2025年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    731名(単体) 733名(連結)
  • 平均年齢
    33.7歳(単体)
  • 平均勤続年数
    6.9年(単体)
  • 平均年収
    5,232,000円(単体)

従業員の状況

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

レストラン事業

457

(58)

ホテル事業

-

(-)

その他

193

(16)

全社(共通)

83

(1)

合計

733

(75)

 

(注)1.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は(  )内に年間の平均雇用人員(1日8時間換算)を外数で記載しております。

2.全社(共通)は、本社部門の従業員であります。

3.「ホテル事業」の従業員数について、2024年7月1日付でホテル資産を譲渡し、対象ホテルの運営受託を開始したことに伴い、譲渡日以降は「その他」として集計しております。また、これまで「ホテル事業」に含まれていた指定管理制度に基づく業務受託事業(「オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井」)も、セグメントの管理区分の見直しにより「その他」へ移行したため、2025年3月31日現在で0人となっております。なお、記載上は「-」と表示しております。

 

(2) 提出会社の状況

2025年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

731

(75)

33.7

6.9

5,232

 

 

 

セグメントの名称

従業員数(人)

レストラン事業

457

(58)

ホテル事業

-

(-)

その他

191

(16)

全社(共通)

83

(1)

合計

731

(75)

 

(注)1.従業員数は、就業人員であり、臨時雇用者数は(  )内に年間の平均雇用人員(1日8時間換算)を外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)は、本社部門の従業員であります。

4.「ホテル事業」の従業員数について、2024年7月1日付でホテル資産を譲渡し、対象ホテルの運営受託を開始したことに伴い、譲渡日以降は「その他」として集計しております。また、これまで「ホテル事業」に含まれていた指定管理制度に基づく業務受託事業(「オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井」)も、セグメントの管理区分の見直しにより「その他」へ移行したため、2025年3月31日現在で0人となっております。なお、記載上は「-」と表示しております。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

 (4) 管理職に占める女性労働者の割合及び労働者の男女の賃金の格差

提出会社

管理職に占める

女性労働者の割合

男性労働者の

育児休暇取得率

男女の賃金の格差

全労働者

正社員

うちパート及び

嘱託社員

35.7

20.0%

91.2

82.3

100

 

(注)1.正社員は、取締役・執行役員・契約社員・パート・アルバイトを除いております。

      2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

3.男女の賃金格差については、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しております。賃金は、基本給、役職手当、固定残業手当、固定深夜手当を含む基本月額にて算出しております。

4.パート及び嘱託社員は1時間あたりの額にて算出しております。

5.「労働者の男女の賃金の格差」について、賃金制度・体系において性別による差異はありません。男女の差異は主に男女間の管理職比率、雇用形態及び勤続年数の差異によるものです。

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、「美しい味を、未来へ。」というパーパスのもと、食を通じて持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを目指しております。また、ミッション「食の可能性を広げ、心ゆさぶる『時』を提供する」、ビジョン「この世界を、食の感動で繋がる大きなテーブルに」に基づき、事業活動のあらゆる場面でサステナビリティの取り組みを推進しております。

気候変動や資源の枯渇、食糧問題など、現代社会が直面する多くの課題は、食の未来にも深く関わっており、当社にとっても重要な経営課題の一つと認識しています。

当社では、環境への配慮、人財の多様性の尊重、地域社会との共生など、事業の特性に根ざした取り組みを通じて、企業として果たすべき責任を果たしてまいります。

“美しい味”を未来に届け続けるために、サステナビリティを経営の重要課題として位置付け、今後も着実に取り組みを進めてまいります。

 

(1)ガバナンス

当社は、サステナビリティを重要な経営課題の一つと位置付け、その実効的な推進に向けた体制を構築しております。その中核として、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、取締役会および各本部との連携により、課題への迅速な対応と施策の実行を可能とする運営体制を整えております。同委員会には、関連部門の担当役員および部門長に加え、社外取締役・社外監査役がオブザーバーとして参加しており、専門的視点からの助言に加え、経営層への監督機能も果たすことで、ガバナンスが適切に機能する体制としております。こうした体制を通じて、企業を取り巻く環境変化を的確に捉えながら、持続可能な社会の実現と当社の持続的成長の両立に向けた取り組みを、各事業の推進と一体で進めてまいります。

