人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数2,094名(単体) 26,789名(連結)
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平均年齢40.5歳(単体)
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平均勤続年数14.7年(単体)
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平均年収12,571,801円(単体)
従業員の状況
(2) 【従業員の状況】
① 連結会社の状況
2026年3月31日現在
(注) 従業員数は就業人員数(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの
出向者を含む。)であり、臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員数を外数で記載しております。
② 提出会社の状況
2026年3月31日現在
上記従業員数に海外支店・海外駐在員事務所の現地社員83名及び受入出向者34名を加え、海外現地法人及び事業会社への出向者542名を除いた提出会社の就業人員数は2,094名であり、セグメント別内訳は下記のとおりであります。
(注) 1 臨時従業員数は[ ]内に年間平均雇用人員数を外数で記載しております。
2 平均年間給与額には、賞与、超過勤務手当、基準外給与を含んでおります。
③ 労働組合の状況
労使関係について特に記載すべき事項はありません。
④ 女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」、「男性の育児休業取得率」及び「男女の賃金の差異」
男女の賃金の差異の要因につきましては、次ページ「当社(提出会社)における男女の賃金の差異の要因について」をご参照ください。
(注) 1 労働基準法第41条第2号で定める監督もしくは管理の地位にある者
2 アに対するイの割合
ア 2025年度中に子が出生した男性社員の数
イ 2025年度中に出生後1年に満たない子を養育する目的で初めて育児休業等を取得した男性社員の数
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業などの取得割合を算出したもので、イには2024年度に子が出生した男性社員の数を含みます。
3 ウに対するエの割合
ウ 2025年度中に子が出生した男性社員の数
エ ウのうち、2025年度中に初めて育児休業等を取得した者と、2026年度において子の出生後1年以内に初めて育児休業等の取得を計画していることが確認できた者の合計
4 男性社員の年間平均賃金に対する女性社員の年間平均賃金の割合
5 有期雇用契約から無期雇用契約に転換した個別に雇用契約を締結する社員(契約社員)を含む
<当社(提出会社)における男女の賃金の差異の要因について>
正社員の賃金に関しては、職群・役割等級およびレベルに応じた役割・責任に基づき、処遇しております。等級の決定に関しては、等級毎の期待役割の発揮度合いに基づいて等級の見直しを行っており、その等級に応じた基準額が決まります。また、賞与は、役割等級に応じた基準額に対して、個人の成果および組織業績を反映して決定します。
当社の正社員は総合職と事務職で構成されています。総合職は基幹業務において主体的に役割を担い、事務職は総合職を補佐し事務処理業務全般を担う職種です。また、非正社員は主に定年再雇用社員です。当社では、それぞれの職種ごとに役割等級制度を採用し、年齢や性別を問わず、本人の資質や能力、取り組み意欲に応じて役割が決定されています。職務の内容や異動の範囲などが同じ役割等級では性別の違いによる賃金の差はありませんが、賃金に差異が生じている主な要因は以下のとおりです。
1) 当社では総合職において管理職層で女性社員の割合が低いことが挙げられます。現在、人材戦略の重要施策として、女性活躍推進に取り組んでいます。新卒およびキャリア採用における女性総合職社員の採用増加に加えて、仕事と育児の両立環境の整備、各世代層のパイプライン形成と経験の蓄積やキャリア意識の醸成を積極的に進めています。今後は管理職層の女性社員増加により、この要因による男女の賃金の差異は縮小していくと考えています。
各世代層のパイプライン形成については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (8)人材戦略に関する基本方針 ②戦略 1)人材戦略基本方針 ①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個 (c)女性活躍推進」をご参照ください。
2) 総合職とは役割が異なる事務職において全員が女性社員(2026年3月31日現在)となっていることも、男女の賃金の差異の要因です。当社は事務職を多様な働き方の1つの形態と位置づけています。事務職は、性別に関わりなく選択可能な職種ですが、新卒採用・キャリア採用共に応募者は女性のみとなっていることから、男女の賃金差異への影響が発生しています。一方、当社では、総合職と事務職との間で相互に職種転換を可能とする制度を設けており、入社後に従業員個人のキャリア・働き方に応じた職種転換が可能となっています。
3) 非正社員は、主に定年再雇用制度に基づき定年退職後(60歳定年制)に再雇用された従業員です。定年再雇用者に対する賃金は、定年後に担う職種と役割・責任に基づき設定される役割等級に準じて決定されますが、定年前までの業務内容や経験に基づく役割・責任に応じた設定となるため、非正社員での男女の賃金の差異に影響しています。
<男女の賃金の差異の過去5年間の推移>
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
(1) サステナビリティに関する基本方針
基本的な考え方
当社は、「双日グループ企業理念」に基づき、事業を通じて当社グループと社会の持続的な成長を実現し、「2つの価値(双日が得る価値と社会が得る価値)」の最大化を目指しています。この考えのもと、サステナビリティを重要な経営課題と位置づけ、持続的な企業価値向上に向けて取り組んでいます。
