2026年3月期有価証券報告書より
  • 社員数
    260名(単体)
  • 平均年齢
    36.0歳(単体)
  • 平均勤続年数
    7.3年(単体)
  • 平均年収
    5,934,401円(単体)
  • 平均年収の
    対前年増減率
    1.6%(単体)

従業員の状況

人材戦略に関する基本方針等

(1) 【人材戦略に関する基本方針等】

当社は、経営理念に掲げる「企業は社員と社会に対し、夢を与え続けること」「やる気こそ会社発展の原動力」を具現化するため、従業員給与および報酬体系を人的資本投資の最重要項目と位置付けております。

詳細につきましては、「第2「事業の状況」2「サステナビリティに関する考え方及び取組」(4)従業員給与等の基本方針と決定方針」をご参照ください。

 

(2) 【従業員の状況】

(1) 提出会社の状況

 

 

 

 

 

2026年3月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

平均年間給与の対前

事業年度増減率(%)

260

〔19〕

36.0

7.3

5,934,401

1.6

 

 

セグメントの名称

従業員数(名)

カメラ事業

163

〔12〕

時計事業

38

〔1〕

筆記具事業

11

〔–〕

全社(共通)

48

〔6〕

合計

260

〔19〕

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、嘱託を含む。)は、年間の平均人員を〔 〕外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.全社(共通)として、記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属しているものであります。

 

(2) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円滑に推移しております。

 

(3) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

 2026年3月31日現在

管理職に占める

女性労働者の割合(注)

男性労働者の

育児休業取得率(%)

労働者の男女の賃金の差異(%)

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

16.7%

100%

85.0%

85.9%

57.4%

 

(注) 1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。

 

サステナビリティに関する取り組み(人的資本に関する取組みを含む)

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

当社では、循環型社会へ貢献する当社ビジネス『リバリュー』と『テクノロジー』をかけあわせることで持続可能な成長を目指しております。持続可能な成長のためには事業活動を通して社会問題の解決に貢献することが重要であると考えており、この考えに沿ってリスクと機会の特定と目標を展開することで、戦略的なサステナビリティの推進を図ります。

 

(1) ガバナンス

当社では、ESG経営全般に関連する全社横断的な方針・取り組みについて、取締役上席執行役員を責任者とし、総務部が中心となってその検討および推進を行っております。

総務部では、環境、社会、ガバナンスに関する事項が当社の事業活動に与える影響について考察を行い、必要なデータを各部署より収集・分析し、対応方針や施策の策定および進捗管理を担っております。また、総務部は推進事務局として全体を統括するとともに、サステナビリティ開示に関する実務も担当しております。

なお、サステナビリティ関連事項のうち、特に重要かつ専属部門が存在するものについては、当該部門が担当しております。たとえば、人的資本に関する事項は人事部がその推進を担っております。

 

サステナビリティ施策の進捗状況については関連部署への定期的なモニタリングを行い、事業活動や財務に重大な影響を与える事項については、取締役会にて対応方針や施策を審議・決議いたします。

当社は今後もサーキュラーエコノミー型事業を軸にグローバルを視野に入れた多種多様な人材が活躍できる場を提供し、エンゲージメントの取れた企業風土と法令の遵守、コーポレート・ガバナンス体制を強化し、持続可能な企業成長を目指してまいります。

 


 

 

(2) 戦略

当社の事業は、カメラ、時計、筆記具という、時代や国境を超えた「価値ある新品と中古品」を、インターネットというフィールドの利便性を最大限に活かし、適正価格で取引いただくビジネスです。価値ある中古品をお客様の手元にお届けすることは、中古品の廃棄や新商品の製造と比較して、環境負荷が格段に軽減されることとなります。当社はこの「モノ」の価値を見極め、買取・販売することで、循環型社会に大きく貢献するプロセスを「リバリュー」と呼び、サステナビリティ戦略として最重要視しております。

循環型社会に向けた「リバリュー」の入口は、商品が新品として販売される時であり、当社はお買い求めいただいた商品のお買い替え時に、再び当社をご利用いただけるよう、お客様にご納得いただきやすい買取価格をAIにより算出しているほか、総合補償システムの「安心サービス」や、フォトシェアリングサイト「EVERYBODY×PHOTOGRAPHER.com」をはじめとした、商品のある生活を充実させるサービスの展開を行っております。

その上で、魅力ある下取価格とサービスを提供することで、お客様にご愛用品を下取に出していただき、ひとりでも多くのお客様を循環型社会における消費スタイルへ誘導していくことが「リバリュー」の目指す姿であると考えております。

