事業内容
セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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売上
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利益
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利益率
最新年度
単一セグメントの企業の場合は、連結(あるいは単体)の売上と営業利益を反映しています
セグメント名 | 売上 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
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(単一セグメント) | 19,467 | 100.0 | 836 | 100.0 | 4.3 |
事業内容
3 【事業の内容】
当社グループは、日本全国に175店舗(2025年3月末時点)の自社店舗(直営52店舗、フランチャイズ・チェーン(以下、「FC」という。)123店舗)を展開する食品製造販売事業を行っております。また、自社店舗(直営及びFC)以外にも、自社で構築したオンラインショップ(以下、「自社公式ECサイト」という。)や楽天市場サイトを通じた販売、また地方の生産者と消費者をつなぐオンラインマーケットプレイスを運営するEC事業、大手食品卸企業や小売企業に対するホールセール事業、そして米国を中心とするグローバル事業など、様々なチャネルを通じて製商品の販売を行っております。
当社グループ事業の特徴は、マーケティング、製商品の企画・開発、調達・製造、店舗設計、そして販売までの全てのプロセスを一気通貫で手掛ける、食のSPAモデルを有している点であります。これにより、当社グループの6つのブランドそれぞれに必要な要素を共通の世界観で構築することができるため、独自のグロッサリーストア(食料品店)の展開が可能となっております。
当社グループの商品は、その約90%が自社の開発部門によって企画・開発されたものであり、各ブランドのコンセプトを体現した独自性のある商品となっております。また、各店舗の商品点数は、小規模店舗で600アイテム以上、大型店舗で1,200アイテム以上に及び、いずれもネーミング、パッケージデザイン、及びおいしさにこだわって作り上げた商品であります。当社グループ工場及び協力メーカー工場では、店舗からのきめ細かな発注に応えられるよう、多品種少量生産に適した生産体制を構築しており、このような生産体制をとることで、消費者の需要に合わせた生産調整が可能となり、店舗では最適なボリュームでの商品陳列を実現しております。
(1) オリジナリティ溢れる6つのブランド
当社グループでは、「サンクゼール」、「久世福商店」、「旅する久世福e商店」、「KUZE FUKU & SONS」、「Portlandia Foods」、そして「Bonnie's Jams」の6つのブランドを展開しております。各ブランドはコンセプトを明確に分けており、お客様に対してブランドごとに異なる商品を提供しております。
各ブランドのコンセプトと特徴は以下のとおりです。
(2) 食のSPAモデル
当社グループは、全国各地の優れた逸品を探し出し、様々な販売チャネルを通じて販売していく食のSPAモデル事業を展開しております。
①お客様からのフィードバックを直接取得するマーケティング
当社グループは食のSPAにおいて、お客様のフィードバックを素早く商品開発や売場改善に反映し、お客様の当社ブランドに対するロイヤルティの向上につなげていくことが、最も重要な要素であると考えております。当社グループでは、全国に有する自社店舗(直営及びFC)にご来店いただくお客様の声を直接聞き取り、その内容を「自社POS連動型ERPシステム」を通じて、遅滞なく本部に伝達する体制を整えております。また、2021年4月より開始した「久世福商店・サンクゼール公式アプリ」では、会員であるお客様の購買データを分析することで、ニーズの変化等をスピーディーに把握することに努めております。
さらに、2023年3月期からは、アプリ会員である一部のお客様に、当社が運営するコミュニティプログラム「Fan-Based Community」(以下「FBCプログラム」と言う。)にご参加いただき、定期的なアンケートやインタビュー等から、商品開発や売場改善に対するフィードバックを得る取り組みを開始しております。プログラム会員のみならず、自社店舗をご利用いただく全てのお客様に当社ブランドのファンになっていただけるよう、今後も継続して当該プログラムの活動に取り組んでまいります。
②独自性の高い商品開発力
