2025年12月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

ヘルスケア事業 バイオ燃料事業 その他事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
ヘルスケア事業 47,020 93.3 5,487 118.5 11.7
バイオ燃料事業 1,092 2.2 -325 -7.0 -29.8
その他事業 2,298 4.6 -533 -11.5 -23.2

3【事業の内容】

当社グループは、「人と地球を健康にする」というパーパスのもと、微細藻類ユーグレナを中心とした独自の研究開発力を基盤に、ヘルスケア事業を収益の中核としつつ、バイオ燃料事業やアグリ事業等を次世代の成長ドライバーとして育成する事業ポートフォリオを構築しております。

当社グループは、当社(株式会社ユーグレナ)、子会社15社及び関連会社2社により構成されており、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食品用途屋外大量培養技術をコア技術とし、ユーグレナをはじめとする微細藻類に関する多様な研究開発活動を行うとともに、その研究開発成果を起点としてヘルスケア事業(ユーグレナ、クロレラ等を活用した健康食品及び化粧品の開発、製造、販売等)、バイオ燃料事業(ユーグレナを中心とした微細藻類等や産業廃棄油等のバイオマス資源を活用したバイオ燃料の開発、製造、販売等)、その他事業(アグリ(飼料・肥料)バイオインフォマティクス、ソーシャルビジネス等の新規領域における事業開発や研究開発)といった事業を展開しております。

 子会社である八重山殖産株式会社は微細藻類の大量培養設備を有し、ユーグレナ、クロレラ等の微細藻類の大量培養、乾燥粉末の製造等を行っております。

 

(1) 微細藻類ユーグレナをはじめとする当社独自素材の概要及び当社の技術

①ユーグレナという生物

 ユーグレナは、約5億年前に原始の地球で誕生した、体長約50μm~100μm、幅約10μm程度の微細藻類であり、世界中の様々な環境で生息しております。また、植物と動物の形質を兼ね備えている生物で、植物のように種々のビタミンを産生するとともに、動物のように自ら動き回ることができ、栄養学的に植物と動物の両方の栄養素を併せ持っております。

 

②ユーグレナの培養方法

 ユーグレナは、植物のようにエネルギーを光から得て、炭素源としてCO2を用いる「独立栄養培養」(いわゆる光合成)、及び動物のように有機物を炭素源として利用する「従属栄養培養」、そして両培養方法の特徴を組み合わせた「光従属栄養培養」による培養が可能です。

 「独立栄養培養」は、光合成によりCO2を吸収し、クロロフィル、ビタミン、フィトケミカル等、野菜寄りの栄養素が豊富に生成される特徴を有する一方、採光効率等の点から高密度化による生産性向上には限界があり、また、他の生物の混入もしやすいため、特に食品用途で求められる品質の安全性を確保しながら培養の安定化・大規模化・低コスト化を実現する難易度が高いという側面があります。「従属栄養培養」は、高密度培養や希少成分パラミロンの高含有化が可能であり、他の生物の混入も抑えやすく、新品種などの環境への拡散リスクを低減した培養も可能である一方、栄養素の多様性が低下する側面があります。「光従属栄養培養」は、食品用途の観点から重視される豊富な栄養素と高密度培養を両立させた培養方法となります。各培養方法それぞれに異なる特徴があり、全ての培養技術を有する当社は、事業目的に応じて各培養方法を使い分けております。

 

③ユーグレナの培養等に関する当社技術

 ユーグレナは研究対象生物として50年以上の歴史があり、その独自性や産業化への可能性は多くの論文などにより記述されておりましたが、長年、食品として流通させることが可能なレベルでの大量培養は実現されておりませんでした。その最大の理由は、ユーグレナが食物連鎖における最下層に位置しており、動物プランクトンに捕食される対象となっていること、またユーグレナを培養する培養液に細菌類などが繁殖しやすく、商業的にユーグレナのみを大量に培養することが困難であったことがあげられます。

 当社は創業メンバーによる東京大学農学部における研究成果を中心に、他の藻類研究を実施する様々な大学の研究成果を活用し、2005年12月に世界で初めて、屋外培養プールを用いてユーグレナの食品用途大量培養に成功しました。その後、培養の安定化、大規模化、低コスト化に向けた技術改良を進め、現在は上部から採光可能な屋外培養タンクを用いた光従属栄養培養により食品用途ユーグレナの大量培養を行っております。

 また当社は、バイオ燃料の原料用途でのユーグレナの大量培養に向けて、独立栄養培養に関する技術開発の知見を活かし、近年は従属栄養培養に関する技術開発に注力しております。

 以下が当社グループの主たる技術です。

A.ユーグレナの大量培養技術

B.ユーグレナの食品加工、化粧品加工及び用途開発の技術

C.培養方法のコントロールによるユーグレナの組成を調整する技術

D.ユーグレナのゲノム編集技術

 

④ユーグレナのヘルスケア素材としてのポテンシャル

当社が生産する食品用途ユーグレナには、以下の特徴があります。

A.植物性栄養素と動物性栄養素の両方を含む59種類の栄養素を持つ

植物と動物の両方の形質を兼ね備えているユーグレナは、植物のように種々のビタミンやクロロフィルを産生するとともに、動物のようにバランスの良いアミノ酸組成を持ち、植物と動物の両方の栄養素を併せ持っております。

当社は、毎年、第三者分析機関である一般財団法人日本食品分析センターに当社ユーグレナ粉末の栄養素分析を委託しております。その結果、ユーグレナには成人の必須アミノ酸(※1)9種類、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸などを含む59種類の栄養素が含有されていることを確認しております。

 

図 当社ユーグレナ粉末の59種類の栄養素

 

B.細胞壁がない

野菜等の植物は細胞壁があり細胞内の栄養素を人間が消化することを妨げますが、ユーグレナは動物細胞と同様に細胞壁を持たないため、栄養成分の消化率が植物細胞に比べ高いという特徴を持っております。

 

