2025年3月期有価証券報告書より

事業内容

セグメント情報
※セグメント情報が得られない場合は、複数セグメントであっても単一セグメントと表記される場合があります
※セグメントの売上や利益は、企業毎にその定義が異なる場合があります

カメラ事業 時計事業 筆記具事業 自転車事業
  • 売上
  • 利益
  • 利益率

最新年度

セグメント名 売上
(百万円)
売上構成比率
(%)
利益
(百万円)
利益構成比率
(%)
利益率
(%)
カメラ事業 41,237 78.3 4,559 89.6 11.1
時計事業 10,157 19.3 440 8.6 4.3
筆記具事業 467 0.9 67 1.3 14.4
自転車事業 798 1.5 20 0.4 2.5

事業内容

 

3 【事業の内容】

当社は初心者から愛好家までの幅広い層を対象に、「インターネットを利用して価値ある新品と中古品(注)1の安心・安全なお取引を行うこと」を目標に事業を展開しております。

当社が置かれていますEコマース市場は、経済産業省の電子商取引に関する市場調査において、2023年の国内小売販売に占める物販系のEC化率は9.38%(前年比0.25ポイント増)と推計され、商取引の電子化が進展しております。(注)2

その中の中古品市場は、中古ビジネスへの注目から多様な業態が参入したことによるBtoC取引の増加、スマートフォンによる購入環境の進化と取扱品の多様化によるユーザー層の広がりによって、インターネットオークション、フリマアプリなどを利用したCtoC取引が増加し、市場の拡大を牽引しております。一方で、コピー商品、不当表示や商品不具合等のトラブルになっている事例も多くあることから、市場としてより安全な取引環境の整備が課題となっております。このような市場環境のなか、当社は安心・安全が求められる大切な商品を取り扱える会社として、より良い取引環境の実現を目指しております。

 

(注) 1.当社では、新品だけではなく、中古品についても高級嗜好品、アンティーク等にとらわれず、顧客が愛着を持って大切に保有されてきた品物を「価値ある中古品」として取り扱っております。

2.出典:経済産業省 令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)

 

当社は、インターネットと店舗において、中古品の買取と販売及び新品の販売を行っております。なお、2025年3月31日時点でのWeb会員数は、728,424人となっており、Web会員の地域分布は、次のとおりであります。

 

<Web会員地域分布>

 

北海道・東北

関東

中部

近畿

中国

四国

九州・沖縄

合計

会員(人)

54,002

376,233

98,644

111,336

27,112

13,149

47,948

728,424

比率(%)

7.4

51.7

13.5

15.3

3.7

1.8

6.6

100.0

 

 

当社では、インターネットで安心・安全に取引を完結できる環境を構築しておりますが、実店舗で実際の商品の状態を確かめたいという顧客にも対応するため、基本的に1事業につき1店舗の運営をしております。

また、当社が営むカメラ事業、時計事業、筆記具事業、自転車事業ではいずれも専門的な知識が求められます。それぞれの事業の取扱商品に対して“こだわり”を持って接し、専門性を追求することにより、商品知識豊富な人材が育成されており、当社ではそのような人材をエキスパートと呼んでおります。

 

なお、当社が事業を行う上での屋号につきましては次のとおりであります。(注)3


 

(注) 3.高品質なサービスを提供するために、事業ごとに異なった屋号で事業展開しております。

 

当社の事業における位置付け及びセグメントとの関係は次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一区分であります。

 

[カメラ事業]

当事業は屋号を「Map Camera」とし、ライカやローライ、ハッセル、ツァイスなどカメラ愛好家に求められる機種、また国内や海外のデジタルカメラ、フィルムカメラ、交換レンズなどの中古品・新品を取り扱うカメラ専門店として、初心者から愛好家までの幅広い層の顧客のニーズに応えられるように事業展開を行っております。

商品調達につきましては、当社で扱う中古品は個人の顧客からの買取による仕入であり、新品はメーカーまたは問屋からの仕入を行っております。買取の手順としては、顧客からのインターネットによる査定申し込み・宅配配送(通信買取)、または顧客による店舗への持ち込み(店舗買取)によりお品物をお預かりします。その後、当社エキスパートによる検品を行い、エキスパートの経験と当社独自の買取査定データベースの活用を基本とし、適正な買取価格を顧客に提示確認後、買取を行います。