当社グループは、自社のグループ工場で製造するオリジナル製品はもとより、OEMメーカーから仕入れた商品に独自性を加える等、商品の企画・開発に注力しております。当社グループはブランドごとに組織を分けており、各ブランドの商品開発チームが、新商品の開発及び定番商品の改良を行っております。商品の開発・改良については、ご来店いただくお客様からのご要望やFBCプログラムのフィードバックにより、お客様ニーズをスピーディーに反映しております。
また当社グループは、パッケージやラベルデザインについても専門デザイナーを自社におき、ブランドコンセプトに合致したデザインをタイムリーに仕上げることができております。
③日米の自社製造拠点
当社グループは、長野県上水内郡飯綱町に有する国内工場の他、米国子会社であるSt.Cousair,Inc.が所在する米国オレゴン州の海外工場で製品を製造しております。
・国内工場(株式会社サンクゼール 長野県上水内郡飯綱町)
飯綱町の製造工場では、サンクゼールブランド用のジャムやパスタソース等のほか、久世福商店ブランド用として、ごはんのお供シリーズ等の食品を製造しております。同一エリア内にある自社ワイナリーでは、国内及び近隣農家から仕入れた果実を原料とするワインやシードルを製造しております。さらに飯綱町と協同し、町の特産品であるりんごを使用したブランデーの蒸留を行っております。飯綱町のりんごの特徴でもある豊かな風味と芳醇な甘みを感じることができるブランデーとして、2017年より「いいづなアップルブランデー」という商品名で製造を開始しております。
・海外工場(St.Cousair,Inc. 米国オレゴン州)
当社は2017年4月に米国オレゴン州の食品加工工場を買収し、米国子会社St. Cousair Oregon Orchards, Inc.(現St.Cousair,Inc.)を設立いたしました。オレゴン州は大規模な災害が少なく、年間を通して寒暖差が大きいことから、世界有数のベリー系果実原料の産地となっております。米国オレゴン州に工場を設置することで、新鮮で高品質な果実原料を安価に調達することができ、商品の品質向上及びコストメリットに大きく寄与しております。また、2017年の同工場買収時にUSDA(United States Department of Agriculture)によるオーガニック認証を取得し、以降も毎年更新を継続しております。これにより、当該認証ロゴの使用と、USDAオーガニックの基準に則った商品の製造・販売が可能となっております。
④日本全国の仕入商品メーカーとのネットワーク
当社グループは、2025年3月末時点で全国500社を超える食品メーカーとのネットワークを有しております。各食品メーカーは、それぞれの地域に根差した独自性の高い商品を展開しており、それらの商品に当社グループの各ブランドが持つオリジナリティを加えることで、より付加価値の高い商品を開発しております。地方に拠点を置く食品メーカーにとっては、当社グループの店舗を通じて、全国各地に商品を流通させることができるという利点があります。このように当社グループは、それぞれのブランドがプラットフォームとして機能し、各地域の食品メーカーとWin-Winの関係で、強固なネットワークの構築を実現しております。
⑤多様な販売チャネル
当社グループは、国内外の多様な販売チャネルを通して商品を販売しております。各チャネルの特徴は以下のとおりです。
ア. 直営及びFC
当社グループは、日本国内において直営及びFCでの自社小売店舗を有しております。
・本店(直営)
長野県飯綱町の本社エリアには、サンクゼール及び久世福商店の本店があります。エリア内には他にも、レストランやイングリッシュガーデンがあり、長野県飯綱町を見渡せる小高い丘の頂上に位置していることから、親しみを込めて「サンクゼールの丘」と呼ばれており、毎年、多くの近隣住民や観光客が訪れる場所となっております。この本社エリアは当社グループの創業の原点であり、創業者の想いを継いでいく場所、そして当社グループの経営理念を体現し、発信していく場所として、当社グループの事業における重要な拠点となっております。
・直営店
当社グループが店舗設備投資を実施し、当社グループの従業員が店舗を運営する形態であります。なお、直営店舗の中には、店舗運営業務のみを外部に委託する「OFC(オーナー・フランチャイズ・チェーン)」という形態の店舗も含まれております。
・FC加盟店
FC加盟企業と締結するパートナーシップ契約に基づき、店舗設備投資及び店舗スタッフの人件費を含む店舗運営に関わる全ての費用をFC加盟企業の負担により運営する形態であります。当社グループは、当社グループのブランド使用権及び本部サービス提供に対し、各FC加盟企業からロイヤリティ収入を収受しております。
自社小売店舗の販売に関する特徴は以下のとおりです。
・特徴①:多品種少量生産を可能とする商品供給体制
