2024年7月期有価証券報告書より

リスク

3【事業等のリスク】

以下に、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループとして必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項について、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式の投資に関連するリスクをすべて網羅するものでなく、これらに限定されるものではありません。

なお、以下の記載事項及び本項以外の記載事項は、特に断りがない限り当連結会計年度末(2024年7月31日)現在の事項であり、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 組織体制に関する事項

① 特定人物への依存

 当社の代表取締役社長である金武祚は、当社設立時からの事業推進者として中心的な役割を担っております。同氏は、1999年11月に当社代表取締役社長に就任しておりますが、当社設立以前は食品会社研究所長や韓国・高麗大学教授等を歴任するなど20年以上に亘り機能性食品業界での経験を有しております。

 同氏は現在、当社グループにおきましても経営方針や事業戦略全般の策定、学会・食品業界・医薬品業界等との人脈とそれらに付随した営業力などで、取引関係の維持や構築に関して重要な役割を果たしております。

 当社グループでは、過度に同氏に依存しないよう、会社組織として、組織的な対応の強化をすすめ、権限委譲や人員の拡充をはかっておりますが、何らかの理由により同氏の業務の遂行が困難となった場合には、事業運営等の一部に支障が生じる可能性があります。

② 人員の確保について

 当社グループの事業拡大にあたっては、当社グループ事業に関する食品・化成品等の専門的な知識・技能を有する研究員を確保することが不可欠であります。当社グループは今後も事業拡大のため、共同研究を実施している各大学との人事交流面での連携、人材募集のフォーラム等への参加や社内教育の充実、また、様々なインセンティブプランを設けるなどにより、積極的に優秀な人材確保のための努力をいたしますが、人員計画が予定通りに進むとは限りません。人材の確保が順調に進まない場合には、研究開発に遅れが生じるなど当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(2) 営業展開に関する事項

① ビジネスモデル上のリスクについて

 当社グループでは会社設立以来、研究開発に主軸をおいた経営形態を実践してまいりましたが、国内・海外のいずれの市場とも、目標とする可能性の一端を達成しているに過ぎません。そのため、販売実績・販売期間とも限られたものがあり、技術開発の進捗状況、事業展開の拡がりといった内部要因だけでなく、食品衛生法等の法令の改正や機能性食品業界の市場情勢等の外部要因によっても当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 当社グループは今後の事業展開として、「BtoB事業」「BtoC事業」「バイオメディカル事業」の3事業を主要事業として強化していくことを打ち出しております。これらの事業の更なる強化に伴い、過年度の経営成績が今後の当社グループの経営成績等を判断する材料としては不十分である可能性があるほか、以下の可能性があるものと考えております。

a.バイオメディカル事業に関するリスク

 バイオメディカル事業においては、慎重な判断に立ち、長期間においての事業計画を策定し、またリスク分散・極小化の観点から製薬会社、公的研究機関等との共同研究による前臨床試験等の展開を計画しておりますが、その将来性は不確実性を伴うものであり、以下に想定されるような事象が生じた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・研究開発において想定していた成果が得られず開発の中止に至る場合や、開発の遅延等による研究開発期間の長期化等により、想定以上に研究開発費がかさむ場合には、研究開発費として投下した資金の回収が遅延し、又は回収が不能となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・医薬品の候補物質の特定等に成功しても、製薬企業等の導出先(ライセンスアウト先)が見つけられない場合には、研究開発費として投下した資金の回収が不能となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・当社グループのニワトリモノクローナル抗体作製技術:「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」により開発した抗体が、これまでに新薬として承認された実績はなく、将来において、新薬開発実績が生み出せない場合には、研究開発費として投下した資金の回収が不能となり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・競争環境等の変動により、当初期待していた通りに開発、販売が進捗せず、計画通りのマイルストーン収入、ロイヤリティ収入が得られない場合や、得られたとしても必要な採算性を確保できない場合には、研究開発費として投下した資金の回収が不能となり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

b.BtoC事業に関するリスク

 BtoC事業の強化のために、今後積極的に販売促進活動を行ってまいりますが、当社グループが行うBtoC事業に関し、以下に想定されるような事象が生じた場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・広告媒体の費用対効果の検証や、広告宣伝費等の経費の効率的な使用に努めてまいりますが、想定外に経費がかさむことや支払った広告宣伝費に見合う売上を計上できない場合には、計画通りの収益性を確保できず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