買取った商品につきましては、当社保有のリペア・クリーニングに関するノウハウにより、メンテナンスしたうえで、インターネット及び店舗にて販売しております。

販売につきましては、買取と同様にインターネットと店舗の両チャネルで中古品と新品の販売を行っており、インターネット上では、商品の様々な画像、商品コンディションの独自評価、製品仕様といった様々な商品説明を掲載しております。店舗では、商品知識豊富なエキスパートによる商品説明やアドバイスの提供を行っております。インターネット、店舗ともに商品状態が分かる情報を提示することで、顧客の不安を取り除き、より安全かつ快適な取引環境の提供に努めております。

また、中古品、新品の両方を取り扱うことで、中古品を下取し新品を提供することが可能となり、顧客の利便性を高めております。

 

[時計事業]

当事業は屋号を「GMT」とし、パテックフィリップ、ランゲ&ゾーネなどのフォーマルな時計から、ロレックス、ブライトリングなどのスポーツ時計までの中古品・新品を幅広く取り揃え、エキスパートによるサービスとともに機械式時計を中心とした時計専門店として事業展開しております。また、屋号を「BRILLER」として、ロレックス、カルティエ、シャネルなどを中心としたレディース時計とブランドバック等を取扱い、「GMT」と同様のサービスを提供しております。

中古品の買取から、中古品・新品の販売までの流れはカメラ事業と同様で、時計事業においても中古品、新品の両方を取り扱うことで中古品を下取し新品を提供することが可能となり、顧客の利便性とそれによるリピート客の増加を図っております。

 

[筆記具事業]

当事業は屋号を「KINGDOM NOTE」とし、世界各国のブランド万年筆やボールペンをはじめとした筆記具関連の幅広い商品を中古品・新品ともに取り揃えた筆記具専門店として事業展開しております。

中古品の買取から、中古品・新品の販売までの流れはカメラ事業と同様で、筆記具事業においても中古品、新品の両方を取り扱うことで中古品を下取し新品を提供することが可能となり、顧客の利便性とそれによるリピート客の増加を図っております。

 

[自転車事業]

当事業は屋号を「CROWN GEARS」とし、ロードバイク、小径自転車、マウンテンバイクなどの自転車、関連したパーツやアクセサリーまでの幅広い商品を中古品・新品ともに取り揃えたロードバイク専門店として事業展開しております。

商品調達につきましては、中古品は個人の顧客からの買取であり、インターネットによる通信買取及び店舗買取に加え東京近郊を対象とした出張買取を行っており、新品はメーカーまたは問屋からの仕入を行っております。

販売につきましては、インターネットと店舗の両チャネルで中古品と新品の販売を行っており、中古品については商品化の際のメンテナンスと受け入れ検査を十分に行うとともに、商品状態が判る情報を詳細に提示することで、顧客の不安を取り除き、より安全かつ快適な取引環境の提供に努めております。

また、中古品、新品の両方を取り扱うことで、中古品を下取し新品を提供することが可能となり、顧客の利便性とそれによるリピート客の増加を図っております。

なお、当社では、インターネットを活用した「価値ある新品と中古品」取引の拡大、顧客の利便性向上を企図しており、以下の特徴を有しております。

 

(1) インターネットを通した安心・安全な取引環境の実現

当社はインターネットを利用した販売・買取を行っており、インターネットのみで安心・安全に取引を完結できる環境を構築しております。

顧客が中古品をインターネット上で安心・安全に取引するためには、本物の商品(偽物ではない)であることの保証がされていることと正確な情報開示が不可欠となります。

当社では、事業ごとの専門的な知識・経験をもったエキスパートにより、「価値ある中古品」を適正に鑑定したうえで買取を行い、本物の商品であることの保証をしております。なお、万が一、中古商品に不具合、機能不良等がある場合には、返品・交換を受け付けております。

また、正確な情報開示につきましては、インターネット上でも中古品の状態がはっきりとわかるランク付き情報提供や品質保証などを行っております。

 

(2) ロイヤルカスタマーの創出

当社にて繰り返し商品の売り買いをされている顧客を、当社ではロイヤルカスタマーと呼んでおります。

当社においては、商品の販売だけではなく、買取も行っているため、当社を通して、顧客は売り買い双方が可能な循環型のビジネスモデルを構築しております。

同時に、当社では場所や時間を選ばずに取引可能なインターネットサイトや豊富な品揃え、商品知識豊富なエキスパートを有しており、顧客に繰り返し売り買いを行っていただく環境を整備しております。

このような取引環境を通じて顧客満足度を高め、信頼を一つずつ積み重ねていくことが、新規ロイヤルカスタマーの創出に繋がっております。

 

[事業系統図]

以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

 


 

