2024年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります

医薬品卸売事業 医療機器卸売事業 薬局事業 介護事業 ICT事業
  • セグメント別売上構成
  • セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
  • セグメント別利益率

最新年度

セグメント名 セグメント別
売上高
(百万円)
売上構成比率
(%)
セグメント別
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
医薬品卸売事業 199,495 69.9 1,399 43.8 0.7
医療機器卸売事業 66,537 23.3 1,310 41.0 2.0
薬局事業 13,289 4.7 120 3.8 0.9
介護事業 4,292 1.5 326 10.2 7.6
ICT事業 1,600 0.6 39 1.2 2.4

事業内容

3【事業の内容】

 当社グループは、当社と連結子会社である㈱ほくやく、㈱竹山、㈱そえる、㈱三興保険サービス、㈱アドウイック、㈱マルベリー、㈱テスコ、㈱北海道医療情報サービス、㈱モルス、㈱クレインファーマシー、㈲羽幌調剤センター、㈱村井薬局、㈲久山薬局、㈱ノバメディカルと持分法適用の関連会社である㈱アグロジャパン、㈱長澤薬局および㈱リードスペシャリティーズで構成されております。

 また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 それぞれが営んでいる主な事業は次のとおりであります。

 なお、次の事業区分は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。

セグメントの名称

会社名

事業内容

医薬品卸売事業

㈱ほくやく

医療用医薬品・一般用医薬品の卸売

㈱アグロジャパン

農畜産用薬品の販売

㈱リードスペシャリティーズ

医療用医薬品・一般用医薬品の卸売

医療機器卸売事業

㈱竹山

医療機器等の卸売

㈱ノバメディカル

医療機器等の卸売

㈱テスコ

医療機器等の卸売

薬局事業

㈱そえる(注)

調剤薬局

㈱クレインファーマシー

調剤薬局

㈲羽幌調剤センター

調剤薬局

㈲久山薬局

調剤薬局

㈱村井薬局

調剤薬局

㈱長澤薬局

調剤薬局

介護事業

㈱マルベリー

介護用品等のレンタル、介護・福祉コンサルティング

㈱モルス

介護施設運営

ICT事業

㈱アドウイック

コンピュータ・ソフトウエアの開発・販売及び計算業務の受託

その他事業

㈱ほくやく・竹山ホールディングス

子会社の経営指導業務等

㈱三興保険サービス

保険代理店

㈱北海道医療情報サービス

SPD(院内物流)・新規開業支援

(注)当社の連結子会社でありました有限会社タカダ薬局につきましては、2023年4月1日に同じく当社の連結子会社である株式会社そえると合併いたしました。

 

 主な事業の系統図は次のとおりであります。

 (※)持分法適用会社

 

 当社の連結子会社でありました有限会社タカダ薬局につきましては、2023年4月1日に同じく当社の連結子会社である株式会社そえると合併いたしました。

業績

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概況

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の動きが活発になり緩やかに回復しつつあります。一方で、地政学リスクや円安、さらに物価や労務費の上昇といった影響もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような事業環境の中、2024年2月に当社グループの一部サーバが外部からの不正アクセスによりランサムウェア攻撃を受け、データの一部が暗号化される被害を受けましたが、現在は復旧し業務に支障はありません。

 本件では、発覚後速やかに内閣府個人情報保護委員会への報告ならびに北海道警察への被害申告および相談を行うとともに、二次被害の防止対策、復旧作業や分析調査等の実施、また外部専門機関の助言のもと、被害状況、原因等の調査を進めてまいりました。調査の結果、被害の概要および原因が判明し、暗号化の対象となったデータの漏洩等の痕跡は確認されておらず、これまで二次被害の情報がないことから、当社は、不正アクセス被害において、個人情報等のデータの漏洩等はなかったものと判断いたしました。詳しくは、2024年5月31日発表の当社ニュースリリースをご確認ください。

