人的資本
OpenWork(社員クチコミ)-
社員数839名(単体) 16,509名(連結)
-
平均年齢40.0歳(単体)
-
平均勤続年数10.2年(単体)
-
平均年収7,721,488円(単体)
従業員の状況
5【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
|
|
2024年3月31日現在 |
|
|
セグメントの名称 |
従業員数(名) |
|
|
日清食品 |
2,065 |
[2,524] |
|
明星食品 |
585 |
[314] |
|
低温・飲料事業 |
913 |
[674] |
|
菓子事業 |
1,765 |
[963] |
|
米州地域 |
4,891 |
[79] |
|
中国地域 |
3,603 |
[345] |
|
報告セグメント計 |
13,822 |
[4,899] |
|
その他 |
2,687 |
[2,499] |
|
合計 |
16,509 |
[7,398] |
(注)1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員数を外数で記載しております。
(2) 提出会社の状況
|
|
|
|
2024年3月31日現在 |
従業員数(名) |
平均年齢(歳) |
平均勤続年数(年) |
平均年間給与(円) |
|
839 |
[10] |
40.0 |
10.2 |
7,721,488 |
(注)1 従業員数は就業人員数であり、臨時従業員数は[ ]内に年間の平均人員数を外数で記載しております。
2 提出会社の従業員数は全てセグメントの「その他」に含まれるため、合計人数のみ記載しております。
3 平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
(3) 労働組合の状況
特記すべき事項はありません。
(4) 管理職に占める女性従業員の割合、男性従業員の育児休業取得率及び従業員の男女の賃金の差異
① 連結子会社
当事業年度 |
|||||||
名称 |
管理職に占める女性従業員の割合(%) (注)1 |
男性従業員の育児休業等取得率 (%) (注)2 |
男性従業員の育児休業等+育児目的休暇取得率(%) (注) 3、4 |
期間内に育児休業を取得した男性従業員の平均取得日数(日) |
従業員の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
||
全従業員 |
うち 正規雇用 従業員 |
うち パート・ 有期雇用 従業員 |
|||||
日清食品㈱ |
8.2 |
64.6 |
107.6 |
47 |
56.0 |
72.4 |
74.6 |
日清化成㈱ |
0.0 |
75.0 |
75.0 |
38 |
67.9 |
92.7 |
93.4 |
日清エンタープライズ㈱ |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
- |
84.9 |
84.0 |
101.3 |
味日本㈱ |
3.8 |
0.0 |
- |
- |
73.9 |
91.5 |
100.1 |
明星食品㈱ |
6.1 |
37.5 |
37.5 |
90 |
75.5 |
82.6 |
65.8 |
東日本明星㈱ |
0.0 |
83.3 |
100.0 |
32 |
61.2 |
86.8 |
78.7 |
相模フレッシュ㈱ |
0.0 |
50.0 |
50.0 |
68 |
84.1 |
76.1 |
100.4 |
埼玉日清食品㈱ |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
- |
69.6 |
73.3 |
81.4 |
四国日清食品㈱ |
3.3 |
25.0 |
25.0 |
28 |
74.0 |
80.9 |
80.1 |
高松日清食品㈱ |
0.0 |
0.0 |
- |
- |
71.4 |
86.6 |
94.1 |
㈱ニッキーフーズ |
3.1 |
50.0 |
50.0 |
28 |
57.7 |
71.8 |
81.5 |
日清ヨーク㈱ |
12.0 |
50.0 |
50.0 |
117 |
68.9 |
78.1 |
72.5 |
日清シスコ㈱ |
7.7 |
44.4 |
44.4 |
84 |
76.8 |
81.1 |
91.7 |
㈱湖池屋 |
4.3 |
25.0 |
87.5 |
74 |
54.5 |
68.8 |
71.4 |
ぼんち㈱ |
9.8 |
0.0 |
- |
- |
61.3 |
64.2 |
75.8 |
(注)1「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4「男性従業員の育児休業等+育児目的休暇取得率」については、制度として育児目的休暇の取得が可能な会社を集計しております。
5「-」は該当がないことを示しております。
6 出向者は出向元の従業員として集計しております。
※賃金差異分析(日清食品㈱籍のみ)
男女賃金差異を生んでいる要因について、東京大学エコノミックコンサルティング㈱が開発したGEM Appというアプリケーションを使用し、経済学の知見に基づく統計的な処理による調整を行い、同一属性の男女間で賃金を比較いたしました。
等級、年齢、勤続年数、所属部署、労働時間の統制を行った結果、同統計処理結果として「格差があるとは言えない」となりましたが、弊社における男女の賃金差異は労務構成上、上位等級の女性比率が少ないことや、男女の労働時間の平均に差があることが影響していると判明いたしました。さらに、育児影響による男女賃金差異があることについても確認いたしました。