当社は、中長期的に取り組むべき重要課題を「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」として整理し、中期経営計画をはじめとする経営戦略・事業戦略の基盤としています。「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」に基づき、2050年に向けた長期ビジョンとして「サステナビリティ チャレンジ」を策定し、「脱炭素社会実現への挑戦」および「サプライチェーンを含む人権尊重」を重点テーマとして定めています。これらの考え方や取り組みは、中期経営計画2026に反映しています。
ステークホルダーとの対話とサステナビリティ推進サイクル
当社グループは、投資家をはじめとするステークホルダーとの対話を通じて、サステナビリティに関する外部環境の変化や動向、当社グループにとってのリスクおよび機会を把握しています。こうした対話から得られた示唆を、持続的な企業価値向上に向けた具体的な施策やアクションにつなげています。また、特定したリスクおよび機会、ならびに取り組みの進捗や実績については適切な情報開示を行い、その内容を踏まえながら取り組みの見直し・改善を図ることで、サステナビリティ推進の実効性向上に努めています。
より具体的なサステナビリティの取り組みや、ステークホルダーとの対話については、以下をご参照ください。
Sojitz ESG BOOK:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/#sojitz_esg
ステークホルダーとの関わり(ステークホルダーダイアログ):
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/policy/stkholder/
(2) サステナビリティに関するガバナンス
当社は、取締役会、経営会議およびサステナビリティ委員会を中核とするガバナンス体制のもと、サステナビリティに関する取り組みを推進しています。
サステナビリティ委員会は、社長を委員長とし、年4回開催しています。同委員会では、サステナビリティに関する基本方針や推進体制の整備、重要なリスクおよび機会の特定・評価、対応策の検討、ならびに各種施策の進捗確認等を行っています。また、執行役員の中からサステナビリティ全般を管掌する担当役員を任命しており、IR・サステナビリティ推進部がその事務局を担っています。
サステナビリティ委員会で検討された全社方針、経営戦略や重要施策にかかわる議案は、必要に応じて経営会議に付議、または報告され、経営会議でこれらの議案について審議・決裁を行っています。また、中期経営計画におけるサステナビリティ施策の進捗、重要な方針および主要課題への対応状況等については、年2回、取締役会に報告しています。取締役会は、サステナビリティ委員会および経営会議からの報告を受け、サステナビリティに関する取り組みの方向性および重要課題への対応状況を監督しています。
<サステナビリティ推進・実行体制図>
<2025年度サステナビリティ関連の会議体における主な承認・報告事項>
(注) Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:国連開発計画(UNDP)などによって設立された「自然関連財務情報開示タスクフォース」の略称であり、企業が投資家や市場に対して自然に関連するリスクや機会等を開示するためのフレームワークを策定している。
(3) サステナビリティに関するリスク管理
サステナビリティ委員会は、当社グループにおけるサステナビリティに関するリスクを特定・評価し、対応方針を検討・審議しています。委員会での審議にあたっては、IR・サステナビリティ推進部が事務局として、社内外の動向、外部有識者を含むステークホルダーからの助言や見解を踏まえ、リスクの特定および評価に関する情報およびその分析を取りまとめ、委員会に報告しています。
当社は、サステナビリティに関する主なリスクとして「環境・気候変動リスク」および「人権リスク」を特定しています。これらのリスクへの対応については、全社的なリスク管理の枠組みのもと、内部統制委員会がほかのリスクと併せて、対応状況のモニタリングを行っています。その結果を定期的に経営会議、取締役会および監査等委員会に報告しています。加えて、当社グループの個別の投融資案件については、投融資審議会にて審議を行う過程でサステナビリティに関するリスクの特定・評価を行うプロセスを組み込んでいます。
なお、環境・社会に関するリスクの詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2) 個別のリスクについて」⑧環境・気候変動リスク、⑨人権リスクをご参照ください。
(4) 気候変動対応
① ガバナンス
気候変動対応に関するガバナンスについては、(2)サステナビリティに関するガバナンスをご参照ください。
② 戦略
脱炭素社会実現への挑戦
当社は、気候変動対応を重要な経営課題の一つと位置づけ、脱炭素社会への移行に伴うリスクへの対応を進めるとともに、中長期的な事業機会の創出にも取り組んでいます。
当社では、脱炭素社会への移行を見据えた「脱炭素ロードマップ」を策定し、これを気候変動対応戦略の基盤としています。同ロードマップでは、技術革新、社会実装の進展や各時点で想定される事業環境を踏まえ、脱炭素関連事業における事業機会を体系的に整理しています。
これらを踏まえ、当社グループは、中期経営計画において注力分野と位置づける再生可能エネルギー事業に加え、脱炭素社会への移行期を支える事業として「エッセンシャルインフラ」および「エネルギー・素材ソリューション」を展開しており、これらの事業を通じて、脱炭素社会実現への貢献と当社グループの持続的な成長の両立を図ります。
<脱炭素ロードマップ>
シナリオ分析
外部調査および内部分析を踏まえ、気候変動に関するリスクおよび機会が、事業活動、経営戦略および財務計画に与える影響が大きいと見込まれる事業分野を対象に、シナリオ分析を実施しています。
移行リスクについては、温室効果ガス(GHG)排出量の多い事業分野のうち、影響が特に大きいと判断される石炭権益事業および発電事業を主な対象とし、将来の需要動向、価格動向、炭素コスト等が事業および財務に与える影響を分析しています。これらの分析結果は、個別事業のレジリエンス評価や事業ポートフォリオの見直し、新たな事業機会の検討にも活用しています。
また、気候変動が抑制されず温暖化が進行した場合の物理的リスクについても分析しています。特に、海岸洪水や河岸洪水等の水リスクに着目し、当社グループが保有または関与する事業・資産への影響を把握し、その結果を資産のレジリエンス評価や今後の対応方針の検討に反映しています。
シナリオ分析については、以下をご参照ください。
TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に基づく情報開示:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-tcfd/
Scope1、Scope2の削減
当社は、GHG排出の削減を、脱炭素社会の実現に向けた当社グループの責務であると位置づけています。この認識のもと、Scope1とScope2のGHG排出削減を加速し、脱炭素社会への移行に対する耐性の向上を図っています。併せて、脱炭素社会への移行を新たな事業機会と捉え、幅広い分野でのビジネス創出を進めています。当社は、「サステナビリティ チャレンジ」の実践に向けて脱炭素対応方針を策定し、Scope1とScope2の削減目標(後述)を設定し、GHG排出削減に取り組んでいます。
具体的には、省エネルギー・効率改善、再生可能エネルギーへの転換、クリーン燃料への切り替え、事業ポートフォリオの最適化等を通じて、Scope1とScope2の排出削減を進めています。
Scope3の把握と削減貢献の推進
脱炭素社会の実現に向けては、自社の排出削減に加え、サプライチェーン全体におけるGHG排出量(Scope3)の把握と対応が重要であると認識しています。
Scope3排出量の多い領域は、規制強化や政策変更、市場における需給の変化、技術革新による代替の進展等により、移行リスクが顕在化しやすい領域である一方、社会全体の排出削減を前進させる新たな事業機会が存在する領域でもあります。当社は、総合商社ならではのネットワークと事業間連携による事業創出こそが、脱炭素社会の実現への貢献であるとの考えのもと、社会全体のGHG排出削減に貢献することを目指しています。当社は、この考え方を「削減貢献」として位置づけ、今後も取り組みを拡充していく方針です。具体的には、再生可能エネルギーによる発電、バイオガス製造、高効率ガス火力、森林保全・吸収に関する事業を通じた直接的な削減貢献に加え、省エネルギーサービス、電力小売、化学分野における脱炭素・環境対応型ビジネス等を通じた間接的な貢献も含め、排出削減につながる取り組みを進めています。
当社は、サプライチェーン上のGHG排出量分析図(Scope3と削減貢献量)において、「GHG排出の多い産業」と「サプライチェーンの各工程」という二つの観点からScope3を構造的に把握しています。これにより、リスクとしてのScope3と、機会としての削減貢献量を一体的に分析しています。
当社は、これらの分析を通じて、サプライチェーン上のリスクを把握するとともに、削減貢献を通じた成長機会を捉え、脱炭素社会への移行を当社グループの持続的な成長につなげていきます。
サプライチェーン上のGHG排出量分析については、以下をご参照ください。
気候変動 サプライチェーン上のGHG排出量分析図(Scope3、削減貢献量):
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-climate/
③ リスク管理
サステナビリティ委員会では、当社グループの各事業におけるGHG排出リスクを特定・評価するとともに、ステークホルダーダイアログを通じて、気候変動のリスクと機会についても討議しています。また、投融資審議会で審議を行う過程で、個別事業におけるGHG排出を含む気候変動関連リスクを確認しています。
気候変動に関するリスクについては、「(3)サステナビリティに関するリスク管理」、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(1)当社グループのリスク管理」をご参照ください。
④ 指標および目標
当社は、前項で説明した当社グループの気候変動に関するリスクおよび機会の評価および管理するための指標として、自社のGHG排出量であるScope1とScope2、サプライチェーンにおけるGHG排出量であるScope3を用いています。また、脱炭素社会への移行に伴う事業機会を把握する観点から、事業を通じた削減貢献量についても分析・把握を進めています。
Scope1とScope2については、事業活動に伴う自社のGHG排出量の削減を当社グループの責務と捉え、2050年までのネットゼロ達成を目指しています。その上で、2019年度時点の事業を対象に、エネルギー起源CO2を2030年までに2019年度比6割削減し、このうちScope2は2030年までにネットゼロとする目標を設定しています。加えて、2024年度時点の事業を対象として、GHG排出量を2035年までに2024年度比で4割削減し、このうちScope2は2035年までにネットインパクトゼロとする中間目標を新たに策定しました。これらの目標設定により、2050年ネットゼロに向けた取り組みを具体化しています。
また、Scope3については、資源権益事業を中心に、一般炭権益を2030年までにゼロ、石油権益を2030年までにゼロ、原料炭権益を2050年までにゼロとする目標を掲げています。削減貢献量については、現時点では定量目標を設定していないものの、Scope3の把握とあわせて、脱炭素社会への移行に伴う事業機会を評価するための参考指標として把握しています。
■Scope1、Scope2の目標と進捗
双日単体、国内外全連結子会社および経営支配力アプローチにて報告対象となるUnincorporated Joint Venture(注4)が対象。石炭火力発電は現在保有なし、今後も保有しない。
(注)1 2019年度を基準年としてエネルギー起源CO2対象
2 2024年度を基準年としてGHG対象
3 ネットインパクトゼロ:自社の排出量から、吸収除去・オフセット量と、事業を通じて実現した削減貢献量を差し引き、ゼロとする当社独自の考え方
4 Unincorporated Joint Venture:共同支配事業
■Scope3(資源権益事業)の目標と進捗
(注) 2018年を基準とした権益資産の簿価ベース
当社グループのGHG排出量は以下のとおりです。
1) Scope1、Scope2の総排出量 (単位:万トン-CO2e)
(注) 算定範囲は、双日単体(オフィス以外の拠点を含む)、国内外全連結子会社および経営支配力アプローチにて報告対象となるUnincorporated Joint Venture。2025年度のScope1およびScope2排出量は現時点における集計値(速報)であり、第三者保証を取得した確定値については、当社サステナビリティウェブサイトおよびSojitz ESG Book等にて開示します。
2) Scope3、削減貢献量
Scope3、削減貢献量については、以下をご参照ください。