業績

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概況

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、国際情勢の不安定化と地政学的リスクの高まりが継続的に影響を及ぼしました。これらを背景とする為替レートの急速な変動、資源不足・原材料価格の高騰、物価上昇等が継続しており、個人消費への影響や、景気の先行きに対する懸念は、依然として不透明な状況が続いております。

一方、当社が置かれているEコマース市場は、経済産業省の電子商取引に関する市場調査において、2023年の国内小売販売に占める物販系のEC化率は9.38%(前年比0.25ポイント増)と推計され、商取引の電子化が進展しています。

 

(注) 出典:経済産業省 令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)

 

このような経営環境のもと、当社は「お客様に『価値ある新品と中古品』を安心、安全に取引できるマーケットを創造すること」を方針として、インターネット経由ですべての情報とサービスをお客様に提供してまいりました。中長期目標の実現に向けたビジョンとして「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」を前事業年度より引き続いて掲げ、従業員エンゲージメント強化を進めることで、「ムダ・ムリ」をなくしたスリムな経営と、社員の成長とともに会社の成長を目指しております。

 

当事業年度においては、主軸のカメラ事業は引き続き、新製品の販売やAIの活用による購買動機の創造で堅調に推移しました。時計事業の売上高は為替変動に左右される局面もあり、前年を下回っての推移となりました。新規会員数は着実に増えるなどの効果もあり、売上高は52,658,393千円(前年同期比7.8%増)となりました。

 

利益面では、主軸のカメラ事業で「AIMD」の改良を行い、売上高が伸びる中で売上総利益率を維持する努力を続けております。しかしながら、販売構成における新品比率の高さが全体の利益率に一定の影響を及ぼしております。時計事業では、売上高の回復と、利益を確保した価格水準での販売を両立することができております。その結果、当事業年度の売上総利益率は前事業年度と同率の18.7%となりました。

 

販売費及び一般管理費においては、システム強化やメンテナンス対応に伴うシステム費用の増加等もあり6,455,617千円(同11.6%増)となり、売上高販売管理費比率は前年同期から0.4ポイント増12.3%となりました。また、基幹システムの開発計画の変更によって、ソフトウエア資産(ソフトウエア仮勘定)の資産性を再検討した結果、減損損失として特別損失に386,303千円を計上することとなり、これらによって、営業利益は3,396,866千円(同1.6%増)、経常利益は3,368,170千円(同0.7%増)、当期純利益は2,020,774千円(同13.0%減)となりました。

 

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

[カメラ事業]

売上高において、新規会員数や女性のお客様の増加等、市場の広がりとともに、人気機種の後継機の発売や中古品においてはセールイベント等の効果もあり、2桁成長となりました。

また、前事業年度に引き続き、動画配信を中心としたコンテンツの拡充に注力しました。3つの撮影スタジオを自社内に開設したことで、YouTube等の動画コンテンツの制作効率も上がり、新規視聴者数は2桁成長を継続、若年層等新たな視聴者の獲得も進んでおります。また、11月後半から開始したポイント付与キャンペーンやポイントプログラムバリューアップの効果もあり、顧客の購買意欲を喚起することで売上の増加に寄与しました。

 これらによりセグメント売上高は41,237,434千円(前年同期比12.5%増)となり、セグメント利益については4,559,067千円(同6.2%増)となりました。

 

[時計事業]

高級機械式時計の市場は、2024年8月の世界的な株価下落の影響を受け、販売が鈍化する状況となりました。以降、価格相場下落は一服し回復基調となりました。また、SNSの活用を強化する等で販売促進を図るとともに、利益確保にも注力しました。免税売上高においては、総じて円安傾向にあったことで売上伸長に寄与した一方で、短期的な為替変動による影響で停滞する月もみられました。

これらによりセグメント売上高は10,156,570千円(前年同期比7.5%減)、セグメント利益については439,831千円(同1.0%減)となりました。

 

[筆記具事業]

EC売上及び免税売上が2桁成長したことで、全体の売上高、利益ともに堅調な推移となりました。

これらにより、セグメント売上高は466,590千円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益については67,067千円(同8.1%増)となりました。

 

[自転車事業]

免税売上が減少したものの、EC売上が好調に推移し前年同期と比べ2桁の成長を達成しました。利益面においては、新規顧客の開拓を含めた戦略的なモール販売の強化によりモール利用手数料が上昇しました。

これらにより、セグメント売上高は797,798千円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益については19,784千円(同58.4%減)となりました。

 

(グローバル戦略について)

これまで「Map Camera」として世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」へ、「GMT」として「eBay」及び高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」へ出店、加えて「Buyee Connect」を導入しております。