本委員会では、当社が特定したマテリアリティを中心に、サステナビリティ経営の推進および中長期的成長に関する取り組みについて審議・評価を行い、取締役会へ半期ごとに報告いたします。

 

<サステナビリティ推進体制>


 

(2)戦略

当社は、サステナビリティ活動の第一歩として、事業に関わる重要課題(マテリアリティ)を特定し、社会・環境・経済の各側面から優先的に取り組むべきテーマを明確化いたしました。

現在は、特定したマテリアリティを踏まえ、優先順位の整理や社内共有を進めており、具体的な目標および戦略の策定に向けた検討を継続しております。これらの課題への対応は、各事業の業務プロセスに可能な限り組み込むことを基本方針としており、実効性のある取り組みにつなげることを重視しております。

今後も、社内に設置したサステナビリティ委員会を中心に、実行状況のモニタリングを行いながら、段階的に取組の精度を高め、持続可能な体制の構築を図ってまいります。

 

① マテリアリティの特定プロセス

当社は、サステナビリティ活動の推進にあたり、「ステークホルダーにとっての重要性」と「当社にとっての重要性」の2つの視点で評価し、重要課題(マテリアリティ)を特定いたしました。以下のプロセスに基づき、取締役会を含む社内会議での討議を経て、特に優先度の高い課題をマテリアリティとして特定いたしました。

 

1.ひらまつが取り組むべき社会課題の抽出・整理

GRIスタンダード、SDGs、ISO26000などの国際的ガイドラインを参照し、当社に関連性が高い社会課題を広く抽出。その後、「ステークホルダーにとっての優先度」と「当社にとっての優先度」の2つの視点で評価し、優先的に取り組むべき17項目の課題を選定しました。

 

2.重要課題の特定

抽出した17項目を、当社の視点から再度整理し、5つの重要課題と10の重要テーマに再編成しました。社外役員の意見も取り入れつつ、当社が優先的に取り組むべきサステナビリティ課題を検討しました。

 

3.重要課題の承認・決定

経営会議および取締役会での審議を経て、当社のマテリアリティとして正式に決定いたしました。

 

② マテリアリティ

当社は、以下の5つの重要課題と10項目の重要テーマをマテリアリティとして特定しております。いずれも当社の事業推進において極めて重要なテーマであり、当社の掲げるミッション・ビジョンの実現に不可欠な取り組みです。マテリアリティへの対応を通じて、持続可能な社会の実現や豊かな食文化の発展に貢献するとともに、当社の持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

重要課題1 食を通じた豊かな時間の創造

食の安心・安全を確保した上で、お客様に心ゆさぶる「時」を提供する当社の事業活動を通じて豊かな食文化を継承し、新たな体験価値を創造します。

重要テーマ

① 安心・安全な食とサービスの提供

② 食文化の発展と新たな体験価値の創造

 

重要課題2 社会への貢献と共栄

食材をはじめ地域が持つ様々な魅力と、当社の料理やサービス、人財を掛け合わせることで、新たな価値を創造し、地域社会の持続的な発展に貢献します。

重要テーマ

③ 地域の持続的発展と地域ブランド醸成への貢献

④ 地産地消を含めた持続可能な調達

 

重要課題3 事業活動を通じた自然環境の保全

豊かな自然はあらゆる食の恵みの源泉であることから、事業活動を通じて環境負荷低減と気候変動問題への対応に取り組み、自然環境の保全を推進します。

重要テーマ

⑤ 循環型社会への取り組み

⑥ 気候変動への対応

 

重要課題4 個性輝く人財が活躍し続ける人的資本の強化

多様な人財が活躍できる機会の創出や環境整備を推進するとともに、食のプロフェッショナル人財の育成・開発に取り組み、当社ひいては飲食・サービス業界全体の発展に貢献します。

重要テーマ

⑦ ダイバーシティ&インクルージョン

⑧ 食のプロフェッショナル人財育成・開発

 

