リスク
3【事業等のリスク】
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループの株式に関する投資判断は、以下の記載事項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日(2024年3月21日)現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため実際の結果と異なる可能性があります。
(1)当社グループの事業内容について
① 価格形成の特殊性について
当社グループの主な取引商品である中古商用車は、同年式・同車種であっても、走行距離及び損傷の程度や事故歴等により売買される価格が異なります。また、付属装備品の性能の違いや有無によっても価格が異なります。一方、当社グループでは過去の取引実績や各地域で開催されている中古商用車オークションの結果をデータベース化しており、売買の参考としております。したがって、短期的に大幅な需要の低下が発生した場合、あるいは販売価格を的確に評価できなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 長期保有と商品評価損の発生可能性について
当社グループでは、商品である車両の劣化防止及び早期の資金回収の目的で、仕入を行った車両は可能な限り早期に売却することとしております。一方で、車両自体に特殊性が強く、早期に薄利で販売するよりも時間をかければ十分に利益を得られると判断できる車両については、戦略的に長期間保有する場合があります。しかしながら、それらの車両が売却にいたらなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、正味売却価額による棚卸資産の評価を行っており、物理的な劣化により品質低下した車両や、経済的な劣化、商品ライフサイクルの変化等により陳腐化した車両につきましては評価減を行い、商品評価損を計上しております。したがって、長期在庫が増加した場合には商品評価損も拡大し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制について
当社グループの事業は、「古物営業法」「自動車NOx・PM法」「自動車リサイクル法」等による法的規制を受けており、当社グループはこれらの法的規制に係る免許や許認可等を取得しております。現在当該免許や許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、万一将来このような事由が発生した場合は、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、今後これらの関係法規の新設、改廃等が行われた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 商用自動車メーカーに関するリスクについて
当社グループの取扱商品のメーカーが商品の安全性に問題があると認識されたにもかかわらずリコール等の処理を怠った場合には、当社グループの取扱商品の安全性に対する信頼が低下し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 競合について
中古商用車市場は、未だ市場規模が中古乗用車市場と比較しても小さく、オークション市場の出品台数や市場参加者数も限られており、市場としては未成熟であるといえます。また、乗用車と比較して車種が多いため査定が容易ではなく、参入障壁は比較的高いと考えておりますが、今後当該市場に有力企業が新規参入してきた場合あるいは新規参入者が増加した場合には、商品の獲得競争及び価格競争が激化し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 燃料費高騰について
当社グループが行っている運送関連事業は、原油価格の高騰等により燃料コストが上昇した場合、これら費用を顧客価格に転嫁できなければ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 交通事故の発生可能性について
当社グループでは、全社員に対して法令遵守を周知徹底し営業活動を行っておりますが、万一、重大な交通事故が発生した場合、顧客の信頼低下により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 為替変動リスク
当社グループの売上高に占める海外売上高の割合は大きくありませんが、為替変動の影響を受ける可能性があります。予想の範囲を超えた急激な為替変動が生じた場合等において、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)組織に関するリスク
① 小規模であること及び管理体制について
当社の組織は、取締役9名(うち監査等委員である取締役3名)、従業員41名(内、臨時従業員3名 2024年3月21日現在)と小規模であり、内部管理体制も規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大に伴い、内部管理体制の一層の充実を図る方針ではありますが、当社が事業拡大に応じて、適切かつ十分な組織的対応ができない場合には、組織効率が低下する可能性があります。また、人員の増加と連動する人件費の増加によって、経営効率が悪化する可能性があります。
② 人材の確保について
当社グループが今後成長していくためには、優秀な人材の確保、かつ、車両に対する知識が深く、交渉力に長けたコミュニケーションの取れる営業担当者、拡大する組織に対応するための管理担当者等といった人材の育成が必要不可欠と考えられます。当社グループが求める人材が十分に確保できなかった場合、あるいは現在在職している人材が流出するような場合には、今後の事業展開も含めて当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報の取扱いについて
当社グループは、売買が成立した際に、売買契約書を発行・締結する事で、顧客との売買契約を行い、その内容を社内管理システムに入力・蓄積し、このデータをもとに、過去の営業実績分析を行うとともに今後の営業戦略策定の基礎としております。したがって、社内における個人情報管理への意識を高めるとともに閲覧権を制限する等、個人情報が漏洩する事のないよう、その取扱いには留意しております。しかしながら、不正行為によるシステム侵入など、不測の事態により個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には、信用の失墜による売上の減少、及び損害賠償等が起こる事も考えられます。また、当社グループは「個人情報の保護に関する法律」を遵守して個人情報を取扱いますが、当該法令の内容及びその解釈・適用の状況によって、個人情報の利用などが制限され、当該法令に抵触する事態等が発生した場合には、行政処分、または刑罰の適用を受け、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
配当政策
3【配当政策】
当社は、利益配分につきましては、将来の事業展開と経営体質の強化及び業容の更なる拡大のために必要な内部留保を確保しつつ、安定的な配当を行うことを基本方針としております。
当社の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回を基本的な方針としており、中間配当は取締役会、期末配当は株主総会を、それぞれの配当決定機関としております。
当事業年度の剰余金の配当につきましては、業績など総合的に検討いたしました結果、株主の皆様の日頃のご支援にお応えすべく、1株当たり配当額として、前事業年度の6円50銭から1株当たり1円50銭増配し、8円00銭(うち中間配当2円50銭)とさせていただきました。この結果、当事業年度の配当性向は11.7%となりました。
内部留保資金の使途につきましては、今後の事業展開の備えとして投入していくこととしております。
なお、当社は中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(注) 基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は、以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額 (千円) |
1株当たり配当額 (円) |
2023年7月18日 |
5,997 |
2.50 |
取締役会決議 |
||
2024年3月19日 |
13,193 |
5.50 |
定時株主総会決議 |