2026年2月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

(単一セグメント)
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
(単一セグメント) 17,895 100.0 1,302 100.0 7.3

3【事業の内容】

当社は、M&Aを活用した飲食事業を展開しており、ラーメン事業、レストラン事業、ステーキ事業、寿司事業等の飲食店舗の運営、並びに保有するブランドに係るフランチャイズ(以下FC)事業及び不動産事業を行っております。なお、当社のセグメントは、飲食事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。

 

当社の前身である株式会社マックでは、赤字であったカラオケ店舗の事業再生の経験を活かし、2003年6月より飲食事業に参入し、買収した企業の赤字店舗を業態変更することで利益の出る黒字店舗へと再生させてまいりました。

この企業買収・赤字企業再生のノウハウ、業態多角化によるシナジー強化、及び規模の経済によるバーゲニングパワーの高まりが、現在の当社成長の礎となっております。

企業再生型M&A(※)により店舗を拡大してきた横浜家系ラーメン『壱角家(いちかくや)』、商標権を獲得し多店舗展開を図った『山下本気うどん』を主力ブランドとして確立し、展開しております。(2026年2月期における売上構成比:壱角家ブランド 10,875,299千円 60.8% 山下本気うどん 2,554,041千円 14.3%)

※買収先企業が経営上の困難に直面し、再生の必要性がある場合に行われるM&Aのことを指し、買収することによって、買収元企業が買収先企業の経営を再建し成長を促進することを目的とします。

 

また、M&Aにつきましては、2025年9月に創業30年超の味噌ラーメンブランド『萬馬軒(まんばけん)』、12月に北海道の郷土料理であるごまそばをメインとしたそば居酒屋ブランド『高田屋(たかだや)』の事業譲受契約を締結いたしました。以降は壱角家、山下本気うどんに加え、萬馬軒、高田屋の直営店舗の新規出店を継続する方針です。引き合いがあった場合はその他ブランド含めFC展開を行います。

 

2026年2月末日現在、店舗数は199店(直営店舗172店、業務委託店舗(※)1店、FC店舗26店)です。

※業務委託店舗は当社の従業員が独立制度を利用し、当社ブランドの既存店舗の運営、管理を行う形態を指します。業務委託での社員独立は、通常のFC加盟と違い既存の店舗を運営委託するため、開店時より一定の入客が見込めるうえ、不動産賃貸、設備投資等の初期費用、加盟料、ロイヤルティなどがかからないことなどがメリットとなる独立の制度です。

 

壱角家(横浜道含む)

2023年2月期

2024年2月期

2025年2月期

2026年2月期

店舗数(業務委託・FC含む)

114店舗

122店舗

128店舗

130店舗

客単価

914円

1,003円

1,101円

1,142円

 

山下本気うどん

2023年2月期

2024年2月期

2025年2月期

2026年2月期

店舗数(FC含む)

9店舗

11店舗

18店舗

23店舗

客単価

974円

1,047円

1,201円

1,164円

 

当社の店舗展開の特徴は、特定の業態に偏らずに分散して出店することを基本としている点にあります。主にラーメン、うどん、丼を提供する比較的低価格帯の「日常食業態」、MARZACに代表されるバルや、ハワイアンレストラン等の「機会食業態」を中心に、幅広いジャンルのブランドを展開しております。

 

オペレーションの面では、過去のM&A、業態転換で得たマニュアル化された店舗運営手法によりいかに繁盛店(来客数の増加及び利益率の高い店舗)を作るかのノウハウが蓄積されており、これらの経験を活かしてより収益率の高い運営を行いたいと考えております。

サービスについては、「イマをHAPPYに」という企業理念のもと、サービスの質を向上させるため、専門の教育担当を置き、マニュアル整備、教育研修(講習会及びe-ラーニング)、実務への落とし込み、評価、改善のサイクルを回し続けることで、QSCA(Q=クオリティ、S=サービス、C=クレンリネス、A=アトモスフィア)の向上を図っております。

 

