2024年1月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

トランクルーム運営管理 トランクルーム開発分譲 その他不動産取引
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
トランクルーム運営管理 749 22.5 -76 -21.5 -10.1
トランクルーム開発分譲 2,430 73.1 401 114.1 16.5
その他不動産取引 146 4.4 26 7.3 17.7

事業内容

3【事業の内容】

 当社は、「顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創する」を経営理念に掲げ、セルフストレージ方式のトランクルームの企画、開発、運営、管理を行う事業を展開しております。

 当社は、トランクルームの運営・管理を担うことにより規模の拡大を図って参りましたが、トランクルームはアパートや賃貸マンションに比して、面積当たりの区画数が多く、居住用の施設やオフィスに比べて、契約手続き件数が多く煩雑になりがちなことから、地主や物件オーナーにとってトランクルームの運営・管理を自身で遂行することは多くの手間がかかります。この煩わしい運営・管理を一手に引き受けることで、地主や物件オーナーにとって利便性をもたらすとともに、当社にとっても受託件数の増加による安定的な収入につながると考え事業をスタートいたしました。

 管理室数の増加に伴い事業経験を積んでいく中で、当社は2015年7月に株式会社アイトランク山陽との合併に伴い、首都圏のみではなく、岡山を中心とする西日本での物件管理を視野に入れて、岡山支店(現岡山営業所)を設け、規模を拡大し事業を展開して参りました。またソーラーエナジーインヴェストメント株式会社との合併により会社としての財務基盤を強化いたしました。

 当社の基本的なビジネスモデルは、トランクルームとして利用可能な不動産を賃借や自社開発で確保した上で、トランクルームとしての貸し出し、清掃を含む維持管理により利用者から利用料を徴収し、その収益で不動産コストや販売管理費を回収し利益を上げる単一のセグメントから成り立っておりましたが、当事業年度において事業戦略の方向性として、「トランクルーム運営管理事業」「トランクルーム開発分譲事業」「その他不動産取引事業」の3区分に変更しております。セグメントの中で、トランクルームの自社開発を行い、収益不動産として投資家に売却する際に計上する利益を開発分譲による利益、開業後のトランクルームの運営による利益を運営管理の利益、トランクルーム以外の不動産取引による利益と区分しておりますが、2023年1月期では「トランクルーム開発分譲事業」による利益が80%、2024年1月期では86%を占めております。トランクルーム開発分譲後に当該物件を固定家賃でマスターリースする場合には、部屋の稼働が上がるまでの稼働率リスクは当社が負っております。稼働率の上昇が緩やかなため、開業後数年は当該物件のトランクルーム運営管理利益がマイナスとなる場合もあります。

 

 トランクルームを建物の建築様式で大きく分類しますとコンテナ型とビルイン型に分けられます。

 

・コンテナ型

 駐車場が確保できる道路沿いの敷地に建築用コンテナを設置しトランクルーム利用者が荷物を収納します。建築用コンテナは輸送の都合上、貨物用コンテナと同じサイズですが、柱と梁で強度を確保した建築専用の部材を使用しており、日本の建築基準法において建物として建築することが出来ます。コンテナを連結あるいはコンテナ内を仕切ることにより部屋サイズを調整することが出来ます。コンテナ自体を外気の環境に置くため、扉は雨風を通さない堅牢な作りとなっております。

 

・ビルイン型

 在来建築(一部建築部材としてコンテナモジュールを利用したものを含む)による建物内に、間仕切りをすることで各部屋を構成するものです。在来建築の建物自体で雨風を遮断する構造になっており、建物の入口は電子錠等で施錠されており、トランクルーム利用者以外入館することが出来ません。各利用者の部屋の入口、間仕切りはコンテナ型に比べて簡易なもので、開け閉めが容易です。近年は、女性の利用者の増加や衣類や家財保管のために空調付施設へのニーズの高まりもあり、ビルイン型の増加率が高くなっております。