図 ユーグレナ、植物細胞のイメージ図

C.希少成分パラミロンを持つ

 植物がデンプンに代表されるエネルギー貯蔵物質を産生するのと同様に、ユーグレナもパラミロンという独自の貯蔵物質を作ります。ユーグレナが産生するパラミロンは、食物繊維に分類される生物由来の希少成分で、酵母やキノコ等が産生するβ-1,3-(※2)グルカンの一種ですが、β-1,3-結合のみで直鎖状(※3)に結合されたグルコースから構成される高分子多糖(※4)の粒子という特異性を有しています。パラミロンは、ユーグレナがエネルギーを効率よく貯蔵するために役立っていると考えられるとともに、その特異な分子構造により不溶性・難消化性であり、機能性に関して様々な研究成果が報告されています。当社も様々な機能性に関する自社及び共同での研究開発を進めてきており、ユーグレナグラシリス由来パラミロンを関与成分として、「睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を改善する機能」「作業時の一時的なストレス(イライラ感、緊張感)を緩和する機能」「起床時の疲労感を軽減する機能」に関する機能性表示食品を開発しております。

当社は、希少成分パラミロンを55%以上含有するユーグレナである「ユーグレナグラシリスEX55」や、パラミロンを80%以上の高濃度で抽出・精製した食品用原料である「精製パラミロン」の製造方法を確立、規格化し、当社商品やOEM・原料供給等を通じて活用しております。また、医薬部外品・化粧品原料として「パラミロン原末(ユーグレナ多糖体)」を独自に開発、規格化しております。

 

 

 図 パラミロンの粒子構造と構造

 

 ▲パラミロンの粒子構造

 ▲パラミロンの構造

 

 

 

 

 撮影:青山学院大学 福岡伸一教授

 

 

⑤ユーグレナのバイオ燃料原料としてのポテンシャル

 ユーグレナにはバイオ燃料原料として、以下の特徴があります。

A.食糧生産との競合を回避

独立栄養培養の場合は耕作不適地を活用することで、また、従属栄養培養の場合は食糧生産に伴う残渣・廃棄物を原料として活用することで、バイオ燃料の生産量拡大に際して懸念されている食糧生産との競合を回避することが可能です。

 

B.複数の培養方法にチャレンジ可能

ユーグレナは、異なる特徴を持つ独立栄養培養と従属栄養培養の両方法により培養することが出来るため、大規模化と低コスト化の両立という難易度が高いバイオ燃料原料用途での商業生産に向けて、技術開発の成功確率を高めることが可能です。

 

C.細胞壁がない

他の微細藻類は通常の植物と同じように細胞壁があり細胞内の脂質を抽出するためには細胞壁の破砕、溶解等の処理が必要となりますが、ユーグレナは動物細胞と同様に細胞壁を持たないため、他の微細藻類と比べて低コスト、低エネルギーで脂質抽出が可能です。

 

D.バイオジェット燃料(SAF)製造に適した脂質の生成

ユーグレナが生成する脂質(ワックスエステル)は、一般的な植物油脂(トリグリセリド)と比べて、分子構造上の酸素原子や二重結合が少なく、炭素鎖の長さもジェット燃料と同程度の12-16個のため、低エネルギー、低水素使用量でSAF製造が可能です。

 

E.脱脂藻体の多様な用途

ユーグレナは豊富な栄養素を含有するため、脂質抽出後の脱脂藻体を、飼料や肥料等の有価物として販売することで、バイオ燃料原料に配賦される製造コストの低減が可能です。

 

⑥ユーグレナの多様な産業素材としてのポテンシャル

ユーグレナには、食品やバイオ燃料原料としての用途に加えて、機能性素材や化成品代替の原料として活用可能な特性があり、以下のような分野での展開が期待されます。

A.化粧品原料としての可能性

 ユーグレナは化粧品原料として活用することが可能であり、既にユーグレナエキス、ユーグレナエキスEX、ユーグレナ発酵オイル、ミドリ麹エキス、パラミロン原末(ユーグレナ多糖体)を化粧品原料として規格化し、当社の化粧品に活用しています。

 

B.希少成分パラミロンの素材としての可能性

 ユーグレナに含有される希少成分パラミロンは、特異な分子構造を有していることから、食品・化粧品用途に加えて、化成品分野における機能性素材としての応用が期待されます。具体的には、パラミロンを用いたバイオマスプラスチック「パラレジン」、創傷治癒促進効果が期待される「パラミロンフィルム」、レーヨンにパラミロンを練り込んだ「パラミロンレーヨン」等が挙げられます。これらの開発を通じ、既存の化成品原料の代替や新たな付加価値の創出を目指しております。

 

C.他素材との組み合わせの可能性

 ユーグレナは、様々な微生物や発酵プロセスを活性化し、付加価値を高める可能性を有しております。当社は、麹の製造工程にユーグレナを加えることで、酵素力価や抗酸化成分であるエルゴチオネイン含有率が高まった「ミドリ麹」を開発しました。また、ユーグレナエキスが乳酸菌の動きを活性化すること、ユーグレナの摂取が腸内で酪酸産生菌の割合を増やすことを確認しており、プレバイオティクスとしてのポテンシャルも期待されます。

 

D.飼料・肥料他素材としての可能性

 ユーグレナやパラミロンを配合した飼料の給与により、カンパチ稚魚やニワトリの免疫能が向上する可能性を確認したほか、ユーグレナと海藻カギケノリの混合飼料の給餌により、牛等の反芻動物からのメタン排出量軽減に寄与する成果を確認しており、機能性飼料としてのポテンシャルが期待されます。

 また、ユーグレナを堆肥や培養土に加えることで微生物が活性化するなど、植物の生育に有用な成果を確認しており、機能性肥料としてのポテンシャルも期待されます。

 さらに、ユーグレナは豊富な栄養素を含有するため、バイオ燃料原料用に脂質を抽出した後の脱脂藻体を、代替飼料や代替肥料として活用することも期待されます。

 

