2023年12月期有価証券報告書より

リスク

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① インターネット及びEコマース普及の可能性について

当社グループは、雑誌定期購読サービスをワンストップで提供するWEBサイト「Fujisan.co.jp」を事業基盤としており、当社の収益はインターネットと強い関連性を有しております。そのため、インターネットの更なる普及が成長のための基本的条件であると考えられます。また、インターネットの普及に伴い、日本市場におけるEコマースも着実に成長しております。2022年の消費者向け国内Eコマース市場は22.7兆円(前年比9.91%増)(出所:経済産業省「令和4年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業」(電子商取引に関する市場調査))と報告されておりますが、当社グループの事業成長にはEコマースの普及・浸透が不可欠であります。

しかしながら、わが国におけるインターネット及びEコマースの歴史はまだ浅く、インターネット及びEコマースの普及に関して将来の予想予測には不透明な部分があります。今後インターネット利用者数の順調な増加が見られない場合や、Eコマース自体が消費者に受け入れられず、普及が順調に進まない場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、近年、Eコマース市場の拡大に対し、物流網の整備が追い付かず、結果として、物流網の整備、維持のための配送費の値上げ、ヤマトDM便のような従来利用してきたサービスが突然、利用できなくなる等の事象が発生しております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛によるEC事業の需要増により倉庫需要及び配送・倉庫関連の人件費が急騰しており、結果として委託費が上昇傾向にあるという事象も発生しております。今後、更にEコマース業界が拡大していくことにより、物流網、人材の需給がひっ迫し、配送環境が更に悪化した場合、物流網の整備のための配送費の値上げ及び配送スピードの悪化による消費者離れが発生し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、既存の外注業者と連携を取りつつ、不稼働の出版社預り在庫の縮小等によるオペレーション効率化、オペレーション負荷の高い配送について、オペレーションの二重化を検討する等、対応を進めて参ります。

 

② インターネット利用者の多様な行動パターンへの対応に関するリスク

インターネット業界においては、スマートフォン・タブレット端末等の新たなデバイスの登場により、消費者がより身近にインターネット等を利用できるようになり、当社が運営する「Fujisan.co.jp」の利用者も増加しております。しかしながら、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や動画、オンラインゲーム等、様々なWEBサービスも増加しており、インターネット利用者の行動パターンが多様化してきております。したがって、当社グループがこのようなインターネット利用者の行動パターンの変化に適切に対応できない場合、当社WEBサイトへの訪問件数や利用時間が低下する可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、インターネット利用者の行動パターンの変化に対応すべく、当面は雑誌のWEB化、スマートフォン対応を進めて参ります。

 

③ 出版業界の経営環境について

足元における出版業界の経営環境については、書店の減少、書籍購買者の減少等により、販売機会、販売数共に減少し厳しい経営状況が続いております。そのような経営環境の下で、さらに販売先である書店は経営効率改善のため業界再編に動いており、書店の大型化が進んでおります。また、書店は従来の多種類販売型、ショーウインドウ型の販売戦略から、売れ筋書籍を重視する販売に戦略を変えてきており、中小出版社にとってはますます販売機会が減少し、それに伴い販売数も減少するという悪循環に陥っております。このような経営環境の下で、今後において、出版社の廃業が増加し、それに伴って当社グループの取扱雑誌数が減少していった場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
 また、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、各種イベントの開催延期、縮小が相次いでおりました。ワクチン接種が進んだことで、各種イベントの再開、外出機会の増加に伴う消費増、それに伴う各種広告市場の需給改善が見込まれておりますが、今後、ワクチンが効かない新型コロナウイルスの発生、または新たなウイルスの発生等により、外出の禁止措置、イベント中止等が行われた場合、ファッション、イベント紹介系、スポーツ系の雑誌を中心に定期購読の新規獲得に影響が生じる可能性があります。また、広告市場の需給悪化に伴う、雑誌の休刊、または雑誌の刊行スケジュール変更等により、当社の顧客である出版社の経営に重要な影響が生じ、今後の経過によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、既存の定期購読者層を管理している強みを生かし、出版社の経営を定期購読という安定した販売顧客基盤を提供すること及び雑誌記事のWEB化支援等により、雑誌出版社の経営を支援して参ります。