事業別売上構成比          単位:千円

事業部門

売上高

構成比

ラーメン事業

12,282,154

68.6%

レストラン事業

2,859,108

16.0%

ステーキ事業

1,339,377

7.5%

寿司事業

470,616

2.6%

FC事業

725,145

4.1%

その他

218,880

1.2%

合 計

17,895,282

100%

※ 2026年2月期実績

 

事業別店舗数

事業部門

ブランド名

店舗名

サービス内容

店舗数

ラーメン事業

・壱角家

・だるまのめ

・一竜

・てらッちょ。

・萬馬軒

・壱角家(110店舗) ・横浜道(2店舗) ・だるまのめ(4店舗) ・油そば総本店(1店舗) ・壱角堂(1店舗) ・品川製麺所(1店舗)

・一竜(4店舗) ・てらッちょ。(2店舗) ・萬馬軒(5店舗)

・ラーメン、油そばの提供

130店舗

レストラン事業

・山下本気うどん

・ハワイアン

・山下本気うどん(21店舗)

・RRainbow(2店舗)

・The Veranda(1店舗)

・うどんの提供

・ハワイアン料理の提供

24店舗

ステーキ事業

・情熱のすためしどんどん

・鉄板王国

・MARZAC

・鉄板王国(5店舗) ・ステーキの王様(1店舗) ・情熱のすためしどんどん(8店舗) ・MARZAC(1店舗)・MARZAC7(1店舗)

・ステーキの提供

・どんぶりの提供

・グリル料理の提供

16店舗

 

事業部門

ブランド名

店舗名

サービス内容

店舗数

寿司事業

・回転寿司プレミアム海王

・肉寿司

・回転寿司プレミアム海王(1店舗)

・シン・ニクズシマン(1店舗)

・寿司の提供

・肉寿司の提供

2店舗

FC事業

・壱角家

・一竜

・肉寿司

・山下本気うどん

・壱角家(18店舗) ・一竜(4店

 舗)・肉寿司(3店舗) ・山下本気

 うどん(2店舗)

・各ブランドにおける営業ライセンスの貸与

・FC店舗への経営指導

・FC店舗への食材の卸売り

27店舗

店舗数は2026年2月末時点

 

1.事業の内容

(1)ラーメン事業

当社のラーメン事業は横浜家系ラーメン『壱角家』、博多豚骨ラーメン『一竜』、『だるまのめ』、背脂醤油とんこつ『てらッちょ。』と、2025年11月から運営を開始した味噌ラーメン『萬馬軒』で構成されており、幅広いラーメンジャンルをカバーしております。

 

 

最新の株式会社富士経済「外食産業マーケティング便覧2025」のデータによると、国内におけるラーメン市場規模は、急激な需要回復によりコロナ禍前の規模を超え、特にラーメン専業系の出店拡大が市場を底上げしています。単価の上昇やインバウンド需要も含めこの勢いは続くとみられ、市場は拡大傾向を維持すると見込まれています。

また、店舗数におきましては、食材費、燃料費の高騰の影響で個人店は減少傾向にありますが、チェーン展開を行う大手企業は新規出店を継続しております。

※出展:外食産業マーケティング便覧2025

 

当事業のメインブランドである横浜家系ラーメン『壱角家』及び『横浜道』は、横浜のご当地ラーメンとして誕生しましたが、今や「家系」という、ラーメンの一ジャンルとして認知・確立されております。

当社の横浜家系ラーメンは、濃厚でクリーミーなスープと、スープが絡みやすい特注の中太麺を特徴としています。当社のスープは仕入れ工場で一括して仕込みまで行い、店舗での調理作業を軽減する仕組みとなっており、整備された調理マニュアルにより顧客へブレのない安定した味の商品を提供しております。

 

 

卓上には多種類の調味料を用意しており、自分流の味付けができるとリピーター(継続的に複数回ご利用のお客様)にも好評です。現在は首都圏を中心に130店舗展開(2026年2月末時点)しております。

駅前立地の路面店を中心に出店しておりますが、『壱角家』の認知度が向上してきたことで、商業施設内のフードコートからの引き合いが多くなり、2020年1月に初のフードコートへの出店を行い、現在出店中の9店舗(2026年2月末時点)はいずれも好評を得ております。既存店舗の客層は若年男性が中心でしたが、フードコートへの出店により家族連れの来店が増え、新たな顧客層の開拓にも繋がりました。