今後は、労務構成を改善するポジティブアクション、男女とも生産性の向上に向けた取り組み、および男性の育児参加を促す取り組みを一層加速させたいと考えております。
② 連結会社
当連結会計年度 |
補足 説明 |
|||||||
|
管理職に占める女性従業員の割合(%) (注)1 |
男性従業員の育児休業等取得率(%) (注)2 |
男性従業員の育児休業等+育児目的休暇取得率(%) (注)3、4 |
期間内に育児休業を取得した男性従業員の平均取得日数(日) |
従業員の男女の賃金の差異(%) (注)1 |
|||
全従業員 |
うち 正規雇用 従業員 |
うち パート・有期雇用 従業員 |
||||||
国内 |
6.5 |
53.0 |
83.2 |
52.4 |
69.1 |
78.6 |
83.6 |
(注)5 |
海外 |
35.2 |
* |
* |
* |
82.6 |
85.6 |
79.4 |
― |
連結 |
18.8 |
* |
* |
* |
76.6 |
82.3 |
82.0 |
― |
(注)1 各社のデータ算出にあたっての対象従業員(雇用区分)の定義、算出方法等については、厚生労働省で定められている各法律(「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」)に準拠しております。ただし、海外連結子会社においては職務の内容および責任の程度等を踏まえ、当該規定に準じて管理職数を算出しております。なお、上記、各領域別(国内/海外/グループ連結)における賃金格差の連結データ(%)算出においては、本年度より従業員数や物価水準の差や為替影響を考慮し、各社の男女の賃金差異(%)を平均し算出しております。
2「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
4「男性従業員の育児休業等+育児目的休暇取得率」については、制度として育児目的休暇の取得が可能な会社を母数として算出しております。
5 賃金は性別に関係なく同一の基準を適用しておりますが、人数、等級、在籍年数の違い等により男女で差が生じております。また「国内全従業員」の賃金差が大きいのは、有期雇用の女性従業員数の割合が大きいためであります。
6「*」は海外関係会社の男性従業員の育児休業等取得率及び男性従業員の育児休業等+育児目的休暇取得率、男性が期間内に育児休業を取得した日数の平均の集計を実施していないため、記載を省略していることを示しております。
7 出向者は出向元の従業員として集計しております。
サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)
2【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは環境や社会の課題を解決しながら持続的成長を果たすため、2020年4月、「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。委員長は代表取締役社長・CEOが務め、事務局は経営企画部、サステナビリティ推進部、広報部が担い、委員会傘下には、環境、人権、広報・教育、海外、ESG (環境、社会、ガバナンス) 評価向上をテーマにした5つのワーキンググループを設け、各グループに関係部署が参画しております。
委員会は、グループ全体のサステナビリティ・ESG課題に関する方針策定や施策を検討し、その活動内容を、サステナビリティ委員長および取締役会へ定期的に報告しております。
また、2021年4月には取締役会の諮問機関として「サステナビリティ・アドバイザリーボード」を設置し、当社グループに影響を及ぼすESG課題について、社内経営層と社外有識者が協議する機会を年2回設けております。協議した内容はウェブサイトなどで開示し、会社の経営方針や各種施策に反映しております。
(2)戦略
当社グループは、人類を「食」の楽しみや喜びで満たすことを通じて社会や地球に貢献する「EARTH FOOD CREATOR」をグループ理念に掲げ、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しております。当社グループが果たすべき責任、取り組むべき社会課題は、食の安全管理体制の構築や環境負荷の低減、ガバナンスの確立など幅広い領域に及んでおります。その中でも、当社グループが特に力を入れて取り組むべき重要課題=マテリアリティを、サステナビリティとウェルビーイングの2つの観点から、4つのテーマ(「健康と栄養改善への貢献」「創造人材の育成と活用」「気候変動の緩和と適応」「持続可能な調達」)で設定しております。なお、その他の課題に関しては、主要なESG評価機関からの評価を各部門のKPIとして戦略を策定し、施策を実行しております。
① 気候変動等への対応
近年、気候変動をはじめとする地球規模での環境問題が顕在化する中、世界中の人々の食を支えるグローバルカンパニーとして、より高いレベルでの環境対策推進を重要経営課題と位置付け、中長期成長戦略の一つとして環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を2020年4月に策定しております。
環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」は、地球資源を取り巻く環境の保護及び資源の有効活用に挑戦する「資源有効活用へのチャレンジ (EARTH MATERIAL CHALLENGE)」と、当社グループの事業活動全般におけるCO2排出量削減に挑戦する「気候変動問題へのチャレンジ (GREEN FOOD CHALLENGE)」の2つを柱としております。