自社小売店舗の商品点数は、大型店舗で1,200アイテム以上にのぼります。多数の商品点数を確保するために、当社グループの自社工場及び仕入商品メーカーの各工場では、必要なときに必要な量をタイムリーに仕入れることができるよう、多品種少量生産を可能とする生産体制が構築されており、このようなこまやかな供給体制は、他社の参入を困難とする当社グループの強みとなっております。
また、全国に175店舗(2025年3月末時点)の自社小売店舗(FCを含む)を展開することにより、全国各地500社を超える仕入先メーカーからは、大きなロットでの調達による安価な仕入価格を実現することができ、価格戦略を含む店舗運営上の競争優位性の源泉となっております。
・特徴②:魅力的な売り場、世界観が統一された内装什器
当社グループは、自社小売店舗の内装・什器などの店舗設計全てを、社内の店舗設計チームが手掛けております。これにより、各ブランドの世界観を統一して表現することができ、商品の魅力を最大限に引き出せる売り場作りが可能となっております。
・特徴③:教育された店舗スタッフと接客力
当社グループはお客様の信頼を第一と考えており、お客様が快適に商品を購入できるよう、日々、店舗スタッフの接客力向上に取り組んでおります。当社グループには、各店舗の店長及び店舗スタッフの教育を専門業務とする教育チームが存在しており、毎月開催している店長会では、当該チームによる社内研修を実施しております。
また、当社グループは品質目標の中で、「オンリーワンを目指し、お客様に感動を与えるサービスを提供する」という方針を掲げ、この考えが店舗スタッフ一人ひとりに浸透するよう、経営理念の教育を徹底して行っております。お客様に喜んでいただくために必要な対応をその場で判断し実行に移すことで、お客様にとってより居心地のよい空間を作り上げることができるように、今後も店舗スタッフの教育を継続して取り組んでまいります。
イ. EC
当社は、「サンクゼール」、「久世福商店」、「KUZE FUKU & SONS」の3ブランドの商品を自社公式ECサイト及び楽天市場サイトで販売するほか、全国各地の生産者や食品メーカーと消費者を直接結び付けるオンラインマーケットプレイス「旅する久世福e商店」の運営を行っております。
・自社公式ECサイト及び楽天市場サイトでの販売
当社グループは、自社公式ECサイトに加え、楽天市場へ出店しております。ECでは2025年3月末時点で、売上高の67%以上がギフト商品で構成されております。ギフト商品に対するニーズにお応えするため、2022年4月からは当社公式ECサイト限定で、オリジナルメッセージカードの作成サービスを開始しております。
また当社は、2021年4月から開始している「久世福商店・サンクゼール公式アプリ」の会員データと、店舗会員であるお客様データを共通で管理することで、自社小売店舗とECの連携による販売促進施策を行っております。例えば、アプリ会員のお客様向けに、自社小売店舗で実施する販促キャンペーン情報等を定期配信することで、リアル店舗への集客を促進する等の取り組みを推進しております。
・旅する久世福e商店
当社は2020年10月より、全国各地の生産者及び食品メーカーと消費者を直接結び付けるオンラインマーケットプレイス「旅する久世福e商店」の運営を行っております。生産者及び食品メーカーは、当社が開発したECサイトシステム上に自社のECサイトを構築し、同じく当社が開発したECプラットフォーム「旅する久世福e商店」に出店するという形でオンラインマーケットに参加します。一方、消費者は「旅する久世福e商店」に出店している生産者及び食品メーカーの各サイトを訪問して好みの商品を購入し、生産者及び食品メーカーは当該商品を直接購入者に届けます。その際、当社は、生産者及び食品メーカーの売上金額に対して販売手数料を収受いたします。
「旅する久世福e商店」のビジネスモデルは以下のとおりです。
(旅する久世福e商店ビジネスモデル)
ウ. ホールセール
当社は、自社製造商品を食品卸企業及び小売企業へ販売するほか、他社のPB商品のOEMを行っております。当社グループは、商品開発チーム、自社工場製造チーム、卸営業チームを1つの組織にまとめており、それぞれのチームが密に連携することで、開発・製造・販売のサイクルを高速回転させ、顧客ニーズを素早く商品に反映させる体制を構築しております。
エ. グローバル
当社の子会社である米国オレゴン州のSt.Cousair,Inc.がグローバル展開のヘッドクオーターとしての機能を持ち、米国内での販売に加えて、アジアやオセアニア地域の顧客に対する営業活動を行っております。前述のとおり、St.Cousair,Inc.の工場ではUSDAによるオーガニック製品の製造認証を得ており、近年、米国で拡大が続くオーガニック食品市場を重要なターゲット市場と位置付けて事業を展開しております。また、米国西海岸エリアは世界の食トレンドの最先端エリアであり、当社はSt.Cousair,Inc.での米国内マーケティングを通じて、最先端の食に関する情報収集を行っており、ここで入手した情報は素早く社内で共有し、新たな商品開発につなげる体制を整えております。
