リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、当社グループとして、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える定量的な影響については、合理的に予見することが困難であると考えており、記載しておりません。当社グループは、これらのリスクが顕在化する可能性を認識し、発生の抑制及び回避に努めております。また、リスクが顕在化した場合には、経営及び事業リスクの最小化に取り組んでまいります。 |
(1) 原材料の調達及び価格の変動について
当社グループは、主要製品の原材料である白菜、胡瓜等の国産野菜を、主に契約栽培による調達や、産地の分散を図る等、年間を通じた数量及び価格の安定に取り組んでおります。
しかしながら、原材料産地における多雨や日照不足のような異常気象等の影響により、国産野菜の生育不良や生育遅れが発生した場合には、必要な量の確保が困難になることによる販売機会の損失、仕入価格の高騰や歩留まりの悪化による製造コスト増加の可能性があります。当社グループでは、生産性の向上等による製造コストの削減や、国産野菜の調達可能量を考慮して可能な範囲で製品構成の調整を図る等による販売方法の見直し等により対策を行っておりますが、これらの対策で増加した製造コストを吸収できない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
特に近年は地球温暖化等の影響により異常気象の発生頻度が増加し、また発生時の規模も拡大しており、国産野菜の生育状況に長期間かつ広域に渡り影響を及ぼす可能性が高くなりつつあります。国産野菜の仕入価格が高止まりする等、製造コストの増加が長期化した場合には、利益率の低下が長期間に渡ることや、営業損失等に陥る可能性があること等から、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 食品の安全性の問題について
当社グループは、食品安全の規格であるFSSC22000及びJFS-Bの活用やフードディフェンス等の取り組みにより、食品の安全性確保に努めております。
しかしながら、調達した原材料や製造工程において想定外の問題が発生した場合や、当社では対応できないような食の安全を脅かす社会全般にわたる問題が発生し当社グループが直接関係なくとも風評等により企業イメージやブランドイメージ等が低下する事態をもたらした場合には、消費者の購買意欲の低下等から当社グループ製品の売上減少につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法的規制等の影響について
当社グループは、食品衛生法、製造物責任法、廃棄物処理法、水質汚濁防止法、不正競争防止法等の様々な法令の適用を受けており、これらの法令に対する遵守体制の構築に取り組んでおります。
しかしながら、現存する法的規制の強化や新たな規制がなされた場合には事業活動が制限される可能性や新たな設備投資等のコスト負担が必要となる可能性があり、また、法令違反を含むコンプライアンス上の問題が生じた場合にはその対応のための費用がかかることで利益率が低下することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 設備投資について
当社グループは、市場動向や販売先の動向等を十分に検討した上で、全国への製品の供給体制を強化するため、新工場の設立や既存工場の生産設備の更新等を実施しております。
しかしながら、必要な設備投資が計画通りに進まない場合又は想定しているような生産数量の規模拡大を図れない場合には、販売機会の損失や、減価償却費の負担による利益率の低下等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 固定資産の減損について
当社グループは、多くの固定資産を保有しております。固定資産の取得にあたっては、その目的や意義について十分に検討した上で、決定しております。
しかしながら、工場等の収益性や保有資産の市場価格が著しく低下したことにより回収が見込めなくなった場合には、減損損失の計上を余儀なくされることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 新規事業について
当社グループは、成長戦略のひとつとして、既存事業以外の分野における新規事業を検討・実施しており、これにより企業価値の向上と成長の加速を目指しております。
新規事業の実施に当たっては、事前に十分な調査及び検討を行っておりますが、事業環境の変化等、想定外の事態が発生し、計画どおりに業績が推移しない等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 企業買収について
当社グループは、成長戦略のひとつとして、既存事業及び関連事業分野における企業買収を検討・実施しており、これにより企業価値の向上と成長の加速を目指しております。
企業買収の実施に当たっては、事前に十分な調査及び検討を行っておりますが、企業買収後における事業環境の変化等、想定外の事態が発生し、計画どおりに業績が推移しないことなどにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) のれんについて
当社グループは、企業買収に伴い発生したのれんを計上しております。当該のれんにつきましては、それぞれの事業価値及び事業統合によるシナジー効果が発揮された場合に得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えております。
企業買収の実施に当たっては、事前に十分な調査及び検討を行っておりますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られない場合には、減損損失の計上を余儀なくされることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 特定の得意先等への高い依存度について
当社グループの株式会社セブン&アイ・ホールディングスグループ(同社及び同社の関係会社)への売上高の全体に対する割合は次のとおりであります。当社グループは、当該取引先との安定的な取引を確保できるように努めてまいります。
