リスク
3【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
1.事業環境に関するリスク
(1)経済情勢の変化や地政学的リスクの顕在化による影響について
(発生可能性:高 発生可能性のある時期:数年以内 影響度:大)
国際情勢の不安定化、物流の停滞により世界的にエネルギー資源や食材などの原材料が高騰しております。その価格は商品相場、消費量の急激な増加による需要の拡大、ならびに、為替相場の影響などがあるとともに、生産地域の異常気象による収穫量の減少、政変や社会・経済情勢の変化、並びに、テロや戦争などによる社会的混乱などを受けて変動します。
当社が行っている飲食事業における食材の仕入が困難になる、又は価格が著しく高騰した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)季節的変動及び天候・平均気温による影響について
(発生可能性:高 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:小)
2025年2月期の売上高の67.4%を占めるラーメン業態店舗では、特に気温が低下する12月~2月が繁忙期となります。したがいまして、上期(3月~8月)よりも下期(9月~2月)の売上高が多くなっております。
また、悪天候による人流の減少、異常気象による平均気温の上昇等によって本来見込んでいた売上が減少するなど、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)市場環境及び競合について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
当社の属している外食産業を取り巻く環境は、わが国の加速する人口減少、生活費節約意識の高まりによる外食機会の減少、食の安全性に対する消費者意識の高まり、低価格競争の激化等により、今後も厳しい事業環境が継続するものと想定されます。また、外食業界は他業界と比較すると参入障壁が低いため新規参入が多く、所得の伸び悩みによる個人消費の低迷の中、価格競争などにより、今後も飲食企業間の競争は続いていくものと考えます。
このような状況の下で、当社はブランド毎のコンセプトを明確にし、サービス力の向上、商品力の強化により付加価値を持たせるなど、競合他社との差別化を図っておりますが、今後、競合状態がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)大規模自然災害の発生について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
当社は、日本国内各地に直営及びフランチャイズ加盟店・業務委託店舗を有しております。ここ数年、国内においては、2011年3月に起こった東日本大震災をはじめ地震、台風、豪雨等の大規模な自然災害が発生しており、今後起こる自然災害の規模によっては、店舗の時短営業・一時休業等の事態を招くことが想定されます。
当社では、こうした自然災害の発生を前提としたBCP(事業継続計画)を策定しており、直営及びフランチャイズ加盟店・業務委託店舗、本社等に、災害時における避難場所や緊急連絡方法等を明記した危機管理マニュアルを配置し、万全を期しておりますが、想定以上の自然災害が発生した場合、建物の倒壊や停電や風水害等により店舗運営が不可能となる場合などにおいては、当社の経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)世界的パンデミックの発生について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
今般発生したCOVID-19(所謂新型コロナウィルス)による世界的なパンデミックの発生は、国内の外食産業に深刻な影響を与えました。日本においては、政府、各自治体から営業時間短縮を始めとする営業自粛要請が発せられたことに伴い、当社の事業においても少なからず影響を受けることとなりました。
今後、今回のパンデミックと同等の事態に至った場合であっても営業時間調整、一定の各種感染症対策等を講じることで営業活動を継続することができるものと考えます。しかしながら、今回を上回る規模でのパンデミックが発生した場合において、通常の営業活動が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に今回以上の影響を及ぼす可能性があります。
2.事業展開及び提供サービスに関するリスクについて
(1)人材の確保と育成について
(発生可能性:高 発生可能性のある時期:数年以内 影響度:大)
当社では、事業の継続及び拡大等のため適正な人員を確保する必要があり、これに並行して管理部門での優秀な人材の育成と確保も重要な課題となっております。当社における退職者の状況は、2025年2月期において退職者数54名、離職率18.62%となっております。
また、当社が運営する店舗は深夜営業を行っている店舗が多いため、時間帯シフトによる勤務が原則となっており、従業員の就業時間が夕方から深夜までとなることもあり、不規則な就労時間となることもあります。そのため、労働時間の短縮やアルバイト採用の強化、単発アルバイトの利用など社員の労働環境改善のための様々な対策をとっているものの、一般的に他の業種より従業員の定着率が低い傾向にあります。
以上のことから、採用計画の未達や離職により人員計画が予定通りに進まない場合、事業の継続及び拡大等に影響が生じる可能性があります。
また、当社では多数の短時間労働者を雇用しておりますが、各種労働法令の改正や経済情勢の変化が人件費のさらなる上昇等を招いた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)全社売り上げに対するラーメン事業の売上比率が高いことについて
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
