2025年2月期 |
店舗数 |
9店舗 |
11店舗 |
18店舗 |
客単価 |
974円 |
1,047円 |
1,201円 |
当社の店舗展開の特徴は、特定の業態に偏らずに分散して出店することを基本としている点にあります。主にラーメン、うどん、丼を提供する比較的低価格帯の「日常食業態」、肉寿司に代表される居酒屋や、ハワイアンレストラン等の「機会食業態」を中心に、幅広いジャンルのブランドを展開しております。
オペレーションの面では、過去のM&A、業態転換で得たマニュアル化された効率的な店舗運営によりいかに繁盛店(来客数の増加及び利益率の高い店舗)を作るかのノウハウが蓄積されており、これらの経験を活かしてより収益率の高い運営を行いたいと考えております。
サービスについては、「イマをHAPPYに」という企業理念のもと、サービスの質を向上させるため、総務人事部人事課に人材開発担当者を置き、マニュアル整備、教育研修(講習会及びe-ラーニング)、実務への落とし込み、評価、改善のサイクルを回し続けることで、QSCA(Q=クオリティ、S=サービス、C=クレンリネス、A=アトモスフィア)の向上を図っております。
事業別売上構成比 単位:千円
事業部門 |
売上高 |
構成比 |
ラーメン事業 |
11,569,488 |
67.4% |
レストラン事業 |
2,736,812 |
15.9% |
ステーキ事業 |
1,489,023 |
8.7% |
肉寿司事業 |
481,418 |
2.8% |
フランチャイズ事業 |
661,754 |
3.9% |
その他 |
220,579 |
1.3% |
合 計 |
17,159,077 |
100% |
※ 2025年2月期実績
事業別店舗数
事業部門 |
ブランド名 |
店舗名 |
サービス内容 |
店舗数 |
ラーメン事業 |
・壱角家 ・だるまのめ ・一竜 ・てらッちょ。 |
・壱角家(103店舗) ・横浜道(2店舗)・だるまのめ(4店舗) ・油そば総本店(1店舗) ・壱角堂(1店舗) ・品川製麺所(1店舗) ・一竜(4店舗) ・てらッちょ。(2店舗) |
・ラーメン、油そばの提供 |
118店舗 |
レストラン事業 |
・山下本気うどん ・ハワイアン |
・山下本気うどん(18店舗) ・RRainbow(2店舗) ・The Veranda(1店舗) |
・うどんの提供 ・ハワイアン料理の提供 |
21店舗 |
ステーキ事業 |
・情熱のすためしどんどん ・鉄板王国 ・MARZAC |
・鉄板王国(6店舗) ・ステーキの王様(1店舗) ・情熱のすためしどんどん(11店舗) ・MARZAC(1店舗) ・MARZAC7(1店舗) |
・ステーキの提供 ・どんぶりの提供 ・グリル料理の提供 |
20店舗 |
寿司事業 |
・回転寿司プレミアム海王 ・肉寿司 |
・回転寿司プレミアム海王(1店舗) ・シン・ニクズシマン(1店舗) |
・寿司の提供 ・肉寿司の提供 |
2店舗 |
フランチャイズ事業 |
・壱角家 ・一竜 ・肉寿司 ・山下本気うどん ・情熱のすためしどんどん |
・壱角家(23店舗) ・一竜(4店舗) ・肉寿司(6店舗) ・情熱のすためしどんどん(1店舗) |
・各ブランドにおける営業ライセンスの貸与 ・FC店舗への経営指導 ・FC店舗への食材の卸売り |
34店舗 |
店舗数は2025年2月28日現在
1.事業の内容
(1)ラーメン事業
当社のラーメン事業は横浜家系ラーメン『壱角家』、博多豚骨ラーメン『一竜』、『だるまのめ』、背脂醤油とんこつ『てらッちょ。』で構成されており、幅広いラーメンジャンルをカバーしております。
最新の株式会社富士経済「外食産業マーケティング便覧2024」のデータによると、国内におけるラーメン市場規模は、ここ2年の急激な需要回復によりコロナ禍前の規模を超え、特にラーメン専業系の出店拡大が市場を底上げしています。単価の上昇やインバウンド需要も含めこの勢いは続くとみられ、市場は拡大傾向を維持すると見込まれています。
また、店舗数におきましては、食材費、燃料費の高騰の影響で個人店は減少傾向にありますが、チェーン展開を行う大手企業は新規出店を継続しております。
※出展:外食産業マーケティング便覧2024
当事業のメインブランドである横浜家系ラーメン『壱角家』及び『横浜道』は、横浜のご当地ラーメンとして誕生しましたが、今や「家系」という、ラーメンの一ジャンルとして認知・確立されております。