・BtoC事業で取り扱う製品については、品質・有効性・安全性確保のために必要な規定をした「医薬品医療機器等法(薬機法)」の規制を受け、製品の表示・広告においては、主に「薬機法」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「健康増進法」、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」の規制を受けており、不当(虚偽・誇大)な表示や広告等が禁止されております。また、販売においては、禁止行為や解約事項等を規定した「特定商取引に関する法律(特定商取引法)」や「消費者契約法」等の規制を受けます。当社グループでは、関係諸法令への適合状況のチェック体制を整備しておりますが、上記法令等に抵触する事象の発生や、今後予期せぬ法律規制強化等があった場合には、計画通りの販売活動を行うことができず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・BtoC事業で取り扱う製品については、細心の注意を払い製造委託・販売を行っておりますが、予期せぬ事態の発生等により安全性に問題が生じた場合には、損害賠償請求の発生、リコール(販売した製品の回収等)の実施、当社グループ製品への信用力の低下等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また事実とは異なる根拠のない風評等が起こった場合においても、当社グループ製品への信用力の低下を招き、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

・BtoC事業において、一部インターネットを通じて製品を販売しておりますが、今後、インターネット等の利用者及び関連業者を対象とした法的規制が新たに整備され、これらの法令により当社グループの業務の一部が規制を受けるような場合には、計画通りの販売活動を行うことができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

・BtoC事業において、インターネット及びコンピューターシステムを使用しておりますが、何らかの原因により当社グループサーバーへの一時的な過負荷や外部からの不正な手段によるアクセス、担当者の過誤によるシステム障害等が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合には、一時的に受注業務及び配送業務を行うことができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 売上高における特定製品への依存度が高いことについて

 当社グループの主力製品である「ニューモ育毛剤」の売上高は、2024年7月期の当社グループ売上高のうち33.9%を占めております。今後何らかの理由により「ニューモ育毛剤」の仕入又は販売に関して不測の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 新製品販売動向の業績への影響について

 当社グループで販売しております、機能性食品、健康食品、化粧品等は消費者の嗜好に影響を受けやすく、そのライフサイクルは比較的短い傾向にあります。当社グループでは会社設立以来、安定的・継続的な経営を維持すべく研究開発に主軸をおきながら機能性素材製品の開発と販売を進めてまいりました。その結果、「ファーマギャバ」、「カテキン」、「ボーンペップ」、「ランペップ」の既存製品に続きまして、近年では「Cerepron(セレプロン)」、「HGP」等を発売し、製品ラインナップの拡充に努めてまいりました。また、BtoC事業において販売する製品についても当社グループが開発した素材を採用することで、製品ラインナップの拡充に努めております。当社グループでは今後も新製品の開発と、製品応用分野の拡大を目指した事業展開を進める方針でありますが、計画通りに新製品の開発及び製品応用分野への拡大が進まなかった場合、あるいは新製品の販売動向が期待通りに進まなかった場合、機能性素材市場での販売拡大が計画通りに進まず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があるほか、ビジネスモデルにも変更が生じる可能性があります。

 