当社の事業売上内訳においては、ラーメン事業、特に壱角家ブランドの売上比率が高い水準(2025年2月期 壱角家ブランド売上高10,258,841千円 ブランド別売上比率 63.0%)にありますが、現在、山下本気うどんの新規出店及びフランチャイズ事業の推進によって、市場及び外部環境の変化に影響を受けにくい事業ポートフォリオの構築を図っております。
しかしながら、国内外の経済情勢やエネルギー供給事情の悪化、食材の値上がり、ラーメン業種に関する風評被害等の外的要因により当該事業の展開に何らかの支障が生じた場合は、当社の経営成績又は財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)直営店舗の出店戦略について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
新規出店にあたっては、商圏、競合状況、売上予測、賃料条件、出店コスト等を検討し、収益性を見込める場所に店舗を出店しておりますが、当社出店条件に合致する物件の数が当初の出店予定数と異なることがあります。
また、出店後は店舗別の損益管理を行い、一定期間のうちに業績改善の見込みのない不採算店舗については退店を行っていますが、退店店舗数についても当初の予定店舗数と異なることがあり、出退店の店舗数が当初の予定店舗数と異なった場合は、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3.法的規制及び知的財産等について
(1)商標について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社は、各業態・店舗名の商標を国内及び海外において登録し、維持管理することで商標の持つブランド価値を向上させ、他社から模倣されることを防いでおり、また当社が他の商標を侵害しないよう運用しております。
当社は、法律家、専門家の意見を十分に聞きながら当該ブランド戦略を展開しておりますが、仮に第三者が違法に類似した商標を使用し、当社の各ブランドにおける価値が毀損される事態に至った場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)労務管理について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社は、飲食事業において、パート・アルバイト等の臨時従業員を多く抱えております。これら事業運営に必要な人員の確保及び育成を図るとともに、労働関連法令を遵守した勤務形態・労働環境の確保及び管理に努めております。何らかの要因により労務管理面での問題が生じた場合には、規制当局から業務改善命令が命じられること又は監督官庁から指導を受けることにより当社事業に対する信用が低下した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)「酒類の提供に関する法令等」について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社では、店内の掲示物、メニューに車両等を運転される方、未成年者には酒類を販売しないことを記載するなど、飲酒運転及び未成年者の飲酒禁止について注意喚起を行っております。
酒類提供については、未成年者飲酒禁止法及び道路交通法等による規制を受けており、未成年又は自動車等の運転をするおそれがあることを知りながら酒類を提供した場合に、罰則の対象となり当社の社会的信用の低下や店舗の営業が制限される可能性があります。これに伴う売上の減少等により当社の業績に影響を与える可能性があります。
(4)「中小小売商業振興法」及び「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(通称「独占禁止法」)」が与える影響について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:小)
当社は、フランチャイズ事業運営に関して「中小小売商業振興法」及び「独占禁止法」の規制を受けております。「中小小売商業振興法」においては、当社のライセンス事業の内容や加盟契約内容等を記載した法定開示書面の事前交付が義務付けられております。
また、「独占禁止法」においては当社がフランチャイズ事業システムによる営業を適切に実施する範囲を超えて、フランチャイジーに対して正常な商習慣に照らし不利益を与えることを禁止しております。当社はこれらの法令を遵守しておりますが、法令等の改廃、新たな法令等の制定、又は当社とフランチャイズ加盟店において解決できない問題が発生した場合における、計画外の違約金の発生や、裁判係争ならびにそれによる風評被害が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)「景品表示法」について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:小)
当社は、コーポレートサイト、各ブランドサイト、SNSにおける情報発信、店舗の掲示物、ブランド会員アプリなど当社が情報を発信する媒体に対して、担当部署が景品表示法に抵触しないことを確認する体制を設けております。
万が一、掲示物の内容に重大な誤りが発生した場合など景品表示法に抵触した場合には、行政処分及び社会的信用の低下等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(6)訴訟等について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:小)