当社の横浜家系ラーメンは、濃厚でクリーミーなスープと、スープが絡みやすい特注の中太麺を特徴としています。当社のスープは仕入れ工場で一括して仕込みまで行い、店舗での調理作業を軽減する仕組みとなっており、整備された調理マニュアルにより顧客へブレのない安定した味の商品を提供しております。
また、卓上には多種類の調味料を用意しており、自分流の味付けができるとリピーター(継続的に複数回ご利用のお客様)にも好評です。現在は首都圏を中心に128店舗展開(2025年2月28日現在)しております。
駅前立地の路面店を中心に出店しておりますが、『壱角家』の認知度が向上してきたことで、商業施設内のフードコートからの引き合いが多くなり、2020年1月に初のフードコートへの出店を行い、現在出店中の7店舗(2025年2月現在)はいずれも好評を得ております。既存店舗の客層は若年男性が中心でしたが、フードコートへの出店により家族連れの来店が増え、新たな顧客層の開拓にも繋がりました。
店舗でのオペレーションにおいては、人材育成に重きを置き、定期的な営業店舗社員の研修、長年の経験から積み上げたマニュアルによる効率化、QSCA(Q=クオリティ、S=サービス、C=クレンリネス、A=アトモスフィア)向上の意識徹底を実施しております。気持ちの良い接客といつでも同じ味が提供できる店舗環境の整備によって、リピーター顧客を増やすことを目指しております。
上記のとおり、集客性の良い駅前立地の店舗において、調理経験の浅い従業員でも提供可能かつ安定した味わいの濃厚なラーメン、質の良いサービスを提供し、また毎年新規店舗を出店していくことで、安定的な高収益と事業拡大の両立を実現しております。
居抜き店舗を活用するなど初期投資を低く抑えていることに加え、収益率は高いことから(営業利益率21.4% 2025年2月実績)、投資回収期間が短い業態です。(2025年2月末時点で壱角家の平均投資回収期間は20.0カ月、最短は4カ月を実現しています。)今後は首都圏中心に自己資本で更なるドミナント展開を進め、また、フランチャイズ方式により全国に店舗を展開したいと考えております。
また、料金面におきましては、大手チェーン店9社の通常商品の平均価格が749円(自社調べ:商品価格は各社HP、グルメ媒体より引用)となっているところ、壱角家では980円~1,130円と店舗毎に価格設定を行うダイナミックプライシングを採用しており、店舗のロケーション、営業時間帯により料金を変更することで、適正な利益を確保しております。
『元祖博多中州屋台とんこつラーメン 一竜』は、1955年に開業し、長い行列が絶えなかった博多中洲の名物屋台をそのまま引き継ぎ再現したブランドであります。いまだに根強いファンも多く、知る人ぞ知る屋台ラーメンであり、国内では西日本、海外ではアジア圏からフランチャイズ加盟の問い合わせが寄せられています。
また、『だるまのめ』は釜炊きとんこつスープを使用し、癖が少なくあっさりしたコクのある白湯スープを使用しており、『てらッちょ。』は醤油とんこつベースのこってりしたスープを使用しております。
(2)レストラン事業
当社のレストラン事業は、ハワイアンフードを中心とした洋食を扱うハワイアンレストラン、『山下本気うどん』等、ラーメン事業と比較して顧客の滞在時間が長い業態で構成されております。
ハワイアンレストランは、まるでハワイに来ているようなリゾート感あふれる店内で、「ロコモコ」や「特製ガーリックシュリンプ」等のハワイアングルメを提供するブランドであります。「オープンテラスのあるハワイアンレストラン」をコンセプトに、『RRainbow』、『The Veranda』を都内、及び横浜に展開しております。家族連れや団体の貸し切りパーティー、女子会等での利用も多く、昼間はカフェとしても女性客を中心に人気があります。
『山下本気うどん』は、2017年6月にライセンスを取得しました。その後、業態のブラッシュアップ(好立地への出店及び内外装を洗練し、映えるメニューの開発を実施。)を重ね、2021年10月に商標を獲得し、高収益化及びブランド構築に成功しました。2021年2月期より本格的に店舗展開を開始し、現在は宅配の売上も好調であります。
今後は当社の成長ドライバーと位置付け山下本気うどんの出店を継続してまいります。