 

 なお、2023年1月末時点でコンテナ型及びビルイン型を併せて149店舗、2024年1月末時点で165店舗でございます。

 

 また、当社の事業は以下の3つに分類されます。以下は事業による分類ですので、上記の建築様式で分類したコンテナ型とビルイン型が併存します。

 当社は前期までトランクルーム事業の単一セグメントでありましたが、事業活動の実態を適切に表すとともに事業内容を明瞭に表現する目的で、当事業年度より、セグメントを「トランクルーム運営管理」「トランクルーム開発分譲」「その他不動産取引」の3区分に変更し、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数字で比較分析しております。また、「その他不動産取引」は、当期より新たに取り組むトランクルーム以外の不動産を扱うセグメントであります。

 

(1)トランクルーム運営管理事業

 トランクルーム運営管理事業は、トランクルームを利用者に貸し出すことにより利益を得るものです。利用者から受領するトランクルームの利用料金が収入であり、当社がトランクルームを所有、あるいは賃借することでかかるコスト、トランクルーム運営管理に必要なコストが原価となり、その差額が当社の利益(又は損失)となります。

 トランクルーム運営管理事業は、ア.固定家賃型とイ.変動家賃型に分けられます。

ア.固定家賃型は、当社が事業主体となり、物件を所有すること、あるいは固定家賃で賃借することにより不動産コストが固定的に発生し、トランクルーム稼働状況により受領する利用料金の多寡が直接的に当社の利益(又は損失)に影響します。損益分岐稼働率は物件により異なりますが、概ね60%~70%程度であります。

イ.変動家賃型は、当社が、事業主体である不動産所有者もしくは投資家からビルを賃借もしくは管理を受託し、当社は利用者からトランクルームの利用料を受領します。賃借の場合は、トランクルーム利用料を売上高とし、契約に定めた料率(10%程度の場合が多い)を差し引いた額を原価賃料として、不動産所有者もしくは投資家に賃料を支払います。管理受託の場合は、トランクルーム利用料を当社が預かり、当社の管理料(10%程度の場合が多い)を差し引いた金額を不動産所有者もしくは投資家に支払います。変動家賃型の場合、当社は稼働状況によるリスクを直接的には負わずトランクルーム利用者からの収入の増減による売上もしくは管理手数料の増減は、当社の収支に影響を与えますが、物件の所有、事業リスクは不動産所有者もしくは投資家が負うこととなります。

 運営面においても、インターネット広告だけでなく、セルフストレージ専用ポータルサイトも利用して、集客の窓口を広げるとともに、Web決済システムを導入して、契約手続きの簡素化と期間短縮により契約獲得増を図っております。

 

(2)トランクルーム開発分譲事業

 トランクルーム開発分譲事業は、トランクルームを投資家へ売却する事により利益を得るものです。トランクルーム開発分譲事業は、ウ.用地購入、ビルイン型建築の場合とエ.土地賃借、コンテナ型建築の場合に分けられます。

ウ.当社が用地購入、ビルイン型建物の建築後、土地建物として売却します。

エ.当社が借地上にコンテナ型建物の建築後、建物部分を売却します。

 その他にトランクルームの内装部分のみを売却する場合もあります。

 

 2019年以降は、在来建築によるビルイン型のトランクルーム開発に注力する過程で、トランクルームの企画、開発機能をデベロップから当社が引き継ぐこととなりました。在来建築によるビルイン型トランクルームの用地取得とその後の建築業務も当社自らが施主となり、設計事務所、ゼネコンに外注して建築することを中心とするようになり、株式会社デベロップからの独立性を高めて参りました。

 旺盛な需要がある首都圏エリアを中心として、借地の上にコンテナ型のトランクルームを設置する屋外タイプの開発と、土地を取得しそこに在来建築によるビルイン型の建物を建ててトランクルームとするビルイン型の物件開発共に注力してまいります。

 

