事業内容
セグメント情報
セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
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セグメント別売上構成
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セグメント別利益構成 セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります
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セグメント別利益率
最新年度
セグメント名 | セグメント別 売上高 (百万円) |
売上構成比率 (%) |
セグメント別 利益 (百万円) |
利益構成比率 (%) |
利益率 (%) |
---|---|---|---|---|---|
MFD | 2,065 | 74.1 | 325 | 94.5 | 15.7 |
CID | 245 | 8.8 | -323 | -94.1 | -131.9 |
マーケティング | 475 | 17.1 | 342 | 99.6 | 72.0 |
事業内容
3【事業の内容】
当社は、MFD事業(健康食宅配事業)、CID事業(旬や国産の食材にこだわった冷凍食宅配事業)及びマーケティング事業(カタログ誌面の広告枠販売、サンプリング等の業務受託、健康食レシピ情報サイトの運営)を展開しております。これらのうち、MFD事業及びマーケティング事業は相互に関連しており、独自のビジネスモデルを構築しております。MFD事業で構築した紹介ネットワークを活用し、マーケティング事業においてサンプリング業務を行うなど、収益源を多様化させております。
当社は、下記のビジョン及び経営理念を企業理念として掲げております。
〈ビジョン〉
一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します。
〈経営理念〉
お客様の健康を心から願う企業であり続けます
当社は、単に食事を宅配するだけではなく、生活習慣病患者等のターゲット層に対する食事の宅配を入口としたソリューションサービスという特徴を強化することによって、将来的にはヘルスケア総合企業となることを目指しております。
少子高齢化社会、外食機会の増大による生活習慣病患者の急増などから、医療費は増加しております。現状の医療費の自己負担レベルでは社会保険システムの維持は困難であります。
そこで、当社では、こうした社会状況を変革したいという理念のもと、健康増進の推進を図るためには、第一に「食事コントロール」、それでも困難な時に「医療」を行うのが望ましいという考え方を『一食二医』という当社の造語により提唱しております。『一食二医』社会を実現することでお客様の健康に貢献し、活力ある社会を実現すべく事業に取り組んでおります。
当社の事業における当社の位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。
(1) MFD事業
MFDとは、Medical Food Deliveryの略であり、当社の健康食宅配事業部門の社内呼称であります。
当社が提供する健康食『ミールタイム』を召し上がっていただく方への当社栄養士による無料カウンセリングや、定期購入いただくお客様に担当の栄養士がついて定期的にお客様の疾病、制限数値、お好みに合わせてバランス良くメニューを選ぶサービス等、単に食事を宅配するだけではなく、カウンセリングサービスに注力している点で、他の食事宅配事業者との差別化を実現しております。
当社の栄養士が商品企画から販売まで手がける健康食は、冷凍の弁当の形態をとっており、「ヘルシー食」、「ヘルシー食多め」、「低たんぱく食」、「パワーアップ食」、「やわらか食」の分類がございます。まず、それぞれの役割と商品特性について以下のとおりご説明いたします。
① ヘルシー食
エネルギーや塩分を調整したお食事で、全ての商品で塩分を2.0g未満に、エネルギーをおかずのみの商品で300kcal未満、ごはん付きで500kcal未満に調整してあります。糖尿病・脂質異常症・高血圧・痛風・メタボリックの方におすすめしております。
② ヘルシー食多め
「ヘルシー食」と同様、エネルギーや塩分を調整したお食事で、全ての商品で塩分を2.0g未満に調整してあります。ヘルシー食では分量が少ないという方に向けて、内容量をおかずのみの商品で300g以上、ごはん付きで400g以上に調整してあります。エネルギーは、おかずのみの商品で350kcal程度、ごはん付きで600kcal程度に調整してあります。糖尿病・脂質異常症・高血圧・痛風・メタボリックの方で、食事の制限数値が比較的緩やかな方におすすめしております。
③ 低たんぱく食
たんぱく質・カリウム・リン・塩分を抑えたお食事で、全ての商品でたんぱく質を10.0g未満に、塩分を2.0g未満に調整してあります。たんぱく質・カリウム・リン・塩分の摂取を控える必要のある腎臓病の方や透析を行っている方におすすめしております。