 当社グループにおいては、再発防止策として、より強固なセキュリティ対策ソフトの導入をはじめ、外部専門機関の意見も踏まえ、社内のサイバーセキュリティ対策委員会による最新の対策を戦略的に実行してまいります。

 また、当社社長はじめ道内各地域の事業会社の責任者がその地域で一堂に会して実施する「エリア・サミット」では、発見した地域ニーズに対応して、当社グループ各社で使えるサービス紹介ツールや独自の営業活動方法について企画・試行しました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は2,753億64百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は28億27百万円(同11.7%減)、経常利益は35億33百万円(同9.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年度は投資有価証券売却益が4億8百万円あった一方、当期は投資有価証券評価損として1億34百万円発生した影響などにより21億75百万円(同20.3%減)と大幅減益となりました。

 

 セグメント別の状況は、次のとおりであります。

 

(医薬品卸売事業)

 医薬品卸売事業におきましては、2023年4月に薬価改定が実施されたことにより厳しい市場環境が続いています。また、長期収載品の売上減少に加え、後発医薬品における供給面での混乱が未だに継続している状況です。このような厳しい環境ではありますが、新型コロナ治療薬の売上が増加したことと、抗がん剤など新薬の販売にも積極的に取り組んだ結果、売上全体では前年を上回る結果となりました。また、利益では、品目ごとのきめ細かい価格管理に取り組みましたが、仕入原価の上昇および新型コロナワクチン物流受託料の減少により減益となりました。

 その結果、売上高は1,994億95百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益は13億99百万円(同8.9%減)となりました。

 

(医療機器卸売事業)

 医療機器卸売事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は収まり、主要なお得意先における手術や検査などの件数が回復傾向となったため医療材料の売上は前年度を上回りました。備品においては前年度までの新型コロナウイルス感染症対策予算等の減少による影響がありましたが、売上全体では増収、利益につきましては2023年4月の診療報酬改定に伴うお得意先との医療材料の価格交渉などの影響もあり、減益となりました。

 その結果、売上高は665億37百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は13億10百万円(同16.6%減)となりました。

 

(薬局事業)

 薬局事業におきましては、2023年5月から新型コロナウイルス感染症の位置づけが「2類」相当から「5類」へ変わった影響もあり、処方箋枚数は前年対比で1.2%増加しております。売上は薬価改定の影響による薬剤料の減少はあるもののほぼ計画通りに推移しました。利益につきましては、4社統合の効果もあり大幅な改善となりました。

 その結果、売上高は132億89百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は1億20百万円(前年同期は0百万円の営業利益)となりました。

 

(介護事業)

 介護事業におきましては、福祉用具のレンタル・販売および住宅改修と介護ロボットの普及推進における営業員の増員・育成の強化を図りました。また、福祉用具サービス計画の作成提案から納品後のモニタリングの徹底まで、一貫した顧客重視の方針により、売上は安定的に推移しましたが、サービス付き高齢者向け住宅の新棟の入居の遅れに加え、例年実施されている介護ロボット導入支援事業の納入が、一部次年度になったことなどもあり減益となりました。

 その結果、売上高は42億92百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は3億26百万円(同2.9%減)となりました。

 

(ICT事業)

 ICT事業におきましては、一般企業や当社グループ各社からのICT投資案件を堅調に受注し、売上は前年度とほぼ同じ水準を維持しました。しかし、利益面では、当社グループのシステムを開発するための外注費や、当社グループへのランサムウェア攻撃による被害復旧作業などで生産性が低下し、前年度より減少しました。

 その結果、売上高は16億円(前年同期比1.4%増)、営業利益は39百万円(同32.9%減)となりました。

 

(その他事業)