環境データ 双日グループのScope3排出量:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-e-data/
気候変動 サプライチェーン上のGHG排出量分析図(Scope3、削減貢献量):
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-climate/
(5) サプライチェーンを含む人権尊重
当社グループは、グローバルに事業を展開していることから、国・地域や産業に関わらず、サプライチェーンにおける人権尊重を重要な経営課題と位置づけ、人権リスクの把握および低減に取り組んでいます。また、当社グループは、「国際人権章典」および国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関する宣言」を支持するとともに、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則って人権尊重の対応を進めています。
人権尊重の取り組みにあたっては、ステークホルダーとの対話を通じて、「方針の策定・共有」「リスク評価」「改善・救済」「実績開示」からなるプロセスを運用しています。各プロセスの内容については、外部動向や内部環境などを踏まえ、定期的に見直しと改善を行っています。また、リスク評価やグリーバンスメカニズムにて、改善すべき点が判明した場合は、速やかに是正を行っています。
① ガバナンス
人権に関するガバナンスについては、「(2)サステナビリティに関するガバナンス」をご参照ください。
② 戦略
当社は、「マテリアリティ(サステナビリティ重要課題)」の中から優先的に取り組むテーマを特定し、2050年に向けた長期ビジョン「サステナビリティ チャレンジ」を策定しています。そのテーマの一つが「サプライチェーンを含む人権尊重」であり、中期経営計画をはじめとする経営戦略および事業戦略の基盤となっています。
当社は、「国連グローバル・コンパクト」の10の原則などを踏まえて、「双日グループ人権方針」や「双日グループ サプライチェーンCSR行動指針」などの方針を策定しています。これらの方針については、事業環境や社会要請の変化を踏まえ、定期的に見直し、必要に応じて改定を行っています。
また、サプライチェーン上の人権尊重においては、事業現場における認識と理解が重要であると考えています。そのため、セミナーやe-learningの実施に加えて、グループ各社の経営陣とIR・サステナビリティ推進部(サステナビリティ委員会事務局)間の対話を通じて、方針や取り組みの周知および現場の対応状況の確認を行い、グループ全体における人権尊重意識の徹底と理解の浸透を図っています。また、取引先に対しても当社の方針を共有し、理解と実践を求めています。
<2025年度 人権研修の実施状況>
2025年度は、本社従業員を対象としたe-learningを実施し、約2,000人が受講しました。また、海外では主に中東・アフリカおよび東南アジアの拠点、国内は中核事業会社等を対象とした研修や対話を実施し(計28回、約400人参加)、グループ全体における人権尊重の理解と実践の定着を図っています。
③ リスク管理
1) 新規事業投融資におけるリスク管理
当社では、新規投融資を検討する際、各申請部署において強制労働、児童労働、先住民族への影響など、想定される環境・人権リスクを洗い出し、対応策を整理しており、必要に応じて追加調査を行い、人権リスクの洗い出しと対応策に漏れが無いことを確認しています。
投融資の決裁申請書には、留意すべき課題、対応策およびモニタリング方法を記載する運用としており、環境・人権への影響を踏まえた意思決定を行う体制としています。
2) 既存事業およびサプライチェーンにおけるリスク管理
(a) 高リスク事業分野の特定
サプライチェーンを含む人権課題は多岐にわたるため、特に人権対応が強く求められる事業分野を特定し、優先順位を付けて取り組むことが重要であると考えています。このリスクベースアプローチのもと、当社では英国NGO「ビジネスと人権センター」が有する人権リスクの発生事例データベース等を活用し、当社グループの事業の中でも特にリスクが高い事業分野(以下「高リスク事業分野」といいます)を特定するとともに、サプライチェーン全体の中で人権リスクが発生しやすい高低についても分析・確認しています。これらの分析結果は、「環境・人権リスクの対応ポイント」として整理し、社内で共有しています。これにより、新規投融資や取引、または既存事業におけるデュー・ディリジェンスにおいて、環境・人権リスクを把握し、重点的かつ実効的な対応につなげています。
高リスク事業分野は、最新の発生事例データベース、当社グループの事業環境、外部専門家の意見などを踏まえ、定期的に見直しを行っています。
(b) リスク評価
高リスク事業分野に該当する事業を行う組織では、取引先に対するアンケートやヒアリング、現地訪問などを行い、リスクの内容や対応状況を調査します。調査結果は、IR・サステナビリティ推進部と各組織の定期的な対話の中で共有し、課題や対応内容を随時更新しています。
(c) 現地訪問による調査
当社グループは、必要に応じて取引や事業が行われている現場に赴き、人権リスクの調査・確認を行っています。
例えば、木材調達(輸入)においては、年次調査を通じて、トレーサビリティや環境・社会への配慮状況を確認しており、必要に応じて、現地訪問による調査や、懸念サプライヤーに対して外部専門家の関与する詳細なデューディリジェンスを実施しています。2025年度は4件の現地訪問調査(インドネシアで2件、マレーシアで2件)を行いました。
また、2025年度は、チリに所在するウニのサプライヤーにつき、法令遵守状況や労働条件(ピーク期の過重労働対策・労働安全衛生等)を中心にヒアリングおよび現地調査を実施し、重大な課題がないことを確認しました。
(d) 改善・救済
リスク評価および社内外からの相談・通報を通じて問題が発見された場合、事実を確認の上、取引先などの関係するステークホルダーと協議し、改善対応を行います。
また、当社では、サプライチェーン上の負の影響を早期に発見し、是正・救済を行うため、当社サプライチェーンを含む全てのステークホルダーを対象とした、人権に関する苦情やお問い合わせを受け付ける体制(グリーバンスメカニズム)を整備しています。
社外ステークホルダー向け窓口および通報受付後のプロセスについては、以下をご参照ください。
人権 改善・救済:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-human_rights/#grievance