④ パワーアップ食
たんぱく質及び特定栄養素(食物繊維・カルシウム・鉄・マグネシウム)を補給することのできるお食事で、全ての商品でたんぱく質を22.7g以上に調整してあります。また、特定栄養素のうち、いずれか一つの栄養素について1日に必要な摂取量の約半分を摂取できるよう、食物繊維補給タイプは食物繊維を10.0g以上、カルシウム補給タイプはカルシウムを350mg以上、鉄補給タイプは鉄を5.3mg以上、マグネシウム補給タイプはマグネシウムを160mg以上に調整してあります。たんぱく質や特定栄養素の摂取量が不足しがちな方におすすめしております。
⑤ やわらか食
エネルギーや塩分コントロールだけでなく、咀嚼・嚥下が困難な方におすすめしております。「ヘルシー食」と同様、全ての商品で塩分を2.0g未満に、エネルギーをおかずのみの商品で290kcal以上350kcal未満に、ごはん付で500kcal未満に調整してあります。
当社では、「ヘルシー食」、「低たんぱく食」それぞれで豊富なメニューを用意しており、その種類は200種類以上にのぼります。その中から顧客個人の疾病、制限数値、嗜好に合わせて選択できるよう、「選ぶ楽しみ」のある健康食を提供することに努めております。
また、年4回のカタログ発行の都度、旬の食材を使用した商品を提供することで、顧客を飽きさせることなく、「食の楽しみ」を提供することに努めております。
主に医療機関において配布いただいている健康食通販カタログ『ミールタイム』は、3月(春号)・6月(夏号)・9月(秋号)・12月(冬号)の年4回発行しており、毎号80万部で年間320万部を発行しております。
また、調剤薬局において配布いただいている健康食通販カタログ『ミールタイム ファーマ』は、3月(春夏号)・9月(秋冬号)の年2回発行しており、毎号25万部で年間50万部を発行しております。
健康食通販カタログ『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』は、全国19,698箇所(2024年3月末現在)の紹介ネットワーク(医療機関(病院、一般診療所)13,607箇所、調剤薬局4,119箇所、保健所・介護施設等1,972箇所)において無料で配布いただいております。これらの紹介ネットワークにおいて、生活習慣病患者が診察・栄養指導等を受ける際に、医師・管理栄養士等から直接『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』を配布いただき、ご自宅にて健康食をご注文いただいております。
当社は、この紹介ネットワークを構築している点で、他の食事宅配事業者との差別化を実現しております。また、本ネットワークを活用することでマーケティング事業の展開につなげており、収益源を多様化させております。
当社では、カタログ発行に加えてオンラインショップを開設しており、これらの媒体を通じて、電話・FAX・WEB・郵送・定期にて健康食を販売しております。また、当社の管理栄養士・栄養士が担当としてつき、お客様の疾病、制限数値、嗜好に合わせて食事を選び、定期的に商品をお届けするサービス「栄養士おまかせ定期便」を展開しており、継続することが大切な食事療法において、血液検査数値の改善へ向けたお客様のサポートに努めております。
受注時の顧客への血液検査数値や制限数値のヒアリング及びアンケートの実施により情報を収集し、それらの情報を社内に蓄積することで、当社の商品開発に活用しております。また、一部の商品については、当社の紹介ネットワークを活用して、医療機関で活躍されている管理栄養士に考案いただいたレシピを商品化しており、食事療法をとられている生活習慣病患者が安心してお召し上がりいただけるメニューを提供しております。
このような取り組みにより、健康食宅配サービス『ミールタイム』における受注件数は、2024年3月期に290千件となっております。
この他、医療機関との関係構築を目的として支社を開設しております。支社では、医療機関で働く管理栄養士を直接訪問することで、紹介ネットワークである医療機関との良好な関係の構築に努め、より多くの方々にカタログを配布いただけるよう働きかけを行っております。その中でも特に積極的にカタログを配布いただいている医療機関の管理栄養士については、当社ウェブサイトにて医療機関栄養士のリコメンドとして紹介しております。
(2) CID事業
CIDとは、Cooking Immediately Deliveryの略であり、旬や国産の食材にこだわった冷凍食宅配事業部門の社内呼称であります。
旬の国産食材を仕入れてすぐにメニューを開発し、自社工場で製造し、顧客に販売することをコンセプトにしていることから、『旬をすぐに』と名付けた冷凍食宅配サービスを展開しております。これまで当社がMFD事業において対象としてきた顧客とは異なり、若年層で健康な方、仕事や家事で多忙にしており家で料理をする時間のない方などを顧客ターゲットとして、電子レンジで温めるだけで召し上がることのできる冷凍食を販売しております。