 

この考え方のもと、当事業年度においても、サステナビリティ戦略として以下の3点を推進することを決定し、様々な施策を実施しました。

 

① 循環型社会の拡大に貢献するビジネスの拡大

 当社の事業拡大そのものが、循環型社会の拡大に直結しているとの考えのもと、中長期の事業計画に高くコミットメントいたします。

・新品の販売に始まり、下取を経て中古品を流通させる「リバリュー」の一層の促進によって、

 中古品の廃棄や新製品の製造と比較し、環境負荷がより低減されたお買い物手法の提供

・メンテナンス技術の向上、アフターサービスや補償サービスの拡充で、中古品の価値を高め、製品寿命を延ばすことに貢献

・中古品の購入をインターネット等で訴求することで、循環型社会の啓蒙に貢献するなどの効果が生まれるため、これをサステナビリティ戦略として推進します。

 あわせて、事業計画の策定や新規事業の検討においては、対象とする商品・サービスが「リバリュー」を通じてサステナブルな社会形成に貢献するものであるかを、検討に含めることとしております。

 

② 直接・間接的な温室効果ガス排出量・廃棄物の削減

   当社のEC事業はその特性上、製造工程を有さず、調達、梱包、出荷物流における環境負荷の低減が、サステナビリティ戦略上の最重要課題となります。

   当社ではまず、自社内プロセスにおける温室効果ガス排出量および廃棄物の削減に精力的に取り組んでおります。具体的には、梱包資材をFSC認証の商品パックや段ボールパッケージ、バイオマスマーク認定のビニール手提げ袋、ポリエチレン袋、梱包テープ又はテープ表面にポリエチレンラミネートがない、環境に配慮したテープへ切り替えているほか、設備の更新時には電力消費量削減を重視した機種選定をしております。

   また、温室効果ガス排出量および廃棄物の削減に向けた取り組みの一環として、従来紙媒体で発行していた株主優待券を2026年配布分より電子化いたします。これにより、配送に伴う温室効果ガスの排出抑制とともに、紙資源の使用量および廃棄物の削減を図ってまいります。

 温室効果ガス排出量に関しては、2023年度より、全店舗および全拠点での年間電力使用量に相当する「ト

ラッキング付FIT非化石証書」の活用を開始いたしました。これにより、電力使用に伴う排出量(Scope 2)

については、既に実質ゼロを実現しております。この取り組みは「地球温暖化対策推進法(温対法)」に基

づく排出量ゼロ算定を可能とするだけでなく、RE100、CDP、SBTiといった国際的なイニシアティブにも適応

するものです。

 今後は、自社内プロセスのネットゼロ達成を維持するとともに、Scope 3(サプライチェーン全体)の排出

量削減についても注力してまいります。既に算定を完了している排出量データに基づき、環境に配慮した配

送の活用や物流効率化など、2030年に向けた中長期的な削減目標を策定し、脱炭素社会の実現に貢献してま

いります。

 

 

③ サステナビリティ情報の積極開示と、イニシアティブ等への参画および署名

   当社は気候変動問題をサステナビリティ経営上の重要課題であると捉え、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼす可能性があると考えております。このような認識のもと、当社はサステナブルな社会の実現に向け、積極的な情報開示を行ってまいります。あわせて、当社の経営理念、ビジョン、事業内容、行動規範等と、共通する価値観のもとにあるイニシアティブ等へは、積極的に参画、署名等を推進しております。

   この一環として当社は、CDPの質問書に対する回答を通じた情報開示を実施しており、CDP2025気候変動質問書に回答して気候変動の分野で「B」の評価となりました。

   また、2023年4月から経済産業省・環境省・金融庁が主導するTCFDコンソーシアムに参加し、気候変動に関するリスクが事業や経営成績に与える影響・対応策について、TCFDの提言に基づき分析を行い、開示を行っております。

   環境問題以外のサステナビリティ課題に対しては、これまでも「一般社団法人障がい者自立推進機構」による「パラリンアート」のオフィシャルパートナー、写真・映像に係わる文化や芸術振興を目的とし「東京都写真美術館」の支援会員等を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献する取組を推進しております。また、2023年5月から当社は「国連グローバル・コンパクト」に署名し、参加企業として登録されました。これに合わせ、人権・労働・環境・腐敗防止の4分野からなる「10原則」をサステナビリティ戦略の中核に据えております。今後も、これら各分野における施策を強化するとともに、透明かつ包括的な情報開示を推進してまいります。