⑥食のSPAを支える内製化システム
商品開発から販売までを一気通貫でコントロールする食のSPAを展開するためには、それを支える高度なシステムが必要となります。当社グループで使用する「在庫管理システム」、「自社POS連動型ERPシステム」、「旅する久世福e商店及び自社公式ECサイトシステム」、「会員アプリ及び会員顧客分析データシステム」、そして「ECメッセージカードサービスシステム」等のシステムは、その大部分を社内のエンジニアチームが作り上げております。ゼロベースでシステムを開発することで、事業運営に必要な機能を柔軟に、且つ効率的に設計することができ、商品開発から販売に至るプロセスをスムーズに連携、コントロールすることが可能となっております。
当社グループの事業系統図は以下の通りです。
業績
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度の総資産は9,245,329千円となり、前連結会計年度末に比べ177,205千円減少いたしました。これは、売掛金が210,712千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は4,284,156千円となり、前連結会計年度末に比べ396,301千円減少いたしました。これは、未払法人税等が267,211千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益350,434千円や剰余金の配当323,057千円の計上により、利益剰余金が前連結会計年度末に比べ27,377千円増加いたしました。その結果、株主資本は前連結会計年度末に比べ29,620千円増加し、4,658,074千円となり、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ219,095千円増加し4,961,173千円となりました。なお、この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は53.6%となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)は、世界的な政情不安や中国経済の成長鈍化等、先行きへの不透明感が継続しました。国内では、雇用や所得環境の改善が見られる一方で、円安の進行や原材料価格の上昇等に起因する物価の上昇に実質賃金の上昇が追い付かず、日常生活における節約志向は一層強まっております。
食品製造及び食品小売業界におきましても、円安や原材料価格の高騰を背景に食品価格の値上げが継続的に実施されており、消費者の経済的負担の高まりによる消費低迷が懸念される等、依然として先行きが非常に不透明な状況が続いております。
そのような状況の中、当社グループは「愛と喜びのある食卓をいつまでも」というコーポレート・スローガンのもと、お客様の食卓に彩りを与え、ご満足いただける商品やサービスの提供に注力しております。今後もお客様の声に真摯に耳を傾け、お客様ニーズを起点とした商品やサービスを提供することで、より多くの皆様に当社グループのファンになっていただけるように取り組んでまいります。
当連結会計年度のB to C販売チャネルである店舗(直営・FC)に関しましては、売上高が前年同期比で0.4%の増加となりました。既存店(注)のお客様数は2024年4月を底に回復傾向にありましたが、昨今の物価高騰による買い控えに加え、2025年2月の寒波の影響により営業時間を短縮した店舗等もあり、第4四半期会計期間において前年同期比で減少傾向となりました。一方でお客様単価は2024年9~10月に実施しました自社製造商品価格の一部値上げ等により、前年同期比で増加傾向となっております。店舗では継続して販売力及び接客力を強化し、ご来店いただくお客様の感動体験による付加価値向上に努めてまいります。ECに関しましては売上高が堅調に推移しており、前年同期比で10.8%増となりました。今後もお客様からのお声をもとに改善を重ねるほか、ギフト需要の更なる高まりを好機と捉え、引き続き商品ラインナップやサービスの拡充に努めてまいります。
(注)当社グループでは、開店後18か月以上経過している店舗を「既存店」として客単価及び客数を集計しております。