しかしながら、当該取引先の経営施策や取引方針等の変更によっては、売上に影響が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
相手先 |
前連結会計年度 (2023年2月期) |
当連結会計年度 (2024年2月期) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
株式会社セブン-イレブン・ジャパン |
6,522 |
15.9 |
6,840 |
15.9 |
株式会社イトーヨーカ堂 |
2,113 |
5.1 |
2,450 |
5.7 |
その他株式会社セブン&アイ・ホールディングス グループ |
2,624 |
6.4 |
2,421 |
5.6 |
合計 |
11,260 |
27.4 |
11,711 |
27.2 |
(10)海外への生産委託について
当社グループは、一部製品について韓国等の海外の企業に対して生産委託を行い、日本国内で販売しております。これらの国の情勢や委託先の製造技術や供給能力等について十分な調査を行い、信頼できる委託先を選定するよう努めております。
しかしながら、不測の景気変動や政治的問題、食品の安全性に関する問題等が発生した場合や、新型コロナウイルス感染症等の感染症が流行した場合には、委託先の生産停止や、遅延等による販売機会損失や、製造・物流コストの上昇による利益率の低下につながることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)競合会社について
食品業界においては、様々な競合会社が存在し、また、異業種からの新規参入等の潜在的な競合リスクも存在します。そのため、当社グループでは、全国ネットワークを活用した営業活動や、積極的な商品開発等に取り組み、競合会社との差別化を図っております。
しかしながら、商品開発やコスト削減等において競合会社への対応が遅れた場合には、売上に影響が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)地震・台風等の自然災害について
当社グループは、日本全国に工場等の事業拠点を有しており、有事に備えて事業継続計画(BCP)を策定しております。
しかしながら、大規模な地震・台風等の自然災害の発生により事業拠点または近隣の社会インフラが甚大な被害を受けた場合や、新型コロナウイルス感染症等の感染症が流行した場合には、仕入先からの調達の遅延・停止、当社工場における生産の遅延・停止、販売先の休業・営業時間変更や消費者行動の変化等による販売機会損失等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)情報システムについて
当社グループは、システムにより管理している生産・販売・会計・人事等の重要な情報の漏えいや改ざん等を防止するため、情報管理体制の徹底やシステム障害等に対する対策を講じております。
しかしながら、地震等の自然災害、長期間にわたる停電やコンピューターウイルスの感染等、想定を超える事象によりシステム障害等が発生した場合には、生産の停止等による販売機会損失等が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)業績の季節変動について
当社グループは、主要製品の販売動向や原材料の仕入価格等の影響により、相対的に第1四半期連結会計期間及び第2四半期連結会計期間に利益が偏重する傾向があります。四半期連結会計期間毎の売上高及び営業損益は次のとおりであります。
前連結会計年度(2023年2月期)
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
売上高 |
(百万円) |
10,517 |
10,791 |
9,897 |
9,845 |
構成比 |
(%) |
25.6 |
26.3 |
24.1 |
24.0 |
営業利益 |
(百万円) |
672 |
498 |
235 |
131 |
構成比 |
(%) |
43.7 |
32.4 |
15.3 |
8.6 |
当連結会計年度(2024年2月期)
|
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
売上高 |
(百万円) |
11,485 |
11,626 |
10,143 |
9,772 |
構成比 |
(%) |
26.7 |
27.0 |
23.6 |
22.7 |
営業利益 |
(百万円) |
751 |
528 |
178 |
209 |
構成比 |
(%) |
45.1 |
31.7 |
10.7 |
12.5 |
(注)1 構成比は連結会計年度の売上高及び営業利益それぞれの合計を100.0%とした百分比であります。
2 前連結会計年度の第1四半期及び第2四半期については株式会社ピックルスコーポレーションの数値を記載しております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。
当社の剰余金の配当につきましては、年1回の期末配当を基本方針としており、配当の決定機関は株主総会であります。
当事業年度の配当につきましては、上記方針に基づき、1株当たり24円の配当を決定しております。なお、当事業年度の連結配当性向は25.5%となります。内部留保資金につきましては、製品開発・研究体制の強化及び設備投資等に充当してまいります。
当社は、取締役会の決議により毎年8月31日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、剰余金の配当の決定機関は、期末配当については株主総会、中間配当については取締役会であります。
なお、当事業年度の剰余金の配当は以下のとおりであります。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(百万円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年5月30日 |
298 |
24 |
定時株主総会決議 |
なお、第3期から、当社株式の更なる流動性向上を目的に、新たに中間配当を実施いたします。