重要課題5 健全な経営基盤の確立

コーポレート・ガバナンスの強化やコンプライアンス遵守を徹底することで、ステークホルダーからの信頼に応え、持続的な企業価値の向上につながる健全な経営基盤の確立を図ります。

重要テーマ

⑨ コーポレート・ガバナンスの強化

⑩ コンプライアンス遵守

 

 

<マテリアリティマップ>

 


 

(3)リスク管理

当社は、「危機管理規程」に基づき、危機管理委員会が策定する「危機管理推進計画」に則って、リスクの事前予防に関する計画を立案し、その実施状況をモニタリングしております。

サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ委員会を中心に、特定した5つのマテリアリティおよび関連する10の重点テーマに沿って、基本的な考え方を明確化したうえで、リスクの識別・評価、戦略の策定、目標の進捗管理を通じて、リスク管理の強化を図っております。

特に気候変動に起因するリスクについては、当社が掲げる「持続可能な社会の実現」および「事業の継続性の確保」に重大な影響を及ぼすものと認識しております。例えば、自然災害の頻発化に伴う店舗や物流インフラへの物理的損害、食品廃棄や温室効果ガス排出などによる企業イメージ毀損と顧客離反などが、事業に与える影響として想定されます。

こうしたリスクに対しては、社内での管理体制を強化することにとどまらず、生産者や取引先などのステークホルダーとの対話と連携を深めることで、リスクの低減と新たなビジネス機会の創出に取り組んでまいります。

 

(4)指標及び目標

①気候変動への対応

リスク

気象災害発生増加・激甚化による売上の機会減と仕入れコスト増

機会

省エネルギー化や再エネ導入によるコスト最適化

対応

・複数店舗での照明のLED化および空調設備の更新による省エネ推進

・実質再エネ100%の電力プラン導入(非化石証書の取得含む)によるScope2排出量の削減(ロケーション/マーケット両基準)

指標

CO2排出量削減

目標

2025年度中に脱炭素ロードマップを策定し、2030年度に向けた中長期削減目標を設定予定

 

 

 

スコープ別排出量(tCO2)

 

2024年3月

2025年3月

Scope1

1,923

1,904

Scope2(ロケーション基準)

3,938

3,788

Scope2(マーケット基準)

4,131

2,310

 

※Scope1、2の集計対象は、国内拠点としております。

※地産地消の活動は当社ホームページをご参照ください。

https://www.hiramatsu.co.jp/local-table/

 

当社は、省エネルギーの推進及び再生可能エネルギーの導入を通じて、CO₂排出量の削減に継続して取り組んでおります。2025年3月期においては、前期から実施してきた設備更新等の取り組みが通期で寄与し、Scope2排出量の削減が確認されました。

このうち、省エネルギーに関する取り組みとしては、2023年6月から2024年1月にかけて複数店舗において、照明のLED化や空調設備の更新などを段階的に実施いたしました。これらの改修により、対象店舗ではエネルギー使用量の抑制効果が継続的に見られ、とりわけ夏季においては他拠点における電力消費の増加分を一定程度相殺する効果も確認されました。この結果は、全国平均の基礎排出係数に基づくScope2(ロケーション基準)の排出量においても定量的に反映されております。

また、Scope2(マーケット基準)に関しては、2023年11月以降、電力供給元の選定が可能な拠点において日本テクノ株式会社との契約を開始し、再生可能エネルギー100%の電力プラン(調整後排出係数ゼロ)の導入を進めました。2024年3月期時点では契約期間が1年未満であったことから非化石証書の発行が行われず、環境省公表の残差係数を用いた算定を行っておりましたが、2025年3月期には同プランの適用が確定し、非化石証書の取得も完了したため、当該拠点では実態に即した排出量の算定が可能となっております。

これらの取り組みに加え、排出量算定手法の精緻化も進めた結果、Scope2排出量は前年に比べ大幅に削減されております。

 

 