当社の事業展開において、取引先、役職員又は顧客を含むその他第三者との予期せぬトラブルや訴訟等が発生する可能性があります。また、訴訟の内容及び結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生やブランドイメージの悪化等により、当社の業績及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを踏まえ、当社は倫理・コンプライアンス規程を制定し、役職員に対して法令、定款及び社内規程並びに社会一般の規範の遵守を促すほか、コンプライアンス委員会によるリスク管理及びコンプライアンスに係る取り組みを行うことで、法令違反等の発生リスクの低減に努めております。
4.事業運営体制に関するリスクについて
(1)インターネット等による風評被害について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
数年前に取り上げられたアルバイトテロと呼ばれる店舗の安全安心を損なう行為や、お客様による不衛生な行為を動画にて撮影しインターネット上にSNSを通じて拡散する、また、SNSやグルメサイトに誹謗中傷が書き込まれるなど、飲食店舗のブランド及び企業イメージが損なわれる事象が多発しております。こうした事象が発生した企業は、インターネット上の風評被害により株価の下落や来客数の減少など多大な損失を被ることとなります。
当社においても、必ずしも正確ではない情報や事実と異なる当社店舗や従業員を誹謗中傷する書き込みや動画がSNS上で投稿されることがあり、こうした投稿については調査のうえ、弁護士を通じてSNS運営会社や裁判所に対して、開示請求、動画の削除、アカウント凍結等の申請を行うなど、厳正な対応をとっております。
また、当社では、社員、アルバイトに対して教育・研修を通じて信頼を損なうような行動を起こさないように啓蒙するとともに、店内においてお客様が不適切な行動が出来ないよう防犯カメラを設置し、テーブル周りを整理整頓するなど対策を取っております。
しかしながら、その内容の真偽にかかわらず、当社店舗のブランドや企業イメージ、お客様に対する「食の安全性」における信頼を損なうインターネットへの書き込み、動画配信の拡散、それに起因する風評被害が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)特定取引先への依存について
(発生可能性:中 発生可能性のある時期:特定時期無し 影響度:中)
当社は、主要食材の仕入れに関して、発注業務合理化及び食材の安定供給を目的として、特定取引先からの仕入高割合が非常に高くなっています。従いまして、特定取引先からの仕入れが何らかの要因により継続できない場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
特定取引先として重要な経営上の契約を締結している株式会社ギフトからは、全体売上の59.8%(2025年2月期実績)を占める壱角家業態で使用する家系メニューのスープ、ラーメンダレ及び麺を100%仕入れており、総仕入高に対する同社への依存度は、2025年2月期において22.9%となっています。
何らかの理由により同社から仕入れることが出来なくなった場合に備え、オリジナルの麺・スープの研究開発を行うことでリスクの軽減を行って参ります。
また、株式会社ギフトは前記の通りラーメン事業における主な食材を仕入れる購買先でありますが、同社においても家系ラーメンチェーン店を運営しており、類似する店舗業態を営んでいることから店舗競合を避けるべく、新規出店に関する合意書を締結し、家系ラーメン業態に於いては双方の出店時に事前協議を行うこととしております。
新規出店時の事前協議において、出店する店舗間の距離が近いこと等により出店が不可となる場合があり、その場合には出店計画の未達により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)有利子負債への依存について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社は、事業資金について、自己資金の他、金融機関から新店舗開業としての資金、また、それらを含めた運転資金等の資金を調達しております。2025年2月期末時点における総資産に占める有利子負債(借入金、社債、リース債務を含む)の割合は、36.0%となっており、金融機関等からの借入金等に依存している状況にあります。
そのため、金融市場の混乱や景気低迷、金融機関の融資姿勢の変化により借入れや借換えが困難になった場合や、市場金利の急速な上昇等により支払利息が急激に増加した場合には、資金繰りの悪化又は金利負担の増加が当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)特定人物への依存について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
当社大株主であり代表取締役社長の川島 賢は当社の創業者であります。川島 賢は創業期からM&Aを手掛け事業開発に関する豊富な経験と知識を有し、経営方針及び経営戦略全般の決定等において重要な役割を果たしております。また、当社は一部の店舗の賃貸借契約について、現在川島 賢の債務保証を受けております。なお、債務保証に伴う保証料の支払いはございません。
当社は事業運営を行う上で優秀な人材の育成を図り、権限の委譲を進めることで特定の個人に過度に依存しない事業体制の構築を進めておりますが、何らかの理由により同氏による当社の経営への関与が困難になった場合、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)企業買収又は事業買収について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社は、飲食事業会社を中心にM&Aを実施した上で事業再生させることで、赤字化したブランドの再生を図り、もしくは既存ブランドへの業態変更を行うことで店舗数及び事業規模を拡大しております。
また、M&A実施時には手順書における投資方針に基づき買収先企業(事業)を決定し、労務、購買、財務、IT、法務、それぞれの分野でデューデリジェンスを行いリスクの軽減を図っております。