 

④ 競合について

当社グループは、雑誌の定期購読サービス提供事業者におけるポジションを確固たるものとするため、ユーザーにとって魅力的なサイトの設計・運営やキャンペーンの実施、新規チャネルの活用、新たなデバイスへの対応などの施策を講じております。しかしながら、価格競争力・サービスレベル・資本力・マーケティング力・知名度という点で、当社グループよりも優位な企業等が、雑誌の定期購読サービスに新規参入した場合や、競合他社による競争の激化による顧客の流出やコストの増加等が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

 ⑤ 法人向け定期購読事業について

新型コロナウイルス感染症により密を避ける行動様式、他人が触れたものに触らないという行動様式が浸透しつつある結果、大規模な待合室を保有する法人顧客のうち、待合室での提供のため雑誌を購入していた顧客層については、今後、解約が増加し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、リモートワークが勤務形態として拡大し、定着することで、従来の企業単位、オフィス単位でのビジネス誌を中心とする雑誌購読契約の更新が減少し、新規に個人単位の雑誌の定期購読が行われない場合、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社としては、リモートワークを前提とした雑誌のWEBによる提供等のサービスを検討して参ります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① 特定事業への依存に関するリスク

当社グループの事業は、雑誌を基盤としたインターネットを活用したサービスに集中しております。したがって、当社グループの事業は、インターネットやEコマースの普及、出版業界の状況、出版業界固有の再販価格維持制度の状況といった外的要因に影響を受ける可能性があります。今後において、インターネット業界、Eコマース業界、出版業界において、新たな法的規制の導入や法的規制の改正、その他予期せぬ要因によって、これらの業界の発展が阻害される可能性があり、その動向によっては当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定の業務委託先に対する依存に関するリスク

当社グループは、雑誌販売支援事業の丸請サービスにおける雑誌の配送及び商品保管等の各種オペレーションの大半を、株式会社ニューブックに委託しております。業務を委託するに当たり、当社グループでは様々な事態を考慮して、楽天ブックスネットワーク株式会社経由で販売委託を受けている雑誌については同社経由での配送を行うなど、配送ルートの分散化を進めてはおりますが、予期せぬ事態により、株式会社ニューブックとの間の取引継続が困難になる場合には、代替先の確保、業務の引継ぎ等に時間を要しサービス提供の停止またはサービス提供において大幅な遅れが生じる可能性があります。そのような事象が生じた場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社が委託する倉庫会社、配送会社の配送拠点において新型コロナウイルス感染症等、業務に支障がでる感染症の罹患者が発生した場合、購読者に対する雑誌の配送業務に影響が及び、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループとしては、配送ルートの代替プランの整備等、リスクに対応できる体制を引き続き整備して参ります。

 

③ 当社登録ユーザー数の減少に関するリスク

当社の定期購読サービスを利用する総登録ユーザー数は2023年12月末で4,128,129名となっております。

当社のビジネスモデルにおける収益源は出版社への取次サービスに係る手数料でありますが、その源泉は「Fujisan.co.jp」を利用する購読者からの購読代金であります。したがって、登録ユーザー数の増減は、当社の経営成績に大きな影響を及ぼすことから、当社では新規登録ユーザーの獲得活動に注力するほか、顧客満足度の向上を通じた定期購読サービスの継続率向上に努めております。しかしながら、登録ユーザー数の拡大に関する施策が計画通りに進捗しなかった場合、あるいは顧客満足度の低下に伴い退会者数が増加した場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、出版社の定期購読事業の移管によるユーザー数の拡大および既に獲得している定期購読顧客に対して物販、イベントでの優遇策等の提供による継続率維持の施策を通じて会員数の拡大、確保に努めております。

 