B to Bの販売チャネルであるホールセールに関しましては、主要取引先である大手小売チェーンに向けた一部商品の販売が苦戦を強いられ、売上高は前年同期比で17.0%減少いたしました。現在は商品ポートフォリオの拡充により一部商品への依存度を下げるほか、取引先の拡大を視野に入れた営業活動に注力しております。グローバルに関しましては、アジア市場での売上高増に加え、米国Portlandia Foodsの売上が増加したこと、また2024年10月に事業譲受しました「Bonnie’s Jams」の売上が計上されたこと等により、売上高は前年同期比で48.6%の増加となりました。グローバル事業は今後も、事業譲受等により新たな商品群と販路の獲得に加え、既存販路とのクロスセリングや自社工場の製造効率アップを実現することで、更なる事業規模の拡大を図ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高が19,467,260千円(前年同期比1.6%増)となりました。営業損益は、売上高が増加した一方で、売上総利益率が低下したこと等の影響により、835,995千円(前年同期比35.2%減)の営業利益となりました。経常損益は、損害補填金12,456千円等の営業外収益39,985千円を計上した一方で、為替差損11,298千円等の営業外費用30,911千円を計上したことにより、845,069千円(前年同期比39.7%減)の経常利益となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、税金費用302,574千円等を計上したことにより、350,434千円(前年同期比57.2%減)の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。
出店政策に関しまして当社グループは、商圏人口、賃貸条件、ROIC等の指標を総合的に勘案し、新規出店を行っております。当連結会計年度におきましては、「久世福商店」業態で8店舗を新規出店した一方、「サンクゼール」業態で1店舗、「久世福商店」業態で2店舗、そして「MeKEL」業態で1店舗を退店いたしました。また、「サンクゼール」業態の3店舗を「久世福商店」業態へ切り替えを行いました。その結果、当連結会計年度末における店舗は直営店52店舗、FC加盟店123店舗、計175店舗となりました。
当連結会計年度における業態別の店舗数は以下のとおりです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は724,103千円減少し1,936,046千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益653,463千円となった一方で、棚卸資産が355,762千円増加したこと等により、営業活動のキャッシュ・フローは247,438千円の収入(前連結会計年度は681,924千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、「Bonnie's Jams」ブランド等の事業譲受による支出が477,823千円、有形固定資産の取得による支出が222,677千円となったこと等により、756,022千円の支出(前連結会計年度は778,154千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金が60,000千円減少したこと、配当金の支払額が323,057千円となったこと等により、244,162千円の支出(前連結会計年度は605,586千円の支出)となりました。
④ 生産、受注及び販売の状況
ア. 生産実績
イ. 受注実績
当社グループは需要予測に基づく見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
ウ. 販売実績
当社グループは、食品製造販売事業の単一セグメントであるため、販売チャネル別に記載しております。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
・直営
当連結会計年度における直営店の既存店お客様数は、2024年4月を底に前期比で回復傾向にありましたが、第4四半期会計期間における寒波の影響等により再び前期比で減少に転じております。一方お客様単価は堅調に推移しており、直営店の売上高は6,223,893千円となり、前期比で3.6%の減少となりました。新規出店に関しましては、「久世福商店」で1店舗を出店いたしました。また、「サンクゼール」から「久世福商店」への切り替えを3店舗、「MeKEL」で1店舗を退店し、当連結会計年度末の直営店の店舗数は52店舗となっております。
・FC
当連結会計年度におけるFCの既存店お客様数は、2024年4月を底に前期比で回復傾向にありましたが、第4四半期会計期間における寒波の影響等により再び前期比で減少に転じております。一方お客様単価は堅調に推移しており、FC売上高は7,310,904千円となり、前年同期比で4.0%の増加となりました。新規出店に関しましては、「久世福商店」で7店舗を出店いたしました。また、「サンクゼール」で1店舗、「久世福商店」で2店舗を退店し、当連結会計年度末のFCの店舗数は123店舗となっております。
・EC