⑦その他の当社独自素材のポテンシャル

当社は、ユーグレナを中核素材としつつ、その機能や用途を補完・拡張する観点から、以下のような独自素材の研究開発および展開を行っております。

A.ヤエヤマクロレラ

 クロレラは世界中で食品素材や着色料として流通している微細藻類であり、当社の子会社である八重山殖産株式会社は、石垣島で約50年にわたるクロレラの培養実績を誇り、国産素材ヤエヤマクロレラとして国内外に展開しています。ヤエヤマクロレラは植物性プロテインを中心とする豊富な栄養素に加え、高含有のクロロフィルによる鮮やかな緑色を特徴としております。また、CGF(クロレラ・グロース・ファクター)やオートファジー活性因子であるスペルミジン等の特徴的な成分を含有している他、毒素を吸着して排出するデトックス効果等、様々な可能性を秘めております。さらに、ヤエヤマクロレラの熱水抽出液(クロレラエキス)を活用した「ジェファー液」は、麺の味やコシの向上、魚や肉の臭み低減といった観点で、製麺企業や冷凍食品メーカーで活用されております。

 

B.オーランチオキトリウム

 オーランチオキトリウムは、ラビリンチュラ類に属し、葉緑体を持たないながらも微細藻類と呼ばれる生物です。不飽和脂肪酸の一種であるDHAを豊富に含有しており、環境保全の観点からプラントベースのシーフード代替素材や養殖用飼料としての活用が期待されております。また、発毛・育毛、血中脂質の低下、肥満予防等の機能性が報告されている希少成分「アシルステリルグルコシド」も含有しており、当社で物質特許を保有しております。

 

C.カラハリスイカ

 アフリカのカラハリ砂漠に自生する野生種スイカの一種で、過酷な環境下で生育するために、保水性に優れており、活性酸素の消去能力に優れた抗ストレス因子を蓄積するといった特徴から、当社のヘルスケア商品素材として活用しております。

 

D.ミドリ麹

 当社は、麹の製造工程にユーグレナを加えることで、酵素力価や抗酸化成分であるエルゴチオネイン含有率が高まった「ミドリ麹」を開発し、当社の健康食品に活用しております。

 

E.微細藻類由来の超長鎖セラミド

 当社は、グループ会社の株式会社サティス製薬と共同で、ユーグレナ、オーランチオキトリウム、クロレラの3種の微細藻類から、ヒト型を含む3種の超長鎖セラミドを世界で初めて発見し、特許を出願しております。これまで化粧品分野では、比較的短鎖な合成セラミド(C36)が主流でしたが、今回発見された微細藻類由来セラミドは、C44を主体とする超長鎖構造を有しており、ヒト皮膚セラミドと高い構造的親和性を示します。これにより、角層ラメラ構造(※5)の再構築、脂質秩序性向上、水分蒸散量低下、表皮細胞の分化促進、炎症抑制など、多層的な皮膚バリア改善効果が期待されます。

[用語解説]

※1.必須アミノ酸

必須アミノ酸とは、タンパク質を形成している20種類のアミノ酸のうち、体内で合成することができない9種類のアミノ酸のことをいいます。ヒトにおいて、具体的には、トリプトファン、スレオニン、リジン、バリン、メチオニン、ロイシン、フェニルアラニン、イソロイシン、ヒスチジンを指し、ユーグレナには全種類の必須アミノ酸が含まれております。

※2.β-1,3-グルカン

β-1,3- グルコシド結合にて連なったグルコースを構成糖とする多糖のことです。

※3.直鎖

炭化水素やその誘導体を作っている炭素原子が、環状構造や枝分かれ構造をなさずに、一本の鎖状に結合していることをいいます。

※4.多糖

単糖分子がグリコシド結合により多数重合し、単糖が二桁以上結合したものを多糖といいます。

※5.角層ラメラ構造

セラミドを主成分とし、コレステロールおよび遊離脂肪酸が規則的に配列した多層脂質構造で、角層細胞間隙を埋めることで形成され、水分保持能と外来刺激に対する皮膚バリア機能の中核を担っています。

 

(2) ヘルスケア事業

当社グループのヘルスケア事業は、微細藻類ユーグレナをはじめとする独自素材に関する研究開発力と、健康食品・化粧品分野における商品企画力を基盤として展開しております。主として、ユーグレナ、クロレラ等の微細藻類やその他の機能性素材を活用した健康食品および化粧品の開発、製造、販売を行っております。

当社グループは、素材研究から商品企画、製造、販売に至るまでのバリューチェーンを、グループ内外の機能を組み合わせることで構築しており、複数の販売チャネルを組み合わせた事業展開を行っています。研究開発においては、ユーグレナ培養に係る継続的な技術開発を行うとともに、βグルカンの一種であるユーグレナの希少成分パラミロンの活用可能性やその他の様々な微細藻類含有成分に関する研究を行っております。また、ユーグレナやクロレラ以外にも、食品素材(カラハリスイカ、オーランチオキトリウム、エルゴチオネイン等)や化粧品素材(ユーグレナエキスEX、ユーグレナ発酵オイル、パラミロン原末(ユーグレナ多糖体)、微細藻類由来の超長鎖セラミド等)の開発、探索、規格化も推進しております。

製造面においては、健康食品および化粧品に使用されるユーグレナ粉末やクロレラ粉末を、石垣島に所在する自社グループ拠点にて製造しております。最終製品の製造については、主に外部の製造委託先に委託しているほか、自社グループ会社の工場において一部製品の製造を行っております。

ブランド展開としては、当社において健康食品ブランド「からだにユーグレナ」等、化粧品ブランド「one」「CONC」「akyrise」等を展開しております。また、連結子会社である株式会社エポラ、株式会社MEJ、キューサイ株式会社等においても、それぞれ健康食品および化粧品の開発・販売を行っており、当社グループ全体として多様なブランド群を展開しております。

ヘルスケア事業における主な販売形態および事業内容は、以下のとおりであります。

 

A.直販

 自社グループの健康食品や化粧品等を、自社ECサイトや電話等を通じて一般消費者に直接販売しております。主な取扱商品は、ユーグレナ、クロレラ、精製パラミロン等の独自素材やその他の機能性素材を配合した健康食品や、ユーグレナ由来成分等を活用したスキンケア化粧品等であります。

 