「EARTH MATERIAL CHALLENGE」では「地球にやさしい調達」「地球資源の節約」「ごみの無い地球」の3つを、「GREEN FOOD CHALLENGE」では「グリーンな電力で作る」「グリーンな食材で作る」「グリーンな包材で届ける」の3つを活動テーマに据えております。
また、特に気候変動問題を、重要な経営リスクの1つとして位置付けております。原材料価格の高騰や製造工場の被害、消費者の購買活動の変化など、当社グループの事業は、気候変動によってさまざまな影響を受けるためであります。当社グループでは、2019年度に事業活動に気候変動が及ぼす影響を把握するために、プロジェクトチームを立ち上げ、TCFD (気候関連財務情報開示タスクフォース) 提言を踏まえたシナリオ分析・インパクト評価を実施いたしました。分析には、IPCC (気候変動に関する政府間パネル) の温暖化の進行に関するシナリオ (RCP:代表的濃度経路) ※と社会経済に関するシナリオ (SSP:共通社会経済経路) を用い、TCFDが求める2℃シナリオを含む複数の異なる条件下で分析いたしました。結果の概要は以下となります。
※ RCP2.6 (1986~2005年を基準としておおよそ1℃前後の上昇)、RCP6.0 (おおよそ2℃前後の上昇)、
RCP8.5 (おおよそ4℃前後の上昇)の3つシナリオを活用
主なリスクによる事業への影響度とその対応策
|
主なリスク |
想定される事業への影響 |
主な対応策 (財務影響軽減策) |
移行 リスク |
炭素税・国境炭素税などの規制 |
SBT目標WB2℃(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準)に向け、取り組まなかった場合の影響額は2030年3,747百万円/年、2050年7,323百万円/年となった。SBT目標WB2℃を達成した場合の影響額は2030年2,623百万円/年、2050年1,465百万円/年となる。 |
製造工場への省エネ設備やシステムの導入、再生可能エネルギーの導入拡大、環境に配慮した製品の販売 |
物理 リスク |
水リスク |
洪水:リスクが高いと見られる製造拠点は国内4拠点、海外1拠点 |
製造工場などにおける水リスクの多角的な分析調査 |
高潮:リスクが高いと見られる製造拠点は国内4拠点 |
|||
干ばつ:評価時点と比較して、2055年および2090年までにリスクが増大すると判明した拠点は南米と欧州の拠点 |
|||
水ストレス:国内で4拠点、海外で7拠点 |
水の再利用などをはじめとした製造工場における効率的な水の使用 |
||
原材料調達先の変遷 |
小麦:オーストラリアにおける小麦の2000年比面積単位収穫量はRCP2.6およびRCP6.0で増加、アメリカ、カナダは変化なし |
植物代替肉や培養肉などの開発、植物代替肉や培養肉などを利用した製品の開発、持続可能なパーム油の調達 |
|
大豆:2000年比面積単位収穫量は、RCP2.6では増加傾向、RCP6.0とRCP8.5では減少傾向 |
|||
エビ・イカ:RCP2.6では大きな変化はなし、RCP8.5では漁獲量が減少 |
|||
パーム油:RCP2.6では収穫量減少の懸念あり、RCP8.5では収穫量減少 |
※ 分析結果の詳細は当社グループのサステナビリティサイトで公開しております。
(https://www.nissin.com/jp/sustainability/)
また、2050年までにCO2排出量と吸収量を“プラスマイナスゼロ”にする「カーボンニュートラル」を2022年11月に宣言しております。
② 生物多様性(TNFD(※1))への対応
当社グループが目指す「ネイチャーポジティブ」を実現するためには、生物多様性の保全と回復が必要だと考えております。そこで、当社グループの事業活動が生物多様性に与える影響を把握するため、2022年11月にTNFDが発表した「TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワークベータ版v0.3(※2)」を参考に、LEAPアプローチ(※3)を用いた自然関連リスク・機会評価をトライアル実施いたしました。
※1 TNFD (Taskforce on Nature-related Financial Disclosures: 自然関連財務情報開示タスクフォース) は、民間企業や金融機関が自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価、開示するための枠組みを構築する国際的なイニシアティブ。
※2 TNFDが2023年9月に情報開示フレームワークの完全版を提言するにあたり、事前にステークホルダーからのフィードバックを取り入れるため発表したフレームワークのプロトタイプ。
※3 TNFDが提唱する自然関連のリスクと機会を科学的根拠に基づき体系的に評価するためのプロセス。分析のスコープを選定した上で、自然との接点を発見する「Locate」、自然への依存と影響を診断する「Evaluate」、自然に関する重要なリスクと機会を評価する「Assess」、リスクと機会に対応しステークホルダーに報告する準備を行う「Prepare」の4ステップの順に進めることが特長。
<アセスメント対象の検討>
ENCORE(※1)によると、天水、かんがい耕作作物、酪農、天然海水漁業などの生産プロセスを含む農林水産業は、自然への依存度が最も大きいセクターとされております。特に、食品企業は自然の資源に依存しているほか、事業活動を通じて生物多様性に大きな影響を与えております。