④ 指標および目標
1) 木材調達
当社グループでは、人権リスク評価の結果を踏まえ、高リスク事業分野の一つである木材分野において「木材調達方針」を策定しています。海外から調達(輸入)する木材については、原産地までのトレーサビリティと、森林管理の環境・社会(人権)への配慮状況に応じて4段階で評価し、調達比率を指標とした目標を定めています。
レベルA:認証材(注)
レベルB:トレーサビリティに加え、認証以外で環境・社会(人権)に配慮した森林管理の適切性を検証済みの木材
レベルC:トレーサビリティが確保されている木材
レベルD:トレーサビリティの確保が不十分な木材
(注) FSC(R)、PEFCなどによる認証木材
木材調達については、以下をご参照ください。
木材調達方針および取り組み:
https://www.sojitz.com/jp/csr/supply/lumber/
2) 水産品調達
当社グループは、水産品の生産・調達・加工・販売を、日本のみならずアジア、米国などにおいてグローバルに展開しています。近年では、米国にて寿司テイクアウトチェーンや寿司レストラン運営会社を設立するなど、消費者により近いリテール領域に注力し、サプライチェーンを拡大しています。こうした状況を踏まえ、持続可能で責任ある水産品の調達を実現するため、当社および当社グループの水産事業会社を対象とした、「水産品調達方針」を2024年12月に定めました。
本方針では、サプライチェーンにおけるIUU(違法、無報告、無規制)漁業の排除に努めることや、トレーサビリティ確保に努めること等を掲げています。
特にマグロ類については、調達・養殖・加工・販売活動をグローバルに行っていることから、持続可能なサプライチェーンの実現に対して一定の影響力を有し、重要な役割を担っていることを踏まえ、以下の目標を掲げています。
水産品調達については、以下をご参照ください。
水産品調達方針:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/policy/marine/
(6) 自然資本・生物多様性への対応
当社グループは、事業活動において食料資源、水産資源、林産資源の取り扱いや資源開発、工場建設などを行っており、これらの活動は森林、海洋、河川といった生態系に影響を与える可能性があります。また、事業活動・社会活動は自然資本に依存していることから、自然資本の棄損は当社グループの持続的な事業活動を制約する要因となりうると認識しています。こうした認識のもと、当社グループは、環境方針において、生物多様性への対応や事業にかかわる環境負荷の最小化を掲げています。また、当社は2025年9月にTNFDアダプターとして登録し、自然関連課題への対応および情報開示の高度化を推進しています。
① ガバナンス
自然資本・生物多様性に関するガバナンスについては、(2)サステナビリティに関するガバナンスをご参照ください。
② 戦略
当社グループは、自然資本への依存および影響の大きい事業分野について、分野ごとの特性に応じた管理と対応を進めています。2024年度は、TNFDガイダンスを参照し、概観分析を通じて当社グループの事業における自然への依存と影響を確認するとともに、依存・影響の重要度が高い事業分野を選定しました。2025年度は選定した事業分野のバリューチェーンを対象にLEAP (Locate、Evaluate、Assess、Prepare) 分析を実施しています。
1) 自然への依存と影響の重要度が高い事業および分析対象の特定
TNFDのガイダンスを参照し、分析ツールの一つであるENCORE(注)を活用し、一般的な事業における自然資本への依存・影響を確認しました。当社グループにおいて依存・影響の重要度が高い事業を特定した結果、水に関する項目の依存・影響度が相対的に高い傾向を確認しました。
これらを踏まえ、特定した事業のうち、当社が注力領域として位置づけている水産バリューチェーン(マグロの養殖を行う双日ツナファーム鷹島、水産品加工を行うマリンフーズ、トライ産業など)を分析対象として選定し、TNFDのLEAP分析を以下の通り実施しました。
(注) 民間企業による自然関連の依存や影響の大きさを把握することを目的に、国連環境計画・自然資本金融同盟(UNEP-NCFA)などが共同開発した分析ツール
(a) 水産バリューチェーンのLEAP分析
a) Locate 自然との接点の発見
双日ツナファーム鷹島の自社養殖、上流の飼料・稚魚調達、ならびに下流の国内加工過程(トライ産業、マリンフーズ)を対象に、生物多様性への影響が相対的に大きい優先地域を特定しました。
b) Evaluate(自然との依存・影響の診断)
優先地域におけるリスク要素を整理した上で、自社養殖である双日ツナファーム鷹島、上流、下流における自然環境・規制の調査、事業会社へのヒアリングを行い、実態を把握しました。
c) Assess(重要なリスク・機会の評価)
TNFDのセクター別ガイダンスに沿って評価した結果、重要性が高いリスク・機会と、それに対する当社グループの取り組みは以下のとおりでした。
(注) Integrated Biodiversity Assessment Tool(IBAT): IUCN(国際自然保護連合)レッドリスト、保護地域、生物多様性上重要地域(KBA)などのデータベースへのアクセスが可能な地理空間データを提供するツール。
さらに特定したリスク・機会を踏まえ、将来の不確実な環境下における当社グループのレジリエンス(回復力)向上を目的として、シナリオ分析を実施し、財務的な影響は限定的であることを確認しました。
d) Prepare(対応と報告の準備)
当社はTNFDアダプターとして、 TNFDが開示を推奨する項目についての分析を順次実施し、提言に沿った情報開示およびリスク管理の高度化を推進していきます。併せて、自然資本(生物多様性・水)を注視し、事業ポートフォリオに対する依存・影響を見極めていきます。
水産バリューチェーンのLEAP分析については、以下をご参照ください。
TNFD(TaskForce on Nature-related Financial Disclosures )への対応:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/esg-tnfd/
(b) そのほか取り組み
当社では、各事業の特性に応じて自然資本および生態系への影響低減に取り組んでいます。例えば、鉱山などの資源開発においては、土地改変や水資源への影響等を踏まえ、環境・社会影響評価の実施、管理・モニタリング計画の策定、閉山計画も含めた事業管理を行うとともに、法令遵守および必要な許認可の取得を徹底しています。