店舗でのオペレーションにおいては、人材育成に重きを置き、定期的な営業店舗社員の研修、長年の経験から積み上げたマニュアルによる効率化、QSCA向上の意識徹底を実施しております。気持ちの良い接客といつでも同じ味が提供できる店舗環境の整備によって、リピーター顧客を増やすことを目指しております。

上記のとおり、利便性の良い駅前立地の店舗において、調理経験の浅い従業員でも提供可能かつ安定した味わいの濃厚なラーメン、質の良いサービスを提供し、また毎年新規店舗を出店していくことで、安定的な高収益と事業拡大の両立を実現しております。

居抜き店舗を活用するなど初期投資を低く抑えていることに加え、営業利益率20%前後と収益率が高く、投資回収期間が短い業態です。2026年2月末時点で壱角家の平均投資回収期間は20.2カ月、最短は4カ月を実現しています。今後も首都圏中心に自己資本で更なるドミナント展開を進め、また、フランチャイズ方式により全国に店舗を展開してまいります。

また、料金面におきましては、他社大手チェーン店の通常商品の平均価格が816円(※)のところ、壱角家では駅前立地ということもあり並のラーメンが930円~1,130円とエリア・店舗毎に価格設定を行うダイナミックプライシングを採用するとともに一部で深夜料金を適用することで、適正な利益を確保しております。

※自社調べ:商品価格は各社HP、グルメ媒体より引用

 

『萬馬軒』は、1988(昭和63)年の創業から都内で30年以上の歴史があり、豚骨や鶏ガラなどをベースに数種類の味噌をブレンドした特製味噌ダレを使用した濃厚な味噌スープと、特注の麺が特徴です。

 

『元祖博多中州屋台とんこつラーメン 一竜』は、1955年に開業し、長い行列が絶えなかった博多中洲の名物屋台をそのまま引き継ぎ再現したブランドであります。いまだに根強いファンも多く、知る人ぞ知る屋台ラーメンであり、国内では西日本、海外ではアジア圏からフランチャイズ加盟の問い合わせが寄せられています。

 

『だるまのめ』は釜炊きとんこつスープを使用し、癖が少なくあっさりしたコクのある白湯スープを使用しており、『てらッちょ。』は醤油とんこつベースのこってりしたスープを使用しております。

 

 

(2)レストラン事業

当社のレストラン事業は、創作讃岐うどん『山下本気うどん』や、ハワイアンフードを中心とした洋食を扱うハワイアンレストラン『RRainbow(ダブルレインボー)』、『The Veranda(ザ ヴェランダ)』等、ラーメン事業と比較して顧客の滞在時間が長い業態で構成されております。

 

『山下本気うどん』は、2017年6月にライセンスを取得しました。その後、好立地への出店及び内外装を変更し、映えるメニューの開発を実施するなど業態のブラッシュアップを重ね、2021年10月に商標を獲得、ブランド構築に成功しました。山下本気うどんを当社の2つ目の成長ドライバーと位置付け、出店を継続しております。

店舗外観や内装は、落ち着いた和の雰囲気をイメージしています。基本の味付けや麺は、グルメレビューサイトでも高い評価を受け行列の絶えない名店『慎』の味を踏襲し、加えて見栄えの楽しさも意識した期間・季節限定メニュー、新メニュー開発を積極的に行っております。

期間限定メニューにて販売を開始した「白い明太チーズクリームうどん」は、食べやすい味付けとインパクトのある見た目で女性客を中心に好評を博し、SNSでの情報拡散やTV等のメディアに度々取り上げられたことで人気が上昇したため、現在は常時ご利用いただけるレギュラーメニューとして全店舗で展開しております。

 

うどん市場は、他社ブランドも含め安定した業績推移となり、観光地、繁華街ではインバウンド需要が増加し、市場規模はプラス推移が見込まれており、店舗数も増加傾向とする予想となっています。

※出展:外食産業マーケティング便覧2025

 