④ 競合について

 当社グループでは製品の開発・発売に関しては、製品の品質・価格、生産方法の知的財産権などで他社製品に対して優位性をもった製品を開発することを方針とし、今後の成長性と高い収益性を実現するべく事業展開をすすめてまいりましたが、食品メーカー、製薬メーカーや化学品メーカー等がその一部門または子会社を通じて機能性食品分野での事業展開を拡大することや、新たに事業展開を開始するなどにより、一層、競合関係が激化することが推測されます。当社グループでは今後も明確に他社との差別化が図られる分野、収益性の高い分野、競合が少ない分野などにターゲットを絞った戦略的な経営を進める方針でありますが、競合他社が同様の製品を当社グループよりも先に開発・販売した場合、あるいは当社グループよりも優れた製品を開発・販売した場合等には、他社製品に対する優位性が低下し、計画通りの販売活動ができず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 新規事業について

 当社グループは、「BtoB事業」「BtoC事業」「バイオメディカル事業」の3事業を主要事業としており、積極的に事業を拡大してまいりました。今後も持続的な成長と収益源の多様化を進めるために、戦略的に新規事業を立ち上げる可能性があります。しかし、新規事業を開始した際には、その事業固有のリスク要因が加わると共に、新規事業を遂行していく過程では、急激な事業環境の変化をはじめとして様々な予測困難なリスクが発生する可能性があります。その結果、当初の事業計画を達成できない場合には、新規事業費用として投下した資金の回収が遅延し、又は回収が不能となり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) 生産体制及び生産管理に関する事項

① 委託生産に伴うリスクについて

 当社グループは機能性食品の新しいビジネス形態を構築すべく、研究開発部門とマーケティング・営業部門で社内体制の整備・拡充を図りつつ、生産方法に関する知的財産権の確保、製造方法・生産工程の確立や衛生管理面の確認等は当社グループが行う一方で、取扱製品の生産は社外の協力工場に委託をする経営体制を敷いております。そのため安定供給できる生産委託先の確保が当社グループにとって主要な経営課題のひとつであり、当社グループでは、生産の外部委託により生じ得る製品の安定供給や製品の品質確保といった様々なリスクを回避するため、当該協力工場の生産能力や生産管理体制の整備等に関する事前調査、秘密保持に関する契約の締結、継続的な情報交換による状況確認や、複数の委託協力工場の選定等により、万が一に備えた体制の整備を図っております。また、製品毎にその製品に最適な当該協力工場を選定しているほか、新製品の発売及び既存製品の増産に対しては、十分な対応ができるように事前に当該協力工場の調査・確認を実施しておりますが、計画通りに取引先の需要に応じた製品を適時安定供給できるという保証はありません。何らかの理由で既存の生産委託先での生産が中止された場合、速やかに代替先を確保できるという保証もありません。

 当社グループでは今後もかかるビジネス形態による経営体制を継続する方針であり、外部委託生産会社との関係変化あるいは協力工場を起因とする問題等が発生した場合には、製品の製造遅延・停止などが生じ、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 衛生管理上の問題発生の可能性について

 当社グループの事業分野である食品、健康食品等は、食品衛生法に基づいた衛生管理が求められており、当社グループ及び外部の生産委託工場でもそれら法令等を遵守した施設の整備、器具・容器包装資材の管理や製造工程等の管理運営を行っております。近年、「食の安全性」に関する消費者の視点が一層厳しくなっているため、当社グループでも衛生管理を経営の重要課題の1つとしております。当社グループでは衛生管理上の問題発生を防ぐべく、生産委託工場との情報・連絡の徹底、製造工場への立ち入り検査の実施、製造工程途中での抜き取り検査の実施、完成製品の規格化と安全性試験の徹底などにより衛生管理面の強化を図っておりますが、予見できない衛生管理上のトラブル等が発生した場合には、当該製品の販売が不能となる等により、計画通りの販売活動ができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 研究開発に関する事項

① 技術革新について

 近年バイオ関連業界の技術進歩はめざましいものがあります。また、国立大学等の独立行政法人化やTLO(技術移転機関(Technology Licensing Organization))を通じた大学等の知的財産権の活用などの動きも見られ、それに併せて技術開発力のある大学発のバイオベンチャー企業も多数輩出されています。当社グループでは、開発初期の段階からマーケティング・開発の両面に亘った検討を行い、また、外部協力者との積極的な共同研究や、事業の選択と集中を実践することで、開発の企画段階から製品の上市までの時間短縮を進めることにより事業成功の確率の向上を図っております。また、現状製品のリニューアルや新製品の開発から次世代の研究開発用範囲の拡大等の異なった世代の開発を進めること、製品の応用範囲の拡大などによって、競合他社の技術進歩に対して、リスク分散を図ることを実践しております。