当社独自の食材調達ネットワーク、食材の細胞膜や組織を壊さないように食材ごとに異なる最適な加熱温度での処理、冷凍工学に基づいた冷凍技術、健康被害の恐れのある特定の食品添加物の不使用、AIが顧客の嗜好を学習して最適なメニューを提案する定期購入サービス「AI旬すぐ」の提供などの点で、他の冷凍食や食事宅配事業者との差別化を実現しております。
当社が製品の企画から原材料調達、製造、販売までを一貫して手がける、旬や国産の食材にこだわった冷凍食『旬をすぐに』には、「旬すぐ」、「旬すぐBOX」、「旬すぐご飯」の分類がございます。それぞれの特徴について以下のとおりご説明いたします。
① 旬すぐ
旬の国産食材を使用した、おかず、麺類、丼物、スイーツなどの一品料理で、製品一食につき税込398円(より厳選された食材を使用して作られたPREMIUMシリーズは税込498円、SUPER PREMIUMシリーズは税込598円)で販売しております。
② 旬すぐBOX
旬の国産食材を40種類以上使用した、一つのプレートに複数(6種、7種、9種)の一品料理のおかずを詰め合わせたもので、製品一食につき税込998円(より厳選された食材を使用して作られたPREMIUMシリーズについては税込1,098円)で販売しております。
③ 旬すぐご飯
一般財団法人日本穀物検定協会が公表している「米の食味ランキング」において特Aランクを獲得している国産米のみを使用したご飯で、製品一食につき税込198円で販売しております。
このように、従来とは異なる顧客層に対するサービスを提供し、自社工場で製造した独自の製品を販売することで、収益源を多様化させております。
(3) マーケティング事業
マーケティング事業は、当社のコア事業であるMFD事業の強みを活かしたビジネスであります。主なサービスは以下のとおりであります。
① カタログ誌面の広告枠販売
主として健康志向の商品を製造・販売している食品メーカー等に対して、健康食通販カタログ『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』の誌面広告枠を販売しております。健康食通販カタログ『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』を手に取る方の多くは、病院や一般診療所等の通院患者であります。これらの方々は、食品メーカー等の製造・販売する健康志向商品の想定する顧客層と合致するものであり、食品メーカー等にとっては顧客に直接訴求できる有用な媒体となり得るものであります。広告枠を販売することで食品メーカー等のマーケティング支援をしております。
② サンプリング等の業務受託
健康食通販カタログ『ミールタイム』を無料で設置・配布いただいている全国の医療機関を中心とした紹介ネットワークを活用し、健康志向の商品を製造・販売している食品メーカー等の市販商品のサンプリング(サンプル配布)業務などを受託しております。当社が長年にわたり関係を構築してきた紹介ネットワークを通じてサンプリングを実施しているため、健康改善を目指している患者様に食品メーカー等の商品サンプルを直接配布することが可能であります。食品メーカー等の委託企業としては、健康志向の商品を必要としている患者様に直接配布できるため、効果的なマーケティング活動が可能となります。
サンプリングの実施と同時に、紹介ネットワークの管理栄養士やサンプルを受け取った個人の患者様から、サンプリングにて配布した商品に関するアンケートを回収しております。当社では回収したアンケート結果を委託企業へフィードバックしているため、委託企業にとっては、自社商品についての意見を入手することができます。このように、効果的なマーケティング・リサーチや販促活動を可能にすることで、食品メーカー等のマーケティング活動を支援しております。
また、当社栄養士の監修により、食品メーカー等の委託企業が製造・販売している健康志向の商品についての販促ツールを作成し、紹介ネットワークを通じて患者様に配布しております。その商品を必要としている方へ直接情報提供することで、食品メーカー等のマーケティング活動を支援しております。
③ 食や健康に関するメディアの運営
管理栄養士・栄養士向けコミュニティサイト『Foodish』、管理栄養士考案のレシピサイト『はちまるレシピ』といったメディアを運営しております。『Foodish』は無料でご利用いただける栄養価計算ツール等により管理栄養士・栄養士の方の日頃の業務をサポートする他、ブログや交流会等のコンテンツを通じ、ユーザー同士のコミュニケーションの場を提供しております。『はちまるレシピ』は健康志向の商品を製造・販売している食品メーカー等の市販商品を使用して、エネルギーや塩分等に配慮した健康食レシピを作成・紹介しております。
このように、健康に関する情報や健康志向の商品を必要とされている方などに向けて、健康志向商品の利用を直接訴求したいと考えている食品メーカー等のマーケティング活動を支援しております。