③ リスク管理
水産バリューチェーンにおけるLEAP分析の結果を踏まえ、当社グループでは自然関連リスクの適切な管理に向け、定期的なモニタリングを実施しています。また、自然資本への依存および影響の継続的な把握・管理を目的として、ENCORE分析を年1回実施し、2025年度においても水に関する項目の重要性が高いことを確認しています。
④ 指標および目標
当社は、環境方針において、生物多様性への対応を含む、事業活動に伴う環境負荷の最小化を掲げています。特に、木材や水産品については、分野別のガイドラインに基づく個別の調達方針を策定((5)サプライチェーンを含む人権尊重 ④指標および目標 1)木材調達 2)水産品調達をご参照ください)しており、これらの方針に基づき、自然資本に配慮した調達と生物多様性の維持・保全を進めています。LEAP分析の結果を踏まえ、今後も外部環境や当社の事業状況に応じて、水産バリューチェーンの見直しを行うとともに、継続的なリスク管理やモニタリング体制の確認、ならびに定期的な分析の実施を検討していきます。
(7) 外部評価
当社グループの事業を通じた当社のサステナビリティ課題への取り組みは、外部評価機関にも継続的に高く評価されています。
1) ESG外部評価の推移
その他、サステナビリティに関する取り組みは、以下をご参照ください。
Sojitz ESG BOOK:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/
(8) 人材戦略に関する基本方針
2030年の目指す姿「事業や人材を創造し続ける総合商社」の実現に向け、価値創造の源泉である「個」を強化し、個の成長を、組織の成長、会社の成長につなげています。
「中期経営計画2026」の人材戦略では、当社グループの人材戦略基本方針として「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」の3点に重点を置き、双日らしい成長ストーリーの実現に向けた事業創出力と事業経営力の強化を図っています。
(注) 1 ミドルマネジメント:対話を通じて個の力を組織力に変える本社課長(および候補)、海外・グループ会社キーポジション(および候補)を対象とするもの
2 人材マネジメント: 人材の計画的な育成を通じて事業創出(Value creation)・事業経営(Value up)につなげる
① ガバナンス
当社における人的資本経営の実行体制として、取締役会において経営視点から人的資本について議論し、重要な人事事項は、社長が議長を務める人事審議会で審議・決裁しています。また、人的資本経営に関わる方針や重要事項は経営会議へ付議し報告・議論を行っています。
なお、人材KPIの進捗状況や人事施策の効果・課題などは経営会議および取締役会で半期ごとに議論・決定しながら進めており、適宜方針などの見直しが行える体制となっています。
取締役会のスキルおよびコンピテンシーについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ③会社の機関 1)取締役会 (d)スキルマトリックス」をご参照ください。
② 戦略
1) 人材戦略基本方針①「自らの意思で挑戦・成長し続ける多様な個」
「個」を強化する上で、多様なバックグラウンドを持つ人材が、高い自律性、挑戦・成長意欲を原動力に、それぞれの特性や能力を最大限に活かせるよう後押しを行っております。
(a) 挑戦・成長を後押しする人事制度・文化醸成
当社では「個」の強化に向け、新たな価値創造へ果敢に挑戦する中で、自身の強みや改善点を認識、成長につなげることで、さらなる挑戦へと循環するサイクルを加速させるという考えのもと、人事制度の整備や文化醸成に取り組んでいます。
当社の人事制度では、役割等級制度をもとに、成果および行動の両面から評価・処遇を行っております。同一等級内においても、成果の大きさに応じてメリハリのある処遇となるよう設計しており、従業員の挑戦意欲を高める仕組み・制度を整えています。また、挑戦が必ずしも成果に結びつかない場合であっても、行動面における発揮度合いに応じて昇格・降格を行うことで、年功序列に依らず、優れた行動を発揮し続ける従業員がより大きな役割に基づき挑戦できる環境を整備しています。
2025年度には、個々の挑戦や成長を後押しする観点から、一部管理職層における成果に対する処遇のメリハリを一層強化するなど、より成果に報いる人事制度へと見直しを行いました。このように、外部・内部環境や組織課題の変化に応じた人事制度改定を実施しています。
さらに、挑戦や成長を後押しする様々な取組みを通じて、社内の文化醸成にもつなげています。その一例として、2019年度より実施しているHassojitzプロジェクトが挙げられます。従業員自らの発想に基づく新規事業提案の機会を提供しており、チームメンバーの募集も公募により行っています。多様なメンバーで構成されたチームでアイデアを磨き上げ、事業としての実現可能性について経営陣や外部識者による審査を実施しています。2025年度の最終報告会では当時入社2年目の若手社員が社長賞を受賞し、事業化に向けて活動を継続しているほか、50代従業員の提案も数ある応募の中から選考を通過し最終審査に至るなど、年齢にかかわらず挑戦できる土壌が広がっています。これらの取組みを通じ、会社が個人の挑戦を後押しする仕組みや環境整備を進めています。
当社は、個が互いに成長し高め合う組織文化の醸成に向け、2025年度よりフィードバックの定着に向けて取り組みを開始しました。個々人の成長スピードを加速させるためには、日常業務における成果および改善点を適時にフィードバックし、行動変容につなげていくことが重要であると考えています。このため、当社では成長を促すコミュニケーション手段の一つとしてフィードバックを位置づけ、各人のポジティブおよびギャップ(改善点)に関し、職位や立場にとらわれず、上司・部下間に限らない多方向のフィードバックを行う取り組みを推進しています。今後は、当該取り組みをあらゆる現場に浸透、徹底させることで、成長実感の醸成および風通しの良い組織づくりを目指しています。
(b) 自律的思考を前提とした人材育成(研修プログラム)
「個」の強化においては、自分で考え・行動するという自律的思考に基づいた挑戦が個の成長スピードを加速させると考えています。フィードバックを含む日々のコミュニケーションにおいては、上司が一方的に指示を与えるのではなく「問い」を通じて、従業員一人ひとりが自ら考えることを習慣化できるよう浸透を図っています。