当事業年度においては、引き続き「eBay」でオーストラリアへの取扱商品を拡充させたことが売上高伸長の要因となり、越境ECにおける売上高は3,368,517千円(前年同期比2.5%増)となりました。また、為替相場が円安水準で推移したことやインバウンド需要の回復などにより、免税を中心に売上高は堅調に推移しました。カメラ事業では「eBay Japan Awards2024」にて販売実績等の総合的評価トップのセラーに贈られる「Seller of the Year」を3年連続で獲得しております。

 越境ECにおける売上高はカメラ事業、時計事業、筆記具事業、自転車事業にそれぞれに含まれて計上されており、当事業年度においては、カメラ事業2,698,216千円、時計事業651,196千円、筆記具事業18,592千円、自転車事業512千円となっております。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

(単位:千円)

区分

前事業年度

2023年4月1日から2024年3月31日まで

当事業年度

2024年4月1日から2025年3月31日まで

増減

増減率

(%)

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,362,378

1,207,937

△1,154,441

△48.9

投資活動によるキャッシュ・フロー

△412,657

△847,885

△435,228

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,051,941

52,534

2,104,475

現金及び現金同等物の増減額

△102,220

412,585

514,806

現金及び現金同等物の期首残高

1,423,525

1,321,305

△102,220

△7.2

現金及び現金同等物の期末残高

1,321,305

1,733,890

412,585

31.2

 

当事業年度末における現金及び現金同等物は、1,733,890千円となり、前事業年度末と比較して412,585千円の増加となりました。

 

各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって獲得したキャッシュ・フローは、1,207,937千円(前年同期は2,362,378千円の獲得)となりました。これは、主として税引前当期純利益2,951,875千円、減損損失386,303千円、法人税等の支払額1,151,855千円、棚卸資産の増加額703,342千円、売上債権の増加額544,845千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、847,885千円(前年同期は412,657千円の使用)となりました。これは、主として無形固定資産の取得による支出484,495千円、有形固定資産の取得による支出311,735千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によって獲得したキャッシュ・フローは、52,534千円(前年同期は2,051,941千円の使用)となりました。これは、主として長期借入れによる収入1,600,000千円、長期借入金の返済による支出1,309,672千円、配当金の支払額762,011千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

該当事項はありませんが、代替的な指標として当事業年度の仕入実績を記載しております。

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

カメラ事業

33,715,429

114.6

時計事業

8,875,491

89.5

筆記具事業

299,872

107.3

自転車事業

648,174

110.6

合計

43,538,968

108.3

 

(注) セグメント間の取引はありません。

 

b.受注実績

該当事項はありません。

 

c.販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当事業年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

カメラ事業

EC

34,867,330

113.0

 

店舗

6,370,103

109.9

 

セグメント計

41,237,434

112.5

時計事業

EC

4,689,042

87.8

 

店舗

5,467,528

97.0

 

セグメント計

10,156,570

92.5

筆記具事業

EC

341,559

111.8

 

店舗

125,030

97.9

 

セグメント計

466,590

107.7

自転車事業

EC

740,135

163.2

 

店舗

57,662

18.2

 

セグメント計

797,798

103.7

合計

EC

40,638,067

109.9

 

店舗

12,020,326

101.2

 

セグメント計

52,658,393

107.8

 

(注) 1.セグメント間の取引はありません。

2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項については、当事業年度末において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。

詳細につきましては、第5(経理の状況)1(財務諸表等)(1)財務諸表 (注記事項) (重要な会計方針)及び(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

当事業年度末の資産につきましては、総資産が18,088,978千円となり、前事業年度末と比較して2,025,867千円の増加となりました。

流動資産は15,733,356千円となり、前事業年度末と比較して1,771,368千円の増加となりました。これは主として商品が703,343千円増加、売掛金が544,846千円増加したことによるものであります。

固定資産は2,355,621千円となり、前事業年度末と比較して254,498千円の増加となりました。これは主として建物が213,615千円増加、工具、器具及び備品が80,417千円増加したことによるものであります。

負債につきましては、7,920,785千円となり、前事業年度末と比較して123,918千円の増加となりました。

流動負債は6,270,400千円となり、前事業年度末と比較して290,672千円の増加となりました。これは主として1年内返済予定の長期借入金が500,918千円増加、未払法人税等が233,775千円減少したことによるものであります。

固定負債は1,650,384千円となり、前事業年度末と比較して166,754千円の減少となりました。これは主として長期借入金が210,592千円減少したことによるものであります。