 

(3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社は経営理念として「企業は社員と社会に対し、夢を与え続けること」を存在価値と定義し、「やる気こそ会社発展の原動力」と掲げております。この考えのもと当社では、中長期目標の実現に向けたビジョンとして「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」を掲げております。

この2つのビジョンは、従業員エンゲージメント強化を進めることで、「ムダ・ムリ」をなくしたスリムな経営と、社員の成長とともに会社の成長を目指すというものです。2つのビジョンをすべての取組と行動目標に紐づけることで、経営理念に基づいた事業発展を目指しております。

 

「4つのシンカ」では、①最新のテクノロジーによるサービスの拡充を追求する「進む価値」の“シンカ”、②顧客のロイヤルカスタマー化のためのスタッフの専門性向上及びECサイトの質の向上を追求する「知識を深める価値」の“シンカ”、③ブランディング確立のための品揃え、お客様本位の対応、アフターサービス向上等を追求する「真実の価値」の“シンカ”、④新たな取り組みのために常に想像力を培い、チャレンジすることを追求する「新しい価値」の“シンカ”を掲げております。この4つのシンカは、ひとつに偏ることなく枝葉を伸ばし、しっかりと根をはっていくことで大樹となるものと考えており、すべての従業員が高い価値提供を行えるようになることで、事業を発展させ続けるものというビジョンを掲げております。

 

「バリューチェーン・シナリオプランニング」は、サプライチェーンの有事対応を想定したソリューションに由来する考え方です。当社ではこの元来の概念を昇華させ、「Digital(省人化による原資の分配)、Agility(ジョブローテーション、スキルアップ)、Resilience(メイン事業の柔軟な投資)、Solidity(オペレーションの標準化、重複業務の削減)」の4要素を、ビジネス変革の原動力になるものとして掲げております。

 

「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」が、人的資本の領域で徹底されると、当社はビジネス変革にて、①それぞれの領域での「仕組み化」が徹底される、②従業員一人ひとりの対応領域が拡大される、③ビジネスが機動的、かつしなやかさを持つものとなる、という効果が期待できます。

これにより、当社は最小限の従業員数でビジネスを推進でき、ECビジネスモデルの特徴である「売上高拡大に固定費増加を伴わないため利益拡大しやすい」という財務的価値の獲得にもつながるものであるため、当社はこの2つのビジョンの追求を、人的資本経営の根幹と位置付けております。この人的資本への投資を通じて、1人当たりの売上高、利益を増加させつつ、1人当たりの報酬額増加も目指すサイクルを回し、ヒトと事業のバランスの取れた発展を目指してまいります。

 


 

このビジョンを達成するため、当社では、以下の4点を推進いたします。

 

① 経営戦略と人材戦略の連動強化

「4つのシンカ」、「バリューチェーン・シナリオプランニング」という2つのビジョンを、全役員・全従業員のすべての取組と行動目標に紐づけております。半期に1度、全従業員が、すべての取組・行動目標が、経営戦略、事業戦略に沿っているかを振り返ることで、戦略の浸透を徹底しております。

理念・ビジョンへの共感は「4つのシンカ」、「バリューチェーン・シナリオプランニング」を強化することで推進できると考えており、経営理念に基づいた「実績に対し、適切な利益配分がされなくてはならない」を徹底しております。

② 人材の採用と育成

前例のない物事(新価)や仕組み化(進価)への挑戦には、小売、EC業界の専門性を高めることと合わせ、組織としての変化対応力、変化創造力を高めることが重要であると考えております。当社の向き合うEC業界は、VUCA時代において特に変化の速い業界であり、一人ひとりの人材においても、未経験業務に対する「伸びしろの高さ」を求めております。

したがって、当社の定める変化対応・創造力の基準を満たしていれば、配属先の予定業務における知識、スキル、経験の要件を満たしていない場合でも、積極的なポテンシャル採用を行っております。また、キャリアチェンジを促進する制度によって、従業員の変化対応・変化創造力を積極的に高めることを目指しております。

 

③ 多様性の向上

当社は、多様性を通じた新事業・新価値創造を目指すべく、性別を限定しない平等な組織構築、グローバル人材の採用に対して、目標値を定めております(デモグラフィック・ダイバーシティ)。この一環として当社は「国連グローバル・コンパクト」への加盟を行っており、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、腐敗の防止に関わる10の原則に賛同し、その実現を図ることで、多様な人材が価値創造を行う環境を整える取組を行っております。また、上述「② 人材の採用と育成」の観点と合わせ、保有スキルの多様化(タスク・ダイバーシティ)を推進し、従業員の多様性を価値創造の根源と考えております。