店舗外観や内装は、落ち着いた和の雰囲気をイメージしています。基本の味付けや麺は、グルメレビューサイトでも高い評価を受け行列の絶えない名店『慎』の味を踏襲し、加えて見栄えの楽しさも意識した期間・季節限定メニュー、新メニュー開発を積極的に行っております。
期間限定メニューにて販売を開始した「白い明太チーズクリームうどん」は、食べやすい味付けとインパクトのある見た目で女性客を中心に好評を博し、SNSでの情報拡散やTV等のメディアに度々取り上げられたことで人気が上昇したため、現在は常時ご利用いただけるレギュラーメニューとして、既に定番メニューとなっている「名物鶏天うどん」、「明太タルタルぶっかけうどん」と併せて全店舗で展開しております。また、店舗ごとに異なる期間限定メニューを提供することで、メニューの特色を活かした集客を行っております。
うどん市場は、他社ブランドも含め安定した業績推移となり、観光地、繁華街ではインバウンド需要が増加し、市場規模はプラス推移が見込まれており、店舗数も増加傾向とする予想となっています。
※出展:外食産業マーケティング便覧2024
日本人のソウルフードであるうどんを提供する市場において、山下本気うどんは、SNS映えをする創作うどんを中心とするキラー商品と、こだわりのある店内仕込みによる質の高い定番うどんを揃え、落ち着いて食事ができる空間と質の高いサービスを提供しております。
山下本気うどん渋谷並木橋が開店した2017年10月から直近の2025年2月までの期間において、投資回収は10号店目まで目標期間内に回収済み。10号店目までの平均投資回収は18カ月となっており、高い利益率を実現することで早期投資回収を可能としています。今後は首都圏中心に自己資本で更なる新規出店を進めるとともに、フランチャイズ方式により全国に店舗を展開したいと考えております。
立地戦略と致しまして、直営での新規出店につきましては従来、駅近の好立地物件を中心に出店してまいりましたが、商業ビル、郊外型ショッピングセンター、アウトレット等のレストランフロア・フードコートへと出店範囲を広げることで、新たな顧客層の取り込みを図って参ります。
また、商品単価の高い季節商品・創作商品等のキラー商品はメニュー全体の11.8%という商品構成割合ですが、平均単価は1,373円(定番商品は992円)、山下本気うどんにおけるうどんカテゴリ全体の売上高の34.3%を占める構成となっており、有名うどん競合チェーンと比べて客単価の高いビジネスモデルとなっています。(2025年2月実績)
今後はインバウンド需要の回復にともなって、当初から注力してきたSNSマーケティングにより、訪日外国人に積極的に日本食を提供できる環境の整備を急いでおります。従いまして『山下本気うどん』は、今後の事業展開の柱となるグローバルブランドであると考えております。
また、現プロ野球日本ハムファイターズの監督である新庄剛志氏による2022年3月ブランドアンバサダーの就任、SNSでの拡散、TV番組への出演などにより知名度が向上した結果、商業施設からの引き合いも多く、引き続き出店を加速していく方針です。
(3)ステーキ事業
『鉄板王国』、『ステーキの王様』は焼きたてのステーキやハンバーグをリーズナブルな価格で提供しており(お客様一人当たり売上単価1,567円、2025年2月実績)、熱々の鉄板で好みの焼き加減に仕上げたステーキと、厳選した十数種類のスパイスや果実を独自にブレンドしたオリジナルソースとともに提供しております。国産米、毎日仕入れる新鮮な野菜等、肉以外の食材にもこだわっております。
『情熱のすためしどんどん』は独自に開発したニンニク醤油で炒めた豚バラを、熱々のご飯に載せた丼ぶりを提供しております。
『MARZAC』は気軽に立ち寄れる「ワイン食堂」をコンセプトに、ワインと炭焼き料理を提供するブランドになります。
ワインに合うイタリア料理やフレンチの技術を使った料理、和の食材を使った料理など、様々なお料理をアラカルト・コースにてお楽しみいただけます。同ブランドは、表参道『MARZAC』、中目黒『MARZAC7』の2店舗を展開しており、両店舗ともに、団体の貸切パーティーから少人数での会食に利用されております。
(4)寿司事業
『回転寿司プレミアム海王』は、お台場の大規模商業施設であるダイバーシティ東京プラザに店を構え、観光で訪れる国内外のお客様に対し、日本全国から厳選した新鮮で質の高い旬の食材を取り寄せ、握り寿司だけでなく創作寿司やおつまみなど豊富なメニューを提供しております。