 その他事業(子会社の経営指導・保険代理店・SPD・新規開業支援等)におきましては、売上高は18億4百万円(前年同期比14.4%減)、営業利益は3億84百万円(同46.5%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1,041億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ58億8百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が27億90百万円、受取手形及び売掛金が24億19百万円、および商品及び製品が4億35百万円増加したことによるものであります。固定資産は431億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億54百万円増加いたしました。これは主に土地が17億12百万円、投資有価証券が23億82百万円増加した一方、建物及び構築物が5億2百万円減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は、1,473億円となり、前連結会計年度末に比べ93億63百万円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は831億91百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億7百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が51億円、未払法人税等が1億83百万円増加したことによるものであります。固定負債は34億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億14百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が7億27百万円増加した一方、退職給付に係る負債が2億56百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、866億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ61億21百万円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は606億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億41百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が16億55百万円、その他有価証券評価差額金が17億17百万円、および退職給付に係る調整累計額が1億56百万円増加した一方、自己株式の取得により3億20百万円減少したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は41.2%(前連結会計年度末は41.6%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ27億90百万円増加し、208億13百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は57億27百万円(前年同期は8億28百万円の資金の支出)となりました。これは、資金の増加要素として税金等調整前当期純利益35億48百万円(前年同期比16.1%減)、減価償却費10億63百万円(同1.9%減)、仕入債務の増加50億83百万円(前年同期は4億37百万円の減少)、未払消費税等の増加2億51百万円(前年同期は2億19百万円の減少)などがありましたが、減少要素として売上債権の増加23億38百万円(前年同期比7.5%増)、棚卸資産の増加4億45百万円(同68.4%減)、法人税等の支払額10億53百万円(同20.1%減)、投資有価証券売却損益1億38百万円(同64.0%減)、持分法による投資利益1億23百万円(同8.2%増)などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は20億39百万円(前年同期比45.2%増)となりました。これは主に、投資有価証券の売却3億14百万円(同48.4%減)、補助金の受取額99百万円(前年同期は実績なし)の資金の獲得があった一方、有形固定資産の取得22億53百万円(前年同期比32.5%増)、無形固定資産の取得1億25百万円(同50.9%減)、投資有価証券の取得95百万円(同21.2%増)の支出があったことなどによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は8億98百万円(前年同期比7.5%増)となりました。これは主に自己株式の取得3億20百万円(同16.6%減)、配当金の支払い4億88百万円(同28.9%増)、リース債務の返済87百万円(同23.8%増)があったことによるものです。

 

④ 仕入及び販売の実績

a.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

医薬品卸売事業(百万円)

189,549

106.9

医療機器卸売事業(百万円)

60,498

100.8

薬局事業(百万円)

706

72.7

介護事業(百万円)

683

115.0

ICT事業(百万円)

903

114.6

その他事業(百万円)

合計(百万円)

252,340

105.3

 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

前年同期比(%)

医薬品卸売事業(百万円)

191,141

107.0

医療機器卸売事業(百万円)

66,009

100.1

薬局事業(百万円)

13,276

98.6

介護事業(百万円)

4,284

105.8

ICT事業(百万円)

595

122.0

その他事業(百万円)

57

96.1

合計(百万円)

275,364

104.9

 (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

「(1)経営成績等の状況の概況」に記載のとおりであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a.キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 b.財務政策

 当社グループは、これまでキャッシュ・フロー重視の経営を行ってきており、運転資金および設備資金につきましては、基本的には手元流動資金により賄うことを基本方針としております。この方針は今後も継続することとしておりますが、子会社個々の資金ポジションや拠点設備の狭窄化・老朽化に伴う設備投資など新たな投資計画の集中化も予想され、一時的に運転資金が不足することも考えられます。そうした場合には、当座貸越など、金融機関からの一時的な借入も合わせて検討していく予定であります。

 c.資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、会社業績と配当政策に基づき実施してまいります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主力事業である医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、薬局事業の経営における、国の医療費抑制策や診療報酬改定と薬価や償還価格の引き下げなどは、当社の売上や利益を左右する大きな要因となっております。また、国より薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が示され薬価の毎年調査・改定と国主導で医療用医薬品の流通改善に継続した取り組みが必要となっております。さらに「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範(JGSP)」改定に伴い物流品質の保証をする監視・監査の機関の設置や医薬品販売情報提供活動ガイドライン施行に伴って医薬品販売情報を監視・監査することで適正に推進する必要があります。