2025年度には、人材育成においても自律的思考を軸に据え、必修研修を減らし、より個々の特性に合った学びの機会を提供できるよう研修体系を見直しました。また、自律的思考のもととなる思考力の磨き上げや会社からの期待役割の理解を深める場として、役割等級ごとの集合型研修を強化することで、個の底上げにつなげていきます。
今後は、上司等との対話を通じて、自らの成長課題を客観的に理解した上で、何を学ぶべきかを自分で考え、行動することで、さらなる個の成長につなげられるよう後押ししていきます。
研修プログラムについては、以下をご参照下さい。
研修プログラム:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/
(c) 女性活躍推進
当社では、性別や国籍等を問わない多様な人材の活躍に向け、女性活躍推進を人材戦略の重要テーマの一つとして位置づけています。
2030年代には男女間の差がなく適所適材が実現している状態を目指し、人材パイプライン拡充や、ライフイベントを見越した「キャリアを止めない」環境づくりに取り組んでいます。
若手層における人材育成として、「キャリアの早回し」により、ライフイベントと重なりにくいタイミングで若手社員を国内外の事業会社にトレーニーとして派遣し、挑戦と成長の機会を提供しています。また、管理職候補育成の観点からは、ミッション遂行や意思決定といった難易度の高い経験を積むことを目的に、国内外の事業会社への派遣を進めています。これらの取り組みに対する経営層の強いコミットメントを示すため、取締役(社外取締役・監査等委員を除く)や執行役員の業績連動報酬の評価項目として、人材KPIにおける「女性の本社外経験割合」を設定しています。
また、配偶者の海外駐在の際の一時的な休職に応じた復職制度の推進や赴任先でのキャリア継続の検討を行っています。2030年代には全従業員に占める女性比率および女性課長比率を50%程度にすることを目指し、2024年度に「中期経営計画2026」における女性課長比率目標を20%程度にまで引き上げました。課長を経験した女性社員を部長や海外拠点長に登用するなど、重責を担う従業員は着実に増加している一方で、新任課長の増加は緩やかになっており、女性課長比率の上昇は停滞している状況です。当社の人員構成上の課題として、2003年の経営統合前後に採用を抑制した時期があり、管理職候補世代となる30代後半から40代従業員の絶対数が限られていること、また、出産や配偶者の海外駐在への帯同など、ライフイベントと重なる従業員が多かったことが背景にあります。実力をつけた30代の早期登用を進めるべく、候補人材に対して、本部と育成計画を共有し、各人の状況に合わせた育成策を進めているほか、社外から管理職候補となる人材の採用を進めるなど、人材パイプラインを拡充する取り組みを行っています。
また、取締役および社外取締役を含む経営と部課長がメンバーとなる「女性活躍推進コミッティ」を昨年度に続き2025年度も継続して開催しました。従来からのテーマである管理職の早期育成においては、共育て・共働き社員の増加に対応した組織体制の在り方や、チームで協力し合う組織風土の醸成をテーマに、女性活躍やダイバーシティ推進においての課題を議論しています。今後、共育て・共働きが一般的となることが想定される中で、ミドルマネジメント層における業務負荷を軽減するべく、副部長・副課長の積極的な活用等を経営会議にも提言し、今後具体的な取組みに着手する予定です。
(d) ビジネスへのデジタル実装に向けたデジタル人材育成
当社は、“Digital-in-All”の実現に向け、デジタルの活用を通じてビジネスモデルおよび業務プロセスの変革を現場で実践できる体制の構築を目指し、応用レベルのデジタル人材の育成・配置に注力しています。
「中期経営計画2026」においては、全社的なデジタルリテラシーの底上げを図るとともに、特に現場におけるデジタル実装を牽引できる応用レベル人材の育成を重点施策として位置づけています。当該人材の育成数については「人材KPI」として設定し、これまで着実に輩出を進めてきました。
また、DXにおけるビジネスモデル構想を担う「ビジネスデザインコース」においては、営業本部長の半数以上が約6か月をかけて自組織のDX案件を高度化する取り組みを行うなど、管理職層のデジタルスキル向上も着実に進展しています。
一方で、生成AIをはじめとするテクノロジーの急速な進展に対応するため、社員の継続的なスキル向上が不可欠と考えています。このため当社では、デジタル人材育成施策の高度化を推進しており、具体的にはAIの徹底活用を通じて新たな価値創出を担う「デジタル人材2.0」の育成を目指し、育成プログラムを刷新の上、2026年度より運用を開始しました。
本プログラムでは、従来のデータ分析分野をAI・データ活用分野へと拡張するとともに、生成AIの活用を前提としたカリキュラムへ転換しています。さらに、実業務課題に基づく実践型へのシフトおよび現場ニーズを踏まえたスキル定義の見直しを行い、実務成果の創出を重視した内容へと高度化しています。
デジタル人材育成について「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)「中期経営計画2026」の進捗状況 ④DX」および以下をご参照ください。
DX戦略:
https://www.sojitz.com/jp/corporate/strategy/dx/
(e) 現地人材の活躍
海外事業会社を起点に現地ネットワークに入り込み、事業領域の拡大や新規事業の創出につなげるため、現地人材のCxOポスト拡大を推進しています。2022年3月末に40%だった海外事業会社の現地人材CxO比率は、2026年3月末現在で48%となっています。
2025年度においては、当社の海外現地法人の拠点長ポジションに海外採用社員を抜擢するなど、現地人材の活躍領域は着実に広がっています。また、投資案件規模の拡大状況を踏まえ、投資先の経営体制に応じた権限の付与による効率化を行い、今後は適切なガバナンス体制の構築など、現地人材の活躍を後押しする環境整備にも取り組んでいきます。
(注) 2025年度の数値は有価証券報告書提出日現在の集計値であり、第三者保証を取得した数値については当社ウェブサイトにて開示いたします。
2) 人材戦略基本方針②「多様な個の力を最大化するミドルマネジメントの強化」
多様性と自律性を備える「個」の成長を組織・会社の成長、企業価値向上につなげるためには、経営層と現場社員の結節点・橋渡し役として戦略遂行とエンゲージメント向上を担うミドルマネジメント層の強化が不可欠と考えています。