また、食べ放題メニューの実施、インバウンド向けに金箔をふんだんに使ったプレミアムゴールド握り等、顧客のニーズに対応する企画を行い集客に努めております。
『肉寿司/シン・ニクズシマン』は、「肉を美味しく食べる方法と、新しい価値の有る料理」をコンセプトに、飲食店として最も大切な安全性を確保しながら、肉の可能性を探る研究を続け、馬・牛・豚・鶏・ホルモン等、あらゆる肉を最適な調理法で提供する肉料理専門の寿司店として誕生したブランドです。
特に馬肉は栄養価が高く、カルシウム・鉄分・ビタミン・グリコーゲンを豊富に含むうえ、低カロリー・高たんぱくで、健康と美容に理想的とされ、アスリートの肉体をつくる食材としても注目を集めております。
『シン・ニクズシマン』は、看板にネオン管を使用し、明るくポップな雰囲気を演出した店舗作りで肉寿司のメニューをベースに低アルコール度数のカラフルなフルーツサワーやカクテルを提供しております。
(5)フランチャイズ事業
①国内
横浜家系ラーメン『壱角家』、『肉寿司』、『元祖博多中州屋台とんこつラーメン 一竜』、2023年3月からは『山下本気うどん』を加え、フランチャイズ本部を立ち上げ、フランチャイズ方式を用いて事業展開しておりラーメンフランチャイズ店舗においては、スーパーバイザーによる経営指導、食材の卸売りを行っており、『肉寿司』フランチャイズにおいては前記の他、ブランド使用のよる対価としてロイヤルティを徴収しております。
『壱角家』は国内・海外フランチャイズ加盟店23店舗(国内20店舗、海外3店舗)を展開しております。『肉寿司』は、2017年7月よりフランチャイズ加盟店を中心に全国展開を進め、現在ではフランチャイズ加盟店6店舗を展開しております。(2025年2月28日現在)
『壱角家』のフランチャイズ加盟店は既に20店舗を超える規模に成長しており、スケールメリットを活かし事業を継続・発展させるために、フランチャイズ展開による事業拡大は大いに役立ちます。直営展開に加えフランチャイズ展開を加速することは、市場シェアをさらに高め、オペレーションノウハウを蓄積させ、ひいてはブランド力向上へと繋がります。
2024年2月期より、うどん事業の『山下本気うどん』もフランチャイズ加盟募集を開始しており、複数のブランドをフランチャイズ展開することでポートフォリオを構築し、ヒト・モノ・カネといった経営資源を各ブランドの隆盛に合わせて最適に配分しながら、持続可能な競争優位性を確立したいと考えております。
また、当社ブランドの店舗は駅前立地への出店が多く、また、視認性の高い大きな看板と鮮やかなロゴマーク等、ブランドアイデンティティを高めた店舗作りを意識しており、国内・海外の有力企業及び投資家からフランチャイズのお問い合わせを募っております。
②海外
現在、アジア圏を中心に海外フランチャイズを展開しています。特に著しい経済発展を見せる東南アジア等の新興国を中心に年間可処分所得の増加にともない、人々が求める商品やサービスは、必要を満たすものから、より良いものや体験したことのないものへと変化しております。こうした「消費市場」への移行のなかで、アジア圏におけるサービス産業は目覚ましく発展し、GDPに占めるサービス産業の割合も増加しております。また、日本ブランドは依然として現地で高い評価を得ております。
当社は、①自社にて加盟者を募るフランチャイズ方式、②海外企業・メーカー等との業務提携により出店するライセンス方式の2つの手法を用いて、アジア圏の国々をはじめとした海外においても、将来的に自社ブランド店舗の展開を行っていく方針であります。
多彩なメニュー構成、現地の食文化に合わせたローカライズ等、これまでに蓄積したノウハウを活かし、「日本の国民食」に新しい価値を加え、世界に発信したいと考えております。
(6)その他
店舗開発部において、店舗物件情報の早期取得を目的として不動産事業を行っており、一部不動産仲介、不動産転貸借を手掛けております。
2.事業系統図
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて4,717百万円増加し、15,867百万円となりました。これは主に、株式発行により現金及び預金が4,162百万円、売掛金が107百万円、新規出店による有形固定資産が274百万円増加したこと等によるものです。
(負債)