事業の系統図は、次のとおりであります。
業績
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、政府の物価高対策や新型コロナウイルスの感染収束を受けて、インバウンド需要の増加やコロナ禍で蓄積された貯蓄を原資にした個人消費の増加基調が続いている一方、資源価格の上昇に伴うエネルギー・食料品の価格上昇を背景とした消費者の節約志向の高まりや購買力低下、人手不足による賃金上昇の価格転嫁に伴う物価の上昇により、個人消費の回復が遅れるおそれもあり、先行きは依然として不透明な状態が続いております。
当社が属する食事宅配市場は、共働き世帯の増加やライフスタイルの多様化、女性の社会進出、食料品の購入や飲食に不便を感じる高齢者を中心とする買物弱者の増加といった社会的背景や、新型コロナウイルスの感染拡大による生活様式の変化に伴って、宅配や冷凍食品への需要が増加しているため堅調に推移しております。
当社が主な顧客としている生活習慣病患者は年々増加傾向にあり、また、少子高齢化が進むことにより65歳以上の高齢者のみの世帯が増加するなど市場の成長が見込める経営環境となっております。そのため、食事宅配市場を今後の更なる成長が見込める有望市場と捉えて、新規参入する企業が増加しており、引き続き競争の激化が進んでおります。また、食品業界におきましては、食の安心・安全に対する消費者の関心が一層高まる中、企業の管理体制の徹底が求められております。
このような環境の中、当社では「一人でも多くのお客様に健康で楽しい食生活を提案し、豊かな未来社会に貢献します」という企業理念を念頭に、当社の強みである管理栄養士・栄養士によるきめ細かい栄養相談を活かして、お客様にとって価値の高い商品及びサービスを提供し、品質向上に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当事業年度における財政状態は、総資産は4,629,318千円(前事業年度末比306,521千円減)となりました。負債は4,223,745千円(前事業年度末比362,438千円減)となりました。純資産は405,573千円(前事業年度末比55,917千円増)となりました。
ロ.経営成績
当事業年度における経営成績は、売上高は2,646,721千円(前期比5.8%減)、営業利益は58,710千円(前期は営業損失285,016千円)、経常利益は55,900千円(前期は経常損失284,039千円)、当期純利益は66,334千円(前期は当期純損失284,288千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
MFD事業
当セグメントにおきましては、季節ごとの商品入れ替えや、当社の管理栄養士・栄養士による食事相談サポート付き「私のおせち」の販売、紹介ネットワークの管理栄養士・栄養士に向けた「ミールタイム栄養士スキルアップセミナー」の実施、健康食宅配サービス『ミールタイム』の通販サイトのリニューアルに加え、2024年4月にブランド開始20周年を迎えるにあたり記念価格として各種商品の値下げを2024年3月に実施し、認知度の向上及び新規顧客の獲得に努めました。
また、医療機関への営業活動を本社・大阪支社・神奈川支社の3拠点体制で実施し、紹介ネットワークの拡大と深耕を通じて新規顧客の獲得に努めるとともに、当社の管理栄養士・栄養士が顧客の疾病、制限数値、嗜好に合わせて食事を選び定期購入できるサービス「栄養士おまかせ定期便」への積極的な移行を中心として販売に注力しました。
しかしながら、医療機関を中心とした紹介ネットワークからの新規顧客が減少したことによる売上高の減少、新卒・中途社員の採用に伴う人件費の増加、資源価格の上昇に伴うカタログ制作費用の増加等により、前期比で収益が悪化しました。
この結果、MFD事業における売上高は2,064,998千円(前期比8.5%減)、セグメント利益(営業利益)は324,659千円(同32.4%減)となりました。
CID事業
当セグメントにおきましては、高品質・高価格の製品ラインナップを充実させるとともに、前年度より実施しているJAとのコラボレーションによるメニューに加え、新たに株式会社NTTアグリテクノロジー(NTT東日本グループ)との協業を開始し、同社から仕入れた野菜を使用したメニューの発売やプロモーションを実施することにより、新規顧客の獲得及び販売数の拡大に努めました。また、セグメント間取引として、MFD事業におけるミールタイム商品の一部を製造し、販売数の拡大に努めました。
依然として損益分岐点に達していないものの、各種プロモーションやセグメント間取引により前期の販売数を上回ったことから、前期比で収益が改善しました。
この結果、CID事業における売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は245,162千円(前期比73.1%増)、セグメント損失(営業損失)は323,366千円(前期は営業損失758,057千円)となりました。