 しかし、今後、必ずしも本戦略が予定通り進む保証はなく、他社の技術革新の進捗状況によって当社の研究成果が陳腐化することなどが発生した場合には、他社製品に対する優位性が低下し、計画通りの販売活動ができず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 医薬品の開発について

 当社グループでは、会社設立以来、研究開発主導型の企業経営を行い、食品分野を中心に機能性素材の開発を実施してまいりました。また、当社グループでは、それら機能性素材の開発で培った技術をベースとして、10年以上の期間にわたり、医薬品開発等の研究を継続しております。医薬品開発等の創薬事業は、薬機法に基づく臨床試験の実施や、医薬品としての効果・効能や安全性も含めた試験等が必要となることから、食品関連の素材開発に比べて長期に亘る開発期間と多額の研究開発投資が必要となります。一般に創薬事業及び医療関連事業は成否リスクが高く、また、現在のところ当社グループにはそれら事業についてのノウハウ・開発実績が少ないことから、事業推進にあたっては研究内容が実用化した際の市場性、実用化までの期間、実用化の可能性、投下資金等について多面的な検討を行い、かかるリスクの回避に努めますが、研究開発活動が計画通りに進む保証はなく、必ずしも期待通りの効果を得られるという保証もないため、全ての研究内容が当社グループの経営成績に対して寄与するものではありません。

 

(5) 関連会社に関する事項

① 減損処理等について

 当社グループは、今後の事業展開次第では、関連会社の数は増減する可能性があります。共同出資による会社設立や出資等に際しては、事業性及び将来性について十分に検討した上で、出資・投資判断を行っておりますが、当該関連会社が必ずしも想定通りに収益を計上できるとは限りません。当該関連会社が想定通りに収益を計上できない状況が続いた場合には、関連会社への投融資資金やのれん等について減損処理等の損失を計上することにより、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6) M&A等(買収、合併、営業の譲渡・譲受、出資)による事業拡大に関する事項

 当社グループは、企業価値拡大を目指し、成長路線の一環として積極的にM&A等を活用して企業価値の拡大化を図ることを経営方針の一つとしておりますが、当該M&A等の施策により当初期待した効果が得られない場合には、のれん及び無形資産について減損処理等の損失を計上することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 社外要因に関する事項

① 鳥インフルエンザ等の被害を受ける可能性について

 近年になり国内では鳥インフルエンザの発生等の病原体による人身への被害が報告されております。当社グループでは現在、食品及び健康食品に関わる分野を主軸にした国内・海外への事業展開を行っておりますが、新種の病原体の蔓延等により販売・製造の両面で事業遂行上支障が発生した場合には、計画通りの販売活動ができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 海外の経済、法制、政策等の影響を受けることについて

 当社グループでは、会社設立当初より、営業・開発の両面にわたり海外提携先・取引先の開拓及び関係強化に努めてまいりました。その結果、韓国・台湾・中国・北米(米国、メキシコ)・東南アジア(タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナム等)での継続的な取引関係の構築を進めております。海外進出の際には、当該国の市場性、取引先の選定等だけでなく、経済・政治情勢、法制面などを検討した上で、営業戦略を推進しておりますが、当該国の経済、法律、政策等により取引関係の中断などが発生した場合には、計画通りの販売活動ができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 為替相場の変動について

 当社グループにおける海外取引は、大半が円建て、一部を外貨建てにより取引しております。円建てによるものは、通常は為替の変動が経営成績に影響を与えることはありませんが、急激な円高となった場合、円建ての販売先にとって当社グループからの販売価格が高騰することとなるため、当社グループに対して価格引き下げ要求が行われた場合には、売上減少等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、外貨建てによるものは、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受けた場合には、為替差損等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

