リスク
3 【事業等のリスク】
当社の事業、経営等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりであります。ただし、全てのリスクを網羅したものではなく、現時点で予見出来ないまたは重要とみなされないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。なお、以下の各項目に記載している将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。当社は、これらのリスクが発生する可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対処に努めてまいります。
(1) 事業環境の変化について
当社は、豆腐、厚揚げ、油揚げ等の製造販売を行っており、当社の主な販売先は小売業、卸売業、外食業等となっております。当社は、このような事業環境下、機械化による大量生産により価格競争力を高めた商品を提供しておりますが、競合他社より画期的な商品の販売や競合他社との価格競争が生じた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(2) 事業リスクについて
① 食品の安全性について
当社は食に対する安全衛生管理を第一に考え、本社工場、関西工場及び富士山麓工場においてFSSC22000を取得し製造管理を行っております。こうした状況ではありますが、当社が製造する商品において誤表示、異物混入、残留農薬等製造に関わるリスクを完全に排除できるわけではございません。万が一、当社の提供する製品等にこのような問題が発生した場合には、風評等により当社の製品の評価は低下し、当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。
② 原材料について
当社が使用します大豆につきましては、すべて遺伝子組み換えでないものに限定しており、また、国産大豆、外国産大豆などの産地管理を厳密に行っております。しかしながら、遺伝子組み換えの大豆の混入、産地虚偽記載等の大豆が混入する可能性があります。
大豆は作付面積や天候により、また、外国産大豆は為替等の要因により仕入価格が変動いたします。さらに大豆の生産地における法令・規制の変更や外交上の問題等により輸入制限もしくは輸入ができなくなる可能性があります。
当社では、大豆市況を勘案しながら仕入価格の平準化を図るなど、大豆価格の高騰について対処を行っております。しかしながら、価格高騰等が起こった場合には、当社の業績に重大な影響を与える可能性があります。
③ 豆腐等製造販売事業への依存について
当社の製造する製品は、豆腐、厚揚げ、油揚げと豆腐に関連する製品であり、事業セグメントとしては、豆腐等製造販売事業の単一セグメントであります。当社では、伝統食材である豆腐は国内において一定の需要があると判断できること、一つの事業に対して財政面、人材面を始めとした経営資源を集中し事業の成長に傾注できること等のメリットがあると考えております。しかしながら、豆腐等製造販売事業において、需要の大幅な変動等の外的要因が発生した場合においては、他の事業分野で挽回するといった対応が図れず、当社の業績に影響を与える可能性があります。
④ 包装資材の仕入れについて
当社の製造する製品の包装資材は、フィルム、トレイ等の石油製品を使用しております。
そのため、原油価格や為替の変動により包装資材の仕入価格が高騰した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 製品の配送運賃について
当社の行う豆腐等製造販売事業において、製品の配送は重量がありチルド運送を行っているため、1個当たり単価に対し、配送運賃が高くなる傾向があります。
当社といたしましては、チルド運送の業者との間で業務委託契約を締結した上で、販売先のドミナント化や配送ルートの効率化の施策によりコストの削減を行っております。しかしながら、ガソリン価格の著しい高騰等の運賃の増加要素が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 業績の季節変動について
当社の製造する豆腐、厚揚げ、油揚げは、春夏には冷奴等に使用される豆腐の需要が高く、秋冬にはおでん、鍋等に使用される厚揚げ、油揚げ等の需要が高くなる傾向があります。
そのため、売上高は年間を通じて平準化されているものの、利益面においては、製品構成の違いにより、7月から9月の第1四半期が低く、10月から12月の第2四半期が高くなる傾向があります。
当社といたしましては、販売促進の施策や経費の削減等により利益面での平準化を図り、年間を通じて安定した利益の確保に努める所存でありますが、季節変動により四半期毎の業績に影響を与える可能性があります。
第50期の損益計算書に関する情報 (単位:千円、%)
(注)上記の四半期に係る数値につきましては、EY新日本有限責任監査法人の監査を受けておりません。
(3) 法的規制について
当社は食品衛生法、農林物資の規格化等に関する法律(JAS法)、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)及び製造物責任法による規制を受けております。
当社は、食品安全衛生管理に対する取組みを強化することを目的として、本社工場、関西工場及び富士山麓工場においてFSSC22000を取得しており、また、製品開発時における食品表示の確認、製品製造過程における原材料のトレース、不当表示とならないようなチェック体制の構築等、ルール遵守によるソフト面での充実を図っております。