 

④ 働き方改革

従業員の働き方改革を一層進めます。20時以降の残業を原則禁止し、業務上やむを得ない事由がある場合においても、担当取締役の決裁を必要とすることで、優先度に基づく業務の取捨選択を徹底し、生産性の高い働き方を推進しつつ、多様性の維持向上にも貢献します。

 

(4) 従業員給与等の基本方針と決定方針

当社は、経営理念に掲げる「企業は社員と社会に対し、夢を与え続けること」「やる気こそ会社発展の原動力」を具現化するため、従業員給与および報酬体系を人的資本投資の最重要項目と位置付けております。

当社の給与決定における基本方針は、中長期目標の実現に向けた2つのビジョン「4つのシンカ」および「バリューチェーン・シナリオプランニング」の追求を通じて創出された財務的価値を、従業員エンゲージメント強化の原資として適切かつ効率的に分配し、「1人当たり売上高・利益の増加」と「1人当たりの報酬額の増加」を同時に実現する『ヒトと事業のバランスの取れた発展』を目指すものであります。

具体的な給与・処遇の決定においては、人材戦略の4つの推進事項と密接に連動させた以下の仕組みを導入・運用しております。

① 経営戦略・業績への貢献度に基づく適切な利益配分(戦略連動とコミットメント)

全従業員が半期に1度行う「4つのシンカ」「バリューチェーン・シナリオプランニング」に紐づいた行動目標の達成度、および経営戦略・事業戦略への貢献度を多角的に評価します。経営理念に基づき、「実績に対し、適切な利益配分がされなくてはならない」という原則を徹底し、会社の成長(ECビジネスモデルの強みを活かした利益拡大)の成果を、賞与やインセンティブへダイレクトに反映する体系としております。

 

② ポテンシャルと成長への報奨(採用・育成との連動)

VUCA時代におけるEC業界の変化に対応するため、現在の保有スキルのみならず、未経験業務に対する「伸びしろの高さ(変化対応・変化創造力)」や、ジョブローテーション等を通じた多能工化(スキルアップ)のプロセスを評価し、給与の改定に反映します。これにより、ポテンシャル採用された人材であっても、入社後の成長度合いに応じて迅速に報いる方針をとっております。

 

③ 多様性を尊重した公平公正な評価・処遇(多様性の向上との連動)

「国連グローバル・コンパクト」の精神に則り、デモグラフィック・ダイバーシティ(性別・国籍等)およびタスク・ダイバーシティ(保有スキルの多様化)を推進するため、あらゆる属性から排除された不当な格差を無くし、提供した価値そのものを評価する公平な報酬決定プロセスを徹底しております。

 

④ 生産性の向上に対するインセンティブ(働き方改革との連動)

20時以降の残業原則禁止等による「業務の取捨選択」と「仕組み化・オペレーション標準化」の徹底を評価基準に組み込んでおります。長時間労働に依存せず、限られた時間内で高い成果・生産性を発揮した従業員(ムダ・ムリをなくしたスリムな経営に貢献した従業員)を高く処遇する方針としております。

 

(5)  平均年間給与の前年度比増減率

当事業年度における従業員の平均年間給与の前年度比増減率は以下の通りです。

・平均年間給与の前年度比増減率:+1.6%

 当事業年度における前年度比増減率は微増となりました。当社の報酬方針である「経営戦略との連動」および「実績に対する適切な利益配分」に基づき、個人の成果(個人評価)に加えて各事業領域の成果(部門評価)を厳格に反映した結果、一部の業績不振部門において賞与等の配分額が減少したことが主な要因であります。これは経営理念に掲げる、成果と分配のメリハリを徹底した運用の現れであります。

一方で、当社は中長期的な成長の原動力となる人的資本への投資を強化しております。当事業年度においては、従業員の専門性向上および変化対応力を強力に支援するため、リスキリングに関わる手当の支給額を従来の月額5,000円から10,000円へと倍増いたしました。

短期的な部門業績の波に対しては厳格な評価を行う一方、従業員の「伸びしろの高さ」を引き出す成長投資(リスキリング支援等)は拡充しており、これにより「4つのシンカ」を体現できる人材を育成し、次年度以降の「1人当たり売上高・利益および報酬額の増加」のサイクルへと繋げてまいります。

 