⑤ 経営戦略の現状と見通し

 当社グループを取り巻く環境は、地域に根ざす医療・介護・福祉の垣根のない連携がさらに必要となる市場へと変貌していきます。医療機関の機能分化と連携、医療・介護の総合確保、デジタル化が同時並行で進行する中、グループ各社がそれぞれの専門性を強化することに加え、これまで以上にグループが一体となってそれぞれの地域固有のニーズに対応するサービス展開が必要となります。

 

 今後、「在宅医療へのシフト」「医療と介護の連携」が北海道内のすべての地域で進んでまいります。各地域固有の状況を的確に分析し、最適なニーズを把握するため、前期からエリア・サミットの体制を強化しました。当社グループでは医療機関および調剤薬局向けにサービスを行う医薬品卸売事業と、医療機関向けにサービスを行う医療機器卸売事業に加えて、薬局事業および介護事業では地域社会の一人ひとりに直接につながる事業を行なっております。そのため、「在宅医療へのシフト」や「医療と介護の連携」における地域固有のニーズをいち早くとらえることが可能となっております。過去数回のエリア・サミットで発見した地域ニーズに対応して当社グループ各社で使えるサービス紹介ツールや独自の営業活動方法について企画することができ、現在試行している状況です。

 

 一方、政府による医療DX工程表が公表されるなど、医療・介護業界におけるDXの進展もまた待ったなしで進むことが予想されます。当社グループはDXを戦略の大きな要と位置付けております。当社が取り組むDXは①プロセスの構造改革による省力化、②経営指標の見える化、さらに③各地域における地域包括ケアを目指した事業連携を支援することを柱に進めております。これらの柱に共通する目的は「デジタルでつながる」ということであり、人財・モノ・組織さらには地域を「つなげる」ことで新しい価値・製品やサービスを創造してまいります。

 DXにおける当社の取組としては、既存の「基盤事業」への投資と、今後強化する革新的な「戦略事業」への投資との2つを検討しております。基盤事業においては、ICT要員の育成や当社グループ内での情報共有化、作業品質の向上や最新IT技術の導入など、主に人材開発など人財への投資を中心に行なってまいります。一方戦略事業においては、新しい技術の応用や大規模開発案件への対応をはじめとする技術および技術を支える“能力”を獲得するために、社外を意識した人財投資を検討してまいります。

 当社グループは本年2月に、一部サーバが外部からの不正アクセスによりランサムウェア攻撃を受け、データの一部が暗号化される被害を受けました。本件は、社内のICTに関する様々な面での反省と見直しの機会になりました。今後情報共有など、「デジタルでつながる」というDXの目標に大きく前進する機会といたしたく考えております。

 

 今後の戦略および方針として、医療機関の分化と連携や地域包括ケアシステムの推進に対応して、当社グループはこれまで以上に医療・介護業界に貢献することが可能であると信じております。①医薬品卸売事業では在宅医療を含む地域医療を支える選ばれた卸となるために、物流体制への投資と整備を図り、コストの最適化の対応を推進し、医療環境の変化を支えるインフラ機能とその継続性を高めてまいります。②医療機器卸売事業では、医療機関の新しい変化に対応するとともに、医療機器メーカーの適正な商材物流管理のニーズを支援できる流通の革新に挑むことで北海道内でのシェアを高めてまいりたいと考えております。さらに、③薬局事業や介護事業というBtoCの事業は、地域社会の一人ひとりに直接つながることができるという当社グループの1つの強みでありますため、2つの事業を推進するブランドの促進、人材育成、組織力の強化などに取り組んでまいります。④ICT事業では前述のDXを推進し「デジタルでつながる」を目指してまいります。

 