 2019年12月に当社ビルイン型初店舗として梶が谷トランクルーム(神奈川県川崎市高津区 184室、2024年1月末時点214室)を開店いたしました。同トランクルームは用地買収から当社が行い、当社が施主として建物を建設、完成後に投資家に売却の上、建物を賃借して自社運営しております。以降、2020年8月に上石神井トランクルーム(東京都練馬区 100室、2024年1月末時点113室)、2021年1月に中板橋トランクルーム(東京都板橋区 119室)、2021年10月に中野沼袋トランクルーム(東京都中野区 160室)、2021年11月にときわ台トランクルーム(東京都板橋区 199室)、2022年1月に東浅草トランクルーム(東京都台東区 260室)、2023年1月に江戸川橋トランクルーム(東京都新宿区 190室)、尾山台トランクルーム(東京都世田谷区 165室)、本八幡トランクルーム(千葉県市川市 169室)、2023年10月に那覇泉崎トランクルーム(沖縄県那覇市 130室)、2024年1月に下目黒トランクルーム(東京都目黒区 149室)、西大井トランクルーム(東京都品川区 194室)、東長崎トランクルーム(東京都豊島区 187室)を開店しております。

 在来建築によるビルイン型のトランクルームは堅固な建物を建築するため、借地では無く所有権のある土地の上に建築することが求められ、一か所当たりの初期投資も土地建物を合わせおおむね3~6億円以上となっております。

 梶が谷トランクルームを開発、売却するにあたり大口の投資家(法人)を開拓して参りました。当該投資家は、年間10億円以上の不動産購入意向のある投資家を含みます。当社のトランクルーム開発分譲事業は、売却先の目途があることから、開発当初の用地購入の際の銀行借入もスムーズに進むなどいわゆる投資のパイプラインが構築されております。

 当社では、企画・調査、開発、保守・管理を一貫して事業展開しており、不動産物件としての診断、事業性評価、不動産オーナーとの契約、その後のトランクルームの管理受託をスムーズに行うことができるため、不動産オーナーとの信頼関係に基づいた安定した事業基盤を構築しております。またコンテナ型でのトランクルームでは、可搬性・再活用といった特性があり、物件移動により市場を再選択して事業性を再構築することができることも大きな特徴だと考えています。

 

(3)その他不動産取引事業

 トランクルーム開発以外の不動産に関するコンサルティングフィーの受領、トランクルーム以外の不動産の売買を行った場合の収入、トランクルーム以外の不動産賃料収入等により利益を得るものです。また、普段から不動産事業者、不動産を使用するテナント候補とも接点があり、トランクルーム以外の業態であっても売買やコンサルティングを行う可能性があります。なお、トランクルーム用地として土地を購入した場合でも土地に対して引き合いがあった場合や開発のスケジュールが遅延した場合には不動産事業者として土地のまま売買をする可能性もあります。トランクルーム以外の不動産収益に該当した不動産に要したコストが原価となります。

 

 

 事業系統図は次の通りであります。ただし、(3)その他不動取引事業に関して図式は記載しておりません。

 

<(1)運営管理事業 ア.固定家賃型>

 

 

 

① 当社は、不動産所有者から建物を賃借し、あるいは土地を賃借の上、借地上に当社コンテナを設置します。

② 当社は、不動産所有者に建物賃借料もしくは地代を支払います。

③ 当社は、利用者にトランクルームを貸し出します。

④ 当社は、トランクルーム利用者から利用料を受領します。

 

<(1)運営管理事業 イ.変動家賃型>

 

 

 

① 当社は、不動産所有者もしくは投資家からトランクルームを賃借し、あるいは管理受託します。

② 当社は、利用者にトランクルームを貸し出します。

③ 当社は、トランクルーム利用者から利用料を受領します。

④ 当社は、不動産所有者もしくは投資家に当社の管理料を差し引いて、残りを事業収益として支払います。

 

 

 