B.流通チャネルでの卸売

 自社グループの健康食品や化粧品等を、ドラッグストア等の小売店舗、美容院や接骨院等の専門店舗、ならびに食品商社や美容商社等を通じて卸売しております。商品特性や販売先の特性に応じて、最適な販売形態を選択しております。

 

C.OEM供給

 取引先と共同で製品仕様を決定し、当社グループにて製品を製造したうえで、取引先ブランドとして販売されるOEM製品の供給を行っております。健康食品および化粧品の両分野においてOEM供給を行っております。

 

D.原料販売

 製薬会社、食品メーカー等に対して、ユーグレナ粉末、精製パラミロン、クロレラ粉末等の原料を販売しております。

 

E.海外展開

 日本国外においても、アジアを中心に当社グループの健康食品・化粧品の販売を行っております。ユーグレナやクロレラについては、OEM供給や原料供給を通じて、グローバル市場での展開を進めております。

 

(3) バイオ燃料事業

 当社グループのバイオ燃料は、実証プラントでの技術検証やバイオ燃料製造・供給実績の蓄積を経て、国内パートナー企業と連携しながら商業規模プラントの建設・稼働やサプライチェーンの確立を進める商業化フェーズへの移行段階にあります。また、将来的に枯渇することが懸念されるバイオ燃料原料領域におけるサプライヤーとしての独自のポジショニングの確立を目指して、ユーグレナ由来藻油の大規模・低コスト生産実現に向けた技術開発を推進しております。

 

A.バイオ燃料の実証製造・供給体制の構築

当社は、2015年12月に、横浜市、千代田化工建設株式会社、伊藤忠エネクス株式会社、いすゞ自動車株式会社、全日本空輸株式会社の協力のもと、2020年までに国産バイオジェット・ディーゼル燃料の実用化を目指す「国産バイオ燃料計画」を発表し、その実現に向けた取り組みを進めてきました。具体的には、2017年6月に神奈川県横浜市鶴見区においてバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント(以下「実証プラント」)の建設を着工し、運転開始に向けた体制の整備を進め、2018年10月31日に実証プラントは竣工に至りました。実証プラントは2020年3月に本格稼働を迎え、次世代バイオディーゼル燃料(HVO)の供給先をバス・トラック・鉄道・船舶など様々な移動体を対象として拡大するとともに、バイオジェット燃料(SAF)も2021年6月に初フライトを実現し、2022年9月には国内空港のハイドラントシステムへの導入を実現するなど、当社のバイオ燃料の導入実績は「陸・海・空」の全ての領域をカバーしながら2023年末で累計93件に達しました。

これらの成果により建設時点の目的を全て成功裏に達成できたことを踏まえ、実証プラントは2024年1月末をもって稼働を終了しました。

 

B.バイオ燃料製造・供給の商業化

当社グループは、これまで実証プラントでの運転を通じてバイオ燃料の製造・供給に関する知見を蓄積してきました。2018年10月に竣工した神奈川県横浜市鶴見区の実証プラントは、2024年1月末をもって稼働を終了しており、現在は商業化フェーズへの移行段階にあります。

商業化に向けては、グローバル大手統合エネルギー企業であるPetroliam Nasional Berhad(PETRONAS)及びEnilive S.p.A.とともに、マレーシアにおいて商業規模のバイオ燃料製造プラントを建設・運営するプロジェクトを進めております。本プロジェクトでは、2024年12月に合弁会社Pengerang Biorefinery Sdn. Bhd.(以下「本合弁会社」)を設立し、当社は連結子会社であるEuglena Sustainable Investment Limitedを通じて、本合弁会社に出資しております。

当該商業プラントは、原料処理能力年間約65万トン、バイオ燃料製造能力最大日産12,500バレル(年産約72.5万KL相当)を見込んでおり、2028年下期の稼働開始を予定しております。

また、商業生産開始後を見据え、当社グループは国内外のパートナーと連携し、バイオ燃料のトレーディング、物流、販売に関する体制構築を進めております。実証プラントの稼働終了後も、SAFおよびHVOを中心としたバイオ燃料の供給実績は継続しており、既存の知見やネットワークを活用した事業基盤の整備を行っております。

 

C.バイオ燃料原料用のユーグレナ由来藻油の大規模・低コスト生産に向けた研究開発

前述の通り、ユーグレナは、バイオ燃料原料生産で求められる大規模化、低コスト化の観点から様々な優位性を有しております。また、ユーグレナは、独立栄養培養であれば大気中のCO2を直接固定することで、従属栄養培養であれば植物が固定したCO2を間接的に用いることで、カーボンニュートラルに貢献する可能性があります。当社グループは、これらのユーグレナのポテンシャルに着目し、高密度培養と工業的設備で高い生産効率を実現できる従属栄養培養を有力なアプローチと位置づけた上で、バイオ燃料原料用のユーグレナ由来藻油の商業生産に向けた研究開発を進めております。また、従属栄養培養の場合も脱炭素化への貢献がバイオ燃料原料としての必須要件であることから、低GHGの炭素源の開拓にも取り組んでおります。

 

(4)その他事業

A.アグリ領域

 当社グループは、肥料・飼料分野において、微細藻類ユーグレナを活用した研究開発および事業展開を行っております。アグリ領域は、「バイオマスの5F」を支える重要な用途分野の一つであり、環境負荷低減や生産効率向上に対する需要の高まりを背景に、中長期的な成長が見込まれる分野と位置づけております。

 肥料分野では、有機肥料メーカーである大協肥糧株式会社を2021年に完全子会社化し、同社が有する製造ノウハウや現場対応力と、当社グループの研究開発機能を組み合わせることで、有機肥料の製造・販売を行っております。飼料分野では、既存代替飼料、環境負担低減飼料、機能性飼料の三つのテーマを中心に、微細藻類を活用した水産・畜産向け商品の研究開発および展開を進めております。