 当社グループは2024年度から始まる第6次中期経営計画の終了する2026年度には、ほくやく・竹山ホールディングスが設立して20周年目を迎えることになります。医療・介護業界のインフラを支える企業グループとして、地域医療・介護に貢献できる事業の継続性をさらに高める課題に取り組んでまいる所存でございます。

 

セグメント情報

(セグメント情報等)

【セグメント情報】

1.報告セグメントの概要

 当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

 当社グループは、事業種別毎に子会社を運営しており、当社役員が統括および管理を行っております。また、当社グループはこれらを基礎としているセグメントから構成されており、「医薬品卸売事業」、「医療機器卸売事業」、「薬局事業」、「介護事業」、「ICT事業」、「その他事業」の6つを報告セグメントとしております。

 「医薬品卸売事業」は医療用医薬品の卸売および一般用医薬品の卸売を行っております。「医療機器卸売事業」は医療機器等の卸売を行っております。「薬局事業」は調剤薬局を営んでおります。「介護事業」は介護用品等のレンタル・販売および介護施設の運営受託を行っております。「ICT事業」はコンピュータ・ソフトウエアの開発・販売および計算業務の受託を行っております。「その他事業」は子会社の経営指導業務、保険代理店、SPD(院内物流)および新規開業支援を行っております。

 なお、当連結会計年度より、従来、営業外収益に含めて表示しておりました受取事務手数料を売上高へ表示することに変更しております。これに伴い、前連結会計年度について遡及処理の内容を反映させた数値を記載しております。この変更は、当社グループが戦略の大きな要と位置付けているDX推進に伴い、医薬品卸売事業における取引先に対する情報提供サービスの重要性が高まっていることから、当該業務を営業活動として位置付け、当社グループの営業活動の成果を適切に表示するためであります。

 

2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法

 報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であります。

 報告セグメントの利益は、営業利益(のれん償却前)ベースの数値であります。

 セグメント間の内部収益および振替高は市場実勢価格に基づいております。

 

3.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額に関する情報

 前連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

 

医薬品

卸売事業

医療機器

卸売事業

薬局事業

介護事業

ICT事業

その他事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

178,572

65,914

13,468

4,051

487

60

262,554

セグメント間の内部売上高又は振替高

8,626

490

12

4

1,091

2,048

12,273

187,199

66,404

13,480

4,055

1,579

2,108

274,827

セグメント利益

1,536

1,571

0

335

59

717

4,221

セグメント資産

89,654

27,831

6,303

5,519

813

44,541

174,663

セグメント負債

58,403

19,294

2,569

3,638

454

1,458

85,818

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

520

229

88

171

21

52

1,084

減損損失

1

35

36

持分法適用会社への投資額

1,177

25

28

1,231

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

953

241

103

663

40

7

2,010

 

 当連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

報告セグメント

合計

 

医薬品

卸売事業

医療機器

卸売事業

薬局事業

介護事業

ICT事業

その他事業

売上高

 

 

 

 

 

 

 

外部顧客への売上高

191,141

66,009

13,276

4,284

595

57

275,364

セグメント間の内部売上高又は振替高

8,353

527

12

8

1,005

1,747

11,655

199,495

66,537

13,289

4,292

1,600

1,804

287,019

セグメント利益

1,399

1,310

120

326

39

384

3,579

セグメント資産

98,505

27,707

6,263

5,603

858

44,451

183,390

セグメント負債

64,917

18,503

2,506

3,585

468

1,585

91,565

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費

484

221

73

223

25

36

1,063

減損損失

0

4

77

3

86

持分法適用会社への投資額

1,275

28

47

1,350

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

2,025

160

144

177

11

48

2,569

 

4.報告セグメント合計額と連結財務諸表計上額との差額及び当該差額の主な内容(差異調整に関する事項)

(単位:百万円)

売上高

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

274,827

287,019

セグメント間取引消去

△12,273

△11,655

連結財務諸表の売上高

262,554

275,364

 

(単位:百万円)