そこで、当社グループのバリューチェーンのうち、原材料調達における評価から始めることが重要と判断いたしました。今回のトライアル実施においては、当社グループの主要製品に使用している様々な原材料のうち、森林リスク商品(※2)に含まれる「パーム油」「木材パルプ」「カカオマス」「大豆」と、海域の原材料の「エビ」「イカ」「すり身魚」の計7品目を対象といたしました (図1)。
※1 ENCORE (Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure) は、自然資本金融同盟 (Natural Capital Finance Alliance (NCFA)) や国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター (UNEP-WCMC) などが共同開発したツールで、企業活動の自然への影響や依存度の大きさを把握することができる。
※2 世界的に取引される商品および原材料のうち、それらの生産過程が森林減少や森林劣化に寄与すると考えられるもの。具体的には、カカオ、パーム油、大豆、木材、木材パルプ、牛製品、革製品、天然ゴムなどが含まれる。
(図1)
<4つの分析ステップ>
Locate
7品目の主要な調達先の「生態系の完全性」「生物多様性の重要性」「水ストレス」について5段階で評価いたしました。さらに、当社グループの調達戦略と整合性を確保するため、各原材料の「戦略的重要性」「代替可能性」「調達難易度」「価格上昇率」も勘案し、主要な調達先の中から優先地域を選定いたしました。その結果、対象7品目の主要な調達先 (37の国・地域) のうち、以下の4品目 (パーム油、エビ、カカオマス、木材チップ) において優先すべき調達国・地域を特定いたしました (図2)。
(図2)
Evaluate
Locateで特定した各優先地域での原材料生産プロセスについて、自然への依存・影響関係に関するENCOREのデータと、原産地の地域性や原材料の特性、業界団体の動きなどに関する文献調査の結果を掛け合わせ、自然への依存度と影響度を複合的に評価いたしました (表1)。また、影響度を評価する際には、「温室効果ガスの排出」「水使用」などの影響要因について、事業活動が与える負の影響のみならず、「負の影響の緩和」や「正の影響の創出」に繋がる取り組みまでを含めております。
(表1)
原材料 |
依存 |
影響 |
パーム油 (インドネシア、 マレーシア/全土) |
・肥沃な土壌の持続的な使用 ・花粉媒介昆虫の存在 ・農園や搾油工場での洪水被害最小化 |
・農地開発や焼畑農法による森林破壊 ・生物多様性の喪失と土壌の劣化 ・化学肥料等による土壌汚染 ・土地改変によるCO2排出 |
木材チップ (日本/北海道) |
・樹木の成長に必要な水資源 ・樹木の成長に必要な土壌の養分 ・花粉媒介昆虫の存在 |
・天然林の伐採による生態系の改変 ・再造林放棄による生態系の劣化 ・地がきによる地表植生、表土の除去 |
エビ (インド/ケララ州) |
・エビの生息に必要な水質の維持 ・エビの稚魚を育む生息地の提供 |
・トロール漁による海洋生態系の破壊 ・混獲・乱獲による水産資源の減少 |
カカオマス (エクアドル/全土) |
・作物の成長や農園の運営に必要な水資源 ・作物の成長や品質を支える土壌の養分 ・花粉媒介昆虫の存在 |
・農地拡大による熱帯雨林の改変、破壊 ・不適切な農薬使用による汚染 |
Assess / Prepare
Evaluateで確認した自然への依存・影響関係に基づき、当社グループの原材料調達における自然関連リスク・機会を以下の通り特定いたしました。
自然関連リスクに関しては、主に原材料生産者への影響に起因するものを物理リスク、主にステークホルダーへの影響に起因するものを移行リスクと捉え、特に重要度の高いものを抽出いたしました (表2)。
自然関連機会に関しては、Evaluateで整理した「負の影響の緩和」又は「正の影響の創出」に繋がる取り組みをもとに、当社グループとして実現可能性のある機会を原材料別に検討いたしました (表3)。これらに加えて、複数の原材料に共通する機会として、当社グループの強みであるフードテックを活かした植物性代替食の開発・使用を進めてまいります。また、当社グループの製品は老若男女問わず幅広い消費者と接点があることを踏まえ、RSPOをはじめとする認証制度のマークを商品パッケージに表示することで、消費者に対して持続可能な調達や認証制度に関する認知の向上を図り、持続可能な商品の市場形成に貢献してまいります。今後、特定した自然関連リスクと機会に優先順位をつけ、取り組みの進捗を管理する指標を設定していく予定であります。
(表2)
自然関連リスク
原材料 |
物理リスク |
移行リスク |
|||
慢性リスク |
急性リスク |
政策・法規制 リスク |
評判リスク |
市場リスク |
|
パーム油 (インドネシア、マレーシア /全土) |
花粉媒介昆虫や、害虫の捕食動物の生息数減少、化学肥料使用による土壌汚染、POME流出による水質汚染などの生態系サービスの劣化に生産者が適応できず、パーム油の供給量が減少した場合、価格が上昇する。 |
農地開発に伴う水害激甚化、不適切な焼畑による農園の消失や生態系の劣化によりパーム農園における生産活動が中断された場合、価格上昇や調達先を変更する必要が生じる。 |
農地開発や化学肥料使用への規制強化、認証取得の義務化、炭素税の導入などが進んだ場合、対策コストが発生し、パーム油の供給量が制限されることで、価格が上昇する。 |
- |
化石燃料代替品としてのパーム油の需要増加により供給がひっ迫し、価格が高騰する。 |
木材チップ (日本/北海道) |
土壌汚染や水資源の汚染・枯渇などの生態系サービスの劣化により木材の供給量が減少した場合、価格が上昇する。 |
- |
