リスク
3【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本文における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
項目 |
発生 時期 |
発生 可能性 |
影響度 |
リスク |
顕在化した場合の影響 |
対策 |
① 業績の季節変動 |
第2 四半期 |
高 |
高 |
・クリスマス時期を中心とした12月の年末に売上高及び利益が偏重するため期中の利益が平準化しない ・12月に自然災害、感染症の流行等が発生した場合、購買行動を抑制する可能性がある |
・売上高及び利益の減少 |
・シーズンごとの商品展開の強化 ・定番収益商材の品揃え強化 |
② 商品仕入れ及び在庫 |
不特定 |
高 |
高 |
・海外ブランドの商品供給政策等によっては特定のブランド品を仕入れることができなくなる可能性がある ・流通経路のトラブルや需要と供給のバランスの崩壊により、人気ブランドの商品仕入が極端に制限される可能性がある ・自然災害や感染症の流行等により、インポートブランド品の生産国・流通経路等における経済活動が長期にわたり停滞する可能性がある |
・売上高及び利益の減少 |
・プライベートブランドのパイプライン増加 ・国内外の仕入バランスの調整 ・海外仕入国または地域の分散 |
③ 偽造品・不正商品の混入 |
不特定 |
低 |
高 |
・取扱商品に偽造品や不正商品が紛れ込んでしまう可能性がある ・同業他社が偽造品や不正商品を販売する可能性がある |
・購入者からの賠償請求及び信用力の低下等 ・風評被害 ・売上高及び利益の減少 |
・ブランド品の新規仕入先を原則日本流通自主管理協会(略称AACD)加盟企業とする ・新商品を取り扱う際は本社仕入担当者が商品チェックする ・既存商品については必要に応じ、AACDからの情報などを参考に本社・店舗でチェックを行う |
④ 為替や貴金属相場の変動、カントリーリスク |
不特定 |
中 |
中 |
・ナショナルブランド商品及びプライベートブランド商品の生産拠点が海外にあることで為替変動の影響を受ける可能性がある ・地政学的リスク、社会リスク、信用リスク、市場リスクの影響を受ける可能性がある ・宝飾品等の原材料である貴金属の価格変動を速やかに販売価格へ反映させることが困難である |
・売上高及び利益の減少 ・値ごろ感の消失による集客力の低下 ・諸物価の高騰による消費マインドの減退 |
・プライベートブランドパイプラインの増設 ・宝飾新規事業の立ち上げ |
⑤ M&A等の投資 |
不特定 |
中 |
高 |
・買収後に偶発債務や未認識の債務の発生する可能性がある ・のれん等の発生の可能性がある ・収益性の誤認の可能性がある |
・事業計画に対して大幅未達となる可能性 ・のれん等の減損処理 |
・対象企業の詳細なデューデリジェンス実施 ・事業ポートフォリオのモニタリング 計画的なPMIの実施 |
⑥ 新規事業の取組 |
不特定 |
高 |
低 |
・計画通りに新規事業が推移せず投資に対する十分な回収を得られない可能性がある |
・投資に対する損失の計上等 |
・新規事業に対する経営陣のモニタリング |
⑦ 知的財産権管理 |
不特定 |
低 |
低 |
・プライベートブランドのうち知的財産権管理を行っていないものが模倣される可能性がある ・第三者の商標権等知的財産権に関する当社の調査が不十分な場合は第三者の知的財産権を侵害する可能性がある |
・店舗のブランド力低下 ・売上高及び利益の減少 ・損害賠償請求 |
・外部の弁理士を活用した情報収集と必要な対応を実施 |
⑧ 郊外型SC等への店舗集中 |
不特定 |
中 |
高 |
・周辺地域の地域活性化や商業施設の開設による商圏中心地が移動する可能性がある ・来館者の変化により客層、ニーズが変化する可能性がある ・当社グループの出店するSCが閉鎖する可能性がある |
・閉店に伴う損失発生 ・閉店店舗の売上高・利益の剥落 ・賃貸借契約の解約に伴う損失の発生 |
・業態開発 ・M&Aによる新規事業の確保 ・店舗の収益性を維持、向上 ・展開商品の見直しによる収益性向上 |
⑨ 人材不足 |
不特定 |
高 |
高 |
・人材の獲得競争激化及び人材市場(転職市場)の活発化による離職者の増加により人材不足となる可能性がある |
・売上高及び利益の減少 ・店舗運営が困難となる |
・従業員の待遇改善により、採用強化と定着率の向上を図る ・新卒採用者へのフォローアップの実施により、早期離職率低減を図る ・採用手法を多様化させる ・店舗の収益性改善及びコスト削減により利益の確保を図る |
⑩ 不正行為の発生 |
不特定 |
中 |
中 |
・内部関係者が関与する詐欺、横領、または規制・法令・社内規則の潜脱を目的とした類の行為が発生する可能性がある |
・従業員のモチベーション低下 ・社会的信用の低下 |
・内部通報制度の制定 ・内部監査の実施 損失事象データの蓄積と分析等を通じたオペレーショナルリスクの管理 ・従業員に対する教育、研修の実施 |
⑪ 自然災害等 |
不特定 |
高 |
低 |
・大地震や津波、台風、洪水等の自然災害により店舗施設に物理的に損害が生じる可能性がある営業時間の短縮や休業、配送の遅延により当社グループの販売活動や物流、仕入活動が阻害される可能性がある ・未知のウイルス等による大規模な感染症の発生、拡大により商業施設が営業時間の短縮や休業、集客力に影響を与える可能性がある ・人的被害が発生する可能性がある |
・人員不足 ・店舗閉鎖、休業、営業時間短縮等による業績の悪化 |