当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べて930百万円減少し、7,913百万円となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が394百万円、社債が293百万円、未払法人税等が52百万円減少した一方、買掛金が24百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べて5,648百万円増加し、7,953百万円となりました。これは主に、資本金が2,368百万円、資本剰余金が2,368百万円増加するとともに、当期純利益1,207百万円の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものです。
②経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、訪日外国人が過去最多を更新し、訪日外国人旅行消費額も過去最高の実績となり、インバウンド需要が引き続き好調である一方で、長引く世界情勢不安や地政学リスクの顕在化、原材料及びエネルギー価格の上昇、円安の影響など依然として先行き不透明な状況です。
外食産業につきましては、原材料費の高騰で価格改定せざるを得ない状況が続いており、客単価は上昇したものの、物価高騰に伴い消費者の節約志向も進んでおり客数の伸び悩みがみられるほか、慢性的な人手不足などのマイナス要因による厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社は「イマをHAPPYに!」という企業理念を掲げ、ご来店いただくお客様が幸せ・元気・笑顔になれるよう「HAPPYな空間の提供」を使命としております。ブランド力強化のためQSCA(クオリティ・サービス・クレンリネス・アトモスフィア)の向上を目指し、衛生的で安全な店舗運営の維持と従業員の働きやすい環境作りに日々努めております。
商品販売促進策につきましては、各ブランドにおいて、2~3か月に一度のペースで季節限定メニューや期間限定メニューを提供しております。また、月一回メイン商品を特別価格にて提供するブランド別フェア「壱角家の日」を継続して実施したほか、「お客様感謝祭」や「周年記念祭」などのキャンペーンを不定期にて開催いたしました。
各ブランドでスマートフォンアプリ施策として、無料及び割引クーポン・フェア情報の配信を行い、既存顧客の再来店に向けて取り組みを行いました。一方、新規顧客の獲得に向けて、X・Instagram等のSNSで情報発信し、店舗利用集客促進のため活用しております。
店舗出退店の状況につきましては、18店舗出店(直営15店舗、FC3店舗)、15店舗退店(直営2店舗、FC13店舗)した結果、当事業年度末の店舗数は195店舗(直営161店舗、業務委託2店舗、FC32店舗)となりました。
以上の結果、当事業年度末における売上高は17,159百万円(前年同期比12.1%増)、営業利益1,849百万円(同22.0%増)、経常利益1,722百万円(同19.5%増)、当期純利益1,207百万円(同13.3%増)となりました。
なお、当社は、飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
③キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は10,660百万円となり、前事業年度末に比べて4,162百万円の増加となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,418百万円(前年同期比21.1%減)となりました。これは主に、税引前当期純利益1,576百万円、減価償却費359百万円、その他の償却額(のれん償却額、社債発行費償却、その他の償却額)123百万円、法人税等の支払額658百万円、未払消費税等の減少額106百万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は819百万円(前年同期比38.5%増)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入71百万円、預り保証金の受入による収入17百万円により資金が増加した一方で、敷金及び保証金の差入による支出133百万円、有形固定資産の取得による支出707百万円等により資金が減少したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は3,563百万円(前年同期比232.3%増)となりました。