しかしながら、想定外の要因によりM&Aを実行した会社又は事業の再生がうまくいかず、投資回収が予定どおりに進まなかった場合には、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)システム障害について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社は、受発注業務、店舗運営、本社内のイントラネット構築など業務の効率化を図るため多くの情報システムを導入しており、安定的なシステム運用を行うために、直近ではファイルサーバーのクラウド化を行い、社内システムのログインパスワードの定期的な変更を行うなど、随時セキュリティ機能を強化し、社員に対するITリテラシー向上のための研修を行い、社内体制の整備等を行っております。
しかしながら、プログラムの不具合や不正アクセス等、特に悪意のあるコンピュータウィルス(ランサムウェア等)の感染により大規模なシステム障害が発生した場合、店舗運営が滞ることや対応費用が発生すること等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7)個人情報の管理について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
個人情報の管理につきましては、「個人情報の適正な取扱いに関する基本方針」を定め、社員並びに顧客情報における特定個人情報については、法令ならびに国が定める指針、個人情報の適正な取扱いに関するガイドラインに沿って運用し、個人情報の取り扱いに関する苦情、相談及び問い合わせについては、適切かつ迅速な対応を行うため専用の問い合わせ窓口を設けております。
当社においては、2023年9月に本社のファイル保存サーバーが外部からの不正アクセスによりランサムウエアに感染した事実を確認しておりますが、専門会社による調査を実施した結果、データ流出の痕跡はみられなかったことから、情報漏洩は発生していないものと認識しており、さらに、個人情報保護員会への報告等、個人情報保護法に基づく対応や専門会社と協議のうえ、再発防止策を実施しております。
しかしながら、コンピュータウィルスに感染するなど、万が一個人情報の漏洩が疑われた場合には、関係当局に相談のうえ指示を仰ぎ適切に対応を行いますが、当社の信用低下による売上の減少や損害賠償による費用の発生等により、当社の経営成績又は財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)直営店舗の賃貸に関するリスクについて
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社の直営店舗の出店については、そのほとんどが賃借しており、賃貸人に対し敷金及び保証金を差し入れております。
新規出店に際しては、賃貸人の与信管理を徹底しておりますが、賃貸人の財政状態が悪化した場合、敷金及び保証金の一部又は全部が回収不能になることや、賃借物件の継続的使用が困難となり、営業の継続ができない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(9)借入金の財務制限条項について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:小)
当社の借入金の一部には、みずほ銀行より新規出店資金を資金使途とする特別当座貸越及び長期借入金、横浜銀行より運転資金として長期借入金に対して財務制限条項が付されているものがあります。
現状ではこれに抵触する可能性は低いものと認識しておりますが、今後何らかの事由により事業環境が激変し、財務制限条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、当該借入を一括返済することとなり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)減損について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:小)
当社は、企業買収に伴い発生した相当額ののれん及び事業の運営のため固定資産を多く保有しております。のれんについて事業環境の変化等により企業買収時に期待していた成果が得られない場合、固定資産について時価の著しい低下や将来キャッシュ・フローが見込めない場合には、減損処理を行う可能性があります。現状、減損リスクを認識しているものはないものの、減損処理を行った場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.店舗管理体制に関するリスク
(1)店舗及び設備等の管理について
(発生可能性:高 発生可能性のある時期:特定時期無し 影響度:小)
当社は運営する店舗及び設備の安全管理に努めておりますが、老朽化等を原因とする事故が生じた場合や、安全維持のための予期せぬ大規模修繕の必要が生じた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)フランチャイズ事業加盟企業の店舗運営・経営内容について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
当社は直営店方式による店舗運営とともに、フランチャイズ事業を行っており、各加盟店運営事業者とフランチャイズ契約を締結しております。
フランチャイジーが運営する店舗におきましても、当社直営店舗と同等のQSCを保つため、開店前に研修を実施し、運営・商品作成マニュアルを提供するとともに、当社のスーパーバイザーが定期的に臨店し、店舗の運営指導を行っております。
しかしながら、フランチャイズ店舗において、当社又は当社の業態に対する評判に悪影響を与えるような事象が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3)衛生管理について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