土地利用や伐採の制限に関する規制強化、認証取得の義務化、炭素税の導入などが進んだ場合、対策コストが発生し、木材チップの供給量が制限されることで、価格が上昇する。 |
- |
再生可能資源である木材の需要増加により供給がひっ迫し、価格が高騰する。 |
エビ (インド /ケララ州) |
海水温度の上昇に起因する海藻の育成不良・海水の酸性化や沿岸の水質汚染により、エビの生息地が劣化し供給量が減少した場合、価格が上昇する。 |
原油の流出や赤潮の発生によりエビの供給量が減少した場合、価格上昇や調達先を変更する必要が生じる。 水質や生物多様性等の生息地の環境変化によりエビに対する病気が蔓延した場合、供給量が減少する。 |
混獲防止装置の設置義務化に関する規制や認証取得の義務化、炭素税の導入などが進んだ場合、対策コストが発生することで価格が上昇する。 禁漁期間が延長されエビの供給量が減少した場合、価格が上昇する。 |
- |
- |
カカオマス (エクアドル /全土) |
花粉媒介昆虫の減少や水資源の汚染・枯渇、化学肥料使用による土壌汚染などの生態系サービスの劣化に生産者が適応できず、カカオの供給量が減少した場合、カカオマスの価格が上昇する。 花粉媒介昆虫の減少に伴う人工授粉や肥料の追加により、カカオマスの生産コストが上昇する。 |
災害や病虫害などの影響によりカカオ農園における生産活動が中断された場合、カカオマスの価格上昇や調達先を変更する必要が生じる。 |
農地開発や化学肥料使用への規制強化、認証取得の義務化、取水量の制限、炭素税の導入などが進んだ場合、対策コストが発生し、カカオマスの供給量が制限されることで、価格が上昇する。 |
- |
- |
全般 |
- |
- |
サプライヤー管理、モニタリング体制などの強化により、ガバナンスコストが増加する。 |
サプライヤーにおける自然資本の毀損に対する糾弾が当社グループまで遡及し、ブランドイメージが低下する。 |
消費者の選好が、より環境負荷の低い原料を使用する製品にシフトする。 |
(表3)
自然関連機会
原材料 |
機会 |
|
パーム油(インドネシア、マレーシア/全土) |
天然資源の持続可能な利用 |
・RSPO等の認証品の調達量拡大 ・森林モニタリングによる高リスクサプライヤーの把握・ モニタリング ・高リスクのサプライヤーに対する自発的なエンゲージメント・是正措置の依頼 |
生態系の保護、回復、再生 |
・小規模農家に対する認証取得支援 ・農園周辺地域の景観維持活動の実施 |
|
木材チップ(日本/北海道) |
天然資源の持続可能な利用 |
・FSC等の認証品の調達量拡大 |
資源効率 |
・木材の使用量を削減した容器の開発 |
|
エビ(インド/ケララ州) |
天然資源の持続可能な利用 |
・MSC等の認証品の調達量拡大 |
生態系の保護、回復、再生 |
・漁業者に対する認証取得支援 ・混獲防止策の推進 |
|
資源効率 |
:漁獲廃棄物削減の推進 |
|
カカオマス (エクアドル/全土) |
天然資源の持続可能な利用 |
・レインフォレスト・アライアンス認証等の認証品の調達 促進 ・NGO、業界団体との連携 |
<今後に向けた課題・アクション>
本トライアルで特定した自然関連リスク・機会への対応策は、環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」や「カーボンニュートラル」「ネイチャーポジティブ」の実現に向けたさまざまな戦略と整合性を取りながら、当社のサステナビリティ委員会が主管となって今後も検討してまいります。
2024年度は自然関連リスク・機会をさらに定量的に評価すると共に、特にリスクの高い原材料に対してシナリオ分析を実施していく予定であります。また、「TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク最終版」の内容に基づき、開示情報を順次拡充してまいります。
③ 非財務価値の定量化
当社グループが重点的に取り組むESG活動が企業価値にどのような効果があるのか、ESGと企業価値との関係性の分析にも取り組んでおります。その一つが、企業価値を表す指標の一つPBRとの関係性の分析であります。ESG活動が何年後のPBRに効果をもたらすかを、学術的に信頼度の高い手法を使い分析しております。結果、CO2排出量の削減を行うと8年後に1.0%(2年目の分析では9年後に+0.8%)PBRが向上するなど、当社グループが重点的に取り組んでいるESG活動と企業価値向上との間に相関関係があることを定量的に確認することができております。
またESG指標同士の相関性を分析し、各ESGの取り組みがどのような経路を辿り企業価値の向上に繋がるのか、ストーリーの形で明らかにいたしました。例えば、エネルギー投入量に対する施策を行うことでCO2排出量は削減され、CO2排出量を削減したことで、自社が保有しているメディアで発信する機会が増加し、地域や社会におけるブランド価値向上につながります。次にブランド価値が上がると消費者の購買が増え売上が伸び、最終的には、当社グループが経営指標として掲げるEPSとPERが成長・拡大しシェアホルダー価値につながってまいります。引き続きこうした分析に挑戦し、ESG活動と企業価値の関係性を明らかにしていきたいと考えております。
(ア)俯瞰型分析
※“CFOポリシー(中央経済社2020)”にて柳良平氏が開発したモデルに基づき、アビームコンサルティング株式会社のDigital ESG Platformで分析(2022年3月)
(イ)価値関連性分析
④ コミュニティ投資
