リスク
3【事業等のリスク】
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性がある主な事項を記載しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、本稿においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在2025年2月20日において判断したものであります。
(1) 出店及び退店に関するリスク
当社グループでは、当連結会計年度末において、244店舗の展開を行っておりますが、そのほとんどはショッピングセンター内に賃借によるテナント出店を行っております。そのため、ショッピングセンターにおける商環境の変化に伴う集客力の影響を受けるほか、大規模小売店舗の開設・営業を規制する法令の影響を間接的に受けております。
また、当社グループにおける新規出店はショッピングセンターの新規開設や、既存のショッピングセンターのテナント入れ替え状況に影響を受けるほか、出店契約形態において定期賃貸借契約が増加していることに伴い、契約期間満了時に当社の意思に反して契約更新できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 店舗賃借の契約に関するリスク
当社グループでは、店舗の大半でデベロッパーである賃貸人に対し保証金を差し入れております。当連結会計年度末における差入保証金残高は、18億63百万円であり、デベロッパーの破産・倒産等賃貸人に生じた事由により回収不能が生じた場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 固定資産の減損会計に関するリスク
当社グループでは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。当連結会計年度における減損損失計上額は1億87百万円であります。これは、営業活動から生じる損益が継続して赤字等となっている店舗で固定資産簿価の回収ができないと判断した店舗を対象としております。当社グループはスクラップ&ビルド政策を推し進めておりますが、ショッピングセンターの環境変化による収益悪化等、減損会計の対象店舗が増加した場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(4) 競合に関するリスク
当社グループでは、アパレル及び雑貨において複数の業態単位でショップブランドを展開しており、それぞれの業態において競合する企業が存在しております。当社グループでは常に同業他社との差別化をはかる運営を心掛けておりますが、当社グループが出店する同一ショッピングセンターに競争力のある競合他社が多数出店し、他社よりも顧客ニーズを捉えることができなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) ファッションサイクル等の流行の変化に関するリスク
当社グループでは、ファッションの流行に左右されやすい商品を多く取り扱っており、定期的に流行商品の処分による損失が発生するため、業績変動の要因となります。また、当社グループではクイックレスポンス(早期追加生産)の体制を整えると共に、売れ筋商品の早期掌握を行い、また、アイテム管理を徹底しタイムリーな追加投入と不振商品の処分を進め、市場の変化に迅速に対応するよう努めておりますが、急激なファッションサイクルの変化が生じた場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 業績の季節変動に関するリスク
当社グループでは、四半期単位で安定した売上並びに利益の確保に努めておりますが、主力事業であるアパレルにおいて、売上と利益の確保が難しい夏物最終処分と冬物最終処分の時期が、いずれも当社グループの下半期(8月21日~2月20日)に該当することから、通期の利益水準が上半期に偏重する傾向があります。そのため上半期(2月21日~8月20日)において業績が伸びない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 海外におけるリスク
当社グループが販売する商品は、中国を中心とした諸外国からの輸入品が大半を占めております。海外からの仕入条件は発注の都度決定しておりますが、円安など為替相場の大幅な変動により商品原価が上昇する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、中国以外のASEAN地域への取り組み強化などを進めておりますが、仕入先のある主要国における政治情勢・経済環境・自然災害等によっては当社グループの商品供給に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び業績に影響を与える可能性があります。
(8) 異常気象・自然災害及び、重篤な感染症等の流行によるリスク
当社グループでは、記録的な冷夏や暖冬などの異常気象や、大規模な地震や津波、台風や洪水等の自然災害の 発生のほか、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の未知の感染症等の流行により、当社グループの業績 に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、アパレルと雑貨の二本柱体制を敷くことで、天候に左右されにくい雑貨の育成、拡大に注力するほか、アパレルの新ブランドを中心にEC(ネット通販)における売上拡大を進めることでリスクの分散化を図っておりますが、これら想定を超える規模で発生した場合は、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、インターネット通信販売を行う過程で多数のお客様の個人情報を保持しております。当社グループでは、情報セキュリティ規程を定め、顧客情報を含めた社内情報に関する管理体制の強化と社員教育を実施し、社外への情報漏洩に対する対策を講じております。しかしながら、基幹システムへの不正アクセスやサイバー攻撃等の不測の事態により情報の流出・漏洩が発生した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)人材に関するリスク
当社グループでは、全国でアパレルと雑貨の店舗を展開しており、店舗運営と商品の企画・開発・調達を含め多数の人材を必要としております。当社グループでは、人材確保対策として、従業員の働き方改革を進め待遇改善を図り、店舗における作業の削減やスキルアップ教育の充実等、労働環境の改善による採用強化と離職防止に努めております。しかしながら、ここ数年来の労働人口の減少に伴う人手不足の深刻化や賃金上昇への対応が進まず人材確保が出来ない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社グループは、株主の方々に対する利益還元を経営の最重要政策の一つと位置づけております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。当社グループの利益配分に対する基本方針は、将来の事業拡大のための投資と経営体質強化のための内部留保の確保とのバランスを総合的に判断し、機動的な配当政策を行うこととしております。なお、当社グループは会社法第454条第5項に規定する中間配当が出来る旨を定款に定めております。しかしながら、当連結会計年度におきましては、健全な財務体質への回復を優先すべきと判断し、2025年3月28日に開示しました「2025年2月期 決算短信(日本基準)(連結)」のとおり、誠に遺憾ながら配当を見送らせていただくことといたしました。継続的な事業成長を実現し、出来るだけ早期に株主の皆様への安定的な配当を実施できるよう努めてまいります。
なお、A種優先株式につきましては、定款第10条2の定めにより、当社は、剰余金の配当を行なうときは、当該配当に係わる基準日の最終の株主名簿に記載又は記録されたA種優先株式を有する株主又はA種優先株式の登録株式質権者に対し、同日の最終の株主名簿に記載又は記録された普通株式を有する株主又は普通株式登録株式質権者に先立ち、A種優先株1株につき、A種優先株の1株当たりの払込金額1,000,000円及び前事業年度に係る配当後のA種累積未払配当金の合計額に対し、A種優先配当年率を5.5%として算出される額の配当をすることとしております。A種優先株式の配当14,575千円を株式会社西松屋チェーンに対して実行いたします。なお、実行日は2025年5月15日株主総会の決議の翌日2025年5月16日としております。