④ 機密保持に関するリスクについて

 当社グループでは、研究開発活動を主力においた事業展開をすすめるなかで、生産方法に関するノウハウ等の営業秘密の管理が重要であると認識しております。当社グループでは、社内での機密情報管理の徹底を図っておりますが、自社からの情報漏洩リスクを完全に防止できるという保証はありません。また、当社グループの事業には、大学・企業などとの共同研究や外部協力工場への生産委託など、当社グループ開発技術に関して外部協力機関との関係強化が必須であることから、外部協力機関への情報開示にあたっては機密保持契約を締結するなどの方法によって、機密情報の漏洩防止に努めておりますが、全ての機密情報について漏洩が防止できるという保証はありません。かかる問題を完全に回避することは困難で、営業秘密が漏洩された場合には、研究開発情報や生産方法に関するノウハウを第三者に利用されることで、計画通りに事業活動が進まず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ サイバー攻撃等のリスクについて

 当社グループでは、BtoC事業において、多くの通信ネットワークやコンピューターシステムを利用しております。近年におけるサイバー攻撃の高度化・巧妙化を想定し、当社グループにおいても技術的対策を取ると共に、セキュリティ面での信頼性の高い外部委託先を選定すること等により対策をとっておりますが、想定を超えるサイバー攻撃などによりコンピューターシステムや営業活動を部分的に停止することを余儀なくされた場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 取引先の信用リスクについて

 当社グループは販売会社、金融機関、サプライヤーなど様々な地域の数多くの取引先と取引を行っており、取引先の債務不履行などが発生するリスクに晒されております。当社グループは、これらの取引先の信用情報、財務情報をもとに随時又は継続的な評価を行うことで、かかるリスクを削減するよう努めております。しかしながら、経済情勢によっては、販売会社、金融機関及びサプライヤーの経営破綻のような予期せぬ事態が発生した場合には、債権回収が滞ること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 有価証券の価格変動について

 当社グループは、戦略的な理由や取引関係維持等の理由により市場性のある有価証券を保有する場合があり、それらの有価証券の価格変動リスクを負っております。このため株価や債券価格の大きな変動が発生した場合には、想定外の減損が生じる等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 自然災害等について

 当社グループは、日本国内において、主たる事業運営に関わる重要な拠点を、外部委託先を含めて多数有しております。各事業所では、自然災害等に対する防災対策や安全活動を推進するとともに、コールセンターや物流拠点においては、分散化を行うことでリスクの回避を行っております。

 しかしながら、想定以上の大規模災害等より当社グループの制御不能な事態が発生した場合には、受注処理及び商品出荷業務並びに営業・開発活動に影響を与える可能性があります。また、貴重な人的資源に重大な影響を与え、当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 感染拡大によるリスクについて

 当社グループでは、感染症予防対策に対して、政府や都道府県等関係機関の指針に沿った感染拡大防止策の徹底をはじめとして、従業員に対する安全衛生に関する意識・知識向上のための注意喚起、WEB会議や時差出勤、在宅勤務等の実施による感染抑制策を講じており、現時点における事業展開及び経営成績への影響は生じておりません。

 しかしながら、世界的規模での感染症が特に国内において爆発的に流行した場合には、当社グループの事業活動に係る生産体制、物流体制、又は営業活動に支障が生じ、大きな損失が発生し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、貴重な人的資源に重大な影響を与え、当社グループの今後の事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 個人情報保護について

 当社グループは、BtoC事業を行う上で、顧客情報を取得し保有しております。当社グループでは、個人情報保護方針を定め、個人情報の適正管理に努めております。個人情報保護については、法律の遵守だけではなく、情報漏洩による被害防止を行う必要があります。当社グループは、「個人情報保護法」に規定する個人情報取扱事業者として、個人情報を厳正かつ慎重に管理しておりますが、万一、外部からの不正アクセス等により個人情報が社外に漏洩した場合、損害賠償請求や社会的な信用失墜により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 主要な事業活動の前提となる事項について