(6) リスク管理

サステナビリティ経営に関するリスクマネジメントは、総務部が情報収集を行い、当社への影響が大きいリスク及び機会を定量・定性の両面から評価、重要リスク及び機会を特定しております。当社経営に重大な影響を与えると判断された事項に関しては、関連部署から抽出されたその他リスク及び機会とともに経営会議及び取締役会へ集約をし、取締役会にて審議・決議を行っております。

また、総務部より各事業部に対して、リスク及び機会への対応について適宜指示及び支援を行うことで、全社横断的なリスク管理体制を整えております。

ただし、サステナビリティ関連事項において特に重要、かつその事項の専属部門が存在する場合は、当該部門が主導してリスク及び機会の対応を行っております。

 

当社ではまず、2021年に開催されたCOP26で「将来的な気候変動問題を左右する分岐点」とされた「2030年」を想定し、4℃シナリオおよび1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオ)を参考に定性・定量の両面から、リスクと機会を考察、今後の対応を策定しております。

 

 

分類

カテ

ゴリ

評価項目

考察結果

分類:
リスク・機会

財務的影響

時期

4℃

1.5℃

政策

法規制

カーボンプライシングの導入

カーボンプライシング導入やGHG排出規制に関わる法案が事業活動全体に影響し、操業コストが増加する。

1.5℃:リスク

中期

電力価格の変動

エネルギーコスト上昇に伴う操業コストが変化。

4℃:機会
1.5℃:リスク

再生可能

エネルギー使用

再生可能エネルギー使用における電力価格の低下

1.5℃:機会

プラスチック

規制

プラスチック使用・製造に対して法規制がなされた場合、対応コストが発生。当社においては、梱包材を環境配慮型資材に変更しており同規制による影響は軽微であると分析しております。

4℃:リスク
1.5℃:機会

化石燃料の

価格上昇

GHG削減義務が強化された場合、エネルギーコストが上昇し、商品配送会社が配送料に追発生コストを転嫁した場合、商品配送コストが増加。

4℃:リスク
1.5℃:リスク

省エネ政策

不動産のZEB化が義務となった場合、対応費用が入居オフィスや各店舗の賃料増加に繋がる。

1.5℃:リスク

市場

顧客行動変化

循環型社会が拡大し、消費者の環境意識も高まった結果、リユース品への需要が増加する。

1.5℃:機会

省エネルギー製品をはじめライフサイクル全体でのCO2排出量が小さい製品に対する販売機会の拡大。

1.5℃:機会

評判

顧客・投資家からの評判変化

環境への取り組みが不十分であったり、環境情報の適切な情報開示がなされない場合、顧客・投資家からのレピュテーションリスクが発生。

4℃:リスク
1.5℃:機会

急性

異常気象の

激甚化

(台風、洪水、高潮等)

異常気象の増加に伴い、サプライチェーンの寸断による商品調達の遅延や事故が発生。
 
なお、弊社各拠点に関しては、ハザードマップを基に分析を行い、洪水等の異常気象による被害は最小限となることを把握しております。

4℃:リスク
1.5℃:リスク

短期

 

 

 

 

(7) 指標及び目標

① 環境における指標及び目標

当社では事業活動において、環境への影響を測定・管理するための指標として温室効果ガス排出量(GHGプロトコルに基づくScope 1、2、3)を採用しております。

自社内プロセス(Scope 1、2)に関しては、当初「2030年度までのネットゼロ」を目標に掲げておりましたが、2023年度よりトラッキング付FIT非化石証書の活用を開始したことで、目標を大幅に前倒しし、Scope 2における実質排出量ゼロを達成いたしました。今後もこの実績を維持し、自社排出量の最小化を継続してまいります。

サプライチェーン全体(Scope 3)の削減に向けては、サプライヤー様による環境配慮への取り組みを評価した取引の優先化や、環境に配慮した配送をはじめとする環境配慮型サービスの積極的な利用など、事業展開の全域で環境負荷低減を図ってまいります。

Scope 3における具体的な削減目標については、事業拡大に伴う排出量の増加を抑制しつつ、循環型社会の構築とサステナブルな成長を両立させることを重視し、2030年に向けた中長期目標の策定を進めてまいります。

 

No.

環境

2025年度排出量

2030年度排出量目標値

1

Scope1

0

 

0

2

Scope2

※1 251.6

t-Co2

(実質「ゼロ」を継続)

3

Scope3

173,533.0

t-CO2

(検討中)

 

 

     ※1 CO2排出量はFIT非化石証書を購入したことで、実質的に「ゼロ」として扱う。

 

② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

人的資本経営に基づく戦略推進のための指標と目標は、以下を設定しております。

 

No.