山下本気うどん 渋谷並木橋が開店した2017年10月から直近の2026年2月までの期間において、投資回収は10号店目まで目標期間内に回収済みです。10号店目までの平均投資回収は18カ月となっており、高い利益率を実現することで早期投資回収を可能としています。今後も首都圏中心に自己資本で更なる新規出店を進めるとともに、フランチャイズ方式により全国に店舗を展開してまいります。

立地戦略として、従来の直営での新規出店は駅近の好立地物件を中心に出店してまいりましたが、SNSでの拡散、TV番組への出演などにより知名度が向上した結果、商業施設からの引き合いも多くいただけております。商業ビル、郊外型ショッピングセンター、アウトレット等のレストランフロア・フードコートへと出店範囲を広げ、新たな顧客層の取り込みを図り、出店を加速していく方針です。

商品単価の高い季節商品・創作商品等のキラー商品の平均単価は1,366円(定番商品は926円)、山下本気うどんにおけるうどんカテゴリ全体の売上高の36.2%を占める構成となっており、有名うどん競合チェーンと比べて客単価の高いビジネスモデルとなっています。(2026年2月実績)

今後はインバウンド需要に対応するため、SNSを積極的に活用し、訪日外国人旅行客に対しブランドの認知を進め、海外展開を視野に入れたグローバルブランドへと育成してまいります。

 

『RRainbow』、『The Veranda』は、まるでハワイに来ているようなリゾート感あふれる店内で、「ロコモコ」や「特製ガーリックシュリンプ」等のハワイアングルメを提供するブランドです。「オープンテラスのあるハワイアンレストラン」をコンセプトに、都内及び横浜に展開しております。家族連れや団体の貸し切りパーティー、女子会等での利用も多く、昼間はカフェとしても女性客を中心にご利用いただいております。

 

 

(3)ステーキ事業

『鉄板王国』、『ステーキの王様』は焼きたてのステーキやハンバーグを1,000円前後から提供しております。厳選した十数種類のスパイスや果実を独自にブレンドしたオリジナルソースや、国産米、毎日仕入れる新鮮な野菜等、肉以外の食材にもこだわっております。

 

『情熱のすためしどんどん』は独自に開発したニンニク醤油で炒めた豚バラを、熱々のご飯に載せた丼ぶりを提供しております。

 

『MARZAC』は気軽に立ち寄れる「ワイン食堂」をコンセプトに、ワインと炭焼き料理を提供するブランドです。ワインに合うイタリア料理やフレンチの技術を使った料理、和の食材を使った料理など、様々なお料理をアラカルト・コースにてお楽しみいただけます。同ブランドは、表参道『MARZAC』、中目黒『MARZAC7』の2店舗を展開しており、両店舗ともに、団体の貸切パーティーから少人数での会食に利用されております。

 

 

(4)寿司事業

『回転寿司プレミアム海王』は、お台場の大規模商業施設であるダイバーシティ東京プラザに店を構え、観光で訪れる国内外のお客様に対し、日本全国から厳選した新鮮で質の高い旬の食材を取り寄せ、握り寿司だけでなく創作寿司やおつまみなど豊富なメニューを提供しております。

また、食べ放題メニューの実施、インバウンド向けの特別メニュー等、顧客のニーズに対応する企画を行い集客に努めております。

 

『肉寿司/シン・ニクズシマン』は、「肉を美味しく食べる方法と、新しい価値の有る料理」をコンセプトに、飲食店として最も大切な安全性を確保しながら、肉の可能性を探る研究を続け、馬・牛・豚・鶏・ホルモン等、あらゆる肉を最適な調理法で提供する肉料理専門の寿司店として誕生したブランドです。

特に馬肉は栄養価が高く、カルシウム・鉄分・ビタミン・グリコーゲンを豊富に含むうえ、低カロリー・高たんぱくで、健康と美容に理想的とされ、アスリートの肉体をつくる食材としても注目を集めております。

『シン・ニクズシマン』は、看板にネオン管を使用し、明るくポップな雰囲気を演出した店舗作りで肉寿司のメニューをベースに低アルコール度数のカラフルなフルーツサワーやカクテルを提供しております。