②ダイバーシティ&インクルージョンの促進

リスク

人財の流出・取得困難、ノウハウの逸失、エンゲージメントの低下

機会

付加価値の向上、採用コストの低減、インバウンド対応力の向上

対応

ダイバーシティの推進、女性活躍の推進

指標

ダイバーシティの推進

当社では、多様な人財が活躍できる組織づくりを目指し、人事制度の整備、企業風土の醸成、職場環境の改善に向けた施策を進めております。これらの取り組みに対しては、今後適切なKPIを設定し、定量的な管理と評価を通じて、より実効性のある推進体制を構築してまいります。

 女性活躍の推進

 管理職に占める女性労働者の割合、男女の賃金の格差

目標

ダイバーシティの推進

同上

女性活躍の推進

当社は、多様な人財が活躍できる職場の実現を目指しており、当連結会計年度における実績として、社員に占める女性労働者の割合46.8%、管理職に占める女性労働者の割合35.7%、男女の賃金の格差91.2%と、一定の成果を上げております。また、政府が掲げる「指導的地位に女性が占める割合30%」という目標も達成しております。

今後は、これらの水準を維持することを短期的な目標とするとともに、より一層のジェンダー平等の実現を目指し、2030年度までに女性管理職比率50%の達成を中長期目標として掲げています。

なお、現時点ではブライダル事業における女性管理職比率が高い一方、他の職種との間に偏在が見られるため、本年度中に職種別の目標設定や、多様な働き方の整備に向けた検討を進めてまいります。

こうした目標の実現に向け、当社は今後も制度の整備に加え、職場全体の意識改革にも取り組みながら、継続的な取り組みを推進してまいります。

 

③食のプロフェッショナル人財育成・開発

リスク

事業の継続的成長が望めなくなる

機会

業界でトップクラスの人財による顧客満足と多様な事業への対応

対応

各種研修実施、海外トップシェフ招聘、海外本場での料理人研修

指標

各種研修実施、海外トップシェフ招聘回数、調理職海外研修派遣回数

目標

各種研修の実施

動画研修プラットフォーム「ClipLine(クリップライン)」の活用

海外トップシェフの招聘(年間8回以上を目標)

調理職向けの海外研修の実施

「ボキューズ・ドール」国内選抜・本戦出場の支援、および欧州での研修実施

 

 

(5)人的資本

当社は、「美しい味を、未来へ。」というパーパスのもと、豊かな食文化の創造と持続可能な社会の実現を目指しており、その中核を担う「人財」を最も重要な経営資本と位置付けています。従業員一人ひとりがその個性を活かし、能力を最大限に発揮できる環境づくりは、企業価値向上と持続的成長に不可欠な要素と考えております。人的資本に関するマテリアリティとしては、「個性輝く人財が活躍し続ける人的資本の強化」を掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョンの促進」および「食のプロフェッショナル人財の育成・開発」を重要テーマと位置付けています。

新たに策定した「中期経営計画2030」では、「人財戦略の強化」を主要施策の一つとし、業界最高水準の料理人およびサービス人財の育成・確保を目指しています。その実現に向けて、新たな人事制度の構築、複線型キャリアパスの導入、教育・研修体制の整備、報酬体系の見直しなどを通じ、人的資本の質的向上と定着力の強化に取り組んでまいります。

 

 

①ダイバーシティ&インクルージョンの促進

当社は、多様な人財の活躍が組織の活性化を促し、個々がその魅力を磨き続けることこそが、持続的な事業成長と当社独自の価値創造につながると考えております。そのため、従業員一人ひとりが能力や創造性を最大限に発揮できる企業風土の醸成と、多様性を尊重する環境づくりに取り組んでおります。中でも、従業員の約半数を女性が占めているという当社の特徴を踏まえ、多様な働き方の実現や継続的なキャリア形成支援を通じて、女性の活躍推進を重点施策として位置付けています。

 

②食のプロフェッショナル人財育成・開発

当社が提供する多彩な「食」を支えているのは、飲食・サービス分野において高度な専門性と技量を備えたプロフェッショナルな人財であり、これらの人財こそが当社の持続的成長を支える最も重要な経営資源であると捉えております。この認識のもと、当社は料理人・サービススタッフの育成・開発に注力し、個々のスキル向上とキャリア形成を支援するとともに、当社のみならず、飲食・サービス業界全体の発展に寄与してまいります。