純資産につきましては、10,168,192千円となり前事業年度末と比較して1,901,948千円の増加となりました。これは主として繰越利益剰余金が1,221,405千円増加、自己株式が681,519千円減少したことによるものであります。

 

b.経営成績

当事業年度の売上高は、52,658,393千円(前年同期比7.8%増)となりました。これまでの「One to Oneマーケティング」において、カメラ事業の需給に合わせたタイムリーな買取・販売価格の設定を可能とした「AIMD」の改良を行い、Web上に保有する記事コンテンツの中から顧客ごとに適切なものを配信する「AIコンテンツレコメンド」を一層推し進めました。さらに、「コンテンツクリエイト部」を2023年に設立し、YouTubeを中心に動画の制作や配信を行うなど、ECにおける販促施策を展開いたしました。

売上総利益は、カメラ事業における「AIMD」による中古商品の販売・買取価格設定が機能したこと、時計事業における利益を確保した販売の実施等によって、前事業年度と同率となり、9,852,483千円(同7.9%増)となりました。

販売費及び一般管理費におきましては、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、基幹システムをはじめとする投資、従業員給与の増加等によって6,455,617千円(同11.6%増)となり、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.4ポイント増加しました。

営業利益は3,396,866千円(同1.6%増)となりました。

営業外収益は、為替差益等の減少により16,562千円(同57.9%減)となりました。営業外費用は、支払利息等の計上により45,258千円(同16.7%増)となりました。

経常利益は3,368,170千円(同0.7%増)となり、売上高経常利益率は6.4%(同0.5ポイント減)となりました。

特別損失は、減損損失等を計上したことにより416,307千円(同123千円)となりました。

この結果、当期純利益は2,020,774千円(同13.0%減)となり、売上高当期純利益率は3.8%(同0.9ポイント減)となりました。

 

 

c.目標とする経営指標の達成状況等

売上高経常利益率につきましては、長期的には8%以上を目標としております。ROE(株主資本利益率)につきましては、長期目標として30%以上を目指しております。

 

 

実績

業績予想

長期目標

 

第19期

第20期

第21期

 

2024年3月

2025年3月

2026年3月

売上高経常利益率

6.8

%

6.4

%

6.2

%

8%以上

ROE(株主資本利益率)

31.5

%

21.9

%

 

30%以上

 

 

売上高経常利益率

これまでに取り組んできました「One to Oneマーケティング」と「AIMD」、「AIコンテンツレコメンド」の活用、YouTubeによる顧客誘引を行うことで売上高は増加、「AIMD」活用と時計事業での利益を確保した販売の実施等によって、売上総利益率は前事業年度と同率の18.7%となりました。売上高販売管理費は、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、基幹システムをはじめとする投資、従業員給与の増加等によって、売上高販売管理費比率は前事業年度から0.4ポイント増加しました。この結果、売上高経常利益率は前事業年度より0.5ポイント低下6.4%となりました。

 

ROE(株主資本利益率)

当事業年度につきましては、当期純利益が前事業年度より13.0%減少したことで、ROE(株主資本利益率)は前事業年度より9.6ポイント減少し21.9%となりました。今後も引き続き、経営効率の向上に寄与する諸施策を実施いたします。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2(事業の状況)3(事業等のリスク)に記載しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

財務・資本政策の基本的な方針

当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性確保、財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主に銀行等から長期及び短期の借入金を中心とした資金調達を行っております。事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応のため、各金融機関とは幅広く良好な関係を構築し、綿密な連携を実施しております。また、売上高経常利益率向上、ROE向上に向けた諸施策に伴う投資については、フリーキャッシュフロー(FCF)を注視しながら、中長期的な視点を持ち、実施しております。2026年3月期も手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュフロー、有利子負債の活用により創出された配分可能な経営資源については、将来の成長に向けた投資や株主還元のさらなる充実等に活用する予定です。

 

資金需要の主な内容

当社の資金需要は、営業活動に係る資金支出では、事業規模拡大に伴う商品仕入やメンテナンス作業及び配送作業スペース拡充に伴う賃借料、人員増加に伴う人件費、さらにEC販売強化に伴うシステム関連費用などがあります。また、投資活動に係る資金支出は、事業規模拡大に伴う事務所等の拡充による有形固定資産の取得、システム投資による無形固定資産の取得、敷金保証金等の差入などがあります。

 

資金調達

当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、各金融機関と緊密な連携を図り、機動的な対応を可能にする関係性を構築しております。設備投資額は、営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、営業キャッシュ・フローを超える投資を行う場合は、金融機関等からの借入を実施し、有利子負債を活用しております。