これは主に、株式の発行による収入4,710百万円、長期借入れによる収入1,393百万円、社債の発行による収入586百万円により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出1,831百万円、社債の償還による支出851百万円等により資金が減少したことによるものです。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当社は、運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することに努めております。運転資金は、自己資金を基本としており、自己資金で補うことができない場合は金融機関からの借入を行うことを基本としております。
④生産、仕入及び販売の状況
a.生産実績
該当事項はありません。
b.仕入実績
当事業年度の仕入実績は、次の通りであります。
当社は飲食事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。
事業の名称 |
当事業年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
|
仕入高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ラーメン事業 |
3,109,444 |
116.2 |
レストラン事業 |
631,137 |
- |
ステーキ事業 |
481,430 |
104.6 |
寿司事業 |
174,464 |
- |
フランチャイズ事業 |
545,264 |
103.9 |
その他 |
70,528 |
100.1 |
合計 |
5,012,270 |
108.2 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.2025年2月期より肉寿司事業は寿司事業に組織改編しております。
3. 2025年2月期よりレストラン事業内一部ブランドにおいて、寿司事業に組織改編しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次の通りであります。
当社は飲食事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。
事業の名称 |
当事業年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
|
売上高(千円) |
前年同期比(%) |
|
ラーメン事業 |
11,569,488 |
113.7 |
レストラン事業 |
2,736,812 |
- |
ステーキ事業 |
1,489,023 |
103.2 |
寿司事業 |
481,418 |
- |
フランチャイズ事業 |
661,754 |
97.2 |
その他 |
220,579 |
101.8 |
合計 |
17,159,077 |
112.1 |
(注)1.当社の主要顧客は個人のため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は作成しておりません。
2.2025年2月期より肉寿司事業は寿司事業に組織改編しております。
3. 2025年2月期よりレストラン事業内一部ブランドにおいて、寿司事業に組織改編しております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
これらの財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
⑦経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
当社の経営上の目標達成を判断するために、「営業利益率」10%以上、「ROA(総資産利益率)」10%以上、「ROE(自己資本当期純利益率)」10%以上、「配当性向」40%以上をの客観的な指標等としています。
当事業年度における営業利益率は10.8%、ROEは23.5%、配当性向は40%以上となり、それぞれ目標を達成いたしましたが、ROAは8.9%と未達成となりました。