 

 

(5)フランチャイズ(FC)事業

①国内

横浜家系ラーメン『壱角家』、『肉寿司』、『一竜』、2023年3月からは『山下本気うどん』を加え、FC本部を立ち上げ、FC方式を用いて事業展開しております。ラーメンFC店舗においては、スーパーバイザーによる経営指導、食材の卸売りを行っており、『肉寿司』FCにおいては前記の他、ブランドの使用による対価としてロイヤルティを徴収しております。

 

2026年2月末時点で、FC加盟店は『壱角家』17店舗、『肉寿司』3店舗、『一竜』4店舗を展開しており、『山下本気うどん』は2025年5月と12月に北海道と金沢に展開いたしました。複数のブランドをFC展開することでポートフォリオを構築し、ヒト・モノ・カネといった経営資源を各ブランドの隆盛に合わせて最適に配分しながら、持続可能な競争優位性を確立したいと考えております。

 

また、当社ブランドの店舗は駅前立地への出店が多く、また、視認性の高い大きな看板と鮮やかなロゴマーク等、ブランドアイデンティティを高めた店舗作りを意識しており、国内・海外の有力企業及び投資家からFCのお問い合わせを募っております。

 

 

(6)海外展開

 当社は、アジア圏の国々をはじめとした海外においても①自社にて加盟者を募るFC方式、②海外企業・メーカー等との業務提携により出店するライセンス方式、の2つの手法を用いて、タイとマレーシアに壱角家FCを展開しておりましたが、2026年2月期中にいずれも撤退しております。

 特に著しい経済発展を見せる東南アジア等の新興国では年間可処分所得の増加にともない、人々が求める商品やサービスは、必要を満たすものから、より良いものや体験したことのないものへと変化しておりました。

 こうした「消費市場」への移行のなかで、アジア圏におけるサービス産業は目覚ましく発展し、GDPに占めるサービス産業の割合も増加しており、また日本ブランドは依然として現地で高い評価を得ておりましたが、近年ではラーメン業態は日本企業の進出が進み、飽和状態が見られておりました。

 

 一方で日本のうどんの人気が高まっていたため、今後の海外展開を見据え東南アジアの中央に位置するタイに注目し、日本国内でもシンハービールで知名度の高い、財閥企業Boon Rawd Brewery Co., Ltd.(ブンロード・ブリュワリー社)と交渉を重ねました。そして2025年10月に、タイ国内における山下本気うどんのブランド店舗を運営・管理するための、共同出資による合弁会社設立の契約を締結、2026年3月に現地にて法人を設立いたしました。

 出店第1号は秋頃を予定しておりますが、多彩なメニュー構成、現地の食文化に合わせたローカライズ等、これまでに蓄積したノウハウを活かし、「日本の国民食」に新しい価値を加え、世界に発信したいと考えております。

 

 

(7)その他

店舗開発部において、店舗物件情報の早期取得を目的として不動産事業を行っており、一部不動産仲介、不動産転貸借を手掛けております。

 

 

2.事業系統図

 

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

①財政状態の状況

(資産)

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて1,423百万円増加し、17,291百万円となりました。これは主に、商標権が109百万円増加、のれんが381百万円増加、新規出店による有形固定資産が62百万円増加、敷金及び保証金が372百万円増加、繰延税金資産が271百万円増加したこと等によるものです。

 

(負債)

当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べて1,681百万円増加し、9,595百万円となりました。これは主に、社債が758百万円減少、未払法人税等が117百万円減少した一方、長期借入金が2,364百万円増加したこと等によるものです。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べて257百万円減少し、7,695百万円となりました。これは主に、資本金が13百万円増加、資本剰余金が13百万円増加、当期純利益625百万円の計上により利益剰余金が増加した一方で、配当金の支払いにより928百万円減少したこと等によるものです。

 

②経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や訪日外国人の増加によるインバウンド需要の拡大を背景に、緩やかな回復基調が継続いたしました。一方で、原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安の影響に加え、地政学リスクの高まりなどにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。