これらの取組みにより、当社においてこれまで上記法令に違反した事実はありませんが、万が一当該法律を含む諸法令・規則の違反があった場合は、営業停止、行政処分等の適用を受け、当社の業績に影響を与える可能性があります。また、今後これらの規制の改廃もしくは新たな法的規制が設けられた場合には、それらに対応するための追加コストが発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(4) 許認可について
当社の本社第1工場、第2工場、第3工場、関西工場及び富士山麓工場では、食品衛生法に基づく豆腐製造業に関する営業許可証を受けております。当社が食品衛生法に違反した場合、営業許可の取り消し及び営業の禁止または停止、5年ごとの更新がなされない等の措置が講じられます。提出日現在までの間において、営業許可の取り消し及び営業許可の禁止または停止等となる事由は存在しておりません。
当社は営業許可の継続のため、法令の遵守及び製品の品質管理等を徹底して行っております。しかし、将来、何らかの理由により、許可の取り消しが起こった場合には、営業停止の事態となり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 人材の確保・育成について
当社は、継続的な事業拡大を行う計画であり、人材の確保と育成が必要であります。当社では、人材の確保・育成のために人事制度の充実、職場環境の改善等の施策を進めると共に、研修制度を充実させる等やり甲斐ある職場作りに努めていく所存であります。しかしながら、当社の事業の拡大に合わせた人材の継続的な確保・育成が困難となった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(6) 気候変動等のリスクについて
当社は、広島県三原市の本社工場、滋賀県甲賀市の関西工場及び静岡県駿東郡の富士山麓工場において豆腐等の製造を行っております。全ての工場が工業団地に所在し、インフラや地盤等が比較的安定した場所に立地しております。しかしながら、大規模な地震や台風等の自然災害が発生し当社の生産設備が被害を受けた場合、インフラの損壊等により配送ネットワークが影響を受けた場合には、操業停止等により当社の生産体制が確保できず当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(7) 情報システムリスクについて
当社の製品の受注、出荷等の業務は、小売業者、卸売業者と繋がったコンピュータシステムにより処理されており、社内の業務においても情報システムを活用しております。当社では、情報システムを適切に運営するため、規程の整備、社員教育、セキュリティ対策、バックアップシステムの構築等の対策を実施しております。しかしながら、自然災害、突発的な事故、ソフトウエアや機器の欠陥等によりトラブルが起きた場合には、販売機会損失、請求漏れ、復旧に係る臨時費用の発生等により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(8) 訴訟に係るリスクについて
当社は、事業を遂行するにあたり、各種法令、諸規則を遵守、第三者の知的財産権を侵害することのないように細心の注意を払っております。しかしながら、事業活動の遂行にあたり、商標権の侵害等の訴訟が提起されるリスクを抱えており、万が一訴訟が提起された場合には、その結果により、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(9) 競合リスクについて
豆腐関連産業全体のマーケット規模が停滞しているなか、零細企業は大きく減少しておりますが、大手企業に集約されている状況になっております。こうした状況のなか、顧客ニーズは多様化が進み、また販売価格の競争は一層激しさを増してまいりました。当社では、新商品の開発、新規取引先の拡大をはかり、売上高を向上させる取組みを推進してまいりますが、今後、さらに競合が厳しくなった場合には、業績に影響を与える可能性があります。
(10)設備投資について
当社は、事業規模拡大のために販売エリアを中部地方以西から関東地方まで広げる足がかりとして、富士山麓工場を建設しました。しかしながら、経営環境の急変や、同業他社との競合等により、想定通りの投資効果を上げられず、当社の業績に影響を与える可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は現在成長過程にあり、事業上獲得した資金については事業拡大のための成長投資に充当することを最優先としつつ、同時に株主への利益還元を経営上の最重要課題と位置付けております。配当につきましては、設備投資等将来にわたって企業価値を高める資金を勘案しながら、配当性向30%以上または下限としてDOE(株主資本配当率)2.5%を目途に、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針といたします。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会であります。
内部留保金の使途につきましては、今後の事業展開への備えとしての設備投資として投入していくこととしております。
なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
当期の方針につきましては、上記の基本方針のもと、期末配当金を1株当たり47円とし、既に実施した中間配当金19円と合わせ、1株当たり年間66円といたしました。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。