戦略

指標名

2025年3月期

2026年3月期

2029年3月期

目標値

1

経営戦略と人材戦略の連動強化

2つのビジョンをすべての取組と行動目標に紐づけ

・4つのシンカ指標
・バリューチェーン・シナリオ
 プランニング指標

(注)1

1人当たりの売上高

196百万円

185百万円

211百万円

1人当たり年収

5,843千円

5,934千円

(注)2

2

人材採用と育成

知識、スキル、経験の「伸びしろ」を最大限に引きだす採用と教育

ポテンシャル採用比率(注)3

72%

85%

50%以上

年間キャリアチェンジ実施率(注)4

8%

24%

20%以上

リスキリング手当活用率(注)5

-

92.4%

100%

3

多様性の向上

性別・国籍にこだわらない平等な雇用

採用した労働者に占める女性労働者の割合

47%

52%

4555%

外国籍人材の従業員数(注)6

2名

2

7

4

働き方改革

システム化等による労働時間、残業の削減

1人当たりの月平均残業時間

12:38

13:33

10時間未満

有給消化率

82.80%

85.90%

95%以上

 

(注)1.「4つのシンカ指標」につきましては、「進価」、「深価」、「真価」、「新価」を、「バリューチェーン・シナリオプランニング指標」につきましては「Agility(敏捷性)」、「Resilience(強靭性)」、「Digital(非接触)」、「Solidity(固体性)」を目標設定において社員がどの「シンカ」「バリューチェーン・シナリオプランニング」を選定しコミットメントを行っているかという比率や、行ったコミットメントへの達成率をモニタリングしてまいります。一方、従業員が業務において向き合う個々の課題と「4つのシンカ」「バリューチェーン・シナリオプランニング」別の目標設定における設定比率の間に正解は存在しないことから、目標値を定めない指標として運用し、経営課題と照らし合わせながらモニタリングを行ってまいります。

      この指標の活用例としては、たとえば新領域を切り拓く「新価」の目標設定が全社的に疎かになっていないことを、本指標を通じてモニタリングすることによって、既存事業、既存市場、既存手法からの利益獲得にとどまらない新たな課題への取組が、目標設定ベースで担保されているかの振り返りを行っております。目標設定比率や目標達成率は、職位、所属等の切り口を変えて分析を行っており、必要に応じてドリルダウンを行うことで、マクロ・ミクロ両面の観点から、従業員が必要な課題に対処しているか等のモニタリングを行っております。

      あわせて、人材育成、採用の際は、これらの指標を踏まえた人材育成計画や求人票における人材要件の策定等を行う他、部門における業務優先順位の判断に活用するトライアルも実施しております。

     「4つのシンカ」および「バリューチェーン・シナリオプランニング」は、事業年度の上期、下期の目標設定ごとに測定しており、2025年度における状況は下図の通りです。

 

4つのシンカ

 


 

バリューチェーン・シナリオプランニング

 


 

   2. 1人当たり年収は、株主還元との適切なバランスを鑑みつつ向上を目指すものであるため、2029年3月期目標値は設定せず、重要指標としてモニタリングを行います。

 

   3.「ポテンシャル採用の比率」は、当社の定める変化対応・創造力の基準を満たす人材です。この基準を満たしている場合は、配属先の予定担当業務に必要な知識、スキル、経験を有さない場合でも、積極的に採用します。

 

   4.「年間キャリアチェンジ実施率」は、人材育成計画に基づく人事異動対象従業員のべ人数を、1年間の平均従業員数で除した比率です。

 

   5.「リスキリング手当活用率」は、単なる福利厚生の利用状況に留まらず、従業員のスキルアップに対する意欲と、自律的なキャリア形成の浸透度を示す重要指標(KPI)と位置づけております。当社では、従業員の自律的なスキル開発を促すため、月額10,000円のリスキリング手当を全正社員に支給しております。2025年度における同手当の活用率は92.4%に達しました。

この高い活用率は、学習が一時的なイベントではなく、日々の業務に組み込まれた「組織文化」として定着していることを示しています。投資した資金が確実にスキルのアップデートに繋がる仕組みを構築することで、変化に強い組織体質の強化を図っております。

 

   6.「外国籍人材」には、日本国籍保有者であって、出生から雇用開始時までの大半を外国で過ごした者や、日本語以外の言語をネイティブとする者等は、対象に含めることがあります。