外食産業におきましては、原材料費や光熱費の上昇に伴う価格改定の影響により客単価は上昇したものの、物価上昇を背景とした節約志向の高まりにより客数の伸び悩みが見られたほか、人手不足に伴う人件費の増加なども重なり、厳しい経営環境が継続いたしました。また、当事業年度は春先から秋口にかけて記録的な高温が続き、消費行動の抑制要因となりました。特にラーメン事業が売上の大半を占める当社においては、これらの影響を受ける形となりました。

 

このような環境のもと、当社は「イマをHAPPYに!」という企業理念および「HAPPYな空間の提供」という経営理念に基づき、従業員・お客様・株主・社会の各ステークホルダー価値の向上に取り組んでまいりました。

 

店舗運営につきましては、QSCA(クオリティ・サービス・クレンリネス・アトモスフィア)の継続的な向上を図るとともに、アンケートなどを通じた顧客の声を反映した改善活動を推進いたしました。また、人材面では、過去の実績やM&Aにより蓄積されたノウハウを基にマニュアル整備や多言語・動画による教育体制の強化を図り、新入社員の早期戦力化と定着率の向上に努めております。

 

商品開発につきましては、各ブランドにおいて季節・期間限定メニューを継続的に投入し、来店動機の創出を図りました。特に主力ブランドにおいては、猛暑および残暑への対応として冷涼感のある商品の開発・販売を行い、好評を得た商品については販売期間の延長を実施したほか、復刻メニューの展開などにより既存顧客の再来店促進にも取り組みました。

 

販売促進策につきましては、月一回メイン商品を特別価格にて提供するブランド別フェア「壱角家の日」・「うどんの日」を継続して実施したほか、特に酷暑で駅前立地の流動客減少に対処すべく「お客様感謝祭」や「周年記念祭」などのキャンペーンを意欲的に開催いたしました。

また、一貫して話題性のある取り組みに力を入れており、アニメや映画とのコラボレーション、メディア対応やイベント連携などを積極的に実施し、ブランド認知の向上および潜在顧客の獲得に取り組んでおります。併せてスマートフォンアプリを活用したクーポン配信やスタンプカード機能の導入により既存顧客の来店頻度向上を図るとともに、SNSを通じた情報発信により新規顧客の獲得を推進いたしました。

 

当社の成長戦略でもあるM&Aにつきましては、2025年9月に創業30年超の味噌ラーメンブランド「萬馬軒(まんばけん)」、12月に北海道の郷土料理であるごまそばをメインとしたそば居酒屋ブランド「高田屋(たかだや)」の事業譲受契約を締結いたしました。

 

2024年11月の当社新規上場以降で初めてのM&Aとなった萬馬軒は、視認性の高い看板への改装や営業時間の最適化もあり、当社運営開始の2025年11月以降、譲受前の前年同月対比で売上が130%前後の水準で推移しております。「壱角家」「山下本気うどん」に次ぐ第3の柱としてブランド価値を最大化し、2月には当社運営で初の出店を果たしました。譲受け時4店舗から10店舗体制へ邁進しております。

 

高田屋は、2026年3月から運営開始となりますが、コロナ禍前の全盛期には全国100店舗超にまで展開していたポテンシャルがあり、当社の強みであるブランドの再構築・価値の再発見やオペレーション改善、生産性向上およびフランチャイズ展開を最大限に活かして、効率的な店舗運営と収益性の向上を実現してまいります。

今後も強いブランド取得や店舗取得を目的としたM&Aを積極的に推進し、高い利益を生み出すブランドの拡大を加速させ、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。

 

また海外展開を加速させるべく、東南アジアのタイに注目し、日本国内でもシンハービールで知名度の高い、財閥企業Boon Rawd Brewery Co., Ltd.(ブンロード・ブリュワリー社)と交渉を重ね、タイ国内における山下本気うどんのブランド店舗を運営・管理するための、共同出資による合弁会社設立の契約を2025年10月に締結、2026年3月に現地にて法人を設立いたしました。出店第1号は秋頃を予定しております。

 

店舗出退店の状況につきましては、20店舗出店(直営18店舗、FC2店舗)、16店舗退店(直営7店舗、業務委託1店舗、FC8店舗)した結果、当事業年度末の店舗数は199店舗(直営172店舗、業務委託1店舗、FC26店舗)となりました。