当社の飲食事業における店舗は、食品衛生法の定めに基づいて、食品衛生管理者を置き、管轄保健所を通じて営業許可を取得しております。当社では、各店舗における衛生管理に係るマニュアル等の整備及び従業員に対する教育指導の徹底に加え、外部の専門業者による各種衛生検査を定期的に実施する等衛生対策の強化に努めておりますが、万一、当社の店舗にて、食中毒等の衛生問題が発生した場合は、一定期間の営業停止等の処分を受ける恐れがある他、企業イメージの低下による顧客離れが起こり得ることから、当社の事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)店舗火災について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
当社が運営する各店舗は、店舗内での仕込み調理を行っているため、不測の事態により店舗火災が発生する可能性があります。
火災の予防については、消防法を遵守し同法の規定に基づき各店舗で防火管理者を定め、消防計画の作成その他防火管理上必要な業務を行い防火に努めていますが、万が一不測の事態によって、当社店舗において火災による死傷事故が発生した場合には、当社の信用低下や損害賠償請求等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.その他のリスクについて
(1)大株主について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
代表取締役社長である川島 賢につきましては、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使に当たっては株主共同利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同氏は安定株主と認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)上場時流通株式比率が東証スタンダード市場上場形式基準に近似していることについて
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大)
2025年2月末現在の資本政策において、流通株式比率が29.21%と東証スタンダード市場上場形式基準の25%に近似していることから、上場後に流動性を高めるべく投資家の信頼を高め、株式取引意欲を促進する施策を実施する予定です。
しかしながら、今以上に流通性が減少した場合、上場形式基準に抵触する恐れがあります。
(3)調達資金の使途について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中)
当社の調達資金については、新店の設備投資等に充当いたします。
しかしながら、急激な経営環境の変化が生じ、その変化に対応するため、調達資金の使途を変更する可能性があります。また、計画どおりに使用された場合であっても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。なお、資金使途の変更を行う場合は適時開示を行います。
(4)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:数年以内 影響度:小)
当社役員及び従業員に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブとして新株予約権を付与しており、2025年2月末現在、発行済株式総数に対する潜在株式数の割合は13.02%となっております。
当社は新株予約権の付与に付随してベスティング条項を導入しており、行使可能日より1年ごとに付与個数の25%を行使できることとしており、全ての新株予約権を行使するまでに3年間を必要とし、急激な希薄化が起きない仕組みとしておりますが、これらの新株予約権が行使可能期間中の同一時期に行使された場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値を希薄化させる可能性があります。
(5)配当について
(発生可能性:低 発生可能性のある時期:特定時期なし 影響度:小)
当社は、将来の積極的な事業展開と経営環境の急激な変化に備えた経営体質の構築並びに財務基盤の強化に必要な内部留保を確保するとともに、株主への安定的かつ継続的な利益還元を経営の重要施策として、業績を勘案しながら成果配分を行うことを基本方針としております。
上記の方針のもと、配当性向40%以上を目標に安定的な配当を実施していくことを目指してまいりますが、業績の低迷等により安定的な配当が維持できなくなる可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主への利益還元を経営の最重要課題であると認識し、企業価値の継続的な拡大を図ってまいります。
当社は、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを方針としております。
今後の株主への利益還元にあたりましては、経営成績及び財政状態を総合的に勘案し、財務体質の強化、事業拡大のための投資等にも十分に留意しながら、安定的且つ継続的な利益還元を基本スタンスとして、配当性向40%以上を目標として配当を実施して参ります。
内部留保資金については、将来のM&Aによる事業展開や店舗の新設及び改装費のほかに、今後の事業のための人材の採用や教育など、将来の利益に貢献する有効な投資資金として活用しつつ、より一層の財務体質強化にも努める所存であります。
なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (百万円) |
1株当たり配当額 (円) |
2025年4月22日 |
619 |
90 |
取締役会決議 |