(a) ミドルマネジメントの強化による組織力向上
当社の価値創造の源泉である人材の力を最大化するため、対話を通じて従業員の力を引き出し組織力の向上につなげるマネジメント力の強化が重要であると考えています。当社では、全部長職・課長職を対象に毎年集合研修を実施しております。これまで、部下との対話や心理的安全性に関する重要性を繰り返し伝えてきた結果、360度サーベイにおいても、対話や傾聴に関する項目で一定程度浸透してきていることが確認されています。
一方、従業員が自律性をもって挑戦していくためには、従業員一人ひとりが組織の戦略を正しく理解し、自分ごと化して自らの業務に取り組むことが不可欠と考えています。このため、2025年度の集合研修においては、戦略の高度化および社内浸透の強化に重点的に取り組みました。しかし、同年度に実施したエンゲージメントサーベイの結果、戦略に対する理解度について、ミドルマネジメント層と一般社員層との間に、なお改善を要するギャップが存在することが明らかとなっています。
今後は集合研修に加え、日常から対話やフィードバックの質の向上を通じて、戦略の理解と浸透を一層促進し、個の成長を最大限に引き出せるミドルマネジメント強化につなげていきます。
ミドルマネジメントの強化については、以下をご参照下さい。
統合報告書2024>双日らしい人的資本経営の追求>組織力向上につなげるミドルマネジメントの強化:
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/sojitz-doc/pdf/jp/ir_202405/reports/annual/ar2024j_all.pdf
3) 人材戦略基本方針③「環境変化を先読みした機動的な人材配置・抜擢」
テクノロジーの進展や事業環境・事業戦略の変化等を踏まえ、機動的かつ計画的な人材配置や育成・抜擢を行うことで、2030年の目指す姿の実現に向け事業創出力と事業経営力を高めていきます。
(a) 機動的・計画的な人材配置や育成を支える人材の可視化
「個」と「組織」の強化をさらに進めるべく、当社では人材データの可視化・活用を推進しています。エンゲージメントサーベイや360度サーベイなど、定期的に実施するサーベイや人事データを多角的・多面的に分析し、様々な人事施策の進捗モニタリングに活用しています。
また、タレントマネジメントシステムを全従業員へ展開しており、上司が部下の情報を参照できるだけでなく、従業員本人が記載した職務経歴や資格・スキル情報を社内で参照し合えるようにするなど、従業員同士での情報の可視化も進めています。
(b) 事業戦略に連動した人員計画・配置
当社では、外部環境や事業戦略の変化に連動した人員配置・育成を実現するため、各組織において人員計画を策定しております。現組織の人員構成を可視化の上、個別の配置計画を策定することで、組織の持続的な成長に欠かせない人材の強化につなげています。また、今後は当該計画に基づき、戦略的な採用計画の立案を行うとともに、全社的な視点で経営人材の計画的な育成および女性パイプラインの拡充などにつなげていきます。
4) 多様な人材の活躍を支える制度・取り組み
当社グループの成長は従業員とともにあると考え、多様な価値観やキャリア志向を持つ全ての従業員が、挑戦・成長を積み重ねることで、高いモチベーションを維持しながら自律的に働き続けられる環境を整えていきます。
(a) グループ全体で企業価値向上を加速させる取り組み(従業員持株会・株式の付与)
当社は、グループ全体で持続的な企業価値向上に向けた意識醸成を企図し、従業員持株会、グループ従業員持株会を通じて従業員一人ひとりの会社への帰属意識と企業価値向上に向けたモチベーションを高めていきます。2025年3月時点で87.7%だった従業員の持株会加入率は、2026年3月現在で92.2%程度となり、収益の拡大による資金の循環を人や事業の成長につなげるべく、企業価値向上に向けた取り組みを加速させていきます。さらに、「中期経営計画2026」の数値目標を達成した際は、本社社員のみならず、一部グループ社員も含めた従業員に対して株式インセンティブとして特別報酬を付与する予定です。
(b) 健康経営
当社グループにとって最大の資本である従業員とその家族が心身共に健康であること、ならびに従業員が働きやすさと働きがいを持てる健全な職場環境づくりは、会社の重要な責任の一つです。この考えのもと、社長をトップとした健康経営の推進体制を構築し、従前より掲げている「双日グループ健康憲章“Sojitz Healthy Value”宣言」や、健康経営で解決を目指す経営課題と解決手段を可視化した「健康経営戦略マップ」をもとに、健康面から当社グループと従業員の持続的成長とパフォーマンス向上を支えることを目的として、フィジカルヘルス対策/メンタルヘルス対策/女性の健康対策を主軸とした施策を戦略的に実行しています。
健康経営については、以下をご参照下さい。
Sojitz ESG BOOK 労働安全衛生(「双日グループ健康憲章」):
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/health/
健康経営戦略マップ:
https://www.sojitz.com/pdf/jp/sustainability/sojitz_esg/s/health/strategymap.pdf
③ リスク管理
人的資本の強化において、その阻害要因となりうるリスクを認識の上、対応策を講じております。
④ 指標および目標
人材KPI(動的)
当社では、中期経営計画2026の人材戦略に基づき、事業創出力と事業経営力の強化に向けた各種施策の進捗・効果を測るため人材KPIを設定しています。具体的には「双日らしいカルチャーの醸成(挑戦指数、風通し指数)」、「多様な人材活躍(女性総合職 海外・国内出向経験割合、海外グループ会社CxO(現地人材)比率、デジタル応用人材)」に取り組んでいます。また、一部KPIでは、定期的に実施しているエンゲージメントサーベイ(注)の回答率を用いることで従業員の声を定点観測し施策につなげていきます。
(注) 2026年3月期の数値は現時点の集計値であり、第三者保証を取得した数値については当社ウェブサイトで開示いたします。
エンゲージメントサーベイについては、以下をご参照下さい。
エンゲージメントサーベイ:
https://www.sojitz.com/jp/sustainability/sojitz_esg/s/human_resources/