利益

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

4,221

3,579

セグメント間取引消去

△906

△645

のれんの償却額

△93

△87

棚卸資産の調整額

△18

△18

連結財務諸表の営業利益

3,203

2,827

 

(単位:百万円)

資産

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

174,663

183,390

セグメント間取引消去

△36,707

△36,070

棚卸資産の調整額

△18

△18

連結財務諸表の資産合計

137,937

147,300

 

(単位:百万円)

負債

前連結会計年度

当連結会計年度

報告セグメント計

85,818

91,565

セグメント間取引消去

△5,409

△4,819

退職給付に係る負債の調整額

85

△130

連結財務諸表の負債合計

80,494

86,616

 

(単位:百万円)

その他の項目

報告セグメント計

調整額

連結財務諸表計上額

前連結会計年度

当連結会計年度

前連結会計年度

当連結会計年度

前連結会計年度

当連結会計年度

減価償却費

1,084

1,063

1,084

1,063

減損損失

36

86

△0

36

86

持分法適用会社への投資額

1,231

1,350

1,231

1,350

有形固定資産及び無形固定資産の増加額

2,010

2,569

△53

△72

1,957

2,496

 

【関連情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日  至2023年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:百万円)

 

 

医療用医薬品

医療機器関連

調剤薬局

介護関連

IT機器

販売・開発

その他

合計

外部顧客への売上高

171,470

71,877

13,468

3,994

487

1,256

262,554

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 海外売上がないため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外の国または地域に所在する連結子会社および在外支店がないため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

1.製品及びサービスごとの情報

(単位:百万円)

 

 

医療用医薬品

医療機器関連

調剤薬局

介護関連

IT機器

販売・開発

その他

合計

外部顧客への売上高

183,907

72,092

13,276

4,227

595

1,266

275,364

 

2.地域ごとの情報

(1)売上高

 海外売上がないため、記載を省略しております。

 

(2)有形固定資産

 本邦以外の国または地域に所在する連結子会社および在外支店がないため、記載を省略しております。

 

(注)当連結会計年度より、報告セグメント別の情報から収益の分解情報の区分に合わせた情報に変更しております。これに伴い、前連結会計年度も変更後の区分に組み替えた金額で表示しております。

 また、当連結会計年度より、従来、営業外収益に含めて表示しておりました受取事務手数料を売上高へ表示することに変更しております。これに伴い、前連結会計年度について遡及処理の内容を反映させた数値を記載しております。この変更は、当社グループが戦略の大きな要と位置付けているDX推進に伴い、医薬品卸売事業における取引先に対する情報提供サービスの重要性が高まっていることから、当該業務を営業活動として位置付け、当社グループの営業活動の成果を適切に表示するためであります。

 

 

 

【報告セグメントごとの固定資産の減損損失に関する情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日  至2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

医薬品

卸売事業

医療機器

卸売事業

薬局事業

介護事業

ICT事業

その他事業

全社・消去

合計

減損損失

1

35

36

 

当連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

医薬品

卸売事業

医療機器

卸売事業

薬局事業

介護事業

ICT事業

その他事業

全社・消去

合計

減損損失

0

4

77

3

0

86

 

【報告セグメントごとののれんの償却額及び未償却残高に関する情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日  至2023年3月31日)

(単位:百万円)

 

医薬品

卸売事業

医療機器

卸売事業

薬局事業

介護事業

ICT事業

その他事業

全社・消去

合計

当期償却額

108

2

111

当期末残高

960

960

 

当連結会計年度(自2023年4月1日  至2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

医薬品

卸売事業

医療機器

卸売事業

薬局事業

介護事業

ICT事業

その他事業

全社・消去

合計

当期償却額

108

108

当期末残高

851

851

 

【報告セグメントごとの負ののれん発生益に関する情報】

前連結会計年度(自2022年4月1日 至2023年3月31日)

 該当事項はありません。

 

当連結会計年度(自2023年4月1日 至2024年3月31日)

 該当事項はありません。