 また、2025年には、アグリ領域における自社ブランドとして「いきものたちにユーグレナ」を立ち上げ、ユーグレナを活用した肥料・飼料商品の提供を開始しております。

B.バイオインフォマティクス領域

 2017年にゲノム関連の研究や一般消費者向けの遺伝子解析サービスを手掛ける株式会社ジーンクエストを完全子会社化し、バイオインフォマティクス領域における事業展開を開始しました。当社で遺伝子解析サービス「ユーグレナ・マイヘルス」を展開するとともに、同社は遺伝子解析サービス「Genequest」や研究開発を主軸に事業を展開しつつ、2022年には遺伝子解析結果を医療機関、フィットネス等に連携できるサービス「GeneLink」の提供を開始しました。

 

C.ソーシャルビジネス領域

 バングラデシュにおいて、2015年に子会社化したGrameen euglenaを中心に、子どもたちへユーグレナ入りクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」や、現地農家との連携による農業事業等を推進し、現地政府関連機関や国際機関とも連携しながら、事業成長が社会課題解決に直結するビジネスモデルの構築に取り組んでおります。今後、2024年に終了した緑豆栽培に代わる新たなソーシャルビジネスとして、これまでに培ってきた現地ネットワークを活用しながら、現地の富裕層・中間層向けヘルスケア商品の販売、日本向け輸出を企図したゴマ栽培の事業化や、日本で需要のある現地農作物のソーシャル調達等に取り組んでまいります。

 

[事業系統図]

主な事業の状況の概要図及び主要な会社名は次のとおりです。

 

① ヘルスケア事業

 

 

② バイオ燃料事業

 

 

③その他事業

 その他事業の主要な会社としては、肥料の製造卸売販売を行う大協肥糧株式会社、遺伝子解析サービスを行う株式会社ジーンクエスト、バングラデシュ人民共和国でソーシャルビジネスを行うGrameen euglenaがあります。

業績状況

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
 

(1) 経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 当連結会計年度は、ヘルスケア事業においては、2024年3月31日をみなし取得日として連結子会社化した株式会社サティス製薬及び日本ビューテック株式会社(以下、両社合わせて「サティス製薬グループ」)の業績通期寄与及び受注拡大、キューサイ株式会社(以下、同社の子会社並びに同社の運営や同社株式の管理を担う株式会社Q-Partnersと合わせて「キューサイグループ」)並びに当社のヘルスケア事業における直販事業の好調等により、前期比で売上高が伸長し、連結売上高は過去最高となる50,370百万円(前連結会計年度比5.8%増)となりました。

 また、当社は、キャッシュ・フロー重視の経営の観点から、当社のキャッシュ・フロー創出力を示す指標として調整後EBITDAを開示しております。調整後EBITDAは、EBITDA(営業利益+のれん償却費及び減価償却費)+助成金収入+株式関連報酬として算出しております。ヘルスケア事業における売上高の伸長に加えて、主力製品の価格改定や工場における生産性改善施策に伴う売上総利益率の改善、広告宣伝投資効率の向上、グループ横断での費用構造の徹底的な見直しに伴う物流費・販売促進費・販売手数料比率の低減、当社において実施した希望退職者募集に伴う人件費の減少、バイオジェット・ディーゼル燃料実証プラント(以下、「実証プラント」)の稼働を2024年1月末に終了したことに伴う研究開発費の縮小等により、当連結会計年度の調整後EBITDAは6,938百万円(前連結会計年度比60.3%増)となりました。

 以上の結果、キューサイグループやサティス製薬グループの連結子会社化等の過去のM&A案件に伴う無形固定資産及びのれん等の償却費を計上したものの、営業利益は前期比10倍超となる3,123百万円(前連結会計年度比938.1%増)と飛躍的な黒字拡大を達成し、2024年12月期より注力してきた中期経営方針「黒字体質への転換」が結実する結果となりました。また、資金調達に伴う支払利息や支払手数料を計上したものの、経常利益も前期比5倍超となる2,365百万円(前連結会計年度比448.0%増)へ大幅に拡大しました。一方、当社における希望退職者募集に伴う特別損失や減損損失を計上するとともに、キューサイグループに係る法人税及び非支配株主損益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は805百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失650百万円)となりました。

 

 なお、当連結会計年度の各四半期の業績推移は以下のとおりです。

 

当第1四半期

連結会計期間

当第2四半期

連結会計期間

当第3四半期

連結会計期間

当第4四半期

連結会計期間

売上高   (百万円)

11,935

12,618

12,532

13,283

調整後EBITDA(百万円)

1,545

1,961

1,950

1,480

営業損益 (百万円)

618

1,018

982

504

経常損益 (百万円)

436

736

971

221

 

 セグメント別の状況については、以下のとおりです。

(ヘルスケア事業)

 ヘルスケア事業においては、「収益構造の筋肉質化」「成長ブランドとファン顧客の育成」「メーカー機能の強化」の3つの方針を軸に、サステナブルな収益成長基盤の構築に取り組んでまいりました。当連結会計年度は、クリエイティブ改善による広告宣伝投資効率の最適化、ECモール販路の強化、主力製品のリニューアルや価格改定、継続率改善に向けた施策によるLTV向上、等の効果が顕在化した結果、当社の主力ブランドである「からだにユーグレナ」及び「CONC」が大きく伸長するとともに、キューサイグループの「コラリッチ」等も堅調に推移し、直販売上高が順調に拡大しました。また、健康食品素材としての微細藻類の認知を強化すべくOEM・原料取引の拡大に注力した他、キューサイグループにおける流通展開が伸長し、前期に連結子会社化したサティス製薬グループの受注も増加した結果、流通売上高及びOEM・原料・海外売上高も大幅に伸長しました。この結果、前期に実施した連結子会社株式の売却の影響でその他売上高は前期比で減少したものの、セグメント売上高は47,020百万円(前連結会計年度比6.0%増)となりました。

 セグメント損益においては、売上高の伸長に加えて、広告宣伝投資の機動的コントロールや最適化、売上総利益率の改善、物流費・販売促進費・販売手数料比率の低減や固定費の削減等の収益構造の筋肉質化に向けた施策をグループ横断で推進した結果、キューサイグループやサティス製薬グループの連結子会社化等の過去のM&A案件に伴う無形固定資産及びのれん等の償却費2,633百万円を計上したものの、セグメント利益は5,487百万円(前連結会計年度比85.8%増)となりました。