当社グループは、日清食品の創業者である安藤百福が創設した「公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団」の理念「食とスポーツは健康を支える両輪である」に賛同し、子どもたちの健全な心身の育成のためのスポーツ振興事業と食文化の向上に貢献する事業活動をサポートしております。同財団の活動は、全国小学生陸上競技交流大会等のスポーツ支援、自然体験活動の企画コンテストやロングトレイルの普及・振興事業、独創的な基礎研究・食品開発・ベンチャーを対象にした表彰事業等の食文化振興事業、体験型食育ミュージアム「安藤百福発明記念館」運営の4つの事業活動が柱となっております。当社グループは、2021年度より、同財団とともに、食科学の発展に寄与する研究に取り組む大学院生を支援する給付型奨学金「日清食品・安藤百福 Scholarship」を設立し、返済義務のない奨学金の給付をスタートさせております。2023年度は大学院生100名に年100万円の奨学金を給付しております。また、当社グループは、同財団とともに、142か国で共同調査を行い、食と主観的ウェルビーイングの関係を世界で初めて明らかにした「Recipes for Wellbeing Report」を公表いたしました。今後も「ウェルビーイング」の向上につながる「食」のあり方を大学や国際機関などと連携しながら探究してまいります。
⑤ 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
(ア)人材に対する考え方
「企業在人・成業在天」
この言葉は、創業者の安藤百福が2007年に社員に向けて年頭のメッセージとして記したものであります。
「企業は人である。人に対する評価がそのまま企業の評価につながる。また成業とは、大衆の声が天に通じたときに、はじめて大きな評価として返ってくるものだ。」という意味が込められております。
この言葉にも象徴されるように、かねてより当社グループは「人材」を企業価値の源泉として捉えてまいりました。また、創業者は「私は日清食品を一つの人生大学というようなものにしたいと考えている。仕事を通じて、また職場の人間関係を通じて、真の人間らしさを学んでいただく場としたい。」という言葉も残しており、我々日清食品グループは社員が仕事と職場環境を通じて人間として成長できる機会を提供することを使命だと考えております。
(イ)人的資本開示の方針
2024年3月に人的資本に関する情報開示の国際的なガイドライン「ISO 30414」の認証を、食品企業として世界で初めて取得いたしました。また、認証取得に合わせ、当社グループの人的資本に関する取り組みをまとめた「Human Capital Report 2023」を発行いたしました。
人的資本開示の要請が高まる中で、積極的に現状の人的資本の情報を開示することで、様々なステークホルダーの皆様と対話を実施し、フィードバックをいただくことで、当社の人的資本の取り組みを高度化していきたいと考えております。
※「Human Capital Report 2023」は当社グループのウェブサイト(https://www.nissin.com/jp/)で公開しております。
(ウ)組織人材ポリシー(人材育成方針)
創業者が世界初の即席めんである「チキンラーメン」、世界初のカップめんである「カップヌードル」を、さらに宇宙でも食べられる世界初の即席めんである「スペース・ラム」を生涯かけて創造したように、当社グループでは常に新しい食の文化を創造しつづける「EARTH FOOD CREATOR(食文化創造集団)」であることをグループのビジョンとしております。
そのためには、多様な彩りや専門性を持った社員が互いに尊重し合い、グループのミッション・ビジョン・バリューに共感し、「EARTH FOOD CREATOR(食文化創造集団)」の一員として仕事を楽しみ、働きがいを感じながら活躍できる状態を目指しております。また自らが希望するキャリアを実現し、仕事を通して生涯成長できるよう様々な機会を提供することで、当社グループの持続的な成長を図ってまいります。
(エ)社内環境整備
a. ハングリーで自律的なキャリア形成
当社は、社員が自らハングリーな気持ちで学び、キャリアを実現することを奨励しております。
社員のチャレンジを後押しするために2020年にはスキルやリーダーシップ等を学ぶ場として企業内大学“NISSIN ACADMEY”を設立いたしました。部門独自の専門的スキルを学ぶ講座、汎用的なビジネススキルを学ぶ講座、リーダーとして必要な資質やスキルを学ぶ講座など多数取り揃えております。
2023年度からはラーニングマネジメントシステムを導入し、学びの情報を集約化・充実化させております。いつでもどこでもアクセスできる環境を整備することで、自律的な学びを支援してまいります。
また、よりチャレンジングな目標を設定し達成した社員に報いられるよう2021年には人事制度を改定いたしました。一人ひとりの社員が日々の仕事の中で成長を実感できるように、上司とメンバーとの1on1ミーティングや成長実感会議(半期に一度、部門の管理職が集い、社員一人ひとりの成長度や今後のキャリアを議論する人材レビュー会議)といった仕組みも取り入れております。
さらに、“意欲ある人が良い仕事をする”という信念のもと、公募制度を活性化させており、多くの社員が自らの意思で希望するキャリアに就いて活躍しております。2024年度からは管理職を対象とした“日清流Job型”を導入いたしました。ジョブディスクリプションを明確化することで社員がそのキャリアを目指しやすくなったり、個々の職務に応じた処遇を決定したりすることで市場との接続性を高めてまいります。また当制度では社員の多様化する就業観に応えるべく、従来のマネジメントコースに加え、高度な専門性を保有する社員を対象としたプロフェッショナルコースを新設することで、キャリアコースの選択肢を増やしてまいります。これらの一連の制度や取り組みを通して、適所適材を実現してまいります。