 

直営店の出店内訳は壱角家10店舗、山下本気うどん3店舗、萬馬軒が5店舗です。出店計画に対し、壱角家は2店舗増で着地するも、山下本気うどんで2店舗不足となりました。壱角家ではこれまでの都心一等地への出店に加え、小商圏へも範囲を広げ余地拡大の感触を得ています。

 

一方、直営店の退店は壱角家3店舗、すためし3店舗、鉄板王国1店舗です。すためし・鉄板王国については昨今の原価高騰に伴う利益率の低下、単価上昇による顧客離れから壱角家や萬馬軒への業態変更のための閉店で、リニューアルオープン後の店舗は好調です。

 

また、FCの新規出店は山下本気うどんで、北海道や金沢などこれまで当社運営店舗のなかった地域への出店を果たしました。一方で退店は壱角家の海外店舗を含む5店舗、肉寿司3店舗および業務委託のすためし1店舗でございました。

 

以上の結果、当事業年度における売上高は17,895百万円(前事業年度比4.3%増)、営業利益1,301百万円(同29.6%減)、経常利益1,211百万円(同29.7%減)、当期純利益625百万円(同48.2%減)となりました。

 

なお、当社は、飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

③キャッシュ・フローの分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は10,681百万円となり、前事業年度末に比べて21百万円の増加となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,072百万円(前事業年度比24.4%減)となりました。これは主に、税引前当期純利益975百万円、減価償却費387百万円、その他の償却額(のれん償却額、社債発行費償却、その他の償却額)112百万円、未払消費税等の減少額132百万円があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,772百万円(前事業年度比116.4%増)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入4百万円、預り保証金の受入による収入16百万円により資金が増加した一方で、事業譲受による支出768百万円、敷金及び保証金の差入による支出417百万円、有形固定資産の取得による支出556百万円等により資金が減少したことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は722百万円(前事業年度比79.7%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入4,600百万円等により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出2,024百万円、社債の償還による支出842百万円、配当金の支払額893百万円等により資金が減少したことによるものです。

 

b.資本の財源及び資金の流動性について

当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。

当社は、運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することに努めております。運転資金は、自己資金を基本としており、自己資金で補うことができない場合は金融機関からの借入を行うことを基本としております。

 

④生産、仕入及び販売の状況

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.仕入実績

当事業年度の仕入実績は、次の通りであります。

当社は飲食事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。

 

事業の名称

当事業年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

仕入高(千円)

前事業年度比(%)

ラーメン事業

3,472,849

111.7

レストラン事業

668,729

106.0

ステーキ事業

462,300

96.0

寿司事業

178,239

102.2

フランチャイズ事業

621,193

113.9

その他

76,184

108.0

合計

5,479,497

109.3

(注)金額は、仕入価格によっております。

 

c.販売実績

当事業年度の販売実績は、次の通りであります。

当社は飲食事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。

 

事業の名称

当事業年度

(自 2025年3月1日

至 2026年2月28日)

売上高(千円)

前事業年度比(%)

ラーメン事業

12,282,154

106.2

レストラン事業

2,859,108

104.5

ステーキ事業

1,339,377

90.0

寿司事業

470,616

97.8

フランチャイズ事業

725,145

109.6

その他

218,880

99.2

合計

17,895,282

104.3

(注)当社の主要顧客は個人のため、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は作成しておりません。

 

⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の決算数値及び偶発債務の開示並びに会計期間における収益・費用の決算数値に影響を与える見積り項目について、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づいた見積りと判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

これらの財務諸表作成のための基本となる重要な事項につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑦経営上の目標達成を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について

当社の経営上の目標達成を判断するために、「営業利益率」10%以上、「ROA(総資産利益率)」10%以上、「ROE(自己資本当期純利益率)」10%以上、「配当性向」40%以上を客観的な指標等としています。

当事業年度における配当性向は40%以上となり目標を達成いたしましたが、営業利益率は7.3%、ROEは8.0%、ROAは3.8%と未達成となりました。