ECに関しましては、高まるギフト需要に対して、需要の高い商品ラインナップの拡充及びサービスの充実等に注力いたしました。これにより、ギフトの年間出荷件数は前期比で大きく増加し、特に商戦規模の大きいお中元や年末年始での売上高が伸長いたしました。以上の結果、売上高は1,231,398千円、前期比で10.8%の増加となりました。
・ホールセール
ホールセールに関しましては、主要取引先である大手小売チェーンに対する一部商品の販売が苦戦しております。商品ポートフォリオを拡充することで一部商品への依存度を下げるほか、取引先の拡大を視野に入れた営業活動に注力しており、リスク管理を継続しております。
以上の結果、ホールセール売上高は2,640,493千円、前期比で17.0%の減少となりました。
・グローバル
当連結会計年度におきましては、アジア市場での売上高増に加え、米国Portlandia Foodsの売上が増加したこと等により、売上高は2,060,570千円、前期比で48.6%の増加となりました。2024年10月には、フルーツやスパイスを使ったオリジナルジャム等を開発、販売している「Bonnie’s Jams」を事業譲受し、グローバル事業は今後も更なる事業規模の拡大を図ってまいります。
国別の内訳は、米国顧客への売上高が1,343,675千円、台湾顧客への売上高が609,469千円、その他の地域への売上高が107,425千円であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績等に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、19,467,260千円(前期比1.6%増)となりました。チャネル別でみると、直営及びホールセールにおいて前期を下回る結果となりましたが、FC、EC、グローバルチャネルは売上高が前期を上回りました。各チャネルの詳細につきましては以下のとおりであります。
ア. 直営及びFC
直営及びFCの売上高に関しましては、直営が前年同期比3.6%減、FCが前年同期比4.0%増となり、直営及びFCを合わせた店舗全体の売上高は、前年同期比で0.4%の増加となりました。既存店のお客様数は2024年4月を底に回復傾向にありましたが、昨今の物価高騰による買い控えに加え、2025年2月の寒波の影響により営業時間を短縮した店舗等もあり、第4四半期会計期間において前年同期比で減少傾向となりました。一方でお客様単価は2024年9~10月に実施しました自社製造商品価格の一部値上げ等により、前年同期比で増加傾向となっております。
イ. EC
ECの売上高は前年同期比10.8%と堅調に推移いたしました。ギフトニーズの高まりにより、ギフトの年間出荷件数は前期比で大きく増加し、特に商戦規模の大きいお中元や年末年始での売上高が伸長いたしました。
ウ. ホールセール
ホールセールに関しましては、主要取引先である大手小売チェーンに向けた一部商品の販売が苦戦し、売上高は前年同期比で17.0%の減少となりました。
エ. グローバル
グローバルに関しましては、アジア市場での売上高増に加え、米国「Portlandia Foods」の売上が増加したこと、また2024年10月に事業譲受しました「Bonnie’s Jams」の売上が計上されたこと等により、売上高が前年同期比で48.6%と大幅に伸長いたしました。アジアでは、特に台湾における大手小売りチェーン向けの売上高が堅調に推移しております。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加に伴い、12,687,615千円(前年同期比4.8%増)となりました。
売上総利益率は34.8%となり、前期比で2.0ポイント低下いたしました。その主な要因は、原材料価格の高騰や為替の影響等によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、5,943,649千円(前年同期比3.1%増)となりました。この主な要因は、ベースアップ及び新規採用に伴う人件費が前年同期比で4.2%の増加、また物流費の高騰等による荷造運搬費が前年同期比で8.1%増加したこと等によるものです。この結果、当連結会計年度の営業利益は、835,995千円(前期比35.2%減)となり、売上高営業利益率は4.3%と前期比で2.4ポイント悪化いたしました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、主に受取利息1,283千円や損害補填金12,456千円を計上したことにより、39,985千円(前年同期比71.5%減)となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、主に為替差損11,298千円を計上したことにより、30,911千円(前年同期比10.3%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は845,069千円(前年同期比39.7%減)となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、退店店舗の什器等の売却による固定資産売却益2,908千円を計上いたしました。また、当連結会計年度の特別損失は、「MeKEL長野若里店」等の退店に伴う減損損失121,712千円や、当社が保有する一部の投資有価証券の実質価額が下落したことにより投資有価証券評価損71,865千円を計上いたしました。