<経営者人材育成>
当社グループが「EARTH FOOD CREATOR(食文化創造集団)」として持続的に成長するために、経営者人材を育成することは最重要課題の一つと捉えております。主要ポストを設定し、当該ポストに必要なスキル・経験を定義づけ、後継者候補一人一人に対してジョブローテーションを含む育成計画を策定し、年に一度、CEOと部門長による面談で育成の進捗を確認しております。
また、経営者に必要なマインドセットや知識・スキルを習得する研修プログラム“経営者アカデミー”を継続的に実施しております。現状のキーポストの後継者継承準備率(5年以内)は193%になります。今後は250%以上を目指して計画的な人材育成に取り組んでまいります。 |
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また、経営者人材の育成には、できるだけ早い時期からマネジメント経験を積むことが重要であると考えております。
これまでも、公募制度を活用し、非管理職の若年層でも自ら手を挙げ、管理職ポストにチャレンジし、活躍している社員も多くおりましたが、2023年度より、早期にマネジメントにチャレンジできるポストを設定し、多くの候補者を抜擢することでマネジメント人材プールを厚くしてまいります。
<グローバル人材育成>
中長期成長戦略2030において、海外事業の更なる拡大を目指す中、グローバルで活躍できる人材プールを拡充することが急務となっており、現地法人ごとの人材要員計画と人材プールの見える化を実施しながら、充足のための採用・育成・定着施策を強化しております。
今後の海外事業拡大を推進する組織体制のもと、改めて海外事業ポストの要件を定め、主要ポストには外国人社長などローカルスタッフを含めたタレントマネジメントを設計してまいります。こうした“適所”に向け、社員においては海外勤務志向を高めるためのグローバル・キャリアパスの提示、若手社員を対象とした海外トレーニー制度の活性化、市場競争力のある処遇とライフイベントの両立がし易くなるような評価報酬・福利厚生制度の導入、これらを推進するための専任組織の組成など、“適材”たるグローバル経営人材を計画的に輩出できる仕組みづくりを推進いたします。 |
グローバル・キャリアパスの提示例
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b. 当社グループのバリューへの共感
世界中で活躍する全社員が一体感を持って仕事をするため、また、全ての活動の拠り所として当社グループのミッション・ビジョン・バリューと行動指針である日清10則の浸透に力を入れております。
年に7、8回開催する朝礼でトップメッセージを発信したり、入社時や周年イベントとして理念研修を実施したり、チーム単位で創業者精神やビジョン等をディスカッションする職場ミーティングを年2回実施したりと、あらゆるタッチポイントで啓発を行っております。また、様々な社内施策では、Valueである“Unique”“Creative”
“Happy”“Global”を社員が体感できるように工夫をしております。
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チキンラーメンの発売記念日である8月25日には、 社員が小売店の店頭で対面販売を体験する機会を設け、 食品メーカーの社会的使命を考える場としている。 |
入社時にカップヌードルミュージアムで理念研修と チキンラーメン手作り体験を実施し、創業の原点に触れることで企業理念の理解を深めている。 |
<NISSIN CREATORS AWARDの実施>
当社のミッション・ビジョン・バリューを体現する創造的な仕事を表彰する“NISSIN CREATORS AWARD”を年に1回実施しております。世界各地の事業会社・多様な職種から多数のエントリーがあり、役員による審査とともに従業員投票を実施することで全社員参加型のイベントとしております。表彰候補案件に対し、功績が生み出されたプロセスを動画配信することで、受賞者の行動や想いを伝えて、「EARTH FOOD CREATOR(食文化創造集団)」としてのスピリットを伝承していきたいと考えております。また社員の様々な創造的な仕事を理解し、互いに称え合い高め合う文化を創出しております。
c. 多様性の尊重
当社グループは、「EARTH FOOD CREATOR(食文化創造集団)」であり続けるために、多様な強み・ 専門性を持った人材の採用、起用を積極的に進めております。
さらに「日清食品グループ人権方針」では人種、民族、国籍、宗教、信条、出身地、性別、性的指向、性自認、年齢、障がい等に基づく差別及びハラスメントの禁止を明示しており、多様な属性や価値観を持つ社員を尊重し、活躍できる職場を目指しております。
2015年には社内有志メンバーによる「ダイバーシティ委員会」を設け、人事部と両輪となり、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進してまいりました。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの中でも女性活躍推進を経営の優先課題として捉え、育児と両立しながら働きやすい就業制度や社内の意識改革に力を入れてまいりました。その結果として国内中核企業において「プラチナくるみん(2019年認定)」「準なでしこ(2019年、2020年認定)」に選定されております。現状は男性社員の育児参加を促すための啓発活動も実施しております。働きやすさに加え、重要なポジションで女性の活躍を増やしていけるよう、2025年度末の女性管理職比率10%を数値目標として掲げております。また、日本経済団体連合会が推進する「2030年30%へのチャレンジ」に賛同し、女性の人材プールの拡充と育成を推進しております。