マーケティング事業
当セグメントにおきましては、健康食通販カタログ『ミールタイム』及び『ミールタイム ファーマ』の2誌による広告枠の販売、また、紹介ネットワークを活用した業務受託において複数の案件を獲得しました。
この結果、マーケティング事業における売上高は475,325千円(前期比15.2%増)、セグメント利益(営業利益)は342,299千円(同17.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は期首残高より194,246千円減少し、781,536千円(前期比19.9%減)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは71,343千円の収入(前期比62.3%減)となりました。この主な要因は、税引前当期純利益が67,864千円、減価償却費が241,219千円、売上債権の増加額が72,184千円、棚卸資産の増加額が75,921千円、仕入債務の増加額が4,588千円、未払金の減少額が124,592千円、未収消費税等の減少額が11,460千円、未払消費税等の増加額が23,267千円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは3,091千円の収入(前期は694千円の支出)となりました。この要因は、有形固定資産の売却による収入が91千円、敷金及び保証金の回収による収入が3,000千円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは268,680千円の支出(前期比3.9%減)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出が270,360千円、ストック・オプションの行使による収入が1,688千円となったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
生産高(千円) |
前期比(%) |
CID事業 |
494,642 |
△14.7 |
(注)金額は、製造原価によっております。
ロ.仕入実績
当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
仕入高(千円) |
前期比(%) |
MFD事業 |
1,010,406 |
13.5 |
マーケティング事業 |
87,854 |
15.5 |
合計 |
1,098,260 |
13.6 |
(注)金額は、仕入価格によっております。
ハ.受注実績
当社は、受注から販売までの期間が短期間のため、記載を省略しております。
ニ.販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
MFD事業 |
2,064,998 |
△8.5 |
CID事業 |
245,162 |
73.1 |
マーケティング事業 |
475,325 |
15.2 |
計 |
2,785,486 |
△0.9 |
調整額 |
△138,765 |
- |
合計 |
2,646,721 |
△5.8 |
(注)1.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
2.CID事業の販売高はセグメント間の内部売上高を含んでおります。
3.調整額により、事業間の内部売上高を消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。財務諸表の作成に当たり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績は、売上高が2,646,721千円(前期比5.8%減)、売上総利益が1,299,610千円(前期比8.6%増)となりました。当社では、下記の3点が減収・増益の要因であると認識しております。
イ.当社の売上高全体の7割を占めるMFD事業において、当社の紹介ネットワークである医療機関からの新規顧客の流入が低調に推移し、定期購入サービスへの移行が当初の想定を下回った。また、MFD事業のチャネル別売上比率の約6割を占める定期購入サービスの利用会員数が前期末から減少した。さらに、原材料等の価格高騰等を背景に、仕入原価が高騰した。
ロ.CID事業の損益分岐点の未達及び翌事業年度の販売見通しに基づいた当事業年度末時点での販売不能見込みを製品評価損として織り込んだことにより、多額の売上原価が発生したものの、内部取引としてMFD事業で販売するミールタイムを製造したことや、水道光熱費等の削減により売上原価が改善した。
ハ.マーケティング事業において、紹介ネットワークを活用した業務受託の案件獲得に向けた提案営業に注力した結果、過去最高売上を達成した。