以上に加えて、法人税、住民税及び事業税281,805千円、法人税等調整額(借方)20,768千円、非支配株主に帰属する当期純利益454千円をそれぞれ計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は350,434千円(前年同期比57.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
資本政策につきましては、経営基盤の強化及び積極的な事業展開のために内部留保を図り、財務体質の強化と事業拡大のための投資に充当するとともに、配当に関しましては、年間配当総額を前事業年度における当社単体決算の当期純利益30%を目安とした金額となるように実施してまいります。
また、当社グループにおける資金需要の主なものは、原材料費・労務費・製造経費・商品仕入高・販売費及び一般管理費等の事業に係る運転資金であります。当社グループは必要な資金について、主に自己資金及び金融機関からの借入金により対応してまいります。
資金の流動性に関しましては、2025年3月末時点で取引金融機関5行との間で合計1,550,000千円の当座貸越契約を締結しており、急な資金需要や不測の事態に備えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で、かつ合理的と考えられる見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の金額に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループは、経営上の目標の達成状況を売上高営業利益率を重視して判断しております。
当連結会計年度の売上高は、直営とホールセールを除いたFC、EC及びグローバルで売上高が前期比を上回って推移いたしましたが、原材料価格の高騰やチャネル別売上構成比の変化等により、売上総利益率が低下いたしました。さらに、人件費や荷造運搬費等を含む販売費及び一般管理費が増加したことで、売上高営業利益率は4.3%となり、前期比で2.4ポイント悪化いたしました。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に含めて記載しております。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
セグメント情報
(セグメント情報等)
【セグメント情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
当社グループの事業セグメントは、食品製造販売事業のみの単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
当社グループの事業セグメントは、食品製造販売事業のみの単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
【関連情報】
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上の90%を超えるため、記載を省略しております。
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
1 製品及びサービスごとの情報
2 地域ごとの情報
(1) 売上高
(2) 有形固定資産
3 主要な顧客ごとの情報
【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】
当社グループの事業セグメントは、食品製造販売事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。
【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】
当社グループの事業セグメントは、食品製造販売事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。
【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】
当社グループの事業セグメントは、食品製造販売事業の単一セグメントであり、記載を省略しております。