目標を達成するため、各部門での数値目標の設定、役員自らが育成にコミットするスポンサープログラムの実施、上司がダイバーシティ環境下でのマネジメント方法を学ぶプログラムや女性自身のリーダーシップ開発をするプログラムの実施、女性同士のネットワーキングの形成など多方面で推進しております。
<スポンサープログラム>
各役員がスポンサーとなって女性管理職および候補者(スポンシー)の上位等級への登用を目的とした個別具体的な育成を実施しております。スポンサーとスポンシーが定期的に面談をして、スポンシーの育成課題に沿った年間の育成計画をすりあわせております。スポンシーからは「スポンサーの人的ネットワークを紹介してもらった」「上位役職へのチャレンジを後押ししてくれた」などの声があがっており、着実な登用実績にもつながっております。
d. 健康経営
当社グループは、全従業員のWell-beingと高いパフォーマンスの同時達成を目指し、責任者であるCEOの下、各関係組織が連携を取りながら健康経営を推進しております。
具体的な取り組みとしては、生活習慣病の早期発見、早期治療を目的とした、法定健診を上回る項目数での健康診断の実施や、心身の健康と仕事のパフォーマンスを把握し、状況に応じて面談などに繋げるためにエンゲージメント調査や組織改善サーベイを実施しております。
また、社員のセルフコンディションニング支援のため、運動や睡眠などの状態を把握できるウェアラブルデバイスの無償貸与を行ったり、2020年には女性社員の健康課題解決に取り組むプロジェクトを立ち上げ、月経やフェムテックの知識を深めるセミナーや、妊活やキャリアに関する相談サービスを実施したりするなど、ライフサイクルで生じる課題に合わせて選択できる多数のプログラムを提供しております。
(3)リスク管理
当社グループでは、取締役会の管理下に「総合リスク対策委員会」を設置し、リスクの管理状況を把握し、企業価値の毀損を回避するよう努めております。各年度に1度、事業会社社長および各チーフオフィサーによるリスク評価報告を基に、発生可能性と影響度の2軸で構成されるリスクマップにて各リスクを4段階のステージに分けて評価し、管理方針を定めて管理状況を取締役会に報告しております。また環境・安全リスクに対応する組織をサステナビリティ委員会のもとに設置しており、環境面等における重大事故が発生した際は、マニュアルに従って直ちに対応し、事態の収拾と解決にあたります。
リスクの抽出・評価アプローチおよび特定したリスクの管理方法について、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
(4)指標及び目標
① EARTH FOOD CHALLENGE 2030
当社グループは2020年4月に策定した環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」の中で、気候変動問題に対する取り組みや資源の有効活用に関する目標を定めております。
環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」実績
2030年に向けた環境目標 |
目標値 |
2023年実績 |
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有効資源活用へのチャレンジ |
持続可能なパーム油の調達比率(※1) |
100% |
43.4% |
水使用量…IFRS売上収益100万円あたり |
12.3㎥/百万円 |
9.7㎥/百万 |
|
流通廃棄物削減率 …2015年度対比/日本国内 |
△50% |
△51.1% |
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気候変動問題へのチャレンジ |
CO2排出削減:Scope 1+2 …2020年対比/国内外(※2) |
△42% |
△16.1% |
CO2排出削減:Scope 3 …2020年対比/国内外(※2) |
△25% |
△2.3% |
※1 外部認証の活用及び独自アセスメントによる
※2 2023年5月にCO2排出削減率の目標値を上方修正
Scope 1+2: △30%(2018年対比)→△42%(2020年対比)
Scope 3: △15%(2018年対比)→△25%(2020年対比)
なお、販売・流通領域における廃棄物削減の一つとして、フードロス対策を実施しております。支援団体への寄贈実績は以下となっております。
フードバンク寄贈実績 |
||||
寄贈食数 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
70,276 |
344,698 |
683,674 |
631,594 |
② 人材育成方針及び社内環境整備の方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
組織のありたい姿を実現するためのマイルストンとして、指標ごとに下図の通り目標値を設定しております。年度ごとにモニタリングしながら人事施策に活かしてまいります。
※ 社員エンゲージメント調査のポジティブ回答比率を目標値としている
※1 MVVはミッション・ビジョン・バリューを指す
※2 日清食品グループ全事業会社が対象。その他の指標は中核企業である日清食品4社(日清食品ホールディングス㈱、日清食品㈱、日清食品チルド㈱、日清食品冷凍㈱)が対象
<主要指標の進捗>