<(2)開発分譲事業 ウ.用地購入、ビルイン型建築の場合>

 

 

 

① 当社は、土地所有者から土地(不動産)を購入します。

② 当社は、購入用地上にビルイン型トランクルームを建築し、土地建物を投資家に売却し、売却後、建物を賃借(リースバック)します。

 

<(2)開発分譲事業 エ.土地賃借、コンテナ型建築の場合>

 

 

 

① 当社は、土地所有者と借地契約をします。

② 当社はその借地上にコンテナ型建物の建築後、建物部分を投資家に売却します。

③ ②と同時に当社が土地所有者と締結している借地契約を土地所有者、投資家間の借地契約に切替えます。

※ その他、内装部分のみ売却の場合も同じです。

 

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度(2023年2月1日~2024年1月31日)における事業環境は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行し、人流も徐々に拡大してインバウンド需要増加等により国内景気は緩やかに回復しております。しかし、物価上昇や金融資本市場の変動の動向等、国際情勢に影響を及ぼす事象が依然存在し、景気の先行きは依然として不透明であります。

 このような環境下において、当社は2023年2月に東京都豊島区に「新大塚」、東京都葛飾区に「西新小岩5丁目第2」、同年4月に千葉県市川市に「南行徳第2」、神奈川県横浜市に「新吉田東」、同年8月に千葉県東金市に「東金第2」、同年9月に千葉県市川市に「行徳」、東京都渋谷区に「笹塚」、同年10月に沖縄県那覇市に「那覇泉崎」、茨城県水戸市に「水戸石川」、同年11月に福岡県中間市に「中間」、滋賀県湖南市に「湖南」、同年12月に栃木県小山市に「犬塚第2」、山口県防府市に「防府仁井令」、2024年1月に東京都目黒区に「下目黒」、東京都品川区に「西大井」、東京都豊島区に「東長崎」の各トランクルームを開店致しました。このうち「那覇泉崎」は沖縄県への初の出店となります。

 2023年11月には、不動産開発事業を行う株式会社アーバネットコーポレーションと業務提携契約を締結しました。同社とは首都圏を中心とするマンション、セルフストレージ物件開発用地候補に関する不動産情報の交換・共有、両者それぞれ保有する物件情報交換・共有、株式会社アーバネットコーポレーションが開発するマンション等へのセルフストレージ商品の組み込み等、新規プロダクトへの取り込み等において連携してまいります。

 なお、2024年1月には一級建築士事務所登録も完了しました。

 トランクルームの開発分譲事業については、沖縄1店舗、首都圏3店舗の開発案件「下目黒」「西大井」「東長崎」各トランクルームは完成、売却売上を計上しております。トランクルーム用コンテナ及び内装部分売却売上、新規出店2物件売却売上、不動産仲介手数料売上を計上しております。

 その他不動産取引事業については、レジデンス2物件、ホテル1物件、事務所1物件の賃料売上、レジデンス1物件の売却売上を計上しております。

 

 以上の結果、当事業年度の売上高は3,325,443千円(前年同期比8.5%増)、営業利益は151,017千円(前年同期比1.5%減)、経常利益は157,401千円(前年同期比5.7%増)となりました。当期純利益は109,846千円(前年同期比6.7%増)となりました。

 

 各セグメントの経営成績は以下のとおりであります。

 当社は前期までトランクルーム事業の単一セグメントでありましたが、事業区分及び事業活動の実態を適切に表すとともに事業内容を明瞭に表現する目的で、第1四半期会計期間より、報告セグメントを「トランクルーム運営管理」「トランクルーム開発分譲」「その他不動産取引」の3区分に変更し、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数字で比較分析しております。なお、「その他不動産取引」は、当期より新たに取り組むトランクルーム以外の不動産を扱うセグメントであります。

 

(トランクルーム運営管理事業)