 

(バイオ燃料事業)

 バイオ燃料事業においては、グローバル大手統合エネルギー企業であるPetroliam Nasional Berhad及びEnilive S.p.A.(以下、当社を含め「本合弁パートナー」)と共同で、原料処理能力が年間約65万トン、バイオ燃料の製造能力が最大で日産1万2,500バレル(年産約72.5万KL相当)となる商業規模のバイオ燃料製造プラント(以下「商業プラント」)を、マレーシアで建設・運営するプロジェクトを推進しております。商業プラントの稼働開始は2028年下期迄を予定しており、2024年9月に、本合弁パートナー間で合弁会社(以下「マレーシアJV」)の設立・運営等に関する株主間契約(以下「本株主間契約」)を締結しました。当社は、2024年12月に、当社の海外特別目的会社であるEuglena Sustainable Investment Limited(以下「ESIL」)を通じて、マレーシアJVに対する5%の出資比率(ESILを通じた間接的な出資比率、以下同じ。)の獲得を完了し、2025年5月に、三菱UFJ信託銀行株式会社との間で、ESILが発行する優先株式を対象として、三菱UFJ信託銀行が最大30百万米ドルを出資する優先株出資契約を締結しました。そして、本株主間契約に基づくコール・オプションを行使し、マレーシアJVに対して総額約67.5百万ドルの資金コミットメント(出資及びローンの提供、並びに今後の段階的な出資等の履行を担保するための銀行保証の提供)を拠出することで、2025年7月にマレーシアJVに対する出資比率を15%に引き上げました。

 また、2024年1月末に実証プラントの稼働を終了する一方で、商業化後に必要となる製品の大規模・継続販売や原料調達網の構築に向けて、国内外パートナーと連携しながらバイオ燃料製品・原料の取引先開拓やトレーディングを推進しております。製品販売については、国内におけるHVOの需要創出に向けて、2025年3月に、東京都の「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に代表企業として採択され、他のパートナー8社とともにサプライチェーンの増強及びその実証を進めています。原料調達については、2025年2月及び4月に、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択され、バングラデシュにおけるSAF向け原料サプライチェーン構築に向けた調査事業と、マレーシアにおける微細藻類培養の糖源としてのパーム農業残渣バイオマスの活用可能性調査事業を実施しました。加えて、微細藻類を中心とするバイオ燃料原料用途のバイオマス生産・利用の最大化・最適化に向けた研究開発を国内及びマレーシアにおいて推進しております。

 以上の結果、当連結会計年度は、セグメント売上高1,092百万円(前連結会計年度比16.9%増)、セグメント損失は325百万円(前連結会計年度はセグメント損失410百万円)となりました。

 

(その他事業)

 アグリ領域においては、市況の好転により大協肥糧株式会社やユーグレナ竹富エビ養殖株式会社の収益が拡大するとともに、新ブランド「いきものたちにユーグレナ」を立ち上げて微細藻類を活用した肥料・飼料の本格展開に着手しました。バイオインフォマティクス領域、ソーシャルビジネス領域、先端研究領域においても、事業成長や事業開発に向けた投資を継続しております。以上の結果、当連結会計年度は、セグメント売上高2,298百万円(前連結会計年度比2.1%減)、セグメント損失は533百万円(前連結会計年度はセグメント損失586百万円)となりました。

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度末の総資産は72,332百万円となり、前連結会計年度末と比較して923百万円の減少となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が780百万円、その他流動資産が827百万円、投資有価証券が775百万円それぞれ増加する一方で、のれんが1,124百万円、顧客関連資産が1,665百万円、長期貸付金が1,054百万円それぞれ減少したこと等によるものです。

 負債は43,805百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,662百万円増加となりました。これは主に、長期借入金が1,952百万円、未払法人税等が788百万円、支払手形及び買掛金が414百万円それぞれ増加する一方で、繰延税金負債が463百万円減少したこと等によるものです。

 純資産は、非支配株主持分が2,841百万円減少したこと等により、前連結会計年度末から3,586百万円減少し、28,526百万円となりました。この結果、自己資本比率は42.7%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から2,172百万円増加し、15,903百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,889百万円の計上に加え、減価償却費2,421百万円及びのれん償却額926百万円、減損損失215百万円を計上したこと等により、5,188百万円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の増加額1,503百万円、短期貸付金の純減額1,748百万円等により585百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入17,560百万円があった一方で、長期借入金の返済による支出15,959百万円、非支配株主への配当金の支払額4,171百万円等により2,428百万円の支出となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

ヘルスケア事業    (百万円)

10,857

126.8

バイオ燃料事業    (百万円)

その他事業      (百万円)

206

111.2

合計(百万円)

11,063

126.4

 

b. 受注実績

 当社グループは、健康食品、化粧品のOEM製品及びユーグレナ粉末等の原料粉末について受注生産を行っておりますが、原料粉末については需給動向を勘案し一部見込生産を行っており、受注生産と見込生産を明確に区別することが困難であることから、記載を省略しております。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年1月1日

至 2025年12月31日)

前年同期比(%)

ヘルスケア事業    (百万円)

47,018

106.0

バイオ燃料事業    (百万円)

1,092

116.9

その他事業      (百万円)

2,259

96.6

合計(百万円)

50,370

105.8

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。

その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

経営成績の分析について、各事業の売上高及び調整後EBITDAの推移は以下のとおりです。

 

 前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期合計

売上高 (百万円)

11,154

12,494

11,624

12,345

47,618

  ヘルスケア事業

10,303

11,726

10,894

11,421

44,345

    直販

8,286

8,208

8,131

8,449

33,076

    流通

853

914

949

1,149

3,868

    OEM・原料・海外

326

1,929

1,793

1,802

5,852

    その他

836

672

19

20

1,549

  バイオ燃料事業(注1)

118

188

305

321

934

  その他事業(注1)

732

580

424

601

2,338

調整後EBITDA (百万円)

