リスク
3 【事業等のリスク】
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の予防または回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 販売について
売上高・利益水準の季節変動について
当社グループの主要事業である「泳ぎとらふぐ料理専門店 とらふぐ亭」の店舗は、業態や取扱品目の特性上、繁忙期に当たる上期と閑散期に当たる下期の売上高や利益の水準に極端な差異が認められます。当社グループの繁忙期と閑散期の売上高等の比率は下表のとおりであります。
当社グループといたしましては、閑散期の販売促進方法の確立、季節ごとのメニュー構成の再考などにより収益の向上を図ることで、年間を通じて安定した売上・利益を確保する考えでありますが、当該状況が継続する可能性があります。
( )内は各期ごとの上・下期の売上割合を表わしております。
(2) 仕入について
① 主要食材の取引量確保について
当社グループは主要食材であるとらふぐについては、国産とらふぐのみを仕入れております。従いまして今後も国産とらふぐの安定した確保が重要となります。
当社グループは良質な国産とらふぐを調達するため、養殖事業への追加投資や生産段階からの情報交換等、計画的な仕入体制を構築しております。また、とらふぐ及び本まぐろの養殖のみならず、生産地における活魚や本まぐろのグループ外への販売を実施して、生産者との連携を強化しております。
しかしながら、今後、何らかの要因により国産とらふぐの取引量が確保できない場合は、店舗での注文や身欠きふぐの注文に応じられない等により、当社グループの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② 主要食材の価格変動の影響について
当社グループの主要食材であるとらふぐの市場価格は需給関係により相場が変動しやすく、安定的な価格による調達が重要となります。
当社グループは、養殖事業への追加投資や、生産者ネットワーク化、仕入業者の拡大等により価格変動等のリスク分散を図っていく所存であります。
しかしながら、今後、何らかの要因により国産とらふぐの価格が大きく変動した場合、原価率が悪化すること等により、当社グループの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
③ 養殖事業について
当社グループは、国内において養殖事業を営んでおりますが、予防困難な魚病や自然災害等が発生した場合や、何らかの要因により漁業行使権契約が継続できなくなった場合には、養殖計画どおりに生産ができなくなること等により、当社グループの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 当社の事業体制について
① 短時間労働者(パートタイマー)等の雇用について
当社グループでは多数のパート・アルバイトを雇用しておりますが、今後の労働人口の減少などで適正な労働力を確保できなかった場合には、人員確保のための採用費用が増加すること等により、当社グループの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、各種労働法令の改正等、あるいは厚生年金保険の加入資格の拡大等、パート・アルバイトの処遇に関連した法改正が行われた場合、人件費や管理費用負担が増加すること等により、当社グループの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定地域に対する依存度について
当社グループは関東地区において飲食事業を行っております。将来、関東地区にて地震等の大規模災害が発生した際には、営業店舗及び加工場・配送センターの損傷等による修繕費用負担、営業日数・営業時間の減少や顧客行動の変化により、当社グループの経営成績、財政状態や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
③ 個人情報の管理について
当社グループでは、店舗で行っている販促サービス、web等で実施している予約サービスとしての顧客情報と、お客様からのメールや電話等で取得した情報及び社員、パート・アルバイト等の個人情報を取り扱っております。
当該個人情報の管理は、取得時は利用目的をあらかじめ説明し、取得後にはデータの漏洩、滅失又は毀損が発生しないように万全を期しておりますが、何らかの理由により個人情報が漏洩した場合には、損害賠償請求の発生や社会的信用の低下等により、当社グループの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
④ 店舗賃借物件への依存について
当社グループは、事務所や大部分の店舗を賃借しております。賃借期間は賃貸人との合意により更新可能でありますが、賃貸人側の事情により、賃借契約を解約された場合には、営業の継続が困難になること等により、当社グループの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、賃貸人に対して令和5年9月期末時点で総額5億56百万円の保証金を差し入れておりますが、その一部が倒産その他の賃貸人に生じた事由により回収できなくなること等により、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制について
① ふぐ調理師免許制度について