 トランクルーム運営管理事業では、トランクルームを利用者に貸し出し、運営・管理を行うことにより利益を得ております。利用者から受領するトランクルーム利用料及びプロパティマネジメント受託収入が売上であり、トランクルームを所有あるいは賃借するコスト及び運営に必要なコストが原価となります。

 なお、金額的重要性が高まったことにより、トランクルームに併設するオフィスの賃料や住宅の賃料などを「トランクルーム運営管理事業」セグメントから「その他不動産取引事業」セグメントに移動させています。

 当第3四半期累計期間は、既存店舗の稼働室数維持・拡大、新規契約者の獲得に努め、キャンペーン等も行って参りました。また、コンテナ型トランクルームの新規自社保有物件を増やしたことによるトランクルーム販管費が増加しました。

 この結果、トランクルーム運営管理事業の売上高は749,018千円(前年同期比15.8%増)、セグメント損失は75,525千円(前年同期はセグメント損失30,746千円)となりました。

 

(トランクルーム開発分譲事業)

 トランクルーム開発分譲事業では、トランクルームを企画、開発し、不動産投資家に売却することで利益を得ております。売却代金が収入であり、開発に要したコストが原価となります。

 当事業年度は、開発物件仕入の獲得に努めて参りました。また、トランクルーム内装の仕入、販売、トランクルーム用コンテナの売却、トランクルーム事業に関するコンサルティング収入がありました。

 この結果、トランクルーム開発分譲事業の売上高は2,430,306千円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益は401,387千円(前年同期比12.3%増)となりました。

 

(その他不動産取引事業)

 その他不動産取引事業では、トランクルーム以外の不動産を不動産投資家へ仲介、再販することで利益を得ます。仲介手数料または売却代金が収入であり、不動産の仲介または仕入に要したコストが原価となります。また、当事業年度よりトランクルームに併設するオフィスの賃料や住宅及びホテルの賃料などをセグメントに含めております。不動産賃料が主な収入であり、該当不動産に要したコストが原価となります。

 当事業年度は、不動産仕入、不動産投資家の獲得に努めて参りました。また、自社所有レジデンス1物件売却、レジデンス1物件仕入及び賃料収入がありました。

 以上の結果、その他不動産取引事業の売上高は146,119千円(前年同期の売上高はありません)、セグメント利益は25,843千円(前年同期のセグメント利益はありません)となりました。

 

(資産)

 流動資産は、前事業年度末に比べて811,797千円増加し2,162,031千円となりました。これは、現金及び預金が947,426千円と前事業年度末に比べて115,918千円増加、開発分譲事業の販売用不動産が1,138,203千円と前事業年度末に比べて683,766千円増加したことなどによるものです。固定資産は、前事業年度末に比べて213,148千円増加し、682,647千円となりました。これは建物(純額)が49,115千円と前事業年度末に比べて28,773千円増加、工具器具備品(純額)が40,924千円と前事業年度末に比べて27,442千円増加、リース資産(純額)が30,407千円増加(前事業年度末はありません。)、また、新規土地取得70,367千円を計上したことなどによるものです。投資その他の資産は、敷金及び保証金が243,484千円と前事業年度末に比べて15,171千円増加しました。

 この結果、資産合計は前事業年度末に比べて1,024,946千円増加し、2,844,679千円となりました。

 

(負債)

 流動負債は、前事業年度末に比べて422,336千円増加し、629,232千円となりました。これは、前事業年度末に比べて短期借入金が263,000千円増加、来期開発物件の販売用不動産計上に伴い未払金計上も増加したことなどによるものです。固定負債は、前事業年度末に比べて488,644千円増加し1,183,025千円となりました。これは、長期借入金が1,059,542千円と前事業年度末から446,531千円増加したことなどによるものです。この結果、負債合計は前事業年度末に比べて910,981千円増加し、1,812,258千円となりました。

 

(純資産)

