リスク
3 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載の中で将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、必ずしもリスクに該当しない事項についても、投資判断の上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しておりますが、以下のリスク項目は、当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅したものではありません。
(1)商品の在庫と仕入れについて
当社グループは、一部の商品を需要予測に基づき在庫保有しておりますが、市場の変化、顧客事情等により予測した需要が実現しないおそれがあります。
また、サプライヤーとの間では、安定した商品供給体制を整えていただくよう要請しておりますが、社会経済環境の変化等から生じる原材料の高騰や入手困難等による生産数低減又は製造原価の上昇や、為替レートの急激な変動などにより安定した商品仕入れができなくなるおそれがあります。
このような事態が発生した場合には、評価損及び廃棄損を計上することや販売機会の逸失により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)技術革新について
コンピュータの周辺機器である各種印字装置は、各メーカーの技術開発が著しく、レーザープリンターや複写機・複合機におきましても進化が目まぐるしい状況です。当社グループとしましては、業務提携先等と緊密な連携を保ち、リサイクル商品の開発、改良等を継続的に行っておりますが、当社グループが新技術への対応に遅れた場合、当社グループの提供するリサイクル商品が陳腐化し、競合他社に対する競争力が低下する可能性があります。
仮にこのような事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)信頼性の維持について
当社グループは、情報セキュリティ基本方針を定め、情報セキュリティの維持・管理に努めております。しかしながら、何らかの原因により、情報システムの停止、個人・顧客情報の流出やコンピュータ・ウイルス、ハッカー、不正侵入等が生じた場合、当社グループの企業イメージの悪化につながり信頼が損なわれるおそれがあります。
このような事態が発生した場合、当社グループの事業や業績に影響を与える可能性があります。
(4)知的所有権及び知的財産権について
① リサイクル商品について
リサイクル商品においては、インクカートリッジに関する特許権を争う裁判の事例として、次のものがあります。2004年12月8日、「インクジェットプリンター用のインクタンクに関し特許権を有する原告(キヤノン株式会社)が、被告(リサイクル・アシスト株式会社)を相手取り、特許権に基づき、製品の輸入、販売等の差止め及び廃棄を求めたのに対し、被告が特許権の消尽等を主張して争った事案」について、「原告の請求をいずれも棄却する。」旨の判決が出され、これを不服とした原告が控訴し、2006年1月31日、知的財産高等裁判所において原判決が取り消されました。その後、被告が判決を不服として最高裁判所に上告しましたが、2007年11月8日、「加工して新たな特許製品が製造されたとみなせる場合は、特許権侵害に当たる」として棄却し判決が確定しました。
当社グループの主力商品であるリサイクル商品(リパックトナー)はトナーカートリッジであり、現時点において、知的所有権に関する侵害訴訟等、当社グループが関係する係争事件はありませんし、前述判決の影響は直接受けておりませんが、リサイクルトナーカートリッジ業界において、リサイクル事業とトナーカートリッジメーカーが所有する知的所有権との関わりについては慎重に対処すべきとの認識があり、当社グループにおいても未然に防止できるよう万全の注意を払っておりますが、将来において当社グループのリサイクル事業に関する訴訟事件等が発生する可能性を完全に排除することはできません。
このようなことから、第三者からの損害賠償や使用差止め等の請求を受けた場合、当社グループの事業や業績に影響を与える可能性があります。
② その他知的財産について
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害することのないよう、販促物、WEBサイト等の制作を行っておりますが、当該制作物が第三者の知的財産権を侵害し、損害賠償や使用差止め等の請求を受けた場合、当社グループの事業や業績に影響を与える可能性があります。
(5)リサイクル商品の品質維持について
当社の駒ヶ根工場では、品質管理基準ISO9001の認証を取得して品質マネジメント体制を構築していますが、すべての商品の品質について、将来何らかの問題が発生しないという保証はありません。
また、製造物賠償責任保険に加入はしていますが、この保険が最終的に当社グループの負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大きな損失や当社グループに対する評価の低下につながる品質問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)システムの障害について
当社グループは「ケイティケイ YORIDORI」「ケイティケイ はっするネット」「TryAngle」等のシステムの検査を繰り返し実施し、欠陥を未然に発見する努力をしておりますが、それらに欠陥がないということは完全に保証できず、システムに誤作動や不具合等が生じた場合には、損害賠償の発生や当社グループの信頼喪失につながるおそれがあります。
また、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存をしているため、自然災害等の偶然な事由によりネットワークの機能が停止した場合、並びに当社グループが出品する他社が運営するECサイトに障害が発生した場合、売上機会の損失が発生する可能性があります。
これらの事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)企業間取引(BtoB)について
当社グループは、日本国内において、企業活動に必要なオフィス用品全般を供給する企業間取引を中心に事業展開をしております。そのため、日本国内の景気変動をはじめ、企業の業績低迷による購買需要の減少や調達方針の変更による納入価格の引き下げ、契約の予期せぬ終了等により、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