④ 検索エンジンへの集客依存について

インターネットユーザーの多くは、検索エンジンを使って、必要な情報を入手しております。当社事業での新規顧客獲得に係る集客においても、Google等の検索エンジン及びその検索エンジンの表示結果に依存しております。今後、検索エンジン運営事業者における上位表示方針の変更やシステムトラブル等、その他予期せぬ要因によって検索結果の表示が当社にとって優位に働かない場合には、当社が運営するサイトへの集客効果は短期的あるいは長期的に減退し、それによって登録ユーザーの減少に繋がる可能性があります。それらの事態が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、常に検索エンジンのアルゴリズム変更に対してアンテナを張ることで、サイトへの集客力を維持するとともに、雑誌誌面での定期購読キャンペーンの訴求、出版社サイト経由での定期購読者獲得等を通じて検索エンジン以外の集客手段についても拡大を図っております。

 

⑤ 新規事業について

当社グループは新規事業として雑誌記事と連動したEC事業(マガコマース)の展開を開始しております。また、2021年度にはビッグデータ領域における当社保有データの活用を検討するため、株式会社Catalyst・Data・Partnersに対して、大手出版社と同タイミングで総額300百万円弱の出資を実行しております。さらに、将来的な展望として当社顧客基盤をベースとしたメディア事業や当社が出版社から預かっている雑誌コンテンツを用いたWEBメディア事業、広告配信事業、その他趣味嗜好を軸とした事業等への進出も検討して参る予定であります。また、当該領域に参入するために自社グループでの独自展開のみならず、出資、アライアンス、M&A等を行う可能性があります。当該新規事業について、新規事業、投資等の性質上、計画通りに事業展開が見込めない事態の発生や、出版社等のコンテンツホルダーとの関係悪化、有力コンテンツの導入や利用者のニーズの適確な把握が困難となり、十分な機能の拡充に支障が生じた場合、利用者に対する訴求力の低下、投資したアセットに対する評価減の発生等により、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 法的規制について

当社グループの事業に関して、事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はないものと考えておりますが、当社グループの事業に関連する主な法的規制及び当社の対応状況は以下のとおりであります。

 

イ)電気通信事業法

電気通信事業者として通信の秘密の保護等の義務が課せられております。当社は同法に基づき、電気通信事業者として届出を行っております。

 

ロ)不当景品類及び不当表示防止法

過度に高額な景品等の不当な景品類の禁止、優良誤認、有利誤認等不当な表示の禁止等の遵守が求められております。当社は、同法に基づき、キャンペーン等の企画について、経営管理グループが法令に適合しているかを確認するとともに、必要に応じて顧問弁護士に確認を取りながら事業を推進しております。

 

ハ)特定商取引法

通信販売を行う事業者として、広告における一定事項の表示、誇大広告の禁止等の遵守が求められております。当社は、同法に基づき、当社が運営する「Fujisan.co.jp」上に必要事項を開示しております。

 

ニ)個人情報の保護に関する法律

個人情報取扱事業者として、個人情報取得の際に利用目的の特定及び目的以外での個人情報の利用禁止、個人データの適正な管理、保有する個人データについて本人からの開示・訂正等・利用停止等の要求への対応等の義務が課せられております。当社の同法への対応状況は、「(3)情報セキュリティに関するリスク ②個人情報の管理について」に記載のとおりであります。

 

当社グループでは、企業価値の維持向上のためには、全社的な法令遵守体制の強化、推進が必要不可欠であると認識しており、法令遵守に関する社内ルールを定めた「コンプライアンス憲章」を制定し、当該社内規程の遵守を徹底しておりますが、万が一、予期せぬ事態によって法令違反が発生した場合や、上記を含めた各種法的規制の改正や新たな法的規制の導入が行われた場合等には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 情報セキュリティに関するリスク

① 情報システムの支障または情報セキュリティの不備に関するリスク

当社グループは、運営する各種サービスにおいて、住所、氏名、電話番号等の利用者個人を特定できる情報を取得しております。当社グループは、利用者のプライバシー及び個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っておりますが、不正アクセス等による情報の外部への漏洩や悪用等の可能性は皆無とは言えず、これを理由に法的紛争に巻き込まれる可能性があるほか、内外監督当局からの処分を受ける可能性があり、そのような場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループが提供するサービスの多くは、コンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを通じて提供されておりますが、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワークまたはコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウイルス・マルウエア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員の過誤等により、正常なサービスの提供に支障が生じる可能性や、当社グループの不正な利用、重要なデータの消去または不正取得等が発生する可能性があります。これらの事由によるサービスの停止や機能低下が生じた場合、収益機会の喪失、当社グループのシステム自体への信頼性低下または損害賠償請求等が生じる可能性のほか、監督官庁からの処分等を受ける場合があります。さらに、当社グループが保持する情報の不正な利用については、適切な求償先を求めることができない場合、当社グループの損害となります。このような事象が発生した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、ネットワークのバックアップ体制の整備、セキュリティの強化により、かかるリスクに対応できる体制の構築を進めて参ります。