販売費及び一般管理費は、前事業年度に実施したTVCMの放映を実施しなかったこと等による広告宣伝費の削減、売上が減少したことによる運賃等の変動費が減少したこと等により、1,240,900千円(前期比16.2%減)となり、営業利益は58,710千円(前期は営業損失285,016千円)となりました。
営業外収益は41,836千円(前期比15.0%減)となりました。主な内訳は、受取手数料807千円、受取奨励金39,966千円、雑収入1,063千円であります。また、営業外費用は、44,645千円(前期比7.4%減)となりました。主な内訳は、支払利息44,644千円、雑損失1千円であります。その結果、経常利益は55,900千円(前期は経常損失284,039千円)となりました。
特別利益は12,105千円(前期比882.1%増)となりました。内訳は、新株予約権戻入益12,105千円であります。
税引前当期純利益は67,864千円(前期は税引前当期純損失282,806千円)、法人税、住民税及び事業税など法人税等合計が1,530千円となり、当期純利益は66,334千円(前期は当期純損失284,288千円)となりました。
当事業年度末の財政状態は、主に固定資産の減少(前事業年度末比244,403千円減)があったことなどから、総資産が4,629,318千円(前事業年度末比306,521千円減)となりました。
当事業年度末の流動資産は1,372,278千円(前事業年度末比62,117千円減)となりました。これは主に、現金及び預金の減少194,246千円、前払費用の減少4,157千円、仕掛品の減少1,254千円、未収消費税等を含むその他の流動資産の減少11,768千円があった一方、売掛金の増加72,184千円、商品及び製品の増加76,190千円、原材料及び貯蔵品の増加985千円によるものであります。
当事業年度末の固定資産は3,257,040千円(前事業年度末比244,403千円減)となりました。これは主に、減価償却累計額の増加226,111千円によるものであります。
当事業年度末の流動負債は502,460千円(前事業年度末比92,085千円減)となりました。これは主に、未払金の減少124,601千円、未払費用の減少2,146千円があった一方、買掛金の増加4,588千円、未払消費税等を含むその他の流動負債の増加23,703千円、未払法人税等の増加4,502千円によるものであります。
当事業年度末の固定負債は3,721,284千円(前事業年度末比270,352千円減)となりました。これは主に、長期借入金の減少270,360千円によるものであります。
当事業年度末の純資産は405,573千円(前事業年度末比55,917千円増)となりました。これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金の増加66,334千円、新株予約権の行使による資本金・資本準備金の増加1,688千円、新株予約権の減少12,105千円によるものであります。
当事業年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの原因については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、食品の安全性への信頼を揺るがす事故・事件の発生等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、定期的な第三者機関による品質・安全性の検査の実施等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、MFD事業においては、当社の紹介ネットワークである医療機関における外来患者の減少に伴い、医療機関からの新規顧客の流入が低調に推移しており、定期購入サービスの利用会員数も減少傾向にあるため、業績は悪化傾向にあります。WEBによるコミュニケーションを検討するなど、業績回復に向けて継続的に商品・サービスの見直しを検討してまいります。CID事業及びマーケティング事業においては、特段大きな影響を受けておらず、業績への影響は軽微であると見込んでおります。
当社の資本の財源及び資金の流動性は次のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入、運賃、広告宣伝費、保管料、人件費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当社は、2019年3月期から2021年3月期にかけて埼玉工場に係る設備投資を実行しており、自己資金及び金融機関からの借入等による資金調達を行いました。翌事業年度においては、重要な設備投資等を予定していないため、事業運営上必要な自己資金の安定的な確保に努めてまいります。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高は3,986,150千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は781,536千円となっております。