(8)売上の季節変動性について
当社グループの株式会社青雲クラウンの業績は、一般的な年度末及び年度始めにあたる当社の第3四半期連結会計期間以降に売上高が多く計上されるという季節的変動があります。
この季節変動性については平準化に努めておりますが、当社第3四半期連結会計期間以降は人的負荷が集中する傾向があるため、当該時期に適切に人員を確保又は配置出来なかった場合には、販売機会を逸失するおそれがあります。
(9)人材の確保及び育成について
当社グループは、スピード感のある事業展開を実現するために、それに対応する優秀な人材の確保と育成が重要であると考えております。しかし、人材の育成が計画どおりに進まなかったり、新入社員の採用や中途採用ができないなどで当社グループにおいて必要な人員拡充ができない、又は想定以上のコストが生じる可能性があります。
このような事態が発生した場合、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)事業の再構築、企業買収及び業務提携等の戦略的投資について
① 事業の再構築について
当社グループは、経営の効率化と競争力の強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員の適正化等による事業の再構築を行うことがあります。
これらの施策によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 企業買収及び業務提携について
当社グループは、今後の事業拡大のため企業買収や業務提携などを実施する場合があります。当社グループは、投資案件について、十分に事前評価し投資を行っておりますが、投資先の事業の将来の予測を正確に行うことは困難な場合があり、投資先の業績の悪化等により計上したのれんの減損処理等により、当社グループの事業や業績に影響をおよぼす可能性があります。
(11)災害発生について
当社グループの事業所の多くは、東南海・南海地震防災対策推進地域に所在しており、この地域で大規模な地震が発生した場合、業務活動の遅延や停止が生じる可能性や当社グループの社内コンピュータシステムが機能しなくなり復旧に時間を要するおそれがあります。
仮にこのような事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(12)競合について
① リサイクル商品について
当社グループの事業展開する市場においては、将来の展望予測や収益の確保を見込んでリサイクルトナーカートリッジの販売等を新たな事業に加える同業他社や異業種からの新規参入が多く、競合の状況にあります。
今後、これらの同業他社との競合の激化によっては、販売価格の低下等が生じるおそれがあります。
このような事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える場合があります。
② その他競合について
当社グループが展開する、OA関連商品、ITソリューション・サービスの業界は、比較的容易にメーカーの販売代理店になることができるため、新規参入企業により当社グループの優位性が薄れた場合には、当社グループの業績に影響を与える場合があります。
(13)個人情報保護について
個人情報の管理に関しては、万全を期しておりますが、予期せぬ事態により流出する可能性があります。
このような事態が生じた場合、当社グループのブランド価値低下を招くとともに、多額の費用が発生する可能性があります。
(14)製造・品質管理について
当社グループの化粧品及び栄養補助食品などを添付・摂取することによりお客様の肌や体調に対し悪影響が発生する可能性があり、当社グループの製品の品質に問題があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)法的規制について
当社グループのインターネットを利用した通信販売などで「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」などの規制、化粧品及び栄養補助食品の製造、販売において「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」、「食品衛生法」、「栄養改善法」などの規制を受けております。このほか、事業活動を行う上で、労務、会計及び取引管理など様々な法規制の適用を受けております。これらの法規制に抵触することがあった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)確定給付企業年金資産の運用損益について
当社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けております。確定給付型の企業年金につきましては、その年金資産の運用成績、会計基準の変更等により、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、①株主に対する利益還元、②経営基盤の強化と積極的な事業展開に備えるための内部留保の確保、③当社従業員に対する還元の3つを基本方針としております。配当につきましては、このような方針に基づき、連結配当性向30%を目途に、成長に向けた投資との調整を図りつつ、業績に応じた配当を行うこととしております。
当社は、2016年11月11日開催の第45期定時株主総会決議により、会社法第459条の規定に基づき、取締役会の決議によって剰余金の配当を行うことができる旨を定款で定めております。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、2024年10月4日開催の取締役会決議により、1株につき8円とさせていただきました。なお、中間配当1株につき8円とあわせて当期の年間配当金は16円となります。
内部留保資金につきましては、企業価値の増大を図ることを目的として、中長期的な事業拡大のため、M&A、人材育成、DXの推進のためのシステム開発等に戦略的に投資し、長期的な競争力の向上と財務体質の強化を目指してまいります。
なお、当社は中間配当をすることができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。