 当社グループは、主要な事業活動の一つであるBtoC事業において、化粧品及び医薬部外品を国内にて製造販売するため、「薬機法」に基づく製造販売業・製造業の許可を必要としております。当社グループの該当事業会社各社ではその許可を取得しており、法令の定めに基づき5年毎の更新その他必要な手続きを行っております。当社グループでは、「薬機法」及び関連法規制の遵守を徹底しておりますが、「薬機法」第74条の2(承認の取消し等)等に抵触し、業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられ、又は化粧品事業及び医薬部外品事業の製造・販売に関する厚生労働省からの許可を取り消された場合、あるいは、これらの法規制が変更された場合、また予測していない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(BtoC事業に係る主要な許可の取得状況等)

取得会社

許可の名称

有効期限

取消事由及び該当状況

㈱ファーマフーズ

医薬部外品製造販売業許可

2025年6月30日

(許可の取消)

「薬機法」第75条[y1]に定められる事由に該当した場合

(該当状況)

上記取消事由に該当する事項はありません。

㈱ファーマフーズ

化粧品製造販売業許可

2025年6月30日

㈱フューチャーラボ

化粧品製造販売業許可

2025年2月24日

㈱メディラボ

化粧品製造販売業許可

2028年1月17日

 

 

(10)食品衛生法や農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)等の規制について

 当社グループは、現在、機能性食品素材の開発・販売を主力に事業展開を進めており、その製造や販売にあたっては、前項に掲げるものの他、JAS法等の規制を受けております。当社グループでは、当社グループ及び外部委託生産会社等により、それら法令に従った取り扱いがなされるよう所轄の保健所等に対する届出、各種許可事項の申請や許可の取得ならびに製品に関する表示の確認等を実施しておりますが、食品衛生法に違反した場合には、営業許可の取り消しや営業許可の更新が認められないなど、当社グループ事業に支障が生じる可能性があります。当社グループでは、かかる事態を回避すべく、当社グループ及び外部委託生産会社等について衛生管理面の検査の実施や各種届出・許可の確認等を行っておりますが、法令の改正等に対応するため新たな費用が発生した場合や、不測の事態が発生した場合に当社グループの対応ができない場合、また、その対応が遅れた場合等には、計画通りの販売活動ができず、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(11)資金調達に関する事項

 当社グループは、主に金融機関より設備資金ならびに運転資金の借入を実施しております。金融市場の動向には十分留意しておりますが、全般的な市況及び景気の後退、金融収縮、当社グループの信用力の低下等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性もあります。その結果、計画通りの広告投資や研究開発投資ができず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、将来増資などのエクイティ・ファイナンスを実施した場合には、当社の発行済株式数が増加することにより1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(12)重要な訴訟等の発生によるリスクについて

 当社グループが事業活動を進めていく中で、取引先や第三者との間で様々な訴訟に発展することが想定されます。それらの訴訟において、当社グループの主張又は予測と相違する結果となった場合には、その請求内容等によっては、想定外の損失が生じる等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(13)固定資産の減損について

 当社グループが保有している固定資産について、著しい時価の下落・収益性の低下等に伴い資産価値が低下した場合は、減損が生じる等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(14)知的財産権に関する事項

① 特許の取得状況等に関する事項

 当社グループでは、研究開発により得られた成果(発明)を開発部門にて取りまとめ、戦略的な特許出願を行っております。その結果、2024年7月31日現在当社グループ全体で125件(国内登録36件、海外登録23件、出願中66件)の特許を出願・登録し、今後、一層、知的財産権の確保のため、新規出願並びに出願済特許の登録の増加を図っていく方針であります。しかしながら、当社グループが出願した全ての特許が登録されるとは限らず、また、期間満了などにより消滅した場合には、他社製品に対する競争力が低下することで、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 また、特許が成立した場合でも、当社グループの技術を超える技術が他社によって開発され、当社グループの特許が競争力を失う可能性があることや、競合他社により当社グループ特許が侵害されるなどの不測の事態が発生した場合には、他社製品に対する競争力を維持することができず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 他社の知的財産権等の侵害について