  純資産合計は、前事業年度末に比べて113,965千円増加し、1,032,421千円となりました。これは、利益剰余金が574,943千円と前事業年度末に比べて109,846千円増加したことなどによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ114,917千円増加し、946,425千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における営業活動の結果、使用した資金は459,479千円(前年同期は268,782千円の収入)となりました。これは主に税引前当期純利益157,401千円、棚卸資産の増加による減少682,903千円、法人税等の支払い86,359千円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における投資活動の結果、使用した資金は216,044千円(前年同期は102,359千円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出194,869千円、無形固定資産の取得による支出4,899千円、敷金の差入れによる支出16,664千円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度における財務活動の結果、得た資金は790,441千円(前年同期は275,632千円の収入)となりました。これは長期借入れによる収入910,400千円等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

 当社は生産を行っていないため、生産実績の記載はしておりません。

 

b 受注実績

 当社は受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

c 販売実績

 当事業年度の販売実績を示すと、以下の通りです。

 

前事業年度

当事業年度

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

前期比(%)

トランクルーム運営管理事業(千円)

646,911

116.2

749,018

115.8

トランクルーム開発分譲事業(千円)

2,418,817

96.3

2,430,306

100.5

その他 不 動 産 取 引 事業(千円)

146,119

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

ルートエス・ジェイ合同会社

1,575,000

51.4

1,929,500

58.0

メットライフ生命保険株式会社

655,307

21.4

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。

 

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・結果内容

(売上高、売上原価)

 当事業年度における売上高は、3,325,443千円となりました。

 その主な要因は、下目黒トランクルーム、東長崎トランクルーム、西大井トランクルーム及び那覇泉崎トランクルームの完成、売却等によるものです。

 また、売上原価2,791,374千円となりました。これは、売上高同様開発事業の順調な開発によるものです。

 その結果、売上総利益は、534,069千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当事業年度における販売費及び一般管理費は、383,051千円となりました。

 その主な要因は、開発部、営業部共に従業員増加による人件費の増加によるものです。

 その結果、営業利益は、151,017千円となりました。

 

(営業外損益)

 当事業年度における営業外収益は、34,633千円となりました。これは、主に太陽光売電収入による収益28,256千円を計上したことによります。営業外費用は、28,249千円となりました。これは、主に太陽光売電原価による費用21,054千円を計上したことによります。

 その結果、経常利益は、157,401千円となりました。

 

(特別損益及び当期純利益)

 当事業年度における特別損益はありません。

 

 以上の結果、税引前当期純利益は、157,401千円、当期純利益は、109,846千円となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

④ 資金の財源及び資金の流動性

a.キャッシュ・フローの状況

 「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資金の需要

 当社における資金需要は、主として売上原価となります販売用不動産の仕入れ資金であります。これらは、短期借入れ資金として銀行等の金融機関から調達を行っております。

 今後も事業活動を支える資金調達については、低コストかつ安定的、機動的な資金の確保を主眼として多様な資金調達方法に取り組んでまいります。

 なお、事業拡大に伴う多額の先行投資が見込まれる場合は、これらの資金需要に対応するため自己資金、金融機関からの借入れ及びエクイティファイナンス等で調達することを予定しております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標

a.当社の経営目標

 当社は、個人及び企業がユーザーとなるトランクルームの企画、開発、運営をしております。そのため下記の指標を経営上の管理目標としております。

・トランクルーム利用者の成約、解約の状況及び現在稼働している室数、全体室数に対する稼働室数(稼働率)

・トランクルーム開発及び売却時の、不動産としての物件の仕入れ高と完成後の売却金額による物件売却利益率

 

b.当社の4つ経営方針

イ.トランクルーム開発後の完売による利益率の確保及び向上を図る

ロ.既存物件及び大型マスターリース案件の稼働率アップによる収益拡大を図る

ハ.コンプライアンスの徹底による管理・運営体制の強化を図る

ニ.既存ビルへの出店や商業施設等への出店等への新たな営業戦略を推進する