 

② 個人情報の管理について

当社は、2003年5月の「個人情報の保護に関する法律」施行を踏まえ、「個人情報保護規程」の制定等により個人情報の取り扱い管理の向上を図っており、2010年1月29日には、プライバシーマークを取得しております。現在まで顧客情報の流出等による問題は発生しておりませんが、今後、顧客情報の流出により問題が発生した場合、当社への損害賠償請求や信用の失墜等により、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、引き続き、プライバシーマーク保持に必要な体制を整備することで、かかるリスクに対応できる体制の構築を進めて参ります。

 

(4) 事業運営体制に係わるリスクについて

① 小規模組織であることについて

2023年12月31日現在における当社組織の状況は、取締役4名(うち非常勤取締役1名)、監査役3名(うち非常勤監査役2名)であり、当社グループ全体の従業員数86名(臨時雇用者を除く)となっており、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を構築しております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず役職員による業務遂行に支障が生じた場合、あるいは役職員が予期せず退任または退社した場合には、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成について

当社グループにおいて優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であると認識しております。新入社員及び中途入社社員に対するOJT研修の実施等、将来を担う優秀な人材の確保・育成に努め、社内研修等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材を採用できない場合、また採用し育成した役職員が当社の事業の発展に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外に流出した場合には、優秀な人材の確保に支障をきたす等、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは貴重な人材の外部流出を防ぐために、カスタマーサポート以外の部門について、フレックスタイムの導入、経営管理部門以外の完全テレワークの実現等、柔軟な働き方を認める体制の整備を図り、従業員のライフワークバランスを向上させることで人材の流出を防ぐ体制を整備して参ります。

 

③ 特定人物への依存について

当社代表取締役会長である西野伸一郎は、当社の創業者として、事業の立案や実行等、会社運営において、重要な役割を果たしております。当社といたしましては、同氏に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他

① 配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けております。配当につきましては、 株主資本を充実させて財務基盤の安定・強化を図り成長投資に積極的に振り向ける一方、一過性の内容の利益及び現預金の増加を伴うものではない利益を除く親会社株主に帰属する当期純利益に対して 20%を目途に経営成績に応じた利益還元を継続的に行う方針であります。 剰余金の配当を行う場合、年1回の期末配当を基本方針としており、配当の決定機関は株主総会となっております。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、当社役員及び当社従業員並びに当社子会社従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。

これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社では今後も新株予約権の付与を行う可能性があり、この場合、さらに1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

また、2019年8月には行使義務条項付有償新株予約権の発行も行っております。

なお、当事業年度末現在における行使義務条項付有償新株予約権も含む新株予約権による潜在株式数は238,900株あり、発行済株式総数3,315,620株の7.21%に相当します。新株予約権の詳細については「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」に記載のとおりであります。

 

配当政策

3 【配当政策】

当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置付けております。配当につきましては、株主資本を充実させて財務基盤の安定・強化を図り成長投資に積極的に振り向ける一方、一過性の内容の利益及び現預金の増加を伴うものではない利益を除く親会社株主に帰属する当期純利益に対して20%を目途に経営成績に応じた利益還元を継続的に行う方針であります。

当社の剰余金の配当は、期末配当の年1回を基本的な方針としております。配当の決定機関は、株主総会であり、中間配当の決定機関は取締役会であります。

当事業年度の剰余金の配当につきましては、継続的な安定配当の基本方針のもと、1株当たり16円としております。

内部留保資金の使途につきましては、企業体質の強化及び将来の事業展開のための財源として利用していく予定であります。

 

(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりであります。

 

決議年月日

配当金の総額(百万円)

1株当たり配当額(円)

2024年3月27日

定時株主総会決議

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