 当社グループと同様の事業展開を実施している他社も多数の特許権及び商標権等の知的財産権を有しております。当社グループでは、当社グループが他社の知的財産権に抵触することがないように、社内での調査や弁理士事務所等を通じた調査・確認を適宜実施し、事業展開並びに特許戦略の決定判断をしておりますが、当社グループは多岐にわたる研究開発活動や事業展開を推進していることから、知的財産権に関して訴訟・クレームが発生しないという保証はありません。

 現在、当社グループ事業に関して知的財産権についての第三者との間での訴訟やクレームの発生の認識はしておりません。しかしながら、研究開発を主力とした事業を展開する当社グループにおいて、知的財産権の侵害等に関して全ての問題発生を回避することは困難であり、かかる問題が発生した場合には、他社への損害賠償金やロイヤリティの支払い、差止請求などによりに当社グループの事業展開に支障がでる可能性があり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(15)コンプライアンスに関するリスクについて

 当社グループは、さまざまな事業分野において、法令、規則等の適用を受けて事業活動を行っております。当社グループにおいては、取締役及び従業員が、国内外の法令、慣習その他全ての社会的規範を遵守することを定めるとともに、コンプライアンス委員会を定期的に開催し、全社員にコンプライアンス教育を実施するなど、グループ全体への徹底を図っております。しかし、それらに違反する行為が発生した場合、監督官庁等からの処分や訴訟の提起等により、当社グループの社会的な信用が低下し、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(16)内部統制に係るリスクについて

 当社グループは上場企業として、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制に関する要件を満たす必要があり、内部統制システムの構築は、極めて重要であると認識しております。これらの内部統制システムの設計、実施には多くの管理、人材、その他資源が必要になり、内部統制上の重大な欠陥、弱点が認められた場合、システム改善に要する資源投入等により追加的コストが発生する可能性があります。

 当社グループは、常に内部統制システムの強化を図るべく検討・見直しを続けておりますが、財務報告に関わる内部統制に欠陥がある場合、または内部統制の逸脱により、適時開示義務を充足できない場合には、投資家及び経営者等の利害関係者の正確な意思決定を妨げる可能性があります。また、欠陥の重大性や原因等の程度に応じて様々な法的責任が課せられ、金融市場における資金調達力が制限される可能性があります。

 

 

配当政策

3【配当政策】

 当社は、株主の皆様に対する株主利益の最大化を重要な経営目標の一つとして認識しております。配当政策につきましては、企業の成長性と収益性を両立させる事業方針の下、研究開発、広告宣伝及びM&A等に対する積極的な投資を拡大させながら、株主の皆様に対する還元策として安定した配当等を積極的に充実していくことを基本方針としております。

 この方針の下、成長投資の推進、財務健全性の確保及び株主還元の強化のバランスを考慮し、自己株式取得を含む総還元性向20%を株主還元策の目安としております。

 当社は、中間配当と期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことを基本方針としております。

 これらの剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。

 当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき当期は1株当たり25円の配当(うち中間配当10円)を実施することを決定しました。この結果、当事業年度の配当性向は25.7%となりました。

 内部留保資金につきましては、研究開発、製品開発、マーケティング及びM&Aに対する積極的な投資を行ってまいりたいと考えております。

 当社は、「取締役会の決議によって、毎年1月31日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。

 なお、当事業年度に係る剰余金の配当は以下のとおりであります。

決議年月日

配当金の総額

(百万円)

1株当たり配当額

(円)

2024年2月19日

280

10.00

取締役会決議

2024年10月24日

421

15.00

定時株主総会決議