1,071

1,050

1,124

1,082

4,329

  ヘルスケア事業

1,642

1,609

1,732

1,584

6,568

  バイオ燃料事業

△124

△121

△89

△89

△424

  その他事業

△64

△99

△166

△84

△415

  調整額(注2)

△381

△337

△352

△327

△1,398

 

 当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期合計

売上高 (百万円)

11,935

12,618

12,532

13,283

50,370

  ヘルスケア事業

10,924

11,746

11,888

12,459

47,018

    直販

8,277

8,426

8,458

8,887

34,049

    流通

976

963

1,077

1,161

4,177

    OEM・原料・海外

1,646

2,347

2,270

2,367

8,631

    その他

24

9

81

43

159

  バイオ燃料事業(注1)

252

204

258

375

1,092

  その他事業(注1)

758

666

384

449

2,259

調整後EBITDA (百万円)

1,545

1,961

1,950

1,480

6,938

  ヘルスケア事業

2,033

2,379

2,404

2,047

8,864

  バイオ燃料事業

△51

△59

△56

△149

△317

  その他事業

△79

△85

△98

△138

△402

  調整額(注2)

△355

△272

△299

△279

△1,207

(注)1. 販売チャネルは「その他」となります。

   2.主に各報告セグメントに配分していない一般管理費等の全社費用であります。

(注)調整額は、主に各報告セグメントに配分していない一般管理費等の全社費用であります。

 

また当社グループの売上原価並びに販売費及び一般管理費に関する分析は次のとおりです。

売上原価については、2024年12月期は14,350百万円(売上原価率30.1%)のところ、2025年12月期は15,336百万円(売上原価率30.4%)となりました。

販売費については、2024年12月期は20,266百万円(対売上高比率42.5%)のところ、2025年12月期は19,911百万円(対売上高比率39.5%)となりました。グループ横断での費用構造の徹底的な見直しを行った結果、広告宣伝費は増加したものの荷造運賃、販売促進費及び販売手数料が減少しました。

人件費については、2024年12月期は5,645百万円のところ、2025年12月期は5,563百万円となりました。当社における希望退職者募集に伴い減少となりました。

管理費については、2024年12月期は6,211百万円のところ、2025年12月期は5,759百万円となりました。減価償却費の減少や費用構造の見直しによる効率化が進み減少トレンドとなりました。

研究開発費については、2024年12月期は843百万円のところ、2025年12月期は675百万円となりました。実証プラント稼働終了に伴い減少となりました。

 

営業損益、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損失に関する状況の分析については「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

b. キャッシュ・フローの分析

 当社グループでは、ヘルスケア事業からの営業キャッシュ・フローによる収入を原資として、中長期的な事業化を目指すバイオ燃料事業や新規事業に対する投資に資金を投下し、必要に応じて追加の資金を財務活動によって調達することをキャッシュ・フローの基本方針としております。

 2025年12月期の詳細なキャッシュ・フローの内訳については「4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しており、企業運営に必要となる十分な水準の資金を確保していると評価しております。

 

c. 資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、設備投資、M&A、バイオ燃料商業プラントの建設関連資金等の長期資金需要と運転資金需要です。

 このうち、設備投資の概要及び重要な設備の新設の計画については「第3 設備の状況」に記載しております。M&Aについては中長期的成長を目的とした、ヘルスケア事業(特に健康食品・化粧品等の直販及び卸売)における事業基盤の拡充やシナジー創出に資する企業、及び事業ポートフォリオの拡大もしくは新規領域進出に向けた事業基盤獲得に資する企業等を対象としたM&Aを円滑に推進するため、手元現預金の確保が必要となります。また、バイオ燃料事業の商業化に向けたプロジェクトの実現には、相応の規模の建設関連資金等が必要となります。

 運転資金需要については、ヘルスケア事業における直販等の事業基盤の拡充に必要となる広告宣伝費や機能性研究・新規素材開発に必要となる研究開発費のための運転資金に加え、バイオ燃料事業における商業化実現後を見据えたサプライチェーン構築やバイオ燃料原料の研究開発に関する運転資金が必要となります。

 

d. 財政政策

 当社グループでは資金需要の見通しや金融市場の動向などを総合的に勘案した上で、最適なタイミング、規模、手段を判断して資金調達を実施し、事業運営上必要な流動性と資金を長期安定的に確保することを基本方針としております。現在、当社グループは事業基盤の拡充や新規領域進出等に向けた将来的なM&A、研究開発投資、バイオ燃料事業の商業化等に必要な資金を内部留保しております。資金需要が発生した場合、自己資金で賄うことを基本としつつ、必要に応じて金融機関からの借入金や資本市場からの調達等を含めた最適な手段を検討した上で資金調達を実施いたします。

 当連結会計年度においては、マレーシアJVに対する資金コミットメントを履行するための資金確保を目的として、2025年5月に、三菱UFJ信託銀行株式会社との間で、ESILからの要請に応じて三菱UFJ信託銀行が最大30百万米ドルまで段階的に出資する資金調達ファシリティ(対象証券は、ESILが発行する議決権のない負債性優先株式)を設定する優先株出資契約を締結しました。

 また、当連結会計年度におけるキューサイグループの業績が好調に推移したことに鑑み、キューサイグループの資本効率の改善並びに当社及び共同投資家による投資資金の一部回収を目的として、2025年12月25日付で、キューサイグループの株式取得時に組成したLBOローンの残高(11,560百万円)全額を期限前弁済し、同一の借入条件で新たに17,560百万円の資金を増額借入するリファイナンスを実施いたしました。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社は、製品・サービス別のセグメントから構成されており、「ヘルスケア事業」「バイオ燃料事業」及び「その他事業」の3つを報告セグメントとしております。

各セグメントの主なサービス及び製品の種類は、以下のとおりであります。

「ヘルスケア事業」… 健康食品や化粧品等の企画・製造・販売・OEM供給、及び健康食品・化粧品原料としての微細藻類の研究開発・生産・販売等

「バイオ燃料事業」… バイオ燃料の研究開発・製造・販売、及びユーグレナを中心とした微細藻類の培養技術開発等

「その他事業」… 有機配合肥料の製造・販売、クルマエビの養殖・販売、飼料・肥料原料としての微細藻類の研究開発・生産・販売、遺伝子解析サービス、ソーシャルビジネス、及び新規領域の研究開発等