・勤務人員の通勤経路等を考慮し当社グループ独自に判断、営業時間の短縮を早めることによる安全確保 |
⑫ 情報セキュリティ |
不特定 |
中 |
高 |
・人為的過誤、サイバー攻撃、広範囲な自然災害、外部業者トラブル等によりコンピュータシステムや通信ネットワークに問題が生じ適切に利用できなくなる可能性がある ・個人情報(会員に関する情報、クレジットカード情報、購入履歴、従業員情報等)が漏洩する可能性がある ・仕入、営業のノウハウの流出の可能性がある |
・信用力の低下等 ・事故対応費用の発生 ・被害者からの損害賠償請求 |
・不正アクセス対策、コンピュータウイルス対策、不信通信対策等の実施 ・各種規程の制定 ・各種情報が記載された媒体の適正処理を徹底 ・退職時の情報持出の管理徹底 |
⑬ 有利子負債への依存度 |
不特定 |
中 |
高 |
・有利子負債への依存度が高い(2024年8月末現在の有利子負債残高4,264百万円、総資産に対する有利子負債の比率60.4% |
・金融機関の支援が得られない場合に資金繰りが逼迫 ・市場金利が上昇した場合に支払利息が増加 |
・金融機関との関係を維持・強化 ・キャッシュ・フローを改善し有利子負債の削減を図る ・収益性向上及びコスト削減による利益の確保 ・案件ごとに複数の金融機関と交渉 ・エクイティファイナンスの活用 |
⑭ 減損損失の発生 |
不特定 |
高 |
高 |
・店舗の収益性の著しい低下や閉店の意思決定が発生する可能性がある。 |
・減損損失の発生 |
・インポートブランドを中心とした販売政策の転換 ・収益性の高い商材の販売拡大 ・店舗の収益性改善及びコスト削減により利益の確保を図る ・本社経費等の削減により全社の収益性を向上 |
⑮ 繰延税金資産の取り崩し |
期末 |
中 |
中 |
・繰延税金資産の全部または一部が回収できない可能性がある |
・利益の減少 |
・店舗の収益性改善及びコスト削減により利益の確保を図る ・インポートブランドを中心とした販売政策からの転換 ・収益性の高い商材の販売拡大 |
⑯ 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、2022年8月期以降の急激な円安進行・物価高騰によりインポートブランド品の販売が落ち込み、不採算店舗の閉店も進めた結果、前連結会計年度及び当連結会計年度において、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在すると認識しております。
当社グループはこのような状況に対し、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおり、ハピネス・アンド・ディの構造改革等に取り組んでおります。
また、資金面においては、当連結会計年度において、営業活動によるキャッ シュ・フローは756百万円となり、当連結会計年度末において、現金及び預金981百万円を保有しており、現在財務制限条項のついた金融機関との借入契約はありません。
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、今後の安定的な事業継続に必要な資金繰りを維持するため、当社は取引金融機関に対して借入金の元本返済に係る条件変更の申し入れを行い、各金融機関の同意をいただくとともに、メインバンクである株式会社千葉銀行より新規借入を行っております。メインバンクを中心に金融機関と緊密な関係を維持しており、今後も継続的な支援が得られるものと考えております。
なお、当社は、2023年10月に第三者割当による第11回新株予約権及び第12回新株予約権の発行を行っております。権利行使期間は2026年10月までとなっており、今後の行使による調達額はM&Aをはじめとする事業領域の拡大等に充当し、自己資本の充実にも資するものと考えております。
以上により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在するものの、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
配当政策
3【配当政策】
当社は、株主の皆様への利益還元を企業経営の観点から極めて重要と考えており、継続的な安定配当を基本方針といたします。内部留保につきましては、経営体質の強化と新規出店等の設備投資等に活用し、収益基盤の強化・拡充を図ってまいります。配当性向につきましては、今後の事業展開、業績見通し等を総合的に勘案しながら、30%程度とすることにしております。ただし、急激な経営環境の悪化による著しい業績低迷時を除き、1株当たり年間配当額15円を最低額といたします。
また、当社は、年2回、中間期及び期末に剰余金の配当を行うことを基本的な方針としており、期末剰余金の配当の決定機関は株主総会であります。
2024年8月期の剰余金の配当におきましては、当期の業績が大変厳しい結果となり、今後も引き続き不透明な事業環境が続くものと予想されることから、1株当たり期末配当を7円50銭(1株当たり年間配当額は15円00銭)としております。
(注)基準日が当事業年度に属する剰余金の配当は以下のとおりであります。
決議年月日 |
配当金の総額(千円) |
1株当たり配当額(円) |
2024年4月12日 |
19,091 |
7.5 |
取締役会決議 |
||
2024年11月28日 |
19,065 |
7.5 |
定時株主総会決議 |
当社は、株主の皆様への利益配分の機会を充実させるため、2021年8月期より中間配当を実施しております。
当社は「取締役会の決議により、毎年2月末日を基準日として、中間配当を行うことができる。」旨を定款に定めております。