ふぐを食材として取り扱う場合、ふぐの毒に起因する食中毒を未然に防止し、食品の安全性を確保することを目的として、都道府県知事からのふぐ取扱所及びふぐ調理師免許の認証が必要となります。当社グループは、安全な食材提供を第一に考えると共に、今後の出店計画・出店地域を勘案して、従業員のふぐ調理師免許の取得・登録に注力しております。
しかしながら、今後、出店予定地域におけるふぐ調理師免許の保持者が不足した場合、予定した出店を行うことができず、当社グループの経営成績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② 食品衛生法について
当社グループは飲食店として食品衛生法の規制を受けております。食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生の防止並びに公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的としており、飲食店を営業するに当たっては、食品衛生管理者を置き、厚生労働省令の定めるところにより、都道府県の許可を受けなければなりません。
また、営業店舗での食中毒の発生や、腐敗物の提供、未認証の添加物使用などの違反行為を行った場合には、所轄の保健所は、当該店舗における営業許可の取り消し、または当該店舗の営業の全部もしくは一部について期間を定めて営業停止を命じることがあります。
今後、当社グループ店舗にて、何らかの要因で食中毒等が発生した場合には、営業停止や当社グループへの評価の低下などにより、当社グループの経営成績や事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外での事業展開について
当社グループは、米国ニューヨークにIchiban Foods Inc.及びIchiban Foods Broadway Inc.を設立し、鮮魚メニューを中心とした和食レストランを経営するとともに、クロマグロ、ブリなどの鮮魚・和食器などの販売事業も行う「物産販売所併設の和食シーフードレストラン」を営業しております。
しかしながら、米国における経済状況、政治及び社会体制の著しい変化、為替相場、法的規制や取引慣行等により、当社グループの事業展開が何らかの制約を受ける可能性もあり、その場合、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6) 訴訟に関するリスクについて
当社は、当社の元FC加盟店である株式会社竹野谷より、債務不履行に基づく損害賠償金として35,845千円の支払いを求められております。
当社は当該請求には合理性は無いものと判断しており、現在係争中であります。今後の推移によっては当社の経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点では未確定であります。
(7) その他
① ストック・オプションによる株価希薄化について
平成26年12月25日、平成27年12月25日、平成28年12月26日、平成29年12月26日及び令和元年12月24日開催の定時株主総会決議に基づき、当社及び当社子会社の取締役、従業員及び社外協力者を対象に会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づくストック・オプションを目的とした新株予約権の無償発行を行っております。また令和5年2月28日開催の取締役会決議に基づき、当社の取締役を対象に会社法第236条、第238条及び第240条の規定に基づくストック・オプションを目的とした新株予約権の有償発行を行っております。
令和5年9月期末現在、希薄化効果を有する未行使のストック・オプションは株式数換算で380,000株(発行済株式総数に対して4.2%)あります。
今後も株主総会の承認が得られる範囲内において、このような新株予約権の付与を継続する方針でありますが、ストック・オプションの行使がなされた場合には、当社株式価値が希薄化する可能性があります。
② 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を最重要課題と認識しつつ、設立以来、適時な設備投資のための財務体質の強化及び人材の確保による競争力の向上を経営の重要課題として取り組んでまいりました。即ち、顧客のニーズに基づいた適時な設備投資、人材採用のための内部留保の確保ひいては財務体質の強化に重点を置きつつ、経営成績及び財政状態を勘案しながら、成長に見合った配当を検討していく方針であります。
しかしながら、当社の業績が計画どおりに進展しない場合には、配当を実施できない可能性があります。
配当政策
3 【配当政策】
当社は、株主の皆様への適切な利益還元を経営上の最重要課題と位置づけておりますが、一方で顧客のニーズに基づいた適時な設備投資、人材採用のための内部留保の確保ひいては財務体質の強化に重点を置きつつ、経営成績及び財政状態を勘案しながら、成長に見合った配当を検討していく方針であります。
当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本方針としており、株主総会の決議を経て、決定いたします。なお、取締役会決議により、毎年3月31日を基準日として、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
なお、今後におきましては、業績結果及び財務状況等の水準を十分に勘案した上で、利益配当の継続的実施に向けて取り組んでまいります。