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表の作成の基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

 報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 セグメント間の内部収益及び振替高は、市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額に関する情報並びに収益の分解情報

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

連結財務諸表

計上額

(注2)

 

ヘルスケア

事業

バイオ燃料

事業

その他事業

売上高

 

 

 

 

 

 

直販(注3)

33,076

33,076

33,076

流通(注4)

3,868

3,868

3,868

OEM・原料・海外(注5,6,7)

5,852

5,852

5,852

その他(注8)

1,549

934

2,338

4,821

4,821

顧客との契約から生じる収益

44,345

934

2,338

47,618

47,618

外部顧客への売上高

44,345

934

2,338

47,618

47,618

セグメント間の内部売上高又は振替高

1

9

10

△10

44,347

934

2,347

47,629

△10

47,618

セグメント利益又は損失(△)

2,953

△410

△586

1,956

△1,655

300

セグメント資産

56,129

9,385

2,751

68,265

4,990

73,256

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費(注9)

2,626

△31

25

2,620

0

2,621

のれん償却額

945

32

977

977

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

658

50

709

8

717

(注)1.調整額は、以下のとおりであります。

①セグメント利益又は損失(△)の調整額△1,655百万円は、主に各報告セグメントに配分していない一般管理費等の全社費用であります。

②セグメント資産の調整額4,990百万円は各報告セグメントに配分していない現預金4,256百万円等が含まれております。

③減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る減価償却費、増加額であります。

2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と、セグメント資産は連結貸借対照表の資産合計と調整を行っております。

3.直販は、自社グループの健康食品や化粧品等を、インターネットや電話などで直接消費者に販売する形態です。

4.流通は、自社グループの健康食品や化粧品等を、様々な小売店舗に直接又は食品商社や美容商社等を通じて卸売りする形態です。

5.OEMは、取引先と共同で製品仕様を決定し、取引先からの注文に基づき当社グループにて製品製造を行い、取引先へ販売するビジネスモデルです。

6.原料は、食品メーカー等にユーグレナ粉末等を提供するビジネスモデルです。

7.海外は、日本国外でのユーグレナ市場創出に向けて、東アジア中心に事業展開を進めております。

8.その他は、主に既製品、受託分析サービス、マーケティング支援サービス、遺伝解析サービス、バイオ燃料、肥料等の販売及び広告運用受託による収入であります。

9.減価償却費のバイオ燃料事業△31百万円は、資産除去債務(流動)の見積りの変更による減少額が含まれております。

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

調整額

(注1)

連結財務諸表

計上額

(注2)

 

ヘルスケア

事業

バイオ燃料

事業

その他事業

売上高

 

 

 

 

 

 

直販(注3)

34,049

34,049

34,049

流通(注4)

4,177

4,177

4,177

OEM・原料・海外(注5,6,7)

8,631

8,631

8,631

その他(注8)

159

1,092

2,259

3,511

3,511

顧客との契約から生じる収益

47,018

1,092

2,259

50,370

50,370

外部顧客への売上高

47,018

1,092

2,259

50,370

50,370

セグメント間の内部売上高又は振替高

2

39

41

△41

47,020

1,092

2,298

50,411

△41

50,370

セグメント利益又は損失(△)

5,487

△325

△533

4,628

△1,505

3,123

セグメント資産

52,522

8,357

2,756

63,637

8,695

72,332

その他の項目

 

 

 

 

 

 

減価償却費(注9)

2,401

△4

23

2,421

0

2,421

のれん償却額

894

32

926

926

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

607

7

72

687

5

692

(注)1.調整額は、以下のとおりであります。

①セグメント利益又は損失(△)の調整額△1,505百万円は、主に各報告セグメントに配分していない一般管理費等の全社費用であります。

②セグメント資産の調整額8,695百万円は各報告セグメントに配分していない現預金8,490百万円等が含まれております。

③減価償却費、有形固定資産及び無形固定資産の増加額の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社資産に係る減価償却費、増加額であります。

2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業損失と、セグメント資産は連結貸借対照表の資産合計と調整を行っております。

3.直販は、自社グループの健康食品や化粧品等を、インターネットや電話などで直接消費者に販売する形態です。

4.流通は、自社グループの健康食品や化粧品等を、様々な小売店舗に直接又は食品商社や美容商社等を通じて卸売りする形態です。

5.OEMは、取引先と共同で製品仕様を決定し、取引先からの注文に基づき当社グループにて機能性食品や化粧品等の製品製造を行い、取引先へ販売するビジネスモデルです。

6.原料は、食品メーカー等にユーグレナ粉末等を提供するビジネスモデルです。

7.海外は、日本国外にユーグレナやクロレラの粉末、商品等を提供するビジネスモデルです。

8.その他は、ヘルスケア事業における既製品の販売等による収入とバイオ燃料事業及びその他事業における収入であります。

9.減価償却費のバイオ燃料事業△4百万円は、資産除去債務(流動)の見積りの変更による減少額が含まれております。

 

【関連情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

 有形固定資産全体に占める本邦の割合が90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

 セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、記載を省略しております。

(2)有形固定資産

 有形固定資産全体に占める本邦の割合が90%を超えるため、記載を省略しております。

 

3.主要な顧客ごとの情報

 外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

ヘルスケア

事業

バイオ燃料

事業

その他事業

調整額

合計

減損損失

1,095

32

1,127

8

1,135

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

ヘルスケア

事業

バイオ燃料

事業

その他事業

調整額

合計

減損損失

197

13

211

4

215

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

ヘルスケア

事業

バイオ燃料

事業

その他事業

調整額

合計

当期償却額

945

32

977

977

当期末残高

11,844

387

12,231

12,231

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

ヘルスケア

事業

バイオ燃料

事業

その他事業

調整額

合計

当期償却額

894

32

926

926

当期末残高

10,751

355

11,107

11,107

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自 2025年1月1日 至 2025年12月31日)

 該当事項はありません。